JPH05146503A - 生体活性セラミツクス材料 - Google Patents

生体活性セラミツクス材料

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JPH05146503A
JPH05146503A JP3317101A JP31710191A JPH05146503A JP H05146503 A JPH05146503 A JP H05146503A JP 3317101 A JP3317101 A JP 3317101A JP 31710191 A JP31710191 A JP 31710191A JP H05146503 A JPH05146503 A JP H05146503A
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ions
metal oxides
ceramic
alkaline earth
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JP3317101A
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Tooru Nonami
野浪  亨
Hiroyasu Noma
弘康 野間
Shinya Nakajima
信也 中島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人工骨等に使用するセラミックス材料の生
体活性を高め、新生骨の生成、結合を迅速化する。 【構成】 CaOを除くアルカリ土類金属酸化物及び
アルカリ金属酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも
1種以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成分とする非
燐酸カルシウム系組成を有し、Pイオン、Caイオンを
含有する水溶液中で表面上にHAPを析出しうる生体活
性セラミックス材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工骨、人工歯根、人工
関節、人工血管、骨欠損部充填材、抗体または菌類等の
培養担体等に応用可能な生体活性セラミックス材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、人工骨、人工歯根、人工関節
等に用いられる生体インプラント材料としては、ステン
レス鋼、金属チタン、ニッケル・コバルト合金などの金
属類やアルミナ、ジルコニアなどのセラミックス材料が
用いられてきた。
【0003】しかしながら、これらの材料は、骨等生体
組織と直接結合し同質一体化する性質(生体活性)を有
しないために、埋入手術後、繰り返し応力がかかる状況
下で時間が経過すると、骨とインプラントの境界面で隙
間を生じ、固定力が低下してぐらつきの原因にもなるこ
とがある。更に、これにより骨吸収が生じ骨部を損なう
と共に脱落の恐れも生じうる。
【0004】これに対し、骨や歯の組成と類似した燐酸
カルシウム系材料は、生体活性を有し、生体内で経時的
に骨と同質一体化し直接結合するので、優れた生体親和
性、結合安定性を有する。
【0005】この為、最近では、水酸アパタイト(HA
P)、燐酸三カルシウム(TCP)、バイオガラス等を
主体とした燐酸カルシウム系セラミックスを用いたイン
プラントが注目されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の燐酸カルシウム系セラミックスは、新生骨と直接結合
する特徴を有するが、これらの材料によっても未だ新生
骨の成長、成熟、材料との結合には時間がかかり、早期
治癒には十分といえるものではなかった。
【0007】更に従来、生体活性を示すセラミックス材
料は生体組織と同じ燐酸カルシウム系化合物を基本とす
る組成でなければならないと、信じられていた為に組成
の選択範囲が限られ、必ずしも十分な物性改善を行う事
ができなかった。
【0008】本発明者等は、上記問題点に鑑み生体セラ
ミックス材料について種々研究を重ねた結果、CaO,
SiO2 を含むセラミックスは非燐酸カルシウム系セラ
ミックスでありながら、意外にも良好な生体活性を示す
ことを発見し、先にこれを出願した(特開平3−901
52)。
【0009】この材料は、CaOを必須成分とする非燐
酸カルシウム系セラミックスを、体液、擬似体液中に浸
漬すると、水酸アパタイト(HAP)を析出し、これに
よって新生骨の生成を良好化するというものである。
【0010】これは、セラミックス組成中のCaO成分
が体液中のPイオンと反応して、HAPが析出するもの
と考えられた。
【0011】しかしながら、本発明者らが上記の生体活
性セラミックス材料の研究を更に進めていった結果、全
く意外にも析出されるHAPの成分となるCaOを含有
しないセラミックス組成の場合であっても、BaO,M
gO,SrO等のCaO以外のアルカリ土類金属酸化
物、またはNa2O, K2 O等のアルカリ金属酸化物の少
なくとも一種以上とSiO2 を含有する特定組成のセラ
ミックスにおいては、体液中に浸漬すると、そのセラミ
ックス表面に生体骨の組織と極めて近い結晶化度の低い
HAPを生成することを発見した。
【0012】更にこの場合の生体活性も従来のHAP,
TCP等の燐酸カルシウム系セラミックス材料を上回る
ことを確認した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の新たな
発見に基づきなされたものである。
【0014】即ち、本発明は、Caを除くアルカリ土類
金属酸化物およびアルカリ金属酸化物よりなる群から選
ばれた少なくとも一種以上の金属酸化物と、SiO2
必須成分とする非燐酸カルシウム系組成を有し、Pイオ
ン、Caイオンを含有する水溶液中で表面に燐酸カルシ
ウム系化合物を析出しうる生体活性セラミック材料であ
り、またアルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金属酸
化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の金属
酸化物と、SiO2を必須成分とし、P、Caを実質的
に含有しない非燐酸カルシウム系組成を有し、Pイオ
ン、Caイオンを含有する水溶液中で表面に燐酸カルシ
ウム系化合物を析出しうる生体活性セラミック材料であ
る。
【0015】ここで、本発明の生体活性セラミックス材
料は、下記の範囲の材料が好ましい。
【0016】即ち、前記アルカリ土類金属酸化物がBa
O,MgO及びSrOの少なくとも一種以上であり、前
記アルカリ金属酸化物がNa2O, K2 Oの少なくとも一
種以上であること。
【0017】また、前記組成中のアルカリ土類金属酸化
物及びアルカリ金属酸化物の合計量とSiO2 の重量比
が1:4ないし6:1の範囲にあること。
【0018】また、前記セラミックスが結晶粒径が0.
001〜100μmであること。
【0019】
【作用】本発明では、セラミックス材料として、従来の
燐酸カルシウム系焼結セラミックスを用いず、CaOを
除くアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物
の少なくとも一種以上とSiO2 を含有する組成から成
るセラミックスを用いる。
【0020】HAP析出のメカニズムは明らかではない
が、この材料をPイオン、Caイオンを含有する水溶液
中に浸漬すると該セラミックス表面でセラミックス成分
と共にPイオン、Caイオンが反応しHAPが析出する
ものと考えられる。
【0021】これにより、焼結法で得られるHAPより
も結晶化度が低く極めて骨成分に近似したHAP析出層
が得られ、焼結HAPよりも新生骨の生成、成熟が早
く、インプラントととの結合が迅速となる。
【0022】〔具体的構成〕以下本発明の具体的構成を
説明する。
【0023】〔セラミックス材料〕本発明の外表面を構
成するセラミックス材料は、CaOを除くアルカリ土類
金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少なくとも一種
以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸
カルシウム系セラミック材料であり、且つ基本成分とし
てCa、Pを実質的に含有する必要がないことを特徴と
するものである。
【0024】そして、本材料は、非燐酸カルシウム系で
ありながら生体活性を示し、Pイオン、Caイオンを含
有する水溶液(例えば体液、擬似体液)と接触した場
合、その接触面において燐酸カルシウム系化合物例えば
水酸アパタイト(HAP)を生成することを特徴とす
る。
【0025】これにより、生体に移植した場合、生体骨
との接触面に生体親和性の良好なHAPが迅速、均一に
析出し、新生骨の生成を促進する。
【0026】しかも、このようにして形成された生体骨
との結合部分は、組成中の成分が濃度勾配を形成し、結
晶的にもインプラントと生体骨の間で連続したものとな
っているので、非常に強固な結合を生じる。
【0027】これに対し、従来の焼結HAPからなるイ
ンプラントは表面に燐酸カルシウム系化合物を析出する
ことが無く、結晶化度も異なるので、新生骨の生成は不
均一で遅く、早期固定が弱いものである。
【0028】代表的セラミックス組成としては、アルカ
リ土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少なくと
も一種以上とSiO2 を重量比で1:4ないし6:1の
範囲に有るものであり、好ましくは1:3ないし2:1
の範囲のものである。この範囲外では、生体親和性また
は強度が低下するためである。
【0029】本組成において、SiO2 の添加量を増加
させることにより、熱膨張係数を増加させることができ
る。
【0030】これにより金属チタンやチタン合金等の金
属基体等に積層、または複合化を行なう場合に熱膨張係
数の整合を図ることができる。
【0031】金属基体上にセラミックス材を積層する場
合、SiO2 の含有量をセラミックス組成全体に対し3
0〜75重量%の範囲、好ましくは35〜70重量%の
範囲で含有させる事により金属基体との熱膨張係数の比
を0.5〜1.5の範囲に制御する事ができる。
【0032】アルカリ土類金属酸化物としては、主にM
gO,SrO,BaO等の中から1種もしくは2種以上
が選ばれる。
【0033】MgO,SrO,BaOの含有量は合計で
セラミックス組成中に30〜80重量%、特に40〜7
0重量%含有するものが好ましい。
【0034】特にMgOを主体とするものは、高強度
化、低温焼成化に特に好ましい。
【0035】また、MgOの含有割合を増加させると熱
膨張係数が減少し熱膨張係数の調整を行なうこともでき
る。
【0036】また、上記のアルカリ土類金属酸化物にか
えて、またはその一部にアルカリ金属酸化物を用いるこ
とができる。
【0037】この場合は、主としてNa2 O,K2 O,
Li2 Oの中から1種もしくは2種以上が選ばれ、好ま
しくはMgO,SrO,BaO等への添加組成として用
いられ、添加の場合は好ましくは、0.1〜25重量%
の範囲で用いられる。
【0038】本発明で用いるセラミックス組成は、アル
カリ土類金属酸化物を含有する材料では、例えば、ホル
ステライト(Forsterite:2MgO−SiO
2 )、プロトエンスタタイト(Protoenstat
ite:MgO−SiO2 )、トリジマイト(Trid
ymite:SiO2 )などの領域に属するセラミック
ス材料を挙げることができるが、好ましいのは強度の高
いホルステライト領域のものである。
【0039】但し、前記の他の化合物との混合物も用い
る事ができる。
【0040】アルカリ金属酸化物を含有する材料では、
SiO2 −K2 O,SiO2 −Li2 O−MgO,Si
2 −Li2 O−TiO2 ,SiO2 −Na2 O系等の
組成系のものがある。
【0041】特に低温焼成できるのは、SiO2 −K2
O,SiO2 −Na2 O系のものである。
【0042】本発明で用いるセラミックスには、前記し
た成分の他に、必要に応じて所望の物性を損なわない程
度の量、通常は5重量%以下の量の任意成分、例えばT
iO2 ,ZnO,B2 3 ,FeO,ZrO2 等を含有
する事ができる。
【0043】特に、TiO2 等金属基体材料の酸化物を
セラミック中に含有せさることにより金属基体及び中間
層との接合強度の向上を図ることもできる。
【0044】〔セラミックスの製造方法〕本発明に用い
るセラミックスは、常法に従い酸化ケイ素と酸化マグネ
シウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化ナト
リウム、酸化カリウム等を所定の割合で混合し、仮焼し
た後、この仮焼物を粉砕し、必要に応じてポリビニルア
ルコールのような溶媒成分を加え、成形、焼成すること
により得られる。
【0045】これらの酸化物の代わりに焼成条件下でこ
れらの酸化物を生成しうる物質、例えばマグネシウム、
バリウム、ストロンチウム、ナトリウム、カリウム等の
炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物やケイ酸などを用いても良
い。
【0046】これらの原料は、粉末状、顆粒状の他、ス
ラリーまたは溶液として用いることができる。
【0047】これらの個々の成分原料を用いる代わり
に、あらかじめ形成されたホルステライト等のセラミッ
クス粉を用いることもできる。
【0048】前記の混合は、ボールミル、振動ミル、自
動乳鉢、ミキサー、ジューサー、サウンドミル、泡立て
器等の常法にて行い、仮焼は、500〜1600°C、
好ましくは800〜1000°Cで10分〜200時間
行なう。
【0049】焼成は、通常は500〜1600°C、好
ましくは800〜1550°Cの範囲で行なうが、金属
等にセラミックスを焼付る場合等は1200°C以下、
好ましくは1000°C以下にすることが好ましい。
【0050】〔セラミックス材料粉の合成方法〕上記の
ホルステライト粉末等のセラミックス材料粉末は、乾式
合成法、湿式合成法等により合成することができる。
【0051】しかし、低温焼成化、材料の均質化の為に
は、微細で均一な粉末を生成することが好ましく、特に
噴霧熱分解法、共沈法や沈澱法等の液相合成法、アルコ
キシド法、ゾルゲル法等の方法が好適である。
【0052】即ち、噴霧熱分解法は、所望組成に調整
したセラミックス成分イオンを含む水溶液をガスまたは
超音波振動子により霧化し、これを加熱し合成を行うも
のであり、球状、中空の微細粒子を得ることができる。
また、得られた中空粒子を更に粉砕し、BET値を高め
ることも好ましい。
【0053】共沈法は、各セラミックス成分イオンを
水溶液状態で均一混合した後、溶解度の差を利用して化
学的に混合成分を同時に固相として析出させるものであ
り、成分純度が高く、60m2 /g以上の微粒子を得る
事が出来る。
【0054】アルコキシド法は、各セラミックス成分
を含むアルコキシド溶液を用意し、これをを加水分解反
応させて合成するものであり、高純度でBET値の大き
い微細粒子を得ることができる。
【0055】ゾルゲル法は、所望成分を水溶液で混合
しゾル状態とし、それを脱水しゲル化し、仮焼して酸化
物とするものである。
【0056】〔セラミックスの結晶粒径〕セラミックス
は,平均結晶粒径が0.001〜100μmである事が
好ましく、0.01〜50μmの範囲がより好ましく、
0.1〜20μmが更に好ましい。結晶粒径がこれ未満
だと製造が困難であり、他方これを超えると強度が低下
するからである。
【0057】尚、結晶粒径は走査型電子顕微鏡(SE
M)により測定した結晶粒子面積からこれを円と仮定し
てその平均直径を求めて測定できる。
【0058】〔インプラント化〕本発明の生体活性セラ
ミックス材料は、セラミックス単体のみからなるバルク
状のインプラントや、金属等の基体にセラミックスを積
層した複合インプラント、または粉末状、顆粒状、これ
らと生理食塩水等を混合したペースト状の生体充填材等
にもちいられる。
【0059】セラミックス単体のインプラント、または
粉末状、顆粒状の生体充填材の製造方法は、前記セラミ
ックス原材料粉末に溶媒成分を混合し、プレス法、ホッ
トプレス法、スリップキャスティング法等により所望の
形状に成形、または造粒、粉砕し、その後、乾燥、焼成
して得ることができる。
【0060】顆粒状体として用いる場合には、新生骨の
生成と強度の関係から、通常、0.05〜5mm、好ま
しくは0.1〜3mm、より好ましくは0.1〜2mm
の範囲で選ばれる。
【0061】金属基体へのセラミックスの積層方法とし
ては、例えば、焼付け法等が好適に用いられる。
【0062】即ち、前記のセラミックス材料粉末に有機
樹脂等のバインダ成分やアルコ−ル類の溶媒成分を混合
し、ペ−スト化し、このペ−ストを金属基体上に塗布
し、焼成して焼き付けを行う。これにより、強固な接合
が可能になる。
【0063】また、このほかガス溶射またはプラズマ溶
射等により積層することも可能である。
【0064】〔多孔質化〕これらのインプラント、充填
材においてその一部または全体を独立気孔及び連続気孔
を有する多孔質体にすることもでき、これにより、骨芽
細胞の保持及び骨芽細胞、血液等の流通の促し、新生骨
の生成、結合を促進することができる。
【0065】この多孔質体は、通常、気孔径5〜200
0μm、好ましくは10〜100μm、気孔率10〜8
0%、好ましくは20〜70%、更に好ましくは25〜
60%の範囲とする。
【0066】この多孔質体は、原材料粉に結晶性セルロ
ース等の熱分解物質粒子を所望の寸法と量で混合し焼成
することにより製造できる。
【0067】熱分解物質粒子としては、通常平均粒径5
〜2000μm、好ましくは10〜100μmのものを
用い、セラミックス材料粉100重量部に対し通常10
〜200重量部、好ましくは20〜100重量部の範囲
で混合する。
【0068】〔セラミックスの低温焼成化〕前記のよう
に、金属基体上に本発明のセラミックス材料を焼き付け
等で積層する場合には、金属材料の融点以下にセラミッ
クスの焼成温度を抑えることが好ましい。
【0069】例えば、主な金属材料の溶融温度としては
金属チタンでは1668°C、Ti−6Al−4V合金
では1650°C、ステンレス鋼では1400°C,ニ
ッケル合金では1300°C、である。
【0070】従って、セラミックスの焼成温度は120
0°C以下、好ましくは1000°C以下にする事が好
ましい。
【0071】低温焼成化の方法としては、後述の組成を
調整する方法のほか、原料粉末の微細化等によりセラミ
ックスの活性度を高める方法が有効である。
【0072】これらは別個に用いることも出来るが、相
互組み合わせて実施するのが好ましい。
【0073】セラミックスの活性度を高める方法として
は、原料粉末の微細化を行う方法、セラミックス原料粉
の表面を酸処理し活性化する方法等がある。
【0074】原料粉末の微細化としては、セラミックス
の原料粉末粉径をBET値粒度で好ましくは5m2 /g
以上、より好ましくは10 〜200m2 /gの範囲に
する。
【0075】ここで、前記範囲より粒径が大きくBET
値が低いと低温焼成化が図られ難く、逆に前記範囲より
粒径が小さくBET値が高いと製造が通常困難となるた
めである。
【0076】また、活性を高めるうえでは、セラミック
ス材料粉末が微細であるとともに、均一であることがよ
り好ましい。
【0077】上記のような材料粉末を焼成前に塩酸等で
酸処理し、表面の活性を高めることも行っも良い。
【0078】
【実施例】以下、本発明を実施例を示し説明する。
【0079】サンプルの曲げ強度は3点曲げ試験により
測定し、生体活性は以下の方法により評価した。
【0080】Na+ 142.0mmol,K+ 5.0m
mol,Mg2+1.5mmol,Ca2+2.5mmo
l,Cl- 148.8mmol,HCO3 - 4.2mm
ol,及びHPO4 2- 1.0mmolを含有する水溶液
から成る擬似体液150mlを37°Cに保ち、この中
に各サンプルを浸漬し7日及び14日後にSEMでHA
P析出相の有無を測定した。ここで、その析出の程度に
より、全体に均一にHAPが析出しているものを◎印、
一部に析出しているものを〇印と評価した。
【0081】尚、析出相の成分は電子線回析により確認
した。
【0082】〔実施例1〜6、比較例7〜9〕平均粒径
5μmのSiO2 及びMgO,SrO,BaO,Na2
O,K2 O,の粉末を所定量の割合で混合し、80°C
で5時間乾燥した後、950°Cで5時間仮焼した。次
にこの仮焼物を粉砕し、溶媒としてポリビニルアルコー
ル2重量%を加え、成形圧50kg/cm2 でプレス成
形し、80°Cで5時間乾燥後、所定温度で焼成を行う
ことにより、第1表に示す組成のセラミックスサンプル
(実施例1〜6)を得た。
【0083】これらの材料の生体活性、曲げ強度の評価
結果をAl2 3 (比較例7)、HAP(比較例8)、
TCP(比較例9)の結果と共に第1表に記載する。
【0084】
【表1】
【0085】この表から明らかなように、Al2 3
HAP、TCPはHAPの生成能を有していないが、本
発明のセラミックス材料はいずれも良好なHAP生成能
を示し、生体材料として好適なことが分かる。
【0086】〔適用例〕前記実施例1のサンプルを直径
4mm、長さ6mmの寸法のインプラントに切出し、雄
性家兎の下顎骨に形成した穴に補填した。
【0087】また比較の為に、比較例8のサンプルも同
様にして雄性成熟家兎の下顎骨に形成した穴に補填し
た。
【0088】手術後、8週間経過後、非脱灰研磨標本を
作成し、両インプラントと新生骨の界面をSEM像で観
察した。
【0089】その結果、両インプラントとも、インプラ
ント表面のほぼ全体に新生骨が形成されていたが、実施
例1のインプラントでは、新生骨の成熟が十分行なわ
れ、且つインプラントと新生骨との接合も緊密であっ
た。
【0090】これに対し、比較例8のインプラントで
は、新生骨の成熟は劣り、またインプラントと新生骨と
の界面には間隙が見られた。
【0091】また、手術後、30週間経過後の実施例1
のインプラントと新生骨の界面をTEMで観察したとこ
ろ骨細胞の配列がインプラント側と母床骨側とが連続し
ており、境界はほとんど識別されなかった。
【0092】〔実施例9〕前記実施例1に記載の組成か
らなるセラミックス粉混合物100重量部に、平均粒径
50μm結晶性セルロース粉末60重量部、及び溶媒と
してポリビニルアルコール2重量%を加え混合したの
ち、これを平均粒径0.5〜3.0mmの顆粒に造粒し
1470°Cにおいて焼成して、平均孔径50μmの連
続気孔を有する気孔率35%の粒状焼結体を得た。
【0093】このようにして得た顆粒状焼結体に100
重量部に生理食塩水100重量部を加え、骨欠損部充填
材とした。
【0094】この内、顆粒粒径0.5mmのものからな
る骨欠損部充填材を、雄性成熟家兎の下顎骨に形成した
穴に補填した(実施例9)。
【0095】手術後、6週間経過後、セラミックス顆粒
体と新生骨の界面を観察したところ、新生骨が顆粒体を
完全に囲み結合しており、気孔内にも新生骨が入り込ん
でいた。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明の生体活性インプ
ラント材料では、従来の燐酸カルシウム系セラミックス
材料に比べ新生骨の生成、成熟、セラミックスと骨との
結合がはるかに迅速であり、かつ均一な結合を生じる。
【0097】また、本発明の材料では、体液中で生体骨
に極めて近似した結晶化度の低いHAPを析出し、且つ
新生骨と直接接合している為、結合が強固であり疲労し
にくいという効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Caを除くアルカリ土類金属酸化物および
    アルカリ金属酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも
    一種以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成分とする非
    燐酸カルシウム系組成を有し、Pイオン、Caイオンを
    含有する水溶液中で表面に燐酸カルシウム系化合物を析
    出しうる生体活性セラミック材料。
  2. 【請求項2】アルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金
    属酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の
    金属酸化物と、SiO2 を必須成分とし、P、Caを実
    質的に含有しない非燐酸カルシウム系組成を有し、Pイ
    オン、Caイオンを含有する水溶液中で表面に燐酸カル
    シウム系化合物を析出しうる生体活性セラミック材料。
  3. 【請求項3】前記アルカリ土類金属酸化物がBaO,M
    gO及びSrOの少なくとも一種以上であり、前記アル
    カリ金属酸化物がNa2O, K2 Oの少なくとも一種以上
    であることを特徴とする請求項第1から第2のいずれか
    に記載の生体活性セラミック材料。
  4. 【請求項4】前記組成中のアルカリ土類金属酸化物及び
    アルカリ金属酸化物の合計量とSiO2 の重量比が1:
    4ないし6:1の範囲にあることを特徴とする請求項第
    1から第3のいずれかに記載の生体活性セラミック材
    料。
  5. 【請求項5】前記セラミックスの結晶粒径が0.001
    〜100μmである事を特徴とす請求項第1から第4の
    いずれかに記載の生体活性セラミック材料。
JP3317101A 1991-11-29 1991-11-29 生体活性セラミツクス材料 Withdrawn JPH05146503A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541984A (ja) * 1999-04-28 2002-12-10 ブルース、メディカル、アクチボラグ 骨組織および/または結合組織の内成長および成長をもたらすためのボディ並びにこのようなボディを作る方法
JP2010533016A (ja) * 2007-07-09 2010-10-21 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク ストロンチウムを添加した生体活性ガラス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541984A (ja) * 1999-04-28 2002-12-10 ブルース、メディカル、アクチボラグ 骨組織および/または結合組織の内成長および成長をもたらすためのボディ並びにこのようなボディを作る方法
JP2010533016A (ja) * 2007-07-09 2010-10-21 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク ストロンチウムを添加した生体活性ガラス

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