JPH05148472A - 高密度密封材及び高密度密封材の製法、並びに高密度密封材製造装置 - Google Patents

高密度密封材及び高密度密封材の製法、並びに高密度密封材製造装置

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JPH05148472A
JPH05148472A JP3116718A JP11671891A JPH05148472A JP H05148472 A JPH05148472 A JP H05148472A JP 3116718 A JP3116718 A JP 3116718A JP 11671891 A JP11671891 A JP 11671891A JP H05148472 A JPH05148472 A JP H05148472A
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expanded graphite
sealing material
synthetic resin
vacuum
density
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JP3116718A
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English (en)
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Bunro Shirai
文朗 白井
Takashi Uchida
隆 内田
Ikuo Yamagiwa
幾雄 山際
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SHINSOZAI HANBAI KK
UCHIDA SHOTEN KK
Hisaka Works Ltd
Original Assignee
SHINSOZAI HANBAI KK
UCHIDA SHOTEN KK
Hisaka Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関等の密封に際して気密性、摺動性等
の優れたシール特性を有するガスケット、グランドパッ
キン等の高密度密封材と高密度密封材の製法並びに製造
装置の提供にある。 【構成】 膨張黒鉛からなる高密度密封材(6) に減圧雰
囲気下で合成樹脂を真空含浸する、或いはこの真空含浸
後圧力5〜100kg/cm2の条件下で加圧処理とする方法及
び膨張黒鉛編組体、膨張黒鉛複合材料、フランジ用膨張
黒鉛環状複合体等の高密度密封材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高密度密封材及び高密
度密封材の製法、並びに高密度密封材製造装置に係り、
その目的は生産性が良く、且つエンジンや排気管等産業
用内燃機関の密封に際して気密性、摺動性、引張強度、
圧縮率等の優れたシール特性を有するガスケット、グラ
ンドパッキンなどの高密度密封材及び高密度密封材の製
法、並びに高密度密封材製造装置を提供することにあ
る。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来より自動車用エンジン
や流体機械等内燃機関の軸封部におけるシール部材とし
ては膨張黒鉛がその耐熱性、耐薬品性、優れた自己潤滑
性といった特性に着目され広く利用されている。この膨
張黒鉛は内燃機関等の密封には優れた素材ではあるが、
反面引張強度が弱く、圧縮率及び許容ひねり回数の少な
い脆い物質であるため膨張黒鉛を加工成型し、内燃機関
等の密封部材とされていることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おける膨張黒鉛の加工成形品では高圧、高摺動に弱く、
例えばシリンダヘッドガスケット類とした場合はエンジ
ンの運転の後で容易にエンジンブロック又はシリンダヘ
ッドのガスケット面に融着してしまったり、或いは膨張
黒鉛が欠けたりする欠点があった。
【0004】上記従来技術における課題に鑑み業界では
生産性に優れ、且つ膨張黒鉛空隙に合成樹脂を完全密着
させた気密性、摺動性、引張強度、圧縮率等の優れたシ
ール特性を有する高密度密封材及び高密度密封材の製法
並びに高密度密封材の製造装置の創出が望まれていた。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】この発明は以上のよう
な欠点を解消せんとしてスリット状に切断された膨張黒
鉛フィルムが繊維材料とされ、この繊維材料が単数又は
複数撚られて単糸とされ、この単糸から連続した糸が形
成されて編糸とされ、この編糸から形成された膨張黒鉛
編組体であって、且つこの膨張黒鉛編組体には液状の合
成樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸されてなる
ことを特徴とする高密度密封材と膨張黒鉛積層テープが
繊維材料とされ、この繊維材料が両端よりカーリング状
に巻き取られて縦長ロール状の単糸とされ、この単糸か
ら連続した糸が形成されて編糸とされ、この編糸から形
成された膨張黒鉛編組体であって、且つこの膨張黒鉛編
組体には液状の合成樹脂が真空又は真空・加圧手法によ
り含浸されてなることを特徴とする高密度密封材と表面
に結晶レベルの凹凸を有する膨張黒鉛シートと多孔質フ
ッ素樹脂とを任意の接着剤を介して積層してなる膨張黒
鉛複合材料であって、且つこの膨張黒鉛複合材料には液
状の合成樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸され
てなることを特徴とする高密度密封材と膨張黒鉛シート
とステンレス板との互層巻回により形成されたフランジ
用膨張黒鉛環状複合体であって、且つこのフランジ用膨
張黒鉛環状複合体には液状の合成樹脂が真空又は真空・
加圧手法により含浸されてなることを特徴とする高密度
密封材と膨張黒鉛シートとステンレス板と紙又はセラッ
ミクシートとの互層巻回により形成されたフランジ用膨
張黒鉛環状複合体であって、且つこのフランジ用膨張黒
鉛環状複合体には液状の合成樹脂が真空又は真空・加圧
手法により含浸されてなることを特徴とする高密度密封
材、及びこれらの製法、並びに製造装置を提供すること
により上記従来の欠点を解消することに成功したのであ
る。
【0006】すなわち、この発明者らは鋭意研究を行な
ったところ、膨張黒鉛材料に特定の合成樹脂を真空、或
いは真空・加圧、又は真空・加圧・加熱、真空・加熱の
手法によって含浸せしめることにより上記従来の欠点を
悉く解消することに成功したのである。
【0007】
【実施例】以下、この発明に係る高密度密封材及び高密
度密封材の製法並びに高密度密封材製造装置の実施例を
図面に基づいて説明する。
【0008】まず、この発明に係る高密度密封材につい
て説明する。図1乃至図2はこの発明に係る高密度密封
材の第一、第二実施例である膨張黒鉛編組体(1) を示す
斜視図である。第一実施例において、膨張黒鉛編組体
(1) はスリット状に切断された膨張黒鉛フィルム(101)
が繊維材料とされる。図3はこの第一実施例に用いられ
る膨張黒鉛フィルム(101) の斜視図が示されており、こ
の膨張黒鉛フィルム(101) はロール状に成形されてい
る。この膨張黒鉛フィルム(101) としては、天然黒鉛、
熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等を濃硫酸、濃硝酸等よりな
る酸化化合物中で適当な時間浸積処理して得られる膨張
可撓性黒鉛そのものをロール部材等により圧縮成形され
た膨張黒鉛単独のフィルムでも或いは、図4乃至図5に
示すように膨張黒鉛そのものを圧縮成形した後、強度を
補うため金属メッシュ又は金属繊維(102) を例えば熱融
着フィルム(103) を介して積層させた膨張黒鉛フィルム
(101) も好適な実施例として例示される。
【0009】この膨張黒鉛フィルム(101) の厚さは約0.
15〜0.3mm が好適であり、この理由は0.15未満では薄す
ぎて脆くなりフィルム自身が破損してしまう恐れがあ
り、一方0.3mm を超えると厚すぎて単糸を形成する際に
撚り難い等の不都合が生じるため何れの場合も好ましく
ないからである。
【0010】この発明において膨張黒鉛フィルム(101)
は強靱な強度特性を得るために金属メッシュ又は金属繊
維(102) との積層により成形されてもよい。この金属メ
ッシュ又は金属繊維(102) としては、例えば可撓性に富
む焼鈍したステンレス鋼線を基材としたものや、或いは
耐熱性に富むニッケル合金、アルミニウム、銅、ニッケ
ルクロム等を基材とした金属等が好適に例示されるが特
に限定はされず、メッシュ又は繊維として形成可能な金
属であれば特に限定はされずいずれのものも好適に使用
できる。また、この場合金属メッシュにあってはそのメ
ッシュ径は1〜3mmの範囲であることが製造上望まし
い。さらにこの金属メッシュ又は金属繊維(102) を膨張
黒鉛フィルム(101) に積層させる場合は例えば熱融着フ
ィルム(103) を介して積層一体化させることが望まし
く、この熱融着フィルム(103) としてはポリアミド系樹
脂、ポリエチレン系樹脂等熱可塑性樹脂よりなるプラス
チックフィルムが好適に用いられる。膨張黒鉛フィルム
(101) と金属メッシュ又は金属繊維(102) との積層は前
述した熱融着フィルム(103) を介して両者を加熱圧着さ
せて成形される。この場合、図4に示される膨張黒鉛フ
ィルム(101) と金属メッシュ又は金属繊維(102) との単
層構造の積層でも、或いは図5に示されるような多層構
造の積層でもいずれの積層でも特に限定はされない。
【0011】ロール状に成形された膨張黒鉛フィルム(1
01) は図6に示す如くスリッター(S) 等によりスリット
状に切断されて膨張黒鉛編組体(1) の繊維材料(104) と
される。この繊維材料(104) を図7に示す如く単数又は
複数撚ることによって単糸(105) が得られる。この場
合、膨張黒鉛フィルム(101) が膨張黒鉛単独より形成さ
れる場合には、スリット状に切断された後、図8に示す
如く圧延ローラー等で芯材(106) とともに圧延されて、
芯材(106) が繊維材料(104) 内にめりこまれた圧延物(1
07) とされてから撚られて単糸(105) とされることが強
度の点から好ましい。得られた単糸は常法に従い連続
糸、即ち編糸とされ、さらに膨張黒鉛編組体(1) とされ
る。得られた膨張黒鉛編組体(1) はさらに真空又は真空
・加圧手法により液状の合成樹脂が含浸され、この発明
に係る高密度密封材とされる。
【0012】図9乃至図10にはこの発明に係る高密度密
封材である膨張黒鉛編組体(1) の第二実施例における構
成材料が示されている。この第二実施例では膨張黒鉛編
組体(1) は繊維材料(104) として膨張黒鉛積層テープ(1
04a)が用いられる。この膨張黒鉛積層テープ(104a)は図
9にその断面を示す如く、膨張黒鉛フィルム(109) と金
属メッシュ又は金属繊維(102) とが熱融着フィルム(10
3) を介して積層された積層体とされる。この膨張黒鉛
積層テープ(104a)は熱融着フィルム(103) を介して膨張
黒鉛フィルム(109) と金属メッシュ又は金属繊維(102)
とを加熱圧着されて得られる。得られた膨張黒鉛積層テ
ープ(104a)は厚さ約0.3 〜1.5mm 、幅約2.0 〜10.0mmの
ものが編組体の繊維材料として好適である。膨張黒鉛積
層テープ(104a)は、金属メッシュ又は金属繊維(102) 側
を内側にされてトイ状のダイス中に通され、その通過に
より図10に示す如く両端からカーリング状に巻き取ら
れ、縦長ロール状の単糸(105) とされる。得られた縦長
ロール状の単糸(105) は前述した第一実施例の場合と同
様に常法に従い連続糸、つまり編糸とされ、さらに膨張
黒鉛編組体(1) とされる。得られた膨張黒鉛編組体(1)
はさらに真空又は真空・加圧手法により液状の合成樹脂
が含浸され、この発明に係る高密度密封材とされる。
【0013】次にこの発明に係る高密度密封材の第三実
施例である膨張黒鉛複合材料について説明する。図11は
この第三実施例を示す膨張黒鉛複合材料(2) の斜視図で
ある。この膨張黒鉛複合材料(2) は図12にその断面を示
すように膨張黒鉛シート(201) の裏表へ任意の接着剤(2
02) を介して多孔質フッ素樹脂として多孔質四フッ化エ
チレン樹脂(203) を積層させて得られる。この発明にお
いて膨張黒鉛シート(201) は密度0.75〜1.5g/cm3、厚さ
0.1 〜1.5mm とされる。この理由は密度が1.5g/cm3を超
えると組織が緻密になりアンカー効果が生じにくく、表
面の凹凸と多孔質フッ素樹脂(203) の多孔質構造とによ
る接着が困難となり、一方密度が0.75g/cm3 未満では表
面の結晶レベルの凹凸を保ちながら、シートとしての必
要強度を保持することが困難となり、何れの場合も好ま
しくないからである。膨張黒鉛シート(201) はその表面
に結晶レベルの凹凸を有しているが、これは膨張黒鉛シ
ート(201) が六角環状平面の黒鉛結晶が積み重なった層
状構成の無機化合物よりなるためである。このように膨
張黒鉛シート(201) の表面を結晶レベルの凹凸を有する
ようにしたのは接着剤(202) の浸透性を向上させるため
である。
【0014】この発明において多孔質フッ素樹脂(203)
としては、経験上延伸加工した多孔質四フッ化エチレン
樹脂が望ましい。この発明に係る多孔質四フッ化エチレ
ン樹脂(203) はポリテトラフロロエチレンのパウダを押
し固めたのち、特定の条件下で急速に延伸する製法にて
製造されており、厚さは5〜150 μm 望ましくは5〜50
μm 、空孔率は25〜95% 望ましくは50〜90% 、孔径は0.
05〜15μm 望ましくは0.0 〜3.0 μm とされる。
【0015】接着剤(202) としてはポリエチレンフィル
ム、オレフィン系フィルム、ウレタン系フィルム等の融
着フィルムが好適に用いられる。
【0016】第三実施例における膨張黒鉛複合材料(2)
は前述した膨張黒鉛シート(201) と多孔質四フッ化エチ
レン樹脂(203) とが接着剤(202) を介して熱ロール又は
熱プレスにより加熱融着されて得られる。この膨張黒鉛
複合材料(2) は、図12に示すように膨張黒鉛シート(20
1) の裏表へ接着材(202) を介して多孔質四フッ化エチ
レン樹脂(203) を積層させても、或いは図13に示すよう
に多孔質四フッ化エチレン樹脂(203) を中心としてその
裏表へ膨張黒鉛シート(201) を積層させてもいずれでも
好適に使用される。得られた膨張黒鉛複合材料(2) はさ
らに第一、第二実施例と同様に真空又は真空・加圧手法
により液状の合成樹脂が含浸され、この発明に係る高密
度密封材とされる。
【0017】次にこの発明に係る高密度密封材の第四実
施例であるフランジ用膨張黒鉛環状複合体(3) について
説明する。図14はこの第四実施例を示す斜視図であり、
図16にはA−A' 線断面の端面図を示す。図16に示す如
くこのフランジ用膨張黒鉛環状複合体(3) は膨張黒鉛シ
ート(301) とステンレス板(302) との互層巻回により形
成されている。このフランジ用膨張黒鉛環状複合体(3)
は、まず膨張黒鉛シート(301) とステンレス板(302) と
が圧縮成形され一体化される。図15には図14のB視が示
されており、この図15図示の如く、一体化物には圧縮成
形によってたわみが生じ、強度特性が向上する。膨張黒
鉛シート(301) とステンレス板(302) とが一体化された
後、次いでフランジ加工されてフランジ用膨張黒鉛環状
複合体(3) とされる。得られたフランジ用膨張黒鉛環状
複合体(3) はさらに第一、第二、第三実施例と同様に強
度特性を一層向上させるため真空又は真空・加圧手法に
より液状の合成樹脂が含浸され、この発明に係る高密度
密封材とされる。
【0018】次にこの発明に係る高密度密封材の第五実
施例であるフランジ用膨張黒鉛環状複合体(4) について
説明する。図17はこの第五実施例の正面図であり、この
C−C' 線断面の端面図を図18に示す。図示するように
このフランジ用膨張黒鉛環状複合体(4) は膨張黒鉛シー
ト(401) とステンレス板(402) と紙又はセラミックシー
ト(403) との互層巻回により形成されている。このフラ
ンジ用膨張黒鉛環状複合体(4) も前述した第三実施例と
同様、膨張黒鉛シート(401) とステンレス板(402) と紙
又はセラミックシート(403) とを圧縮成形した後フラン
ジ加工されて得られる。ここで紙又はセラミックシート
(403) を構成材料として用いた理由はフランジ用膨張黒
鉛環状複合体(4) の密封性をより向上させることができ
るためである。得られたフランジ用膨張黒鉛環状複合体
(4) はさらに第一、第二、第三、第四実施例と同様に強
度特性を一層向上させるため真空又は真空・加圧手法に
より液状の合成樹脂が含浸され、この発明に係る高密度
密封材とされる。
【0019】この発明において、前述した第一乃至第四
実施例に示す高密度密封材に含浸される液状の合成樹脂
としては密封部材とした場合に、その摩擦係数を低下さ
せ、摺動特性を向上させるものであれば良く特に限定は
されない。この具体例を挙げると例えば、シリコーン樹
脂、水溶性フェノール樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂(PTFE樹脂)等のフッ素樹脂、或いは水不溶
性の合成樹脂でガラス、アルミナ、シリカゲル等の無機
微粉末を含むエマルジョン樹脂等が耐熱性に優れ好適で
ある。
【0020】この発明においては上記した液状の合成樹
脂を真空、又は真空・加圧手法を用いて含浸させること
により、従来の膨張黒鉛加工品における密封材よりも生
産性に優れ、且つ引張強度、及び摺動特性に優れた高密
度密封材となる。さらに、上記した真空、或いは真空・
加圧手法に加え、高密度密封材を 380〜450 ℃の温度域
にて加熱処理することにより含浸された樹脂と膨張黒鉛
とが分子結合されて複合体となるため、密封性がより向
上し、膨張黒鉛と合成樹脂との効果的な複合特性を有す
る高密度密封材が得ることができる。
【0021】次にこの発明に係る高密度密封材の製法及
び高密度密封材製造装置を図面に基づいて説明する。図
19乃至図21はこの発明に係る高密度密封材の製造を製造
装置(5) を用いて行なった工程を示す模式説明図であ
り、(501) は気密性容器、(502) は減圧装置、(503) は
加圧装置、(504) は合成樹脂供給容器、(505)は浸透槽
であり、(6) は浸透槽(505) 内に静置された膨張黒鉛編
組体等の高密度密封材である。図示する実施例において
は浸透槽(505) を設けているが、この発明においては必
ずしも必須構成ではなく、設けた方が良い場合には設け
られる。図19乃至図21において気密性容器(501) は吸気
孔(502a)と通気孔(503a)と合成樹脂供給孔(504a) とを
有し、吸気孔(502a)は弁(502b)とパイプ(502c)とを介し
て減圧装置(502) と連通連結されており、通気孔(503a)
は弁(503b)とパイプ(503c)とを介して加圧装置(503) と
連通連結され、合成樹脂供給孔(504a) は弁(504b)とパ
イプ(504c)とを介して合成樹脂供給槽(504) と連通連結
されてなるものである。
【0022】この発明においてはまず、図19に示す如く
通気孔(503a)と合成樹脂供給孔(504a) の弁(503b)、(5
04b)を閉鎖し、減圧装置(502) を作動させ、密封容器(5
01)系内の雰囲気を吸引減圧し、望ましくは完全真空状
態とする。尚、この発明において減圧装置(502) は特に
限定されるものではなく、真空ポンプ等の吸引力を有す
るものであればよい。次いで、図20に示す如く合成樹脂
供給孔(504) の弁(504b)を開口する。すると密封容器(5
01) 系内が真空状態となっているため合成樹脂供給容器
(504) 内に充填された合成樹脂はパイプ(504c)を通って
密封容器(501) 内の浸透槽(505) 内へ流入し、浸透槽(5
05) 内に静置された高密度密封材(6) に真空含浸されて
この発明の高密度密封材が得られる。
【0023】さらに前記した合成樹脂の真空含浸後、図
21に示す如く吸気孔(502a)の弁(502b)及び合成樹脂供給
孔(504) の弁(504b)を閉鎖して、通気孔(503a)の弁(503
b)を開口し、加圧装置(503) を作動させ圧力5〜100kg
/cm2 の条件で30〜300 分間加圧処理することにより高
密度密封材(6) における膨張黒鉛空隙への合成樹脂の含
浸、密着をより一層強固なものとする。
【0024】また、前記した真空含浸後、或いは加圧処
理後の高密度密封材(6) を380 〜450 ℃の温度域にて1
〜5時間加熱処理することにより(図示せず)、化学反
応が生じて真空含浸された又は真空含浸後加圧された合
成樹脂が膨張黒鉛と化学的に分子結合する。この分子結
合によって複合体が形成され、高密度密封材(6) の空隙
への合成樹脂の含浸率がより向上し、膨張黒鉛と合成樹
脂との効果的な複合特性を有する高密度密封材を得るこ
とができる。ここで、加熱温度を 380〜450 ℃の温度域
とした理由は膨張黒鉛の昇華温度が約 680℃であるた
め、高温になりすぎると昇華してしまう恐れがあり、ま
た温度が低すぎるとこの発明の目的とする膨張黒鉛と合
成樹脂との効果的な複合体が得られず好ましくないから
である。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明はスリット
状に切断された膨張黒鉛フィルムが繊維材料とされ、こ
の繊維材料が単数又は複数撚られて単糸とされ、この単
糸から連続した糸が形成されて編糸とされ、この編糸か
ら形成された膨張黒鉛編組体であって、且つこの膨張黒
鉛編組体には液状の合成樹脂が真空又は真空・加圧手法
により含浸されてなることを特徴とする高密度密封材と
膨張黒鉛積層テープが繊維材料とされ、この繊維材料が
両端よりカーリング状に巻き取られて縦長ロール状の単
糸とされ、この単糸から連続した糸が形成されて編糸と
され、この編糸から形成された膨張黒鉛編組体であっ
て、且つこの膨張黒鉛編組体には液状の合成樹脂が真空
又は真空・加圧手法により含浸されてなることを特徴と
する高密度密封材と表面に結晶レベルの凹凸を有する膨
張黒鉛シートと多孔質フッ素樹脂とを任意の接着剤を介
して積層してなる膨張黒鉛複合材料であって、且つこの
膨張黒鉛複合材料には液状の合成樹脂が真空又は真空・
加圧手法により含浸されてなることを特徴とする高密度
密封材と膨張黒鉛シートとステンレス板との互層巻回に
より形成されたフランジ用膨張黒鉛環状複合体であっ
て、且つこのフランジ用膨張黒鉛環状複合体には液状の
合成樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸されてな
ることを特徴とする高密度密封材と膨張黒鉛シートとス
テンレス板と紙又はセラッミクシートとの互層巻回によ
り形成されたフランジ用膨張黒鉛環状複合体であって、
且つこのフランジ用膨張黒鉛環状複合体には液状の合成
樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸されてなるこ
とを特徴とする高密度密封材、及びこれらの製法、並び
に製造装置であるから、膨張黒鉛空隙に合成樹脂を完全
に含浸、密着させることができるため膨張黒鉛の崩壊を
防止することができ、しかも摩擦係数の低い優れた摺動
特性、圧縮率、引張強度、及び合成樹脂との効果的な複
合特性を有する内燃機関等の高密度密封材及び製法とな
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る高密度密封材の第一実施例であ
る膨張黒鉛編組体を示す斜視図である。
【図2】同上、膨張黒鉛編組体の別の実施例を示す斜視
図である。
【図3】同上、第一実施例に用いられる膨張黒鉛フィル
ムの斜視図である。
【図4】同上、第一実施例に用いられる金属メッシュ又
は金属繊維を積層させた膨張黒鉛フィルムの断面図であ
る。
【図5】同上、第一実施例に用いられる金属メッシュ又
は金属繊維を積層させた膨張黒鉛フィルムの他の実施例
を示す断面図である。
【図6】同上、第一実施例に用いられるスリット状に切
断された繊維材料を示す説明図である。
【図7】同上、第一実施例に用いられる単糸を示す説明
図である。
【図8】同上、第一実施例に用いられる単糸の他の実施
例を示す説明図である。
【図9】この発明に係る高密度密封材の第二実施例であ
る膨張黒鉛編組体に用いられる膨張黒鉛積層体の断面図
である。
【図10】同上、第二実施例における膨張黒鉛積層体のカ
ーリング状態を示す説明図である。
【図11】この発明に係る高密度密封材の第三実施例を示
す膨張黒鉛複合材料の斜視図である。
【図12】同上、第三実施例の断面図である。
【図13】同上、第三実施例の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図14】この発明に係る高密度密封材の第四実施例を示
すフランジ用膨張黒鉛環状複合体の斜視図である。
【図15】図14におけるB視拡大図である。
【図16】図14におけるA−A' 線断面の端面拡大図であ
る。
【図17】この発明に係る高密度密封材の第五実施例を示
すフランジ用膨張黒鉛環状複合体の正面図である。
【図18】図17におけるC−C' 線断面の端面拡大図であ
る。
【図19】この発明に係る高密度密封材の製造装置及びこ
の装置を用いて行った高密度密封材の製造方法を示す一
段階である真空工程を示した模式説明図である。
【図20】同上、液状の合成樹脂の真空含浸工程を示した
模式説明図である。
【図21】同上、加圧工程を示した模式説明図である。
【符号の説明】
(1) 膨張黒鉛編組体 (101) 膨張黒鉛フィルム (104) スリット状に切断された繊維材料 (104a)膨張黒鉛積層テープ (105) 単糸 (2) 膨張黒鉛複合材料 (201) 膨張黒鉛シート (202) 接着剤 (203) 多孔質四フッ化エチレン樹脂 (3) フランジ用膨張黒鉛環状複合体 (301) 膨張黒鉛シート (302) ステンレス板 (4) フランジ用膨張黒鉛環状複合体 (401) 膨張黒鉛シート (402) ステンレス板 (403) 紙又はセラミックシート (5) 高密度密封材製造装置 (501) 気密性密封容器 (502) 減圧装置 (502a) 吸気孔 (503) 加圧装置 (503a) 通気孔 (504) 合成樹脂供給層 (504a) 合成樹脂供給孔 (505) 浸透槽 (6) 高密度密封材 (502b)、(503b)、(504b) 弁 (502c)、(503c)、(504c) パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/16 F16J 15/10 F 7233−3J (72)発明者 白井 文朗 兵庫県伊丹市寺本5丁目114番地の1 伊 丹昆陽ビユーハイツ414号 (72)発明者 内田 隆 大阪府吹田市千里丘下14番13号 株式会社 内田商店内 (72)発明者 山際 幾雄 大阪市北区梅田2丁目5番13号桜橋第一ビ ル 新素材販売株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリット状に切断された膨張黒鉛フィル
    ムが繊維材料とされ、この繊維材料が単数又は複数撚ら
    れて単糸とされ、この単糸から連続した糸が形成されて
    編糸とされ、この編糸から形成された膨張黒鉛編組体で
    あって、且つこの膨張黒鉛編組体には液状の合成樹脂が
    真空又は真空・加圧手法により含浸されてなることを特
    徴とする高密度密封材。
  2. 【請求項2】 膨張黒鉛積層テープが繊維材料とされ、
    この繊維材料が両端よりカーリング状に巻き取られて縦
    長ロール状の単糸とされ、この単糸から連続した糸が形
    成されて編糸とされ、この編糸から形成された膨張黒鉛
    編組体であって、且つこの膨張黒鉛編組体には液状の合
    成樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸されてなる
    ことを特徴とする高密度密封材。
  3. 【請求項3】 表面に結晶レベルの凹凸を有する膨張黒
    鉛シートと多孔質フッ素樹脂とを任意の接着剤を介して
    積層してなる膨張黒鉛複合材料であって、且つこの膨張
    黒鉛複合材料には液状の合成樹脂が真空又は真空・加圧
    手法により含浸されてなることを特徴とする高密度密封
    材。
  4. 【請求項4】 膨張黒鉛シートとステンレス板との互層
    巻回により形成されたフランジ用膨張黒鉛環状複合体で
    あって、且つこのフランジ用膨張黒鉛環状複合体には液
    状の合成樹脂が真空又は真空・加圧手法により含浸され
    てなることを特徴とする高密度密封材。
  5. 【請求項5】 膨張黒鉛シートとステンレス板と紙又は
    セラッミクシートとの互層巻回により形成されたフラン
    ジ用膨張黒鉛環状複合体であって、且つこのフランジ用
    膨張黒鉛環状複合体には液状の合成樹脂が真空又は真空
    ・加圧手法により含浸されてなることを特徴とする高密
    度密封材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載の高密度密封材が
    加熱処理され含浸された樹脂と膨張黒鉛とが分子結合し
    て複合体とされてなることを特徴とする請求項1乃至5
    記載の高密度密封材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の高密度密封材を吸
    気孔と通気孔と合成樹脂供給孔とを有する気密性容器内
    に静置し、吸気孔は弁とパイプとを介して減圧装置と連
    通連結し、通気孔は弁とパイプを介して加圧装置と連通
    連結し、合成樹脂供給孔は弁とパイプを介して気密性容
    器内と気密性容器外の合成樹脂供給槽と連通連結され、
    吸気孔から容器系内の雰囲気を除去して減圧状態とし、
    合成樹脂供給孔の弁を開口して合成樹脂供給槽から液状
    の合成樹脂を流入させ高密度密封材に真空含浸させてな
    ることを特徴とする高密度密封材の製法。
  8. 【請求項8】 高密度密封材の真空含浸後処理として、
    合成樹脂供給孔の弁を閉じ通気孔の弁を開口し、圧力5
    〜100Kg /cm2 の条件で30〜300 分間加圧処理すること
    を特徴とする請求項7に記載された高密度密封材の製
    法。
  9. 【請求項9】 高密度密封材を380 〜450 ℃の温度域に
    て1〜5時間加熱処理することを特徴とする請求項7若
    しくは請求項8に記載された高密度密封材の製法。
  10. 【請求項10】 吸気孔と通気孔と合成樹脂供給孔とを有
    する気密性容器と、前記吸気孔と連通連結された減圧装
    置と、前記通気孔と連通連結された加圧装置と、前記合
    成樹脂供給孔を介して気密性容器内と連通連結された合
    成樹脂供給槽とからなることを特徴とする高密度密封材
    の製造装置。
JP3116718A 1991-04-19 1991-04-19 高密度密封材及び高密度密封材の製法、並びに高密度密封材製造装置 Pending JPH05148472A (ja)

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