JPH05155733A - 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品 - Google Patents

化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品

Info

Publication number
JPH05155733A
JPH05155733A JP35043991A JP35043991A JPH05155733A JP H05155733 A JPH05155733 A JP H05155733A JP 35043991 A JP35043991 A JP 35043991A JP 35043991 A JP35043991 A JP 35043991A JP H05155733 A JPH05155733 A JP H05155733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cosmetic
antibacterial
cosmetics
metal ion
phosphate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35043991A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukari Kato
ゆかり 加藤
Koji Sugiura
晃治 杉浦
Hideki Kato
秀樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP35043991A priority Critical patent/JPH05155733A/ja
Publication of JPH05155733A publication Critical patent/JPH05155733A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】カビ、酵母、大腸菌及び緑膿菌等の微生物に対
しても充分に発育防止の効果を有し、化粧品の保存性を
顕著に高めることができるとともに皮膚刺激の問題がな
い化粧品用防腐剤、及び皮膚刺激の問題がなく、保存性
に優れた化粧品を提供する。 【構成】Ag0.005Li0.995Zr2(PO43及びAg
0.1(NH41.9Ti(PO42・4H2O等の抗菌性燐
酸塩を主成分とすることを特徴とする化粧品用防腐剤及
びこれを含有することを特徴とする抗菌性化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の抗菌性燐酸塩を主
成分とする化粧品用防腐剤及びこれを含有する抗菌性化
粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に化粧品は、微生物により変質し易
い成分を含有し、さらに水分や栄養分に富んでいるた
め、微生物が生育し易い。一方、化粧品を使用する際に
は、使用の度に化粧品を少量取り出して所望の身体の部
位に塗布する必要があるため、化粧品の取り出し時にお
いて、大気中に浮遊する微生物が開栓された化粧品中に
混入したり、掌や指先等と接触させた化粧品が容器内へ
もどされることにより、掌や指先等の表面に付着した微
生物が混入する可能性が高い。又、化粧品の一回当たり
の使用量は容器内に充填された量に比較して一般に少な
いため、消費者が化粧品を使用し始めてから使用し終わ
る迄に、化粧品を取り出す頻度が極めて高く、又長時間
を経過することが多い。従って、化粧品はカビや細菌な
どの微生物により使用中に変質し易いという問題があ
り、これを防止するために、化粧品に抗菌効果を付与し
保存性を高めるための防腐剤を加えることが試みられて
いる。
【0003】現在、知られている化粧品用防腐剤として
は、カチオン活性剤、フェノール類、ソルビン酸塩、サ
リチル酸塩、デヒドロ酢酸塩及び安息香酸塩等の有機系
防腐剤があり、これらの中でもパラオキシ安息香酸メチ
ル、及びパラオキシ安息香酸プロピル等が汎用されてい
る。しかしながら、これらの有機系防腐剤は、規定量の
添加ではカビ、酵母の発生を防止するには未だ充分では
なく、カビや酵母の発生を充分防止することができるよ
うにするため添加量を多くしたり、顕著な効果を示すも
のを使用したりすると、皮膚刺激の問題が生じる場合も
ある。また、化粧品中で発育しやすい大腸菌や緑膿菌等
は耐性菌ができやすいため、規定量添加しても腐敗を生
ずることもある。
【0004】一方、化粧品の保存性を高める方法とし
て、銀、銅、亜鉛などの抗菌性金属イオンをゼオライト
にイオン交換させて抗菌性ゼオライトをつくり、これを
有機系防腐剤の代替として頭髪化粧品に利用する技術が
知られている(特開昭60−174707)。しかし、
抗菌性ゼオライトは抗菌性の点では優れているが、化粧
品用防腐剤として用いると皮膚刺激性が強く、実用性に
乏しいという問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の防
腐剤では発育を充分に防止することが困難である、カ
ビ、酵母、大腸菌及び緑膿菌等の微生物に対しても充分
に発育防止の効果を有し、化粧品の保存性を顕著に高め
ることができるとともに皮膚刺激の問題がない化粧品用
防腐剤、及び皮膚刺激の問題がなく、保存性に優れた化
粧品を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するために鋭意検討した結果、抗菌性金属イオンを
含有する特定の抗菌性燐酸塩は、皮膚刺激性がなく人体
に安全であること、極微量でカビ、酵母、細菌を問わず
微生物全般について効果があること、長期間にわたり効
果が持続することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は下記一般式で〔1〕で示される抗菌
性燐酸塩を主成分とすることを特徴とする化粧品用防腐
剤及びこれを含有することを特徴とする抗菌性化粧品で
ある。 M1 ab2 c(PO4d・nH2O 〔1〕 (M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム及びクロムからなる群より選ばれる
少なくとも1種のl価の金属イオンであり、Aはアルカ
リ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウム
イオン及び水素イオンからなる群より選ばれる少なくと
も1種のm価の金属イオンであり、M2は4価金属であ
り、nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいず
れも正数であり、la+mb=1又はla+mb=2で
あり、c及びdはla+mb=1の時、c=2、d=3
であり、la+mb=2の時、c=1、d=2であ
る。)
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の化粧品用防腐剤は、下記一般式〔1〕で示される
抗菌性燐酸塩を主成分とすることを特徴とする。 M1 ab2 c(PO4d・nH2O 〔1〕 (M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム及びクロムからなる群より選ばれる
少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属
イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン
及び水素イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種
の金属イオンであり、M2は4価金属であり、nは0≦
n≦6を満たす数であり、a及びbはいずれも正数であ
り、c及びdはla+mb=1の時、c=2、d=3、
la+mb=2の時、c=1、d=2である。但し、l
はM1の価数であり、mはAの価数である。)
【0008】上記一般式〔1〕で示される化合物は、l
a+mb=1の時、c=2、d=3の各係数を有する、
アモルファス又は空間群R3cに属する結晶性化合物であ
り、各構成イオンが3次元網目状構造を作る化合物を表
し、la+mb=2の時、c=1、d=2の各係数を有
する、アモルファス又は各構成イオンが層状構造を作る
化合物を表す。本発明における抗菌性燐酸塩としては、
日光に暴露したときの変色が少ないことから、 la+ m
b=1及びc=2、d=3の各係数を有する、3次元網
目状構造を有する結晶性化合物が好ましい。
【0009】上記一般式〔1〕におけるM1は、いずれ
も抗菌性を示す金属として知られたものであり、これら
の中で銀は、安全性の他、抗菌性を高めることができる
金属として特に有効である。
【0010】上記一般式〔1〕におけるAは、アルカリ
金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイ
オン又は水素イオンであり、アルカリ金属イオン及びア
ルカリ土類金属イオンの好ましい具体例には、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウ
ム等のイオンがあり、これらの中では、化合物の安定性
及び安価に入手できる点から、リチウムイオン、ナトリ
ウムイオン及びアンモニウムイオンは好ましいイオンで
ある。
【0011】上記一般式〔1〕におけるM2は、4価金
属であり、好ましい具体例には、ジルコニウム、チタン
又は錫があり、化合物の安全性を考慮すると、ジルコニ
ウム及びチタンは、特に好ましい4価金属である。
【0012】上記一般式〔1〕の抗菌性燐酸塩の具体例
として、以下のものがある。 Ag0.005Li0.995Zr2(PO43 Ag0.01(NH40.99Zr2(PO43 Ag0.05Na0.95Zr2(PO43 Ag0.20.8Ti2(PO43 及び化合物1モル当たりの銀イオンの電荷量と同じ電荷
量になるようにしながら、上記各式におけるAgの一部
又は全部をZn、Mn、Ni、Pb、Hg、Sn、また
はCuと置換した化合物、 Ag0.001Li1.999Zr(PO42 Ag0.01Na1.99Zr(PO42 Ag0.011.99Sn(PO42・1.2H2O Ag0.1(NH41.9Ti(PO42・4H2O 及び化合物1モル当たりの銀イオンの電荷量と同じ電荷
量になるようにしながら、上記各式におけるAgの一部
又は全部をZn、Mn、Ni、Pb、Hg、Sn、また
はCuと置換した化合物。
【0013】本発明における抗菌性燐酸塩を合成する方
法には、焼成法、湿式法及び水熱法等があり、例えば以
下のようにして容易に得ることができる。 ○網目状構造リン酸塩の合成 焼成法により合成する場合、炭酸リチウム(Li2CO3)又
は炭酸ナトリウム(Na2CO3)等のアルカリ金属を含有す
る化合物、酸化ジルコニウム(ZrO2)等のジルコニウム
を含有する化合物及びリン酸二水素アンモニウム(NH4H
2PO4)等のリン酸基を含有する化合物を、モル比で約
1:4:6となるように混合し、これを1100〜1400℃で
焼成することにより、一般式〔2〕で示される化合物を
得る。 Ax Zr2(PO43 〔2〕 (Aは上記と同じ意味であり、xはAが1価であるとき
は1であり、Aが2価であるときは1/2である) 一般式〔2〕で示される化合物を、室温〜100 ℃におい
て、適当な濃度で銀イオンを含有する水溶液中に浸漬す
ることにより、一般式〔1〕で示される化合物を得る。
【0014】また、湿式法により合成する場合、オキシ
硝酸ジルコニウム及び硝酸ナトリウムの水溶液を攪拌し
ながら、この中にシュウ酸を加え、さらにリン酸を加え
る。苛性ソーダ水溶液にて反応液のpHを3.5に調整
し、78時間加熱還流後、沈澱物を濾過、水洗、乾燥、
粉砕し、網目状リン酸ジルコニウム[NaZr2(P
43]を得る。これを適当な濃度で抗菌性金属を含有
する水溶液中に浸漬することにより、一般式〔1〕で示
される化合物を得る。
【0015】さらにまた、水熱法により合成する場合、
例えば以下のように合成すれば良い。硫酸ジルコニウム
の水溶液に、攪拌しながら燐酸二水素アンモニウムを徐
々に加え、沈澱物を生成する。その後、苛性ソーダ水溶
液にて反応液のpH値を2に調整し、130℃に保持し
た密閉容器中、飽和蒸気圧下で32時間沈澱物を加熱し
た後、沈澱物を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、結晶質リン
酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43を得る。さらに、
この結晶質リン酸ジルコニウムを適当な濃度の硝酸銀水
溶液中に加え、攪拌することにより、平均粒径が1μm
以下の抗菌性燐酸塩AgX(NH41-XZr2(PO43
を得る(xは0〜1の数である。)。
【0016】○層状構造リン酸塩の合成 濃厚なリン酸水溶液中に、オキシ塩化ジルコニウム、オ
キシ塩化チタン或いはオキシ塩化スズ等のジルコニウ
ム、チタン或いはスズ等の4価金属を構成元素とするオ
キシ塩化物を添加し、24時間加熱還流後、沈澱物を濾
過、水洗、乾燥、粉砕し、リン酸ジルコニウム〔Zr(HPO
4)2・H2O〕等のリン酸塩を得、これをアルカリ金属等の
硝酸塩水溶液に添加し、攪拌、水洗、乾燥及び粉砕する
ことにより、一般式〔3〕で示される化合物を得る。 A2xZr(PO42・nH2O 〔3〕 (A、x及びnは上記と同じ意味である。) 一般式〔3〕で示される化合物を適当な濃度で抗菌性金
属を含有する水溶液中に浸漬することにより、一般式
〔1〕で示される化合物を得る。
【0017】なお、一般式〔1〕におけるaの値は、上
記一般式〔2〕又は〔3〕で表される化合物を浸漬する
水溶液における銀の濃度、その水溶液に一般式〔2〕又
は〔3〕で表される化合物を浸漬する時間又は温度等を
調整することにより、必要とする特性及び使用条件等に
応じて、適宜調整することができる。
【0018】抗菌性を発揮させるには、一般式〔1〕に
おけるaの値は大きい方がよいが、aの値が0.001
以上であれば充分に抗菌性を発揮させることができる。
しかし、aの値が0.001未満であると、抗菌性を長
時間発揮させることが困難となる恐れがあるので、aの
値を0.01以上の値とすることが好ましい。又、経済
性を考慮すると、aの値は0.5以下が適当である。
【0019】本発明における抗菌性燐酸塩の平均粒径
は、化粧品中に均一に分散させ、保存後においても沈降
や凝集を起こさせないようにするため、10μm以下と
することが好ましく、1μm以下とすることがより好ま
しい。
【0020】本発明における抗菌性燐酸塩は光の暴露に
対して安定であり、紫外線の照射によっても何等変色を
起こさない。又、酸性溶液中でも骨格構造の変化がみら
れない。従って、各種の加工及び保存、さらには使用時
において、耐酸性や遮光条件等の制約を受けることがな
い。
【0021】本発明における抗菌性燐酸塩は、化粧品を
構成する組成物全量に対して、好ましくは0.0001
〜5.0重量%、より好ましくは0.001〜0.5重
量%の割合で配合する。配合量が0.0001重量%よ
り少ないと充分な抗菌力が発揮されない恐れがある。ま
た、配合量を5.0重量%より多くしても実際に発揮さ
れる抗菌力に大差がなく経済的ではない。
【0022】本発明の化粧品用防腐剤はあらゆる化粧品
に含有させることができ、好ましい具体例として例えば
基礎化粧品〔石鹸類、化粧水、クリーム、乳液、パッ
ク、日焼け止め化粧品等〕、メイクアップ化粧品〔白
粉、ファウンデーション、口紅、頬紅〕、アイメイクア
ップ化粧品〔アイライナー、アイシャドウ、マスカラ、
眉墨、マニキュア〕、香水類〔フレグランス類〕、毛髪
用化粧品〔シャンプー、リンス、ヘアートリートメン
ト、整髪料、パーマネント・ウェーブ用剤、ヘアカラー
(染毛剤)〕等がある。
【0023】以下、基礎化粧品についてより具体的に説
明する。基礎化粧品は清浄作用〔皮膚表面の汚れや老
廃物を取り除き肌を清潔により作用〕、整肌作用〔肌
を清浄にするために使用した化粧品の残留物を取り除く
作用〕、保護作用〔皮膚表面の乾燥を防ぎ肌に潤いを
与える作用〕等を有する。この様な作用を充分に発揮さ
せるために、基礎化粧品は本来の化粧作用をする成分以
外に、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、合成
界面活性剤、香料、酸化防止剤等の各種成分を数パーセ
ント程度添加すると良い。
【0024】各種成分をさらに具体的に例示すると以下
のようになる。 ・水分:精製水、蒸留水、脱イオン水等。 ・保湿成分:プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、ソルビトール、マルビットN,
M,F(アミノ酸を含む自然保湿因子)。 ・油生成分:スクワラン、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ
油、ラノリン、カカオ油、脂肪酸、セタノール、サラシ
ミツロウ、合成エステル油、メチルポリシロキサン、合
成グリセライド、パラフィン、セレシン等。 ・乳化剤:脂肪酸ソルビタン、脂肪酸グリセリン、脂肪
酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ヤシ油脂肪酸アミド、ソジウムオレフィン
スルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸ナトリ
ウム等。 ・アルカリ剤:水酸化ナトリウム、トリエタノールアミ
ン、アンモニア、炭酸ナトリウム等。 ・香料:ローズ、ラベンダー、白檀、セダー、ベチバ
ー、オレンジ、ムスク、アンバー等。 ・粘液質:メチルセルロース、クインスシード、アルギ
ン酸ナトリウム、トラガント、ペクチン、ポリビニルア
ルコール、ベントナイト、ペプタイド等。 ・アルコール分:エタノール、イソプロパノール等。 ・色材:法定タール色素(青色1号等)、天然色素、無
機顔料(ベンガラ、酸化チタン等)等。 ・紫外線吸収剤及び金属イオン封鎖剤:オキシベンゾ
ン、PABAエステル、ウロカニン酸エデト酸ナトリウ
ム等。 なお、化粧品中には、本発明の防腐剤の他に、カチオン
活性剤、フェノール類、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、
デヒドロ酢酸塩及び安息香酸塩、バラベン、ジブチルヒ
ドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の従
来より使用されている化粧品用防腐剤を、本発明の効果
を損なわない範囲で含有させることができる。
【0025】他の化粧品についても、本発明の防腐剤を
含有させるために特に成分が限定されることはなく、従
来より使用されている各種成分を含有させることができ
る。例えば、シャンプーは、汚れを落とすポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸
エステル塩等の界面活性剤の他、増粘剤としてセルロー
ス誘導体ポリビニルピロリドン、溶解補助剤として高級
脂肪酸グリコールエステル、コンディショニング剤とし
てグリセリン、高級アルコールエステル類、ラノリン誘
導体、レシチン、従来から使用されている防腐剤として
安息香酸、ソルビン酸、金属イオン封鎖剤としてキレー
ト剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸等
を含有させることができる。更に、フケ、痒み止め剤と
してジンクピリジンチオン等を含有させることもでき
る。
【0026】本発明の抗菌性化粧品は、上記一般式
〔1〕で示される抗菌性リン酸塩を主成分とする化粧品
用防腐剤を含有する化粧品であり、具体的には本発明の
化粧品用防腐剤を含有させることができる化粧品として
先に例示したものがある。
【0027】本発明の防腐剤を化粧品中へ配合する際、
各種成分を配合する順序、使用する装置、混合条件等に
特に制限はなく、本発明の防腐剤、油性成分及び水性成
分を室温下又は加温下で、常法により充分混合すれば容
易に抗菌性化粧品を得ることができる。化粧品の具体的
製造方法を例示すれば、例えば化粧品の油性成分及び水
性成分を予め混合した後、本発明の防腐剤を予め混合し
て得た水性成分系中へ混合し、これを予め混合して得た
油性成分系と混合する。
【0028】以下、実施例により更に詳しく説明する。
【実施例1】 (1)抗菌性燐酸塩の製造 硫酸ジルコニウムの水溶液及び燐酸二水素アンモニウム
の水溶液をジルコニウムとリンの原子比が2:3になる
ように混合することにより沈澱物を生成させ、水酸化ナ
トリウムの水溶液を用いてpHを2に調整した後、水熱
状態下で150℃、24時間加熱することにより結晶性
燐酸ジルコニウムを得た。上記で得た結晶性燐酸ジルコ
ニウムを硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間攪拌し
た後、十分に水洗し、乾燥、粉砕することにより抗菌性
燐酸塩を得た。得られた抗菌性燐酸塩は平均粒径0.4
7μmである白色粉末である。この抗菌性燐酸塩は変異
原性がなく、ウサギの皮膚一次刺激試験において刺激性
は認められなかった。かつ、マウスへの経口投与による
急性毒性試験は、投与最大値である2000mg/Kg
以上であり、高い安全性が認められている。
【0029】(2)化粧水の調製 表1に示した組成(単位:g)を有する化粧品No.1
〜3(化粧水)を調製した。このとき、加熱した精製水
の一部にベントナイトを添加することによりベントナイ
トを水和させ、その後攪拌しながら他の成分を加えた。
【0030】
【表1】
【0031】(3)抗菌力試験 試験菌株として大腸菌〔IFO 3301〕及び緑膿菌
〔IID P−1〕の二種を用い、これらの試験菌株を
SCDLP培地(日本製薬)に接種し、37℃で18時
間培養することにより、菌の前培養液を調製した。又、
化粧水の濃度が20重量%になるように各化粧水をSC
DLP培地で希釈することにより、試験液を調製した。
上記のようにして調製した試験液49.5mlと前培養
液0.5mlを200mlの三角フラスコに加え、25
℃で振とうし、24時間後の生菌数をSCDLP寒天培
地による平板塗抹法で測定した。上記測定結果を用い
て、減菌率を以下の式で求めた。なお、この値が大きい
ほど抗菌力は高いと評価される。 減菌率(%)=100−(48時間後の生菌数/初発菌
数×100) 減菌率の結果を下記表2に示した。
【0032】
【表2】 *1) 初発菌数=107/ml *2) 初発菌数=106/ml
【0033】
【実施例2】 (1)W/O型クリームの調製 表3に示した組成(単位:g)を有する化粧品No.4
〜6(W/O型クリーム)を調製した。このとき、抗菌
性燐酸塩として実施例1で製造したものを用い、Aを7
2℃、Bを70℃にそれぞれ加熱溶解し、BにAを攪拌
しながら徐々に添加することにより乳化し、その後Cを
添加して冷却することにより調製した。
【0034】
【表3】
【0035】(2)抗菌力試験 試験菌株として以下の三種を用いた。 緑膿菌 IID P−1 キャンディダ酵母 IFO 1594 黒麹カビ IFO 4407 各試験菌株の増菌用培地として以下のものを各々用い
た。 緑膿菌:Mueller-Hinton Broth(DIFCO) 酵母 :ブドウ糖ペプトン培地(日水製薬) カビ :ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学) 接種菌液の調製に際し、緑膿菌、酵母については、増菌
用培地に継代培養した試験菌株を接種、培養後、菌数が
106/mlになるように同培地で希釈して調製し、カ
ビについては、増菌用培地に接種・培養(25℃、10
日間)後の試験菌株の分生子を分生子数が106/ml
になるように滅菌0.005%スルホこはく酸ジオクチ
ルナトリウム溶液に浮遊させて調製した。
【0036】試験操作 化粧品No.4〜6の各々のクリームについて、50g
のクリームに菌液(106/ml)0.5mlを噴霧
し、25℃にて保存した。10日後に試料1gを採取
し、緑膿菌についてはSCDLP培地で希釈し、混釈平
板培養法(37℃、2日間)で生菌数を測定し、カビ、
酵母についてはGPLP培地(日本製薬)にて同様に菌
数を測定した。菌数の測定結果を下記表4に示した。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明の化粧品用防腐剤は、化粧品中で
発育しやすい種々の微生物の発育を防止する効果があ
り、従来の防腐剤を使用した場合には充分に発育を防止
することが困難であった、カビ、酵母、大腸菌及び緑膿
菌等の微生物に対しても充分に発育防止の効果を有し、
その効果は長期間にわたり持続するため、化粧品の保存
性を顕著に高めることができるとともに皮膚刺激の問題
がないことから、種々の化粧品に対してその保存性を高
めるための防腐剤として極めて有用である。また、本発
明の化粧品用防腐剤を含有する抗菌性化粧品は、皮膚刺
激の問題がなく、保存性に優れる化粧品として極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 59/20 Z 7106−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で〔1〕で示される抗菌性燐
    酸塩を主成分とすることを特徴とする化粧品用防腐剤。 M1 ab2 c(PO4d・nH2O 〔1〕 (M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
    ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
    リウム、カドミウム及びクロムからなる群より選ばれる
    少なくとも1種のl価の金属イオンであり、Aはアルカ
    リ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウム
    イオン及び水素イオンからなる群より選ばれる少なくと
    も1種のm価の金属イオンであり、M2は4価金属であ
    り、nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいず
    れも正数であり、la+mb=1又はla+mb=2で
    あり、c及びdはla+mb=1の時、c=2、d=3
    であり、la+mb=2の時、c=1、d=2であ
    る。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化粧品用防腐剤を含有す
    ることを特徴とする抗菌性化粧品。
JP35043991A 1991-12-11 1991-12-11 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品 Pending JPH05155733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35043991A JPH05155733A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35043991A JPH05155733A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05155733A true JPH05155733A (ja) 1993-06-22

Family

ID=18410509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35043991A Pending JPH05155733A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05155733A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10214273A1 (de) * 2002-03-28 2003-10-23 Schott Glas Glas- und/oder Glaskeramikpulver oder-fasern zur kontrollierten Ionenabgabe
EP2886520A1 (en) 2013-12-19 2015-06-24 Nanobiomatters Bactiblock, S.L. Antibacterial glass

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10214273A1 (de) * 2002-03-28 2003-10-23 Schott Glas Glas- und/oder Glaskeramikpulver oder-fasern zur kontrollierten Ionenabgabe
EP2886520A1 (en) 2013-12-19 2015-06-24 Nanobiomatters Bactiblock, S.L. Antibacterial glass
WO2015091960A1 (en) 2013-12-19 2015-06-25 Nanobiomatters Bactiblock, S.L. Antibacterial glass

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970000745B1 (ko) 항균성 화장료용 안료와 그 제조방법 및 이를 함유하는 화장료 조성물
EP0835655B1 (en) Antibacterial/bactericidal/antiseptic agent, dermatologic preparation, and detergent composition
CA1202243A (en) Deodorant compound
DE4222821C2 (de) Modifiziertes Chlorhexidin-Addukt
KR20110002886A (ko) 신규 결정질 피리치온/산화아연 복합체 및 이를 포함하는 생리/항생 활성 조성물
EP0037224A1 (en) Rare earth metal carboxylates, their use as antimicrobial agents, and medicinal, cosmetic and cleansing compositions containing them
CH651200A5 (de) Orale zusammensetzung fuer die unterdrueckung der symptome von gingivitis.
DE3345781A1 (de) Mund- und zahnpflegemittel
EP1725300B1 (de) Die Verwendung eines Polymers, Copolymers oder Terpolymers als anti-adhäsiver Wirkstoff gegenüber Mikroorganismen auf der haut.
JP2700071B2 (ja) 抗菌剤及びそれを用いた皮膚外用剤、口腔用組成物
JP2000159632A (ja) 皮膚抗菌性組成物
DE4135397C2 (de) Chlorhexidin-Addukt, Verfahren zur Herstellung und seine Verwendung
JPH05155733A (ja) 化粧品用防腐剤及び抗菌性化粧品
KR100425983B1 (ko) 안정화된 은 콜로이드 조성물, 안정화된 은 콜로이드조성물의 제조 방법 및 이를 함유하는 화장료 조성물
JPH07116008B2 (ja) 抗菌剤
US4297232A (en) Glycol-iodine composition and method of preparation
JPH10194929A (ja) 化粧料用抗菌性顔料、前記顔料の製造方法及び前記顔料を含有する化粧料組成物
JPH10194953A (ja) 抗菌性化粧料
JP2700070B2 (ja) グラム陽性嫌気性細菌用抗菌剤及びそれを用いた皮膚外用剤、口腔用組成物
JPS5545619A (en) Preventive for dental caries
KR0120566B1 (ko) 항균성 제오라이트를 함유하는 화장료 조성물
EP1040757B1 (en) Antiseptic/antifungal agent and endermic liniment composition which contains it
JP2865380B2 (ja) 抗菌性化粧料
JP2001226216A (ja) 化粧品用保存剤
JPS6351313A (ja) 粉体化粧料