JPH05155040A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH05155040A
JPH05155040A JP32587091A JP32587091A JPH05155040A JP H05155040 A JPH05155040 A JP H05155040A JP 32587091 A JP32587091 A JP 32587091A JP 32587091 A JP32587091 A JP 32587091A JP H05155040 A JPH05155040 A JP H05155040A
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宣雄 大沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリアルスキャン記録方式のインクジェット
記録装置において、所謂1パス印字により生じうる一走
査毎のすじむらを解消するとともに、データの千鳥・逆
千鳥状間引きを施して走査を重ならせて記録を行なう従
来の2パス印字により生じうる高濃度部分の濃度むらを
解消する。 【構成】 2パス印字の1回目の走査では、受信したデ
ータ(a)に対し、乱数等を利用した規則性のない間引
きパターン(b)で間引きを行なった記録データ(d)
を得、2回目の走査では間引きパターン(b)を反転さ
せた間引きパターン(c)で間引きを行なった記録デー
タ(e)を得る。これにより記録画像(f)は1回目の
記録ドット(白丸)および2回目の記録ドット(黒丸)
で構成され、従来の2パス印字に比べてドット構成に規
則性がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に二値化データを受信してカラー印刷を行な
うカラーインクジェットプリンタ等に適用して好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のインク吐出口を配列し
た記録ヘッドを、当該配列の方向とは異なる方向(直交
方向)に走査しつつ記録を行なうシリアル記録方式のイ
ンクジエット記録装置(インクジェットプリンタ)が知
られている。そして、かかるインクジェットプリンタに
特有の一走査毎に生じる画像のつなぎ目のすじむらを無
くすために、ある走査(走査1)と次回の走査(走査
2)の任意の幅を重ね合わせ、重ね合わせた部分の走査
1のデータを千鳥状(又は逆千鳥状)に間引きした後に
記録を行ない、走査2の上部重ね合わせ部分が走査1の
下部重ね合わせ部分と一致する量だけ紙送りを行ない、
重ね合わせた部分の走査2のデータを逆千鳥状(又は千
鳥状)に間引きして記録を行なう方式が採用されてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる従来
技術では、2回に分けて記録(2パス印字)を行なうこ
とによりプリンタの紙送り制御系による機械精度に依存
した走査間のつなぎ目のすじむらは通常の1パス印字に
比較するとかなり解消されるものの、間引きパターンが
千鳥、逆千鳥に固定されているため、特に濃度の高い部
分を記録する場合には一走査の1/2単位で規則性のあ
る濃度むらが生じるといった問題があった。
【0004】本発明は、上述した2パス印字によるすじ
むらおよび濃度むら解消を改善し、紙送り制御系による
機械精度に依存しない均一かつむらのない高品位な画像
印字を実現することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドを前記配列の方
向とは異なる第1方向に記録媒体と相対的に走査する手
段と、前記複数の吐出口の配列範囲の幅より小さい量だ
け前記記録ヘッドと前記記録媒体とを前記第1方向と直
交する第2方向に相対的に搬送する手段とを具備し、前
記記録ヘッドと前記記録媒体との前記第2方向上の相対
位置を異ならせた前記走査を複数回行うことにより記録
を行うインクジェット記録装置において、前記複数回の
走査で記録される記録領域に対し、第1回目の走査にあ
たり当該記録領域に含まれる記録データを不規則に間引
くとともに、当該間引かれた記録データが第2回目以降
の走査で記録されるようにする記録制御手段を具えたこ
とを特徴とする。
【0006】
【作用】以上の手段によりなされる記録制御によって、
1パス印字の時に生じていた一走査毎のすじむらが解消
されると同時に、千鳥,逆千鳥方式による2パス印字に
よって生じていた特に濃度の高い部分における濃度むら
もドットの並びに規則性がないことにより改善され、よ
り高品位な記録の実現が可能となる。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る一実施例
を詳細に説明する。
【0008】図1は、本発明の好適な一実施例として、
インク吐出に利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰
を生じさせる熱エネルギを発生するための電気熱変換体
を吐出口に対応して有する方式の記録ヘッドを具備した
カラーインクジェット記録装置の構成の一例を示す。
【0009】図1において、紙またはプラスチックシー
トなどの記録媒体1は、記録領域の上下に配置された一
対のローラから成る搬送ローラ2,3によって支持さ
れ、シート送りモータ4で駆動される搬送ローラ2によ
って矢印A方向へ搬送される。搬送ローラ2,3の前方
にはこれと平行にガイドシャフト5が設けられている。
このガイドシャフトに沿ってキャリッジ6がキャリッジ
モータ7の出力によりワイヤ8を介して矢印B方向に往
復駆動される。
【0010】キャリッジ6には、記録ヘッドユニット9
0が搭載されている。この記録ヘッドユニット90はカ
ラー画像作成用であり、走査方向に配列され、シアン
(C),マゼンダ(M),イエロー(Y),ブラック
(BK )の各色のインクに対応させて設けた4個の記録
ヘッド9、すなわち9A,9B,9C,9Dから成って
いる。各記録ヘッド9の前面、すなわち記録媒体1と所
定間隔(例えば0.8mm)をおいて対向する面には複
数(例えば32個,64個または128個)のインク吐
出口を縦1列に配置した記録部が設けられている。
【0011】各記録ヘッド9には、上述のように駆動を
行なうための駆動回路(ドライバ)29の回路基板が装
着されている。図2について後述する記録制御処理部を
なすCPUおよびこれに併設されたROM,RAM、そ
の他インタフェース処理部や各種バッファなどを含む制
御部は制御基板15上に形成されており、この制御部
は、コンピュータ等のホスト装置14から指令信号やデ
ータ信号(記録情報)を受信し、これに基づいて各種モ
ータ等の駆動源などとともに前記ヒートドライバ13を
介して各記録ヘッド9A〜9Dに電気熱変換体の駆動電
圧(ヒート電圧)を印加する。
【0012】記録装置の外装ケース(不図示)に取付け
られる操作パネル160には、オンライン/オフライン
切換えキー16A,ラインフィードキー16B,フォー
ムフィードキー16C,記録モード切換えキー16D等
のキー設定部の他、いくつかのアラームランプ16Eや
電源ランプ16F等の警告ランプを含む表示部が設けら
れている。
【0013】図2は図1に示したカラーインクジェット
プリンタを含む記録制御系の構成例を示すブロック図で
ある。以下、図示の各ブロックについて説明を行なう。
【0014】符号102は図1に示したカラーインクジ
ェットプリンタ装置であり、インタフェース処理部10
3、受信データバッファ104、受信データバッファ1
05、記録制御処理部106、テンプレートバッファ1
07,108、プリンタエンジン109より構成されて
いる。受信データバッファ104および105(以下そ
れぞれ受信データバッファ(1)および受信データバッ
ファ(2)とする)には、現在これから記録を行なうべ
きドットライン×吐出口分のデータ、およびその記録後
に記録を行なう1ドットライン×吐出口分のデータが交
互に格納される。記録制御処理部106は、受信データ
バッファ(1),(2)内に格納されているデータのプ
リンタエンジン109への転送や、一走査が終了した後
に一走査で記録される幅の半分の幅だけ紙送りを実行す
るようなシーケンス管理、ならびに本例によって実現さ
れるテンプレートバッファへの間引きデータの作成およ
び作成された間引きデータに従った記録データのマスク
処理を行なう。具体的には、図3〜図5につき後述する
処理手順を実行するCPU,その処理手順に対応したプ
ログラムを格納したROM等を有するものである。テン
プレートバッファ107,108(以下それぞれテンプ
レートバッファ(A),(B)とする)は現在記録しよ
うとするデータをマスクするための間引きパターンを示
すデータを保存すべく設けたバッファである。また、プ
リンタエンジン109は図1のうちキャリッジ移動ない
し記録に関与する部分7,29等からなるデータ記録処
理部110、および記録媒体1の搬送に関与する部分4
等からなる紙送り処理部111により構成されている。
なお、符号112はホストコンピュータ14とカラーイ
ンクジェットプリンタ102とを電気的に接続するため
のインタフェースケーブルである。
【0015】走査1用受信データバッファ104と走査
2用受信データバッファ105、ならびにテンプレート
バッファ107,108を用いて本実施例の処理を実現
するためのシーケンス制御アルゴリズムを、図3〜図5
に示すフローチャートを用いて説明する。
【0016】以下においては、説明を簡単とするため、
イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各4色に
ついてそれぞれ縦に64個のインク吐出口を有する記録
ヘッド9がキャリッジに搭載されているカラーインクジ
ェットプリンタを想定する。
【0017】まず図3のステップS1では32ライン分
のNULLデータについての記録動作(非吐出データに
ついての記録動作であり、吐出は行われない)を実行す
る。これは本例において64吐出口のヘッドを32吐出
口づつ上下に二分割して交互に用いるための初期操作で
ある。次にステップS2でデータ受信バッファ(1)に
受信データが有るかどうか確認し、データの受信が検出
されたならばステップS3へ、データの受信が検出され
なかったならば、すなわち最終データを受信し終えたな
らば図5のステップS24へ移行する。データ受信バッ
ファ(1)にデータの受信が検出されたならばステップ
S3でテンプレートバッファ(A)へ32ライン分の間
引きパターンデータを作成する。間引きパターンデータ
には乱数等の規則性のないものを利用することができ
る。テンプレートバッファ(A),(B)のそれぞれの
サイズは (1ラインのデータレングス)×32 であればよい。そして、テンプレートバッファ(A),
(B)へ格納される間引きパターンデータは記録される
32ラインの受信データのそれぞれのドットに対応して
いる。
【0018】ステップS4では受信データバッファ
(1)の上部32ラインとテンプレートバッファ(A)
の対応する各ビットに対し論理積演算(AND演算)を
施して間引きデータを作成した後、プリンタエンジン1
09へ当該作成データを転送し、各記録ヘッドの下側部
分(下側の32吐出口)を用いて記録を行なわせる。次
に、S5で32ライン分の紙送りを行ない、ステップS
6にてステップS3で作成した間引きデータパターンの
全てに対して論理否定演算(NOT演算)を施して、ス
テッブS4でマスクされたドットを取り出すための間引
きパターンデータをテンプレートバッファ(B)上に作
成する。そしてステップS7でその間引きパターンデー
タを使って受信データバッファ(1)の上部32ライン
とテンプレートバッファ(B)の対応する各ビットに対
し論理積演算(AND演算)を施して間引きデータを作
成した後、プリンタエンジンへデータを転送し、各ヘッ
ドの上側部分(上側の32吐出口)を用いて記録を行な
わせる。
【0019】次に、以上の操作をデータ受信バッファ
(1)の下部32ラインに対して行なう。すなわちステ
ップS8へ進み、テンプレートバッファ(A)へ新しい
32ライン分の間引きパターンデータを作成した後、ス
テップS9で受信データバッファ(1)の下部32ライ
ンとテンプレートバッファ(A)の対応する各ビットに
対し論理積演算(AND演算)を施して間引きデータを
作成し、プリンタエンジン109へデータを転送し、各
ヘッドの下側部分を用いて記録を行なわせる。そして、
ステップS10で32ライン分の紙送りを行ない、ステ
ップS11にてステップS8で作成した間引きデータパ
ターンの全てに対して論理否定演算(NOT演算)を施
し、ステップS12で受信データバッファ(1)の下部
32ラインとテンプレートバッファ(B)の対応する各
ビットに対し論理積演算(AND演算)を施して間引き
データを作成した後、プリンタエンジン109へデータ
を転送し、各ヘッドの上側部分を用いて記録を行なわせ
る。
【0020】以上の操作により受信データバッファ1に
蓄えられたデータの記録が実現される。
【0021】以下同様にして受信データバッファ(2)
に蓄えられたデータの処理を行なう。すなわち、ステッ
プ13へ進み受信データバッファ(2)に受信データが
有るかどうか確認し、データの受信が検出されたならば
ステップS14へ、データの受信が検出されなかったな
らば、すなわち最終データを受信し終えたならば図5の
ステップS24へ移行する。データ受信バッファ2にデ
ータの受信が検出されたならばステップS14でテンプ
レートバッファ(A)へ新しい32ライン分の間引きパ
ターンデータを作成する。上述した受信データバッファ
(1)に対するのと同じくステップS15で受信データ
バッファ(2)の上部32ラインとテンプレートバッフ
ァ(A)の対応する各ビットに対し論理積演算(AND
演算)を施して間引きデータを作成した後、プリンタエ
ンジン109へデータを転送し、各記録ヘッドの下側部
分を用いて記録を行なわせる。そして、ステップS16
で32ライン分の紙送りを行なった後、ステップS17
にてステップS14で作成した間引きデータパターンの
全てに対して論理否定演算(NOT演算)を施してマス
クされたドットを取り出すための間引きパターンデータ
を作成し、その間引きパターンデータを使ってステップ
S18で受信データバッファ2の上部32ラインとテン
プレートバッファの対応する各ビットに対し論理積演算
(AND演算)を施して間引きデータを作成した後、プ
リンタエンジン109へデータを転送し、各ヘッドの上
側部分を用いて記録を行なわせる。
【0022】次に、残された受信データバッファ(2)
の下部32ラインを印字するためにステップS19でテ
ンプレートバッファへ新しい32ライン分の間引きパタ
ーンデータを作成し、ステップS20でデータ受信バッ
ファ(2)の下部32ラインとテンプレートバッファの
対応する各ビットに対し論理積演算(AND演算)を施
して間引きデータを作成した後、プリンタエンジン10
9へデータを転送し、各記録ヘッドの下側部分を用いて
記録を行なわせる。そして、ステップS21で32ライ
ン分の紙送りを行なった後、ステップS22にてステッ
プS19で作成した間引きデータパターンの全てに対し
て論理否定演算(NOT演算)を施してマスクされたド
ットを取り出すための間引きパターンデータを作成し、
その間引きパターンデータを使ってステップS23で受
信データバッファ2の下部32ラインとテンプレートバ
ッファの対応する各ビットに対し論理積演算(AND演
算)を施して間引きデータを作成した後、プリンタエン
ジン109へ転送し各記録ヘッドの上側部分を用いて記
録を行なわせる。そして、ステップS2へ戻りデータ受
信バッファ(1)へのデータ受信を確認することによっ
て継続するデータの記録を続ける。なお、ステップS2
4では、ステップS1に対応する後操作として、32ラ
イン分のNULLデータについての記録動作を行なう。
【0023】次に図6を用いて、図3〜図5のステップ
S4、S7、S9、S12、S15、S18、S20お
よびS23で示される、受信データバッファに受信され
たデータをテンプレートバッファによって間引きデータ
へ変換する操作を説明する。なお、図においては説明の
簡略化のため、主操作方向の1ラインを40ドットで構
成したものとして示してある。
【0024】図6において、(a)は受信データバッフ
ァ(1)または(2)に受信されたデータの一例を、
(b)はマスク処理のためのテンプレートバッファ
(A)の内容の一例である間引きパターンデータを、
(c)はそれを反転した間引きパターンデータであるテ
ンプレートバッファ(B)の内容をそれぞれ示す。
【0025】まず、図6(a)に示す受信データバッフ
ァに受信されたデータは、同図(b)に示すテンプレー
トバッファ(A)内の間引きパターンデータによってマ
スク処理され、プリンタエンジン109へ転送される。
転送されるデータは同図(d)の記録印字データ(1)
によって示されるデータとなり、そのドット構成は同図
(f)に示すドットパターン中の白丸によって表され
る。その記録データ(1)が転送されたタイミングで図
6(b)に示すテンプレートバッファ(A)内の間引き
パターンデータの各ドットに対しNOT演算を施して同
図(c)に示される新たなテンプレートバッファを用意
する。
【0026】そして同図(a)の受信データバッファの
データを同図(c)のテンプレートバッファ(B)内の
間引きパターンデータによってマスク処理し、プリンタ
エンジン109へ転送する。転送されるデータは同図
(e)の記録データ(2)によって示されるデータとな
り、そのドット構成は同図(f)に示すドットパターン
に示される黒丸によって表される。これにより同図
(f)のドット構成に示されるように、受信データの全
てのドット網羅でき、また縦32ドットつづ2度に分割
して記録した場合のドットの並びに規則性の無いことが
わかる。
【0027】以上明らかなように、本例によれば、2パ
スで記録することによってインクジエットプリンタに特
有の一走査毎に生じるつなぎ目のすじむらを無くすこと
ができると同時に、千鳥,逆千鳥間引きで実現する方法
に比べ、記録するドットの構成に規則性の無いことよ
り、一走査毎に生じる濃度むらの改善がなされ、より高
品位な記録の実現が可能となった。
【0028】なお、本発明は以上の実施例にのみ限られ
ることなく、種々の変形が可能である。
【0029】例えば、上例では間引きパターンデータの
作成(ステップS3,S8,S14,S19)、これに
対応した32ラインの記録(ステップS4,S9,S1
5,S20)、反転間引きパターンデータの作成(ステ
ップS6,S11,S17,S22)、およびこれに対
応した32ラインの記録(ステップS7,S12,S1
8,S23)を順次に行なうため、記録制御処理部10
6に設けたCPUの命令語によってテンプレートバッフ
ァ(A)の反転操作が可能であれば必ずしもテンプレー
トバッファ(B)の配設は必要ではない。しかし間引き
パターンデータとその反転データとを同時に作成してお
く手順を採るのであれば、図2に示したようにテンプレ
ートバッファを2つ用意しておくのが有効である。
【0030】また、間引きパターンデータは上例では乱
数としたが、極端な片寄りが生じないように範囲を定め
てもよい。また、複数種類のパターンデータを格納した
テーブルを設けておき、いずれかのデータがランダムに
読出されて利用されるようにしてもよく、さらにその間
引きパターンデータのテーブルに対応反転パターンとも
格納しておき、それぞれをテンプレートバッファ
(A),(B)に展開するようにすれば上例のようなN
OT演算を行なわなくてもよい。
【0031】さらに、上例では2パス印字について例示
したが、3≦nのnパス印字を行なうものでもよく、こ
の場合にはn回のスキャンで受信データのすべてのドッ
トを網羅できるようにn個の間引きパターンデータを用
意すればよい。
【0032】加えて、上例では64ドットの吐出口を上
下に分割して1スキャン毎に交互に用いるようにした
が、それぞれに適宜の操作(AND演算等)を施し全吐
出口が1スキャンで同時に用いられるようにしてもよ
い。
【0033】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0034】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0035】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0036】加えて、上例のようなシリアルタイプのプ
リンタにあって、装置本体に固定された記録ヘッド、あ
るいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的
な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換
自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド
自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジ
タイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効であ
る。
【0037】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0038】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0039】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0040】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2パス印字によるすじむらおよび濃度むら解消を改善
し、紙送り制御系による機械精度に依存しない均一かつ
むらのない高品位な画像印字を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なカラーインクジェットプリ
ンタの一実施例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1に示したカラーインクジェットプリンタお
よびホストコンピュータを含む制御系の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本実施例の記録処理のシーケンス制御アルゴリ
ズムの一例を示すフローチャートである。
【図4】同じくフローチャートである。
【図5】同じくフローチャートである。
【図6】図3〜図5の処理を補足説明するための記録デ
ータのマスク処理を示す遷移図である。
【符号の説明】
1 記録媒体 6 キャリッジ 9 記録ヘッド 14 ホストコンピュータ 102 カラーインクジェットプリンタ 103 インタフェース処理部 104 データ受信バッフア(1) 105 データ受信バッフア(2) 106 記録制御処理部 107 テンプレートバッファ(A) 108 テンプレートバッファ(B) 109 プリンタエンジン 110 データ記録処理部 111 紙送り処理部 112 インタフェースケーブル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出口を配列してなる記録ヘッド
    を前記配列の方向とは異なる第1方向に記録媒体と相対
    的に走査する手段と、前記複数の吐出口の配列範囲の幅
    より小さい量だけ前記記録ヘッドと前記記録媒体とを前
    記第1方向と直交する第2方向に相対的に搬送する手段
    とを具備し、前記記録ヘッドと前記記録媒体との前記第
    2方向上の相対位置を異ならせた前記走査を複数回行う
    ことにより記録を行うインクジェット記録装置におい
    て、 前記複数回の走査で記録される記録領域に対し、第1回
    目の走査にあたり当該記録領域に含まれる記録データを
    不規則に間引くとともに、当該間引かれた記録データが
    第2回目以降の走査で記録されるようにする記録制御手
    段を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドを色調を異にするインク
    に対応して複数具備し、二値化されたカラー画像データ
    を受信してビットマップデータのカラー記録を行うカラ
    ーインクジェットプリンタの形態を有することを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送手段は前記配列範囲の幅の半分
    の搬送を行う手段であり、前記走査は前記記録領域に対
    し2回行われることを特徴とする請求項1または2記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録制御手段は、二走査分のデータ
    受信バッファを有し次の走査分のデータを前もって受信
    する手段と、現在記録しようとするデータに間引き処理
    を行なうために設けたテンプレートバッファと、そのテ
    ンプレートバッファに1走査分の記録を行なう毎に乱数
    を利用して規則性のない任意の間引きパターンを生成す
    る手段と、該間引きパターンに従って第1回目の走査の
    下半分のデータと第2回目の走査の上半分のデータを間
    引く手段と、間引き処理を施した後に前記データを記録
    させる手段と、当該記録に前記搬送を行なわせる手段と
    を有するこを特徴とする請求項3に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
    めに利用されるエネルギを発生する素子として、インク
    に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換
    体を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載のインクジェット記録装置。
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