JPH05141672A - 床暖房パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒーターの温度過昇防止装置１が、ヒーター
の抵抗発熱線４との接続端子５ａ，５ｂと、電流供給配
線６との接続端子７ａ，７ｂを有し、互いの接続端子間
５ａ−７ｂ，５ｂ−７ｂの各々にサーモスタット８ａ，
８ｂを備えてなる。 【効果】 温度過昇防止装置の作動時に、漏電および感
電が発生せず、しかも組立てが容易な床暖房パネルが提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】この発明は、床暖房パネルに関するもので
ある。さらに詳しくは、この発明は、その温度過昇防止
装置の作動時に漏電および感電の危険性がなく、ヒータ
ーユニットの接続も容易な新しい床暖房パネルに関する
ものである。

【０００３】

【従来の技術】従来より、室内暖房システムの一つとし
て、たとえば図７にその断面図を例示したようなヒータ
ー内蔵型の床暖房パネルが知られている。この床暖房パ
ネルの場合には、たとえば表面化粧を施した表層材
（ア）と、断熱性に優れた基材合板（イ）とからなるパ
ネル本体の内部に、鉄板製等の均熱板（ウ）と電熱式の
ヒーター（エ）を内蔵し、さらにこのヒーター（エ）に
は、たとえばサーモスタットや温度ヒューズ等からなる
温度過昇防止装置（オ）が接続されている。

【０００４】一般に、このような床暖房パネルに用いる
ヒーター（エ）は、たとえば図８に示したように、ニク
ロム線等の抵抗発熱線（カ）を蛇行配線し、これをラミ
ネートフィルム（キ）で被覆した構造からなっており、
その温度過昇防止装置（オ）は、抵抗発熱線（カ）への
電流供給配線（ク）に介在させて接続するようにしてい
る。そして、これらのヒーター（エ）および温度過昇防
止装置（オ）を隣接させて設置し、ヒーター（エ）が一
定の温度以上に加熱すると、温度過昇防止装置（オ）が
作動して、抵抗発熱線（カ）への出力を停止するように
なっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８に
例示したように温度過昇防止装置（オ）とヒーター
（エ）とを接続した場合には、抵抗発熱線（カ）への供
給電源（ケ）が交流（ＡＣ１００Ｖ）であるため、温度
過昇防止装置（オ）が作動した際に、抵抗発熱線（カ）
とその電流供給配線（ク）とからなる電流回路はいわゆ
る片切状態となる。このため、電源（ケ）から抵抗発熱
線（カ）への回路が活性側回路である場合には、抵抗発
熱線（カ）に電圧が印加されたままの状態になり、漏電
や感電の危険性が存在した。

【０００６】また、従来の床暖房パネルの場合には、ヒ
ーター（エ）と温度過昇防止装置（オ）とを、各々別々
に電流供給配線（ク）と接続しなければならないため、
これらをパネル本体に設置する際には、配線接続作業に
多くの時間と労力を必要とした。この発明は、以上の通
りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の床暖房パ
ネルの欠点を解消し、温度過昇防止装置の作動時に漏
電、感電の危険性がなく、ヒーターと温度過昇防止装置
との配線接続も容易な床暖房パネルを提供することを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ヒーターの温度過昇防止装置
が、ヒーターの抵抗発熱線との接続端子と、電流供給配
線との接続端子とを各々、２対有し、互いの接続端子間
の各々にサーモスタットを備えてなることを特徴とする
床暖房パネルを提供する。

【０００８】

【作用】この発明の床暖房パネルにおいては、その温度
過昇防止装置が、ヒーターの抵抗発熱線に直接接続する
端子を有し、抵抗発熱線の配線途中に介在する。そして
この温度過昇防止装置は、抵抗発熱線との接続端子の各
々から、電流供給配線との活性側接続端子および接地側
接続端子までの間に、サーモスタットを備えている。こ
のため、ヒーターの温度が設定値以上に上昇した場合に
は、電源から抵抗発熱線への電流供給が、その活性側回
路および接地側回路の両方で切断され、抵抗発熱線に電
圧が印加されることはない。従って、温度過昇防止装置
の作動時における漏電や感電が生じることはない。

【０００９】さらに、この発明に用いる温度過昇防止装
置は、抵抗発熱線および電流供給配線との接続端子を有
するため、予めヒーターと隣接させた状態で、その抵抗
発熱線および電流供給配線との接続を同時に行うことが
できる。このため、床暖房パネルの組立、製造が著しく
容易となる。

【００１０】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この発明の床暖房パネルについてさらに詳しく説明す
る。図１は、この発明の床暖房パネルに用いる温度過昇
防止装置の一実施例を示した平断面である。

【００１１】たとえばこの温度過昇防止装置（１）は、
金属性の箱型フレーム（２）の内部に、銅板等の導電体
（３）を配設し、その一部をフレーム（２）から突出さ
せて、各々、抵抗発熱線（４）との接続端子（５ａ）
（５ｂ）およびフラットケーブルからなる電流供給配線
（６）との接続端子（７ａ）（７ｂ）としている。さら
にこの温度過昇防止装置（１）は、接続端子（５ａ）−
（７ａ）間、および接続端子（５ｂ）−（７ｂ）間に、
作動温度が同一のサーモスタット（８ａ）（８ｂ）を介
在させている。また、接続端子（５ａ）−（７ｂ）間に
は、さらに温度ヒューズ（９）を配設している。

【００１２】図２（ａ）（ｂ）は、各々、この発明の温
度過昇防止装置（１）に用いることのできるサーモスタ
ットの構成およびその作動原理を例示した側断面図であ
る。たとえばこのサーモスタット（８）は、電流供給配
線（６）との接続端子（７ａ）（７ｂ）を有する導電体
（３）から、抵抗発熱線（４）との接続端子（５ａ）
（５ｂ）を有する導電体（３）との間に、可動接点（１
０）を配設し、この可動式接点（１０）と、抵抗発熱線
（４）を配線したヒーターユニット（１１）との間に、
感熱体（１２）を配設している。

【００１３】この感熱体（１２）は、ヒーターユニット
（１１）の温度が所定の範囲内である場合には、図２
（ａ）に示したように、平板状態であり、可動接点（１
０）は導電体（３）を接続して、抵抗発熱線（４）に電
流を供給する。一方、ヒーターユニット（１１）の温度
が設定値以上に上昇した場合には、感熱体（１２）は、
図２（ｂ）に示したように、湾曲して可動接点（１０）
と導電体（３）を切り離し、抵抗発熱線（４）への電流
供給を停止する。そしてその結果、ヒーターユニット
（１１）の温度が下降すれば、感熱体（１２）は図２
（ａ）の状態に復元し、ヒーターユニット（１１）は再
び加熱される。

【００１４】図３は、この発明の床暖房パネルにおける
温度過昇防止装置（１）と、抵抗発熱線（４）および電
流供給配線（６）との回路図である。たとえばこの図３
に示したように、この発明の床暖房パネルにおいては、
温度過昇防止装置（１）が、そのサーモスタット（８
ａ）（８ｂ）を同時に作動させて、電源（１３）から抵
抗発熱線（４）への電流を、その活性側回路および接地
側回路の両方で切断する。このため、活性側回路がサー
モスタット（８ａ）（８ｂ）のいずれの場合にも、抵抗
発熱線（４）に電圧が印加され続けることはない。

【００１５】図４は、この発明の床暖房パネルに用いる
ヒーターユニットの一実施例を示した裏面図である。た
とえばこのヒーターユニット（１１）において、抵抗発
熱線（４）は、クラフト紙（１４）等に蛇行配線して接
着し、これをラミネートフィルム（１５）で被覆してい
る。抵抗発熱線（４）の配線途中には、温度過昇防止装
置（１）が介在し、各々、接続端子（５ａ）（５ｂ）に
よって接続している。さらに、このヒーターユニット
（１１）は、その裏面を貫通する電流供給配線（６）を
備えており、これらの電流供給配線（６）は、各々、接
続端子（７ａ）（７ｂ）によって温度過昇防止装置
（１）に接続している。

【００１６】このようなヒーターユニット（１１）は、
たとえば図５に示したように、互いの電流供給配線
（６）を接続して、複数連結し、床暖房パネル用のヒー
ター（１６）とすることができる。このようなヒーター
（１６）は、図６に例示したような底面に切欠溝（１
７）を有する基材合板（１８）に、その裏面の温度過昇
防止装置（１）を切欠溝（１７）に埋め込むようにして
組み込むことができ、さらに、均熱板および表層材等を
積層一体化することによって、床暖房パネルを製造する
ことができる。

【００１７】その際に、ヒーター（１６）は、図５にも
示したように、温度過昇防止装置（１）を予め接続した
状態で基材合板（１８）に組み込むことができるため、
床暖房パネルの組立て作業は極めて容易である。もちろ
んこの発明は、以上の例によって限定されるものではな
く、細部については様々な態様が可能であることは言う
までもない。

【００１８】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、温度過昇防止装置の作動時に、漏電および感電の
発生する危険性がなく、しかも組立て作業も容易な床暖
房パネルが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に用いる温度過昇防止装置の一実施例
を示した平断面図である。

【図２】（ａ）（ｂ）は、各々、図１に例示した温度過
昇防止装置に用いることのできるサーモスタットの構成
と、その作動原理を例示した側断面図である。

【図３】この発明における温度過昇防止装置の回路図で
ある。

【図４】この発明に用いることのできるヒーターユニッ
トの一実施例を示した裏面図である。

【図５】この発明に用いるヒーターの一実施例を示した
裏面図である。

【図６】図５に例示したヒーターを組み込む基材合板を
例示した斜視図である。

【図７】従来の床暖房パネルを例示した断面図である。

【図８】従来の床暖房パネルにおけるヒーターと温度過
昇防止装置との接続例を示した回路図である。

【符号の説明】

１ 温度過昇防止装置 ２ フレーム ３ 導電体 ４ 抵抗発熱線 ５ａ，５ｂ 接続端子 ６ 電流供給配線 ７ａ，７ｂ 接続端子 ８ａ，８ｂ サーモスタット ９ 温度ヒューズ １０ 可動接点 １１ ヒーターユニット １２ 感熱体 １３ 電源 １４ クラフト紙 １５ ラミネートフィルム １６ ヒーター １７ 切欠溝 １８ 基材合板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒーターの温度過昇防止装置が、ヒータ
   ーの抵抗発熱線との接続端子と、電流供給配線との接続
   端子とを各々、２対有し、互いの接続端子間の各々にサ
   ーモスタットを備えてなることを特徴とする床暖房パネ
   ル。