JPH05161707A - 生体インプラント材料 - Google Patents

生体インプラント材料

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JPH05161707A
JPH05161707A JP3350422A JP35042291A JPH05161707A JP H05161707 A JPH05161707 A JP H05161707A JP 3350422 A JP3350422 A JP 3350422A JP 35042291 A JP35042291 A JP 35042291A JP H05161707 A JPH05161707 A JP H05161707A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】平均粒子径1μm以下の水酸アパタイト粒子9
9.5〜85重量%と、リン酸カルシウム系ガラスフリ
ット0.5〜15重量%からリン酸カルシウム化合物の
多孔質焼結体を製造できる。この焼結体は平均結晶粒子
径が1μm以下の粒子からなり、平均気孔径1μm以下
の気孔を有し、気孔率が5〜55%である。 【効果】曲げ強度が40〜70MPaで、クラック、チ
ッピング、カケ等を生ずることなく切削加工でき、かつ
インプラント材内部へも生体骨が侵入し、生体親和性も
良好であるので、生体インプラント材料として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は骨に置換され得る生体材
料(インプラント材料)において、特に機械加工性及び
生体親和性に優れたインプラント材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】リン酸カルシウム化合物は生体親和性に
優れ、その焼結体は骨、歯に置換される生体材料として
使用されることが知られている。
【0003】一般に生体の増殖性に重点をおいて、数十
μm〜数百μmの連続気孔を有するリン酸カルシウム系
多孔質インプラント材料が使用されているが、極めて強
度が低い。
【0004】そこで、本発明者らは既に生体親和性が高
くかつ高強度なリン酸カルシウム焼結体の製造方法とし
て、特公昭60−25383号公報において、カルシウ
ム/リンの原子比が1.4〜1.75のリン酸カルシウ
ム塩を主体とする粉末に、焼成後のリン酸カルシウム成
分に対して0.1〜15重量%のリン酸を添加混合し、
焼結する方法により、常圧焼成法において、強度の高い
緻密質リン酸カルシウム焼結体を提供した。
【0005】更に特公昭60−50744号公報におい
て、カルシウム/リン原子比1.4〜1.75のリン酸
カルシウム塩を主体とする粉末に、焼成後のリン酸カル
シウム焼結体に対し0.5〜15重量%のアルカリ金
属、亜鉛及び/又はアルカリ土類金属の酸化物−リン酸
系フリットを含有せしめ焼結する方法、及びカルシウム
/リン原子比1.4〜1.75のリン酸カルシウム塩を
主体とする粉末に焼成後のリン酸カルシウム焼結体に対
し0.5〜15重量%のアルカリ金属、亜鉛及び/又は
アルカリ土類金属の酸化物−リン酸系フリット及びY2
33〜23重量%を含有せしめ焼結する方法を提供し
た。これにより、抗折力の範囲が前者の場合およそ13
3〜177MPaに、後者の場合には200MPa以上
におよぶ高強度の新規なリン酸カルシウム焼結体が得ら
れた。これらのインプラント材料を生体に移植すると骨
組織と化学的に結合し、高強度のため容易に破損するこ
となく、良好な結果を示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のインプラント材
料はあらかじめ移植部分の形状に合わせて粉末成形時に
加工し、焼成後さらに精密加工することにより製造され
ている。
【0007】しかし、インプラントされる側の生体組織
は病巣の進行等により形状が変化するため、インプラン
ト前にあらかじめ製造されたインプラント材料と生体組
織との形状がインプラント時(手術時)に合わなくなる
という不具合が生じることがあった。従って、インプラ
ント時に容易に寸法加工が可能でかつ生体親和性に優れ
たインプラント材料の開発が望まれていた。前述のイン
プラント材料は緻密質であるため焼成後の加工性が低
く、ダイヤモンド砥石を用いた加工で切削速度を高める
とチッピング、クラック等で破損してしまっていた。一
般に多孔質材料は焼成後の加工は容易であるが、特にリ
ン酸カルシウム系多孔体の場合は極めて強度が低くもろ
いため、加工時にカケ等が発生し破損してしまうことが
多かった。
【0008】本発明は上述の問題を解決し、加工時にチ
ッピング、カケ、クラック等が発生せず、良好な加工性
を有し、かつ比較的高強度で、かつ生体親和性に優れた
インプラント材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば以下のも
のにより、上記目的を達成できる。
【0010】(1)リン酸カルシウム化合物から本質上
なり、該焼結体の平均結晶粒子径が1μm以下であり、
平均気孔径が1μm以下であり、気孔率が5〜55%で
あることを特徴とする生体インプラント材料。
【0011】(2)前記リン酸カルシウム化合物のカル
シウム/リン原子比が1.4〜1.75であることを特
徴とする前記(1)記載の生体インプラント材料。
【0012】(3)前記リン酸カルシウム化合物が水酸
アパタイトを主結晶とするものであることを特徴とする
前記(1)又は(2)記載の生体インプラント材料。
【0013】(4)前記リン酸カルシウム化合物が水酸
アパタイトと第三リン酸カルシウムとの複合体であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(3)の一に記載の生体イ
ンプラント材料。
【0014】(5)平均粒子径1μm以下の水酸アパタ
イト粒子99.5〜85重量%とリン酸カルシウム系ガ
ラスフリット0.5〜15重量%より調製されることを
特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の生体
インプラント材料。
【0015】
【好適な実施の態様】本発明の生体インプラント材料
は、水酸アパタイトを主結晶とするリン酸カルシウム化
合物から本質上なり、平均結晶粒子径は1μm以下であ
り、平均気孔径1μm以下の気孔を有し、気孔率が5〜
55%であることを特徴とする。
【0016】本発明でいうリン酸カルシウム化合物は生
体親和性に優れる水酸アパタイトが好ましいが、特に水
酸アパタイトと第三リン酸カルシウムとの複合体が好ま
しい。これはインプラント後に第三リン酸カルシウムが
生体内で溶出し、生体組織の侵入が容易な寸法の気孔を
生じるためである。
【0017】本発明で、水酸アパタイトを主結晶とする
とは、X線回折により解析した時に水酸アパタイトを示
すピークが最大となることをいう。水酸アパタイトと第
三リン酸カルシウムとの結晶相構成比率は公知のX線回
折法により求められる。具体的には、CuKα線を用
い、水酸アパタイトの(2 1 1)面のピーク高さI
HAPと第三リン酸カルシウムの(0 2 10)面及び
(2 1 7)面のピーク高さITCPとから次式により
求めることができる。
【0018】 CTCP={ITCP/(IHAP+ITCP)}×100 (%) CTCP:第三リン酸カルシウムの含有率
【0019】好ましい第三リン酸カルシウムの含有率は
10〜50%である。
【0020】本発明でいうリン酸カルシウム系ガラスフ
リットとは、そのガラス成分として、CaO及びP25
を50重量%以上含有するものである。特に好ましいガ
ラスフリットの組成は特公昭60−50744号に記載
のものであり、P2540〜75モル%及びBaO,C
aO,MgO,ZnO,Na2O及びK2Oから成る群か
ら選ばれた1以上のアルカリ金属、亜鉛及び/又はアル
カリ土類金属の酸化物20〜55モル%を含有し、かつ
これらの合量がフリット全体の90モル%以上あるもの
で、フリットの残部成分はB23,Fe23,Ti
2,Al23,SiO2等が通例フリット溶融、原料自
体、その他の調製工程等から混入するが、これら不純物
は合計でフリット全体の約10モル%以内であればよ
い。
【0021】例えば、モル%で、P2547%,CaO
44%,ZnO9%となる様にH3PO4,CaCO3
ZnOを混合し、該混合物を1300〜1400℃でア
ルミナ質るつぼ中にて溶解し、その溶融物を水中急冷し
てガラスカレットとし、これをボールミル(例えばアル
ミナ質)を用いて粉砕することにより得られる比表面積
約5m2/gのガラスフリットを用いるとよい。
【0022】本発明のインプラント材料は上記項目を満
たせばその製造方法を特に限定しないが、例えば以下の
方法で製造される。
【0023】出発材料としては平均粒子径1μm以下の
水酸アパタイト粒子と、リン酸カルシウム系ガラスフリ
ットの組合わせが好ましく、焼成中の粒子成長も少な
く、またガラスフリットが焼成中に粘土の低い融液と微
細な粒子間を濡らし、ネックの焼結を促進させるものと
考えられ、目的の組織が容易に得られる。ガラスフリッ
トのかわりにメタリン酸カルシウム等のメタリン酸塩も
使用可能であり、同様の効果を生むが、但しその効果は
低い。その他にはピロリン酸カルシウム、第一リン酸カ
ルシウム等のリン酸カルシウム原料に、炭酸カルシウム
等のカルシウム塩を添加して水酸アパタイトまたは第三
リン酸カルシウムに近似の組成になるように調合し、7
00〜1400℃の熱処理(仮焼)により得られる粉末
を使用することもできる。
【0024】以下、本発明の生体インプラント材料の製
造方法の一例を含め、本発明の好適な実施の態様につい
てさらに詳細に説明する。
【0025】平均粒子径1μm以下の水酸アパタイト粒
子99.5〜85.0重量%とリン酸カルシウム系ガラ
スフリット0.5〜15重量%よりなる混合成形物を9
00〜1300℃で焼成する。好ましくは、平均粒子径
0.3〜0.8μmの水酸アパタイト粒子99.0〜9
3.0重量%と、リン酸カルシウム系ガラスフリット1
〜7重量%の混合物を成形し、1000〜1200℃で
焼成する。
【0026】ガラスフリットの配合割合については、
0.5重量%未満では粒子間のネックの成長が起こりに
くく、ネックの成長を促進させるために焼成温度を高く
すると粒子自身の成長が起こり、平均粒子径、平均気孔
径が増大し、気孔率が低下してしまい、強度が低く、切
削性の劣る焼成体が得られる。
【0027】一方、15重量%を越えると、ガラスフリ
ットと水酸アパタイトとが反応して第三リン酸カルシウ
ムを生成し、第三リン酸カルシウムが100%の焼成体
または第三リン酸カルシウムとリン過剰のガラス相とか
らなる焼成体となってしまい水酸アパタイトが0%とな
るため、水酸アパタイトを主結晶とするものないしは水
酸アパタイトと第三リン酸カルシウムとの複合体を得る
ことができない。
【0028】好ましいガラスフリットの配合割合は上記
の通り1〜7重量%であり、これは1%未満では有意の
効果が思うように得られず、7%を超えると粒子径、気
孔径の増大した組織が一部にみられる様になるからであ
る。
【0029】前記の製法ではホットプレスのように気孔
率を低下させず、各粒子間のネッキングが良好に進行す
るので、本発明のインプラント材料を安価に良好に製造
可能である。
【0030】本発明の生体インプラント材料は、平均結
晶粒子径1μm以下の結晶粒子(本質上リン酸カルシウ
ム化合物)からなり、さらに平均気孔径1μm以下の気
孔を有することにより、比較的高い曲げ強度(40〜7
0MPa)と極めて優れた加工性を示すことが見い出さ
れた。この平均結晶粒子径及び平均気孔径は走査型電子
顕微鏡(SEM)観察で測定される。具体的にはSEM
像を写真撮影した後、各粒子または気孔についてそれぞ
れ最長径及び最短径を測定し、その積の平方根を平均粒
子径または平均気孔径として求めることができる。ま
た、平均気孔径については、水銀圧入法を用いると更に
精度よく求めることができる。本発明品の細孔径分布曲
線の例を図1に示すが、これによると平均気孔径は最大
ピーク点の約0.5μmにあり、1μmより大きい気孔
の無いことが確認できる。平均結晶粒子径が1μmより
も大きくなると平均気孔径も増加する傾向があり、また
その強度も低下するが、最も著しい効果としてその加工
性、特に加工時のカケ等が発生しやすくなった。
【0031】また平均気孔径が1μmよりも大きくなる
と強度の著しい低下がみられ、これらは気孔率を低下さ
せることにより改善させるが、その一方で、加工時にチ
ッピングが発生しやすくなった。
【0032】気孔率は、開気孔と閉気孔を合わせた全気
孔率を示すものであり、かさ比重と真比重とから次式を
用いて求めることができる。
【0033】気孔率={1−(かさ比重/真比重)}×
100 (%)
【0034】かさ比重は、例えば試料の外形寸法より求
めた体積と重量から求めることができる。真比重は、試
料を粉砕し、比重ビンを用いる公知の方法により求める
ことができる。気孔率は加工性(切削速度)及び強度と
密接な関係を示し、気孔率が増加すると加工性は向上す
るが強度は低下する。気孔率が5%未満では良好な加工
性が得られず、また55%を越えると曲げ強度が著しく
低くなる(例えば10MPa)。気孔率は20%以上5
0%以下が強度と加工性のバランスの点で特に好まし
い。
【0035】本発明の効果は、本質的に強度が低くもろ
いリン酸カルシウム化合物において、上記のような平均
粒子径、平均気孔径、及び気孔率を持つ構造物とするこ
とによりはじめて得られるものであり、それらの相乗効
果によるものと思われる。
【0036】
【作用】従来よりインプラント材料として用いられてい
る多孔体は生体組織の侵入を考慮し数十μm〜数百μm
の気孔を形成させているため、その気孔が欠陥として働
き、強度が低い。それに対して本発明品では平均結晶粒
子径が1μm以下と微細なため、リン酸カルシウム化合
物の各粒子が隣接しあう他の粒子と焼結により形成する
ネックも1μm以下となり、このネックが多数存在する
ために、比較的高い強度を示す。
【0037】加工性は通常、主として気孔率に依存し、
気孔率が大きいほど加工性が優れていると考えられてい
るが、本発明品では大きなネックがないため、チッピン
グ、クラック等のガラス的破壊性状を示さないため気孔
率が大きいにもかかわらず、優れた加工性が得られると
考えられる。また、リン酸カルシウム系のガラスフリッ
トを添加すると、焼成中にガラスフリットが粒子のネッ
ク部分に拡散して粒成長を抑制し、ネック部の焼結を進
める。これにより更に強度が増し、チッピング等も発生
しずらくなるので、加工性も増すものと考えられる。
【0038】このように本発明のインプラント材料は、
その平均結晶粒子径、平均気孔径及び気孔率の相乗効果
により、優れた加工性と比較的高い強度を有する。
【0039】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を更に詳しく説明
する。
【0040】(実施例1)平均粒子径0.6μmの水酸
アパタイト粉末に5重量%のリン酸カルシウム系ガラス
フリット及びアクリル系バインダー3重量%を添加しア
セトン中で混合後、乾燥し、成形圧800kg/cm2
にて金型成形し、さらに成形圧4000kg/cm2
て冷間静水圧加圧成形し、得られた成形体を電気炉にて
昇温速度300℃/時間、1100℃で5時間保持の焼
成を行なった。この焼成体の断面図の走査型電子顕微鏡
写真を図2に示す。この焼成体について諸特性を測定し
たところ、平均結晶粒子径0.7μm、平均気孔径0.
5μm、気孔率40%で、結晶相の構成は水酸アパタイ
ト(約80%)と、β−第三リン酸カルシウム(約20
%)であった。また、この焼成体では曲げ強度が70M
Paを示した。これを歯科用の棒状ダイヤモンド砥石
(120番)を用いて回転数15000rpmで湿式に
て貫通孔の研削加工を試みたところ、クラック、チッピ
ング、カケ等が無く良好に切削できた。また、生体に移
植したところ、良好な生体親和性を示し、インプラント
材料内部への生体骨の侵入がみられた。
【0041】(実施例2)冷間静水圧加圧成形を行わな
い他は、実施例1と同様にして焼成体を作製した。この
焼成体について諸特性を測定したところ、平均結晶粒子
径0.6μm、平均気孔径0.6μm、気孔率51%
で、結晶相の構成は水酸アパタイト(約80%)とβ−
第三リン酸カルシウム(約20%)であった。また、こ
の焼成体では曲げ強度が45MPaを示した。
【0042】(比較例1)<特公昭60−50744号
における実施例に対応> 平均粒子径1.5μmの水酸アパタイト粉末を用いて実
施例2と同様にして成形体を作製し、これを1300℃
で5時間保持の焼成を行なった。この焼成体について諸
特性を測定したところ、平均結晶粒子径3μm、平均気
孔径2μm、気孔率3%で、結晶相の構成は水酸アパタ
イト(約80%)とβ−第三リン酸カルシウム(約20
%)であった。また、この焼成体では曲げ強度が120
MPaを示した。しかし、これを実施例1と同様にして
ダイヤモンド砥石で湿式研削を試みたところ加工が困難
で、無理に行うとチッピング、クラックが発生し破損し
た。
【0043】(比較例2)平均粒子径20μmの水酸ア
パタイト粉末を用いて実施例2と同様にして成形体を作
製し、これを1100℃で5時間保持の焼成を行なっ
た。この焼成体について諸特性を測定したところ、平均
結晶粒子径20μm、平均気孔径12μm、気孔率40
%で、結晶相の構成は水酸アパタイト(約80%)とβ
−第三リン酸カルシウム(約20%)であった。また、
この焼成体では曲げ強度が20MPaと低く、これを実
施例1と同様にしてダイヤモンド砥石で湿式研削すると
2〜5mmのカケが発生した。
【0044】(比較例3)実施例1と同様な粉末原料を
用い、成形圧500kg/cm2の加圧成形以外は実施
例2と同様にして成形体を作製し、これを1050℃で
2時間保持の焼成を行なった。この焼成体について諸特
性を測定したところ、平均結晶粒子径0.7μm、平均
気孔径0.5μm、気孔率60%で、結晶相の構成は水
酸アパタイト(約80%)とβ−第三リン酸カルシウム
(約20%)であった。また、この焼成体では曲げ強度
は20MPa以下で、これを実施例1と同様にしてダイ
ヤモンド砥石で湿式研削するとカケ(インプラント材の
部分的脱落)が発生した。
【0045】
【発明の効果】本発明による生体インプラント材料は、
加工性に優れ、比較的高い機械的強度を有し、かつ生体
親和性に優れたものであるので、インプラント時(手術
中)にチッピング、クラック、カケ等を起こすことなく
移植部の形状に合わせて加工することが可能であり、イ
ンプラント時の寸法形状の不具合を著しく低減せしめる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品の細孔径分布曲線を示す。
【図2】実施例1における本発明品の断面の結晶の状態
を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム化合物から本質上なり、
    該焼結体の平均結晶粒子径が1μm以下であり平均気孔
    径が1μm以下であり、気孔率が5〜55%であること
    を特徴とする生体インプラント材料。
  2. 【請求項2】前記リン酸カルシウム化合物のカルシウム
    /リン原子比が1.4〜1.75であることを特徴とす
    る請求項1記載の生体インプラント材料。
  3. 【請求項3】前記リン酸カルシウム化合物が水酸アパタ
    イトを主結晶とするものであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の生体インプラント材料。
  4. 【請求項4】前記リン酸カルシウム化合物が水酸アパタ
    イトと第三リン酸カルシウムとの複合体であることを特
    徴とする請求項1〜3の一に記載の生体インプラント材
    料。
  5. 【請求項5】平均粒子径1μm以下の水酸アパタイト粒
    子99.5〜85重量%と、リン酸カルシウム系ガラス
    フリット0.5〜15重量%より調製されることを特徴
    とする請求項1〜4の一に記載の生体インプラント材
    料。
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