JPH05149927A - 導電膜検査方法およびその装置 - Google Patents

導電膜検査方法およびその装置

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JPH05149927A
JPH05149927A JP20321391A JP20321391A JPH05149927A JP H05149927 A JPH05149927 A JP H05149927A JP 20321391 A JP20321391 A JP 20321391A JP 20321391 A JP20321391 A JP 20321391A JP H05149927 A JPH05149927 A JP H05149927A
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frequency
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film
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禎則 石田
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幸夫 香村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】平面的な広がりのある導電膜を走査する過程
で、この導電膜と検出コイルとの相対的間隔が変化して
も、また出力の零点が温度によってドリフトしても、こ
れらの変動に影響されず、導電膜の全面にわたって、常
に安定して高い精度で、非接触かつ非破壊状態で、抵抗
分布やそれに伴う膜厚分布などの成膜状態を連続的に測
定可能とする。 【構成】平面的に広がりのあるウェハ2上に形成された
活性層2aの近傍に配設された渦電流発生・検出コイル
4によって、活性層2aに渦電流を発生させるのに充分
な高周波磁界を印加すると共に、活性層2aに印加され
る高周波磁界の平均強度を該高周波磁界の周波数よりも
充分に低い周波数で変動させ、活性層2aに発生した渦
電流を検出コイル4で検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板上、もしく
はディスプレイ用のガラス基板上に形成された導電性薄
膜(導電膜)などのように、平面的な広がりのある導電
膜の成膜状態(膜厚分布や電気的特性分布等)を非破壊
状態で検査する導電膜検査方法およびその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の分野では、高抵抗半導体基板
(ウェハ)上に、CVDなどのプロセスで不純物をドー
ピングした導電性薄膜を成長させ、電子デバイスや光デ
バイスに利用している。これらの用途においては、1枚
の基板から同一品質のデバイスをいかに多く製造するか
が重要となる。このため、基板全面にわたって膜厚や電
気的特性が均一であることが要求される。しかしなが
ら、実際には、同一基板面内において膜厚や電気的特性
の不均一が存在し、これらによって、その基板全体の品
質が決定されることになる。
【0003】従来は、同一ロットについて多数枚の薄膜
被覆基板を同時に製造し、その内のある基板を抜き取
り、それを破壊して膜厚や電気的特性を検査、分析し、
その検査、分析結果を代表してそのロット内全体の基板
の品質を類推している。その品質が所定の基準を満足し
ていれば、そのロット内の基板全体を出荷する。しかし
ながら、基板によっては品質基準に到達しないものが存
在することがあり、そのような基板の品質不良を検査す
ることができないという問題がある。ディスプレイ用の
ガラス基板のような透明部材であれば、光学的に膜厚の
測定が可能であるが、電気抵抗値のような電気的な特性
を測定することは不可能であった。
【0004】ここで、被膜の電気抵抗値を非接触で測定
する方法として、渦電流検査法が知られている。これ
は、導体を交番磁界中に置くと、その導体内に磁界を打
ち消す方向に渦電流が流れ、この渦電流の大きさや分布
が、導体の形状、導電率、透磁率、内部欠陥などにより
変化することを利用して被膜の電気抵抗値を測定すると
いう原理に基づく。つまり、渦電流検査法は、渦電流に
より発生する磁界が相互誘導作用により検出コイルのイ
ンピーダンスを変化させるので、このインピーダンスの
変化を電圧値や位相の変化として検出することにより、
被検査物である導体の状態を知る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の渦電流検査法は、被検査物の欠陥の位置や大きさを
測定することを意図しており、出力信号の急激な変化を
信号の微分処理などによってノイズと分離して検出する
方法である。また、複数の周波数を重ね合わせた交流電
流を検査用コイルに印加してその渦電流から導体の電気
抵抗値を測定する方法もすでに知られているが、この場
合は、欠陥に敏感な周波数に応じた信号と、敏感でない
周波数に応じた信号とを演算してノイズの影響を打ち消
したり、欠陥の形状を識別している。本発明において意
図されている半導体基板上やディスプレイ用のガラス基
板上に形成された導電膜の成膜状態、すなわち、その膜
厚分布や電気的特性分布を測定する場合においては、平
面的な広がりのある導電膜の全面にわたって連続した変
化を検出することが必要であり、測定装置の安定性が要
求される。しかし、このように非常に高感度な測定精度
を要求される場合、従来方法においては、出力の零点が
温度によってドリフトすることが避けられず、また、被
検査物と検出コイルとの相対的間隔がわずかに変わって
も出力値の変化となってしまい、正確な測定ができない
という問題がある。図8にその様子を示す。同図におい
て、横軸(X軸)は複素インピーダンスの実数部の値を
示し、縦軸(Y軸)は複素インピーダンスの虚数部の値
を示している。位相角は、電気抵抗値を示すが、図8に
示すように測定結果が変動しては、正確に電気抵抗値を
算出できない。以上の理由から、従来技術の渦電流検査
法によって、平面的な広がりのある導電膜の成膜状態を
全面にわたって正確に検出することは困難である。
【0006】本発明の目的は、平面的な広がりのある導
電膜を走査する過程で、この導電膜と検出コイルとの相
対的間隔が変化しても、また出力の零点が温度によって
ドリフトしても、これらの変動に影響されず、導電膜の
全面にわたって、常に安定して高い精度で、非接触かつ
非破壊状態で、抵抗分布やそれに伴う膜厚分布などの成
膜状態を連続的に測定することができる導電膜検査方法
およびその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
種々検討を行った結果、本件発明者は、導電膜の電気抵
抗値やそれに伴う膜厚が、複素インピーダンスベクトル
の位相角と相関があることを見いだした。さらに、それ
を安定して測定するために、導電膜に印加する渦電流発
生用の高周波磁界の平均強度を、その高周波磁界の周波
数に対して所定の比率、好適には、100分の1以下の
低い周波数で変化させ、導電膜の検査部位の渦電流を検
出コイルで検出し、その検出結果から検出コイルの複素
インピーダンスベクトルの位相角の変化を検出すること
が望ましいことを見出した。したがって、本発明によれ
ば、検査対象となる平面的に広がりのある導電膜の近傍
に配設された渦電流発生・検出コイルによって、前記導
電膜に渦電流を発生させるのに充分な高周波磁界を印加
すると共に、前記導電膜に印加される高周波磁界の平均
強度を該高周波磁界の周波数よりも充分に低い周波数で
変動させる段階と、前記導電膜に発生した渦電流を前記
検出コイルで検出する段階と、該検出渦電流に基づく前
記検出コイルの複素インピーダンスベクトルの位相角を
算出し、前記導電膜の成膜状態を検査する段階とを具備
し、前記各段階を、前記導電膜の面上を2次元的に走査
しつつ繰り返し実行することによって、前記導電膜の全
面にわたってその成膜状態を検査することを特徴とする
導電膜検査方法が提供される。好適には、平均強度を変
化させる周波数を、渦電流を発生させるに充分な高周波
数の100分の1以下とすることが望ましい。さらに本
発明によれば、上記導電膜検査方法を実施する装置、す
なわち、導電膜検査装置が提供され、この導電膜検査装
置は、検査対象となる平面的に広がりのある導電膜の近
傍に配設された渦電流発生・検出コイルと、前記渦電流
発生・検出コイルもしくは前記導電膜のいずれか一方も
しくは双方を前記導電膜の面と平行に移動して、前記渦
電流発生・検査用コイルを前記導電膜の全面にわたって
2次元的に走査させる走査手段と、前記導電膜に渦電流
を発生させるに充分高い周波数の高周波電流を発生し、
前記渦電流発生・検出コイルに印加する高周波電源と、
前記渦電流発生・検出コイルから前記導電膜に印加され
る高周波磁界の平均強度を、該高周波磁界の周波数より
も充分に低い周波数で変化させる平均強度変化手段と、
前記走査手段の走査に応じて、前記渦電流発生・検出コ
イルで検出された渦電流に基づく該検査コイルの複素イ
ンピーダンスベクトルの位相角を順次算出し、前記導電
膜の成膜状態を全面にわたって検査する手段とを有す
る。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、導電膜の検査部位の渦電
流による検出コイルの複素インピーダンスベクトルの位
相角の変化によって、導電膜の電気抵抗分布やそれに伴
う膜厚分布などの成膜状態を検査するようにしたので、
導電膜と検出コイルとの相対的間隔が変化しても、また
出力の零点が温度によってドリフしても、複素インピー
ダンスベクトルの大きさが変化するだけで、その位相角
は変化しないため測定上何等問題は生じない。また、導
電膜に印加する渦電流発生用の高周波磁界の平均強度
を、その高周波磁界の周波数に対して、好適には、10
0分の1以下の充分低い周波数で変化させることによっ
て、少なくとも、低い周波数の振幅の最大のときと最小
または零のときの2つの状態における渦電流を検出する
ことができ、この2点から正確に位相角を算出すること
ができる。特に、高周波磁界の強度を零に近づけた場合
に出力の零点を常に補正することができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明に係わる導電膜検査方法を実施
するための導電膜検査装置の一実施例の構成を示す図で
ある。この図において、1は基台であり、この基台1上
の所定位置に、検査対象となるウェハ2が位置決めされ
て載置される。この基台1には走査機構3が設けられ、
この走査機構3によって渦電流発生・検出コイル4がウ
ェハ2の面と平行な2次元平面内で移動可能に支持され
ている。走査機構3は、検出コイル4を支持するキャリ
ッジ5を、図2示す特定方向A1もしくはA2へ移動す
ると共に、これらの特定方向A1もしくはA2と直交す
る方向B1もしくはB2へ移動するもので、周知のXY
プロッタのヘッド送り機構と類似した構成となってい
る。この場合、板厚0.4mmのウェハ2の表面に、導
電膜である0.5μmの活性層2aが形成されており、
この活性層2aに対して約500μmの空隙を隔てて、
渦電流発生・検出コイル4が配設されている。また、キ
ャリッジ5と渦電流発生・検出コイル4の間には、加振
装置6が設けられており、この加振装置6によって渦電
流発生・検出コイル4が上下に振動し、ウェハ2に接近
する方向aもしくは離間する方向bへ移動するようなっ
ている。
【0010】渦電流発生・検出コイル4は、棒状の鉄心
4aに、コイル4bを同軸状に配設し、樹脂で一体にモ
ールドしたもので、鉄心4aの下端部は円錐状に形成さ
れ、その先端がウェハ2に近接配置されている。この渦
電流発生・検出コイル4がウェハ2に近接的に渦電流を
発生させ、発生された渦電流を検出する。本実施例で用
いた渦電流発生・検出コイル4の寸法について説明する
と、外径1.2mmの鉄心4aに、0.05mmの線径
の素線を200ターン巻回してコイル4bとしている。
【0011】このような渦電流発生・検出コイル4がケ
ーブル8を介して検査装置13に接続されている。検査
装置13は2MHzの渦電流発生用の高周波電流を発生
し、ケーブル8を介して渦電流発生・検出コイル4に印
加する高周波電源を有し、検出コイル4で検出された渦
電流からウェハ2の表面に形成された活性層2aの電気
抵抗値を算出するマイクロコンピュータを有している。
また、検査装置13のマイクロコンピュータは、加振装
置6を所定の振動数、例えば、50Hzで振動させ、渦
電流発生・検出コイル4を上下に振動させる加振制御機
能と、走査機構3の動作を制御して、渦電流発生・検出
コイル4を図2に示すような所定の軌跡で移動させる走
査制御機能を有してる。
【0012】そして、検査装置13の演算処理部で算出
された、渦電流発生・検出コイル4の複素インピーダン
スに応じた信号が、オシロスコープ14に供給され、こ
のオシロスコープ14によって、複素インピーダンスベ
クトルの位相角と大きさが表示されるようになってい
る。また、上記位相角が電圧値としてレコーダ15と、
コンピュータ16に供給され、レコーダ15で記録さ
れ、コンピュータ16で信号処理されるようになってい
る。
【0013】オシロスコープ14の表示画面上には、図
3に示すような、複素インピーダンスベクトルが表示さ
れ、その位相角θを知ることができる。同図において、
横軸(X軸)は複素インピーダンスの実数部の値を示
し、縦軸(Y軸)は複素インピーダンスの虚数部の値を
示している。これにより、ウェハ2の表面の活性層2a
に高周波磁界を印加した場合における渦電流発生・検出
コイル4の複素インピーダンスの変化が、オシロスコー
プ14の表示画面上の輝点として知ることができる。こ
こで、原点からのベクトルの大きさrは、渦電流発生・
検出コイル4と活性層2aとの間の空隙や、活性層2a
の性状によって変化し、ベクトルの位相角θは、活性層
2aの膜厚や電気抵抗値に依存して変化する。
【0014】以上の構成において、渦電流発生・検出コ
イル4は、走査機構3によって図2に示すように、特定
方向A1に移動され、この特定方向A1と直交する方向
B1に所定の間隔で移動され、さらに特定方向A1とは
逆の方向A2に移動される。これらの移動動作が反復さ
れることにより、活性層2aが全面にわたって走査され
る。また、走査が完了した時点で、方向B2に移動され
て、初期位置に復帰する。ただし、方向B1における移
動間隔は、渦電流を発生させ、検出するのに充分な間隔
とする。このような走査機構3の動作が検査装置13内
にあるマイクロコンピュータによって制御される。そし
て、このような走査が行われる過程において渦電流発生
・検出コイル4で検出された活性層2aの検査部位の膜
厚及び電気抵抗値を示す複素インピーダンスベクトルの
位相角θが、レコーダ15によって記録され、これによ
り活性層2aの全面にわたる膜厚分布や不純物濃度分布
が測定される。
【0015】ここで、本実施例に基づく特性図を、図4
および図5に示す。図4は、直径3インチのGaAs基
板上に、活性層2aとしてノンドープドGaAs、Al
GaAs薄膜を3.5μm成長させ、その上に、硫黄S
をドープしたGaAsを0.5μm成長させ、この条件
において、不純物濃度(横軸)をそれぞれ1×1017
-3、2×1017cm-3、3×1017cm-3と変化させ
た時の位相角θの変化(縦軸)を示す。不純物濃度が高
くなると、半導体の比抵抗は小さくなり、その結果、抵
抗値が小さくなり、位相角θが大きくなる。図5は不純
物濃度を2×1017cm-3に固定して、活性層2aの膜
厚(横軸)を0.4μm、0.5μm、0.6μmと変
化させたときの位相角θの変化(縦軸)を示している。
膜厚が厚くなると面方向の抵抗値が小さくなり、位相角
θの値が大きくなる。
【0016】ところで、ウェハの温度は、ドーピングの
濃度および膜厚分布に影響を与えるが、特に、ドーピン
グの濃度への影響が大きい。したがって、膜厚分布が一
定でも、ドーピングの濃度に分布が現われることがあ
る。図6の特性図はかかる特性を示している。この図に
おいて、横軸はウェハの位置、左縦軸は位相角θ、右縦
軸は不純物濃度nを示す。ウェハの直径は2インチ、膜
厚は0.5μmで一定である。上述した実施例によって
測定された曲線CV1で示されるように、ウェハ周辺部
の位相角θが大きくなっており、これにより、ウェハ周
辺部の不純物濃度nが大きい事が推定される。また、図
に示す曲線CV2は、ウェハの破壊試験によって測定し
た実際の不純物濃度の測定結果であり、本実施例による
測定結果と良く一致している。
【0017】また、上述した実施例において、活性層2
aの面内の測定間隔を狭く設定して高い密度で測定を行
う場合には、その測定時間は数分から数十分の長時間に
なることがある。このような長時間にわたる測定におい
ては、検査装置13内の高周波電気回路系統に温度変動
が生じ、その出力の零点が温度変化によってドリフトし
たり、また活性層2aと検出コイル4との相対間隔がわ
ずかに変化する事態が生じる場合がある。このような場
合の測定値をプロットすると、図8に示すようになる。
かかるドリフト等の問題を解決するために、上述した実
施例においては、渦電流発生・検出コイル4を加振装置
6によって渦電流発生用の高周波電流の周波数(2MH
z)よりも充分に低い周波数の50Hzで振動させ、渦
電流発生・検出コイル4と活性層2aとの間の距離を変
化させている。この場合、オシロスコープ14の表示画
面には、図7に示すような表示が現れる。すなわち、渦
電流発生・検出コイル4が活性層2aに接近する方向a
および離間する方向bへ移動するのに応じて、活性層2
aの検査部位に印加される高周波磁界が変化し、これに
より、検出された複素インピーダンスベクトルは、活性
層2aの検査部位の電気抵抗値に応じたある一定の位相
角θをもって、その大きさが変化する。ここで、検査装
置13の高周波電源を調整することにより、その出力が
零点(原点)に最も近づいた時点で、信号の変化の直線
が零点を通るように、補正することができる。また、特
に補正をしなくても、複素インピーダンスベクトルの方
向のみ、すなわち位相角θを測定すれば、零点のドリフ
トとは関係なく安定した測定が可能となり、活性層2a
全面の測定密度の高い測定が可能となる。
【0018】本実施例においては、複素インピーダンス
ベクトルの位相角θが電圧値としてレコーダ15に供給
され、このレコーダ15で記録されるようになってお
り、これにより、平面的な広がりのある活性層2aを連
続的に走査する過程において、この活性層2aと検出コ
イル4との相対的間隔が変化しても、また出力の零点が
温度によってドリフトしても、これら走査過程における
変動には何等影響されずに、上記位相角θの連続測定に
よって抵抗分布やそれに伴う膜厚分布などの成膜状態を
連続的に測定することが可能となっている。
【0019】なお、上述した実施例においては、渦電流
発生・検出コイル4を図2で示したように移動させて、
ウェハ2上の活性層2aの全面にわたって2次元的に走
査するようにしたが、渦電流発生・検出コイル4を固定
し、ウェハ2側を移動させるようにようにしても構わな
い。また、ウェハ2上に形成された活性層2aの成膜状
態を測定する場合を例に説明したが、ガラス基板上にS
nO 2をドープしたITO膜の成膜状態を測定する場合
にも勿論適用することができる。さらに、渦電流発生・
検出コイル4と活性層4aとの間の距離を渦電流発生用
の高周波電流の周波数よりも充分に低い周波数で変動さ
せるようにしたが、これらの距離を変化させずに、渦電
流発生・検出コイル4に印加される高周波電流の平均強
度を、上記低い周波数で変化させるようにしても構わな
い。この場合、平均強度の変化は、高周波電流の印加を
断続させ、または高周波電流に上記低い周波数で振幅の
大きい交流電流を加算することによって行えばよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電膜検
査方法およびその装置によれば、渦電流発生・検査コイ
ルによって導電膜に印加される高周波磁界の平均強度
を、この高周波磁界の周波数よりも充分に低い周波数で
変動させつつ、導電膜の全面にわたって走査し、導電膜
の検査部位の渦電流による検出コイルの複素インピーダ
ンスベクトルの位相角の変化によって、導電膜の電気抵
抗分布やそれに伴う膜厚分布などの成膜状態を検査する
ようにしたので、例えば、半導体基板上に形成された導
電膜やディスプレイ用のガラス基板上に形成された導電
膜のように平面的な広がりのある導電膜を連続的に走査
する過程において、この導電膜と検出コイルとの相対的
間隔が変化しても、また出力の零点が温度によってドリ
フトしても、これら走査過程における変動には何等影響
されず、したがって、導電膜の全面にわたって、常に安
定して高い精度で、非接触かつ非破壊状態で、抵抗分布
やそれに伴う膜厚分布などの成膜状態を連続的に測定す
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による導電膜検査方法を実施す
る導電膜検査装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した導電膜検査装置によるウェハの走
査過程を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例に基づく複素インピーダンスベ
クトルの測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例に基づく不純物濃度の異なる複
数のサンプルについての複素インピーダンスベクトルの
位相角測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に基づく膜厚の異なる複数のサ
ンプルについての複素インピーダンスベクトルの位相角
測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例に基づくウェハの各検査部位に
おける複素インピーダンスベクトルの位相角測定結果を
示すグラフある。
【図7】本発明の実施例による検査コイルを振動させた
場合の複素インピーダンスベクトルの測定結果を示すグ
ラフである。
【図8】従来の渦電流式導電膜検査方法による位相角変
動を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基台 2…ウェハ 2a…活性層
3…走査機構 4…渦電流発生・検出コイル 5…キャリッジ
6…加振装置 13…検査装置 14…オシロスコープ
15…レコーダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象となる平面的に広がりのある導電
    膜の近傍に配設された渦電流発生・検出コイルによっ
    て、前記導電膜に渦電流を発生させるのに充分な高周波
    磁界を印加すると共に、前記導電膜に印加される高周波
    磁界の平均強度を該高周波磁界の周波数よりも充分に低
    い周波数で変動させる段階と、 前記導電膜に発生した渦電流を前記検出コイルで検出す
    る段階と、 該検出渦電流に基づく前記検出コイルの複素インピーダ
    ンスベクトルの位相角を算出し、前記導電膜の成膜状態
    を検査する段階とを具備し、 前記各段階を、前記導電膜の面上を2次元的に走査しつ
    つ繰り返し実行することによって、前記導電膜の全面に
    わたってその成膜状態を検査することを特徴とする導電
    膜検査方法。
  2. 【請求項2】前記渦電流発生・検出コイルと前記導電膜
    との間の距離を前記低い周波数で変化させることによっ
    て、前記導電膜に印加される高周波磁界の平均強度を変
    動させつつ、前記導電膜の全面を走査することを特徴と
    する請求項1記載の導電膜検査方法。
  3. 【請求項3】前記低い周波数は、前記渦電流を発生させ
    るのに充分な高周波磁界の周波数のほぼ1/100以下
    であることを特徴とする請求項1記載の導電膜検査方
    法。
  4. 【請求項4】検査対象となる平面的に広がりのある導電
    膜の近傍に配設された渦電流発生・検出コイルと、 前記渦電流発生・検出コイルもしくは前記導電膜のいず
    れか一方もしくは双方を前記導電膜の面と平行に移動し
    て、前記渦電流発生・検査用コイルを前記導電膜の全面
    にわたって2次元的に走査させる走査手段と、 前記導電膜に渦電流を発生させるに充分高い周波数の高
    周波電流を発生し、前記渦電流発生・検出コイルに印加
    する高周波電源と、 前記渦電流発生・検出コイルから前記導電膜に印加され
    る高周波磁界の平均強度を、該高周波磁界の周波数より
    も充分に低い周波数で変化させる平均強度変化手段と、 前記走査手段の走査に応じて、前記渦電流発生・検出コ
    イルで検出された渦電流に基づく該検査コイルの複素イ
    ンピーダンスベクトルの位相角を順次算出し、前記導電
    膜の成膜状態を全面にわたって検査する手段と、 を具備することを特徴とする導電膜検査装置。
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