JPH05154190A - 生体活性インプラント - Google Patents

生体活性インプラント

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JPH05154190A
JPH05154190A JP3324246A JP32424691A JPH05154190A JP H05154190 A JPH05154190 A JP H05154190A JP 3324246 A JP3324246 A JP 3324246A JP 32424691 A JP32424691 A JP 32424691A JP H05154190 A JPH05154190 A JP H05154190A
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JP
Japan
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ceramics
thermal expansion
ceramic material
sio
metal oxide
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Withdrawn
Application number
JP3324246A
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English (en)
Inventor
Tooru Nonami
野浪  亨
Hiroyasu Noma
弘康 野間
Shinya Nakajima
信也 中島
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属基体とセラミックスの熱膨張係数の整
合、接合強度の向上を行なうことにより、生体活性、剥
離強度の向上と共に、熱変化が生じる状況化での経時的
破損を防止する。 【構成】 金属基体上にセラミックスを積層した生体
インプラントにおいて、セラミックスがアルカリ土類金
属酸化物およびアルカリ金属酸化物よりなる群から選ば
れた少なくとも一種以上の金属酸化物と、SiO2 を必
須成分とする非燐酸カルシウム系組成を有する生体活性
セラミックス材料から成り、当該セラミックスの熱膨張
係数α1 、基体材料の熱膨張係数α’が0.5α’≦α
1 ≦1.5α’の範囲とする。また基体とセラミックス
の間に中間層を設け、熱膨張係数を段階的に変化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工骨、人工歯根、人工
関節等に応用可能な生体活性インプラントに関するもの
であり、更に詳しくは、優れた生体活性を示す非燐酸カ
ルシウム系セラミックス材料を用い、これを金属等の基
体上に積層したインプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、人工骨、人工歯根、人工関節
等に用いられるの生体活性インプラントとしては、ステ
ンレス鋼、金属チタン、ニッケル・コバルト合金などの
金属類やアルミナ、ジルコニアなどのセラミックスが用
いられてきた。
【0003】しかしながら、これらの材料は、骨等生体
組織と直接結合し同質一体化する性質(生体活性)を有
しないために、埋入手術後、繰り返し応力がかかる状況
下で時間が経過すると、骨とインプラントの境界面で隙
間を生じ、固定力が低下してぐらつきの原因にもなるこ
とがある。更に、これにより骨の吸収が生じ骨部を損な
うと共に脱落の恐れも生じうる。
【0004】これに対し、骨や歯の組成と類似した燐酸
カルシウム系材料は、生体活性を有し、生体内で経時的
に骨と同質一体化し直接結合するので、優れた生体親和
性、結合安定性を有する。
【0005】この為、最近では、水酸アパタイト(HA
P)、燐酸三カルシウム(TCP)、バイオガラス等を
主体とした燐酸カルシウム系セラミックスを用いたイン
プラントが注目されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
HAP等の燐酸カルシウム系セラミックスも新性骨と直
接結合する特徴を有するが、これらの材料によっても未
だ新生骨の成長、成熟、材料との結合には時間がかか
り、早期治癒には十分といえるものではなかった。
【0007】また、金属やアルミナ、ジルコニア等の金
属酸化物系セラミックスに比べ、機械的強度が低いた
め、セラミックス単体としては、極めて適用範囲が制限
されるという欠点があった。
【0008】また、強度補完のために金属等の高強度材
料に燐酸カルシウム系セラミックスを積層し複合化した
インプラントも特公昭58−39533等で提案されて
いるが、燐酸カルシウム系セラミックスの強度が弱いた
めに、剥離、カケの問題があった。
【0009】更に従来、生体活性を示すセラミックス材
料は生体組織と同じ燐酸カルシウム系化合物を基本とす
る組成でなければならないと、信じられていた為に組成
の選択範囲が限られ、必ずしも十分な物性改善を行う事
ができなかった。
【0010】本発明者等は、上記問題点に鑑み生体セラ
ミックス材料について種々研究を重ねた結果、CaO,
SiO2 を含むセラミックスは極めて高い強度を有する
と共に、非燐酸カルシウム系セラミックスでありながら
意外にも良好な生体活性を示すことを発見し、先にこれ
を出願した(特開平3−90152、特願平2−131
191)。
【0011】しかし、かかる材料を用いる場合であって
も、インプラントは生体内に移植した後は容易に取り出
すことは出来ないものなので、前記の初期強度のほか、
経時的な劣化や長時間経過後の剥離等が重要な問題とな
る。
【0012】特に、本発明者らの実験によって、材料の
熱膨張が経時的な破損に影響を及ぼすことが判った。
【0013】即ち、従来は生体内にインプラントが移植
された後は、体温が大きく変化する事がないので、材料
の熱膨張という点は、従来ほとんど考慮されてなかっ
た。
【0014】しかし、口腔内の飲食物を通し外部の熱が
繰り返し加わる人工歯根等のインプラントにおいては、
小幅な熱サイクルであっても、長期間の使用により、セ
ラミックス層の剥離の危険があることが、シュミレーシ
ョン実験、加速試験の結果明らかになった。
【0015】本発明は上記の従来のインプラントが持つ
欠点を克服し、優れた生体活性と強度および経時安定性
を有するインプラントを提供する事を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体表
面にセラミックスを積層して成る生体インプラントにお
いて、当該外表面を構成するセラミックスがアルカリ土
類金属酸化物およびアルカリ金属酸化物よりなる群から
選ばれた少なくとも一種以上の金属酸化物と、SiO2
を必須成分とする非燐酸カルシウム系組成を有し、Ca
イオン、Pイオンを含有する水溶液中で表面に燐酸カル
シウム系化合物を析出しえる生体活性セラミックス材料
から成り、当該セラミックス材料の熱膨張係数α1 が下
記の範囲であることを特徴とする生体活性インプラント
である。
【0017】0.50α’≦α1 ≦1.50α’ 但し、α’は基体材料の熱膨張係数である。
【0018】また本発明は、好ましい態様として下記の
ものを含むものである。
【0019】即ち、前記セラミックス材料の熱膨張係数
αが6.65×10-6〜12.35×10-6であるこ
と。
【0020】組成としては、前記セラミック材料が実質
的に燐を含有しないこと。前記アルカリ土類金属酸化物
がCaOを必須成分とする組成であるか、または、前記
アルカリ土類金属酸化物がBaO,MgO,SrOの少
なくとも一種であり、且つCaOを実質的に含まない組
成であること。特に、前記セラミックス材料が、Ca
O、MgO、SiO2 を含み、それぞれCaO=10〜
88重量%、MgO=2〜35重量%、SiO2 =10
〜80重量%の範囲で含有する組成であること。
【0021】また本発明は、基体表面にセラミックスを
積層して成る生体インプラントにおいて、当該外表面を
構成するセラミックスがアルカリ土類金属酸化物および
アルカリ金属酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも
一種以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成分とする非
燐酸カルシウム系組成を有し、Caイオン、Pイオンを
含有する水溶液中で表面に燐酸カルシウム系化合物を析
出しえる生体活性セラミックス材料から成り、当該基体
と外表面を構成するセラミックスの界面に中間層を設け
たことを特徴とする生体活性インプラントである。
【0022】また本発明は、好ましい態様として下記の
ものを含むものである。
【0023】即ち、前記中間層の熱膨張係数α2 が、下
記の範囲であること。
【0024】 :0.50α’≦α2 ≦1.50α’の範囲で且つ、 :α1 ≦α2 ≦α’又はα1 ≧α2 ≧α’の範囲。
【0025】但し、α’は基体材料の熱膨張係数、α1
は外表面を構成するセラミックス材料の熱膨張係数であ
る。
【0026】また、前記中間層が、アルカリ土類金属酸
化物およびアルカリ金属酸化物よりなる群から選ばれた
少なくとも一種以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成
分とする非燐酸カルシウム系組成を有するセラミックス
材料からなること。
【0027】前記中間層を構成するセラミックス材料と
前記外表面を構成するセラミックス材料との間で、材料
組成の濃度勾配を有すること。
【0028】特に、前記中間層中のSiO2 の含有量が
前記外表面を構成するセラミックス材料中のSiO2
有量よりも多いこと。
【0029】
【作用】本発明では、セラミックス材料として、従来の
燐酸カルシウム系焼結セラミックスを用いず、アルカリ
土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少なくとも
一種以上とSiO2 を含有する組成から成るセラミック
スを用い、かつ当該セラミックスの熱膨張係数を規制す
ることにより、熱変化による金属基体との経時的結合劣
化が防止される。
【0030】また、金属基体と外表面を構成するセラミ
ックスとの界面に中間層を設けることにより、この層を
熱膨張に対する応力緩和、セラミックスと基体との結合
補助の作用を持たせる。
【0031】〔具体的構成〕以下本発明の具体的構成を
説明する。
【0032】〔基体材料〕本発明のインプラントは棒状
等の基体上にインプラントの外表面を構成するセラミッ
クス材料を積層・複合化した構造を有する。
【0033】ここで用いられる基体材料は、生体に為害
性が無く、一定以上の強度(通常500MPa以上)が
あれば特に制限はないが、一般に金属チタン、チタン合
金、ステンレス鋼、ニッケル−コバルト合金、コバルト
−クロム合金、純タンタル等が用いられる。
【0034】生体親和性の点では、金属チタン、チタン
合金が好ましいが、セラミックスを焼き付ける為には、
融点は高いものがより好ましい。
【0035】〔セラミックス材料〕本発明に用いられる
セラミックス材料は、アルカリ土類金属酸化物またはア
ルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上とSiO2 を含
有する組成から成るセラミック材料であり、且つ基本成
分として燐を実質的に含有しない非燐酸カルシウム系セ
ラミック材料である。
【0036】そして、本材料は、非燐酸カルシウム系で
ありながら生体活性を示し、Caイオン、Pイオンを含
有する水溶液(例えば体液、擬似体液)と接触した場
合、その接触面において燐酸カルシウム系化合物例えば
水酸アパタイト(HAP)を生成することを特徴とす
る。
【0037】これにより、生体内に移植した場合、体液
と反応して生体骨との接触面に生体親和性の良好なHA
Pが迅速、均一に析出し、新生骨の生成を促進する。
【0038】特に、ここで生成されたHAPは、通常の
焼結法でえられたHAPと異なり、極めて結晶化度が低
く、生体骨と近似した構造を有するため、新生骨の生
成、成熟が早く、またインプラントとの結合も迅速とな
る。
【0039】しかも、このようにして形成された生体骨
との結合部分は、組成中の成分が濃度勾配を形成し、結
晶的にもインプラントと生体骨の間で連続したものとな
っているので、非常に強固な結合を生じる。
【0040】これに対し、従来の焼結HAPからなるイ
ンプラントは表面に燐酸カルシウム系化合物を析出する
ことが無く、また骨との結晶化度も異なるので、新生骨
の生成は不均一で遅く、早期固定が弱いものとなる。
【0041】〔熱膨張係数の整合〕本発明のインプラン
トは、金属基体等にセラミックスを積層した構造を有す
るが、この金属とセラミックスの熱膨張係数が大きく相
違すると経時的にセラミックス層の剥がれや欠けの原因
となりえる。
【0042】従来用いられていた生体材料と金属基体の
熱膨張係数は、例えば、HAPが14.5×10-6であ
るのに対し、純Ti材料では9.5×10-6であった。
【0043】HAPはもともとの材料強度が弱いのみな
らず、基体との熱膨張係数の差も大きいため、長期の使
用によってはセラミックス層の剥離の恐れがあった。
【0044】本発明の材料では、基体上に設ける外表面
のセラミックス材料の熱膨張係数α1 を、0.50α’
≦α1 ≦1.50α’、好ましくは0.70α’≦α1
≦1.30α’、更には0.85α’≦α1 ≦1.15
α’(但し、α’は基体材料の熱膨張係数)の範囲に調
整できる。
【0045】特に純Ti等の金属基体上にセラミックス
層をもうける場合には、α1 を好ましくは6.65×1
-6〜12.35×10-6、更には8.08×10-6
10.93×10-6の範囲に調整するのが好ましい。
【0046】これにより、経時的なセラミックス層の剥
離を防止できる。
【0047】〔中間層の形成〕また、本発明において
は、上記の金属基体とセラミックス層の界面に、中間層
を設けることも有効である。
【0048】これにより、基体と外表面セラミックスと
の熱膨張係数の整合をより図りやすくできる。
【0049】この場合の中間層の熱膨張係数α2 は、下
記の範囲であることが好ましい。
【0050】 :0.50α’≦α2 ≦1.50α’の範囲で且つ、 :α1 ≦α2 ≦α’又はα1 ≧α2 ≧α’の範囲。
【0051】また、より好ましくは、0.70α’≦α
2 ≦1.30α’の範囲、更には0.85α’≦α2
1.15α’の範囲が好ましい。
【0052】また、この中間層は通常生体組織と接する
ことがないので、材料には特に限定はないが、金属基体
及び外表面セラミックスの双方になじみが良い事が好ま
しい。更に、材料の選択により両者の接合強度を高める
ことができる。
【0053】中でも、外表面セラミックスとの結合性及
び熱膨張係数の整合の点から、外表面セラミックスと同
種の系のセラミックス材料を選択し用いることが好まし
い。
【0054】また、中間層中のSiO2 ,B2 3 の含
有量を高めることにより金属基体との接着性を高めるこ
とが出来る。また、基体を構成する金属成分、例えばT
iO2 等を中間層材料に含ませることも有効であり、こ
れによりなじみを良くすることができる。
【0055】また,中間層を金属基体材料の酸化物層と
して設けることも出来る。
【0056】ここで、中間層はー層のみならず、複数層
で設けても良い。
【0057】また各層が組成的に段階的に変化する(組
成的な濃度勾配を有する)多層構造としてもよい。尚こ
の場合には、各層及び外表面セラミックスの境界が明確
に区別されないものも含む。
【0058】各層の組成・熱膨張係数を順次変化させて
設けることにより、熱膨張に対する緩衝作用を持たさせ
ることができる。
【0059】基体近傍では、接着性の良い組成とし、表
面近傍では、生体活性の高い組成とすることも好まし
い。
【0060】〔セラミックス材料組成〕このセラミック
ス材料の熱膨張係数α1 、α2 の調整は、セラミックス
組成の調整により行なうことができる。
【0061】本発明に使用するセラミックス材料の代表
的組成としては、アルカリ土類金属酸化物またはアルカ
リ金属酸化物の少なくとも一種以上とSiO2 を重量比
で1:4ないし6:1の範囲に有るものであり、好まし
くは1:3ないし2:1の範囲のものである。この範囲
外では、生体親和性または強度が低下するためである。
【0062】本組成において、アルカリ土類金属酸化物
またはアルカリ金属酸化物の含有量に対し、SiO2
含有量を増加させることにより、熱膨張係数を低下させ
ることができる。これにより金属基体の熱膨張係数との
整合を図るのが好ましい。
【0063】前記の金属基体上にセラミックス材を積層
する場合、SiO2の含有量をセラミックス組成全体に
対し30〜75重量%の範囲、好ましくは35〜70重
量%の範囲で含有させる事により熱膨張係数を6.65
×10-6〜12.35×10-6の範囲に調整する事がで
きる。
【0064】アルカリ土類金属酸化物としては、主にC
aO,MgO,SrO,BaO等の中から1種もしくは
2種以上が選ばれ、好ましくはCaO,MaOの中から
選ばれる。
【0065】{CaO必須組成}アルカリ土類金属酸化
物の中では、析出するHAP成分を含むCaOを必須成
分としたものが生体活性、強度、製造の容易さの点で好
ましい。
【0066】特に、セラミックス組成中にCaOを20
〜90重量%、特に30〜70重量%含有するものが好
ましい。
【0067】またCaOを必須成分とし、その一部にM
gO,SrO,BaO等の他のアルカリ土類金属酸化物
を用いることもでき、特にMgOの含有は、低温焼成化
と共に熱膨張係数の調整に寄与し好ましい。
【0068】即ち、xCaO・yMgO・2SiO2
示される組成において、xを増加させると熱膨張係数が
増大し、yを増加させると熱膨張係数が減少する。
【0069】例えば、CaO・2SiO2 、1/2Ca
O・1/2MgO・2SiO2 、MgO・2SiO2
各組成では、α1 はそれぞれ10.0×10-6、9.5
×10-6、7.5×10-6となる。これにより熱膨張係
数の調整が可能である。
【0070】MgOの含有量は、好ましくは、セラミッ
クス組成中に0.1〜60重量%の範囲で含有させる。
【0071】特にTi等の金属との熱膨張係数の整合、
低温焼成化を図る場合には、MgOの含有量は0.1〜
35重量%の範囲が好ましく、またCaOを主体とする
材料系では、例えばCaO=10〜88重量%、MgO
=2〜35重量%、SiO2 =10〜80重量%、好ま
しくはCaO=18〜47重量%、MgO=10〜25
重量%、SiO2 =37〜68重量%の範囲が好まし
い。
【0072】{CaOを含有しない組成系}当初は、セ
ラミックス上でのHAPの生成については、HAP成分
を含むCaOの存在が不可欠と考えられた。しかし、そ
の後の研究により意外にもCaOを含まない組成系にお
いてもHAPの生成能があることを発見した。また、こ
の組成系においても従来の燐酸カルシウム系セラミック
ス以上の生体活性を示すことが判った。
【0073】即ち、CaOにかえて、MgO,SrO,
BaO等の他のアルカリ土類金属酸化物および/または
アルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上の金属酸化物
を用いることも可能であり、この場合、CaOを実質的
に含有しない組成とすることも可能である。
【0074】MgO,SrO,BaO等の他のアルカリ
土類金属酸化物を用いる場合には、その含有量はは、セ
ラミックス組成中に0.1〜90重量%の範囲で用いら
れ、合計量としてセラミックス組成中に20〜90重量
%、特に30〜70重量%含有するものが好ましい。
【0075】また、上記のアルカリ土類金属酸化物にか
えて、またはその一部にアルカリ金属酸化物を用いるこ
とができる。
【0076】この場合は、主としてNa2 O,K2 O,
Li2 Oの中から1種もしくは2種以上が選ばれ、好ま
しくはCaO,MgOへの添加組成として用いられる。
【0077】この場合のアルカリ土類金属酸化物の含有
量は、セラミックス組成中に0.1〜90重量%の範囲
で用いられ、合計量としてセラミックス組成中に0.1
〜70重量%、特に50重量%以下の範囲が強度、生体
活性、熱膨張係数の整合の点で好ましい。
【0078】{組成領域例}本発明で用いるセラミック
ス組成は、アルカリ土類金属酸化物を含有する材料系で
は、例えば、ディオプサイト(Diopside:(C
a,Mg)O−MgO−2SiO2 特に2SiO2 −C
aO−MgO)、ウオラトナイト(Wollaston
ite:β−(Ca,Mg)O−SiO2 特にCaO−
SiO2 )、エーライト(alite:3CaO−Si
O)、ベライト(belite:2CaO−Si
2 )、アーケルマナイト(Akermanite:2
CaO−MgO−2SiO2 )、モンチセライト(Mo
nticellite:CaO−MgO−SiO2 )、
ホルステライト(Forsterite:2(Mg,C
a)O−SiO2 )、プロトエンスタタイト(Prot
oenstatite:((Mg,Ca)O−Si
2 ))、トリジマイト(Tridymite:SiO
2 )などの領域に属するセラミックス材料を挙げること
ができる。
【0079】CaOを必須とする材料系では、好ましい
のはディオプサイト、ウオラトナイト、エーライト、ベ
ライト、アーケルマナイト、モンチセライトの各領域の
ものであり、中でも特に比較的低温で焼結しうるディオ
プサイト領域のもの、ウオラトナイト領域のものを主体
とするセラミックスは強度も高く好ましい。
【0080】また、CaOを含有しない材料系ではホル
ステライト領域のものが好ましい。
【0081】尚、上記の好ましい組成領域のセラミック
ス材料のみならず、前記の他の化合物との混合物も用い
る事ができる。
【0082】アルカリ金属酸化物を含有する材料系で
は、SiO2 −K2 O,SiO2 −Li2 O−MgO,
SiO2 −Li2 O−TiO2 ,SiO2 −TiO2
CaO,SiO2 −Na2 O系等の組成系のものがあ
る。
【0083】特に低温焼成できるのは、SiO2 −K2
O,SiO2 −Na2 O系のものである。
【0084】本発明で用いるセラミックスには、前記し
た成分の他に、必要に応じて所望の物性を損なわない程
度の量、通常は5重量%以下の範囲で任意成分、例えば
TiO2 ,ZnO,B2 3 ,FeO,ZrO2 等を配
合する事ができる。
【0085】特に、TiO2 等金属基体材料の酸化物を
セラミック中に含有せさることにより金属基体及び中間
層との接合強度の向上を図ることもできる。
【0086】但し、Al2 3 の含有は生体活性を低下
する傾向があるので余り好ましくない。
【0087】〔セラミックスの低温焼成化〕本発明で
は、金属等の基体上にセラミックスを焼き付け法等で積
層する為、基体材料の融点以下にセラミックスの焼成温
度を抑えることが好ましい。
【0088】例えば、主な金属材料の溶融温度としては
金属チタンでは1668°C、Ti−6Al−4V合金
では1650°C、ステンレス鋼では1400°C,ニ
ッケル合金では1300°C、である。
【0089】従って、セラミックスの焼成温度は120
0°C以下、好ましくは1000°C以下にする事が好
ましい。
【0090】低温焼成化の方法としては、組成を調整す
る方法のほか、原料粉末の微細化等によりセラミックス
の活性度を高める方法、セラミックス粉末に低融点のガ
ラスフリットを混合して焼成温度を低下する方法が有効
である。
【0091】これらは別個に用いることも出来るが、相
互組み合わせて実施するのが好ましい。
【0092】セラミックスの活性度を高める方法として
は、原料粉末の微細化を行う方法、セラミックス原料粉
の表面を酸処理し活性化する方法等がある。
【0093】セラミックスの原料粉末粉径はBET値粒
度で、通常0.1m2 /g以上であるが、特に低温焼成
が必要な場合には、好ましくは5m2 /g以上、更には
10〜200m2 /gの範囲にするのが好ましい。
【0094】ここで、前記範囲より粒径が大きくBET
値が低いと低温焼成化が図られ難く、逆に前記範囲より
粒径が小さくBET値が高いと製造が通常困難となるた
めである。
【0095】また、活性を高めるうえでは、セラミック
ス材料粉末が微細であるとともに、均一であることがよ
り好ましい。
【0096】上記のような材料粉末を焼成前に塩酸等で
酸処理し、表面の活性を高めることを行っも良い。
【0097】また他にも、低融点ガラスフリットをセラ
ミックス粉末に混合してマトリックス状態にし、焼成温
度を低下させる方法も有効である。
【0098】この方法は、セラミックス粉末と低融点ガ
ラスフリットを水等の溶媒で混合してペースト化し、こ
れを基体に塗布、焼成して溶着するものである。
【0099】しかし、ガラスの添加は焼成温度の低下に
は有効であるが、生体活性を低下させる傾向があるの
で、生体活性の点では上記のセラミックスの活性度を高
める方法がより好ましい。
【0100】焼成温度は、ガラスの軟化温度以上で通常
400〜1000°Cで行なう。
【0101】ガラスとしては、例えば、シリカ系、ホウ
酸塩系、ケイ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リン酸塩系等の
ものが挙げられ、特にホウケイ酸塩系ガラスは処理温度
が適当なので好ましい。
【0102】ガラスの配合量は、被覆材料全量に対し通
常5〜80重量%、好ましくは15〜60重量%の割合
で配合される。この配合量が上記範囲未満では、被着性
が低下し、これを越えると生体活性を低下させる。
【0103】〔セラミックス材料の合成方法〕本発明に
用いるセラミックス材料粉末は乾式合成法、湿式合成法
等により合成することができるが、微細で均一な粉末を
生成する為には、噴霧熱分解法、共沈法や沈澱法等の液
相合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法等の方法を用い
るのが好ましい。
【0104】即ち、噴霧熱分解法は、所望組成に調整
したセラミックス成分イオンを含む水溶液をガスまたは
超音波振動子により霧化し、これを加熱し合成を行うも
のであり、球状、中空の微細粒子を得ることができる。
また、得られた中空粒子を更に粉砕し、BET値を高め
ることも好ましい。
【0105】共沈法は、各セラミックス成分イオンを
水溶液状態で均一混合した後、溶解度の差を利用して化
学的に混合成分を同時に固相として析出させるものであ
り、成分純度が高く、60m2 /g以上の微粒子を得る
事が出来る。
【0106】アルコキシド法は、Caアルコキシドや
Siアルコキシド等を混合し、各セラミックス成分を含
むアルコキシド溶液を用意し、これを加水分解反応させ
て合成するものであり、高純度でBET値の大きい微細
粒子を得ることができる。
【0107】ゾルゲル法は、所望成分を水溶液で混合
しゾル状態とし、それを脱水しゲル化し、仮焼して酸化
物とするものである。
【0108】〔積層方法〕金属基体への外表面セラミッ
クス及び中間層の積層方法としては、例えば、焼付け
法、溶射法、またはスパッタ法等の気相成膜法等を用い
ることができる。
【0109】焼付け法は、前記のセラミックス材料粉末
に有機樹脂等のバインダ成分やアルコ−ル類の溶媒成分
を混合し、ペ−スト化し、このペ−ストを金属基体上に
塗布し、焼成して焼き付けを行う。これにより、強固な
接合が可能になる。
【0110】この場合の焼成温度は、500°C以上で
金属基体の溶融温度以下、好ましくは800〜1550
°C、より好ましくは1400°C以下、特に軟化点の
低い金属基体に対しては1200°C以下とすることが
好ましい。
【0111】溶射法は、ガス、プラズマ等でセラミック
ス材料粉を溶解し、噴霧状態で基体の上に付着させるも
のである。
【0112】尚、従来のHAP材料を溶射法で積層する
場合には、高温加熱時にTCPへの転化が生じやすいと
いう問題点があったが本発明の材料系では材料の転化は
生じにくく有利である。
【0113】尚,中間層、金属基体の表面を酸化処理し
金属酸化膜を設けることによっても形成できる。
【0114】〔セラミックス被覆層の厚み〕金属基体上
に設けるセラミックス被覆層の厚みは、全体で通常1〜
5000μm、好ましくは10〜2000μm、更には
50〜1000μmが好ましい。
【0115】この範囲未満では新生骨の生成が不十分と
なりやすく、またこの範囲を越えると剥離強度が低下し
やすい。
【0116】また、前記中間層の厚みは、通常5nm〜
2000μmの範囲が好ましく、より好ましくは10n
m〜1000μm、更には1〜100μmの範囲が好ま
しい。この範囲未満では、中間層の効果が得にくいため
である。また、中間層の厚みの上限は、全体のセラミッ
クス層の厚みで規定される。
【0117】〔セラミックス被覆層の表面粗さ〕セラミ
ックス層の表面粗さは1〜200μmが好ましく、特に
5〜100μmが好ましい。
【0118】この範囲未満では表面が滑りやすくアンカ
ー効果がえられにくく、またこの範囲を越えると骨との
接触面が少なくなり、結合速度が遅くなる。
【0119】〔多孔質化〕また、強度を損なわない範囲
で、このセラミックス層の一部または全部を独立気孔及
び連続気孔を有する多孔質体にすることもできる。この
場合予め焼き付けた緻密質セラミックス層の上に多孔質
層を形成しても良い。
【0120】これにより骨芽細胞の保持及び骨芽細胞、
血液等の流通を促し、新生骨の生成、結合を促進するこ
とができる。
【0121】この多孔質層は、生体親和性の点では通
常、気孔径5〜2000μm、好ましくは10〜100
μm、気孔率は10〜80%、好ましくは20〜70
%、更には25〜60%の範囲が好ましい。
【0122】この多孔質層は、セラミックスの原材料粉
末に結晶性セルロース等の熱分解性物質粒子を所望の寸
法、量で混合し基体に焼き付けることにより製造でき
る。
【0123】熱分解性物質粒子としては、通常平均粒径
5〜2000μm、好ましくは10〜100μmのもの
を用い、セラミックス材料粉100重量部に対し通常1
0〜200重量部、好ましくは20〜100重量部の範
囲で混合する。
【0124】〔セラミックスの結晶粒径〕金属基体上に
焼付けられたセラミックスは、通常平均結晶粒径が0.
001〜100μmの範囲とする事が好ましい。
【0125】また、1000°C以上の焼成温度を有す
る材料では、0.01〜50μmの範囲が好ましく、
0.1〜20μmの範囲が更に好ましい。
【0126】他方、低温焼成材料では1μm以下が好ま
しく、0.1μm以下が更に好ましい。
【0127】結晶粒径がこれ未満だと製造が困難であ
り、他方これを超えると強度が低下するからである。
【0128】尚、結晶粒径は走査型電子顕微鏡(SE
M)により測定した結晶粒子面積からこれを円と仮定し
てその平均直径を求めて測定できる。
【0129】
【実施例】以下、本発明を実施例を示し説明する。
【0130】〔材料例A〜F〕Ca(OC2 5 2
Mg(OC2 4 OC2 5 2 とSi(OC2 5
4 を所定割合にて混合してアルコキシド溶液をえた。こ
の溶液をエチルアルコ−ルで10倍に薄め、50°Cで
PH9〜10で攪拌しながら水を加えて、沈澱物を生成
させた。この沈澱物を濾別し、120°Cで乾燥してセ
ラミックス材料を得て、更に、これを700°Cで仮焼
後、粉砕してセラミックス材料粉とした。
【0131】〔材料例G〜I〕乾式合成法により得たS
iO2 、Al2 3 、HAPの各材料を粉砕しセラミッ
クス材料粉を得た。
【0132】前記材料例A〜Iのセラミックス材料粉の
組成および熱膨張係数(α1 )を第1表に示す。
【0133】〔実施例1〜6、比較例7〜9〕前記のセ
ラミックス材料粉を純Ti製の基体上にプラズマ溶射し
て各種サンプルを得た。
【0134】各サンプルのセラミックス層厚は第2表に
記載のものとした。
【0135】〔実施例10〜15、比較例16〜18〕
前記のセラミックス材料粉をアルコ−ル溶媒と混合し塗
布溶液とし、これを、第2表に記載の金属基体上に塗布
し、焼成、焼き付けを行い各種サンプルを得た。各サン
プルのセラミックス層厚、及び焼成温度は第2表に記載
のものとした。
【0136】前記の各サンプルについて、セラミックス
層の剥離強度、熱衝撃試験結果、生体活性について評価
した結果を第2表に記載した。
【0137】セラミックス層の剥離強度は、次の方法
により測定した。
【0138】長さ18mm、直径3mmの円柱状金属基
体をブラスト処理し、この表面に、セラミックス層を形
成してサンプルとし、このサンプルの上面及び下面を露
出した状態でエポキシ樹脂に埋め込み硬化してサンプル
を固定し、当該サンプルの露出した上面部分を棒状の金
属ピストンで押して、押し出し試験を行なった。剥離強
度はサンプルがエポキシ樹脂体から押し出された時の圧
力により評価した。尚、この時のヘッドスピードは0.
5mm/minで行なった。
【0139】熱衝撃試験は、100°C〜−80°C
の温度範囲で10000回昇温、降温させて加速試験を
行い、セラミックス被覆層にクラックが生じたか否かに
より評価し、クラックの無いものを○印,クラックの生
じたものをその程度により△印、×印により表示した。
【0140】生体活性は、Na+ 142.0mmo
l,K+ 5.0mmol,Mg2+1.5mmol,Ca
2+2.5mmol,Cl- 148.8mmol,HCO
3 - 4.2mmol,及びHPO4 2- 1.0mmolを
含有する水溶液から成る擬似体液150mlを37°C
に保ち、この中に各サンプルを浸漬し14日後にSEM
でHAP析出相の有無を測定した。ここで、その析出の
程度により、全体に均一にHAPが析出しているものを
◎印、一部に析出しているものを〇印により表示した。
【0141】尚、析出相の成分は電子線回析により確認
した。
【0142】各結果を第2表に示す。
【0143】尚、後記の第1表〜第3表中のα1 ・α2
値は「×10-6」を省略して標記した。
【0144】また、α比=α1 /α’である(α1 :外
表面を構成するセラミックス材料の熱膨張係数。α’:
基体の熱膨張係数。)。
【0145】
【表1】
【0146】
【表2】
【0147】〔実施例19〜24〕純Tiよりなる金属
基体に予め中間層を1層又は2層もうけて、次いでその
中間層上に外表面のセラミックス層を形成してインプラ
ントを得た。
【0148】この場合の中間層の材料、層数、層厚、外
表層の材料、層厚、及び積層方法は第3表に示したもの
とした。
【0149】これらの各サンプルについても、前記と同
様セラミックス層の剥離強度、熱衝撃試験結果、生体活
性について評価した結果を第3表に記載した。
【0150】
【表3】
【0151】
【発明の効果】これらの結果から明らかなように、本発
明の生体インプラントは、極めて高い生体活性を示すと
共に、極めて高い剥離強度を有する。
【0152】また更に、熱サイクルによる熱衝撃試験後
もクラックの発生が無く、高い経時安定性を示し、特に
人工歯根等、外部の熱及び応力が繰り返し加わるインプ
ラントに有効であることが分かる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】これまで、人工骨、人工歯根、人工関節
等に用いられる生体インプラントとしては、ステンレス
鋼、金属チタン、ニッケル・コバルト合金などの金属類
や、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックスが用いら
れてきた。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体表面にセラミックスを積層して成る生
    体インプラントにおいて、当該外表面を構成するセラミ
    ックスがアルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金属酸
    化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の金属
    酸化物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム
    系組成を有し、Caイオン、Pイオンを含有する水溶液
    中で表面に燐酸カルシウム系化合物を析出しえる生体活
    性セラミックス材料から成り、当該セラミックス材料の
    熱膨張係数α1 が下記の範囲であることを特徴とする生
    体活性インプラント。 0.50α’≦α1 ≦1.50α’ 但し、α’は基体材料の熱膨張係数である。
  2. 【請求項2】前記セラミックス材料の熱膨張係数α1
    6.65×10-6〜12.35×10-6であることを特
    徴とする請求項第1に記載の生体活性インプラント。
  3. 【請求項3】前記セラミック材料が実質的に燐を含有し
    ない事を特徴とする請求項第1から第2のいずれかに記
    載の生体活性インプラント。
  4. 【請求項4】前記アルカリ土類金属酸化物がCaOを必
    須成分とする組成であることを特徴とする請求項第1か
    ら第3のいずれかに記載の生体活性インプラント。
  5. 【請求項5】前記セラミックス材料が、CaO、Mg
    O、SiO2 を含み、それぞれCaO=10〜88重量
    %、MgO=2〜35重量%、SiO2 =10〜80重
    量%の範囲で含有する組成であることを特徴とする請求
    項第1から第4のいずれかに記載の生体活性インプラン
    ト。
  6. 【請求項6】前記アルカリ土類金属酸化物がBaO,M
    gO,SrOの少なくとも一種であり、且つCaOを実
    質的に含まない組成であることを特徴とする請求項第1
    から第3のいずれかに記載の生体活性インプラント。
  7. 【請求項7】基体表面にセラミックスを積層して成る生
    体インプラントにおいて、当該外表面を構成するセラミ
    ックスがアルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金属酸
    化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の金属
    酸化物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム
    系組成を有し、Caイオン、Pイオンを含有する水溶液
    中で表面に燐酸カルシウム系化合物を析出しえる生体活
    性セラミックス材料から成り、当該基体と外表面を構成
    するセラミックスの界面に中間層を設けたことを特徴と
    する生体活性インプラント。
  8. 【請求項8】前記中間層の熱膨張係数α2 が、下記の範
    囲であることを特徴とする請求項第7に記載の生体活性
    インプラント。 :0.50α’≦α2 ≦1.50α’の範囲で且つ、 :α1 ≦α2 ≦α’又はα1 ≧α2 ≧α’の範囲。 但し、α’は基体材料の熱膨張係数、α1 は外表面を構
    成するセラミックス材料の熱膨張係数である。
  9. 【請求項9】前記中間層が、アルカリ土類金属酸化物お
    よびアルカリ金属酸化物よりなる群から選ばれた少なく
    とも一種以上の金属酸化物と、SiO2 を必須成分とす
    る非燐酸カルシウム系組成を有するセラミックス材料か
    らなることを特徴とする請求項第7から第8のいずれか
    に記載の生体活性インプラント。
  10. 【請求項10】前記中間層を構成するセラミックス材料
    と前記外表面を構成するセラミックス材料との間で、材
    料組成の濃度勾配を有することを特徴とする請求項第7
    から第9のいずれかに記載の生体活性インプラント。
  11. 【請求項11】前記中間層中のSiO2 の含有量が前記
    外表面を構成するセラミックス材料中のSiO2 含有量
    よりも多いことを特徴とする請求項第7から第10のい
    ずれかに記載の生体活性インプラント。
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