JPH05144393A - 蛍光表示管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光表示管の低圧電極部を、そのリードが位
置ずれを起こすこと無く容易に組み立てられるように
し、リードの組み立て時の作業性と歩留まりを向上させ
る。 【構成】 電子線を低圧電極部を通し、蛍光体を発光さ
せて画像を形成する蛍光表示管であって、該低圧電極部
の少なくとも１つの電極のリードが２枚のセラミック板
間に挟まれる構造を有する蛍光表示管において、該リー
ド１が２枚のセラミック板２、３間でガラス層４により
固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、蛍光表示管に関す
る。更に詳しくは、この発明は、大型映像の表示あるい
はヘッドアップディスプレーに適した蛍光表示管に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】蛍光表示管は、電子線を蛍光体に衝突発
光させて画像を形成する表示素子であり、鮮明な画像が
得られ、マルチカラー表示も容易であることなどから従
来より広く利用されているが、近年では屋外設置に好適
な大型映像表示装置に使用する表示素子として、低圧電
極部でアドレスした高速電子線により蛍光体を励起して
高輝度を得るものが開発されている（例えば、ソニー
（株）製、トリニライト）。また、航空機や自動車など
のフロントガラスに表示パターンを投影してその反射虚
像を見る方式の画像表示装置（ヘッドアップディスプレ
ー）に使用する蛍光表示管も開発されている。

【０００３】ところで、このような大型映像表示装置や
ヘッドアップディスプレーなどに使用する蛍光表示管の
低圧電極部は、通常、第１グリッド、第２グリッド、第
３グリッドからなり、そのうち第２グリッドのリードは
第１グリッドと第３グリッドとから絶縁するために、セ
ラミックカバーおよびセラミックベースと称される２枚
のセラミック板間に挟み込まれる構造となっている。そ
してその場合、第２グリッドのリードはセラミックカバ
ーに形成された溝に嵌め込まれるようになっている。

【０００４】図２は、このようにセラミック板間に挟み
込まれた第２グリッドの概略図であり、同図（ａ）はそ
の正面図、同図（ｂ）はその側面図である。同図におい
て、１は第２グリッドのリード、２はセラミックカバ
ー、２ａは第２グリッドのリードを嵌め入れる溝、３は
セラミックベースを示している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図２に
示したように、第２グリッドのリードをセラミック板間
に挟み込む工程は煩雑で時間を要し、生産性を向上させ
ることができないという問題があった。

【０００６】また、第２グリッドのリードをセラミック
板間に挟み込むに際しては、その作業性を向上させるた
めに、セラミックカバー２に形成する溝２ａをリード１
の幅よりも大きくするが、このためにリードをセラミッ
ク板間の所定の位置に固定することができず、位置ずれ
が生じる。そして、位置ずれが生じたままハトメ止めを
するとセラミック板がわれ、歩留まりが低下するという
問題があった。また、リードに位置ずれが生じると、画
素の一部にシャドウがでたり、隣の画素の影響を受けて
ビーム漏れが生じるという問題もあった。

【０００７】このような問題は、ヘッドアップディスプ
レー用の蛍光表示管においては、図３に示したように、
一般に表示パターンが複雑でリードの配置も複雑となる
ので、図中Ａのように正確な位置にグリッド１を配する
ことが困難となり、図中Ｂのようにグリッド１が位置ず
れし易くなるため、特に重大な問題となっていた。

【０００８】この発明は、このような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、蛍光表示管の低圧電極部
を、そのリードが位置ずれを起こすこと無く容易に組み
立てられるようにし、リードの組み立てに伴う作業性と
歩留まりを向上させることを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の目
的が、２枚のセラミック板間にガラスペーストを塗布し
てリードを挟み込み、焼成するなどにより、ガラス層で
リードを完全に２枚のセラミック板間に固定すれば達成
できることを見出し、この発明を完成させるに至った。

【００１０】即ち、この発明は、電子線を低圧電極部を
通してアドレスし、蛍光体を発光させて画像を形成する
蛍光表示管であって、該低圧電極部の少なくとも１つの
電極のリードが２枚のセラミック板間に挟まれる構造を
有する蛍光表示管において、該リードが２枚のセラミッ
ク板間でガラス層により固定されていることを特徴とす
る蛍光表示管を提供する。

【００１１】

【作用】この発明の蛍光表示管においては、その低圧電
極部のリードを２枚のセラミック板間にガラス層により
固定するので、一旦リードをセラミック板間に挟み込ん
だ後は位置ずれを起こすことが無く、正確な位置にリー
ドを固定することが可能となる。したがって、位置ずれ
によるセラミック板の割れや画像の乱れを解消すること
が可能となり、大型映像表示用またはヘッドアップディ
スプレー用の蛍光表示管として特に好適なものとなる。

【００１２】さらに、低圧電極部のリードを２枚のセラ
ミック板間にガラス層により固定するに際しては、セラ
ミック板にガラスペーストを常法によりパターン印刷
し、リードを挟み込み、その後焼成するという簡便な作
業工程により行うことができ、従来法のように予めセラ
ミック板に溝を形成し、その溝内にリードを嵌め入れる
という煩雑な作業が不要となるので、リードの組み立て
の生産性が向上する。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。なお、前述の従来例も含めて各図中、
同一符号は同一または同等の構成要素を表している。

【００１４】図１は、大型映像表示装置に使用するのに
好適な蛍光表示管の低圧電極部の第２グリッド部分の側
面図である。同図のように、この第２グリッドのリード
はセラミックカバー２とセラミックベース３との間で、
ガラス層４により完全に固定されている。

【００１５】このようにリード２を固定する方法として
は、例えば、まずセラミックカバー２またはセラミック
ベース３に接着固定用のガラスペーストを常法によりパ
ターン印刷し、次にセラミックカバー２とセラミックベ
ース３との間の所定の位置にリードを挟み込み、炉で焼
成し、完全にセラミックカバー２とリード１とセラミッ
クベース３とを接着すればよい。

【００１６】この発明の蛍光表示管は、以上のようにそ
の低圧電極部の少なくとも１つの電極のリードが２枚の
セラミック板間でガラス層により固定されていることを
特徴とするものであり、それ以外の構成については従来
例と同様にすることができる。

【００１７】

【発明の効果】この発明の蛍光表示管によれば、蛍光表
示管の低圧電極部を、そのリードが位置ずれを起こすこ
と無く容易に組み立てられるようになり、リードの組み
立て時の作業性と歩留まりが向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の低圧電極部の第２グリッド
部分の側面図である。

【図２】従来の大型映像表示用の蛍光表示管の第２グリ
ッド部分の正面図と側面図である。

【図３】従来のヘッドアップディスプレー用の蛍光表示
管の第２グリッド部分の正面図である。

【符号の説明】

１ リード ２ セラミックカバー ３ セラミックベース ４ ガラス層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子線を低圧電極部を通し、蛍光体を発
   光させて画像を形成する蛍光表示管であって、該低圧電
   極部の少なくとも１つの電極のリードが２枚のセラミッ
   ク板間に挟まれる構造を有する蛍光表示管において、該
   リードが２枚のセラミック板間でガラス層により固定さ
   れていることを特徴とする螢光表示管。
2. 【請求項２】 大型映像表示用またはヘッドアップディ
   スプレー用の請求項１記載の蛍光表示管。