JPH0514842U - 質量流量計外筐 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部振動が外筐を介して伝播しても流量計測
精度に悪影響を及ぼすことがなく、更には高圧流体計測
時において計測部に液洩れがあっても外筐外に流出する
ことをなくす。 【構成】 両端にフランジ２，２を有する支持管１に流
量計部を外筐５内に収納したもので、該外筐を六面体形
状に密閉する筐体６を有し、該筐体の各々の辺にアング
ル７を溶着して補強した構造とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、コリオリ流量計に関し、より詳細には、コリオリ流量計の質量流量 計測部を収納する筐体に関する。

【０００２】

【従来技術】

コリオリ流量計は、流体の流通する直管又は湾曲管等の振動管に支持点を設け 、該支持点まわりに角速度ωの振動を与えたときに流体に作用するコリオリの力 が質量流量ｍに比例することを利用する質量流量計である。前記振動管は直管又 は湾曲管のものが利用され、振動管が直管の場合は一つの区間を挾んだ２点で支 持されるが、湾曲管の場合は外部配管に介装される支持管壁に該支持管内に設け られた支切板を挾んで開口するように固着される。前記湾曲管の支持管への取付 は支持管への固着点を結ぶ線の方向を第１軸とし、該第１軸に直交する軸を第２ 軸とした場合、湾曲管は第２軸に軸対称に配設される。前記湾曲管は第１軸まわ りに電磁石等の駆動手段により一定振幅の正弦状に振動するように駆動され、そ の結果、第１軸のまわりにコリオリの力が発生する。該コリオリの力は湾曲管の 第２軸に関する対称位置において、湾曲管の静止平面を湾曲管の両腕が通過する 時間差として計測され、該時間差は通常電磁手段により正弦信号に変換後、両腕 で検出された正弦信号の位相差を求めて、該位相差に比例した質量流量信号に変 換出力される。 而して、上述のコリオリ流量計は外筐に収納され、流管に介装される。

【０００３】 叙上のコリオリ流量計の介装される流管は床上、天井等に支持されているので ポンプ脈動による流体の流れ変動や設置地点の振動等により絶えず微小な振動を 伴っている。これらの振動は、コリオリ流量計に直接又は外筐を介して伝播され る。しかし、コリオリ流量計で検出されるコリオリの力は振動管の極めて微小な 位相差（時間差）によるものであるから、外部振動は質量流量計測にとって外乱 となる。 従って、コリオリ流量計は振動影響のない場所又は防振手段を用いて介装され る。しかし、外筐は通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等の薄板により成形 されるので、剛性は低く、外部振動影響を受け易いという問題があった。更に、 外筐は振動管に破損が生じた場合、被計測流体が流出するのを防ぐため、密閉構 造をとっているが、薄板のみで成形された外筐は変形し易く、高圧流体の場合、 液洩れを生ずることがあった。

【０００４】

【目的】

本考案は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、外部振動が、外筐を介 して伝播し、コリオリ流量計の精度に悪影響を及ぼすことがなく、更には、特に 高圧流体計測時において流量計測部分に液もれがあっても、外筐外に流出するこ とのない安定した精度で安全なコリオリ流量計とすること可能とする質量流量計 外筐を提供することを目的としてなされたものである。

【０００５】

【構成】

本考案は、上記目的を達成するために、（１）被測定流体の流通する配管に介 装され、内部に仕切板を有する支持管と、該支持管に前記仕切板を挟んで開口し 、支持される湾曲管と、該湾曲管を支持点まわりに励振する駆動手段と、励振に より発生し、コリオリの力に比例する信号を検出するセンサとを具備し、コリオ リの力に比例した質量流量を求めるコリオリ流量計において、前記支持管上に前 記コリオリ流量計要素を密閉収納する外筐を設け、該外筐を六面体状の筐体とし 、該筐体の各々の辺にアングルを溶着して補強した構造としたことを特徴とする ものであり、更には、（２）前記（１）において、前記六面体の筐体において、 該六面体における少くとも一つの対向する面間に固着補強部材を設けたことを特 徴とするものである。以下、本考案の実施例に基づいて説明する。まず、本考案 を適用するコリオリ流量計の構成を説明する。

【０００６】 図２（ａ）,（ｂ）は、コリオリ流量計における構成を示す図で、図２（ａ） は側面図、図２（ｂ）は流れ方向からみた図であり、図示において、１０は支持 管、１１は支切板、１２はフランジ、１３は支持板、１４は保持板、１５は基板 、１６は湾曲管（振動管）、１７は押え板、１８はアーム、１９は駆動部、２０ はセンサである。

【０００７】 図示において、支持管１０は、被測流体の流通する配管（図示せず）に介装す るためのフランジ１２を有する管体で、内部に支切板１１，１１が設けられてい る。湾曲管１６，１６はＵ字管状の中空管で互いに平行な面となるように保持板 １４および押え板１７に保持され支持管１０内に開口し固着される。湾曲管１６ ，１６は支切板１１，１１を挾んで支持管１０に開口するので支持管１０の一方 のフランジ１２よりに流入する流体は湾曲管１６，１６に均等に分流されて他方 のフランジにより流出する。駆動部１９はアーム１８，１８に各々固着された駆 動コイルとプランジャとからなり、湾曲管１６，１６は軸Ｘ−Ｘ廻りに近接離間 するような音叉状振動すなわち共振周波数で駆動される。コリオリの力は軸Ｙ− Ｙまわりに発生し、該コオリオリの力はセンサ２０，２０に発生する正弦振動波 が基準面を通過する時間差として検知される。

【０００８】 図１は、本考案の質量流量計外筐による一実施例を説明するための図で、図中 、１は支持管、２はフランジ、３は支持板、４は電線取出口、５は外筐、６はケ ース、７はアングル、８はナットウェルド、９は補強部材である。

【０００９】 支持管１は両端部にフランジ２，２を有し内部に流路を湾曲管に導入するため の支切板１１を設けた管体である。支持管１にはコリオリ流量計の要部である湾 曲管１６が開口に固着され、該湾曲管１６には駆動部１９およびセンサ２０が配 設されている。外筐５は、前記コリオリ流量計の要部を収納し保護するための密 閉容器で、六面体状のケース６と該ケースの各々辺に溶着されるアングル７とか らなる。外筐５は基板１５上に溶着され、更にアングル７で補強される。

【００１０】 補強部材９はケース６の面剛性を高めるためのもので管体又は棒等からなり、 該補強部材９の両端部をケース６の対向する面に溶着等により固着する。ナット ウェルド８はコリオリ流量計の要部を化学的に保護するため外筐５内に不活性ガ ス、例えば、アルゴン等を放入後閉止するための給入口で、不活性ガス圧は大気 圧で注入される。

【００１１】

【効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、外筐は、単に薄板のケース だけでなく、六面形状のケースの各々の辺にアングルで補強したので剛性は格段 に高くなり共振周波数が高くなるので通常配管振動の影響を受けることがなく振 動による雑音がなくなるので安定した精度で質量流量を計測できる。更には、コ リオリ流量計測部において高圧流体の液洩れ等があっても変形することがなく収 容できるので、安全性が増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の質量流量計外筐による一実施例を説
明するための図である。

【図２】 コリオリ流量計における構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

１…支持管、２…フランジ、３…支持板、４…電線取出
口、５…外筐、６…ケース、７…アングル、８…ナット
ウェルド、９…補強部材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被測定流体の流通する配管に介装され、
   内部に仕切板を有する支持管と、該支持管に前記仕切板
   を挟んで開口し支持される湾曲管と、該湾曲管を支持点
   まわりに励振する駆動手段と、励振により発生しコリオ
   リの力に比例する信号を検出するセンサとを具備し、コ
   リオリの力に比例した質量流量を求めるコリオリ流量計
   において、前記支持管上に前記コリオリ流量計要素を密
   閉収納する外筐を設け、該外筐を六面体状の筐体とし、
   該筐体の各々の辺にアングルを溶着して補強した構造と
   したことを特徴とする質量流量計外筐。
2. 【請求項２】 前記六面体の筐体において、該六面体に
   おける少くとも一つの対向する面間に固着補強部材を設
   けたことを特徴とする請求項１記載の質量流量計外筐。