JPH05154826A - グリーンシート積層装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離バーを往復移動させ剥離動作を３回行
い、除電、排気エアーの機構を備えることにより不良な
くグリーンシートを積層できる。 【構成】 剥離バーが停止状態で二層体を移送し、次に
剥離バーを前進させ吸着装置が下降した後剥離バーを後
退させることにより、剥離と分離の動作を行う。この時
剥離バーの下側にある除電装置により剥離帯電を緩和さ
せる。また吸着装置が積層ステージで下降した後エアー
排気を行いながら上昇しグリーンシートを積層する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セラミック積層体の製
造工程の中で、グリーンシートを一定寸法に切断し積層
する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、グリーンシートをベースフィルム
から剥離する機構として、剥離バーを固定しておき、ベ
ースフィルムがそのバーを屈曲して通過するときに生ず
る剥離効果を利用するものが知られている。（実開昭６
０−１４２２６４号公報）しかし、このような機構では
グリーンシートが剥離するときの剥離帯電が大きく、一
度剥離したものが静電気により再び密着し剥離不良を生
じる。またグリーンシートを吸着した後積層する際、帯
電の残留により積層不良を生じる問題がある。特に、十
数μｍ以下の薄膜については腰がないためシワになりや
すくこの問題が顕著に発生する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、こうした
問題を解決するものであって、グリーンシートの剥離不
良に起因する吸着不良、およびその後の積層不良を生じ
させないグリーンシート積層装置を提供することを目的
としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明はベースフィルム上にグリーンシートを重ねた２層体
を一定間隔で間欠的に移動させる供給機構と、２層体の
停止時にグリーンシートを一定寸法の切断片に切断する
切断装置と、グリーンシートの切断片の先端が停止する
位置のベースフィルム側に設けられ、ベースフィルムが
押し付けられながら、２層体がベースフィルム側に屈曲
案内されて通過して停止した後、前進して、一旦通過し
た２層体を展延し、その後元の位置に復帰する剥離バー
と、展延された２層体上からグリーンシートの切断片を
吸着し、剥離バーの復帰後、グリーンシートの積層位置
へ移動する吸着装置とを有することを特徴とするグリー
ンシート積層装置である。

【０００５】また、該グリーンシート積層装置は剥離バ
ーの下側に除電装置を有すること、吸着装置はエアー排
気機構をも備えることが好ましい。

【０００６】

【作用】本発明では、ベースフィルムが剥離バー上を屈
曲して通過する動作が３回行われる。この間にグリーン
シートとベースフィルムの剥離／再密着が繰り返される
ことにより、吸着不良の主原因である剥離帯電が緩和さ
れていると考えられる。また、剥離バーの下側に除電装
置を設けると帯電量の緩和をより一層促進させると推定
される。

【０００７】更に、グリーンシートの積層において吸着
装置が積層ステージ上でエアー排気をも行いながら上昇
することにより、シワなどの不良がより発生しにくくな
ると考えられる。

【０００８】

【実施例】次に、図面に従って本発明のグリーンシート
積層装置の一実施態様を詳述する。

【０００９】図１において、支持板１は鉛直方向に立っ
ており、その右端に繰り出しロール２が設置されてい
る。その左側に下向きの二等辺三角形状に支持ロール３
ａ、ダンサロール４ａ、ニップロール５ａが順に配置さ
れている。

【００１０】その左側に水平方向に切断装置６、支持ロ
ール３ｂ、剥離バー７が順に配置されている。剥離バー
７は水平方向に３００ｍｍ往復移動可能で、その原点と
終点を結ぶ線分を底辺とした下向きの二等辺三角形の頂
点上に支持ロール３ｃが配置されている。

【００１１】その支持ロール３ｃの右側には、下向きの
二等辺三角形状に支持ロール３ｄ、ダンサロール４ｂ、
支持ロール３ｅが順に配置されている。

【００１２】その右側に同様にニップロール５ｂ、ダン
サロール４ｃ、支持ロール３ｆが下向きの二等辺三角形
状に順に配置されている。

【００１３】そして支持ロール３ｆの右側には巻取りロ
ール８が配置されている。

【００１４】ベースフィルムａ（厚み２０〜６０μｍ）
とその上に形成されたグリーンシートｂ（厚み１０数〜
２０数μｍ）とからなる長尺な二層体９は繰り出しロー
ル２から巻取ロール８まで上述した配置順でロール群、
切断装置、剥離バー等に巻きかけられている。

【００１５】剥離バー７の上側には吸着装置１０が配置
され、吸着装置１０にはエアー吸気および排気機構が備
えられている。その上部には、横移動のためのリニアガ
イド１１と上下移動のためのエアシリンダー１２が設置
されている。

【００１６】また、剥離バーの原点と終点の各々の下側
には除電装置１３が設けてある。

【００１７】この装置によってベースフィルムａとグリ
ーンシートｂを剥離、吸着し、積層する工程は次のよう
にして実施される。

【００１８】ベースフィルムａとグリーンシートｂから
なる二層体９は繰り出しロール２から間欠的に送り出さ
れる。二層体９が停止した時、切断装置６によりグリー
ンシートｂのみ切断される。

【００１９】次に図２ａに示す如く、二層体９が間欠移
送されたとき切断されたグリーンシートｂ先頭が原点位
置にある剥離バー７のエッジ部まで到達する。その次に
剥離バー７が静止したまま二層体９が間欠移送されると
き剥離バー７のエッジ部での屈曲の効果によりグリーン
シートｂが剥離される。

【００２０】そして図２ｂに示す如く、ベースフィルム
ａが停止すると剥離バー７が３００ｍｍの距離を４秒前
後で前進する。この時２回目の剥離がなされる。

【００２１】その後図２ｃに示す如く、吸着装置１０が
下降し、グリーンシートｂを真空吸着しながら剥離バー
７が前進時と同程度の速度で後退する。この時３回目の
剥離と同時にグリーンシートｂとベースフィルムａの分
離がなされる。

【００２２】吸着装置１０はその後上昇し左方へ移動
し、積層ステージ１４上へ到達した後下降する。その後
エアー排気を行いながら、ゆっくり上昇しグリーンシー
トｂを積層する。最後に吸着装置１０は原点へ戻り１サ
イクルの動作を終了する。

【００２３】本実施例では、積層不良率が３００分の１
以下であった。

【００２４】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば剥離バー
の前後運動による３回の剥離を行っていること、更に好
ましくは、除電装置を設ける、又は吸着装置にエアー排
気機構を備えることにより下記の効果を発揮する。

【００２５】グリーンシートの吸着不良、積層不良を
なくし収率が向上する。特に、十数μｍ以下の薄膜に対
しても十分に有効である。

【００２６】人手を介入させないため、ゴミの混入が
減少することにより製品不良率を削減する。

【００２７】積層工程の一連の作業が機械化でき生産
性を向上させ自動化を促進する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による装置の実施例を示す側面説明図で
ある。

【図２】図１の装置におけるシート剥離動作を説明する
ための部分断面図である。

【符号の説明】

１ 支持板 ２ 繰り出しロール ３ 支持ロール ４ ダンサロール ５ ニップロール ６ 切断装置 ７ 剥離バー ８ 巻取りロール ９ 二層体 １０ 吸着装置 １１ リニアガイド １２ エアシリンダー １３ 除電装置 １４ 積層ステージ ａ べースフィルム ｂ グリーンシート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースフィルム上にグリーンシートを重
   ねた２層体を一定間隔で間欠的に移動させる供給機構
   と、 ２層体の停止時にグリーンシートを一定寸法の切断片に
   切断する切断装置と、 グリーンシートの切断片の先端が停止する位置のベース
   フィルム側に設けられ、ベースフィルムが押し付けられ
   ながら、２層体がベースフィルム側に屈曲案内されて通
   過して停止した後、前進して、一旦通過した２層体を展
   延し、その後元の位置に復帰する剥離バーと、 展延された２層体上からグリーンシートの切断片を吸着
   し、剥離バーの復帰後、グリーンシートの積層位置へ移
   動する吸着装置とを有することを特徴とするグリーンシ
   ート積層装置。
2. 【請求項２】 剥離バーの下側に除電装置を有すること
   を特徴とする請求項１のグリーンシート積層装置。
3. 【請求項３】 吸着装置が、排気機構をも備えているこ
   とを特徴とする請求項１のグリーンシート積層装置。