JPH05155764A - ジペプチドを有効成分とする骨疾患の予防および治療剤 - Google Patents

ジペプチドを有効成分とする骨疾患の予防および治療剤

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JPH05155764A
JPH05155764A JP3059182A JP5918291A JPH05155764A JP H05155764 A JPH05155764 A JP H05155764A JP 3059182 A JP3059182 A JP 3059182A JP 5918291 A JP5918291 A JP 5918291A JP H05155764 A JPH05155764 A JP H05155764A
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JP
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group
compound
bone
active ingredient
treating agent
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Application number
JP3059182A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Kiso
良信 木曽
Yasuhiro Hayashi
靖浩 林
Naoki Higuchi
直樹 樋口
Masayuki Saito
雅之 齊藤
Masaki Hashimoto
昌樹 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 骨粗鬆症をはじめとする骨再吸収性疾患に対
する、予防および治療法を提供する。 【構成】 一般式(1) (式中、R1 はC2〜10 アシル基、C4〜15
ルキルオキシカルボニル基、(置換)ベンジルオキシカ
ルボニル基等を示し、R2 は水素原子であるか、あるい
はR1 とR2 は一緒になってフタロイル基を形成しても
よく、R3 はイソブチル基、n−ブチル基またはイソプ
ロピル基を示し、R4 はn−ブチル基を示す)で表され
る化合物を有効成分として、通常成人1日当たり0.1
〜1000mg/kgを1〜3回に分けて経口または非
経口で投与するための、悪性高カルシウム血症、骨ペー
ジェット病または骨粗鬆症の予防または治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は骨疾患、たとえば悪性高
カルシウム血症、骨ページェット病および骨粗鬆症等の
骨疾患の予防または治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢者人口の急激な増加と共に所
謂老人病が増加している。中でも、骨粗鬆症をはじめと
する骨疾患は、骨折を多発し、寝たきり老人につながる
疾病として、その予防と治療法の開発が望まれている。
【0003】骨は一旦形成された後は全く変化しない構
築物ではなく、常に造られては壊され、骨形成と骨吸収
のバランスの上にその構造および量は維持されている。
従って、加齢あるいはその他の原因によりそのバランス
が崩れると、種々の骨疾患を発症する。骨吸収の異常亢
進によって起こる疾患としては、骨髄腫やリンパ腫など
が原因で起こる悪性高カルシウム血症、局所性骨吸収に
よりもたらされる骨ページェット病、原因は不明である
が加齢により骨量が減少する骨粗鬆症などが挙げられ
る。
【0004】骨は主に有機質であるコラーゲン線維と無
機質であるカルシウム塩からなり、この両者が結びつい
て、張力にも圧力にも強い強固な構築物である骨が形成
される。とりわけ、カルシウム塩は全骨重量の70%を
占めるが、骨疾患においてはその進行とともにカルシウ
ム塩が骨から血液中に溶け出して徐々に失われる。この
ような疾患の予防または治療には、これまでカルシウム
を補うかあるいは維持する療法が採用され、活性型ビタ
ミンD3 製剤およびカルシウム製剤などが用いられてき
た。また、骨からの脱灰を抑制する目的でエストロゲン
製剤およびカルシトニン製剤のようなホルモン剤が用い
られてきた。
【0005】このようなカルシウム塩の減少防止の観点
に基づく治療に加えて、最近、骨疾患におけるコラーゲ
ン線維の減少防止の重要性も着目されつつある。即ち、
骨の支持体として存在するコラーゲンはI型であり、こ
の型のコラーゲンは通常のコラゲナーゼでは分解されな
いが、最近の研究からリソゾーム中のチオールプロテア
ーゼの一種であるカテプシンLにより分解されることが
明らかにされている(勝沼信彦、第11回メディシナル
ケミストリーシンポジウム講演要旨集 128頁 19
90年)。カテプシンLが関節軟骨を構成するコラーゲ
ンのタイプII型、IX型およびXI型を中性領域で分解する
ことも報告されている(フェブス・レターズ (FEBS Let
ters) 269巻1号 189〜193頁1990年)。
また、システインプロテアーゼの阻害剤が骨吸収を抑制
することも報告されている(バイオケミカル・ジャーナ
ル (Biochemical Journal), 192巻 365〜368
頁1980年:バイオケミカル・アンド・バイオフィジ
カル・リサーチ・コミュニケーションズ (Biochemical
and Biophysical Research Communications), 125巻
2号 441〜447頁 1984年:ボーン (Bone),
8巻 305〜313頁 1987年)。
【0006】このような状況から、ある種のシステイン
プロテアーゼ阻害剤がカルシウム塩とコラーゲン線維の
減少を同時に抑制しうる物質として、これを吸収性骨疾
患の治療に用いることが提案されている(特開昭63−
284127、特開平2−218610)。しかしなが
ら、その研究は緒についたばかりで実際に患者を治療し
た例は報告されておらず、実用的な治療剤の提供には至
っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、悪性
高カルシウム血症、骨ページェット病および骨粗鬆症等
の吸収性骨疾患の予防または治療に有用な治療剤を提供
することにある。より詳細には、吸収性骨疾患におい
て、カルシウムを補給または維持する従来の療法に代え
て、骨中のカルシウム塩の減少を抑制することにより根
本的な予防および治療を可能にする治療剤を提供するこ
とにある。
【0008】本発明はまた、吸収性骨疾患において骨中
カルシウム塩の減少の抑制と同時に、コラーゲン線維の
減少も抑制して、より効果的な予防および治療を可能と
する骨疾患治療剤を提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のために、PTHrp(1−34)により惹起さ
れたラットの高カルシウム血症およびカルシウム欠乏食
を投与することにより誘発される続発性副甲状腺機能亢
進症をモデルとして用い、その血中カルシウム濃度を正
常化する能力に基づいて、各種化合物をスクリーニング
した結果、一般式(1) (式中、R1 は炭素数2から10までの直鎖または分岐
のアシル基、炭素数4から15までの分岐、環状、また
は架橋環状のアルキルオキシカルボニル基、置換または
無置換のベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−ト
リクロロエチルオキシカルボニル基、2−(トリメチル
シリル)エチルオキシカルボニル基、p−トルエンスル
フォニル基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、ジフ
ェニルフォスフォノチオイル基、トリフェニルメチル
基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル基または4−フ
ェニルブタノイル基を示し、R2 は水素原子であるか、
あるいはR1 とR2 は一緒になってフタロイル基を形成
してもよく、R3 はイソブチル基、n−ブチル基または
イソプロピル基を示し、R4 はn−ブチル基を示す)で
表される化合物が、経口投与または静脈注射等の非経口
投与により血中カルシウム濃度の低下作用を有し、骨疾
患の予防または治療剤として有用であることを見出し、
本発明を完成した。
【0010】上記PTHrp(1−34)は、ヒトの悪
性高カルシウム血症惹起因子であるPTHrp(副甲状
腺ホルモン関連蛋白)の1〜34番目のアミノ酸残基よ
りなる活性フラグメントであり、ラットに投与すると、
高カルシウム血症を惹起し、またイン・ビトロでの骨吸
収促進作用が示されているので(ジャーナル・オブ・ク
リニカル・インベスティゲーション (Journal of Clini
cal Investigation)81巻2号 596−600頁 1
988年:エンドクリノロジー (Endocrinology) 12
3巻 2841−2848頁 1988年)、骨粗鬆症
のモデルを組み立てるために用いられた。
【0011】このモデルを用い、ウイスター系ラットに
一般式(1)の化合物投与後、PTHrp(1−34)
を投与し、血中カルシウム濃度を測定したところ、PT
Hrp(1−34)のみの処理群に較べて有意に血中カ
ルシウム濃度を低下させることが判明した。
【0012】また、ある種の吸収性骨疾患において、副
甲状腺機能亢進が続発する場合が観察されている。これ
は血中カルシウムの濃度を正常範囲に保つために、副甲
状腺ホルモンの放出が増加するためと考えられている。
このような副甲状腺機能亢進症のモデルとして、ラット
にカルシウム欠乏食を投与し、副甲状腺ホルモン放出量
の増加と続発性副甲状腺機能亢進症を発症させた。
【0013】このモデルを用いて、続発性副甲状腺機能
亢進症における一般式(1)の化合物の効果を調べたと
ころ、これらの化合物はカルシウム欠乏食により上昇す
る血中カルシウム濃度を有意に低下させることが判明し
た。
【0014】従って、一般式(1)の化合物は上記二種
の骨疾患モデルで有効性が認められたことから、これら
の化合物は骨疾患の予防または治療剤として有用であ
る。
【0015】さらに、一般式(1)の化合物はカテプシ
ンLの強力な阻害剤であることが知られている(特開平
1−121257および特開平2−268145)。カ
テプシンLは骨支持体のI型コラーゲンや関節軟骨を構
成するII型、IX型およびXI型のコラーゲンを分解するこ
とが報告されているが(フェブス・レターズ (FEBS Let
ters) 269巻1号 189〜193頁1990年)、
この分解を強力に阻害する点からも一般式(1)の化合
物は、骨疾患の予防または治療剤として有用である。な
お、この面から本発明の治療剤は、カテプシンL活性の
異常亢進を伴う骨疾患である骨関節炎あるいはリウマチ
性関節炎に対しても有効であると期待される。
【0016】一般式(1)で表される化合物は、特開平
1−121257号または特開平2−268145号公
報に開示されている既知化合物であり、これらの公報に
開示された有機合成法により製造することができる。こ
れらの化合物はカテプシンLに対する強力な阻害剤であ
るが、骨疾患に対して有効であることは全く知られてい
なかった。
【0017】一般式(1)の化合物において、本発明の
治療剤の有効成分として好ましいものの例として、R4
はn−ブチルを示し、R1 、R2 、R3 が下記表1に示
される化合物があげられる。
【0018】 表1 化合物の例示 ---------------------------------------------------------------------- 化合物番号 R123 ---------------------------------------------------------------------- 1* ベンジルオキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 2* 4−フェニルブタノイル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 3 オクタノイル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 4 ヘキサノイル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 5 イソバレリル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 6 t−ブトキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 7 アダマンチルオキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 8 p−クロロベンジルオキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 9 p−メトキシベンジルオキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 10 o−クロロベンジルオキシカルボニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 11 2,2,2−トリクロロエチルオキシカ 水素原子 イソブチル ルボニル ---------------------------------------------------------------------- 12 2−トリメチルシリルエチルオキシカル 水素原子 イソブチル ボニル ---------------------------------------------------------------------- 13 p−トルエンスルホニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 14 o−ニトロフェニルスルフェニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 15 ジフェニルフォスフォノチオイル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 16 トリフェニルメチル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 17 2−ベンゾイル−1−メチルビニル 水素原子 イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 18 (R1とR2で一緒になって)フタロイル イソブチル ---------------------------------------------------------------------- 19 ベンジルオキシカルボニル 水素原子 n−ブチル ---------------------------------------------------------------------- * 化合物1および化合物2は特開平1−12125
7号公報にその他は特開平2−268145号公報に記
載されている。
【0019】なお、本発明における一般式(1)の化合
物は、そのアセタール誘導体のように生体内でC末端ア
ルデヒドに変換される誘導体として、治療剤中に含める
こともできる。
【0020】本発明の有効成分は、常法に従って種々の
剤型での投与が可能である。例えば経口投与剤として
は、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤、
ドライシロップ剤等が例示でき、非経口投与剤として
は、注射剤の他、坐薬、膣坐薬等の坐剤、噴霧剤等の経
鼻投与剤、軟膏、経皮吸収性テープ等の経皮吸収剤が例
示できる。
【0021】本発明の治療剤が対象とする骨疾患とは、
吸収性骨疾患を意味し、具体的には、悪性高カルシウム
血症、骨ページェット病、骨粗鬆症が例示される。これ
らの疾患の患者に投与する有効成分の量の目安として
は、通常成人1日当たり0.1〜1000mg/kg体
重(好ましくは1〜100mg/kg体重、より好まし
くは5〜50mg/kg体重)を1〜3回に分けて経口
または非経口で骨疾患の患者に投与すればよい。この投
与量は、患者の年齢、症状等により適宜増減することが
可能であり、下記安全性のデータから判断して効果が認
められる限り投与量を高めることができると思われる。
【0022】一般式(1) の化合物は、低分子量のペプ
チド誘導体であるため、その毒性は無視できる程度であ
る。例えば、表1に示した化合物1(N−ベンジルオキ
シカルボニル−ロイシル−ノルロイシナール)の急性毒
性を調べるため、ラットに2g/kgを腹腔内投与して
も一般症状に何ら変化がなく、また死亡動物も認められ
なかった。
【0023】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0024】実施例1PTHrp(1−34)により惹起されたラットの高カ
ルシウム血症に対する本発明の予防および治療剤の効果
(経口投与) ウィスター系ラット(5週齢、雄、70〜90g、一群
5匹)に、表2に記載された化合物を40mg/kg体
重の用量で経口投与し、4時間後にPTHrp(1−3
4)を5nmole/kg静脈内投与した。
【0025】PTHrp(1−34)投与1時間後に採
血し、血中カルシウム濃度をオクトクレゾールフタレイ
ンコンプレキソン法で測定した。
【0026】なお、参考として特開昭63−28412
7号公報記載の化合物であるE−64を、40mg/k
g体重の用量で経口投与し、同様に評価した。
【0027】その結果は表2に示す通りであり、本発明
の化合物は血中カルシウム濃度の上昇を有意に抑制し
た。
【0028】この結果は、本発明の化合物が悪性体液性
高カルシウム血症を予防または抑制しうることを強く示
唆し、本発明の化合物が骨疾患の予防または治療剤とし
て有用であることが明らかになった。
【0029】 表2 高カルシウム血症に対する効果(経口投与) ---------------------------------------------------------------------- 群 PTHrp処理 薬物 投与量 (mg/kg) Ca濃度±標準誤差 (mg/dl) ---------------------------------------------------------------------- 1 なし なし 0 10.41±0.07 2 あり なし 0 11.19±0.04 3 あり E−64 40 10.50±0.23 4 あり 化合物 1 40 8.88±0.13**## 5 あり 化合物 2 40 10.56±0.13** 6 あり 化合物 3 40 10.52±0.16** 7 あり 化合物 5 40 9.76±0.18**# 8 あり 化合物 6 40 10.48±0.13** 9 あり 化合物 7 40 10.48±0.29* 10 あり 化合物 8 40 9.39±0.15**## 11 あり 化合物 9 40 9.24±0.18**## 12 あり 化合物10 40 10.46±0.11** 13 あり 化合物11 40 9.15±0.05**## 14 あり 化合物12 40 10.62±0.23 15 あり 化合物13 40 9.77±0.18**# 16 あり 化合物15 40 9.76±0.14**# 17 あり 化合物16 40 10.59±0.12* 18 あり 化合物17 40 11.16±0.12 19 あり 化合物18 40 10.72±0.07** 20 あり 化合物19 40 10.61±0.07** ---------------------------------------------------------------------- E−64:L−トランス−エポキシスクシニル−L−ロ
イシンアミド−(e−グアニド)−ブタン 血中カルシウム濃度平均値±標準誤差 (n=5) * : P<0.05 vs 第2群の血中カルシウム
濃度 ** : P<0.01 vs 第2群の血中カルシウム
濃度 # : P<0.05 vs 第3群の血中カルシウム
濃度 ## : P<0.01 vs 第3群の血中カルシウム
濃度 実施例2 PTHrp(1−34)により惹起されたラ
ットの高カルシウム血症に対する本発明の予防および治
療の効果(腹腔内投与) ウイスター系ラット(5週齢、雄、70−90g、一群
5匹)に、化合物1を10mg/kg体重の用量で、P
THrp(1−34)投与の0.5、1、2および4時
間前に腹腔内投与した。PTHrp(1−34)は5n
mole/kgを静脈内投与し、それぞれ1時間後に採
血し、血中カルシウム濃度を実施例1と同様の方法で測
定した。
【0030】その結果は表3に示す通り、化合物1は持
続的に血中カルシウム濃度の上昇を有意に抑制した。こ
の結果から、本発明の化合物は非経口でも悪性高カルシ
ウム血症を予防または抑制し、またこの作用は持続的で
あることが明らかになった。
【0031】 表3 高カルシム血症に対する効果(腹腔内投与) ---------------------------------------------------------------------- 薬物投与時間 薬物 投与量 Ca濃度±標準誤差 群 (PTH投与の) (mg/kg) (mg/dl) ---------------------------------------------------------------------- 1 0.5時間前 なし 0 12.08±0.11 2 0.5時間前 化合物1 10 11.74±0.07* 3 1時間前 なし 0 11.53±0.08 4 1時間前 化合物1 10 11.28±0.07* 5 2時間前 なし 0 11.99±0.04 6 2時間前 化合物1 10 11.56±0.09** 7 4時間前 なし 0 12.46±0.07 8 4時間前 化合物1 10 11.91±0.09** ---------------------------------------------------------------------- 血中カルシウム濃度平均値±標準誤差 (n=5) * :P<0.05 vs 各々の時間における薬物なし
群の血中カルシウム濃度 **:P<0.01 vs 各々の時間における薬物なし
群の血中カルシウム濃度 実施例3 続発性副甲状腺機能亢進症に対する効果 ラットのカルシウム欠乏食モデルにおいて、血中カルシ
ウム濃度を正常範囲に保つため副甲状腺ホルモンが放出
される。この副甲状腺ホルモンは骨再吸収を促進して血
中カルシウム濃度を正常範囲に保つ作用をもち、血中カ
ルシウムの大半は骨から溶出したものである。
【0032】このモデルを用いて、ウイスター系ラット
(5週齢、雄、70−90g、一群5匹)を5日間カル
シウム欠乏食で飼育した。一夜絶食後、表1記載の化合
物を40mg/kg体重の用量で経口投与し、血中カル
シウム濃度を薬剤投与5時間後に、実施例1と同様の方
法で測定した。
【0033】その結果は表4に示す通り、化合物2、
6、8、9、11および15は、血中カルシウム濃度を
有意に低下させ、本発明の治療剤は、続発性副甲状腺機
能亢進症を伴う骨疾患の予防または治療にも有用である
ことが確認された。
【0034】 表4 続発性副甲状腺機能亢進に対する効果 ---------------------------------------------------------------------- 群 薬物 投与量(mg/kg) Ca濃度±標準誤差(mg/dl) ---------------------------------------------------------------------- 1 なし 0 11.06±0.19 2 化合物 1 40 11.30±0.26 3 化合物 2 40 10.38±0.17* 4 化合物 3 40 10.94±0.05 5 化合物 5 40 10.70±0.13 6 化合物 6 40 10.22±0.14** 7 化合物 7 40 10.54±0.16 8 化合物 8 40 10.45±0.14* 9 化合物 9 40 10.43±0.09* 10 化合物10 40 10.38±0.16* 11 化合物11 40 10.39±0.08** 12 化合物12 40 9.90±0.63 13 化合物13 40 10.74±0.04 14 化合物15 40 9.99±0.12** 15 化合物16 40 10.61±0.19 16 化合物17 40 10.73±0.12 17 化合物18 40 10.60±0.09 18 化合物19 40 10.91±0.20 ---------------------------------------------------------------------- 血中カルシウム濃度平均値±標準誤差 (n=5) * : P<0.05 vs 第2群の血中カルシウム
濃度 **: P<0.01 vs 第2群の血中カルシウム
濃度 製剤例1 カプセル剤の製造 化合物1 100部(重量部) 馬鈴薯澱粉 148部 〃 ステアリン酸マグネシウム 2部 〃 以上を擂潰機でよく混和した後、1号ハードゼラチンカ
プセルに250mgずつ充填し、1カプセル中100m
gの化合物1を含有するカプセル剤を得た。
【0035】製剤例2 直腸坐剤の製造 ウイテップゾールH−15を加温融解し、これに化合物
1を濃度12.5mg/mlになるように加えて、均一
に混和し、次いでこれを直腸坐剤用金型に2mlずつ注
入し、冷却して、1剤中25mgの化合物3を含有する
直腸坐剤を得た。
【0036】
【発明の効果】本発明の治療剤は、悪性体液性高カルシ
ウム血症、骨ページェット病および骨粗鬆症等の骨疾
患、さらに続発性副甲状腺機能亢進症を伴う骨疾患を予
防または抑制しうることが確認され、種々の骨疾患の予
防または治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/66 8314−4C 31/695 8314−4C C07C 237/04 7106−4H 237/22 7106−4H 311/37 7419−4H 313/24 7106−4H C07D 209/48 C07F 7/10 D 8018−4H 9/36 7106−4H (72)発明者 齊藤 雅之 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社基礎研究所内 (72)発明者 橋本 昌樹 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社基礎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (式中、R1 は炭素数2から10までの直鎖または分岐
    のアシル基、炭素数4から15までの分岐、環状、また
    は架橋環状のアルキルオキシカルボニル基、置換または
    無置換のベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−ト
    リクロロエチルオキシカルボニル基、2−(トリメチル
    シリル)エチルオキシカルボニル基、p−トルエンスル
    フォニル基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、ジフ
    ェニルフォスフォノチオイル基、トリフェニルメチル
    基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル基または4−フ
    ェニルブタノイル基を示し、R2 は水素原子であるか、
    あるいはR1 とR2 は一緒になってフタロイル基を形成
    してもよく、R3 はイソブチル基、n−ブチル基または
    イソプロピル基を示し、R4 はn−ブチル基を示す)で
    表される化合物を有効成分とする骨疾患の予防または治
    療剤。
  2. 【請求項2】 骨疾患が、悪性高カルシウム血症、骨ペ
    ージェット病または骨粗鬆症である、請求項1記載の予
    防または治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1616859A1 (en) 1998-11-12 2006-01-18 Seikagaku Corporation Substituted cyclohexyl carboxylic acid compounds
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