JPH05156346A - カムシャフトの加熱方法 - Google Patents

カムシャフトの加熱方法

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JPH05156346A
JPH05156346A JP34401991A JP34401991A JPH05156346A JP H05156346 A JPH05156346 A JP H05156346A JP 34401991 A JP34401991 A JP 34401991A JP 34401991 A JP34401991 A JP 34401991A JP H05156346 A JPH05156346 A JP H05156346A
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JP
Japan
Prior art keywords
heating
cam
temperature
camshaft
axial direction
Prior art date
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Pending
Application number
JP34401991A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Uosaki
博 魚崎
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱に用いるエネルギを極力抑えると共に、
カムシャフトの溶融を防止しつつ、各カムの温度の均等
化までの時間をできるだけ短くすることができるカムシ
ャフトの加熱方法を提供する。 【構成】 複数のカム3を備えていると共に、単位軸方
向長さ当りの質量が、軸孔4の開口が大きくされたりし
て、端部において軸方向中央側よりも少なくされている
カムシャフト1を加熱対象とし、そのカムシャフト1に
電流を流して加熱処理を行い、その加熱処理後、そのカ
ムシャフト1を放冷処理して、該カムシャフト1におけ
る各カム3の温度を所定温度をもって略均等にすること
を前提としている。この前提の下、このカムシャフト1
は、前記加熱処理と前記放冷処理との組合せが複数回に
分けて行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カムシャフトの加熱方
法に関する。
【0002】
【従来技術】複数のカムを備えるカムシャフトにおいて
は、近時、各カムが、例えば特開昭60−258421
号公報に示すように、再溶融硬化処理されるが、その再
溶融硬化処理前には、ある程度、カムシャフトの温度を
上げる必要から、カムシャフトに電流を一定時間流して
加熱処理(予熱)が行なわれており、その場合、カムの
硬さ等を一定とする必要から、再溶融硬化処理に際して
(再溶融硬化処理ステ−ションに運ばれた際に)、各カ
ムの温度を所定温度(目的温度)をもって略均等とする
必要がある。ところで、カムシャフトには、その内部に
その軸方向一方側から軸孔が形成され、その開口側(一
方側)が他の部分よりも大きくされたものがあり、この
ものにおいては、その一方側端部は軸方向中央側よりも
単位軸方向長さ当りの質量が少なくなっている。このよ
うなカムシャフトにおいては、上述の加熱処理を行なう
となると、端部と軸方向中央側との質量の相違に基づい
て、端部のカムと軸方向中央側のカムとの間において大
きな温度差が生じることになることから、加熱処理によ
り各カムの温度を所定温度よりも高くする一方、加熱処
理を終えて所定時間放冷し、その所定時間に達した時点
で、端部のカムと軸方向中央側のカムとの温度が所定温
度をもって略均等となるようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記加熱方法
においては、加熱処理が1回であることから、その1回
の加熱処理により各カムの温度を所定温度以上にまで上
げなければならず、これに伴って、端部のカムと軸方向
中央側のカムとの温度差が、加熱終了時点(最高温度)
において著しく大きくなり、その両者の温度が放冷によ
って均等化する温度(両者の温度降下曲線が交わる点
(以下、均等化温度と称す))を所定温度とするために
は、放熱を考慮して、加熱終了時点において、少なくと
も、軸方向中央側のカムの温度が所定温度以上となるよ
うに加熱しなければならず、これに伴って、端部のカム
は、上記大きな温度差に基づいて、所定温度を越してか
なり高い温度となる。この結果、加熱に用いるエネルギ
の多くを、放熱として無駄に消費せざるを得ない。しか
も、上記加熱処理においては、上述のように、加熱終了
時点の温度差が著しく大きくなることから、各カムの温
度が均等化するまでの時間は長くならざるを得ない。こ
れに対しては、電流値を一気に高く上げて加熱すること
(加熱温度上昇勾配を急激にすること)が考えられる
が、そのように対処した場合には、カムシャフトは、大
きな電流に基づき、電流供給用電極との接触面におい
て、溶融する虞れがある。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、加熱に用いるエネルギ消費を極力抑え
ると共に、カムシャフトの溶融を防止しつつ、各カムの
温度の均等化までの時間をできるだけ短くすることがで
きるカムシャフトの加熱方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明(第1の発明)にあっては、複数のカムを軸
方向に順次、備えると共に、単位軸方向長さ当りの質量
を端部において軸方向中央側よりも少なくしたカムシャ
フトを用意し、該カムシャフトに電流を流して加熱処理
を行ない、該加熱処理後、該カムシャフトを放冷処理し
て、該カムシャフトの各カムの温度を所定温度をもって
略均等とするカムシャフトの加熱方法において、前記加
熱処理と前記放冷処理との組合せが複数回に分けて行わ
れる、構成としてある。上述の構成により、加熱処理と
放冷処理との組合せを複数回に分けることから、1回当
りの組合せ処理後の温度差(端部におけるカムの温度と
軸方向中央側におけるカムの温度との差)を小さくする
ことができ、これに伴って、最終的な組合せ処理におけ
る加熱終了時点の温度差を小さくすることができること
になる。このため、均等化温度を所定温度とするため
に、放熱を考慮して、上記最終的な加熱終了時点におい
て、少なくとも、軸方向中央側のカムの温度が所定温度
以上となるように加熱しなければならないが、上記両カ
ム間の温度差を小さくすることができることから、端部
のカムの温度は、上記最終的な加熱終了時点において、
所定温度を越してあまり高く加熱されることはない。こ
の結果、放熱量として消費される熱量を少なくすること
ができることになり、加熱に用いるエネルギ消費を極力
抑えることができることになる。しかも、加熱処理と放
冷処理との組合せを複数回に分け、最終的な組合せ処理
における加熱終了時点の温度差を小さくすることができ
ことから、組合せ処理が1回だけの場合に比べて、各カ
ムが均等化温度になるまでの時間を短縮化することがで
きることになる。この結果、各カムが均等化温度になる
までの時間を短縮することを考慮する必要はなくなり、
電流値を一気に高く上げて温度上昇勾配を急激にする必
要はなくなる。このため、大きな電流に基づいて、カム
シャフトが溶融することも防止できることになる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。先ず、本発明の加熱方法において用いるカムシャ
フト1とカムシャフト加熱装置2とについて説明する。
カムシャフト1は、図1に示すように、軸方向に長く延
びており(例えばL=450mm )、そのカムシャフト1に
は、軸方向に一定間隔をあけて複数のカム3が順次、取
付けられている。本実施例においては、8つのカム3が
設けられており、その各カム3には、カムシャフト1の
一端側(左端側)から他端側(右端側)に向けて順に、
3−1〜3−8の符号を付すこととする。このカムシャ
フト1には、カムプーリを取り付けるため、その内部に
その他端側から軸孔4が形成されている。この軸孔4の
内径は、他端内径D1 が、その他端部よりも軸方向内方
側、すなわち軸方向中央側の内径D2 よりも拡径されて
おり、このため、このカムシャフト1においては、その
他端部は軸方向中央側よりも単位軸方向長さ当りの質量
が少なくなっている。
【0007】カムシャフト加熱装置2は、図2に示すよ
うに、台5上に、前記カムシャフト1を、その両端部に
おいて受ける受け金具6がそれぞれ設けられており、そ
の各上方には加圧電極7が昇降可能に設けられている。
その両加圧電極7には、銅製のブ−スバ−8、オンス銅
板9を介してトランス(70KVA)10により電圧が
印加されるようになっており、これにより、カムシャフ
ト1をセットすることによって、該カムシャフト1に対
して電流を適宜流して該カムシャフト1を加熱すること
ができるようになっている。
【0008】次に、上記カムシャフト1とカムシャフト
加熱装置2を用いた加熱方法について説明する。本実施
例においては、カムシャフト1をカムシャフト加熱装置
2にセット後、加熱処理と放冷処理とを1つの組合せ処
理として、2回の組合せ処理が行なわれる。すなわち、
図3に示すように、第1回目の組合せ処理は、加熱処理
として、i1 (例えば420A)の電流が△t1(例え
ば30)秒間流され、その加熱処理後、△t2 (例えば
140)秒間、放冷処理が行なわれる。第2回目の組合
せ処理は、上記第1回目の組合せ処理における放冷処理
後、加熱処理として、i2(例えば210A)の電流が
△t3 (例えば100)秒間流され、その加熱処理後、
△t4 (140)秒間、放冷処理が行なわれる。これに
より、第1回目の加熱処理の開始から所定時間△t後
に、両カム3−6、3−8の温度は、均等化して所定温
度Tf (例えば、260℃)となり、その時点におい
て、各カム3に対して、再溶融硬化処理が行なわれる。
【0009】この場合、上記組合せ処理を2回に分けて
行なうのは、連続加熱時間(電流を連続して流す時間)
が長くなるのを避けて、各組合せ処理において、カム3
−8と軸方向中央側のカム(以下、代表として、カム3
−6を用いる。)との温度差△Tが大きくなることを抑
え、第2回目の(最終的な)組合せ処理における加熱終
了時点の温度差△Tf をできるだけ小さくするためであ
る。これにより、均等化温度を所定温度とするために、
第2回目の加熱処理を、その加熱終了時点において、カ
ム3−6の放熱をも考慮し、該カム3−6の温度が所定
温度Tf 以上となるように加熱しなければならないが、
前記△Tf があまり大きくないことから、第2回目の加
熱終了時点において、カム3−8の温度が所定温度を大
きく越えることはなくなる。このため、均等化温度を所
定温度Tf とするための放熱量(図4において所定温度
よりも上方領域)を少なくすることができることにな
り、加熱に用いるエネルギ消費を極力抑制できることに
なる。尚、第1回目の放冷処理は、第2回目の加熱処理
までの間において、カム3−6とカム3−8との温度差
△Tを小さくすることに寄与している。また、同時に、
前記△Tf を小さくすることは、均等化温度になるまで
の時間を短縮することになる。
【0010】上記内容を理解し易くするために、上記組
合せ処理が1回だけの場合を、図5、図6をもって説明
すれば、この場合には、連続加熱時間が長くなり、加熱
終了時点において、カム3−6とカム3−8との温度差
△Tf は、本実施例に比べて大きくならざるを得ない。
このため、均等化温度を所定温度Tf とするためには、
加熱処理を、加熱終了時点において、少なくとも、カム
3−8の温度が所定温度Tf を越すように行なうとなる
と、上記△Tf が大きいことが影響して、カム3−6の
温度は所定温度をかなり越すことになる。この結果、放
熱量が本実施例に比べて多くなり、この場合は、加熱に
用いられるエネルギ消費の点で本実施例に比べて劣らざ
るを得ない。また、この場合には、上記温度差△Tf
大きくなることに伴って、均等化温度になるまでの時間
が、図6に示すように、本実施例に比べて長くなるが、
これに対しては、図6の加熱温度上昇勾配を大きくして
時間の短縮化を図ることが考えられるが、そのような場
合には、電流値をさらに大きくすることを意味すること
になり、カムシャフト1が加圧電極7との接触面におい
て溶融する虞れが生じることになる。
【0011】また、本実施例においては、加熱処理の際
の電流値が、図4に示すように、カム3−8の温度がカ
ム3−6の温度よりも高くなるように設定されている。
これは、単位軸方向長さ当りの質量相違の効果の影響よ
りも放熱効果の影響が大きいときに、図8に示すよう
に、カム3−6の温度がカム3−8の温度よりも高くな
ることがあることから、そのようになることを防いで、
そのような状態のときに生じる弊害の発生を防止せんと
している。すなわち、カム3−6の温度がカム3−8の
温度よりも高くなるような場合には、カム3−8の温度
下降勾配が単位軸方向長さ当りの質量の相違に基づいて
どうしても急になることから、両カム3−6、3−8を
均等化させる意味において第2回目の加熱終了時点にお
いて、カム3−8温度がカム3−6温度よりも高くなっ
ていなければならず、このため、大きな電流を流して、
図8の実線特性線に示すようにしなければならない。し
かし、このときには、第1回目の加熱処理によりカムシ
ャフト1の温度が上昇して、抵抗が低下し、一定量の加
熱熱量を得るためには、第2回目の加熱処理において流
す電流を、第1回目の加熱処理において流す電流に比べ
て多くしなければならことから、カムシャフト1を上述
のような状態にするにしても、第2回目の加熱処理で
は、非効率的となる。しかも、カム3−8の温度下降勾
配が単位軸方向長さ当りの質量の相違に基づいてどうし
ても急になることが、第1回目の放冷処理において、カ
ム3−6とカム3−8の温度差△Tを拡大することにな
り、そのことが、一層、第2回目の加熱処理で処置する
ことを効率の悪いものとする。このため、本実施例にお
いては、第1回目の加熱処理で大きな電流を流して、カ
ム3−8の温度がカム3−6の温度よりも高くなるよう
にし、第2回目の加熱処理における電流をできるだけ少
なくてすむようにしているのである。
【0012】また、上記実施例においては明確に示さな
かったが、第1回目の加熱処理における加熱量をできる
だけ加えることとし、第2回目の加熱処理における加熱
量の負担をできるだけ少なくするのがよい。これによ
り、カムシャフト1の温度が上昇して抵抗が低下してい
ることに対し、有効に対処できることになり、加熱処理
に用いる加熱量をできるだけ少なくすることができるこ
とになるからである。
【0013】
【発明の効果】本発明は以上述べたように、加熱に用い
るエネルギ消費を極力抑えると共に、カムシャフトの溶
融を防止しつつ、各カムの温度の均等化までの時間をで
きるだけ短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いるカムシャフトを示す正面
図。
【図2】カムシャフト加熱装置を説明する説明図。
【図3】実施例に係る加熱方法を説明する図。
【図4】図3における加熱方法において、カム3−6と
カム3−8とが示す温度特性図。
【図5】組合せ処理が1回である場合の加熱方法を説明
する図。
【図6】図5における加熱方法において、カム3−6と
カム3−8とが示す温度特性図。
【図7】加熱処理の際の電流値が、カム3−6の温度が
カム3−8の温度よりも高くなるようにされた場合の加
熱方法を説明する図。
【図8】図7における加熱方法において、カム3−6と
カム3−8とが示す温度特性図。
【符号の説明】
1 カムシャフト 3 カム 3−6 軸方向中央側のカム 3−8 端部のカム Tf 所定温度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のカムを軸方向に順次、備えると共
    に、単位軸方向長さ当りの質量を端部において軸方向中
    央側よりも少なくしたカムシャフトを用意し、該カムシ
    ャフトに電流を流して加熱処理を行ない、該加熱処理
    後、該カムシャフトを放冷処理して、該カムシャフトの
    各カムの温度を所定温度をもって略均等とするカムシャ
    フトの加熱方法において、 前記加熱処理と前記放冷処理との組合せが複数回に分け
    て行われる、ことを特徴とするカムシャフトの加熱方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記各加熱処理における電流値は、カムシャフト端部の
    カム温度が該カムシャフトの軸方向中央側のカム温度よ
    りも高くなるように設定されている、ことを特徴とする
    カムシャフトの加熱方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記複数の加熱処理は、開始側に近い順番の加熱量ほど
    大きくされている、ことを特徴とするカムシャフトの加
    熱方法。
JP34401991A 1991-12-02 1991-12-02 カムシャフトの加熱方法 Pending JPH05156346A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6222152B1 (en) 1998-01-12 2001-04-24 Mazda Motor Corporation Electric heating treatment method, electric heating treatment apparatus, and electrode for electric heating treatment apparatus
WO2014034375A1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-06 日本発條株式会社 スタビライザの製造方法および加熱装置

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