JPH051561B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、器具本体が反射板となる部分を一体
に備える埋込形照明器具に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来の埋込形照明器具は、器具本体の長手方向
中央から夫々異なる距離を置いて複数組の取付用
ノツクアウト部を有し、任意の組のノツクアウト
部を取除いて得られる取付孔に吊りボルトを通し
た後、このボルトにナツトを取付けることによ
り、器具本体を天井部に対して埋込み状態に取付
けるようになつている。

しかし、上記ノツクアウト部の間隔は固定であ
るため、吊りボルトの間隔と合致しない場合があ
る。この場合には、まず、アダプターを吊りボル
トに取付けた後に、このアダプターに対して器具
本体を取付けることが一般に行われている。しか
し、このようにアダプターを用いることは、取付
けの手間が増えるとともに、コスト高になるので
好ましくない。

また、器具本体は反射板部を一体に備えている
ため、この反射板部等により器具本体の天井部へ
の取付時に、吊りボルトが見えなくなり吊りボル
トを取付孔に通しづらい。このため、チエーンの
上端に螺合筒を連結してなる取付用ガイドを、吊
りボルトの下端部に螺合して取付け、そのチエー
ンを器具本体の取付孔に通した後、このガイドで
器具本体を導びいて吊りボルトを取付孔に通すこ
とも行われている。しかし、この場合、取付用ガ
イドの脱着の手間等が必要であり、取付けの手間
が増える不具合がある。

〔発明の目的〕

したがつて本発明の目的は、アダプターや取付
用ガイドを使用することなく、天井部に容易に取
付けることができるようにした埋込形照明器具を
提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明に係る埋込形照明器具は、内壁部と外壁
部とを平板状壁部により一体につないで形成され
るとともに、上記内壁部を向かい合わせて配設さ
れた１対の本体反射板と、これら本体反射板の端
部間にわたつて夫々取付けられた１対の本体端板
とから器具本体を形成し、上記両内壁部には夫々
長手方向に沿う金具案内溝を設け、上記器具本体
を吊りボルトに支持する複数の吊金具を、その両
端部を上記案内溝に移動可能に係合させて、上記
両内壁部および両本体端板とが形成した上面およ
び下面開口の細長い箱形状部分内に配設し、かつ
上記器具本体には上記箱形状部分の下面開口を塞
ぐ閉塞板を取付けたことを特徴とする。

この埋込形照明器具によれば、１対の本体反射
板を備える器具本体は、上面および下面が開口さ
れた細長い箱形状部分を有した構造であるから、
箱形状部分内に配設した吊金具に吊りボルトを通
す際に、本体反射板を備えているにも拘らず箱形
状部分の上下開口を通して視認しながら作業でき
る。これとともに、吊金具は箱形状部分を形成す
る内壁部に設けた金具案内溝に沿つて長手方向に
移動できるから、吊金具の位置を吊りボルトに対
して容易に合わせ得る。したがつて、本発明の所
期の目的を達成することができる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

図中１は器具本体で、１対の本体反射板２と１
対の本体端板３とから形成されている。

本体反射板２は、内壁部４と、外壁部５とを平
板状壁部６により一体につないで形成されてい
て、これら１対の本体反射板２は、その内壁部４
同志を向かい合わせて配設してある。そして本実
施例は、内壁部４を略垂直状とするとともに、外
壁部５を斜状にし、かつ平板状壁部６を水平状と
した場合を示している。内壁部４の長手方向両端
部にはソケツト通し部４ａが夫々切欠いて形成さ
れている。さらに、内壁部４にはその例えば下縁
において金具案内溝７が長手方向に沿つて設けら
れている。なお、この溝７を形成する折曲縁は、
本実施例の場合閉塞板取付部７ａとして用いられ
るようになつているが、これら溝７と取付部７ａ
とは別々に設けてもよい。また、外壁部５は内壁
部４より幅が大きく、その下縁には全長にわたり
天井係止フランジ８が一体に折曲げられている。

本体端板３の周縁には、上記外壁部５および平
板状壁部６の端部外面に重なる嵌合フランジ９、
および上記フランジ８の外面に両端部が重なる天
井係止フランジ１０が夫々一体に折曲げて形成さ
れている。これら本体端板３は１対の本体反射板
２の端部間にわたつて夫々取付けられている。な
お、これら本体反射板２と本体端板３とは、それ
らの重なり部においてねじ止め、溶接止め、又は
いずれか一方に設けた爪を他方に設けたスリツト
に通して折曲げる所謂爪止め等により連結され
る。また、本体端板３の内面側にはソケツト取付
部３ａが切起こされていて、これら取付部１０に
は図示しない棒状ランプを支持するランプソケツ
ト１１が取付けられている。ランプソケツト１１
は取付溝１１ａを有し、これを上記取付部１０に
嵌込むことにより、背面を本体端板３の内面に当
接して取付けられるようになつている。そして、
これらランプソケツト１１は、いずれも外壁部５
方向に向けて横向きに突出されている。

以上の構造の器具本体１は、両内側壁４および
両本体端板３の中央部とで形成される細長い箱形
状部分を備える。この箱形状部分の上面および下
面は夫々開口されている。

上記箱形状部分内には複数の吊金具１２が配設
されている。吊金具１２は、例えば略コ字状をな
すコ字部の両先端部に夫々水平方向外向きに折曲
げられた係合端部１２ａを有して形成されている
とともに、これら係合端部１２ａを金具案内溝７
に移動可能に係合して設けられている。さらに、
吊金具１２は天井部の吊りパイプＡが通る孔１２
ｂをコ字部中央に有している。なお、吊りパイプ
Ａの下部は螺合部となつていて、この部分には座
金Ｂが嵌合されるとともにナツトＣが螺合される
ようになつている。

さらに、箱形状部分には安定器１３が配置され
ている。なお本実施例は、内壁部４に係合する折
曲片１４ａを有した取付金具１４を、平板状部
６，６にわたつてねじ１５で固定し、この取付金
具１４にボルト１６およびナツト１７等を介して
安定器１３を取付けた場合を示している。

また、器具本体１にはその箱形状部分の下面開
口を塞いで閉塞板１８が取付けられている。この
板１８は本実施例では反射板を兼ねるようになつ
ている。閉塞板１８は上向き係合縁１９を両側に
有しており、この係合縁１９の先端は下向きに折
返えされている。そして、この閉塞板１８は上向
き係合縁１９を閉塞板取付部７ａに係止されて両
内壁部３の下端間にわたつて取付けられており、
その取付け状態は上向き係合縁１９がその弾性力
で上記取付部７ａに圧接することで保持されるよ
うになつている。また、閉塞板１８の両端部には
夫々ソケツト通し部１８ａが切欠いて形成されて
いる。

なお、以上の説明において、本体反射板２、本
体端板３、閉塞板１８は、いずれもカラー鋼板や
反射性被膜又は塗膜を表面に施された鋼板、若し
くは樹脂材料等からなるものである。

以上の構造の埋込形照明器具を天井部に取付け
るには、第６図のように閉塞板１８のみが取外さ
れているとともに、ランプソケツト１１、吊金具
１２、および安定器１３が夫々取付けられた状態
の器具本体１を、天井の取付穴Ｄに向けて押上げ
る。そして、取付穴Ｄに対向している吊りボルト
Ａの間隔に合わせて、吊金具１２を移動調節す
る。この場合、器具本体１が備える上下面が開口
されている箱形状部分を通して、下方より吊りボ
ルトＡおよび吊金具１２を視認しつつ、吊金具１
２を金具案内溝７に沿つて移動調節できる。この
ような位置合せ後に、器具本体１を真上に押上げ
て吊りボルトＡを吊金具１２の孔１２ｂに通し、
そして座金ＢおよびナツトＣを嵌めて、ナツトＣ
を締め付ける。この締め付けは、まず器具本体１
の動きが多少できる程度で、一旦中断し、この状
態で器具本体１の位置を他の照明器具等との関係
を満たすように調整した後に再び行なわれるもの
で、これによつて器具本体１がその天井係止フラ
ンジ８，１０を天井面に密接させて、所定位置に
固定される。次に、電源配線コード（図示しな
い）を箱形状部分内に引込んで配線した後、閉塞
板１８を器具本体１に取付ける。最後に、対向す
るランプソケツト１１に棒状けい光ランプを支持
させ、以上で天井への取付け作業を終了する。

なお、本実施例では閉塞板１８はその上向き係
合縁１９の弾性力を利用して内壁部４の閉鎖板取
付部７ａに係止されるので、ねじ止め等を行う必
要がなく、その取付け作業性がよい。

さらに本実施例では、ランプソケツト１１が横
向きになつているので、器具本体１を薄形化する
ことができ、したがつて天井内寸法が小さい場合
にも取付けることができる。

上記一実施例は以上のように構成したが、本発
明において使用する閉塞板１８は、上記実施例の
如き断面Ｖ字形に限らず、平板状のものでもよ
く、その取付けはねじ等を用いて行うようにして
も差支えない。そして、本体反射板２の外壁部５
は略垂直状であつてもよく、また器具本体１には
その下面開口を被う開口カバーを取付けてもよ
い。さらに、ランプソケツト１１は本体端板１３
に限らず、本体反射板２の内壁部４又は平板状壁
部６に取付けても差支えなく、その取付け構造も
ソケツト台を用いてもよい等、上記一実施例に限
らない。その他、本発明の実施に当つては、発明
の要旨に反しない限り、本体反射板、内壁部、外
壁部、平板状壁部、金具案内溝、吊金具、閉塞板
等の具体的な形状、構造、位置および材質等は、
上記一実施例に制約されることなく、種々の態様
に構成して実施できることは勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明は、上記特許請求の範囲に
記載の構成を要旨とするから、吊りボルトと吊金
具の位置を視認しつつ、これらの位置合わせを吊
金具の移動調節で行うことができる。したがつて
本発明によれば、吊りボルトを曲げたり、アダプ
ターや取付用ガイドを使用して取付けの手間を増
やすことなく、天井部に容易に取付け得る埋込形
照明器具を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は略分解斜視図、第３図および第４図
は夫々異なる断面図、第５図は一部の分解斜視
図、第６図は天井への取付けを説明するための斜
視図である。 １……器具本体、２……本体反射板、３……本
体端板、４……内壁部、５……外壁部、６……平
板状壁部、７……金具案内溝、１２……吊金具、
１８……閉塞板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内壁部と外壁部とを平板状壁部により一体に
   つないで形成されるとともに、上記内壁部を向か
   い合わせて配設された１対の本体反射板とこれら
   本体反射板の端部間にわたつて夫々取付けられた
   １対の本体端板とから器具本体を形成し、上記両
   内壁部には夫々長手方向に沿う金具案内溝を設
   け、上記器具本体を吊りボルトに支持する複数の
   吊金具を、その両端部を上記案内溝に移動可能に
   係合させて、上記両内壁部および両本体端板とが
   形成した上面および下面開口の細長い箱形状部分
   内に配設し、かつ上記器具本体には上記箱形状部
   分の下面開口を塞ぐ閉塞板を取付けたことを特徴
   とする埋込形照明器具。