JPH05152069A - 薄膜el素子及びその製造方法 - Google Patents
薄膜el素子及びその製造方法Info
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- JPH05152069A JPH05152069A JP3314280A JP31428091A JPH05152069A JP H05152069 A JPH05152069 A JP H05152069A JP 3314280 A JP3314280 A JP 3314280A JP 31428091 A JP31428091 A JP 31428091A JP H05152069 A JPH05152069 A JP H05152069A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 還元性ガス雰囲気中で発光層を形成又は熱処
理する際、透明電極端子部の還元による体積減少や消失
を防止した薄膜EL素子及びその製造方法を提供する。 【構成】 透光性絶縁基板1上に、透明電極2、第1絶
縁層3、IIa−VIb属系発光層4、第2絶縁層5及び背
面電極6を順次、積層形成すると共に、透明及び背面電
極2、6の各端子部をそれぞれ積層体から導出して外部
接続してなる薄膜EL素子において、透明電極2の外部
導出用端子部2a表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を
有し、且つ、少なくとも発光層4の熱処理温度よりも融
点が高い金属膜10を積層形成して上記端子部2aを被
覆する。
理する際、透明電極端子部の還元による体積減少や消失
を防止した薄膜EL素子及びその製造方法を提供する。 【構成】 透光性絶縁基板1上に、透明電極2、第1絶
縁層3、IIa−VIb属系発光層4、第2絶縁層5及び背
面電極6を順次、積層形成すると共に、透明及び背面電
極2、6の各端子部をそれぞれ積層体から導出して外部
接続してなる薄膜EL素子において、透明電極2の外部
導出用端子部2a表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を
有し、且つ、少なくとも発光層4の熱処理温度よりも融
点が高い金属膜10を積層形成して上記端子部2aを被
覆する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IIa−VIb属系発光層
を有する薄膜EL素子及びその製造方法に関し、詳しく
は還元性ガス雰囲気にて発光層を形成、又は、その後、
輝度向上のため発光層を熱処理する際、透明電極の外部
導出用端子部の還元ガスによる腐食を防止した薄膜EL
素子及びその製造方法に関するものである。
を有する薄膜EL素子及びその製造方法に関し、詳しく
は還元性ガス雰囲気にて発光層を形成、又は、その後、
輝度向上のため発光層を熱処理する際、透明電極の外部
導出用端子部の還元ガスによる腐食を防止した薄膜EL
素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜ELマトリクス型ディスプレイパネ
ルにおける薄膜EL素子の構造例を図4及び図5を参照
して次に示す。尚、図4の左半分はX方向の断面図、右
半分はX方向と直交するY方向の断面図である。図にお
いて(1)は透光性絶縁基板、(2)は透明電極、
(3)は第1絶縁層、(4)は発光層、(5)は第2絶
縁層、(6)は背面電極である。上記透光性絶縁基板
(1)はガラス基板からなる。透明電極(2)はガラス
基板(1)上にITO(In2O3+SnO2)等を蒸着
法によりX方向に定ピッチで多数のストライプ状に形成
してなる。上記蒸着法又は後述するスパッタ法は、酸素
混入を防止するため、還元性ガス雰囲気、例えば硫化水
素(H2S)、硫黄(S)又は水素(H2)中で行なわ
れ、以下の層形成においても同様である。第1絶縁層
(3)は透明電極(1)及びガラス基板(1)上に、ア
ルミナ(Al2O3)や酸化イットリウム(Y2O3)等を
蒸着やスパッタ法で形成した透明膜である。発光層
(4)は第1絶縁層(3)上にIIa−VIb属系化合物
(例えばSrS、CaS、BaS等のアルカリ土類系化
合物)からなる発光体を蒸着法等で形成してなる。この
時、発光層(4)は約500°Cの基板温度で蒸着して
いるが、輝度向上のため、発光層形成後、蒸着法と同様
の還元性ガス雰囲気[但し、表面中の酸素を除いてIIa
−VIb属系化合物にSを付加すること、及び熱処理によ
って外に出易いSを補って発光層中の化学的量論比(例
えばSr:S=1:1)を補償するため硫化水素又は硫
黄雰囲気中とする。]中で約650°Cにて更に熱処理
している。第2絶縁層(5)は発光層(4)の全表面上
にアルミナ(Al2O3)や酸化イットリウム(Y2O3)
等を蒸着やスパッタ法で形成した透明膜である。背面電
極(6)は第2絶縁層(5)上にY方向に定ピッチで多
数のストライプ状に形成したアルミ蒸着膜である。そし
て、図示しないが、上記薄膜EL素子(7)を囲繞する
ように、凹板状のカバーガラス(8)をガラス基板
(1)上に接着剤を介して固着することにより薄膜EL
マトリクス型ディスプレイが形成され、更に上記ガラス
基板(1)とカバーガラス(8)からなる外囲器内に、
薄膜EL素子(7)の耐湿性を向上させるためシリコン
オイル等の絶縁性保護流体を封入する。
ルにおける薄膜EL素子の構造例を図4及び図5を参照
して次に示す。尚、図4の左半分はX方向の断面図、右
半分はX方向と直交するY方向の断面図である。図にお
いて(1)は透光性絶縁基板、(2)は透明電極、
(3)は第1絶縁層、(4)は発光層、(5)は第2絶
縁層、(6)は背面電極である。上記透光性絶縁基板
(1)はガラス基板からなる。透明電極(2)はガラス
基板(1)上にITO(In2O3+SnO2)等を蒸着
法によりX方向に定ピッチで多数のストライプ状に形成
してなる。上記蒸着法又は後述するスパッタ法は、酸素
混入を防止するため、還元性ガス雰囲気、例えば硫化水
素(H2S)、硫黄(S)又は水素(H2)中で行なわ
れ、以下の層形成においても同様である。第1絶縁層
(3)は透明電極(1)及びガラス基板(1)上に、ア
ルミナ(Al2O3)や酸化イットリウム(Y2O3)等を
蒸着やスパッタ法で形成した透明膜である。発光層
(4)は第1絶縁層(3)上にIIa−VIb属系化合物
(例えばSrS、CaS、BaS等のアルカリ土類系化
合物)からなる発光体を蒸着法等で形成してなる。この
時、発光層(4)は約500°Cの基板温度で蒸着して
いるが、輝度向上のため、発光層形成後、蒸着法と同様
の還元性ガス雰囲気[但し、表面中の酸素を除いてIIa
−VIb属系化合物にSを付加すること、及び熱処理によ
って外に出易いSを補って発光層中の化学的量論比(例
えばSr:S=1:1)を補償するため硫化水素又は硫
黄雰囲気中とする。]中で約650°Cにて更に熱処理
している。第2絶縁層(5)は発光層(4)の全表面上
にアルミナ(Al2O3)や酸化イットリウム(Y2O3)
等を蒸着やスパッタ法で形成した透明膜である。背面電
極(6)は第2絶縁層(5)上にY方向に定ピッチで多
数のストライプ状に形成したアルミ蒸着膜である。そし
て、図示しないが、上記薄膜EL素子(7)を囲繞する
ように、凹板状のカバーガラス(8)をガラス基板
(1)上に接着剤を介して固着することにより薄膜EL
マトリクス型ディスプレイが形成され、更に上記ガラス
基板(1)とカバーガラス(8)からなる外囲器内に、
薄膜EL素子(7)の耐湿性を向上させるためシリコン
オイル等の絶縁性保護流体を封入する。
【0003】上記薄膜ELマトリクス型ディスプレイで
は、図5に示すように、薄膜EL素子(7)の透明電極
(2)と背面電極(6)がマトリクス状に交差して多数
のマトリクス状の画素(m)…を形成する。又、上記透
明電極(2)と背面電極(6)の各端子部(2a)(6
a)…を1本おきにガラス基板(1)上の反対側の周辺
部上まで延設し、図示しないが、適宜、その上に外部取
り出し用パッドを設けている。そこで、両電極(2)
(6)の端子部(2a)(6a)間に駆動電圧を選択的
に印加すると、発光層(4)の画素部分が選択的に発光
して所望の情報のドットマトリクス表示を行なう。
は、図5に示すように、薄膜EL素子(7)の透明電極
(2)と背面電極(6)がマトリクス状に交差して多数
のマトリクス状の画素(m)…を形成する。又、上記透
明電極(2)と背面電極(6)の各端子部(2a)(6
a)…を1本おきにガラス基板(1)上の反対側の周辺
部上まで延設し、図示しないが、適宜、その上に外部取
り出し用パッドを設けている。そこで、両電極(2)
(6)の端子部(2a)(6a)間に駆動電圧を選択的
に印加すると、発光層(4)の画素部分が選択的に発光
して所望の情報のドットマトリクス表示を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、薄膜EL素子製造時、発光層(4)の形成、或いは
その輝度向上を図って熱処理する際、還元性ガス雰囲気
中に素子を置くと、特に発光層(4)の蒸着や熱処理の
時、既に透明電極(2)は形成されているため、透明電
極(2)も同時に熱処理されてしまい、透明電極(2)
の露出している端子部(2a)におけるITOが還元さ
れて酸素が取り出され、その結果、電極部分が黒化して
抵抗が大きくなったり、更にその体積が減って殆ど消失
してしまい、外部との電気的接続が困難になる点であ
る。
は、薄膜EL素子製造時、発光層(4)の形成、或いは
その輝度向上を図って熱処理する際、還元性ガス雰囲気
中に素子を置くと、特に発光層(4)の蒸着や熱処理の
時、既に透明電極(2)は形成されているため、透明電
極(2)も同時に熱処理されてしまい、透明電極(2)
の露出している端子部(2a)におけるITOが還元さ
れて酸素が取り出され、その結果、電極部分が黒化して
抵抗が大きくなったり、更にその体積が減って殆ど消失
してしまい、外部との電気的接続が困難になる点であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その薄膜EL
素子としては、透光性絶縁基板上に、透明電極、第1絶
縁層、IIa−VIb属系発光層、第2絶縁層及び背面電極
を順次、積層形成すると共に、上記透明及び背面電極の
各端子部をそれぞれ積層体から導出して外部接続してな
る薄膜EL素子において、上記透明電極の外部導出用端
子部表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を有し、且つ、
少なくとも発光層の熱処理温度よりも融点が高い金属膜
を積層形成して上記端子部を被覆したことを特徴とし、
素子としては、透光性絶縁基板上に、透明電極、第1絶
縁層、IIa−VIb属系発光層、第2絶縁層及び背面電極
を順次、積層形成すると共に、上記透明及び背面電極の
各端子部をそれぞれ積層体から導出して外部接続してな
る薄膜EL素子において、上記透明電極の外部導出用端
子部表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を有し、且つ、
少なくとも発光層の熱処理温度よりも融点が高い金属膜
を積層形成して上記端子部を被覆したことを特徴とし、
【0006】又、その製造方法としては、透光性絶縁基
板上に透明電極を積層形成する工程と、上記透明電極の
外部導出用端子部表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を
有し、且つ、上記発光層の熱処理温度よりも融点が高い
金属膜を積層形成して上記端子部を被覆する工程と、上
記透明電極の端子部上に金属膜が露出するように第1絶
縁層を積層形成し、その上にIIa−VIb属系発光層を還
元性ガス雰囲気にて積層形成する工程と、上記発光層形
成後、同じ還元性ガス雰囲気にて発光層を熱処理し、そ
の輝度を向上させる工程とを含むことを特徴とし、又
は、透光性絶縁基板上に透明電極を積層形成した後、透
明電極の全表面を覆うように第1絶縁層を積層形成する
工程と、上記第1絶縁層の発光領域上に還元性ガス雰囲
気にてIIa−VIb属系発光層を積層形成した後、同じ還
元性ガス雰囲気にて発光層を熱処理し、その輝度を向上
させる工程と、上記熱処理後、透明電極の外部導出用端
子部における第1絶縁層を除去する工程とを含むことを
特徴とし、又は、透明電極上に酸化シリコン膜と窒化シ
リコン膜を順次、積層して第1絶縁層を形成し、又は、
IIa−VIb属系発光層の熱処理直後、透明電極の外部導
出用端子部における第1絶縁層をドライエッチングにて
除去する。
板上に透明電極を積層形成する工程と、上記透明電極の
外部導出用端子部表面に、還元性ガスに対する耐蝕性を
有し、且つ、上記発光層の熱処理温度よりも融点が高い
金属膜を積層形成して上記端子部を被覆する工程と、上
記透明電極の端子部上に金属膜が露出するように第1絶
縁層を積層形成し、その上にIIa−VIb属系発光層を還
元性ガス雰囲気にて積層形成する工程と、上記発光層形
成後、同じ還元性ガス雰囲気にて発光層を熱処理し、そ
の輝度を向上させる工程とを含むことを特徴とし、又
は、透光性絶縁基板上に透明電極を積層形成した後、透
明電極の全表面を覆うように第1絶縁層を積層形成する
工程と、上記第1絶縁層の発光領域上に還元性ガス雰囲
気にてIIa−VIb属系発光層を積層形成した後、同じ還
元性ガス雰囲気にて発光層を熱処理し、その輝度を向上
させる工程と、上記熱処理後、透明電極の外部導出用端
子部における第1絶縁層を除去する工程とを含むことを
特徴とし、又は、透明電極上に酸化シリコン膜と窒化シ
リコン膜を順次、積層して第1絶縁層を形成し、又は、
IIa−VIb属系発光層の熱処理直後、透明電極の外部導
出用端子部における第1絶縁層をドライエッチングにて
除去する。
【0007】
【作用】上記技術的手段によれば、薄膜EL素子の透明
電極の外部導出用端子部表面に、所定の金属膜を積層形
成して上記端子部を被覆すると、還元性ガス雰囲気中で
発光層を形成、又は、輝度向上のため、その後に熱処理
する際、透明電極の端子部表面が還元されない。又は、
予め透明電極の全表面を第1絶縁層にて被覆した後、還
元性ガス雰囲気中で発光層を形成して熱処理し、その
後、透明電極の外部導出用端子部における第1絶縁層を
除去することにより、透明電極が還元されない。
電極の外部導出用端子部表面に、所定の金属膜を積層形
成して上記端子部を被覆すると、還元性ガス雰囲気中で
発光層を形成、又は、輝度向上のため、その後に熱処理
する際、透明電極の端子部表面が還元されない。又は、
予め透明電極の全表面を第1絶縁層にて被覆した後、還
元性ガス雰囲気中で発光層を形成して熱処理し、その
後、透明電極の外部導出用端子部における第1絶縁層を
除去することにより、透明電極が還元されない。
【0008】
【実施例】本発明に係る薄膜EL素子及びその製造方法
を図1乃至図3を参照して以下に説明する。まず図1は
本発明に係る薄膜EL素子(9)の要部断面図を示し、
図4に示す部分と同一部分には同一参照符号を付してそ
の説明を省略する。相違する点は、透明電極(2)の外
部導出用端子部(2a)の表面に、第1絶縁層(3)の
下に入りこみ、画素(m)部分まで達しないように、還
元性ガス、例えば硫化水素或いは硫黄に対する耐蝕性を
有し、且つ、IIa−VIb属系発光層(4)の熱処理温度
や蒸着時の基板温度よりも融点が高い金属膜(10)、
例えばタングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、或いは金(Au)等か
らなる膜を蒸着等により積層形成して、特に透明電極
(2)の露出する端子部(2a)を1本ずつ各ピッチ毎
に被覆したことで、透明電極形成後で、発光層形成前に
形成しておく。この時、金属膜(10)上に適宜、外部
取り出し用パッドを設けても良い。
を図1乃至図3を参照して以下に説明する。まず図1は
本発明に係る薄膜EL素子(9)の要部断面図を示し、
図4に示す部分と同一部分には同一参照符号を付してそ
の説明を省略する。相違する点は、透明電極(2)の外
部導出用端子部(2a)の表面に、第1絶縁層(3)の
下に入りこみ、画素(m)部分まで達しないように、還
元性ガス、例えば硫化水素或いは硫黄に対する耐蝕性を
有し、且つ、IIa−VIb属系発光層(4)の熱処理温度
や蒸着時の基板温度よりも融点が高い金属膜(10)、
例えばタングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、或いは金(Au)等か
らなる膜を蒸着等により積層形成して、特に透明電極
(2)の露出する端子部(2a)を1本ずつ各ピッチ毎
に被覆したことで、透明電極形成後で、発光層形成前に
形成しておく。この時、金属膜(10)上に適宜、外部
取り出し用パッドを設けても良い。
【0009】そこで、その製造の際、従来同様、ガラス
基板(1)上にITO等を定ピッチで蒸着して多数のス
トライプ状透明電極(2)を形成した後、その端子部
(2a)に金属膜(10)を積層形成して端子部(2
a)を被覆する。次に、金属膜(10)の一部に重合す
るように第1絶縁層(3)を透明電極(2)上に積層形
成し、従来同様、その上に硫化水素(H2S)、硫黄
(S)の還元性ガス雰囲気にて発光層(4)を積層形成
する。そして、輝度向上のため、発光層(4)を更に同
じ還元性ガス雰囲気にて熱処理した後、第2絶縁層
(5)を順次、積層形成する。そうすると、発光層
(4)を形成、又は熱処理する際、透明電極(2)の端
子部(2a)は金属膜(10)にて被覆・保護されてい
るため、還元性ガスによって還元されず、端子部(2
a)の高抵抗化や体積減少や消失を防止出来る。
基板(1)上にITO等を定ピッチで蒸着して多数のス
トライプ状透明電極(2)を形成した後、その端子部
(2a)に金属膜(10)を積層形成して端子部(2
a)を被覆する。次に、金属膜(10)の一部に重合す
るように第1絶縁層(3)を透明電極(2)上に積層形
成し、従来同様、その上に硫化水素(H2S)、硫黄
(S)の還元性ガス雰囲気にて発光層(4)を積層形成
する。そして、輝度向上のため、発光層(4)を更に同
じ還元性ガス雰囲気にて熱処理した後、第2絶縁層
(5)を順次、積層形成する。そうすると、発光層
(4)を形成、又は熱処理する際、透明電極(2)の端
子部(2a)は金属膜(10)にて被覆・保護されてい
るため、還元性ガスによって還元されず、端子部(2
a)の高抵抗化や体積減少や消失を防止出来る。
【0010】次に、本発明に係る薄膜EL素子の製造方
法の他の実施例を図2及び図3を参照して示す。図1に
示す部分と同一部分には同一参照符号を付してその説明
を省略する。本実施例によれば、上記同様、ガラス基板
(1)上にITO等を定ピッチで蒸着して多数のストラ
イプ状透明電極(2)を形成した後、その上に第1絶縁
層(3)を積層形成する際、図2に示すように、透明電
極(2)の端子部(2a)まで含んでその全表面に第1
絶縁層(3)を積層形成して透明電極(2)を被覆す
る。尚、この時、SrS等のアルカリ土類硫化物からな
る発光層(4)は不安定で、その下に絶縁層として酸化
物があると、寿命特性が低下する。そのため、透明電極
(2)と馴染みの良い酸化膜(SiO2)(3a)を下
地とし、それを介して透明電極(2)上に発光層(4)
と馴染みの良い窒化膜(Si3N4)(3b)を積層して
2層の積層体からなる、且つ、非還元性で耐熱性を持つ
第1絶縁層(3)を形成する。そこで、その上に還元性
ガス雰囲気中で発光層(4)を積層形成した後、輝度向
上のため、発光層(4)を同じ還元性ガス雰囲気中で更
に熱処理し、その後、発光層(4)の全表面上に第2絶
縁層(5)を順次、積層形成する。上記第2絶縁層
(5)は、第1絶縁層(3)と対称構造の酸化膜(Si
O2)と窒化膜(Si3N4)の2層からなる積層体(但
し、発光層(4)と馴染みの良い窒化膜を下地とす
る。)、又はアルミナ(Al2O3)等にて形成する。そ
うすると、発光層(4)を熱処理する際、透明電極
(2)の端子部(2a)は第1絶縁層(3)にて被覆・
保護されているため、還元性ガスによって還元されず、
その消失を防止出来る。そして、図3に示すように、少
なくとも発光層(4)の熱処理後、端子部(2a)にお
ける第1絶縁層(3)を除去して外部取り出し用として
端子部表面を露出し、更に上記同様、適宜、その上に外
部取り出し用パッドを設けても良い。ここで、第1絶縁
層(3)の除去に際しては、発光層(4)のSrS等は
水に弱いため、発光層(4)の熱処理直後で、それが露
出している場合、ネガレジストと組み合わせたドライエ
ッチングを用いる。そして、第2絶縁層(5)を形成し
て発光層(4)を被覆した後に除去する場合は、ドライ
エッチングに限らずウェットエッチングでも良く、又、
ネガレジストでもポジレジストでも良い。
法の他の実施例を図2及び図3を参照して示す。図1に
示す部分と同一部分には同一参照符号を付してその説明
を省略する。本実施例によれば、上記同様、ガラス基板
(1)上にITO等を定ピッチで蒸着して多数のストラ
イプ状透明電極(2)を形成した後、その上に第1絶縁
層(3)を積層形成する際、図2に示すように、透明電
極(2)の端子部(2a)まで含んでその全表面に第1
絶縁層(3)を積層形成して透明電極(2)を被覆す
る。尚、この時、SrS等のアルカリ土類硫化物からな
る発光層(4)は不安定で、その下に絶縁層として酸化
物があると、寿命特性が低下する。そのため、透明電極
(2)と馴染みの良い酸化膜(SiO2)(3a)を下
地とし、それを介して透明電極(2)上に発光層(4)
と馴染みの良い窒化膜(Si3N4)(3b)を積層して
2層の積層体からなる、且つ、非還元性で耐熱性を持つ
第1絶縁層(3)を形成する。そこで、その上に還元性
ガス雰囲気中で発光層(4)を積層形成した後、輝度向
上のため、発光層(4)を同じ還元性ガス雰囲気中で更
に熱処理し、その後、発光層(4)の全表面上に第2絶
縁層(5)を順次、積層形成する。上記第2絶縁層
(5)は、第1絶縁層(3)と対称構造の酸化膜(Si
O2)と窒化膜(Si3N4)の2層からなる積層体(但
し、発光層(4)と馴染みの良い窒化膜を下地とす
る。)、又はアルミナ(Al2O3)等にて形成する。そ
うすると、発光層(4)を熱処理する際、透明電極
(2)の端子部(2a)は第1絶縁層(3)にて被覆・
保護されているため、還元性ガスによって還元されず、
その消失を防止出来る。そして、図3に示すように、少
なくとも発光層(4)の熱処理後、端子部(2a)にお
ける第1絶縁層(3)を除去して外部取り出し用として
端子部表面を露出し、更に上記同様、適宜、その上に外
部取り出し用パッドを設けても良い。ここで、第1絶縁
層(3)の除去に際しては、発光層(4)のSrS等は
水に弱いため、発光層(4)の熱処理直後で、それが露
出している場合、ネガレジストと組み合わせたドライエ
ッチングを用いる。そして、第2絶縁層(5)を形成し
て発光層(4)を被覆した後に除去する場合は、ドライ
エッチングに限らずウェットエッチングでも良く、又、
ネガレジストでもポジレジストでも良い。
【0011】尚、本発明は上記マトリクス型薄膜EL素
子のストライプ状電極に限定されず、全面発光型薄膜E
L素子についても適用出来る。
子のストライプ状電極に限定されず、全面発光型薄膜E
L素子についても適用出来る。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、IIa−VIb属系発光層
を有する薄膜EL素子において、その製造時、透明電極
の外部導出用端子部を金属膜或いは第1絶縁層で被覆・
保護したから、還元性ガス雰囲気中で発光層を蒸着や熱
処理する際、上記端子部の還元性ガスによる体積減少や
消失が防止され、歩留まりが向上して生産性が高くな
る。
を有する薄膜EL素子において、その製造時、透明電極
の外部導出用端子部を金属膜或いは第1絶縁層で被覆・
保護したから、還元性ガス雰囲気中で発光層を蒸着や熱
処理する際、上記端子部の還元性ガスによる体積減少や
消失が防止され、歩留まりが向上して生産性が高くな
る。
【図1】本発明に係る薄膜EL素子の実施例を示す要部
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明に係る薄膜EL素子の製造方法の一工程
例を示す要部断面図である。
例を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る薄膜EL素子の製造方法の一工程
例を示す要部断面図である。
例を示す要部断面図である。
【図4】従来の薄膜EL素子の一例を示す断面図であ
る。
る。
【図5】従来の薄膜EL素子の一例を示す要部平面図で
ある。
ある。
1 透光性絶縁基板 2 透明電極 2a 端子部 3 第1絶縁層 4 発光層 5 第2絶縁層 6 背面電極 10 金属膜
Claims (5)
- 【請求項1】 透光性絶縁基板上に、透明電極、第1絶
縁層、IIa−VIb属系発光層、第2絶縁層及び背面電極
を順次、積層形成すると共に、上記透明及び背面電極の
各端子部をそれぞれ積層体から導出して外部接続してな
る薄膜EL素子において、 上記透明電極の外部導出用端子部表面に、還元性ガスに
対する耐蝕性を有し、且つ、少なくとも発光層の熱処理
温度よりも融点が高い金属膜を積層形成して上記端子部
を被覆したことを特徴とする薄膜EL素子。 - 【請求項2】 透光性絶縁基板上に透明電極を積層形成
する工程と、上記透明電極の外部導出用端子部表面に、
還元性ガスに対する耐蝕性を有し、且つ、上記発光層の
熱処理温度よりも融点が高い金属膜を積層形成して上記
端子部を被覆する工程と、上記透明電極の端子部上の金
属膜が露出するように第1絶縁層を積層形成し、その上
にIIa−VIb属系発光層を還元性ガス雰囲気にて積層形
成する工程と、上記発光層形成後、同じ還元性ガス雰囲
気にて発光層を熱処理し、その輝度を向上させる工程と
を含むことを特徴とする薄膜EL素子の製造方法。 - 【請求項3】 透光性絶縁基板上に透明電極を積層形成
した後、透明電極の全表面を覆うように第1絶縁層を積
層形成する工程と、上記第1絶縁層の発光領域上に還元
性ガス雰囲気にてIIa−VIb属系発光層を積層形成した
後、同じ還元性ガス雰囲気にて発光層を熱処理し、その
輝度を向上させる工程と、上記熱処理後、透明電極の外
部導出用端子部における第1絶縁層を除去する工程とを
含むことを特徴とする薄膜EL素子の製造方法。 - 【請求項4】 透明電極上に酸化シリコン膜と窒化シリ
コン膜を順次、積層して第1絶縁層を形成することを特
徴とする請求項3記載の薄膜EL素子の製造方法。 - 【請求項5】 IIa−VIb属系発光層の熱処理直後、透
明電極の外部導出用端子部における第1絶縁層をドライ
エッチングにて除去することを特徴とする請求項3記載
の薄膜EL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3314280A JPH05152069A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 薄膜el素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3314280A JPH05152069A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 薄膜el素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05152069A true JPH05152069A (ja) | 1993-06-18 |
Family
ID=18051467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3314280A Pending JPH05152069A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 薄膜el素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05152069A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6897934B2 (en) | 2001-03-16 | 2005-05-24 | Seiko Epson Corporation | Organic electro luminescence device and electronic apparatus |
KR100717327B1 (ko) * | 2004-02-20 | 2007-05-15 | 엘지전자 주식회사 | 유기전계발광표시장치 및 그 제조방법 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP3314280A patent/JPH05152069A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6897934B2 (en) | 2001-03-16 | 2005-05-24 | Seiko Epson Corporation | Organic electro luminescence device and electronic apparatus |
KR100717327B1 (ko) * | 2004-02-20 | 2007-05-15 | 엘지전자 주식회사 | 유기전계발광표시장치 및 그 제조방법 |
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