JPH05149294A - ポンプの回転軸シール部への冷却水供給循環装置 - Google Patents

ポンプの回転軸シール部への冷却水供給循環装置

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JPH05149294A
JPH05149294A JP30987091A JP30987091A JPH05149294A JP H05149294 A JPH05149294 A JP H05149294A JP 30987091 A JP30987091 A JP 30987091A JP 30987091 A JP30987091 A JP 30987091A JP H05149294 A JPH05149294 A JP H05149294A
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water
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Osamu Osada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプの回転軸シール部へ冷却水を多量に供
給循環させて、しかも該冷却水の外部周辺への漏流出及
び飛散を抑制して、該回転軸シール部のシール機能を高
め、該機能を長期にわたり持続させる。 【構成】 グランドパッキング10によるポンプ回転軸
液封部Gを囲繞する冷却水室6と、これに連通し、ポン
プ回転軸4を囲繞する冷却用環状水溝13と、これに連
通し、ポンプ回転軸4を囲繞する回収用環状水溝14
と、両水溝13、14から流出する冷却水を回収する冷
却水回収凹部27と、冷却水を貯溜する貯水槽34と、
貯水槽34から冷却水35を冷却水室6へ供給循環させ
るポンプ36を含む導管37、38と、冷却水回収凹部
27から貯水槽34へ冷却水を還流させる導管29とを
備えたポンプの回転軸シール部への冷却水供給循環装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液質が高温性、高腐蝕
性、シアン系、その他の公害物質、多岐多様のスラッジ
等を含有する中性液はもとより、低ペーハー値から高ペ
ーハー値に至る液質のポンピングにおいて、グランドパ
ッキング、若しくはメカニカルシールを備えるポンプの
回転軸シール部及び該回転軸への冷却水循環装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポンプの回転軸シール部には、グ
ランドパッキング及びメカニカルシールを備えた送液用
に遠心ポンプが広く一般に用いられている。しかしなが
ら、斯かる遠心ポンプを加圧式濾過器への送液ポンプと
して用いるには、回転軸シール部の著しいシール機能の
劣化を招くと共に後述する数多くの課題を残している。
【0003】例えば、濾過器へのポンピング液におい
て、回転軸シール機能の著しい劣化を招く電気メッキ
液、金属表面処理液を1例として説明する。ポンプの回
転軸シール部(以後、グランドパッキングによる回転軸
シール部を回転軸液封部と呼称し、一方、メカニカルシ
ールによる回転軸シール部を回転軸密封部と呼称し、前
両者を総称して回転軸シール部と呼称する)を有する遠
心ポンプにおいて、高温性、高腐蝕性、且つ、多岐多様
のスラッジ(以後、金属片、金属粒、金属粉、水酸化金
属、その他無機、有機の不純物を単にスラッジと呼称す
る)を含有する各種液質のポンピングには、回転軸シー
ル部及び軸支部(以後、軸受ケースに内設するベアリン
グ又は軸受メタルによる回転軸の軸受部を軸支部と呼称
する)への原液温度の伝導熱、回転軸シール部への原液
に含有するスラッジ、回転軸シール部の圧接摺動回転に
よる摺動発熱及び摩耗、軸支部の回転摺動発熱及び摩耗
による回転軸の心振れ回転、これらが競合し、相剰して
回転軸シール部の摩耗間隙の発生となって、回転軸シー
ル部のシール機能の劣化を招いている。
【0004】すなわち、金属表面処理液、電気メッキ液
等の濾過において、濾過器へのポンピング液は、中性液
はもとよりペーハー値が1以下から13以上に及ぶ高腐
蝕性液に加えて、温度が常温から80℃以上に及ぶ高濃
度イオン化金属、シアン系、その他の公害物質、高濃度
添加薬品、多岐多様のスラッジ等の含有液であり、それ
らのポンピングにおいて、一般遠心ポンプの設定揚程に
対する設定揚水量のポンピングとは異なり、回転軸シー
ル部は、濾過器内の捕捉スラッジ量の多少に応じて、負
圧力域から正圧力域へ移動する全圧力域においての稼働
を常時反復する過酷な条件を課せられており、更に該シ
ール部は、軸支部の摩耗、損傷と大きく係わり合って、
該シール部の摩耗、弛緩、損傷の発生を繰り返してい
る。
【0005】遠心ポンプによる濾過器への前記液質のポ
ンピングにおいて、グランドパッキングを備えるポンプ
の回転軸液封部が濾過器内の捕捉スラッジ量の少ない負
圧力域にあっての該液封部の摩耗間隙の発生は、負圧力
によって該摩耗間隙からの大気の吸入となり、被吸引の
大気は気泡となってポンピング液中に混ざり合って濾過
器へ送り込まれ、著しいポンピング液量の低下ととも
に、濾過量、濾過精度の著しい低下となって、被処理物
の不良生産品の発生となっている。
【0006】一方、回転軸液封部が、濾過器内の捕捉ス
ラッジ量の積増に伴う正圧力域にあっての該液封部の摩
耗間隙の発生は、該液封部から外部大気側へのポンピン
グ原液の漏出となって公害の発生ともなり、また、漏出
原液のうち、その大半は回転軸を伝わり回転軸の回転遠
心力によって外部周辺へ飛散し、漏流出原液と共に周辺
の機器構築物の腐蝕、損傷、破損を誘発している。
【0007】濾過器への前記液質のポンピングにおい
て、回転軸液封部の摩耗、弛緩、損傷の発生は、該液封
部の負、正両圧力域共に、該液封部及び軸支部の管理負
担の増加に止まらず、被処理物の不良生産品の誘発、該
誘発に伴う生産作業を中断しての処理液の建浴及び液組
織の復元、液槽内処理液の別槽への空け替え濾過、及び
戻し濾過作業、更に回転軸液封部から外部周辺への原液
及び希釈冷却水の漏流出及び飛散、排水処理管理の負担
増加等、これらにかかる高負荷管理は著しい生産コスト
の上昇を招いている。
【0008】一方、メカニカルシールを備える回転軸密
封部の密封構造仕様は、ポンピング液質によって多岐多
様の高価な多種部品の構成によるものであり、従って、
一密封構造仕様の型式によって多種多様の液質に幅広く
共通しての対応使用はできない。しかして、該密封構造
仕様の型式及び材質の選定に当たっては、ポンピング液
質に適応する型式の選定を必須条件とする基本的な欠点
を有し、特にスラッジ含有液に対しての該密封構造には
最大の忌避事項の一つとなっている。
【0009】回転軸密封部は、密封回転摺動面(以後、
固定端面へ回転端面の圧接密封回転による両端面の回転
摺動面を呼称する)にポンピング原液によって形成され
る密封形成膜により密封を行う機構であり、該密封形成
膜は、密封回転摺動面の回転摺動発熱及び回転摺動摩耗
を抑制し、該回転摺動面を保護するものであるが、該回
転摺動面内周側へのポンピング圧力及び回転端面の密封
回転による密封形成膜への回転遠心力等による該回転摺
動面外周側への密封形成膜の一部浸出液、すなわち極微
量の原液の浸出までも事実上完全に阻止し回避すること
は出来ない。
【0010】従って、密封回転摺動面の外周側へ浸出す
る密封形成膜の一部漏出原液は、大気に触れて大気中へ
の放熱冷却、水分の蒸発等によって金属質スラッジとな
り、日時の経過とともに該回転摺動面の外周側及び回転
環に構設するスプリングに付着し、成長してスプリング
の弾衝機能を喪失し、回転端面に心振れ回転を引き起こ
して密封形成膜の破壊とともに、該回転摺動面の損傷発
生となっている。
【0011】また、軸支部の回転摺動発熱に加えて、回
転軸を伝わり該軸支部に及ぶ原液温度、及び密封回転摺
動面の回転摺動発熱、等の伝導熱によって競合される該
軸支部の回転摺動摩耗は、回転軸の心振れ回転を引き起
こして密封回転摺動面に間隙の発生となり、該間隙の発
生は、密封形成膜の破壊とともに該回転摺動面の損傷発
生となって、該回転摺動面から大気の吸入、又は漏液の
発生を繰り返すことになっている。
【0012】濾過器への前記液質のポンピングにおい
て、回転軸密封部の密封形成膜の破壊は、グランドパッ
キングによる液封とは異なり、密封回転摺動面の急速な
摩耗、損傷、破損となって該密封部及び軸支部の管理負
担の増加に止まらず、被処理物の不良生産品の誘発、該
誘発に伴う生産作業を中断しての処理液の建浴及び液組
織の復元、液槽内処理液の別槽への空け替え濾過及び戻
し濾過作業、該密封部から外部周辺への原液及び希釈冷
却水の漏流出、及び飛散に因る周辺の機器、構築物の腐
蝕、損傷、排水処理管理の負担増加、など、これらにか
かる高負荷管理は著しい生産コストの上昇を招いてい
る。
【0013】電気メッキ液、金属表面処理液の濾過器へ
の送液ポンプにおいて、回転軸密封部の損傷、破損の発
生率は高く、密封構造複雑にして取扱い及び管理は技能
を要し、且つ、高価なメカニカルシールの使用は特殊条
件下のみに採用されており、広く一般にはグランドパッ
キング式ポンプ、又は回転軸シール部の無い電磁式ポン
プが広く用いられている。
【0014】しかしながら、電磁式ポンプは、回転軸シ
ール式ポンプと比べて、モーターから回転軸への被伝達
トルクは弱く、同一揚程にして同一揚水量のポンピング
においては、電力消費量は多く、また騒音も高い。ま
た、ポンピング液質によって広く使用されている接液部
が樹脂製のポンプにあっては、材質的にスラッジに対す
る対応性が悪く、回転するインペラーと、インペラーの
前後両面壁とのクリアランスに、スラッジの滞溜蓄積に
よる摩耗、損傷、溶着の発生、更にモーターの破損及び
電気消費量の増加、等の欠点を有するも、電気メッキ、
金属表面処理事業所においては、濾過器への送液ポンプ
として耐蝕性に優れる電磁式ポンプが広く用いられてい
るが、消耗品として使用されている。
【0015】斯くして、グランドパッキングを備える回
転軸シール部については、該シール部のシール効率及び
効果の向上を図る該シール部への冷却給水を行うに、実
公昭57−43109号、実公昭60−38077号が
あるが、共に後述する課題を残している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のグランドパ
ッキングによる回転軸液封部には、任意による微量のポ
ンピング原液の漏出によって該液封部を保護し、且つ、
耐久性の向上を図るシール機構である。しかしながら、
該液封部には前記悪条件の重なるポンピング液におい
て、上記の実公2例によれば、該液封部への冷却給水に
よって該液封部の液封効率及び効果の向上を図り得ると
あるが、後述する数多い課題に関しては何らその開示は
無く、また、本発明のメカニカルシールを備える回転軸
密封部への冷却給水に関しても何らその開示はない。
【0017】すなわち、回転軸液封部への冷却給水方法
において、前記実公2例では、単に外部から外部への一
方通行による冷却給水方法に対し、本発明においての冷
却給水方法は、冷却水の循環方法であり、基本的に冷却
給水方法が異なっている。実公昭60−38077号を
図1に従って説明すると、該明細書によれば、回転軸液
封部への冷却給水量は1分間150ccとの記載がある
も、この程度の冷却給水量では、該液封部からの漏出原
液の希釈倍率は極極希薄で、ペーハー値及び含有する公
害物質数値を大きく変えて無公害水質、又は排水処理管
理を不必要とする程の希釈改善には至らない。また、高
温液にあっては、冷却給水量が少ない。
【0018】更に、冷却水室3内の冷却水は、該冷却水
室内において、回転軸液封部からの漏出原液と混合して
希釈冷却水となるも、外部からの冷却給水圧力の上昇に
よる冷却給水量の増加、又は冷却効率の向上を図る冷却
給水量の増加、加えて回転軸液封部の摩耗、弛緩による
該液封部からの漏出原液量の増加、更にこれらの合同に
よる増加、等に関しては、何らその開示が無い。
【0019】また、希釈冷却水量の増加において、冷却
水室3から流出する希釈冷却水のうち、その大半は排水
孔8から外部へ排流出するも、その残余の希釈冷却水
は、冷却水室3の大気側室壁と回転軸2の外周面との間
に符号の無い狭間隙のクリアランスから大気側にあふれ
出て、回転軸の回転遠心力により外部周辺へ希釈冷却水
の飛散となり、またその一部は回転軸を伝わり軸支部へ
の浸入ともなる重大な欠点があった。
【0020】そして、ポンプ運転の日時の経過ととも
に、絶え間無く排水孔8から外部へ排流出する希釈冷却
水量及び符号の無いクリアランスから外部周辺へ飛散す
る希釈冷却水量は積算大量となるとともに、軸受ケー
ス、軸支部、周辺の機器構築物、等の腐蝕、損傷、破損
を引き起こし、更に排水処理管理の負担増加、及び該回
転軸液封部の高管理負担、等のこれらに係る高負荷管理
は著しい生産コストの上昇を招いている。
【0021】一方、濾過器への前記液質、又は、類似液
質のポンピングにおいて、メカニカルシールを備える回
転軸密封部においては、該シールの欠点を補うに、少な
くとも該密封部を保護する冷却水室を設けての冷却給水
が一般に広く行われている。回転軸密封部への冷却給水
を図2に従って説明すると、回転軸密封部は冷却水室6
において該密封部を冷却水に浸漬し、該冷却水室の大気
側室壁と、回転軸2の外周面との間にはオイルシール7
を挿設している。
【0022】しかしながら、オイルシールは基本的には
消耗品的な要素をもち、特にスラッジ含有液に対しての
効率、耐久性には回転摺動摩耗の欠点があり、濾過器へ
の前記液質の従来技術によるポンピングの図2に従って
説明すると、回転軸密封部を浸漬する冷却水室6の大気
側室壁と回転軸外周面とのクリアランスの軸封にオイル
シール7のみにての軸封では、回転軸の回転摺動摩耗に
よる間隙10の発生は必然的な事項であり、該間隙から
外部周辺への冷却水の漏流出及び飛散となっている。
【0023】更に、間隙10からの漏出冷却水は、冷却
水室内において回転軸密封部4からの浸出原液及び該密
封部の損傷による漏出原液との混合する希釈冷却水であ
り、その一部はオイルシール7の外壁に沿って落下して
周辺に流れ出し、大半は回転する回転軸の遠心力によっ
て外部周辺に飛散し、更にその一部は回転軸を伝わり、
軸受ケース1の回転軸とオイルシール11とのシール部
に回転摺動摩耗による間隙12の発生においては、該間
隙から軸支部に浸入し該軸支部の損傷の発生となって、
回転軸の心振れ回転を引き起こし、回転軸密封部の損
傷、破損を誘発するなどの重大な欠点があった。
【0024】また、ポンプ運転の日時の経過と共に、絶
え間無く間隙10から外部へ流出及び飛散する希釈冷却
水は、積算大量となるとともに軸受ケース1、軸支部
3、周辺の機器構築物等の腐蝕、損傷、破損を引き起こ
し、更に排水処理管理の増加等、これらに係る高負荷管
理は著しい生産コストの上昇を招いている。そこで、本
発明は、ポンプの回転軸シール部に前記液質の過酷な稼
働を強いるポンピングにおいて、回転軸シール部におい
ての冷却給水を行うに際し、前記実公2例の回転軸液封
部及び回転軸密封部においての冷却給水量を著しく大幅
な増量を可能として、回転軸シール機能を著しく高め、
更に該シール部及び軸支部の長期にわたる耐久性を持続
するとともに、従来技術及び前記実公2例において発生
する回転軸シール部から外部周辺への原液の漏流出、及
び希釈冷却水の飛散の発生を解消し、これらに係る数多
い諸効果を得られる回転軸シール部への冷却水循環方法
及び装置を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的に
従い、回転軸シール部のシール効率、効果及び耐久性を
高める回転軸シール部への冷却水循環装置を各図に従っ
て詳細に説明する。図3において、少容水量小形の循環
冷却貯水槽34、少揚水量小型の循環ポンプ36を配設
し、回転軸液封部を冷却する冷却水は、循環冷却貯水槽
から循環ポンプによって吸入され、冷却給水回路となる
吸入導管37、給水導管38を経由し、冷却水室6へ給
水される。
【0026】更に流出導管9を経て、グランドパッキン
グ押さえ11の流入孔12から内設する冷却環状水溝1
3、回収環状水溝14を通って、回収回路となる冷却環
状水溝の流出孔18、回収環状水溝の流出孔19から流
出し、軸受ケース25の本体底部に形成する冷却水回収
凹み27に回収されることを特徴としている。そして、
冷却水回収凹みに回収された冷却水は、還流導管29を
通って流出口30から循環冷却貯水槽34へ還流する
が、流出口30は、該冷却貯水槽内の貯溜冷却水35の
水面上に任意の空間高さを設けて還流する還流回路を設
けたことを特徴としている。
【0027】また、図3の冷却水室6及び図7の冷却水
室54への冷却水のポンピングに際しては、該ポンピン
グ冷却水量のうち、任意の水量を循環冷却貯水槽34へ
還流して貯溜冷却水35の循環を行うに、給水導管38
に流量調節弁39を、該給水導管の分岐するバイパス管
40にはバイパス弁41を、それぞれ配設して、バイパ
ス管先端の流出口42から該冷却貯水槽への還流には、
貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さを設け該貯溜
冷却水の循環回路としたことを特徴としている。
【0028】更に、還流導管29先端から還流する冷却
水の流出口30及びバイパス管40先端から還流する貯
溜冷却水35への流出口42は、共に循環冷却貯水槽3
4へ還流する流出口であり、両流出口に代わって還流導
管29及びバイパス管40の先端に閉鎖筒体31、又は
環状筒体33の何れかを連設し、両筒体共に循環冷却貯
水槽の全幅長に応じた長さ、幅であって、図11に示す
一方の流入口を省略した閉鎖筒体、又は図13に示す環
状筒体であることを特徴としている。
【0029】また、閉鎖筒体31及び環状筒体33は共
に貯溜冷却水35の水面に向かって任意の孔径及び数の
流出孔32を穿設し、該貯溜冷却水の水面上に任意の空
間高さに配設されていることを特徴としている。流出孔
32は、該流出孔に代わる任意の数の狹切されたスリッ
トであってもよい。そして、循環冷却貯水槽34内の貯
溜冷却水35の蒸発消耗による水位の低下においては、
該冷却貯水槽内にポールタップ71を配設して、外部か
らの補給により貯溜冷却水35の水位自動復原を行うこ
とを特徴とするなど、前述冷却水の循環回路において、
各特徴を備える回転軸液封部への各冷却回路をもって、
冷却水の循環を行うことを特徴とする冷却水の循環方法
及び装置によって本発明目的は達成される。
【0030】図3において、回転軸液封部への冷却給水
を行うに際し、ポンプ本体1に螺着する冷却水ケース5
には、冷却水の冷却水室6、符号を付さないグランドパ
ッキング室を内設し、該冷却水室には流入孔7、流出孔
8を穿設し、該グランドパッキング室を貫通する回転軸
4の液封を行うグランドパッキング10及びグランドパ
ッキング押さえ11を挿設して回転軸液封部を形設す
る。
【0031】グランドパッキング押さえ11には、冷却
水室6に連通する流出導管9からの流入孔12を穿設
し、該パッキング押さえ内には冷却環状水溝13、回収
環状水溝14を連設し、該両環状水溝の溝壁と、回転軸
外周面との間には、狭間隙の21、22、23の各クリ
アランスを設け、該両環状水溝の底部には、冷却水を回
収するそれぞれの流出孔18、19を穿設していること
を特徴とする該グランドパッキング押さえ内を冷却回路
として、回転軸液封部及び回転軸の冷却を行うことを特
徴としている。
【0032】ポンプ本体に螺着して回転軸の軸支部26
を内設する軸受ケース25の本体底部に冷却水回収凹み
27を形成し、グランドパッキング押さえ11に設けた
18、19の各流出孔から流出する冷却水は、該回収凹
みに回収され、該回収凹みの底部に穿設した流出孔28
から還流導管29を通って、該還流導管先端の流出口3
0から循環冷却貯水槽34に還流する。還流に際しての
該流出口は、該冷却貯水槽内の貯溜冷却水35の水面上
に任意の空間高さを設けて還流回路としたことを特徴と
している。
【0033】冷却水室6への冷却給水量の増量に際して
は、図4に示す回収環状水溝14の大気側にオイルシー
ル16の挿設、又は、図5に示す回収環状水溝14に第
2回収環状水溝15の連設、若しくは図6に示す第2回
収環状水溝15の大気側にオイルシール17を挿設し、
第2回収環状水溝の底部には冷却水の流出孔20の穿設
等を設けて該グランドパッキング押さえ内を冷却水の冷
却及び回収回路としたことを特徴としている。そして図
5において第2回収環状水溝の大気側溝壁の内周面と回
転軸の外周面との間には狭間隙のクリアランス24を設
けている。
【0034】一方、図7のメカニカルシールを備える回
転軸密封部への冷却給水において、少容水量小形の循環
冷却貯水槽34、少揚水量小型の循環ポンプ36を配設
し、回転軸密封部及び回転軸を冷却する冷却水は、循環
冷却貯水槽から循環ポンプによって吸入され、冷却給水
回路となる吸入導管37、給水導管38を経由し、冷却
回路となる冷却水ケース53に内設する冷却水室54へ
給水される。
【0035】冷却水室54内においてポンピング冷却水
によって浸漬される回転軸密封部は、回転軸4を貫通し
てポンプ本体1に螺着する固定環嵌着フランジ45に固
定環46を、固定環には固定端面47を嵌着し、そして
回転軸を貫通し該回転軸に螺着して回転軸とともに回転
する回転環48に嵌着する回転端面49を、該回転環に
添着して固定端面に回転端面の圧接摺動回転を図る単又
は複数のスプリング50等によって構成されており、フ
ラッシング導管43、フラッシング通孔44は回転軸密
封部へ浸入しようとするスラッジを洗い流すポンピング
原液の導入回路である。
【0036】そして、冷却水ケース53に嵌挿し螺着す
る冷却水回収ケース58には冷却水の冷却回路となる冷
却環状水溝60、回収環状水溝61を内設し、冷却水室
54の流出孔56に連通する冷却環状水溝60の流入孔
59からの冷却水は、該冷却環状水溝及び回収環状水溝
に流入して、回収回路となる冷却環状水溝の流出孔64
及び回収環状水溝の流出孔65から流出し、軸受ケース
25の本体底部に形成する冷却水回収凹み27に回収さ
れるなど、冷却水の冷却回路及び回収回路を設けたこと
を特徴としている冷却水回収凹みに回収された冷却水
は、還流導管29を通って流出口30から循環冷却貯水
槽34へ還流するが、流出口30は、該冷却貯水槽内の
貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さを設けて循環
冷却貯水槽へ還流する還流回路を設けたことを特徴とし
ている。
【0037】冷却水室54への冷却給水量の増量に際し
ては、図8に示す冷却水回収ケース58に内設する回収
環状水溝61の大気側にオイルシール62の挿設、又は
図9に示す回収環状水溝61に第2回収環状水溝63の
連設、若しくは図10に示す第2回収環状水溝63の大
気側にオイルシール67を挿設、そして第2回収環状水
溝の底部には冷却水の流出孔66を穿設して、該冷却水
ケース53内を冷却回路及び回収回路としたことを特徴
としている。また、図9において第2回収環状水溝63
の大気側溝壁の内周面と回転軸の外周面との狭間隙には
クリアランス70を設けている。
【0038】回転軸密封部への冷却水の循環には、図7
に示す循環冷却貯水槽34及び循環ポンプ36を配設
し、冷却水室54へのポンピング冷却水は、各回路を経
由して還流導管29の流出口30及び循環ポンプのポン
ピングによるバイパス管40の流出口42の両流出口か
ら、該冷却貯水槽への還流方法及び装置に関しては、図
3においてのポンピング冷却水の冷却水室6から各回路
を経由して流出口30及び循環ポンプのポンピングによ
るバイパス管40の流出口42の両流出口から該冷却貯
水槽への還流方法及び装置とは全く同一であり、よって
図7についての説明は省略し、前述図3についての説明
を参照されたい。
【0039】斯くして、前述冷却水の循環回路におい
て、各特徴を備える回転軸密封部への各回路をもって、
冷却水の循環を行うことを特徴とする冷却水の循環方法
及び装置よって本発明目的は達成される。
【0040】
【作用】図3において、本発明の特徴とする回転軸液封
部への冷却給水量の著しい増量を可能とするグランドパ
ッキング押さえ11に内設する冷却環状水溝13に回収
環状水溝14の連設によって増量された冷却水は、該冷
却環状水溝に流入し、該両水溝の溝壁は流入冷却水の著
しく有効な遮止壁となって流入冷却水のほとんどが、該
冷却環状水溝の流出孔18から流出し、残余のわずかな
冷却水はクリアランス22から回収環状水溝14に流入
し、回収されて回収全量が該回収環状水溝の流出孔19
から流出して、クリアランス23から外部周辺への漏流
出及び飛散の発生はない。
【0041】冷却給水量の著しい増量において、クリア
ランス23に代わる本発明の特徴とする図4に示す回収
環状水溝14の大気側にオイルシール16を挿設して、
外部大気側への冷却水の漏流出は無くなる。しかしなが
らオイルシールのリップは回転軸の回転摺動による摩耗
発生の欠点もあるが、その摩耗による間隙度合いは各ク
リアランスの狭間隙よりもはるかに狭く、該オイルシー
ルのリップシール部から外部大気側へ冷却水の漏流出を
著しく抑制し、防止して、該オイルシールのリップシー
ル部から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛散の発生は
ない。
【0042】更に、冷却給水量の著しい増量において、
増量された冷却水は本発明の特徴とする図5に示す回収
環状水溝14に第2回収環状水溝15の連設によって、
該冷却水の大半以上のほとんどが冷却環状水溝13の流
出孔18から流出し、残余はクリアランス22から回収
環状水溝に流入し、また、そのほとんどが該溝の流出孔
19から流出して、更にクリアランス23からの残余の
わずかな冷却水は、第2回収環状水溝に回収され、回収
全量が該第2回収環状水溝の流出孔20から流出し、ク
リアランス24から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛
散の発生はない。
【0043】また、更に冷却給水量の著しい増量におい
ては、本発明の特徴とする図5に示す第2環状水溝のク
リアランス24に代わって、本発明の特徴とする図6に
示す第2回収環状水溝15の大気側にオイルシール17
を挿設して、該オイルシール17は、図4に示すオイル
シール16の前述作用と同様にして、該オイルシールの
リップシール部から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛
散の発生はない。
【0044】本発明によって回転軸液封部への冷却給水
量を著しく増量を可能としたことは、冷却水の熱交換流
量の増量となって冷却効率の向上、また、グランドパッ
キング押さえ11に内設する冷却環状水溝13のクリア
ランス21から、回転軸液封部への浸入冷却水量の増量
となって該液封部の強締現象を著しく軽減し抑制する。
【0045】更に回収環状水溝14及び第2回収環状水
溝15を設け、各流出19、20の増加も加わっての冷
却給水量の増量を可能としたことは、冷却水の回転軸に
対する熱交換面積の増加となるなど、これらは回転軸液
封部及び軸支部の回転摺動発熱、原液温度等の回転軸へ
の伝導熱を吸収し、該両部の摩耗損傷を著しく軽減し抑
制して長期にわたる耐久性を持続することができる。
【0046】回転軸液封部を冷却する循環冷却水は、循
環冷却水の循環回路となる冷却水室6と一体となってい
る冷却水ケース5、各環状水溝を内設するグランドパッ
キング押さえ11、軸受ケース25、該軸受ケース本体
の底部に形成された冷却水回収凹み27、等は有効な熱
交換面積を持つ熱交換体であって、冷却水は、循環回路
の途中において熱交換によって温度の上昇した循環冷却
水温度を大気中への放熱冷却によって冷却される。
【0047】そして、グランドパッキング押さえ11の
各環状水溝の流出孔18、19及び20から流出する循
環冷却水は、還流回路となる冷却水回収凹み27内に落
下回収に際し、大気に触れ、大気による被放熱作用及び
該回収凹みに回収されて該回収凹みの熱交換による被冷
却作用により冷却されて還流導管29を経由して循環冷
却貯水槽へ落下還流する。
【0048】循環冷却貯水槽へ循環冷却水の還流には、
還流導管先端の流出口30及び該流出孔に代わる閉鎖筒
体31、又は環状筒体33の両筒体の流出孔32等は共
に貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さに設けてあ
り、該貯溜冷却水内に落下還流に際しては、大気に触
れ、大気を巻き込んでの被冷却と共に該貯溜冷却水内へ
還流して熱拡散によって冷却される。
【0049】更に、本発明の特徴とする循環冷却貯水槽
内の水温の上昇した貯溜冷却水の冷却には、循環ポンプ
36のポンピングによるバイパス管40を経由して循環
冷却貯水槽34への還流に際し、バイパス管先端の流出
口42、又は該洗出口に代わって図11に示す閉鎖筒体
31、若しくは図13に示す環状筒体33の両筒体の流
出孔32等は共に貯溜冷却水35の水面上に任意の空間
高さを設けてあり、該貯溜冷却水内への還流にはポンピ
ングによる流速を伴い、大気に触れ、大気を巻き込んで
該冷却貯水槽内の貯溜冷却水内は、あたかもエアーレイ
ションの様相を呈し、大気中への気泡の還気に際しての
熱吸収及び蒸発による被冷却によって貯溜冷却水は冷却
される。
【0050】斯くして、回転軸液封部及び回転軸を冷却
して熱交換によって温度の上昇した循環冷却水は、ポン
ピングによる循環途中において順次冷却され、再び冷却
水としての循環を繰り返すことができることを特徴とし
ている。一方、回転軸密封部及び回転軸への従来技術に
よる冷却給水において、図2に示すオイルシール7のリ
ップシール部が回転軸の回転摺動摩耗によって間隙10
の発生は、該間隙から外部周辺への冷却水の漏流出及び
飛散となるが、本発明の図7に示す冷却水ケース53に
挿設するオイシール57のリップシール部が、回転軸の
回転摺動摩耗による間隙の発生においての該間隙から漏
流出する冷却水は、該冷却ケースに連設する冷却水回収
ケース58内の冷却環状水溝60に回収されて、該漏流
出の発生を問題とすることなく、また、該オイルシール
は消耗品とするには当たらない。
【0051】図7に示す本発明の回転軸密封部への冷却
給水において、冷却水ケース53に連設する冷却水回収
ケース58内に設けた冷却環状水溝60及び回収環状水
溝61の両溝壁は有効な遮止壁となって、冷却水室54
から冷却環状水溝60に流入した冷却水は再び回転軸を
冷却した後、そのほとんどが該冷却環状水溝の流出口6
4から流出し、残余のわずかな該冷却水は、クリアラン
ス68から回収環状水溝61に流入し、回収されて回収
全量が該回収環状水溝の流出孔65から流出して、クリ
アランス69から外部周辺への漏流出及び飛散の発生は
ない。
【0052】図8に示す本発明による冷却給水量の増量
において、図7に示すクリアランス69に代わって回収
環状水溝61の大気側にオイルシール62を挿設して、
外部大気側への冷却水の漏流出の発生はない。しかしな
がら、オイルシールのリップは回転軸の回転摺動による
摩耗発生の欠点もあるが、その摩耗による間隙度合いは
各クリアランスの狭間隙よりもはるかに狭く、該オイル
シールのリップシール部から外部大気側への漏流出を著
しく抑制し、防止すると共に、図7の前述作用の経緯を
経て回収環状水溝61に回収する残余のわずかな回収冷
却水を該回収環状水溝の流出孔65から流出して冷却水
室54への冷却給水量の増量を可能とし、該オイルシー
ルのリップシール部から外部周辺への漏流出及び飛散の
発生はない。
【0053】図9に示す本発明の、更に冷却給水量の増
量において、回収環状水溝61に第2回収環状水溝63
の連設により、図7の前述作用の経緯を経て第2回収環
状水溝63に流入した残余のわずかな回収冷却水を、該
第2回収環状水溝の流出孔66から流出してクリアラン
ス70から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛散の発生
はない。
【0054】また、更に冷却給水量の著しい増量におい
ては、図9に示すクリアランス70に代わって、本発明
の特徴とする図10に示す第2回収環状水溝63の大気
側にオイルシール67を挿設して、図9の経緯をたど
り、更にオイルシール67は図8に示すオイルシール6
2の前述作用と同様にして、該オイルシールのリップシ
ール部から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛散の発生
はない。
【0055】本発明によって、回転軸密封部への冷却給
水量を著しく増量を可能としたことは、冷却水の熱交換
流量の増量となり、一方、冷却水ケース53に内設する
冷却水室54内においては、回転軸と共に回転する回転
環48の凹凸部及びスプリング50によって該冷却水室
の冷却水を攪拌状態とし、密封回転摺動面から浸出する
密封形成膜の蓄積によるスラッジの発生を防止すると共
に回転軸密封部の外周側を洗い流して後に、該冷却水ケ
ースに連設する冷却水回収ケース58に内設する冷却環
状水溝60に冷却給水される。
【0056】そして、冷却水回収ケース58に内設する
冷却環状水溝60、回収環状水溝61及び第2回収環状
水溝63内の回転軸は、冷却水の回転軸に対する熱交換
面積の増加となり、回転軸密封部及び軸支部の回転摺動
発熱、原液温度等の伝導熱を吸収し該両部の摩耗、損傷
を著しく軽減し抑制して長期にわたる耐久性を持続せし
めることができしめることができる。
【0057】一方、回転軸密封部にあっての循環冷却水
は回転軸液封と同様に、冷却回路の循環を重ねる程に冷
却水温は上昇するものであり、その循環冷却水の冷却を
行うに、冷却回路及び回収回路となる冷却水ケース5
3、冷却水回収ケース58、軸受ケース25等を熱交換
体としての被冷却を行い、冷却を終えた冷却水は、還流
回路となる冷却水回収凹み27へ落下回収に際し、大気
に触れ、大気及び該回収凹みの熱交換によって冷却され
る。そして、循環冷却水の該回収凹みから還流導管29
先端の流出口30又は該流出口に代わる閉鎖筒体31、
若しくは環状筒体33の各流出孔32から循環冷却貯水
槽34へ落下還流する還流冷却水は、循環ポンプ36に
よる貯溜冷却水35のポンピング水量のうち、バイパス
管先端の流出口42又は該流出口に代わる閉鎖筒体3
1、若しくは環状筒体33の各流出孔32から該冷却貯
水槽へ流速を伴い落下還流に際して大気に触れ、大気を
巻き込み冷却される。
【0058】更に、還流導管先端の流出口30からの還
流冷却水は貯溜冷却水内に落下流入し、該貯溜冷却水に
混ざり合っての熱拡散による被冷却と共に、ポンピング
によるバイパス管先端の洗出口42から流速を伴い還流
する貯溜冷却水は、循環冷却貯水槽内の該貯溜冷却水を
攪拌状態とし、巻き込んだ大気は気泡となって、該貯溜
冷却水の水面から大気中への還気に際しての熱吸収及び
蒸発による著しい冷却作用により冷却される。
【0059】また、還流導管先端の流出口30及びバイ
パス管先端の流出口42に代わる閉鎖筒体及び環状筒体
にあっての流出孔32に代わる任意の狭切幅にして長さ
及び数のスリットであっても循環冷却水を冷却する作用
は前述の両流出口と同様であり、循環冷却水は循環途中
の回収回路、還流回路、そして循環冷却貯水槽内の貯溜
冷却水の循環も加わり順次冷却されて回転軸シール部へ
の冷却作用を減ずることなく循環を継続し得るものであ
る。
【0060】
【実施例】本発明において、回転軸シール部への冷却給
水量の著しい増量を可能としたことによって、該回転軸
シール部及び軸支部の冷却効率及び効果の著しい向上
は、従来の回転軸シール部からの漏出原液量を著しく減
量して、浸出液となった該浸出量を、更に著しく抑制
し、防止するものである。
【0061】そして、回転軸シール部からの極微量の浸
出原液は、図3の冷却環状水溝13及び図7の冷却環状
水溝60内において、従来より更に著しく薄い希釈冷却
水となっているものであるが、前述の冷却水の循環説明
には、ただ単に冷却水として説明しており、日時の経過
と共に循環を繰り返す貯溜冷却水35は、回転軸シール
部から極微量とは言え浸出原液の蓄積による濃度の上昇
を伴うものであり、ゆえに該貯溜冷却水の更新は、水道
水の新冷却水による2ケ月の経過後にも行うも、まだ余
裕があった。
【0062】以下、図1及び図3の試験比較に従って説
明する。図1のグランドパッキング押さえ1aに内設す
る冷却水室3の水室容積量と、図3のグランドパッキン
グ押さえ11に内設する冷却環状水溝13の水溝容積量
とは同等として、該冷却環状水溝に連設する回収環状水
溝14の水溝容積量は冷却環状水溝の4分の1である。
【0063】また、図1の冷却水室3の大気側室壁と、
回転軸2の外周面とのクリアランス(以後クリアランス
Qと呼称する)と、図3の冷却環状水溝のクリアランス
22及び回収環状水溝のクリアランス23とは図1のク
リアランスQと同一間隙寸法のクリアランスにおいての
試験比較は次表のとおりであった。電気メッキのニッケ
ル液濾過用ポンプの回転軸液封部への冷却給水テスト。
【0064】テスト要領 1 図1と図3とにおける試験比較表 2 冷却給水方法 図1においては、冷却給水そして排流出の一方通行によ
る給水方法 図2においては、循環冷却貯水槽からポンピングによる
冷却給水の循環方法 3.テスト項目 A 室内温度 B ニッケル液の液温度及びpH C 冷却給水の水温及びpH D 冷却給水量 図1において、バルブ調節による水道水の給水 図2において、電磁ポンプ100V、3ワット 10リ
ットル/分を使用 E グランドパッキング押さえに内設する冷却水室及び
冷却環状水溝の流出孔から流出する冷却水(希釈冷却
水)の水温及びpH 図1において、流出孔3から流出する冷却水の水温及び
pH 図3において、流出孔18及び19から流出する冷却水
の水温及びpH F グランドパッキング押さえへの大気側クリアランス
から外部周辺への漏流出及び飛散する冷却水(希釈冷却
水)発生の限界冷却給水量 図1において、クリアランスQから漏流出及び飛散発生
の限界冷却給水量 図3において、クリアランス23から漏流出及び飛散発
生の限界冷却給水量 G 循環冷却貯水槽34内の貯溜冷却水35の水温及び
pHは2カ月経過後の値である。
【0065】H 貯溜冷却水35の貯水量及び更新入れ
替え周期 I 貯溜冷却水の蒸発による2ケ月間においての補給冷
却水量 J 年間消費冷却水量及び排水処理量 図1においては、 180cc×60分×10hr/日× 295日=1年間消
費量=排水処理量 図3においては、 35リットル+12リットル=1年間消費量=排水処理量
【0066】
【表1】 注1 図1のE項において、回転軸液部の管理不良の場
合のpH値は上記よりも降下するものである。 注2 図3の上記各項目は、2ケ月間の循環冷却を行
い、貯溜冷却水の更新前の冷却水による試験成績であ
る。
【0067】上記試験比較表により、本発明の回転軸液
封部への冷却給水量の著しい増量を可能とした図3の各
項目は、図1に比べて著しく優れていることを示すもの
である。また、図5、図6の第2回収環状溝の連設にお
いては、更に冷却給水量の増量を図ることが出来得るも
のである。一方、図7に示す回転軸密封部において、本
発明の冷却水回収ケース58を設け、更に冷却水の循環
回路となる冷却給水回路、冷却回路、回収回路、還流回
路、そして循環冷却貯水槽内において貯溜冷却水の循環
回路によって、該密封部への循環冷却給水量の増量を可
能としたことは、前述の作用と共に前記回転軸液封部の
各テスト項目の図3とほぼ同じ経緯によって前表図3と
同様の優れた該密封部、軸支部の冷却効率、効果を奏す
るものである。
【0068】
【発明の効果】本発明の図3のグランドパッキング押さ
え内に冷却環状水溝13、回収環状水溝14、更に図5
の第2環状水溝15の連設、及び図7の冷却水回収ケー
ス58、更に図9の第2回収環状水溝63を設けたこと
による冷却給水量の著しい増量を可能として、熱交換効
率の著しい向上及び熱交換によって温度の上昇した循環
冷却水を、その循環回路の過程において、大気中への放
熱及び蒸発による冷却作用によって貯溜冷却水温度を作
業室内温度まで冷却し、冷却水の冷却効率の持続等を可
能としたことは、回転軸シール部、軸支部の摩耗、弛
緩、損傷を著しく軽減し、抑制、防止して、該両部の長
期にわたる耐久性を持続し得るものである。
【0069】また、図3乃至図6のグランドパッキング
押さえ及び図7乃至図10の冷却水回収ケース、そして
冷却水回収凹み27を設けたことによって、循環冷却給
水量の大幅な増量にかかわらず、図1に符号を付けない
冷却水室3のクリアランスQから外部周辺へ希釈冷却水
の漏流出及び飛散の発生は、本発明においては無く、従
来に見られた周辺の機器、装置、構築物等の腐蝕による
損傷、破損の発生もない。
【0070】前述の数多い特徴を有する本発明は、前述
の引例の電気メッキ液、金属表面処理液、その他の濾過
器へのポンピングにおいて、回転軸シール部の摩耗、損
傷、弛緩による該シール部から大気の吸入及び希釈冷却
水の外部周辺への漏流出、飛散を著しく抑制し、防止し
て、更に該シール部から大気の吸入による濾過器への送
液量低下の防止と共に、濾過器内を吸入大気によって攪
拌状態とし、濾過助剤のプレコート層、除去スラッジ層
の剥離脱落による濾過精度、濾過量の低下による不良生
産品の発生を防止して生産品質の著しい向上を図り得る
ものである。
【0071】そして、冷却水の循環には、少容水量小形
の循環冷却貯水槽、少揚水量小型の循環ポンプの配設に
てこと足りて、循環冷却水の消費量は少量で済み、更に
該貯水槽内に貯溜する貯溜冷却水の冷却には、熱交換
器、該熱交換器専用ポンプ、その他の機器、装置を必要
とせず、図1及び図2における一方通行による積算大量
となる消費冷却水量及び該冷却水量の排水処理負担を激
減し得るものである。
【0072】本発明に係る効果は単に循環冷却水による
回転軸シール部及び軸支部の冷却に止まらず、生産品質
の良否、濾過器、濾過器への送液ポンプ、周辺機器、装
置及び構築物、排水処理管理、生産作業及び生産管理全
般に及び、更に薬品、水資源、その他の省資源、省エネ
ルギー、省力合理化に関連する高付加価値受益を得て、
大幅な生産コストの引き下げを図り得るものであり、そ
のために本発明は複雑化したり、装置コストが大幅に上
昇することも無く、前述の優れた効果を奏するポンプ回
転軸シール部への冷却水循環方法及び装置を提供するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の一部を省略した断面図である。
【図2】他の従来例の一部を省略した断面図である。
【図3】本発明の一実施例の断面図である。
【図4】図3に示す実施例におけるグランドパッキング
押さえの断面図である。
【図5】グランドパッキング押さえの他の例の断面図で
ある。
【図6】グランドパッキング押さえの更に他の例の断面
図である。
【図7】本発明の他の実施例の一部を省略した断面図で
ある。
【図8】図7に示す実施例の冷却水回収ケースの断面図
である。
【図9】冷却水回収ケースの他の例の断面図である。
【図10】冷却水回収ケースの更に他の例の断面図であ
る。
【図11】本発明の図3及び図7に示す循環冷却水の流
出孔を有し、且つ、一方が開口されている閉鎖筒体例の
側面図である。
【図12】図11の閉鎖筒体の断面図である。
【図13】閉鎖筒体の他の例の側面図である。
【図14】図13の閉鎖筒体の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体 2 インペラー 3 バランス孔 4 回転軸 5 冷却水ケース 6 冷却水室 7 流入孔 8 流出孔 9 流出導管 10 グランドパッキング 11 グランドパッキング押さえ 12 流入孔 13 冷却環状水溝 14 回収環状水溝 15 第2回収環状水溝 16 オイルシール 17 オイルシール 18 流出孔 19 流出孔 20 流出孔 21 クリアランス 22 クリアランス 23 クリアランス 24 クリアランス 25 軸受ケース 26 軸支部 27 冷却水回収凹み 28 流出孔 29 還流導管 30 流出口 31 閉鎖筒体 32 流出孔 33 環状筒体 34 循環冷却貯水槽 35 貯溜冷却水 36 循環ポンプ 37 吸入導管 38 給水導管 39 流量調整弁 40 バイパス管 41 バイパス弁 42 流出口 43 フラッシング導管 44 フラッシング通孔 45 固定環嵌着フランジ 46 固定環 47 固定端面 48 回転環 49 回転端面 50 スプリング 51 シールリング 52 クリアランス 53 冷却水ケース 54 冷却水室 55 流入孔 56 流出孔 57 オイルシール 58 冷却水回収ケース 59 流入孔 60 冷却環状水溝 61 回収環状水溝 62 オイルシール 63 第2回収環状水溝 64 流出孔 65 流出孔 66 流出孔 67 オイルシール 68 クリアランス 69 クリアランス 70 クリアランス 71 ポールタップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ポンプの回転軸シール部への冷却水
供給循環装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液質が高温性であった
り、高腐蝕性であったり、シアン系物質その他の公害物
質や多岐多様のスラッジ等を含有するなどの常温から高
温に至る液体であって、中性液体はもとより、低ペーハ
ー値から高ペーハー値に至る広範囲の液体のポンピング
において使用するポンプの回転軸シール部への冷却水供
給循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の送液用ポンプには、回転
軸シール部に、グランドパッキングやメカニカルシール
を備えた遠心ポンプが広く一般に用いられている。しか
しながら、一般的な従来遠心ポンプを例えば加圧式濾過
器への送液ポンプとして用いると、ポンプ回転軸シール
部の著しいシール機能の劣化等、多くの問題を招くこと
が知られている。
【0003】ここで、濾過器へのポンピング液が回転軸
シール機能の著しい劣化を招く電気メッキ液、金属表面
処理液等である場合を例にとって説明する。 なお、本明
細書においては、ポンプ回転軸のシール部のうち、グラ
ンドパッキングによるシール部を「回転軸液封部」と称
し、メカニカルシールによるシール部を「回転軸密封
部」と称し、前両者を「回転軸シール部」と総称するこ
とがある。また、ポンプ回転軸の軸受ケースに内設する
ベアリング及び(又は)軸受メタルによる回転軸の軸受
部を「軸支部」と称することがある。
【0004】さて、回転軸シール部を有する遠心ポンプ
において、高温性、高腐蝕性で、且つ、金属片、金属
粒、金属粉、水酸化金属、その他無機、有機の不純物等
の多岐多様のスラッジを含有する金属メッキ液や金属表
面処理液等のポンピングにおいては、前記スラッジの
他、回転軸シール部及び軸支部へのポンピング液からの
熱伝導、回転軸シール部の圧接摺動回転による摺動発熱
及び軸支部の回転摺動による発熱によって加速される回
転軸シール部及び軸支部の摩耗に起因する回転軸の心振
れがみられ、これらが相剰して回転軸シール部に間隙の
発生を引き起こし、回転軸シール部のシール機能を劣化
させる。
【0005】すなわち、金属表面処理液、電気メッキ液
等の加圧式濾過においては、濾過器へのポンピング液
が、ペーハー値が1以下から13以上に及ぶ高腐蝕性液
であることに加えて、温度が常温から80℃以上に及
び、高濃度イオン化金属、シアン系その他の公害物質、
高濃度添加薬品、多岐多様のスラッジ等を含有する液で
あり、特にそれらのポンピングにおいては、遠心ポンプ
の一般的な設定揚程に対する設定揚水量のポンピングと
は異なり、回転軸シール部が、濾過器内濾床の捕捉スラ
ッジ量の多少に応じて、負圧力域から正圧力域にわたる
全圧力域において反復使用される過酷な条件を課せられ
ており、更に該回転軸シール部は、軸支部の摩耗、損傷
と大きく係わり合って、該回転軸シール部の摩耗、弛
緩、損傷の発生を繰り返す。なお、前記負圧力条件は濾
過器内の捕捉スラッジ量が未だ少なく、液が濾床を比較
的円滑に通過できる状態下で生じ、正圧力条件は捕捉ス
ラッジ量が多くなって液が濾床を通過しにくくなり、ポ
ンピング液圧が上昇する状態で発生してくる。
【0006】濾過器への前記液体のポンピングにおい
て、回転軸シール部の摩耗、弛緩、損傷が発生すると、
該シール部が負、正両圧力域のいずれにおかれるとき
も、該回転軸シール部及び軸支部の調整、補修等の管理
負担が増加することは勿論のこと、不良生産品を誘発す
ることとなり、該不良品誘発に伴う生産作業を中断して
の処理液の建浴及び液組織の調整、復元のための液槽内
処理液の別槽への明け替え及び濾過を伴う液戻し作業が
必要となり、また、回転軸シール部から外部周辺への原
液及び希釈冷却水の漏流出及び飛散、排水処理管理の負
担増加などが生じ、そのため、目的とする物品の生産コ
ストの著しい上昇を招いている。
【0007】更に説明すると、遠心ポンプによる濾過器
への前記液体のポンピングにおいて、グランドパッキン
グを備えるポンプの回転軸液封部が濾過器内の捕捉スラ
ッジ量の少ない負圧力域におかれ、そのとき該液封部に
摩耗間隙が発生していると、負圧力によって該摩耗間隙
から大気が吸入され、被吸引大気は気泡となってポンピ
ング液中に混ざり合って濾過器へ送り込まれ、その結
果、著しいポンピング液量の低下とともに、濾過量、濾
過精度の著しい低下が発生し、金属表面処理液、電気メ
ッキ液等により処理される物品が不良品となってしま
う。
【0008】また、グランドパッキングを備える回転軸
液封部が、濾過器内の捕捉スラッジ量の積増に伴う正圧
力域におかれ、そのとき該液封部に摩耗間隙が発生して
いると、該液封部から外部大気側へポンピング原液が漏
出して公害発生及び高負荷管理が要求される排水処理管
理の増加の原因となり、更に、漏出原液のうち、その大
半は回転軸を伝わり回転軸の回転遠心力によって外部周
辺へ飛散し、漏流出原液と共に周辺の機器、構築物等の
腐蝕、損傷、破損を誘発する。
【0009】一方、メカニカルシールを備える回転軸密
封部は、通常、ポンピング液質に応じて選択、採用され
る多岐多様の高価な多種部品から構成されており、一つ
の密封構造型式によって前記多種多様の液質に幅広く共
通し対応使用できるものではない。すなわち、回転軸密
封部の密封構造仕様の型式、部品材質等の選定に当たっ
ては、ポンピング液質に適応する型式、部品材質等の選
定が必須条件であり、特に該回転軸密封部が著しく嫌う
スラッジ含有液に対しての該密封構造は注意深く選定さ
れなければならない。そして、このようにポンピング液
質に対応させて密封構造を選定することは高価につき、
それでいて、なお次のような問題が残る。
【0010】すなわち、回転軸密封部は、密封回転摺動
面、すなわちメカニカルシールを構成する固定環の端面
と、これに圧接密封状態で回される回転環の端面の両端
面からなる密封回転摺動面と、該密封回転摺動面にポン
ピング原液によって形成される密封形成膜とにより密封
を行うものである。ポンピング原液による該密封形成膜
は、密封効果を発揮するとともに、密封回転摺動面にお
ける回転摺動発熱及び回転摺動摩耗を抑制し、該回転摺
動面を保護するが、該回転摺動面内周側に加わるポンピ
ング正圧力及び前記回転環端面の回転により密封形成膜
に加わる回転遠心力等による該回転摺動面外周側への密
封形成膜の微量の一部滲出までも、その機構上、これを
完全に阻止し、回避することは出来ない。
【0011】また、電気メッキ液、金属表面処理液の濾
過器へのポンピングにおいて、そのポンピング原液は、
メカニカルシールによるポンプ回転軸シール部(回転軸
密封部)にとって、前記の通り著しく苛酷な仕様条件を
強いる液質であり、該回転軸密封部が最も嫌う多岐多用
のスラッジ含有液である。そのため、濾過助剤となる微
粉状珪藻土、活性炭の通常のプレコート濾過作業におけ
る添加ポンピング及び液槽明け替え濾過作業における該
濾過助剤、固形スラッジを含む各質スラッジ等のボディ
エイド濾過を常時行う必要があり、従って、かかる処理
液については、メカニカルシールよるポンプ回転軸シー
ル部は、一般には普及していない。
【0012】メカニカルシールによる回転軸密封部から
ポンピング原液が漏出する最大原因は、密封形成膜の破
壊によるものであり、該破壊は、密封回転摺動面へのポ
ンピング圧力及び回転環用スプリング圧力の均衡欠如に
伴う該回転摺動面の弛緩、摩耗、心振れ回転によるもの
である。そして、密封形成膜の破壊は、その密封回転摺
動面の損傷、破損につながる重大な問題である。
【0013】更に、回転軸を伝わり回転軸密封部に及ぶ
原液からの伝導熱は、該密封部の圧接摺動回転の摺動発
熱を助勢し、密封形成膜の破壊を早めることになる。ま
た、回転軸の軸支部に及ぶ原液からの伝導熱は、軸支部
の回転摺動発熱を助勢し、該軸支部の回転摺動摩耗を促
進して回転軸の心振れ回転を誘発し、延いては回転軸に
軸着されているメカニカルシール回転環の心振れ回転と
なり、固定環との円滑な圧接摺動回転を妨げて密封形成
膜の破壊をもたらすという重大な問題がある。
【0014】以上説明したような問題を解決する手段と
して、グランドパッキングを備える回転軸シール部につ
いては実公昭57−43109号公報及び実公昭60−
38077号公報がスラッジ含有液用ポンプにおける工
夫された回転軸液封部を教えている。すなわち、図13
に示すように、遠心ポンプの回転軸2Aに対し設けた回
転軸液封部1Aにおけるグランドパッキング1bの押さ
え1aの内周部に回転軸2Aを囲繞する冷却水室3Aを
設け、この冷却水室3Aに外部から、給水管7A、ポン
プケーシング4Aの冷却水室5A及び導管6Aを経て冷
却水を流し、冷却水室排水孔8Aから流出させるもの
で、該冷却水によりポンプ回転軸2A及び回転軸液封部
1Aを直接冷却して該液封部へのポンピング液からの熱
伝導及び該液封部における回転摺動発熱を抑制し、ま
た、回転軸液封部が負圧力域におかれるときには、ポン
プ回転軸外周に沿ってグランドパッキングとの間に侵入
する冷却水が大気の吸込みを防止し、潤滑水としても作
用し、回転軸液封部が正圧力域におかれるときには、ス
ラッジ含有液が回転軸液封部から漏出してくるようなこ
とがあると、これを希釈する。
【0015】一方、メカニカルシールを備える回転軸密
封部を採用するときは、該密封部によるシールの前記欠
点を補うために、少なくとも該密封部を保護する冷却水
室を設け、これに冷却水を供給することが一般に採用さ
れている。これを図14を参照して説明する。図14に
おいて1Bは軸受けケース、2Bはポンプ回転軸、3B
は軸支部、4Bは回転軸密封部、5Bは冷却水ケース、
6Bは冷却水室、7B、11Bはオイルシール、8Bは
給水導管、9Bは流出導管、10B、12Bは摩耗間隙
部である。回転軸密封部4Bは冷却水室6Bにおいて冷
却水に浸漬され、該冷却水室の大気側室壁と、回転軸2
Bの外周面との間には前記オイルシール7Bが挿設され
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に開示されたグランドパッキングによる回転軸液封部
によると、前述した悪条件の重なる液体のポンピングに
おいて該液封部への冷却水供給によって該液封部の液封
効率及び効果の向上を図り得るとあるが、後述する数多
い課題に関しては何らその開示は無く、また、後述する
本発明のメカニカルシールを備える回転軸密封部への冷
却水供給循環に関しても何らその開示はない。
【0017】先ず、実公昭57−43109号公報記載
の回転軸液封部によると、回転軸液封部への冷却水量例
として1分間150ccが挙げられているだけであり、
実公昭60−38077号公報には冷却水供給量につい
て何も教えるところがない。すなわち、冷却水室3A内
の冷却水は該冷却水室内において回転軸液封部からの漏
出原液と混合して希釈冷却水となるのであるが、前記い
ずれの公報も、外部からの冷却水供給圧力の上昇による
冷却水供給量の増加、冷却効果の向上を図るための冷却
水供給量の増加、回転軸液封部の摩耗、弛緩による該液
封部からの漏出原液量の増加、更にこれらに伴う希釈冷
却水の増加の影響に関しては、何ら教えるところがな
い。
【0018】特に、希釈冷却水量が増加すると、冷却水
室3Aから流出する希釈冷却水のうち、その大半は排水
孔8Aから外部へ流出するが、その残余の希釈冷却水
は、冷却水室3Aの大気側室壁と回転軸2Aの外周面と
の間の狭間隙のクリアランスQから大気側に溢れ出て、
回転軸の回転遠心力により外部周辺へ飛散したり、ま
た、溢れ出た希釈冷却水の一部が回転軸を伝わり軸支部
へ侵入するという重大な欠点がある。
【0019】また、ポンプ運転の日時の経過とともに、
絶え間無く排水孔8Aから外部へ流出する希釈冷却水及
び前記クリアランスQから外部周辺へ飛散する希釈冷却
水の積算量が多くなるにつれ、軸受ケース、軸支部、周
辺の機器、構築物等の腐蝕、損傷、破損が誘発されるこ
と等について何等教えるところがない。更にこれらに係
る排水処理管理の負担増加及び該回転軸液封部の高管理
負担等の高負荷管理のために目的とする物品の著しい生
産コストの上昇を招くことになる。
【0020】また、図14に示すメカニカルシールによ
る回転軸密封部4Bにおいては、オイルシール7B、1
1Bは基本的には消耗品的な要素をもち、特にオイルシ
ール7Bは、スラッジ含有液に対する耐久性に関して、
回転摺動による摩耗の欠点がある。さらに説明すると、
回転軸密封部4Bを浸漬する冷却水室6Bの大気側室壁
と回転軸2B外周面とのクリアランスの軸封がオイルシ
ール7Bのみにて行われているので、回転軸2Bの回転
摺動による摩耗にて摩耗間隙部10Bが必然的に発生す
る。
【0021】そして、回転軸密封部4Bが摩耗損傷する
と該密封部から原液が冷却水室6B内へ漏出し、そこの
冷却水と混合され、希釈冷却水が発生し、この希釈冷却
水は、前記摩耗間隙部10Bが発生していると該間隙部
から外部大気側へ漏出し、その一部はオイルシール7B
の外側を伝って落下して周辺に流れ出し、大半は回転す
る回転軸2Bの遠心力によって外部周辺に飛散し、周辺
の機器、構築物等の腐蝕、損傷、破損を招く。更に、前
述のように間隙部10Bから漏出した希釈冷却水の一部
が回転軸2Bを伝って軸受ケース1Bにおける回転軸2
Bとオイルシール11Bとによるシール部に至り、そこ
で回転摺動による摩耗間隙部12Bが発生していると、
該間隙部から軸支部3Bに侵入し、該軸支部の損傷を招
き、延いては回転軸2Bの心振れ回転を引き起こし、回
転軸密封部4Bの損傷、破損を誘発するなどの重大な欠
点がある。
【0022】また、ポンプ運転の日時の経過と共に、絶
え間無く摩耗間隙部10Bから外部へ流出及び飛散する
希釈冷却水の積算量が多くなり、次第に軸受ケース1
B、軸支部3B、周辺の機器、構築物等の腐蝕、損傷、
破損を引き起こし、更にこれらに係る排水処理管理の負
担増加及び該回転軸密封部の高管理負担等の高負荷管理
のために目的とする物品の著しい生産コストの上昇を招
くことになる。
【0023】そこで、本発明は、電気メッキ液、金属表
面処理液等の悪条件下の液体を加圧式濾過器等へポンピ
ングするポンプの回転軸シール部への冷却水供給循環装
置であって、回転軸シール部及び軸支部のポンピング液
からの熱伝導による加熱並びに回転軸シール部における
回転摺動発熱を回転軸シール部への十分な冷却水供給循
環により抑制し、それによって回転軸シール部及び軸支
部における摩耗、損傷を抑制して回転軸シール部のシー
ル機能を高めることができるとともに該機能を長期に亘
り持続させることができ、更に、冷却水供給量を多くす
るにも拘らずポンピング原液やそれを希釈した希釈冷却
水の軸支部への侵入を抑制して該軸支部を希釈冷却水か
ら保護できるとともに、該原液や希釈冷却水の外部周辺
への漏流出及び飛散を抑制して周辺機器、構築物等の腐
蝕、損傷、破損等を抑制でき、また、以上のことより全
体としてポンプ管理負担が減少し、ポンピング対象液に
より処理される物品につき、その生産コストを低下させ
ることができるものを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的に従
い、ポンプの回転軸シール部を囲繞する冷却水室を提供
する冷却水ケースと、互いに隣合い、それぞれが冷却水
の流出口を有し、ポンプ回転軸外周面を囲繞する冷却用
環状水溝及び回収用環状水溝を提供する部材と、前記冷
却用環状水溝及び回収用環状水溝の各流出口から流出す
る冷却水を受けることができ、冷却水流出口を有してい
る冷却水回収部と、冷却水を貯溜する貯水槽と、前記貯
水槽内の貯溜冷却水を前記冷却水室へ供給するポンプを
含む冷却水供給回路と、前記冷却水回収部の冷却水流出
口から前記貯水槽へ冷却水を還流させる冷却水還流回路
とを備え、前記冷却用環状水溝は前記冷却水室に連通せ
しめられており、前記冷却用環状水溝及び回収用環状水
溝はこれら両者間の隔壁と前記ポンプ回転軸との間のク
リアランスにて連通していることを特徴とするポンプの
回転軸シール部への冷却水供給循環装置を提供するもの
である。
【0025】前記回転軸シール部としては、グランドパ
ッキングによるシール部及びメカニカルシールによるシ
ール部を挙げることができる。グランドパッキングによ
るシール部を採用する場合、前記冷却用環状水溝及び回
収用環状水溝を提供する部材としてグランドパッキング
押さえを例示できる。メカニカルシールによるシール部
を採用する場合、前記冷却用環状水溝及び回収用環状水
溝を提供する部材として前記冷却水ケースに連設される
冷却水回収ケースを例示できる。この場合、冷却水ケー
ス及び冷却水回収ケース間の隔壁と前記ポンプ回転軸と
の間隙を前記ポンプ回転軸に摺接するオイルシールによ
り閉じてもよい。
【0026】また、前記冷却水回収部として、前記冷却
水室を提供する冷却水ケース並びに前記冷却用環状水溝
及び回収用環状水溝を提供する部材を囲繞し、前記ポン
プ回転軸を回転可能に支持する軸支部を有する軸受けケ
ース底部の冷却水回収凹部を例示できる。前記回収用環
状水溝の大気側端部と前記ポンプ回転軸との間隙は前記
ポンプ回転軸に摺接するオイルシールにより閉じてもよ
い。
【0027】前記回収用環状水溝にもう一つの回収用環
状水溝を連設し、これら二つの回収用環状水溝をそれら
両者間の隔壁と前記ポンプ回転軸との間のクリアランス
にて連通させ、該もう一つの回収用環状水溝には冷却水
流出口を形成することもできる。この場合、前記もう一
つの回収用環状水溝の大気側端部と前記ポンプ回転軸と
の間隙は前記ポンプ回転軸に摺接するオイルシールによ
り閉じてもよい。
【0028】前記冷却水供給回路は、流量調整弁及び該
流量調整弁より冷却水供給循環用ポンプ寄りの位置から
分岐して前記貯水槽へ延び、途中にパイパス弁を有する
バイパス回路を備えたものとしてもよい。前記貯水槽に
は貯溜冷却水の上方に気相部を設け、前記バイパス回路
の、前記貯水槽へ冷却水を流出させる流出口を該気相部
に配置してもよい。また、前記冷却水還流回路の、前記
貯水槽へ冷却水を流出させる流出口を該気相部に配置し
てもよい。
【0029】更に、前記冷却水還流回路の、前記貯水槽
へ冷却水を流出させる流出口に閉鎖筒体又は環状筒体を
連結し、該閉鎖筒体や環状筒体に多数の冷却水流出口を
形成しておいてもよい。この筒体の流出口としては、穿
孔によるもの、スリット形状のもの等、種々考えられ
る。なお、前記バイパス回路の前記貯水槽へ冷却水を流
出させる流出口にもかかる筒体を設けることができる。
【0030】更に、前記貯水槽に冷却水の蒸発減量によ
る水位低下を検出して補水するためのポールタップを設
けてもよい。
【0031】
【作用】本発明のポンプの回転軸シール部への冷却水供
給循環装置によると、貯水槽に貯溜された冷却水が冷却
水供給循環用のポンプを含む冷却水供給回路により冷却
水室に供給されて回転軸シール部、或いは更に、ポンプ
回転軸の冷却に供され、引き続き該冷却水室から冷却用
環状水溝に流入し、ここでもポンプ回転軸の冷却に供さ
れ、その殆どは冷却用環状水溝の冷却水流出口から流出
し、残余が回収用環状水溝へ流入する。
【0032】そして該回収用環状水溝に流入した冷却水
は、そこから漏出したり、飛散したりすることが十分抑
制される状態で安全に、その全量又は略全量が該回収用
環状水溝の冷却水流出口から流出する。また、供給され
た冷却水は冷却水室から冷却用環状水溝に至る流れの中
で、回転軸シール部から僅かに滲出してくることがある
ポンピング原液を希釈する。
【0033】冷却用環状水溝及び回収用環状水溝から流
出した冷却水は冷却水回収部に受け入れられ、該回収部
の冷却水流出口から還流回路を経て貯水槽へ還流する。
本発明装置によると、冷却用環状水溝を設けることに加
え、その隣に回収用環状水溝を連設したことにより、該
両水溝間の壁が冷却用環状水溝から回収用環状水溝への
冷却水の移行を有効に阻止し、冷却用環状水溝へ流入す
る冷却水のほとんどが該冷却用環状水溝の流出口から流
出して回収されるとともに、回収用環状水溝に流入した
僅かな冷却水も該回収用環状水溝の流出口から流出して
回収されるので、従来に比べ大量の冷却水を安全に供給
循環させることができる。
【0034】そして、回収用環状水溝の大気側端部とポ
ンプ回転軸との間隙をポンプ回転軸に摺接するオイルシ
ールにより閉じたり、前記回収用環状水溝にもう一つの
回収用環状水溝を連設し、これら二つの回収用環状水溝
をそれら両者間の隔壁と前記ポンプ回転軸との間のクリ
アランスにて連通させ、該もう一つの回収用環状水溝に
は冷却水流出口を形成したり、更に、該もう一つの回収
用環状水溝の大気側端部とポンプ回転軸との間隙をポン
プ回転軸に摺接するオイルシールにより閉じるときは、
該オイルシールの止水機能やもう一つの回収用環状水溝
による冷却水回収機能により冷却水の外部漏流出や飛散
が十分抑制される状態で一層多くの冷却水を回転軸シー
ル部へ供給循環させることができ、それによって回転軸
シール部を効率良く冷却して該シール部のシール機能を
高め、長期にわたり該機能を維持させることができる。
【0035】冷却水供給回路に流量調整弁及び該流量調
整弁より冷却水供給循環用ポンプ寄りの位置から分岐し
て前記貯水槽へ延び、途中にパイパス弁を有するバイパ
ス回路を備えるときは、これらにより回転軸シール部へ
の冷却水供給量を適量に制御できる。循環する冷却水
は、ポンピング原液が高温であるときには、これに起因
してポンプ回転軸による熱伝導によって、また、回転軸
シール部の回転摺動発熱によって更に温度上昇しようと
するが、冷却水室を提供する冷却水ケース、冷却用環状
水溝及び回収用環状水溝を提供する部材、冷却水回収部
等が大気との熱交換体として作用すること、更に、貯水
槽内の貯溜冷却水中への冷却水還流時において熱拡散が
あること等により冷却される。
【0036】貯水槽において貯溜冷却水の上方に気相部
を設け、冷却水還流回路の、貯水槽へ冷却水を流出させ
る流出口を該気相部に配置するときには、該流出口から
流出する冷却水が大気に触れ、大気中への放熱により冷
却され、更に貯水槽内の貯溜冷却水中へ還流すること
で、該貯溜冷却水中への熱拡散によって冷却される。ま
た、貯水槽において貯溜冷却水の上方に気相部を設け、
前記バイパス回路の、貯水槽へ冷却水を流出させる流出
口を該気相部に配置するときには、この流出口から流出
する冷却水が大気を巻き込み、大気中へ放熱し、更に、
そのポンピング流速によって該貯水槽内の貯溜冷却水を
攪拌状態として貯溜冷却水の水面表面積を波立てにより
拡大して大気中への放熱冷却の効果を高めると共に、貯
溜冷却水中に巻き込まれた大気が気泡となって該水面か
ら大気中へ還気するに際し、該貯溜冷却水から熱吸収す
るとともに蒸発による冷却効果をもたらし、かくして冷
却水は十分冷却され、再び冷却水としての循環を繰り返
すことができる。
【0037】なお、冷却水の冷却を十分行えるのであれ
ば、前記バイパス回路の流出口や冷却水還流回路の流出
口は、前記貯水槽内の貯溜冷却水中に配置してもよい。
また、冷却水還流回路やバイパス回路の、貯水槽へ冷却
水を流出させる流出口に閉鎖筒体又は環状筒体を連結
し、該閉鎖筒体や環状筒体に多数の冷却水流出口を形成
しておくときは、該多数の冷却水流出口から冷却水がシ
ヤワー状に流出し、大気中への放熱による冷却が一層円
滑に行われる。
【0038】また、貯水槽に冷却水の蒸発減量による水
位低下を検出して補水するためのポールタップを設ける
ときは、これによって貯水槽内の貯溜冷却水量が適切に
維持される。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明に係る回転軸シール部への冷却水供
給循環装置の1例を備えた遠心ポンプを示し、図5は本
発明に係る回転軸シール部への冷却水供給循環装置の他
の例を備えた遠心ポンプを示している。これらポンプは
いずれも電気メッキ液、金属表面処理液等を加圧式濾過
器等へ送ることができるものである。
【0040】図1に示す遠心ポンプは、グランドパッキ
ング10を有する回転軸液封部Gを備えており、図5に
示す遠心ポンンプはメカニカルシールからなる回転軸密
封部Mを備えている。先ず図1の遠心ポンプについて説
明する。このポンプは、ポンプ本体1及び該本体に固定
され、本体背後へ延在する軸受けケース25を含み、本
体1内にはインペラー2が配置してあり、軸受けケース
25にはベアリングからなる軸支部26を嵌着してあ
る。インペラー2はポンプ回転軸4に固定され、支持さ
れている。回転軸4は軸支部26によって回転可能に支
持されている。インペラー2の背板には圧力をバランス
させるバランス孔3を設けてある。
【0041】軸受けケース25内には冷却水ケース5が
配置されており、該ケース5は回転軸4が貫通する部分
を残して本体1を閉じるように本体1に固定されてい
る。該冷却水ケース5には冷却水室6及びその内側のグ
ランドパッキング嵌挿部10aが二重に形成されてお
り、グランドパッキング10はその嵌挿部10aに嵌挿
され、回転軸4を囲繞している。また、冷却水ケース5
にはグランドパッキング押さえ11を嵌着してある。回
転軸4はこのグランドパッキング押さえ11を貫通して
おり、押さえ11には、グランドパッキング10に隣合
う位置に、回転軸4を囲繞する、冷却水を通すための冷
却用環状水溝13が設けてあり、更に該環状水溝の隣
に、回転軸4を囲繞する、冷却水回収用の回収用環状水
溝14が設けてある。また、前記軸支部26の内側には
回転軸4を囲繞するオイルシール26aが設けてある。
【0042】冷却用環状水溝13とグランドパッキング
10との間の壁は回転軸4に対しクリアランス21を有
し、冷却用環状水溝13と回収用環状水溝14との間の
壁は回転軸4に対しクリアランス22を有し、回収用環
状水溝14の大気側の壁は回転軸4に対しクリアランス
23を有している。前記冷却水室6には冷却水の流入口
7及び流出口8が形成されており、グランドパッキング
押さえ11には、冷却用環状水溝13に対する冷却水の
流入口12及び流出口18が設けてあるとともに回収用
環状水溝14について水流出口19を設けてある。そし
て、冷却水室6の流出口8と冷却用環状水溝13の流入
口12とが水流出導管9により接続されている。更に、
軸受けケース25の底部は冷却水回収凹部27の状態に
形成され、これに対し水流出口28を形成してある。
【0043】本体1及び軸受けケース25の外部に少容
水量小形の、冷却水35を貯溜する貯水槽34及び少揚
水量小型の循環ポンプ36が配設されており、貯水槽3
4の下部とポンプ36の吸込み部が吸入導管37で接続
され、ポンプ36の吐出部が給水導管38にて前記冷却
水室6の流入口7に接続されている。給水導管38の途
中には流量調整弁39を設けてある。該弁より循環ポン
プ36寄りの位置にはバイパス管40が接続してあり、
この管は貯水槽34の気相部へ流出口42により連通し
ている。また、バイパス管40にはバイパス弁41を接
続してある。更に、前記軸受けケース25における回収
冷却水の流出口28には回収冷却水還流用の還流導管2
9が接続してあり、この導管29も貯水槽34の気相部
に流出口30にて連通している。なお、貯水槽34には
水位を検出し、それを一定に維持するためのポールタッ
プ71を設けてある。
【0044】なお、冷却水には、必要に応じ、種々お添
加剤等を加えてもよい。以上説明した部品中、貯水槽3
4、ポールタップ71、循環ポンプ36、配管37、3
8、40、9及び29、これらに接続された弁39、4
1、冷却水ケース5における冷却水室6、グランドパッ
キング押さえ11における冷却用環状水溝13及び回収
用環状水溝14、並びに軸支部26を有する軸受けケー
ス25等は本発明に係る回転軸液封部Gへの冷却水供給
循環装置を構成している。
【0045】以上説明した冷却水供給循環装置による
と、回転軸液封部Gを冷却する冷却水35が、貯水槽3
4から吸入導管37を介して循環ポンプ36によって吸
入され、給水導管38を経由し、冷却水室6へ供給さ
れ、回転軸液封部Gの冷却に供される。更に該冷却水室
から流出導管9を経てグランドパッキング押さえ11の
流入口12から冷却用環状水溝13へ流入する。冷却用
環状水溝13へ流入した冷却水は回転軸4の冷却に供さ
れ、その量に応じて、一部が回収用環状水溝14へ流入
する。これら冷却用環状水溝13及び回収用環状水溝1
4へ流入した冷却水は、冷却用環状水溝13の流出口1
8及び回収用環状水溝14の流出口19から流出し、軸
受ケース25の本体底部に形成された冷却水回収凹部2
7に落下し、回収される。
【0046】冷却水回収凹部27に回収された冷却水
は、還流導管29に流れ、該導管の流出口30から貯水
槽34へ還流する。この場合、流出口30は、該貯水槽
内の貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さを設けて
提供した、還流回路となる気相部に放出される。冷却水
室6への冷却水のポンピングに際しては、給水導管38
中の流量調整弁39及びバイパス回路40のバイパス弁
41の両弁調整によって循環ポンプ36のポンピング水
量を冷却水室6と貯水槽34へ振り分け、冷却水室6へ
の冷却水供給量と貯水槽34への冷却水還流量とを適量
に調整、制御する。
【0047】貯水槽34内の貯溜冷却水35の蒸発等に
よる水位の低下があると、前記ポールタップ71がそれ
を検出し、外部から水を補給させ、水位自動復元を行
う。以上説明した回転軸液封部Gへの冷却水供給循環装
置によると、グランドパッキング押さえ11に冷却用環
状水溝13を設けることに加え、その隣に回収用環状水
溝14を連設したことにより、該両水溝間の壁が冷却用
環状水溝13から回収用環状水溝14への冷却水移行を
有効に阻止し、冷却用環状水溝13へ流入する冷却水の
ほとんどが該冷却用環状水溝の流出口18から流出して
軸受けケース25底部の回収凹部27に落下、回収され
るとともに、残余のわずかな冷却水だけがクリアランス
22から回収用環状水溝14に流入し、これも該回収用
環状水溝の流出口19から軸受けケース25底部の冷却
水回収凹部27に落下、回収され、クリアランス23か
ら外部周辺へ漏流出したり、飛散したりすることが十分
抑制され、冷却水がたとえポンピング原液を希釈した希
釈冷却水であっても周辺物の腐蝕、損傷、破損等が防止
される。
【0048】従って、従来よりも回転軸液封部Gへの冷
却水供給量を増加させることができる。そして、回転軸
液封部Gへの冷却水供給量を増加させることにより、冷
却水による熱交換量を増加させ、回転軸液封部G及び回
転軸4の冷却効率、効果を向上させることができる。ま
た、グランドパッキング押さえ11における冷却用環状
水溝13のクリアランス21からグランドパッキング1
0へ侵入する冷却水量が増加することでグランドパッキ
ング10の熱膨張による回転軸4の強締現象を著しく軽
減でき、グランドパッキング10の耐用度を向上させる
ことができるとともに、回転軸液封部Gの管理負担を著
しく軽減し得る。
【0049】また、冷却水室6を提供している冷却水ケ
ース5、各環状水溝を内設したグランドパッキング押さ
え11、軸受ケース25、該軸受ケース本体の底部に形
成された冷却水回収凹部27等は有効な熱交換面積を持
つ熱交換体として作用し、冷却水室6等を通過中に熱交
換によって温度の上昇した循環冷却水はこれら熱交換体
を介して大気中へ放熱し、冷却される。
【0050】また、グランドパッキング押さえ11の各
環状水溝の流出口18、19から流出する冷却水は、冷
却水回収凹部27内に落下し、回収されるに際し、大気
に触れ、大気を巻き込みつつ大気中へ放熱し、その放熱
によっても冷却され、還流導管29の流出口30から貯
水槽34内へ落下するときにも、大気に触れ、大気を巻
き込みつつ大気中へ放熱し、その放熱によっても冷却さ
れ、更に、貯溜冷却水35内へ還流して熱拡散によって
冷却される。
【0051】また、貯水槽内の貯溜水35は、循環ポン
プ36のポンピングによりバイパス40を経由して該貯
水槽34の気相部に戻し循環させることで、バイパス管
40の流出口42から落下するときに大気に触れ、大気
を巻き込みつつ大気中へ放熱し、その放熱によっても冷
却される。更に、そのポンピング流速によって貯水槽3
4内の貯溜冷却水35が攪拌状態となり、それによって
貯溜冷却水35の水面表面積が波立ちにより拡大して大
気中への放熱冷却の効果が高められると共に、貯溜冷却
水35中に巻き込まれた大気が気泡となって該水面から
大気中へ還気するに際し、該貯溜冷却水から熱吸収する
とともに蒸発による冷却効果をもたらす。
【0052】かくして、回転軸液封部G及び回転軸4を
冷却して熱交換によって温度の上昇した循環冷却水は、
ポンピングによる循環途中において順次冷却され、再び
冷却水として循環し、回転軸液封部Gにおける冷却に寄
与する。以上説明したように、従来よりも回転軸液封部
Gへの冷却水供給量を増加させることができ、それによ
って回転軸液封部G及び軸支部26のポンピング液から
の熱伝導による加熱並びに回転軸液封部Gにおける回転
摺動発熱を抑え、かかる熱によって加速される回転軸液
封部G及び軸支部26における摩耗、損傷を抑制して回
転軸液封部Gのシール機能を高めることができるととも
に該機能を長期に亘り持続させることができる。また、
このシール機能の向上により回転軸液封部Gが負圧力域
におかれるときでも大気の吸込みを防止でき、該大気吸
込みによる、濾過精度にかかわる濾過器内でのエアレー
ションによるプレコート濾過層の剥離、脱落を防止でき
る。
【0053】勿論、ポンピング原液やそれを希釈した希
釈冷却水の軸支部26への侵入による該部の損傷や破損
も十分抑制でき、該軸支部を希釈冷却水から保護でき
る。また、以上のことより全体としてポンプ管理負担が
減少し、ポンピング対象液により処理される物品につ
き、その生産コストを著しく低下させることができる。
【0054】なお、還流導管29先端の流出口30及び
バイパス管40先端の流出口42には、図9及び図10
に示すような自由端が閉鎖された閉鎖筒体31、又は図
11及び図12に示すような環状筒体33の何れかを連
設してもよい。ここで図10は図9のX−X線に沿う切
断端面図であり、図12は図11のY−Y線に沿う切断
端面図である。閉鎖筒体31、環状筒体33には、それ
ぞれ貯溜冷却水35の水面に向かって開口する任意の孔
径及び数の多数の円形状流出口32を穿設してある。こ
れら筒体は、いずれも貯水槽34内の略全長及び略全幅
に応じた長さ、幅に亘り配置する。流出口32に代え、
任意の数のスリット状流出口を設けてもよい。
【0055】かかる閉鎖筒体31や環状筒体33はそれ
に多数の流出口32を設けてあり、還流導管29からや
って来る還流冷却水は該流出口からシャワー状に落下す
るので、大気との接触面積が増し、放熱冷却が一層円滑
になされる。 また、冷却水室6への冷却水供給量を一層
増加させるときなど、希釈冷却水が回収用環状水溝14
から回転軸4を伝って、軸受けケース25内に漏出する
恐れがあるときは、図2に示すように、回収用環状水溝
14の大気側端部に回転軸4に摺接するオイルシール1
6を挿設したり、図3に示すように、回収用環状水溝1
4に第2の回収用環状水溝15を連設するとともに該溝
15に対し水流出口20を形成し、溝14と15との間
の壁と回転軸4との間にクリアランス23を設定した
り、更に、図4に示すように、該第2回収用環状水溝1
5の大気側端部に回転軸4に摺接するオイルシール17
を挿設するなどしてグランドパッキング押さえ11内を
冷却水による冷却回路及び冷却水の回収回路としてもよ
い。
【0056】図3に示すように回収用環状水溝14の大
気側端部にオイルシール16を挿設したり、図4に示す
ように第2回収用環状水溝15の大気側端部にオイルシ
ール17を挿設すると、外部大気側への冷却水の漏流出
は著しく抑制される。オイルシール16、17のリップ
は回転軸4の回転摺動によって摩耗する欠点もあるが、
その摩耗により発生する間隙度合いは前述した各クリア
ランスよりもはるかに狭く、該オイルシールのリップシ
ール部から外部大気側へ冷却水が漏流出することを大幅
に抑制でき、従って実質上、冷却水が該オイルシールの
リップシール部から外部周辺へ漏流出したり、飛散する
ことはない。
【0057】また、図3や図4に示すように第2回収用
環状水溝15及び流出口20を設け、冷却水供給量の増
大を可能とすれば、冷却水の回転軸4に対する熱交換面
積が増加し、ポンピング液から回転軸4への伝導熱を十
分吸収できるとともに、回転軸液封部G及び軸支部26
の回転摺動発熱もよく吸収でき、それだけ該両部の長期
に亘る摩耗、損傷を抑制できる。
【0058】更に、図3や図4に示すように回収用環状
水溝14に第2回収用環状水溝15を連設することによ
り、グランドパッキング押さえ11に供給される冷却水
のほとんどが冷却用環状水溝13の流出口18から流出
し、その残余はクリアランス22から回収用環状水溝1
4に流入し、そのほとんどが該溝の流出口19から流出
し、僅かな残余は更にクリアランス23から第2回収用
環状水溝15に回収され、回収した略全量が該第2回収
用環状水溝の流出孔20から流出し、クリアランス24
から外部周辺への冷却水の漏流出及び飛散の発生は実質
上無くなる。
【0059】なお、回収用環状水溝は、必要に応じ、さ
らに増設してもよい。次に図5に示す遠心ポンプについ
て説明する。このポンプは、図1のポンプにおける回転
軸液封部Gに代えてメカニカルシールによる回転軸密封
部Mを採用した点を除けば、図1のポンプと実質上同構
成であり、同様に作用する。従って、図1のポンプにお
けると同じ部品には図1と同じ参照符号をつけ、その説
明を省略する。
【0060】このポンプによると、軸受けケース25内
の空間に冷却水ケース53が配置されており、該ケース
53内の冷却水室54に回転軸密封部Mが設けられてい
る。更に、該ケース53には冷却水回収ケース58が連
設されている。インペラー2の回転軸4はこれらを貫通
している。冷却水回収ケース58には、回転軸密封部M
寄りの位置に冷却用環状水溝60が、その隣に回収用環
状水溝61が、回転軸4を囲繞するように形成されてい
る。冷却水室54及び冷却用環状水溝60間の壁と回転
軸4との間の間隙にはオイルシール57が配置されてい
る。また、冷却用環状水溝60と回収用環状水溝61と
の間の壁は回転軸4に対しクリアランス68を有し、回
収用環状水溝61の軸支部26側の壁は回転軸4に対し
クリアランス69を有している。
【0061】回転軸密封部Mは、軸受けケース25内に
おいてポンプ本体1に嵌着された固定環嵌着フランジ4
5、固定環の嵌着環46及び固定環47を含み、該嵌着
環46はフランジ45に嵌着され、固定環47は該固定
環の嵌着環46に嵌着されている。密封部Mは、更に、
固定環47に圧接された回転環49、回転環49を嵌着
した嵌着環48、該嵌着環48を固定環47の方へ押圧
するスプリング50及び該スプリングを支持し、回転軸
4とともに回転するスプリング支持環50aを備えてい
る。回転環49は該スプリング力により固定環47に圧
接され、回転軸4の回転にともなって固定環47に対し
摺動する。回転軸4に対する回転軸密封部Mのクリアラ
ンス52は、回転環の嵌着環48と回転軸4との間に挿
設したシールリング51によりポンピング原液側と冷却
水側に区分されている。
【0062】前記固定環嵌着フランジ45には、クリア
ランス52に溜まり回転軸密封部Mの破損原因となる原
液中のスラッジを、インペラーバランス孔3を経てイン
ペラー2内にポンピング流速及び吸引によって流し出す
フラッシング通孔44が設けてあり、該通孔はフラッシ
ング導管43によってポンプ本体の吐出側に接続されて
いる。
【0063】前記冷却水室54には冷却水の流入口55
及び流出口56が形成されており、冷却水室54と冷却
用環状水溝60とはこの流出口56にて連通している。
冷却用環状水溝60には水流出口64が設けてあり、回
収用環状水溝61には水流出口65が設けてある。そし
て、前記冷却水室54の水流入口55は給水導管38
に、前記軸受けケース25の水流出口28は冷却水還流
用の還流導管29に接続されている。
【0064】図5に示す部品中、貯水槽34、ポールタ
ップ71、循環ポンプ36、配管37、38、40及び
29、これらに接続された弁39、41、冷却水ケース
53における冷却水室54、及び冷却水回収ケース58
に設けた冷却用環状水溝60及び回収用環状水溝61、
並びに軸受けケース25等は本発明に係る回転軸密封部
Mへの冷却水供給循環装置を構成している。
【0065】以上説明した冷却水供給循環装置による
と、回転軸密封部Mを冷却する冷却水35は、貯水槽3
4から吸入導管37を介して循環ポンプ36によって吸
入され、給水導管38を経由し、冷却水室54へ供給さ
れる。冷却水室54に供給された冷却水は回転軸密封部
M及びポンプ回転軸4の冷却に供され、更に、該冷却水
室の冷却水流出口56から冷却用環状水溝60へ流入
し、ここでも回転軸4の冷却に供される。冷却用環状水
溝60へ流入した冷却水はその量に応じて、一部がクリ
アランス68を経て回収用環状水溝61へ流入する。こ
れら冷却用環状水溝60及び回収用環状水溝61へ流入
した冷却水は、冷却用環状水溝60の流出口64及び回
収用環状水溝61の流出口65から流出し、軸受ケース
25の本体底部に形成された冷却水回収凹部27に落下
し、回収される。冷却水回収凹部27に回収された冷却
水は、還流導管29に流れ、該導管の流出口30から貯
水槽34へ還流する。
【0066】冷却水室54への冷却水のポンピングに際
しては、給水導管38中の流量調整弁39及びバイパス
回路40のバイパス弁41の両弁調整によって循環ポン
プ36のポンピング水量を冷却水室54と貯水槽34へ
振り分け、冷却水室54への冷却水供給量と貯水槽34
への冷却水還流量とを適量に調整、制御する。貯水槽3
4内の貯溜冷却水35の蒸発等による水位の低下がある
と、前記ポールタップ71がそれを検出し、外部から水
を補給させ、水位自動復元を行う。
【0067】以上説明した回転軸密封部Mへの冷却水供
給循環装置によると、冷却水回収ケース58に冷却用環
状水溝60を設けることに加え、その隣に回収用環状水
溝61を連設したことにより、該両水溝間の壁が冷却用
環状水溝60から回収用環状水溝61への冷却水移行を
有効に阻止し、冷却用環状水溝60へ流入する冷却水の
ほとんどが該冷却用環状水溝の流出口64から流出して
軸受けケース25底部の回収凹部27に落下、回収され
るとともに、残余のわずかな冷却水だけがクリアランス
68から回収用環状水溝61に流入し、これも該回収用
環状水溝の流出口65から軸受けケース25底部の回収
凹部27に落下、回収され、クリアランス69から外部
周辺へ漏流出したり、飛散したりすることが十分抑制さ
れ、冷却水がたとえポンピング原液を希釈した希釈冷却
水であっても周辺物の腐蝕、損傷、破損等が防止され
る。
【0068】従って、従来よりも回転軸密封部Mへの冷
却水供給量を増加させることができる。そして、回転軸
密封部Mへの冷却水供給量を増加させることにより、冷
却水による熱交換量を増加させ、回転軸密封部M及び回
転軸4の冷却効率、効果を向上させることができる。か
くして回転軸液封部Gの管理負担を著しく軽減し得る。
【0069】また、冷却水室54を提供している冷却水
ケース53、各環状水溝を内設した冷却水回収ケース5
8、軸受ケース25、該軸受ケース本体の底部に形成さ
れた冷却水回収凹部27等は有効な熱交換面積を持つ熱
交換体として作用し、冷却水室54等を通過中に熱交換
によって温度の上昇した循環冷却水はこれら熱交換体を
介して大気中へ放熱し、冷却される。
【0070】また、各環状水溝の流出口64、65から
流出する冷却水は、冷却水回収凹部27内に落下し、回
収されるに際し、大気に触れ、大気を巻き込みつつ大気
中へ放熱し、その放熱によっても冷却され、還流導管2
9の流出口30から貯水槽34内へ落下するときにも、
大気に触れ、大気を巻き込みつつ大気中へ放熱し、その
放熱によっても冷却され、更に、貯溜冷却水35内へ還
流して熱拡散によって冷却される。
【0071】また、貯水槽内の貯溜水35は、循環ポン
プ36のポンピングによりバイパス40を経由して該貯
水槽34の気相部に戻し循環させることで、バイパス管
40の流出口42から落下するときに大気に触れ、大気
を巻き込みつつ大気中へ放熱し、その放熱によっても冷
却される。更に、そのポンピング流速によって貯水槽3
4内の貯溜冷却水35が攪拌状態となり、それによって
貯溜冷却水35の水面表面積が波立ちにより拡大して大
気中への放熱冷却の効果が高められると共に、貯溜冷却
水35中に巻き込まれた大気が気泡となって該水面から
大気中へ還気するに際し、該貯溜冷却水から熱吸収する
とともに蒸発による冷却効果をもたらす。
【0072】かくして、回転軸密封部M及び回転軸4を
冷却して熱交換によって温度の上昇した循環冷却水は、
ポンピングによる循環途中において順次冷却され、再び
冷却水として循環し、回転軸密封部Mにおける冷却に寄
与する。また、冷却水ケース53に挿設するオイシール
57のリップシール部が、回転軸4の回転摺動により摩
耗して摩耗間隙が発生した場合においても、該間隙部か
ら漏流出する冷却水は該冷却水ケースに連設した冷却水
回収ケース58内の冷却用環状水溝60に回収されるの
で問題とはならない。なお、このオイルシール57は消
耗品であるが、全くの消耗品とするには当たらず、長期
に亘る耐久性を持続する。
【0073】更に、冷却水室54内においては、回転軸
4と共に回転する回転環49の凹凸部及びスプリング5
0が該冷却水室の冷却水を攪拌するので、固定環47の
端面と回転環49の端面とによって形成される密封回転
摺動面から滲出する密封形成液膜の蓄積によるスラッジ
の発生を防止することができると共に回転軸密封部Mの
外周側を洗い流すことができる。
【0074】以上説明したように、従来よりも回転軸密
封部Mへの冷却水供給量を増加させることができ、それ
によって回転軸密封部M及び軸支部26のポンピング液
からの熱伝導による加熱並びに回転軸密封部M及び軸支
部26における回転摺動発熱を抑え、かかる熱によって
加速される回転軸密封部M及び軸支部26における摩
耗、損傷を抑制して回転軸密封部Mのシール機能を高め
ることができるとともに該機能を長期に亘り持続させる
ことができる。また、このシール機能の向上により回転
軸密封部Mが負圧力域におかれるときでも大気の吸込み
が防止され、該大気吸込みによる、濾過精度にかかわる
濾過器内でのエアレーションによるプレコート濾過層の
剥離、脱落を防止できる。
【0075】勿論、ポンピング原液やそれを希釈した希
釈冷却水の軸支部26への侵入も十分抑制でき、該軸支
部を希釈冷却水から保護できる。また、以上のことより
全体としてポンプ管理負担が減少し、ポンピング対象液
により処理される物品につき、その生産コストを著しく
低下させることができる。
【0076】なお、冷却水室54への冷却水供給量を一
層増加させるときなど、原液を希釈した希釈冷却水が回
収用環状水溝61から回転軸4を伝って軸受けケース2
5内に漏出する恐れがあるときは、図6に示すように、
回収用環状水溝61の大気側に回転軸4に摺接するオイ
ルシール62を挿設したり、図7に示すように、回収用
環状水溝61に第2の回収用環状水溝63を連設すると
ともに該溝63に対し水流出口66を形成し、溝61と
63との間の壁と回転軸4との間にクリアランス69
を、溝63の大気側の壁と回転軸4との間にクリアラン
ス70を設定したり、更に、図8に示すように、該第2
回収用環状水溝63の大気側端部に回転軸4に摺接する
オイルシール67を挿設するなどしてもよい。
【0077】図6に示すように回収用環状水溝61の大
気側にオイルシール62を挿設したり、図8に示すよう
に第2回収用環状水溝63の大気側にオイルシール67
を挿設すると、外部大気側への冷却水の漏流出は著しく
抑制される。オイルシール62、67のリップは回転軸
4の回転摺動によって摩耗する欠点もあるが、その摩耗
により発生する間隙度合いは前述した各クリアランスよ
りもはるかに狭く、該オイルシールのリップシール部か
ら外部大気側へ冷却水が漏流出することを著しく抑制で
き、従って実質上、冷却水が該オイルシールのリップシ
ール部から外部周辺へ漏流出したり、飛散することはな
い。
【0078】また、図7や図8に示すように第2回収用
環状水溝63及び流出口66を設け、冷却水供給量の増
大を可能とすれば、冷却水の回転軸4に対する熱交換面
積が増加し、ポンピング液から回転軸4への伝導熱を十
分吸収できるとともに、回転軸密封部M及び軸支部26
の回転摺動発熱もよく吸収でき、それだけ該両部の長期
に亘る摩耗、損傷を抑制できる。
【0079】更に、図7や図8に示すように回収用環状
水溝61に第2回収用環状水溝63を連設することによ
り、供給される冷却水のほとんどが冷却用環状水溝60
の流出口64から流出し、その残余はクリアランス68
から回収用環状水溝61に流入し、そのほとんどが該溝
の流出口65から流出し、僅かな残余は更にクリアラン
ス69から第2回収用環状水溝63に回収され、回収し
た略全量が該第2回収用環状水溝の流出孔66から流出
し、クリアランス70から外部周辺への冷却水の漏流出
及び飛散の発生は実質上無くなる。
【0080】なお、回収用環状水溝は必要に応じ、さら
に増設してもよい。 以上説明したいずれの実施例におい
ても、貯水槽34内の貯溜冷却水35は、回転軸シール
部から極微量とは言え滲出する原液の蓄積によって汚染
濃度が次第に上昇するが、回転軸シール部から滲出する
原液を前述のように豊富に供給できる冷却水により十分
希釈できるので、貯溜冷却水の更新を従来より遅らせる
ことができ、それだけ排水処理管理の負担が軽減する。
【0081】次に、図13に示す従来ポンプ及び図1に
示す本発明に係るポンプを用いてニッケルメッキ液を加
圧式濾過器へポンピングする場合の回転軸シール部の冷
却実験について説明する。この実験では、図13のポン
プにおけるグランドパッキング押さえ1aに内設した冷
却水室3Aの容積量と、図1のポンプにおけるグランド
パッキング押さえ11に内設した冷却用環状水溝13の
容積量とを同等として、該冷却用環状水溝に連設した回
収用環状水溝14の容積量は冷却用環状水溝13におけ
るそれの3分の1とした。また、図13のポンプにおけ
る冷却水室3Aの大気側室壁とポンプ回転軸2Aの外周
面とのクリアランスQと、図1の冷却用環状水溝13の
クリアランス22及び回収用環状水溝14のクリアラン
ス23とは同一間隙寸法とした。また、冷却水室3Aの
排出孔8Aの孔径と冷却用環状水溝13の流出口18の
口径及び回収用環状水溝14の流出口19の口径とは同
一とした。更に、図13のポンプにおいては、冷却水の
供給及び排流出は一方通行とし、図1のポンプにおいて
は、貯水槽34からのポンピングによる冷却水供給循環
とした。その他の条件は表1のA項からJ項に示す通り
である。表1において、A項からJ項は次のことを示し
ている A ポンプ周囲温度(室内温度) B ニッケルメッキ液の温度及びpH C 供給する冷却水の温度及びpH D 冷却水供給量 図13の遠心ポンプではバルブ調整による水道水の給
水。
【0082】図1の遠心ポンプでは、電磁ポンプ100
V、3ワット 10リットル/分を使用し、流量調整弁
39及びバイパス弁41により供給水量を調整。 E 図13のポンプにおける冷却水室3Aの排水孔8A
から流出する水の温度及びpHと、図1のポンプにおけ
る環状水溝13、14の流出口18、19から流出する
水の温度及びpH。
【0083】F グランドパッキング押さえに対する大
気側クリアランスから外部周辺への冷却水の漏流出及び
飛散が始まる限界冷却水供給量。 図13のポンプにおいてはクリアランスQからの漏流出
及び飛散発生の限界 冷却水供給量。 図1のポンプにおいてはクリアランス23からの漏流出
及び飛散発生の限界 冷却水供給量。
【0084】G 貯水槽34内の貯溜冷却水35の温度
及びpH。これは2カ月経過後の更新前の値である。
(前記C項、E項における図1のポンプに関する水のp
H値も2カ月経過後の更新前の値である。) H 貯水槽34の貯水量及び更新入れ替え周期 I 貯溜冷却水の蒸発による2ケ月間における補給冷却
水量 J 年間消費冷却水量及び排水処理量 図13のポンプについては、 180cc×60分×10hr/日× 295日=1年間消費量=3
1860 リットル 図1のポンプについては、 (35リットル+24リットル) ×6 回/ 年=1年間消費量
=354リットル
【0085】
【表1】
【0086】なお、図13の従来ポンプによるとE項に
関しては、回転軸液封部の管理不良の場合、pH値は前
記表に示すよりも降下する。前記実験比較表1から、本
発明に係る回転軸液封部Gへの冷却水供給循環による
と、クリアランス23からの冷却水の漏流出及び飛散を
みることなく冷却水供給量を著しく増加させることがで
き、冷却水の漏流出や飛散による周辺機器、構築物等の
腐食等の問題を引き起こすことなく回転軸液封部Gのシ
ール性能及び耐久性を向上させることができ、更に、厄
介な回転軸液封部Gの管理負担を著しく軽減させること
ができることが分かる。また、表1から、図1のポンプ
においては、循環冷却水温度が室内温度と同等程度に維
持され、冷却水として有効に作用することも分かる。ま
た、図3、図4に示す第2回収用環状水溝15を連設す
ると、更に冷却水供給量を増やすことができることも分
かる。更に、この実験から、図5に示すポンプにおける
回転軸密封部Mの冷却水供給循環においても同様な効果
が達成されることが分かる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
電気メッキ液、金属表面処理液等の悪条件下の液体を加
圧式濾過器等へポンピングするポンプの回転軸シール部
への冷却水供給循環装置であって、回転軸シール部及び
軸支部のポンピング液からの熱伝導による加熱並びに回
転軸シール部における回転摺動発熱を回転軸シール部へ
の十分な冷却水供給循環により抑制し、それによって回
転軸シール部、延いては軸支部における摩耗、損傷を抑
制して回転軸シール部のシール機能を高めることができ
るとともに該機能を長期に亘り持続させることができ、
更に、冷却水供給量を多くするにも拘らずポンピング原
液やそれを希釈した希釈冷却水の軸支部への侵入を抑制
して該軸支部を希釈冷却水から保護できるとともに、該
原液や希釈冷却水の外部周辺への漏流出及び飛散を抑制
して周辺機器、構築物等の腐蝕、損傷、破損等を抑制で
き、また、以上のことより全体としてポンプ管理負担が
減少し、ポンピング対象液により処理される物品につ
き、その生産コストを低下させることができるものを提
供することができる。
【0088】また、かかる冷却水供給循環装置において
は、循環する冷却水はポンピング原液が高温であるとき
には、これに起因してポンプ回転軸による熱伝導によ
り、また、回転軸シール部における回転摺動発熱により
温度上昇しようとするが、冷却水室を提供する冷却水ケ
ース、冷却用環状水溝及び回収用環状水溝を提供する部
材、冷却水回収部等が大気との熱交換体として作用する
こと、更に、貯水槽内の貯溜冷却水中への冷却水還流時
において熱拡散があること等により異常昇温が防止さ
れ、冷却水として良く機能する。従って、貯水槽内に貯
溜する貯溜冷却水の冷却には、熱交換器、該熱交換器専
用ポンプ、その他の機器、装置を必要とせず、それだけ
安価に済ませることができる。
【0089】また、冷却水の循環には、少容水量小形の
貯水槽、少揚水量小型の冷却水供給循環用ポンプの配設
にてこと足り、循環冷却水の消費量は少量で済み、それ
だけ部品コストが安価につくとともに、排水処理負担が
激減する。そして、請求項6に記載するように、メカニ
カルシールによる回転軸シール部を採用する請求項5の
装置において、冷却水ケース及び冷却水回収ケース間の
隔壁とポンプ回転軸との間隙をポンプ回転軸に摺接する
オイルシールにより閉じるときは、メカニカルシールか
らの滲出ポンピング原液がポンプ回転軸を伝って冷却水
室から冷却用環状水溝へ漏出することを十分抑制でき
る。
【0090】また、請求項7に記載する装置によると、
軸受けケースを利用して冷却水回収凹部を提供でき、そ
れによって全体をコンパクト化できる。請求項8に記載
するように、回収用環状水溝の大気側端部とポンプ回転
軸との間隙をポンプ回転軸に摺接するオイルシールによ
り閉じたり、請求項9に記載するように、回収用環状水
溝にもう一つの回収用環状水溝を連設し、これら二つの
回収用環状水溝をそれら両者間の隔壁と前記ポンプ回転
軸との間のクリアランスにて連通させ、該もう一つの回
収用環状水溝には冷却水流出口を形成したり、更に、請
求項10に記載するように、該もう一つの回収用環状水
溝の大気側端部とポンプ回転軸との間隙をポンプ回転軸
に摺接するオイルシールにより閉じるときは、該オイル
シールの止水機能やもう一つの回収用環状水溝による冷
却水回収機能により冷却水の外部漏流出や飛散が十分抑
制される状態で一層多くの冷却水を回転軸シール部へ供
給循環させることができ、それによって回転軸シール部
における摩耗、損傷を一層抑制してシール機能を高め、
長期にわたり該機能を維持させることができる。
【0091】請求項11に記載するように、冷却水供給
回路に流量調整弁及び該流量調整弁より冷却水供給循環
用ポンプ寄り位置から分岐して前記貯水槽へ延び、途中
にパイパス弁を有するバイパス回路を備えるときは、こ
れらにより回転軸シール部への冷却水供給循環量及び貯
水層へ直接戻し循環させる冷却水量を適量に制御でき
る。
【0092】請求項12に記載するように、貯水槽にお
いて貯溜冷却水の上方に気相部を設け、前記バイパス回
路の、貯水槽へ冷却水を流出させる流出口を該気相部に
配置したり、請求項13に記載するように、冷却水還流
回路の、貯水槽へ冷却水を流出させる流出口を該気相部
に配置したりするときには、これら流出口から流出する
冷却水が大気に触れ、大気を巻き込みつつ放熱するの
で、この点でも冷却水の異常昇温が防止される。また、
バイパス回路の流出口をこのように気相部に設けるとき
は、この流出口から流出する冷却水が、ポンピング流速
によって該貯水槽内の貯溜冷却水を攪拌状態として貯溜
冷却水の水面表面積を波立てにより拡大して大気中への
放熱冷却の効果を高めると共に、貯溜冷却水中に巻き込
まれた大気が気泡となって該水面から大気中へ還気する
に際し、該貯溜冷却水から熱吸収するとともに蒸発によ
る冷却効果をもたらす。
【0093】請求項14、請求項15に記載するよう
に、冷却水還流回路の、貯水槽へ冷却水を流出させる流
出口に閉鎖筒体又は環状筒体を連結し、該閉鎖筒体や環
状筒体に多数の冷却水流出口を形成しておくときは、該
多数の冷却水流出口から冷却水がシヤワー状に流出し、
大気中への放熱による冷却用水の冷却が一層円滑に行わ
れる。
【0094】請求項16に記載するように、貯水槽に冷
却水の蒸発減量による水位低下を検出して補水するため
のポールタップを設けるときは、これによって貯水槽内
の貯溜冷却水量を適切に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を採用した遠心ポンプの断面
図である。
【図2】グランドパッキング押さえの他の例の断面図で
ある。
【図3】グランドパッキング押さえの更に他の例の断面
図である。
【図4】グランドパッキング押さえの更に他の例の断面
図である。
【図5】本発明の他の実施例を採用した遠心ポンプの断
面図である。
【図6】冷却水回収ケースの他の例の断面図である。
【図7】冷却水回収ケースの更に他の例の断面図であ
る。
【図8】冷却水回収ケースの更に他の例の断面図であ
る。
【図9】閉鎖筒体の側面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う切断端面図である。
【図11】環状筒体の平面図である。
【図12】図11のY−Y線に沿う切断端面図である。
【図13】従来例を採用した遠心ポンプの断面図であ
る。
【図14】他の従来例を採用した遠心ポンプの断面図で
ある。
【符号の説明】 1 ポンプ本体 2 インペラー 3 バランス孔 4 回転軸 5 冷却水ケース 6 冷却水室 7 流入口流出口 9 流出導管G 回転軸液封部 10 グランドパッキング 11 グランドパッキング押さえ10a グランドパッキング嵌挿部 12 流入口 13 冷却環状水溝 14 回収環状水溝 15 第2回収環状水溝 16 オイルシール 17 オイルシール 18 流出口 19 流出口 20 流出口 21 クリアランス 22 クリアランス 23 クリアランス 24 クリアランス 25 軸受ケース 26 軸支部26a オイルシール 27 冷却水回収凹部 28 流出口 29 還流導管 30 流出口 31 閉鎖筒体 32 流出口 33 環状筒体 34 貯水槽 35 貯溜冷却水 36 循環ポンプ 37 吸入導管 38 給水導管 39 流量調整弁 40 バイパス管 41 バイパス弁 42 流出口 43 フラッシング導管 44 フラッシング通孔M 回転軸密封部 45 固定環嵌着フランジ 46 固定環の嵌着環 47 固定環 48 回転環の嵌着環 49 回転環 50 スプリング50a スプリング支持環 51 シールリング 52 クリアランス 53 冷却水ケース 54 冷却水室 55 流入口 56 流出口 57 オイルシール 58 冷却水回収ケース 60 冷却環状水溝 61 回収環状水溝 62 オイルシール 63 第2回収環状水溝 64 流出口 65 流出口 66 流出口 67 オイルシール 68 クリアランス 69 クリアランス 70 クリアランス 71 ポールタップ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプの回転軸シール部及び回転軸の冷
    却を行うに際し、任意に少容水量小形の循環冷却貯水槽
    34及び少揚水量小型の循環ポンプ36を配設して、冷
    却水の給水回路、冷却回路、回収回路、還流回路、そし
    て冷却水自体の冷却回路を設けたことを特徴とするポン
    プの回転軸シール部への冷却水循環方法及び装置。
  2. 【請求項2】 ポンプの回転軸シール部にグランドパッ
    キングを備える該シール部への冷却給水に際し、グラン
    ドパッキング押さえ11内には、冷却環状水溝13、回
    収環状水溝14を連設し、冷却環状水溝に流入孔12、
    流出孔18を、回収環状水溝には流出孔19を、それぞ
    れ穿設しているものであることを特徴とする請求項1記
    載の回転軸シール部に対する冷却水の冷却回路となる循
    環装置。
  3. 【請求項3】 回収環状水溝14の大気側にオイルシー
    ル16を挿設したことを特徴とする請求項2記載の冷却
    水の回収方法。
  4. 【請求項4】 回収環状水溝14に連設する流出孔20
    を穿設した第2回収環状水溝15を設けたことを特徴と
    する請求項2記載の冷却水回収方法。
  5. 【請求項5】 第2回収環状水溝15の大気側にオイル
    シール17を設けたことを特徴とする請求項2又は請求
    項4記載の冷却水回収方法。
  6. 【請求項6】 ポンプの回転軸シール部にメカニカルシ
    ールを備える該シール部への冷却給水に際し、該シール
    部を冷却する冷却水ケース53には流入孔55、流出孔
    56を穿設した冷却水室54を内設し、オイルシール5
    7を挿設したものであることを特徴とする請求項1記載
    の回転軸シール部に対する冷却水の冷却回路となる冷却
    水循環装置。
  7. 【請求項7】 冷却水回収ケース58には、連設する冷
    却環状水溝60、回収環状水溝61を内設し、該冷却環
    状水溝に流入孔59、流出孔64を、該回収環状水溝に
    は流出孔65を、それぞれ穿設したものであることを特
    徴とする請求項1記載の回転軸シール部に対する冷却水
    の冷却及び回収回路となる循環装置。
  8. 【請求項8】 回収環状水溝61の大気側にオイルシー
    ル62を挿設したことを特徴とする請求項7記載の冷却
    水の回収回路となる循環方法。
  9. 【請求項9】 回収環状水溝61に連設する流出孔66
    を穿設した第2回収環状水溝63を設けたことを特徴と
    する請求項7記載の冷却水の回収回路となる回収方法。
  10. 【請求項10】 第2回収環状水溝63の大気側にオイ
    ルシール67を挿設したことを特徴とする請求項7又は
    請求項9記載の冷却水の回収方法。
  11. 【請求項11】 軸受ケース25の底部に流出孔28を
    穿設した冷却水回収凹み27を形成して、グランドパッ
    キング押さえ11及び冷却水回収ケース58の各流出孔
    から流出する冷却水を回収することを特徴とする請求項
    1から請求項10の何れかに記載の回転軸シール部に対
    する冷却水の回収装置。
  12. 【請求項12】 還流導管29から循環冷却貯水槽34
    への冷却水の還流に際し、還流導管29先端の流出口3
    0は、貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さを設け
    て配設されていることを特徴とする請求項1記載の循環
    冷却貯水槽に対する冷却水の回収方法。
  13. 【請求項13】 循環ポンプ36によるポンピング冷却
    水量のうち、任意の水量を循環冷却貯水槽34への還流
    に際し、給水導管38に分岐するバイパス管40を配設
    し、給水導管には流量調節弁39を、バイパス管には、
    バイパス弁41をそれぞれ配設して、バイパス管先端の
    流出口42は、該冷却貯水槽内に貯溜する貯溜冷却水3
    5の水面上に任意の空間高さを設けて配設したことを特
    徴とする請求項12記載の循環冷却貯水槽に対するポン
    ピングバイパス回路の冷却水の循環装置。
  14. 【請求項14】 還流導管29及びバイパス管40の先
    端に連設する閉鎖筒体31は、循環冷却貯水槽34の全
    幅長に応じた長さであって、全長にわたってほぼ等量の
    還流冷却水の流出孔32、若しくはスリットを設け、且
    つ、貯溜冷却水35の水面上に任意の空間高さに配設さ
    れていることを特徴とする請求項12又は請求項13記
    載の循環冷却貯水槽に対する冷却水の還流装置。
  15. 【請求項15】 環状筒体33は、循環冷却貯水槽34
    の全幅長に応じた長さ、幅であって、環状全周にわたっ
    てほぼ等量の還流冷却水の流出孔32、若しくはスリッ
    トを設けているものであることを特徴とする請求項1
    2、13又は14に記載の循環冷却貯水槽に対する冷却
    水の還流装置。
  16. 【請求項16】 回転軸シール部及び回転軸の循環冷却
    を行う貯溜冷却水35の蒸発減量を補充するポールタッ
    プ71を循環冷却貯水槽34内に配設したことを特徴と
    する請求項1記載の循環冷却貯水槽に対する冷却水循環
    方法及び装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102278247B1 (ko) * 2021-01-11 2021-07-15 정근수 수중펌프 및 이를 구비한 펌프게이트

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