JPH05157673A - 蒸気タービンの余寿命診断方法 - Google Patents

蒸気タービンの余寿命診断方法

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JPH05157673A
JPH05157673A JP3350226A JP35022691A JPH05157673A JP H05157673 A JPH05157673 A JP H05157673A JP 3350226 A JP3350226 A JP 3350226A JP 35022691 A JP35022691 A JP 35022691A JP H05157673 A JPH05157673 A JP H05157673A
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JP
Japan
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tensile strength
steam turbine
strength
sample
fatigue
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP3350226A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Kawamoto
和夫 川本
Masao Takei
真男 武井
Toru Goto
徹 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05157673A publication Critical patent/JPH05157673A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気タービンの高温部品の余寿命評価の精度
を向上すること。 【構成】 実測したサンプルのビッカース硬さHVA、引
張強さσBAおよび実測した実評価部のビッカース硬さH
VBから引張強さσBBを推定し、この実評価部の引張強さ
とサンプルの絞りφAを、材料の縦弾性係数Eと材料に
よって決まる係数αとともにランガーの式 にあてはめて、破壊までの繰返し数Nfと疲労強度Sと
の関係を知るようにした余寿命診断方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンにおける
ロータなどの高温部品の余寿命を診断する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ロータを始めとする蒸気タービンの高温
部品は、発停に伴う温度の上昇と下降による熱サイクル
のため、繰返し熱応力による低サイクル熱疲労現象を起
こす。この熱応力の発生は、蒸気タービンの起動状況に
密接に関係している。一般に蒸気タービンの起動には、
長期停止後の起動(LSS)、週末停止後の起動(WS
S)、夜間停止後の起動(DSS)の3通りがあり、後
者ほど発停の頻度が激しく、発生される熱応力も大き
い。
【0003】図5は蒸気タービンの起動・停止時におけ
る熱応力の発生状況を示したもので、起動に先行する通
気時から蒸気が流入するために、例えばロータと蒸気と
の温度差が生じて熱応力が発生し、定常負荷運転前にそ
の値は最大となる。そして負荷が一定の場合の運転中の
熱応力は次第に減少し、運転停止時には負荷降下に伴う
蒸気温度の低下によりロータとの温度差が大きくなって
再び熱応力が発生することになる。
【0004】このように、熱応力の繰返しにより低サイ
クル熱疲労現象が起こるが、この疲労現象は塑性疲労の
一種といわれている。この塑性疲労においては、繰返し
塑性ひずみ幅εpと破断までの繰返し数Nとの間には、
一般に、 εp・Nk=C なる関係がある。ここでkおよびCは材料によって決ま
る定数である。
【0005】そこで、熱応力の値に対応する破断までの
繰返し数を予測することによって、高温部品の余寿命を
評価して、破断に至る前に高温部品を取替えたり保守し
たりすることが行われている。そして、従来の余寿命の
評価方法としては、熱応力を解析で求め、同種材料の疲
労強度データの下限値あるいは平均値を利用するもので
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の余寿
命の評価方法における疲労強度データに収録されている
各種蒸気タービン材料の疲労強度特性は、熱応力レベル
に対応して破断までの繰返し数を示したものであるが、
例え同一材料であっても、個々の部品によって疲労強度
特性が異なることが判っている。しかも、これに熱応力
解析誤差が加わるため、従来の余寿命の評価精度は必ず
しも高いものではなかった。そして、もしこの評価を誤
ると、保守が遅くれて疲労に伴う損傷トラブルを発生さ
せたり、高温部品の取替え時期が早すぎると保守費の増
大を招いたりするので、適正な余寿命の評価方法の提案
が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めの手段としてこの発明は、蒸気タービンの発停に伴い
熱疲労を生ずる高温部品の余寿命を、塑性疲労強度を示
すランガーの式を用いて評価する診断方法であって、高
温部品から採取したサンプルの引張強さσBAと絞りφA
とを測定して求めるとともに、サンプルを採取した部分
のビッカース硬さHVAと高温部品の実評価部のビッカー
ス硬さHVBとを測定して、実評価部の引張強さσBBにより求め、この実評価部の引張強さσBBと前記サンプ
ルの絞りφAとを、材料の縦弾性係数Eと材料によって
決まる係数αとともにランガーの式 にあてはめて、破壊までの繰返し数Nfと疲労強度Sと
の関係を知るようにしたものである。
【0008】
【作 用】上記の手段によれば、サンプルの引張強さσ
BAと絞りφAを実測して求めた値をもとに実評価部の引
張強さσBBを推定し、これらから塑性疲労強度を示すラ
ンガーの式を用いて、破壊までの繰返し数Nfと疲労強
度Sとの関係を知るようにしたので評価精度を向上する
ことができる。
【0009】
【実施例】以下本発明に係る蒸気タービンの余寿命診断
方法の一実施例について、図1ないし図4を参照して詳
細に説明する。
【0010】蒸気タービン材料に応力を加えてから元へ
戻すことを繰返すとき、応力とひずみの1サイクルは、
図1のようなヒステリシス曲線を描くことになる。この
図1で、εtrを全ひずみ範囲、εprを塑性ひずみ範囲、
εerを弾性ひずみ範囲と呼び、これらの間には次の関係
がある。 εtr=εpr+εer そしてσrを応力範囲と呼んでいる。
【0011】このようなヒステリシス曲線を描くことに
なる応力とひずみとの関係において、塑性疲労強度を推
定する理論式として次に示すランガー(Langer)の式が
知られている。
【数1】 ここで、Sは疲労強度(kg/mm2)、Eは材料の縦弾性係
数(kg/mm2)、Nfは破壊までの繰返し数、φは絞り、
αは材料によって決まる係数、σBは引張強さ(kg/m
m2)である。従って、材料の縦弾性係数E、絞りφ、引
張強さσBが判れば、疲労強度Sと破壊までの繰返し数
fの関係を知ることができる。
【0012】図2は、疲労強度Sと破壊までの繰返し数
fの関係を示したS−N線図である。ここで符号aを
付したものは、実際の高温部品の適切な部位から採取し
たサンプルについてのものであり、符号bを付したもの
は、後述するように、評価したい部位についてのS−N
線図である。これは、評価したい部位とサンプルの採取
位置とは、材質が異なったり硬度が異なったりしている
ため、これらに関して補正を施したものである。また、
符号cを付したものは、疲労試験における破断と亀裂発
生の関係から推定した、評価部位の疲労亀裂発生曲線
で、99%信頼度下限曲線である。
【0013】さて、一般に同じ材料でも硬いほど引張強
さは大きく硬さと引張強さとに直線的な関係があること
が知られており、蒸気タービンのロータ材では、ビッカ
ース硬さHV(kg/mm2)がわかれば次式により引張強さ
σB(kg/mm2)を求めることができる。
【数2】σB=0.32HV+1 図3は、ビッカース硬さHVによる引張強さσBの補正特
性を、通常の蒸気タービンのロータ材について示したも
のである。
【0014】次に、図4は、350MW火力タービンに
おける中圧タービンロータの硬度分布測定値と温度分布
計算値を示したもので、長期使用後のロータの硬度は、
部位によって大幅に異なっていることが分る。なお、図
中、○は105時間運転後のあるロータ、□は105時間
運転後の別なロータ、そして△は新しいロータについて
の硬度分布測定地を示している。そこで、評価部位につ
いてビッカース硬さが分れば、数2から引張強さを推定
することができるので、サンプルのビッカース硬さと引
張強さから評価部位の引張強さを補正することにする。
すなわち、実測したサンプルのビッカース硬さをHVA
引張強さをσBAとすれば、数2は次式のように示され
る。 σBA=0.32HVA+1 また、実測した評価部位のビッカース硬さをHVB、推定
する引張強さをσBBとすれば、数2は次式のように示さ
れる。 σBB=0.32HVB+1 そこでこれらの比をとることにより、次式のように表さ
れる。 (σBB−1)/(σBA−1)=HVB/HVA 通常、σBB、σBAは1よりも十分大きいから、評価部位
の引張強さσBBは、 として求められる。
【0015】なお、サンプルは通常図4中に*印を付し
たロータの側壁から採取される。また、採取したサンプ
ルの硬さの測定には、くぼみの小さいビッカース硬さ試
験機が使われ、ロータなどの実際の評価部位の硬さの測
定には、部品を傷つけないようにするために、エコーチ
ップのような衝突型の硬さ試験機が使われる。さらに、
サンプルの引張強さの試験は、2個の試験片を用いて行
い、両者のうち値の低い方を採用して、精度と信頼性の
向上を図っている。
【0016】さて、評価部位の引張強さσBBが求められ
たので、次に、評価部位の絞りφをサンプルの絞りφA
と同等とみて、これらを数1に示すランガーの式に代入
する。従って、数1は次式のようになる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、蒸
気タービンの高温部品の余寿命評価の精度が向上するの
で、保守が遅くれて疲労に伴う損傷トラブルを発生させ
たりする恐れが防止できるとともに、尚早保守による保
守費の増大も予防できるなど信頼性の向上に寄与できる
蒸気タービンの余寿命診断方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するために示した応力とひずみの
特性図である。
【図2】疲労強度Sと破壊までの繰返し数Nfの関係を
示したS−N線図である。
【図3】ビッカース硬さHVによる引張強さσBの補正特
性図である。
【図4】蒸気タービンロータの硬度および温度分布図で
ある。
【図5】蒸気タービンの起動・停止時における熱応力の
発生状況を説明した特性図である。
【符号の説明】 S 疲労強度 E 材料の縦弾性係数 Nf 破壊までの繰返し数 φ 絞り α 材料によって決まる係数 σb 引張強さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気タービンの発停に伴い熱疲労を生ずる
    高温部品の余寿命を、塑性疲労強度を示すランガーの式
    を用いて評価する診断方法であって、高温部品から採取
    したサンプルの引張強さσBAと絞りφAとを測定して求
    めるとともに、サンプルを採取した部分のビッカース硬
    さHVAと高温部品の実評価部のビッカース硬さHVBとを
    測定して、実評価部の引張強さσBBにより求め、この実評価部の引張強さσBBと前記サンプ
    ルの絞りφAとを、材料の縦弾性係数Eと材料によって
    決まる係数αとともにランガーの式 にあてはめて、破壊までの繰返し数Nfと疲労強度Sと
    の関係を知るようにした蒸気タービンの余寿命診断方
    法。
JP3350226A 1991-12-09 1991-12-09 蒸気タービンの余寿命診断方法 Withdrawn JPH05157673A (ja)

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JP3350226A JPH05157673A (ja) 1991-12-09 1991-12-09 蒸気タービンの余寿命診断方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1178313A2 (en) * 2000-07-31 2002-02-06 National Institute for Materials Science Method of estimating the fatigue strength of high tensile strength steel and method of producing a high fatigue strength material
JP2008518150A (ja) * 2004-10-29 2008-05-29 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 構成部材の疲労状態に特徴的な特性値の検出方法
JP2019138640A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 三菱日立パワーシステムズ株式会社 タービン部品の劣化評価方法及びタービンのメンテナンス方法

Cited By (4)

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Effective date: 19990311