JPH05159242A - 磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法

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JPH05159242A
JPH05159242A JP32070091A JP32070091A JPH05159242A JP H05159242 A JPH05159242 A JP H05159242A JP 32070091 A JP32070091 A JP 32070091A JP 32070091 A JP32070091 A JP 32070091A JP H05159242 A JPH05159242 A JP H05159242A
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head
magnetic
magnetoresistive
insulating layer
magnetic layer
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JP32070091A
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Koji Takano
公史 高野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 きわめて高い再生効率を持ち、媒体からの漏
洩磁束が小さい場合でも充分な再生出力が得られるMR
ヘッドを提供する。 【構成】 基板11上に媒体との摺動面側を除いて磁性
層12を形成した後、基板11と磁性層12上に絶縁層
12を形成する。絶縁層12上で、MR素子14の摺動
面と反対側の端部14aを絶縁層12を介して磁性層1
2と重ねて形成し、その重なり部分でMR素子14と磁
性層12とを磁気的に結合させる。MR素子14上に一
対のリード導体15、16を形成する。MR素子14の
一端は摺動面に露出させる。 【効果】 きわめて高い再生効率を持ち、垂直磁気記録
媒体のように媒体からの漏洩磁束が小さい場合でも充分
な再生出力が得られるMRヘッドが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気ディスク装置、
磁気テ−プ装置等の磁気記録装置に用いられる磁気抵抗
効果型ヘッドおよびその製造方法に関し、さらに詳しく
言えば、垂直磁気記録用として好適な磁気抵抗効果型ヘ
ッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体からの磁束を誘導するため
の磁性膜の一部に磁気抵抗効果素子(以下MR素子とい
う)を挿入した構造のヘッドは、一般的にヨ−ク型の磁
気抵抗効果型ヘッド(以下MRヘッドという)として公
知である。その代表的な構造が、実開昭63−5210
8号公報に記載されている。
【0003】図6は、実開昭63−52108号公報に
開示された従来のヨ−ク型MRヘッドの構造の一例を示
す。図6のMRヘッド50では、磁性体からなる基板5
1の上に、絶縁層52を介して、磁性膜からなるフロン
トヨーク55とバックヨーク56を形成している。絶縁
層52の中には、矩形薄膜からなるMR素子54と、M
R素子54にバイアス磁界を供給するバイアス導体53
とが配置してある。フロントヨーク55とバックヨーク
56の間には空隙が存在するが、その空隙は絶縁層52
で充填されている。MR素子54は、その空隙の下方に
両端部を近接させて配置してある。MR素子54には、
その両端から図示しない一対のリード導体が導出してあ
る。
【0004】フロントヨーク55の摺動面側の端部に
は、基板51との間に幅gのギャップ57が形成してあ
り、摺動面と反対側の端部は、MR素子54の一端に近
接していてMR素子54と磁気的に結合している。バッ
クヨーク56の摺動面側の端部は、MR素子54の他端
に近接していてMR素子54と磁気的に結合しており、
摺動面と反対側の端部は基板51に直接接合してある。
【0005】上記MRヘッド50では、フロントヨーク
55およびバックヨーク56とMR素子54とは、電気
的に絶縁された状態で磁気的に結合されている。このた
め、媒体Mから発せられた漏洩磁束は、ギャップ57に
加えられ、フロントヨーク55、MR素子54、バック
ヨーク56および基板51により形成される閉じた磁気
ループを流れる。
【0006】MRヘッド50を使用する際には、MR素
子54に図示しないリード導体を介して電流を供給し、
バイアス導体53にバイアス電流を供給する。その状態
で媒体Mを図示したように走行させると、媒体Mからの
漏洩磁束は、ギャップ57からフロントヨーク55、M
R素子54、バックヨーク56、基板51へと流れ、そ
の磁束強度に応じてMR素子54の電気抵抗値が変化す
る。その電気抵抗値変化によってMR素子54を流れる
電流値が変化するので、その電流変化に基づいて媒体M
に記録されている情報が再生される。
【0007】図6のMRヘッド50では、絶縁層52の
表面の凹凸に起因してMR素子54のスパッタリング付
着面に凹凸が形成されるため、再生時にバルクハウゼン
ノイズを発生する等の問題がある。その点を改良した従
来のヨーク型MRヘッドの構造を図7に示す。
【0008】図7のMRヘッド60も、上記実開昭63
−52108号公報に開示されたものである。MRヘッ
ド60は、非磁性体からなる基板61の上に直接、矩形
薄膜からなるMR素子64を形成した後、そのMR素子
64を覆うように基板61上に絶縁層62を形成してい
る。絶縁層62は、十分な磁束の透過が可能な薄膜から
形成してある。絶縁層62の上には、フロントヨーク薄
膜65とバックヨーク薄膜66が形成してある。フロン
トヨーク薄膜65の摺動面とは反対側の端部とバックヨ
ーク薄膜66の摺動面側の端部は、MR素子64上に乗
り上げていて一部がMR素子64に重なっている。フロ
ントヨーク薄膜65とバックヨーク薄膜66の間には空
隙が形成してある。
【0009】フロントヨーク薄膜65とバックヨーク薄
膜66の上には、埋設ガラス68を介して庇状ヨーク6
9が形成してある。庇状ヨーク69の摺動面側の端部
は、埋設ガラス68を介してフロントヨーク薄膜65と
近接し、ギャップ67を形成している。庇状ヨーク69
の摺動面とは反対側の端部は、バックヨーク薄膜66に
直接接合してある。埋設ガラス68の内部には、バイア
ス導体63が配置してある。
【0010】上記MRヘッド60では、媒体Mから発せ
られた磁束は、ギャップ67に加えられ、庇状ヨーク6
9、バックヨーク薄膜66、絶縁層62、MR素子6
4、絶縁層62およびフロントヨーク薄膜65により形
成される閉じた磁気ループを流れる。MRヘッド60の
使用方法は、MRヘッド50のそれと同じである。
【0011】MRヘッド60では、MR素子64が平坦
且つ円滑な非磁性体の基板61上に形成されるため、バ
ルクハウゼンノイズをなくすことができる。
【0012】図6および図7に示す従来のMRヘッド5
0、60は、いずれも、磁束誘導用の磁性膜であるフロ
ントヨーク54、バックヨーク55、フロントヨーク薄
膜64、バックヨーク薄膜65および庇状ヨーク69を
MR素子54、64を形成した後に作製する。これは、
できるだけ平滑な基板51、61あるいは下地上に直接
MR素子54、64を形成し、MR素子54、64の磁
気特性の劣化を最小限にしたいという要求によるもので
ある。
【0013】他方、MR素子をヨ−ク形成後に作製する
構造のヨーク型MRヘッドも公知である。そのようなM
Rヘッドは、例えば特開平2−5218号公報に開示さ
れている。
【0014】図8は、特開平2−5218に記載された
ヨ−ク型MRヘッドの構造を示す。図8のMRヘッド7
0は、図6のMRヘッド50と同様に、磁性体からなる
基板71(下側ヨーク)の上に、絶縁層72を介してフ
ロントヨーク75およびバックヨーク76を形成してい
る。絶縁層72の内部には、MR素子74にバイアス磁
界を供給するバイアス導体73が形成してある。
【0015】フロントヨーク75とバックヨーク76の
間に形成された空隙は、絶縁層78によって塞がれてお
り、MR素子74はその絶縁層78の上に形成してあ
る。絶縁層78は上記空隙内で絶縁層72と接触してい
る。MR素子74は、絶縁層78を介してフロントヨー
ク75およびバックヨーク76と重なっていて、両ヨー
ク75、76と磁気的に結合している。
【0016】フロントヨーク75の摺動面側の端部に
は、基板71との間に幅gのギャップ77が形成してあ
る。バックヨーク76の摺動面と反対側の端部は、基板
71に直接接合してある。
【0017】上記MRヘッド70では、媒体Mから発せ
られた漏洩磁束はギャップ77に加えられ、フロントヨ
ーク75、MR素子74、バックヨーク76および基板
71により形成される閉じた磁気ループを流れる。MR
ヘッド70の使用方法は、MRヘッド50、60のそれ
と同じである。
【0018】図8のMRヘッド70は、MR素子を両ヨ
−ク75、76の形成後に作製するように構成すること
により、両ヨ−ク75、76の熱処理を十分に行なって
それらの磁気特性をできるだけ向上させ、両ヨ−ク7
5、76からの磁束の漏洩をできるだけ防止したいとい
う要求に基ずいている。
【0019】図6〜図8のMRヘッド50、60、70
では、いずれもMR素子が摺動面から離れた位置に設け
られているが、MR素子が摺動面に露出した構造のMR
ヘッドも知られている。図9はこの型のMRヘッドの構
造を示した要部概略斜視図である。
【0020】図9のMRヘッド80は、非磁性体の基板
81上に矩形薄膜のMR素子84を形成し、そのMR素
子84の両端にリード導体90を接続して構成してあ
る。MR素子84の一部は、媒体Mとの摺動面に露出し
ている。なお、図9ではバイアス導体などは省略してい
る。
【0021】図9のMRヘッド80は、MR素子84を
媒体Mに近接して配置することにより、媒体Mからの漏
洩磁束をできるだけ効率的にMR素子84に送り込もう
とするものである。媒体Mからの漏洩磁束は、ヨーク等
を介さずに直接的にMR素子84に送り込まれる。MR
ヘッド80の使用方法はMRヘッド50、60、70の
それと同じである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】図6〜図8のヨ−ク型
MRヘッドは、一般的に、図9の型のMRヘッドに比べ
て再生感度が低い。これは、媒体とMR素子とが離れて
おり、媒体からの漏洩磁束が磁束誘導用の磁性膜である
ヨ−クの途中で漏れてしまうことに起因する。
【0023】その点、図9のMRヘッドは、媒体からの
漏洩磁束がMR素子に入る前に漏れてしまうことがない
ため、ヨーク型のMRヘッドに比べて再生感度が高い
が、反面、MR素子内の反磁界の影響が強く、媒体から
の漏洩磁束がMR素子内に入り難いという問題がある。
【0024】特に、垂直磁気記録媒体のように媒体から
の漏洩磁束が小さい場合には、図9の構造のMRヘッド
でも充分な再生出力が得られないという問題がある。
【0025】そこで、この発明の目的は、きわめて高い
再生効率を持ち、垂直磁気記録媒体のように媒体からの
漏洩磁束が小さい場合でも充分な再生出力が得られるM
Rヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0026】この発明の他の目的は、製造歩留まりの良
好なMRヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明のMRヘッドは、一部を媒体との摺動面
に露出または近接させて配置された磁気抵抗効果素子
と、前記磁気抵抗効果型素子の片側に隣接して形成され
た一対のリード導体と、前記磁気抵抗効果型素子の前記
一対のリード導体と反対側に隣接して形成された絶縁層
と、前記絶縁層を介して前記磁気抵抗効果型素子と一部
を重ねて形成され、且つその重なり部分において前記磁
気抵抗効果型素子と磁気的に結合された磁性層とを備え
てなることを特徴とする。
【0028】前記磁性層の端部は、前記MR素子の前記
摺動面に対して反対側の端部において前記絶縁層を介し
て重なっているのが好ましい。その重なり長さは、0.
3〜1.6μmの範囲とするのが好ましく、0.5〜
1.0μmの範囲とするのがより好ましい。
【0029】前記磁性層は、スライダの少なくとも一部
を構成する磁性ブロックと磁気的に結合しているのが好
ましい。
【0030】(2)この発明の第1のMRヘッドの製造
方法は、一部を媒体との摺動面に露出または近接させて
配置された磁気抵抗効果型素子を有する磁気抵抗効果型
ヘッドの製造方法であって、基材上に、磁気抵抗効果型
素子が形成される箇所を除いて磁性層を形成する工程
と、前記基材および磁性層の上に絶縁層を形成する工程
と、前記絶縁層上に、重なり部分において前記磁性層と
磁気的に結合するように一部を前記磁性層に重ねて磁気
抵抗効果型素子を形成する工程と、前記磁気抵抗効果型
素子上に一対のリード導体を形成する工程とを含んでな
ることを特徴とする。
【0031】(3)この発明の第2のMRヘッドの製造
方法は、一部を媒体との摺動面に露出または近接させて
配置された磁気抵抗効果型素子を有する磁気抵抗効果型
ヘッドの製造方法であって、基材上に一対のリード導体
を形成する工程と、前記一対のリード導体上に磁気抵抗
効果型素子を形成する工程と、前記磁気抵抗効果型素子
および前記一対のリード導体上に絶縁層を形成する工程
と、前記絶縁層上に、重なり部分において前記磁気抵抗
効果型素子と磁気的に結合するように一部を前記磁気抵
抗効果型素子層に重ねて磁性層を形成する工程とを含ん
でなることを特徴とする。
【0032】
【作用】この発明のMRヘッドおよびその製造方法で
は、MR素子が媒体との摺動面に露出または近接させて
配置されているので、媒体からの漏洩磁束をできるだけ
多くMR素子内に取り込むことができる。また、MR素
子の一部が磁性層と磁気的に結合しているので、媒体か
らの漏洩磁束を取り込む際に生じるMR素子内の反磁界
は緩和される。
【0033】さらに、一対のリード導体は、MR素子に
対して磁性層とは反対側に形成されるので、MR素子の
高さ方向の全長とコンタクトさせることができる。この
ため、MR素子の不感帯をなくすことが可能となる。
【0034】したがって、きわめて高い再生効率が得ら
れ、垂直磁気記録媒体のように媒体からの漏洩磁束が小
さい場合でも充分な再生出力が得られるようになる。
【0035】また、この発明のMRヘッドおよびその製
造方法では、磁性層および絶縁層の形成がそれぞれ一度
で済むので製造歩留まりが良好となる。
【0036】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1〜図5を用い
て説明する。
【0037】(第1実施例の構成)図1および図2は、
この発明のMRヘッドの第1実施例を示す。図1は基板
上に形成したMR素子上に一対のリード導体を形成した
状態の要部斜視図、図2はトラック中央で切断したMR
ヘッドの要部縦断面図である。
【0038】このMRヘッド10では、図1に示すよう
に、Siよりなる基板11上に、媒体Mからの漏洩磁束
を誘導するための軟磁性の磁性層12が形成してある。
磁性層12は、ここではパ−マロイからなり、その厚さ
は1μmである。
【0039】磁性層12はまた、基板11のMR素子1
4が形成される側を除いて形成してあり、そのMR素子
14側(摺動面側)の端部12aは、MR素子14側に
向って厚さが徐々に減少するテーパ状になっている。し
たがって、磁性層12のMR素子14側の端部12aで
は、その上面が直線的に傾斜している。その傾斜面が基
板11の上面となす角度θは約35゜である。磁性層1
2の端部12aの傾斜は、MR素子14との磁気的な結
合を確保するために設けたものである。また、磁性層1
2の端面を垂直にすると、スパッタリング等によってM
R素子14用の薄膜を形成する際に、薄膜が端面にうま
く形成されない恐れがあることも考慮している。
【0040】磁性層12の厚さは、磁気特性および端部
12aの傾斜面の長さやMR素子14の位置合わせ精度
等を考慮すると、1〜2μmの範囲が好ましい。
【0041】磁性膜12の上には、この磁性膜12と、
その上に形成されるMR素子14およびリ−ド導体1
5、16との電気的絶縁を確保するため、極薄の絶縁層
13が形成してある。この絶縁層13は、磁性膜12の
平坦な上面および傾斜面だけでなく、基板11の磁性層
12が形成されていない箇所の上面をも覆っている。
【0042】絶縁層13は、ここではアルミナからな
り、その厚さは約10nmとしてある。絶縁層13の厚
さは、厚すぎるとMR素子14と磁性層12との磁気的
結合が弱まり、薄すぎると使用時にリ−ド導体14、1
5と磁性層12の間で絶縁破壊が起こり、電気的絶縁が
保てなくなるため、その両条件を満たす範囲で任意に設
定する。その範囲は例えば5〜30nmが好ましい。
【0043】絶縁層13の上には、摺動面と反対側の端
部14aを磁性層12の端部12aの傾斜面に乗り上げ
るようにしてMR素子14が形成してある。磁性層12
の端部12aに乗り上げた部分14aは帯状である。こ
のMR素子14は、パ−マロイからなり、厚さは15n
mである。このMR素子14は、蒸着あるいはスパッタ
リングにより成膜し、その膜をミリング法により幅10
0μm、高さ3μmの矩形にパタ−ニングしたものであ
る。また、ミリングの際、MR素子14と磁性層12が
好適な磁気的結合をするように、MR素子14の端部1
4aと磁性層12の傾斜面との重なり部分の長さa(傾
斜面に沿って計った距離)が0.5〜1.0μmの範囲
になるようにしてある。
【0044】MR素子14の厚さは、磁気特性および発
熱量を考慮すると5〜30nmの範囲とするのが好まし
い。
【0045】MR素子14の上には、一対のリ−ド導体
15、16が互いに平行に形成してある。リ−ド導体1
5、16はCuからなり、厚さは共に150nmであ
る。再生トラックの幅wは、一対のリ−ド導体15、1
6によって規定されており、ここでは2μmとしてあ
る。
【0046】一対のリ−ド導体15、16は、MR素子
14の摺動面側の端から、その反対の磁性層12の傾斜
した端部12aに乗り上げている端まで、その全長(全
高)にわたってMR素子14と接触している。MR素子
14の上面以外の箇所では、磁性層12の傾斜した端部
12aから平坦なその上面まで、絶縁層13上に延在し
ている。
【0047】リ−ド導体15、16の上には、図2に示
すように、アルミナからなる保護層17が形成してあ
る。保護層17によって、絶縁層13の上に露出してい
る部分すなわちMR素子14およびリード導体15、1
6がすべて覆われている。
【0048】以上の構成を持つヘッド要素を、切り込み
を設けたフェライト製のスライダ・ブロック18に組み
込んだ後、摺動面の研磨とリ−ド導体15、16へのワ
イヤ接続を行なうと、図2に示すようなMRヘッド10
が完成する。
【0049】この実施例では、磁性層12の摺動面とは
反対側の端部を、スライダ・ブロック18と磁気的に結
合させている。このため、再生効率をいっそう向上する
ことが可能となる。また、磁性層12が、スライダ・ブ
ロック18を介して二層膜媒体の裏打ち層と磁気的に結
合するようにすれば、再生効率はさらに向上する。
【0050】この実施例では、シャントバイアス法によ
りMR素子14にバイアス磁界を供給しているが、図1
および図2ではシャント膜および磁区制御用の反強磁性
膜等は省略している。
【0051】(第1実施例の製法)次に、上記MRヘッ
ド10の製造方法について説明する。
【0052】まず、Siよりなる基板11上に、MR素
子14が形成される側を除いて、スパッタリング、蒸
着、メッキ等によってパ−マロイの薄膜を形成し、磁性
層12とする。磁性層12のMR素子14側の端部12
aは、MR素子14側に向って厚さが徐々に減少するテ
ーパ状になるようにする。
【0053】基板11の材質は非磁性体であればよく、
Si以外にアルミナ、シリカ等のセラミックスを使用し
てもよい。磁性層12の材質は軟磁性体であればよく、
パ−マロイ以外に、例えばCo系のCoTaZr、Co
NbZr、CoZr、Fe系のセンダスト、Fe−C、
Fe−N等を使用してもよい。
【0054】次に、磁性膜12の上に、スパッタリング
等によってアルミナからなる極薄の絶縁層13を形成
し、磁性膜12および基板11を覆う。絶縁層13とし
てはシリカ等も使用できる。
【0055】次に、蒸着あるいはスパッタリングによ
り、絶縁層13の上に、摺動面と反対側の端部を磁性層
12の端部12aの傾斜面に乗り上げるようにしてパ−
マロイ薄膜を形成する。その後、その薄膜をミリング法
などにより幅100μm、高さ3μmの矩形にパタ−ニ
ングする。ミリングの際、MR素子14の端部14aと
磁性層12の傾斜面との重なり部分の長さaが上記範囲
になるようにする。
【0056】MR素子14としては、磁気抵抗効果を持
つものであれば、パーマロイ以外であっても使用可能で
ある。
【0057】次に、蒸着あるいはスパッタリングによ
り、MR素子14の上にCuからなる一対のリ−ド導体
15、16を形成する。一対のリ−ド導体15、16
は、所望の再生トラック幅wとなるように間隔をあけて
配置する。リ−ド導体15、16はAu等から形成して
もよい。
【0058】次に、スパッタリング等によって、リ−ド
導体15、16の上にアルミナからなる保護層17を形
成し、絶縁層13の上に露出しているMR素子14、リ
ード導体15、16を覆う。保護層17としては、アル
ミナ以外の公知の材料も使用可能である。
【0059】次に、こうして形成されたヘッド要素を、
切り込みを設けたフェライト製のスライダ・ブロック1
8に組み込み、さらに摺動面の研磨とリ−ド導体15、
16へのワイヤ接続を行なえば、MRヘッド10が完成
する。
【0060】(第1実施例の試験結果)上記構成のMR
ヘッド10を製作し、垂直二層膜媒体Mと組合せてコン
タクト状態で再生特性を測定した。MRヘッド10のト
ラック幅は1μmとした。垂直二層膜媒体Mとしては、
Co80Cr20/Ni80Fe20二層膜(CoCr層の厚さ
0.15μm、NiFe層の厚さ0.5μm、CoCr
層の保磁力1600エルステッド)を用い、記録密度は
20kFCIに設定した。MR素子14内の電流密度は
2×107A/cm2とした。情報の記録は誘導型の単磁
極垂直ヘッドを用いて行なった。
【0061】MR素子と磁束誘導用の磁性層との重なり
長さに対する単位トラック当たりの再生出力の変化は、
次の通りであった。
【0062】 MR素子と磁性層との 単位トラック当たりの再生出力 重なり長さ (μm) (μVPP/μm) 0.25 124 0.375 264 0.5 376 0.75 400 1.0 392 1.25 332 1.5 272 1.75 208 2.0 152 図4は上記結果をグラフにしたものである。図4のグラ
フから、好ましい再生出力が得られる範囲は重なり長さ
が0.3μm〜1.6μmの範囲であり、特に好ましい
再生出力が得られる範囲は0.5μm〜1μmの範囲で
あることが分かる。
【0063】これは、重なり長さが0.3μmより小さ
くなると、MR素子14と磁束誘導用の磁性層12との
間の磁気的結合が弱まるために再生出力が減少し、重な
り長さが1.6μmを越えると、却って磁気的結合が強
すぎて、媒体Mからの漏洩磁束がMR素子14の磁性層
12側の端まで届かずに途中で磁性層12に流れてしま
い、やはり再生出力が減少してしまうからと考えられ
る。
【0064】また、同じ試験条件で、記録密度に対する
単位トラック当たりの再生出力の変化を測定した。比較
のため、併せて主磁極として膜厚0.3μmのCoZr
Nb非晶質合金を用いた単磁極型の誘導型垂直ヘッドで
同様の測定を行なった。両者の結果は次の通りであっ
た。
【0065】 (この発明のMRヘッド) 記録密度(kFCI) 単位トラック当たりの再生出力 (μVPP/μm) 20 392 40 392 60 350 80 410 90 400 110 340 120 255 130 215 (従来の単磁極ヘット゛) 記録密度(kFCI) 単位トラック当たりの再生出力 (μVPP/μm) 20 70 40 70 60 71 80 66 90 51 100 37 110 23 図5は上記結果をグラフにしたもので、(a)はこの発
明のMRヘッド、(b)は従来の単磁極ヘッドの場合を
示す。図5より、この発明のMRヘッド10の再生出力
は、従来型単磁極ヘッドの再生出力の約5倍あるいはそ
れ以上であり、非常に再生出力が高いことが分かる。ま
た、記録密度が高くなっても再生出力があまり低下せ
ず、したがって分解能も大きく上回っていることが分か
る。
【0066】(第2実施例)図3はこの発明のMRヘッ
ドの第2実施例を示しており、MR素子上に絶縁層を介
して磁性層を形成した状態の要部斜視図である。
【0067】図3のMRヘッド20では、Siよりなる
基板21上に直接、一対のリ−ド導体25、26が互い
に平行に形成してある。リ−ド導体25、26はCuか
らなり、厚さは共に150nmである。再生トラックの
幅wは、一対のリ−ド導体25、26によって規定され
ており、ここでは2μmとしてある。リ−ド導体25、
26は、通常のフォトリソグラフィー・プロセスによっ
て形成する。
【0068】一対のリ−ド導体25、26の間には、そ
れらリ−ド導体25、26間を電気的に絶縁する絶縁層
29が形成してある。絶縁層29は、スパッタリングに
よって形成した後、研磨して表面を平坦化している。こ
のため、絶縁層29の上面はリ−ド導体25、26の上
面と面一になっていて、それらの間に段差は付いていな
い。
【0069】一対のリ−ド導体25、26および絶縁層
29の上には、摺動面側にパーマロイの矩形薄膜からな
るMR素子24が形成してある。MR素子24の厚さは
15nmで、大きさは幅100μm、高さ3μmであ
る。MR素子24は、摺動面側の端からその反対側の端
まで、その全長(全高)にわたってリ−ド導体25、2
6と接触している。MR素子24は、蒸着またはスパッ
タリングによって成膜した後、ミリング法によって矩形
状にパターニングする。
【0070】MR素子24の上には、その上に形成され
る磁性層22との電気的絶縁を確保するため、アルミナ
からなる極薄の絶縁層23が形成してある。絶縁層23
は、MR素子24だけでなく、リ−ド導体25、26、
絶縁層29および基板21の上面をも覆っている。絶縁
層23は、スパッタリングによって形成する。絶縁層2
3の厚さおよび材質は、第1実施例の場合と同じであ
る。
【0071】絶縁層23の上には、媒体Mからの漏洩磁
束を誘導するための磁性層22が形成してある。磁性層
22は、厚さ1μmのパ−マロイ膜であり、MR素子2
4の摺動面と反対側の端部24aに、絶縁層23を介し
て端部22aを乗り上げて形成してある。MR素子24
上に乗り上げた端部22aは帯状であり、その重なり部
分の幅aは0.5〜1.0μmの範囲にある。磁性層2
2は、第1実施例と同様に蒸着、スパッタリング、メッ
キ等によって形成する。
【0072】磁性層22上には、図3には示していない
が、スパッタリング等によって、図2に示したものと同
様のアルミナからなる保護層が形成され、露出している
部分がすべて覆われる。
【0073】以上の構成を持つヘッド要素は、切り込み
を設けたフェライト製のスライダ・ブロックに組み込ま
れ、摺動面の研磨とリ−ド導体25、26へのワイヤ接
続を行なってMRヘッド20が完成する。
【0074】この第2実施例においても、シャントバイ
アス法によりMR素子24にバイアス磁界を供給してい
るが、図3ではシャント膜および磁区制御用の反強磁性
膜等は省略している。
【0075】第2実施例のMRヘッド20を作成し、第
1実施例と同じ試験を行なったところ、図4および図5
に示すのと同じ結果が得られた。
【0076】なお、上記両実施例ではMR素子が摺動面
に露出しているが、この発明は、MR素子が摺動面に露
出していなくても、MR素子が摺動面に近接して設けて
あって、MR素子が摺動面に露出している場合と同様の
作用効果を持つMRヘッドに対しても適用可能である。
【0077】
【発明の効果】この発明のMRヘッドおよびその製造方
法によれば、きわめて高い再生効率を持ち、垂直磁気記
録媒体のように媒体からの漏洩磁束が小さい場合でも充
分な再生出力が得られるMRヘッドを提供することがで
き、しかも製造歩留まりも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のMRヘッドの第1実施例を概略的に
示す、MR素子上に一対のリード導体が形成された状態
の要部斜視図である。
【図2】この発明のMRヘッドの第1実施例をそのトラ
ック中央で切断した状態の要部縦断面図である。
【図3】この発明のMRヘッドの第2実施例を概略的に
示す、MR素子上に絶縁層と磁性層が形成された状態の
要部斜視図である。
【図4】この発明のMRヘッドの単位トラック当たりの
再生出力と、MR素子と磁束誘導用磁性層の重なり長さ
との関係を示すグラフである。
【図5】この発明のMRヘッドおよび従来ヘッドの単位
トラック当たりの再生出力と記録密度との関係を示すグ
ラフである。
【図6】従来のヨーク型MRヘッドの構造の一例を示す
断面図である。
【図7】従来のヨーク型MRヘッドの構造の他の例を示
す断面図である。
【図8】従来のヨーク型MRヘッドの構造のさらに他の
例を示す断面図である。
【図9】従来のMR素子が摺動面に露出する型のMRヘ
ッドの構造の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 MRヘッド 11 基板 12 磁性層 13 絶縁層 14 MR素子 15、16 リ−ド導体 17 保護層 18 磁性ブロック 20 MRヘッド 21 基板 22 磁性層 23 絶縁層 24 MR素子 25、26 リ−ド導体 29 絶縁層 M 媒体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部を媒体との摺動面に露出または近接
    させて配置された磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果型素子の片側に隣接して形成された一
    対のリード導体と、 前記磁気抵抗効果型素子の前記一対のリード導体と反対
    側に隣接して形成された絶縁層と、 前記絶縁層を介して前記磁気抵抗効果型素子と一部を重
    ねて形成され、且つその重なり部分において前記磁気抵
    抗効果型素子と磁気的に結合された磁性層とを備えてな
    ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気抵抗効果型ヘッド
    において、前記磁性層の端部が、前記磁気抵抗効果型素
    子の前記摺動面に対して反対側の端部において前記絶縁
    層を介して重なっている磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気抵抗効果型ヘッド
    において、前記磁性層の端部と前記磁気抵抗効果型素子
    の端部との重なり長さが、0.3〜1.6μmの範囲で
    ある磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果型ヘッドにおいて、前記磁性層がスライダの少な
    くとも一部を構成する磁性ブロックと磁気的に結合して
    いる磁気抵抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】 一部を媒体との摺動面に露出または近接
    させて配置された磁気抵抗効果型素子を有する磁気抵抗
    効果型ヘッドの製造方法であって、 基材上に、磁気抵抗効果型素子が形成される箇所を除い
    て磁性層を形成する工程と、 前記基材および磁性層の上に絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁層上に、重なり部分において前記磁性層と磁気
    的に結合するように一部を前記磁性層に重ねて磁気抵抗
    効果型素子を形成する工程と、 前記磁気抵抗効果型素子上に一対のリード導体を形成す
    る工程とを含んでなることを特徴とする磁気抵抗効果型
    ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 一部を媒体との摺動面に露出または近接
    させて配置された磁気抵抗効果型素子を有する磁気抵抗
    効果型ヘッドの製造方法であって、 基材上に一対のリード導体を形成する工程と、 前記一対のリード導体上に磁気抵抗効果型素子を形成す
    る工程と、 前記磁気抵抗効果型素子および前記一対のリード導体上
    に絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁層上に、重なり部分において前記磁気抵抗効果
    型素子と磁気的に結合するように一部を前記磁気抵抗効
    果型素子層に重ねて磁性層を形成する工程とを含んでな
    ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000062282A1 (en) * 1999-04-14 2000-10-19 Seagate Technology Llc Highly sensitive spin valve heads using a self-aligned demag-field balance element
US6385016B1 (en) 2000-03-31 2002-05-07 Seagate Technology Llc Magnetic read head with an insulator layer between an MR sensor and rear portions of current contacts to provide enhanced sensitivity

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GB2363513A (en) * 1999-04-14 2001-12-19 Seagate Technology Llc Highly sensitive spin valve heads using a self-aligned demag-field balance element
US6385016B1 (en) 2000-03-31 2002-05-07 Seagate Technology Llc Magnetic read head with an insulator layer between an MR sensor and rear portions of current contacts to provide enhanced sensitivity

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