JPH051481U - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で作業も簡単に行うことができる
ようにする。 【構成】 外箱１の各上端隅角部のフランジ部１１及び
立上り部１２に、補強板７が水受け槽３等を吊り棒８を
介して弾性吊持しながら係合孔１３に係合爪１９が係合
されて仮保持され、またトップカバー２の突起２５を補
強板７の貫通孔１８と外箱１の立上り部１２の嵌合孔１
４に貫通嵌合させ、さらにトップカバー２の係止孔２７
と補強板７の貫通孔１８とを立上り部１２の螺合孔１５
にねじ２６によって螺着され、トップカバー２と外箱１
とに挟持されるようにして補強板７は移動を阻止されて
取り付けられる。これにより組立て作業に高価な設備を
要することなく、構成が簡単で作業も簡単に行うことが
できて製作コストが安くできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば外箱内に水受け槽を弾性吊持するようにした脱水兼用洗濯機 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、回転槽を収納する水受け槽を吊り棒によって外箱内に弾性吊持する脱水 兼用洗濯機は、外箱の上端開口部にフランジ部を設け、四隅角部のフランジ部に 球面状の支持部を有する補強板をスポット溶接によって固定しており、また弾性 支持部を介して水受け槽を下端部で支持する吊り棒が補強板の支持部の底部に形 成された支持孔を貫通しながら、その上端部の球面状滑動体によって支持部に吊 持されるように構成されている。しかし、このような構成では、補強板のスポッ ト溶接を外箱形状が形成された状態で四隅角部のフランジ部で行うこととなるた め、組立て作業は複雑でかつ長時間を要するもので簡単なものではなく、また組 み立てを行うためには高価な設備等が必要となり、製作コストが高くなるもので あった。

【０００３】 一方、外箱を予め塗装されたカラー鋼板によって形成しようとする場合には、 補強板をスポット溶接する四隅角部のフランジ部の塗装を剥がし、その後に補強 板をスポット溶接するため上述の場合よりもさらに組立て作業は面倒なものとな り、より製作コストが高くなるものであった。また、スポット溶接に替えてリベ ット締めによって補強板をフランジ部に固定しようとしても、塗装を剥がす必要 はなくなるものの組立て後の寸法精度をだすのが難しく、組立て作業は複雑でか つ長時間を要する等、同じように製作コストが高くなるものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような組立て作業が複雑で、高価な設備を要し、製作コストが高くなる 状況に鑑みて本考案はなされたもので、その目的とするところは組立て作業に高 価な設備を要することなく、構成が簡単で作業も簡単に行うことができて製作コ ストが安く、さらにカラー鋼板を用いて形成しようとする場合においても作業が 簡単で、製作コストが安い脱水兼用洗濯機を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の脱水兼用洗濯機は、上端開口部にトップカバーが被着された外箱内に 回転槽を収納する水受け槽を吊り棒によって弾性吊持するようにしたものにおい て、外箱の上端開口部の少なくとも隅角部近傍を内方に曲成することによって設 けられかつ係合孔が形成されたフランジ部と、このフランジ部の係合孔の近傍を 上方に曲成することによって設けられた立上り部と、外箱の前側隅角部近傍の立 上り部に形成された嵌合孔と、外箱の後側隅角部近傍の立上り部に形成された螺 合孔と、外箱の隅角部のフランジ部に載置支持されるとともに嵌合孔及び螺合孔 に対応する位置に貫通孔が形成されかつ係合孔に係合される係合爪が形成された 補強板と、この補強板に設けられ吊り棒の上端部を吊持する支持部と、トップカ バーの前側角部近傍内面に突設された補強板の貫通孔及び立上り部の嵌合孔に貫 通嵌合する突起と、トップカバーの後側角部近傍に穿設された補強板の貫通孔と ともに立上り部の螺合孔に螺着される係止孔とを備えていることを特徴とするも のである。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された脱水兼用洗濯機は、外箱の各上端隅角部のフランジ部 及び立上り部に、補強板が水受け槽等を吊り棒を介して弾性吊持しながら係合孔 に係合爪が係合されて仮保持され、またトップカバーの突起を補強板の貫通孔と 外箱の立上り部の嵌合孔に貫通嵌合させ、さらにトップカバーの係止孔と補強板 の貫通孔とを立上り部の螺合孔にねじによって螺着され、トップカバーと外箱と に挟持されるようにして補強板は移動を阻止されて取り付けられる。これにより 組立て作業に高価な設備を要することなく、構成が簡単で作業も簡単に行うこと ができて製作コストが安くでき、さらにカラー鋼板を用いる場合においても作業 が簡単となって、製作コストが安くできる

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図４を参照して説明する。図１は洗濯機の 一部切欠側面図、図２は要部の分解斜視図、図３及び図４は部分側断面図である 。図において１はカラー鋼板で形成された外箱で、その上面には洗濯物の出し入 れ口を開閉する蓋及び操作部が設けられたトップカバー２が被着されている。ま た外箱１内には水受け槽３が弾性吊持されており、水受け槽３の外底部にはモー タ４を備えた駆動部５が設けられ、この駆動部５の駆動軸が水受け槽３の底部を 水密に貫通するように設けられている。そして、水受け槽３内には水受け槽３の 底部を貫通した駆動部５の駆動軸によって回転駆動される回転槽６が設けられ、 回転槽６の内部には駆動軸によって別駆動される図示しない攪拌体が設けられて いる。一方、外箱１の上端開口部の４箇所の隅角部には補強板７が載置支持され ており、この補強板７に吊り棒８が上端部で支持されている。そして、吊り棒８ の下端部にはスプリングを内装した弾性支持部９が設けられていて、この弾性支 持部９が水受け槽３の下部外壁に延設された支持腕１０を支持することによって 水受け槽３は外箱１に弾性吊持されている。

【０００８】 さらに詳述すれば、外箱１の上端部には内方に曲成されることによってフラン ジ部１１が形成されており、さらにフランジ部１１の縁端には上方に曲成される ことによって立上り部１２が形成されている。そして、フランジ部１１の各隅角 部近傍には角部を中心とする対称な位置に各２個の角形状の係合孔１３が形成さ れており、外箱１の前側２箇所の隅角部近傍の立上り部１２にはその前縁側と側 縁側とに嵌合孔１４が形成され、後側２箇所の隅角部近傍の立上り部１２には後 縁側に螺合孔１５が形成されている。

【０００９】 また、外箱１の上端４箇所の隅角部に載置される補強板７は上面部１６の形状 が略直角３角形をしていて、上面部１６の直角を挟む２辺には下方に曲成される ことによって立下り部１７が形成されている。立下り部１７には嵌合孔１４及び 螺合孔１５に対応する位置に貫通孔１８が形成され、さらに立下り部１７の係合 孔１３に対応する位置に係合爪１９が下方に延出するように形成されている。一 方、補強板７の上面部１６の中央部分には、球面状に陥没形成された支持部２０ が底部に円形の支持孔２１を設けて形成されている。支持孔２１には吊り棒８が 貫通し、貫通した吊り棒８の上端部にはワッシャ２２及びピン２３によって抜け 止めされた滑動体２４が装着されている。そして、滑動体２４の球面状に形成さ れた下面が支持部２０に滑動可能に支持されることによって、吊り棒８は補強板 ７に支持される。

【００１０】 また、トップカバー２には前側２箇所の角部近傍の前縁側と側縁側の内面に、 外箱１の上端に被着されたときに補強板７の貫通孔１８を貫通し、フランジ部１ １の嵌合孔１４に貫通嵌合する突起２５が突設されており、後側２箇所の角部近 傍の後縁側に、同じく被着されたときに補強板７の貫通孔１８とともにフランジ 部１１の螺合孔１５にねじ２６によって螺着される係止孔２７が穿設されている 。

【００１１】 そして、以上のように構成された洗濯機の組み立ては、水受け槽３に攪拌体や 回転槽６及び駆動部５を予め組み付けておいた後に、吊り棒８の下部を支持腕１ ０に挿通すると共に、吊り棒８の上端部に補強板７と滑動体２４さらにワッシャ ２２を順に挿通し、ピン２３によって抜け止めして水受け槽３等の仮組み立てを しておく。次に仮組み立てされた水受け槽３等を外箱１内に挿入し、補強板７の 係合爪１９をフランジ部１１の係合孔１３に係合させ、立下り部１７を立上り部 １２の外面に掛合させるようにして外箱１の上端の各隅角部に補強板７を載置さ せ、外箱１に水受け槽３等を仮保持させておく。続いてトップカバー２の前側２ 箇所の角部に突設した突起２５を補強板７の貫通孔１８に貫通させ、フランジ部 １１の嵌合孔１４に貫通嵌合させながら外箱１の上端に被着させる。またトップ カバー２の後側２箇所の角部に穿設された係止孔２７に、補強板７の貫通孔１８ を貫通するようにねじ２６が挿着され、トップカバー２は補強板７とともにフラ ンジ部１１の螺合孔１５に螺着される。これによって外箱１の４箇所の角部に載 置した補強板７はトップカバー２と外箱１とに移動を阻止され、それらに挟持さ れる。

【００１２】 このように構成された本実施例によれば、外箱１の上端の各隅角部に補強板７ が水受け槽３等を保持しながら仮保持され、トップカバー２を突起とねじ２６に よって被着することにより移動を阻止されて取り付けられることとなり、スポッ ト溶接やリベット締めなどによらず、簡単な構成で組み立て作業も非常に容易な ものとなり、十分な取り付け精度を得ることができる。さらにスポット溶接やリ ベット締めなどを行なうための溶接機や治具等の設備を必要とせず、製作コスト が安価なものとなる。そしてカラー鋼板を用いて外箱１を形成する場合において も、リベット締めあるいは塗装を剥がしてから溶接するなどの作業がなく、組み 立て作業が簡単なものとなり製作コストを安くすることができる。また外箱１へ の補強板の取り付け、あるいはその後の製作途中で外箱１や補強板等に不良が生 じた場合においても、不良となった部品のみの交換でよいため部品不良損失を低 減することができる。

【００１３】 尚、本考案は上記の実施例のみに限定されるものではなく、トップカバー２の 前側角部に突設された突起２５の形状や数及び後側角部に穿設された係止孔２７ の数等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案は、外箱の上端の各隅角部に補強板が 水受け槽等を吊り棒を介して弾性吊持しながら仮保持され、トップカバーの突起 とねじによって移動を阻止されて取り付けられる構成としたことにより、組立て 作業に高価な設備を要することなく、構成が簡単で作業も簡単に行うことができ て製作コストが安くでき、さらにカラー鋼板を用いる場合においても作業が簡単 となって、製作コストが安くできる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部切欠側面図であ
る。

【図２】図１の要部の分解斜視図である。

【図３】図２におけるＡ−Ａ矢方向視の部分側断面図で
ある。

【図４】図２におけるＢ−Ｂ矢方向視の部分側断面図で
ある。

【符号の説明】

１…外箱 ２…トップカバー ３…水受け槽 ６…回転槽 ７…補強板 ８…吊り棒 １１…フランジ部 １２…立上り部 １３…係合孔 １４…嵌合孔 １５…螺合孔 １８…貫通孔 ２０…支持部 ２５…突起 ２７…係止孔

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 上端開口部にトップカバーが被着された
   外箱内に回転槽を収納する水受け槽を吊り棒によって弾
   性吊持するようにしたものにおいて、前記外箱の上端開
   口部の少なくとも隅角部近傍を内方に曲成することによ
   って設けられかつ係合孔が形成されたフランジ部と、こ
   のフランジ部の前記係合孔の近傍を上方に曲成すること
   によって設けられた立上り部と、前記外箱の前側隅角部
   近傍の立上り部に形成された嵌合孔と、前記外箱の後側
   隅角部近傍の立上り部に形成された螺合孔と、前記外箱
   の隅角部のフランジ部に載置支持されるとともに前記嵌
   合孔及び前記螺合孔に対応する位置に貫通孔が形成され
   かつ前記係合孔に係合される係合爪が形成された補強板
   と、この補強板に設けられ前記吊り棒の上端部を吊持す
   る支持部と、前記トップカバーの前側角部近傍内面に突
   設された前記補強板の貫通孔及び前記立上り部の嵌合孔
   に貫通嵌合する突起と、前記トップカバーの後側角部近
   傍に穿設された前記補強板の貫通孔とともに前記立上り
   部の螺合孔に螺着される係止孔とを備えていることを特
   徴とする脱水兼用洗濯機。