JPH0514044A - マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体 - Google Patents

マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体

Info

Publication number
JPH0514044A
JPH0514044A JP3120312A JP12031291A JPH0514044A JP H0514044 A JPH0514044 A JP H0514044A JP 3120312 A JP3120312 A JP 3120312A JP 12031291 A JP12031291 A JP 12031291A JP H0514044 A JPH0514044 A JP H0514044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microstrip antenna
housing
dielectric plate
dielectric
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3120312A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozaburo Nakamura
孔三郎 中村
Koichi Tsunekawa
光一 常川
Shuji Urabe
周二 卜部
Mikio Takeshima
幹夫 竹島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP3120312A priority Critical patent/JPH0514044A/ja
Publication of JPH0514044A publication Critical patent/JPH0514044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)
  • Support Of Aerials (AREA)
  • Transceivers (AREA)
  • Telephone Set Structure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】携帯通信機器用のマイクロストリップアンテナ
を,所定の比誘電率を有し,加工性に優れ,軽量で経済
的な誘電体あるいは複合誘電体で実現し,このマイクロ
ストリップアンテナを携帯通信機器の筐体の一部として
一体的に組み込んだ構造のマイクロストリップアンテナ
付筐体を提供することを目的とする。 【構成】5以上の比誘電率をもつ高分子材料により,あ
るいは5以上の比誘電率をもつ無機誘電体と高分子材料
との複合よりなり所定の比誘電率をもつ複合材料によ
り,上面と下面が平行な誘電体板15を形成し,その上
面に所定形状の放射電極16を,下面にアース電極17
を,それぞれ薄膜状に形成する。放射電極15への給電
は,例えば,両電極16,17を貫通するスルーホール
を介して給電点18に対して行う構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,マイクロストリップア
ンテナ及びマイクロストリップアンテナ付筐体に係り,
特に安価で加工性に優れ,かつ軽量な高周波用誘電体板
を用いたマイクロストリップアンテナとそれを筐体の一
部として構成したマイクロストリップアンテナ付筐体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来,自動車電話等の移動体通信機器に
使用される携帯形無線機のアンテナとしては,周知の半
波長ダイポールアンテナや各種の内蔵型アンテナがあっ
た。図19は内蔵型アンテナの一例として逆F型アンテ
ナの斜視図を示したものであり,略平面状で一部が下方
に折曲げられたアンテナ素子1が,金属製のシャーシ2
上に所定の離間幅をもって取り付けられ,さらにその一
部に給電点3が設けられてなるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した半波長ダイポ
ールアンテナは外付け型であり,取扱い上不便であると
ともに形状的にも突起物として大きくなるという問題点
があった。また図19に示した内蔵型の逆Fアンテナに
は,次のような問題点があった。シャーシとともに筐
体内に内蔵することが可能であるが,アンテナ自体にか
なりの重量と容積を必要とする。アンテナとシャーシ
との間にある程度の間隔が必要である。他の部品との
電磁気的な接続スペースを必要とする。電磁波が筐体
を透過する際の損失を考慮する必要がある。他の部品
への電磁波の影響を避けるため,シャーシ等によるシー
ルドを施す必要がある。
【0004】このような問題点を解決するため,図20
に示すようなマイクロストリップアンテナが提案され
た。同図(a)は平面図,同図(b)は同図(a)のA
−A線断面図である。平板状の誘電体板4の上面にはア
ンテナ素子となる放射電極5が,下面にはアース電極6
が形成されている。誘電体板4は矩形の平板状の部材か
らなり,アルミナ(Al23)等の誘電体セラミックス
や高分子材料により構成されている。放射電極5は,誘
電体板4より小さく形成されており,他方,アース電極
6は誘電体板4の下面全面にわたって形成されている。
そして,同軸給電線7の外部導体8がアース電極6に,
中心導体9が放射電極5側に設けられた給電点10に接
続されている。さらに,このようなマイクロストリップ
アンテナを,通信機器の筐体の一部をくり抜いてその部
分に取り付けて一体形構成としたアンテナ付筐体が特願
昭57−62635号公報において開示されている。
【0005】このような構成のマイクロストリップアン
テナ付筐体によれば,筐体の外部に突出する部分がほと
んどないことはもとより,筐体内部におけるアンテナの
占有スペースを無視でき,また,アンテナ素子が筐体の
外面にあるため損失がなく,さらに筐体の内面にはアー
ス電極があるため,シールドを施す必要がなく,従っ
て,小型軽量で高性能のアンテナ付筐体を実現すること
ができる。
【0006】しかしながら,このような従来のマイクロ
ストリップアンテナ付筐体の場合にも,将来的な軽量小
型化を図るためには次のような問題点があった。
【0007】アンテナ基板をアルミナ等の誘電体セラ
ミックスで構成した場合には,アルミナが高価で加工性
に劣り,かつ重いという欠点を有している他,アンテナ
基板製造時にグリーンシートを重ね合わせて焼成するた
め,厚さの均一性や,スルーホールの位置精度などが悪
くなるとともに,焼成後の穴開けや切削加工も極めて難
しい。
【0008】アンテナ基板を高分子材料で構成した場
合,高分子材料は安価で軽く,その上成形加工性に優れ
ているが,従来アンテナ基板用材料として用いていた高
分子材料は,その比誘電率εが5以下と小さなものであ
ったため,アンテナ形状を自由に設計することができな
い。
【0009】さらに,通信機器の筐体の一部をマイクロ
ストリップアンテナ構成としたアンテナ付筐体が特願昭
61−284102号公報において開示されているが,
このような構成のアンテナ付筐体においても,次のよう
な問題点があった。
【0010】アンテナが筐体そのものを利用して構成
されているため,筐体の厚みがアンテナ素子への要求条
件により左右され,将来的な筐体の薄肉軽量小型化を図
る上で大きな制約条件となる。
【0011】アンテナを構成する誘電体が筐体の成形
加工の観点からポリカーボネート等の高分子材料を用い
ざるを得ないため,図20に示したマイクロストリップ
アンテナにおける上記問題点と同様,アンテナ形状を
自由に設計することができない。
【0012】ここで,図20に示したマイクロストリッ
プアンテナの場合,その中心周波数fは,アンテナ素子
の形状によって次式の如く決定される。
【0013】
【数1】
【0014】ここで,Cは光速度,εは誘電体の比誘電
率,Lは図20(a)に示すアンテナ素子となる放射電
極5の縦方向の長さである。従って,中心周波数fを一
定とした場合,誘電体の比誘電率εが小さいとアンテナ
素子の形状を小さくすることができず,アンテナ自体の
小型化を図るためには,比誘電率εの大きなアンテナ基
板を用いることが要求される。このように,携帯用通信
機器のより一層の軽量小型化を目指す場合,アンテナ基
板を構成する誘電体の比誘電率εが一つの大きなネック
となっていた。
【0015】本発明の目的は,上記従来技術における欠
点ならびに問題点を解消するものであって,安価で加工
性が良く,しかも軽量で高い比誘電率を有する誘電体板
を用いたマイクロストリップアンテナ及び該マイクロス
トリップアンテナを携帯通信機器の筐体と一体化して構
成した軽量小型のマイクロストリップアンテナ付筐体を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するため,以下に示すような手段を講じ,高周波用マイ
クロストリップアンテナ及びマイクロストリップアンテ
ナ付筐体を実現した。但し,ここでは便宜上,比誘電率
が5より大きな高分子材料を有機高誘電体,従来アンテ
ナ基板として用いていた比誘電率が5より小さな高分子
材料を有機低誘電体と称する。
【0017】有機高誘電体の一種または複数種よりな
る互いに平行な上面と下面を有する平板型の誘電体板
と,該誘電体板の上面に形成された所定形状の放射電極
と,下面に形成されたアース電極とからマイクロストリ
ップアンテナを構成する。ここで,本発明において使用
する有機高誘電体の選択については,アンテナ素子が高
周波用であることを考慮して特に注意を払う必要があ
る。すなわち,この種の有機高誘電体としては,ポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)及びフッ化ビニリデンと三
フッ化エチレン(TrFE)あるいは四フッ化エチレン
(TeFE)あるいは六フッ化プロピレンとの共重合
体,シアン化ビニリデン(VDCN)と酢酸ビニル(V
Ac)との共重合体,ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体,ポリ(2,2,2−トリフルオロエチルビニル
エーテル),コハク酸ニトリル,ニトロセルロース,シ
アノエチルセルロース(CyEC),シアノエチルヒド
ロキシエチルセルロース(CyEHEC),シアノエチ
ルプルラン(CyEPL),シアノエチルポリビニルア
ルコール(CyEPVA),シアノエチルポリビニルエ
ーテル,ポリシアノエチルアクリレート等に代表される
シアノエチル化物,エチレン−ビニルアルコール共重合
体のシアノエチル化物,グルコース環含有セルロースヒ
ドロキシエチルセルロースプルランのシアノエチル化
物,シアノエチルアクリレートとエチルビニルスルホン
との共重合体,シアノエチルビニルエーテルとシアノエ
チルアクリレートとの共重合体,メソゲン基等を側鎖に
導入した側鎖型強誘電性液晶高分子及びこれらの混合物
が適切であるが,もちろんこれらに限定されるものでは
なく,比誘電率が5以上のものであれば他の有機高誘電
体であってもよく,必要に応じて比誘電率が5以下の有
機低誘電体,すなわち,一般的な汎用性プラスチック及
びエンジニアリングプラスチックとの混合物あるいは共
重合物であってもよい。この他,アンテナ基板への電極
形成の場合における電極材料のメッキ等の付着性につい
ても考慮する必要がある。
【0018】比誘電率が5より大きな無機誘電体の一
種または複数種と,高分子材料との複合による設定の比
誘電率を有する複合材料よりなり,互いに平行な上面と
下面を有する平板型の複合誘電体板と,該複合誘電体板
の上面に形成された所定形状の放射電極と,下面に形成
されたアース電極とからマイクロストリップアンテナを
構成する。ここで,本発明において使用する無機誘電体
の選択については,アンテナ素子が高周波用であること
を考慮して注意を払う必要がある。この種の無機誘電体
としては,特に以下に示すようなペロブスカイト系AB
3型酸化物強誘電体(A:1価または2価または3価
の金属,B:それぞれに対応する3価または4価または
5価の金属)が適切である。すなわち,この種の酸化物
強誘電体としては,チタン酸バリウム(BaTiO3:チ
タバリ),チタン酸鉛(PbTiO3),チタン酸ストロ
ンチウム(SrTiO3),チタン酸バリウム・ストロン
チウム(Ba−Sr)TiO3,ジルコン酸鉛(PbZr
3),ニオブ酸リチウム(LiNbO3),PZT(Pb
TiO3とPbZrO3の固溶体),PLZT(PZTとLa
の化合物)及びこれらの混合物が好適であるが,もちろ
んこれらに限定されるものではなく,比誘電率が5以上
であれば他の無機誘電体,例えば,酸化チタン(Ti
2:チタニア),酸化アルミニウム(Al23:アル
ミナ),硫酸グリシン(NH2CH2COOH)3・H2
4),亜硝酸ナトリウム(NaNO2),硫ヨウ化アン
チモン(SbSI),ロッシェル塩,第一燐酸カリウム
(KH2PO4)等であっても,これらと上記ABO3
酸化物強誘電体との混合物であってもよく,結晶体,非
晶(アモルファス)体であっても適用可能である。
【0019】また,上記無機誘電体を複合するためのマ
トリックスとして用いる高分子材料としては,で示し
た5以上の比誘電率を有する有機高誘電体が好適である
が,この他にも,ポリエチレン(PE),ポリ塩化ビニ
ル(PVC),ポリ塩化ビニリデン(PVDCl),ポ
リスチレン(PS),ポリプロピレン(PP),ポリプ
ロピレンコポリマ(PPコポリマ),ポリメチルメタク
リレートに代表されるアクリル樹脂,各種熱可塑性エラ
ストマ及びABS,ASなどの共重合体,等に代表され
る汎用性プラスチックやこれらの混合物,ポリアミド
(PA),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポ
リブチレンテレフタレート(PBT),ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などに代
表されるフッ素樹脂,ポリアセタール(POM),ポリ
カーボネート(PC),アセタールコポリマ,ポリイミ
ド(PI),ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテ
ルイミド(PEI),ポリフェニレンオキシド(PP
O),変成PPO,ポリフェニレンサルファイド(PP
S),ポリアリレート(PAR),ポリメチルペンテン
(PMP),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケ
トン(PEK),オキシベンゾイルポリエーテル(O
P),等に代表されるエンジニアリングプラスチックや
これらの混合物,上記汎用性プラスチックとエンジニア
リングプラスチックとの混合物,エポキシ,シリコン
(SI),フェノール(PF),ジアリルフタレート
(DAP),ポリエステル等に代表される熱硬化性プラ
スチックを用いてもよい。もちろん,高分子材料として
は,以上示した材料に限定されるものではなく,複合誘
電体板のマトリックスとなりうる成形加工性のよい高分
子材料であれば適用することができることは言うまでも
ない。
【0020】前記で示した誘電体板を,該誘電体板
の外縁部における比誘電率の方が中央部の比誘電率より
も大きくなるように,面内比誘電率分布を持たせてマイ
クロストリップアンテナを構成する。
【0021】前記で示した複合誘電体板を,該複合
誘電体板の外縁部における比誘電率の方が中央部の比誘
電率よりも大きくなるように,面内比誘電率分布を持た
せてマイクロストリップアンテナを構成する。
【0022】前記で示した誘電体板と,これと同じ
板厚で互いに平行な上面と下面を有する平板型の,比重
が前記誘電体板のそれより小さい発泡部材あるいはハニ
カム部材からなる軽量部材とを組み合わせて形成された
軽量誘電体板と,該軽量誘電体板の上面に形成された所
定形状の放射電極と,下面に形成されたアース電極とか
ら軽量化されたマイクロストリップアンテナを構成す
る。
【0023】前記で示した複合誘電体板と,これと
同じ板厚で互いに平行な上面と下面を有する平板型の,
比重が前記複合誘電体板のそれより小さい発泡部材ある
いはハニカム部材からなる軽量部材とを組み合わせて形
成された軽量複合誘電体板と,該軽量複合誘電体板の上
面に形成された所定形状の放射電極と,下面に形成され
たアース電極とから軽量化されたマイクロストリップア
ンテナを構成する。ここで,及びにおいて使用する
軽量部材としては,高分子材料からなる発泡部材(例え
ば,発泡ポリエチレン等)及び高分子材料あるいは金属
材料からなるハニカム部材が適切であるが,もちろん,
これらに限定されるものではなく,他の構造の軽量部材
であっても適用可能である。
【0024】前記〜に示したマイクロストリップ
アンテナを,携帯通信機器を収納する筐体の一部として
一体的に組み込んでマイクロストリップアンテナ付筐体
を構成する。
【0025】携帯通信機器を収納する筐体を,有機高
誘電体の一種または複数種から構成し,該筐体の一部外
表面に所定形状の放射電極を,内表面にアース電極を形
成してマイクロストリップアンテナ付筐体となす。この
場合に用いる有機高誘電体としては,で示した有機高
誘電体が好適である。
【0026】携帯通信機器を収納する筐体を,比誘電
率が5より大きな無機誘電体の一種または複数種と,高
分子材料との複合による設定の比誘電率を有する複合材
料から構成し,該筐体の一部外表面に所定形状の放射電
極を,内表面にアース電極を形成してマイクロストリッ
プアンテナ付筐体となす。この場合に用いる無機誘電体
としては,で示したペロブスカイト系ABO3型酸化
物強誘電体の一種または複数種及びTiO2が好適である
が,これに限定されるものではなく,比誘電率が5より
大きな他の無機誘電体であれば用いることができる。さ
らに,高分子材料としては,で示した有機高誘電体が
好適であるが,これについても特に限定されるものでは
なく,で示した比誘電率が5より小さな有機低誘電体
も適用可能である。
【0027】
【作用】本発明の第1の特徴であるアンテナ基板用ある
いは筐体用としての誘電体板の比誘電率は,構成材料と
して比誘電率が5より大きな有機高誘電体を用いること
により,一般的な汎用性プラスチックやエンジニアリン
グプラスチックからなる比誘電率が5より小さな有機低
誘電体を用いた場合よりも高めることができる。すなわ
ち,有機高誘電体の比誘電率は,コハク酸ニトリルの6
8を除いて,例えば,PVDFで10,CyEPVAで
15,CyEHECで18,CyEPLで19,CyEC
で17と,有機低誘電体の比誘電率と比べ5〜10倍も
大きい。
【0028】さらに,有機高誘電体と比誘電率が5より
大きな無機誘電体とを複合することにより,有機高誘電
体を単独で用いた場合や,有機低誘電体と比誘電率が5
より大きな無機誘電体とを複合した場合と比べ,より一
層大きな比誘電率を有する複合誘電体板を得ることがで
きる。この場合,複合誘電体板の比誘電率の調整は,複
合材料の比誘電率に関する複合則によって容易に可能と
なる。無機誘電体の比誘電率は非常に高く,例えばTi
2で100,BaTiO3で1700,SrTiO3で14
0,(Ba−Sr)TiO3で8000,PbTiO3で20
0,PZTで1200と,マトリックスとなる高分子材
料の比誘電率ε=2〜20と比べ5倍〜170倍も大き
い。したがって,前記ペロブスカイト系ABO3型の酸
化物強誘電体をはじめとする各種無機誘電体のうちの少
なくとも一種または複数種を高分子材料と複合すること
により,アンテナ基板用あるいは筐体用の構成材料とな
りうる所望の比誘電率を有する複合誘電体板を得ること
ができる。
【0029】図3は,複合誘電体板の比誘電率の設定を
説明するための図であり,TiO2を有機低誘電体のPP
O及びPPコポリマに,ペロブスカイト系ABO3型の
酸化物強誘電体の代表例であるBaTiO3を有機低誘電
体のPOMとPPO及び有機高誘電体の代表例であるC
yECとPVDFに各々複合した場合の,BaTiO3の混
合率(容積%)と複合誘電体板の比誘電率ε(周波数1
6Hzでの計算値)の関係を示したものである。なお,
ここでは比誘電率として,TiO2:100,BaTi
3:1700,PPO:2.6,PPコポリマ:2.
7,POM:3.8,CyEC:17,PVDF:10
とし,ボエター(Boetter)の複合則を用いて計算し
た。同図より,複合誘電体板の比誘電率εは,いずれの
複合系においてもTiO2及びBaTiO3の混合率の増加
に応じて指数関数的に大きくなっており,混合率が0〜
35容積%の範囲において,TiO2/有機低誘電体系で
は2.6〜18の間で,BaTiO3/有機低誘電体系で
は2.6〜80の間で,BaTiO3/有機高誘電体系で
は10〜150の間で変化していることが理解できる。
このように,マトリックスとして用いる高分子材料の違
いにより,比誘電率の複合特性は異なるが,大きな比誘
電率を有する無機材料の高分子材料への複合による効果
については,基本的に変わるものではない。したがっ
て,TiO2,BaTiO3等の無機誘電体と,マトリック
スとしての高分子材料であるPPO,PPコポリマ,P
OM,PVDF及びCyECを各々所定の混合比で複合
化することにより,複合誘電体板の比誘電率を2.6〜
150の範囲で任意に調整することが可能となる。
【0030】本発明の第2の特徴である経済性について
は,マトリックスとなる安価な高分子材料の材料費及び
加工費を従来の高価で加工性に劣るアルミナ等の無機質
基板と比較すれば,本発明の誘電体板及び複合誘電体板
を用いたアンテナ基板の方に優位性があることは言うま
でもない。
【0031】本発明の第3の特徴である加工性について
は,薄肉形状の厚さのアンテナ基板の成形及び該基板へ
の穴開け加工等において,本発明の成形加工性の良い有
機高誘電体及び無機誘電体と高分子材料との複合誘電体
板の方が優れていることは説明するまでもない。
【0032】本発明の第4の特徴である軽量性について
は,本発明の誘電体板及び複合誘電体板の比重が,従来
の無機質基板と比較して一段と小さくなることから,ア
ルミナ基板の大幅な軽量化を達成することができる。例
えば,従来,アンテナ基板として用いられていたアルミ
ナ基板の比誘電率は約10であり,比重は3.99であ
るが,これと同等の比誘電率をBaTiO3/POM系複
合誘電体板において実現しようとすると,図3より複合
誘電体中におけるBaTiO3の混合率は約21容積%と
なり,この値を複合誘電体板の比重に換算すると約2.
3であると見積もれる。従って,アルミナ基板と同程度
の比誘電率を有するBaTiO3/POM系複合誘電体板
の比重はアルミナ基板の約半分となり,これによって軽
量化が可能になる。さらに,上記誘電体板及び複合誘電
体板と,発泡高分子材料あるいはハニカム状に成形した
高分子材料等からなる軽量部材を組み合わせて構成した
軽量誘電体板あるいは軽量複合誘電体板を用いることに
より,アンテナ基板のより一層の軽量化を達成すること
が可能となり,特に通信衛星や携帯通信機器等のアンテ
ナ部品として用いる場合には著しい利点となる。
【0033】本発明の第5の特徴である筐体との一体化
については,本発明のマイクロストリップアンテナを,
携帯通信機器を収納する筐体の一部として一体に構成す
ることにより,従来のアンテナ部分の重量,容積等が不
要となり,さらにアンテナ素子の小面積化及び筐体の軽
量小型化を一段と推進することができる。また,本発明
の有機高誘電体及び複合誘電体を携帯通信機器を収納す
る筐体の構成材料として用い,筐体の一部をアンテナ素
子として構成することにより,筐体の比誘電率を有機高
誘電体の種類あるいは複合誘電体中における無機誘電体
の配合比を変えることで任意に制御することができ,筐
体の薄肉軽量化,アンテナの小面積化及びアンテナ特性
の向上を図ることが可能となる。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。本発明の実施例においては,無機強誘電体
としてペロブスカイト系ABO3型酸化物強誘電体であ
るBaTiO3を,また,これ以外の比誘電率が5より大
きな無機誘電体としてTiO2を例示して説明するが,も
ちろんこれに限定されるわけではなく,前記他のペロブ
スカイト系ABO3型酸化物強誘電体やこれらの混合物
であっても,これ以外の前記他の無機誘電体であって
も,さらにこれら無機誘電体と上記ABO3型酸化物強
誘電体との混合物であってもよく,また,マトリックス
となる高分子材料についてもPOM,PPO及びPPコ
ポリマについて例示するが,もちろんこれらについても
特に限定されるものではなく,前記有機低誘電体であっ
ても本発明の思想を逸脱するものではない。
【0035】また,本実施例においては,給電の方法と
して,放射電極とアース電極とを貫通するようにスルー
ホールを形成し,該スルーホール内に筐体内部から同軸
給電線を通し,同軸給電線の外部導体をアース電極に,
中心導体を放射電極側に設けた給電点にハンダ付け等に
より接続する構成をとっているが,給電の方法としては
これに限定されるものではなく,種々の公知の給電方法
を適用してもよく,また,放射電極の上面には,放射電
極や給電点の耐環境性を高めるために,アンテナ特性に
影響を与えないような比較的低い比誘電率の樹脂からな
るコート層を設ける構成をとり得ることをあらかじめ付
記しておく。
【0036】(実施例1) マイクロストリップアンテ
ナの第1の実施例について述べる。比誘電率が5より大
きな有機高誘電体であるPVDF及びCyECを用い
て,互いに平行な上面及び下面を有する厚さ5mmの平
板型の誘電体板を加熱圧縮成形法により作製した。次い
で,該2種類の誘電体板の誘電特性を測定するため,図
2に示すような構成の試料を作製した。すなわち,上記
誘電体板を56mm径に加工した後,この誘電体板11
の上面に,無電解銅メッキにより厚さ10〜15μmの
金属薄膜からなるリング状の上部電極12及び13を,
下面全面にも同様の厚さの金属薄膜からなる下部電極1
4を形成した。ここで,上部電極12は38mm径の円
板状とし,その外側に0.3〜0.5mm幅のスペース
を設けて外径56mmのリング状上部電極13を設けた
電極構成とした。
【0037】このようにして作製した誘電体板試料の室
温,1MHzにおける比誘電率ε及びtanδを測定した結
果,PVDF誘電体板試料においてε=6.4,tanδ
=1.5×10~2の値が,CyEC誘電体板試料におい
てε=11.0,tanδ=2.5×10~2の値が得ら
れ,本発明の誘電体板が高周波用として良好な性能を示
すアンテナ基板として適用可能であることを確認した。
また,電極となる銅メッキの付着力をピーリング試験に
より調べた結果,銅メッキ箔の剥離よりも破断が優先
し,良好な付着性を有することが明らかとなった。電極
形成については,銅メッキ以外に,誘電体板11上に導
電性ペーストを塗布後,焼付けてもよいし,スパッタリ
ング等の薄膜形成技術を用いてもよい。また,金属薄膜
としては,銅以外にアルミニウム,真鍮等を用いてもよ
い。
【0038】次いで,上記PVDF及びCyEC誘電体
板を用いて,図1に示すような構成のマイクロストリッ
プアンテナを作製した。図1はマイクロストリップアン
テナの斜視図を示したものであり,15は誘電体板,1
6は放射電極,17はアース電極,18は給電点,19
はマイクロストリップアンテナである。詳細には,厚さ
5mmで60mm角のPVDF及びCyECからなる誘
電体板15を作製し,該誘電体板15の上面に,無電解
銅メッキにより,厚さ10〜15μmの金属薄膜からな
る50mm径の円形電極を形成して放射電極16とな
し,下面全面にも同様に電極を形成してアース電極17
となし,さらにドリル加工により放射電極16とアース
電極17とを貫通するようにスルーホールを形成して給
電点18を設け,マイクロストリップアンテナ19を作
製した。この場合,ドリル加工により良好なスルーホー
ルを形成することができ,先の誘電体板試料の加工も併
せ,本発明の誘電体板が良好な加工特性を有しているこ
とが明らかとなった。
【0039】本実施例においては,有機高誘電体として
PVDF及びCyECを例示したが,これに限定される
わけではなく,アンテナ基板の成形性や比誘電率の要求
値等を考慮して,前記他の有機高誘電体やそれらの混合
物あるいは有機低誘電体との混合物や共重合物を用いて
もよい。
【0040】(実施例2) マイクロストリップアンテ
ナの第2の実施例について述べる。BaTiO3無機強誘
電体の粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マ
トリックスと有機低誘電体であるPOMに80重量%,
PPOに85重量%,PPコポリマに85重量%の割合
で各々溶融混練法により複合化した。次いで,加熱圧縮
成形法により互いに平行な上面及び下面を有する厚さ5
mmの平板型BaTiO3/POM系,BaTiO3/PPO
系及びBaTiO3/PPコポリマ系の複合誘電体板を作
製した。その後,該複合誘電体板を図2と同様の形状に
加工し,その両面に電極を形成して誘電特性測定用試料
とした。このようにして作製した上記3種類の複合誘電
体板試料の室温,1MHzにおける比誘電率ε及びtanδ
を測定した結果,BaTiO3/POM系複合誘電体板試
料においてε=21.0,tanδ=1.52×10~2
値が,BaTiO3/PPO系複合誘電体板試料において
ε=19.8,tanδ=1.49×10~2の値が,BaT
iO3/PPコポリマ系複合誘電体板試料においてε=2
0.4,tanδ=1.50×10~2の値が得られ,本実
施例における複合誘電体板が高周波用として良好な性能
を示すアンテナ基板として適用可能であることが明らか
となった。また,上記複合誘電体板においても電極とな
る銅メッキの付着力をピーリング試験により調べた結
果,銅メッキ箔の剥離よりも破断が優先し,電極が良好
な付着性を有することが明らかとなった。
【0041】次いで,上記3種類の複合誘電体板を用い
て図1と同様の構成のマイクロストリップアンテナを作
製した。この場合にもドリル加工により良好なスルーホ
ールを形成することができ,上記複合誘電体板が良好な
加工特性を有していることが明らかとなった。
【0042】(実施例3) マイクロストリップアンテ
ナの第3の実施例について述べる。TiO2無機強誘電体
の粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マトリ
ックスとしての有機低誘電体であるPOMに65重量
%,PPOに70重量%,PPコポリマに70重量%の
割合で各々溶融混練法により複合化した。次いで,加熱
圧縮成形法により互いに平行な上面及び下面を有する厚
さ5mmの平板型TiO2/POM系,TiO2/PPO系
及びTiO2/PPコポリマ系複合誘電体板を作製した。
その後,該複合誘電体板を図2と同様の形状に加工し,
その両面に電極を形成して誘電特性測定用試料とした。
このようにして作製した上記3種類の複合誘電体板の室
温,1MHzにおける比誘電率ε及びtanδを測定した結
果,TiO2/POM系複合誘電体板においてε=10.
3,tanδ=2.60×10~3の値が,TiO2/PPO
系複合誘電体板においてε=9.8,tanδ=2.45
×10~3の値が,TiO2/PPコポリマ系複合誘電体板
においてε=10,tanδ=2.5×10~3の値が得ら
れ,本実施例における複合誘電体板が,実施例2と同
様,高周波用として良好な性能を示すアンテナ基板であ
ることが明らかとなった。
【0043】次いで,上記3種類の複合誘電体板を用い
て図1と同様の構成のマイクロストリップアンテナを作
製した。この場合にもドリル加工により良好なスルーホ
ールを形成することができ,上記複合誘電体板が良好な
加工特性を有していることが明らかとなった。
【0044】(実施例4) マイクロストリップアンテ
ナの第4の実施例について述べる。BaTiO3無機誘電
体の粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マト
リックスとしての有機高誘電体であるPVDFに70重
量%,CyECに80重量%の割合で各々溶融混練法に
より複合化した。次いで,加熱圧縮成形法により互いに
平行な上面及び下面を有する厚さ5mmの平板型BaTi
3/PVDF系及びBaTiO3/CyEC系複合誘電体
板を作製した。その後,該複合誘電体板を図2と同様の
形状に加工し,その両面に電極を形成して誘電特性測定
用試料とした。このようにして作製した上記3種類の複
合誘電体板の室温,1MHzにおける比誘電率ε及びtan
δを測定した結果,BaTiO3/PVDF系複合誘電体
板試料においてε=18.0,tanδ=1.44×10~
2の値が,BaTiO3/CyEC系複合誘電体板試料にお
いてε=20.3,tanδ=1.52×10~2の値が得
られ,本実施例における複合誘電体板が,実施例2及び
3と同様,高周波用として良好な性能を示すアンテナ基
板であることが明らかとなった。
【0045】次いで,上記2種類の複合誘電体板を用い
て図1と同様の構成のマイクロストリップアンテナを作
製した。この場合にもドリル加工により良好なスルーホ
ールを形成することができ,上記複合誘電体板が良好な
加工特性を有していることが明らかとなった。
【0046】(実施例5) マイクロストリップアンテ
ナの第5の実施例について述べる。TiO2無機誘電体粉
末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マトリック
スとしての有機高誘電体であるPVDFに60重量%,
CyECに70重量%の割合で各々溶融混練法により複
合化した。次いで,加熱圧縮成形法により互いに平行な
上面及び下面を有する厚さ5mmの平板型TiO2/PV
DF系及びTiO2/CyEC系複合誘電体板を作製し
た。その後,該複合誘電体板を図2と同様の形状に加工
し,その両面に電極を形成して誘電特性測定用試料とし
た。このようにして作製した上記2種類の複合誘電体板
の室温,1MHzにおける比誘電率ε及びtanδを測定し
た結果,TiO2/PVDF系複合誘電体板試料において
ε=11.5,tanδ=2.80×10~3の値が,TiO
2/CyEC系複合誘電体板試料においてε=13.7,
tanδ=3.35×10~3の値が得られ,本実施例にお
ける複合誘電体板が,実施例2〜4と同様,高周波用と
して良好な性能を示すアンテナ基板であることが明らか
となった。
【0047】次いで,上記2種類の複合誘電体板を用い
て図1と同様の構成のマイクロストリップアンテナを作
製した。この場合にもドリル加工により良好なスルーホ
ールを形成することができ,上記複合誘電体板が良好な
加工特性を有していることが明らかとなった。
【0048】(実施例6) マイクロストリップアンテ
ナの第6の実施例について述べる。BaTiO3無機強誘
電体の粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マ
トリックスとしての有機低誘電体であるPOMに20,
40,50,65重量%の割合で各々溶融混練法により
複合化した。次いで,加熱圧縮成形法により互いに平行
な上面及び下面を有する4種類の厚さ5mmの平板型B
aTiO3/POM系複合誘電体板を作製した。その後,
該複合誘電体板を7mm×60mmの矩形形状に切削加
工し,各切削加工片を各々組み合わせて接着剤により固
定し,図4に示すように,中央部から外縁部にかけて比
誘電率εが一次元的に大きくなるような面内分布を有す
る60mm角形状の複合誘電体板を構成した後,その両
面に電極を形成して,図1と同様の構成のマイクロスト
リップアンテナを作製した。
【0049】ここで本実施例においては,BaTiO3
POM系複合誘電体を例示して面内比誘電率分布を有す
る複合誘電体板を構成したが,もちろん,これに限定さ
れるわけではなく,比誘電率が5より大きな他の無機誘
電体や,有機低誘電体からなる複合誘電体系を用いて構
成してもよいことは言うまでもない。
【0050】(実施例7) マイクロストリップアンテ
ナの第7の実施例について述べる。BaTiO3無機誘電
体の粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分子マト
リックスとしての有機高誘電体であるPVDFに20,
40,50,65重量%の割合で各々溶融混練法により
複合化した。次いで,加熱圧縮成形法により互いに平行
な上面及び下面を有する4種類の厚さ5mmの平板型B
aTiO3/PVDF系複合誘電体板を作製した。その
後,各複合誘電体板を7mm×60mmの矩形形状に切
削加工し,各切削加工片を各々組み合わせて接着剤によ
り固定し,図4に示すように,中央部から外縁部にかけ
て比誘電率εが一次元的に大きくなるような面内分布を
有する60mm角形状の複合誘電体板を構成した後,そ
の両面に電極を形成して,図1と同様の構成のマイクロ
ストリップアンテナを作製した。
【0051】ここで本実施例においては,BaTiO3
PVDF複合誘電体を例示して面内比誘電率分布を有す
る複合誘電体板を構成したが,もちろん,これに限定さ
れるわけではなく,比誘電率が5より大きな他の無機誘
電体や,有機高誘電体からなる複合誘電体系を用いて構
成してもよいことは言うまでもない。また実施例6及び
7において,図4に示した比誘電率の面内分布は階段状
となっているが,分布の形はこれに限定されるものでは
なく,複合誘電体板の外縁部側の比誘電率が中央部の比
誘電率よりも大きくなっていれば,どのような分布形状
でもよい。なお,実施例1〜7においては,厚さ5mm
の誘電体板及び複合誘電体板を加熱圧縮成形法により作
製したが,もちろん,これに限定されるわけではなく,
厚さが5mm以外であっても,成形法としてキャスト
法,射出成形法等の他の成形法を用いても実現できるこ
とを付記しておく。
【0052】(実施例8) マイクロストリップアンテ
ナの軽量化の実施例について述べる。実施例2において
作製したBaTiO3/POM系及びBaTiO3/PPコポ
リマ系の複合誘電体板と,比重がほぼ零に近い発泡部材
あるいはハニカム部材からなる軽量部材とを各々組み合
わせて軽量誘電体板を構成した後,その上下面に電極を
形成して図5〜図10に示すような各種構成の軽量マイ
クロストリップアンテナを作製した。図5はDR形,図
6はSR形,図7はDC形,図8はSC形,図9はDC
C形,図10はSCC形といわれるものである。図5の
DR形を例示してさらに詳細に説明する。同図(a)は
斜視図,同図(b)は平面図,同図(c)は同図(b)
のB−B線断面図を示しており,20は複合誘電体板,
21は軽量部材,22は放射電極,23はアース電極,
24は給電点,25はマイクロストリップアンテナであ
る。まず,互いに平行な上面及び下面を有する厚さ5m
mで60mm角形状のBaTiO3/POM系及びBaTi
3/PPコポリマ系の複合誘電体板20を切削加工に
より作製し,その中央部を20mm角の矩形形状にくり
抜き,その部分に互いに平行な上面及び下面を有する上
記複合誘電体板と同じ厚さの矩形形状の軽量部材21を
嵌合して接着剤により固定し,軽量複合誘電体板を構成
した。本実施例においては,軽量部材として発泡率30
%の発泡ポリエチレンを用いた。このようにして作製し
たBaTiO3/POM/軽量部材系の軽量複合誘電体板
の比重は約0.7であり,上記BaTiO3/POM系複
合誘電体板の比重2.58の1/4に低下し,かなりの
軽量化が達成された。このことは,図11に示すDR形
の軽量複合誘電体板の比重と,複合誘電体と軽量部材
(発泡ポリエチレン)の体積比(%)との関係からも明
らかである。すなわち,複合誘電体への軽量部材の体積
比が大きくなるほど,マイクロストリップアンテナの軽
量化の促進されることが理解できる。このようなアンテ
ナの軽量化は,BaTiO3/PPコポリマ/軽量部材系
複合誘電体板の場合にも,軽量部材としてプラスチック
ハニカムを用いた場合にも同様のことがいえる。次い
で,上記軽量複合誘電体板の上面に,軽量部材21を覆
うように,無電解銅メッキにより45mm角の厚さ10
〜15μmの金属薄膜からなる矩形形状の電極を形成し
て放射電極22となし,下面全面にも同様の厚さの電極
を形成してアース電極23となし,さらに放射電極22
とアース電極23を貫通するようにスルーホールを形成
して給電点24を設け,軽量マイクロストリップアンテ
ナ25を作製した。また,このようなマイクロストリッ
プアンテナの軽量化は,図5に示したDR形に限らず,
図6〜図10に示した各種構成のマイクロストリップア
ンテナにおいても実現可能である。
【0053】(実施例9) マイクロストリップアンテ
ナの軽量化の第2の実施例について述べる。実施例1に
おいて作製した比重1.75のPVDF誘電体板と軽量
部材(発泡ポリエチレン及びプラスチックハニカム)と
を組み合わせ,実施例8と同様にしてDR形の軽量誘電
体板を作製した。このようにして作製したPVDF/軽
量部材系の軽量誘電体板の比重は,軽量部材として発泡
ポリエチレンを用いた場合1.47であり,上記PVD
F誘電体板と比べ,20%ほどの軽量化が達成された。
このような誘電体の軽量化の効果は,軽量部材としてプ
ラスチックハニカムを用いた場合にも同様にして得られ
る。その後,図5と同様の構成の軽量マイクロストリッ
プアンテナを作製した。
【0054】(実施例10) マイクロストリップアン
テナの軽量化の第3の実施例について述べる。実施例4
において作製した比重3.40のBaTiO3/PVDF
系複合誘電体板と軽量部材(発泡ポリエチレン及びプラ
スチックハニカム)とを組み合わせ,実施例8と同様に
してDR形の軽量複合誘電体板を作製した。このように
して作製したBaTiO3/PVDF/軽量部材系の軽量
複合誘電体板の比重は,軽量部材として発泡ポリエチレ
ンを用いた場合2.75であり,上記BaTiO3/PV
DF系複合誘電体板の比重と比べ,20%ほどの軽量化
が達成された。このような複合誘電体の軽量化の効果
は,軽量部材としてプラスチックハニカムを用いた場合
にも同様にして得られる。その後,図5と同様の構成の
軽量マイクロストリップアンテナを作製した。実施例8
〜10においては,発泡部材として誘電損失tanδの小
さな発泡率30%の発泡ポリエチレンを,ハニカム部材
としてプラスチックハニカムを用いたが,もちろん,こ
のような高分子材料製の軽量部材に限定されるものでは
なく,他の発泡部材や金属製のハニカム部材を用いても
同様に軽量化できることは言うまでもない。
【0055】(実施例11) マイクロストリップアン
テナ付筐体の第1の実施例について述べる。実施例1〜
10において作製したマイクロストリップアンテナを,
図12に示すように,携帯通信機器を収納する筐体の一
部に組み込んで筐体と一体化し,マイクロストリップア
ンテナ付筐体を構成した。図12(a)はアンテナ一体
型筐体の平面図,同図(b)は同図(a)のC矢視図,
同図(c)は同図(a)のD−D線断面図であり,30
はマイクロストリップアンテナ,31は放射電極,32
はアース電極,33は給電点,34は筐体の本体,35
は筐体の蓋部材,36は電磁波シールド層である。詳細
には,厚さ3mmで120×60×25mm3形状の本
体34と,厚さ5mmで60mm角形状の蓋部材35と
からなるポリカーボネート製の筐体を各々加熱圧縮成形
により作製し,本体34の内面全体及び蓋部材35の裏
面に,無電解銅メッキにより厚さ10〜15ミクロンの
金属薄膜による電磁波シールド層36を形成した。さら
に,実施例1〜10において作製した各マイクロストリ
ップアンテナ30を,蓋部材35と組み合わせて本体3
4の上面にはめ込むことにより筐体の一部として一体化
した。また,筐体の側面には,給電線を通すための穴3
7が設けてある。
【0056】このようにして作製した各マイクロストリ
ップアンテナ付筐体の性能(共振周波数,利得,帯域)
を表1〜表4に示す。表1は,実施例1〜7において作
製したマイクロストリップアンテナを筐体と一体化した
場合のアンテナ特性,表2は,実施例8において作製し
た図5〜図10に示す各種アンテナ構成のBaTiO3
PPコポリマ/軽量部材系軽量複合誘電体板を例にと
り,この軽量複合誘電体板を筐体に組み込んで一体化し
た場合のアンテナ特性,表3は,実施例8において作製
したDR形のBaTiO3/PPコポリマ/軽量部材系軽
量複合誘電体板についてのアンテナ特性,表4は,実施
例8〜10において作製した軽量マイクロストリップア
ンテナを筐体と一体化した場合のアンテナ特性である。
表1〜表4から明らかなように,本発明のマイクロスト
リップアンテナ付筐体は,いずれもダイバーシチの受信
専用素子として十分使用できることがわかった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】本実施例においては,マイクロストリップ
アンテナ30を蓋部材35と組み合わせて筐体の一部と
して一体化し,その放射電極31を表面露出型とした構
成をとっているが,放射電極31を保護する観点から,
その表面に保護層をコーティングして保護したり,図1
3〜図17に示すような構成としてもよい。すなわち,
図13(a)はアンテナ一体型筐体の他の構成を例示す
る平面図,同図(b)は同図(a)のE矢視図,同図
(c)及び(d)は異なる構成の同図(a)のF−F線
断面図である。同図(c)は,マイクロストリップアン
テナを蓋部材の内面に密着して設けた構成,同図(d)
は,マイクロストリップアンテナを蓋部材の中に内面か
ら勘合した構成としたものであり,40はマイクロスト
リップアンテナ,41は放射電極,42はアース電極,
43は筐体の本体,44は筐体の蓋部材,45は電磁波
シールド層,46は給電線を通すため筐体の側面に設け
られた穴である。このような構成とすることにより,放
射電極41を保護することができるが,この場合には,
電波が筐体を通して入射するため,筐体材料としてはア
ンテナ特性に影響を与えないような誘電率の低い材料が
適切である。
【0062】図14は,筐体を折り畳み型として構成し
た場合のマイクロストリップアンテナ付筐体の構成を例
示したものであり,50は筐体の本体,51は折り畳み
部材,52は放射電極,53は折り畳み軸で,アンテナ
素子を構成する放射電極52は折り畳み部材51の一部
に設けられている。使用時以外は,折り畳み部材51を
折り畳み軸53を中心として矢印方向に折り畳み,放射
電極52を保護しておく。この場合,マイクロストリッ
プアンテナを筐体の本体50側に構成し,折り畳み部材
51には蓋専用の機能を持たせてもよい。
【0063】図15は,筐体を引き出し型として構成し
た場合のマイクロストリップアンテナ付筐体の構成を例
示したものであり,54は筐体の本体,55は引き出し
部材,56は放射電極で,放射電極56は引き出し部材
55の一部に設けられている。使用時以外は,引き出し
部材55を本体54中に引き込んで放射電極56を保護
しておく。
【0064】図16は,筐体を回転型として構成した場
合のマイクロストリップアンテナ付筐体の構成図を示し
ており,57は筐体の本体,58は回転部材,59は放
射電極,60は回転軸で,放射電極59は,筐体の本体
57の表面あるいは回転部材58の裏面の一部に設けら
れている。使用時以外は,回転部材58を回転軸60を
中心として矢印方向に回転させて本体57の表面を覆
い,放射電極59を保護しておく。
【0065】図17は,筐体をスライド型として構成し
た場合のマイクロストリップアンテナ付筐体の構成を例
示したものであり,61は筐体の本体,62はスライド
部材,63は放射電極で,放射電極63は,筐体の本体
61の表面あるいはスライド部材62の裏面の一部に設
けられている。使用時以外は,スライド部材62を矢印
方向にスライドさせて本体61と一体化させることによ
り,放射電極63を保護しておく。
【0066】図14乃至図17に示すような構成のマイ
クロストリップアンテナ付筐体によれば,折り畳み部材
51,引き出し部材55,回転部材58及びスライド部
材62には,アンテナ機能以外に,表示やボタン等の他
の電話機機能を付加することができるため,マイクロス
トリップアンテナ付筐体のより一層の小型化及び多機能
化を図ることができる。さらに,本実施例においては,
筐体材料として,剛性,耐衝撃性,成形性等の観点から
ポリカーボネートを用いたが,もちろん,これに限定さ
れるものではなく,剛性,耐衝撃性,成形性に優れた前
記他の高分子材料であってもよい。なお,本実施例を含
め,以下の実施例における筐体を表す図には,ボタン機
能,表示機能等の説明は省略したが,本発明の思想に特
に影響を及ぼすものではない。
【0067】(実施例12) マイクロストリップアン
テナ付筐体の第2の実施例について述べる。本実施例に
おいては,携帯通信機器を収納する筐体自体を,本発明
の比誘電率が5より大きな有機高誘電体にて形成し,筐
体の一部をアンテナ素子として構成した場合のマイクロ
ストリップアンテナ付筐体の一例について述べる。まず
有機高誘電体であるPVDF及びCyECを用いて,加
熱圧縮成形法により所定の厚さの平板を作製した。次い
で,図18に示すような形状の筐体を組み立て,その一
部をアンテナ素子となし,マイクロストリップアンテナ
付筐体を作製した。図18(a)は平面図,同図(b)
は同図(a)のG矢視図,同図(c)は同図(a)のH
−H線断面図であり,70は筐体の本体,71は筐体の
蓋部材,72は放射電極,73は電磁波シールド層,7
4は給電点,75は筐体の側面に設けられた給電線を通
すための穴である。筐体は,厚さ3mmで120×60
×25mm3形状の本体70と,厚さ5mmで120×
60mm3形状の蓋部材71とからなっており,本体7
0の内面全体及び蓋部材71の裏面にはアース電極を兼
ねる金属薄膜による厚さ10〜15μmの電磁波シール
ド層73が,蓋部材71の上面の一部には,無電解銅メ
ッキにより,60mm径,厚さ10〜15μmの金属薄
膜からなる放射電極72が形成されてアンテナ素子を構
成している。また,該アンテナ素子の上下面を貫通する
ようにスルーホールを形成し,給電点74を設け,さら
に筐体の側面には,給電線を通すための穴75が設けら
れている。このようにして作製したマイクロストリップ
アンテナ付筐体の性能を表5に示す。同表から明らかな
ように,いずれの場合もダイバーシチの受信専用素子と
して十分使用できることが明らかとなった。
【0068】(実施例13) マイクロストリップアン
テナ付筐体の第3の実施例について述べる。実施例13
及び14においては,携帯通信機器を収納する筐体自体
を本発明の複合誘電体板にて形成し,筐体の一部をアン
テナ素子として構成した場合のマイクロストリップアン
テナ付筐体の一例について述べる。BaTiO3無機強誘
電体の粉末材料を,1000℃で乾燥・冷却後,高分子
マトリックスとしての有機低誘電体であるPOMに80
重量%,PPOに85重量%の割合で,さらに,TiO2
無機誘電体の粉末材料を,同様に1000℃で乾燥・冷
却後,POMに65重量%,PPOに70重量%の割合
で各々溶融混練により複合化した。次いで,加熱圧縮成
形法により,互いに平行な上面及び下面を有する平板型
の複合誘電体板を作製した。さらに,このようにして作
製した複合誘電体板を用いて,図18と同様な形状の筐
体を組み立て,その一部をアンテナ素子となし,マイク
ロストリップアンテナ付筐体を作製した。このようにし
て作製したマイクロストリップアンテナ付筐体の性能を
表5に示すが,実施例12と同様,いずれのマイクロス
トリップアンテナ付筐体もダイバーシチの受信専用素子
として十分使用できることが明らかとなった。
【0069】(実施例14) マイクロストリップアン
テナ付筐体の第4の実施例について述べる。BaTiO3
無機誘電体粉末材料を1000℃で乾燥・冷却後,高分
子マトリックスとしての有機高誘電体であるPVDFに
70重量%,CyECに80重量%の割合で,さらにTi
2無機誘電体の粉末材料1000℃で乾燥・冷却後,
PVDFに60重量%,CyECに70重量%の割合で
各々溶融混練により複合化した。次いで,加熱圧縮成形
法により,互いに平行な上面及び下面を有する平板型の
複合誘電体板を作製した。さらに,このようにして作製
した複合誘電体板を用いて,図18と同様な形状の筐体
を組み立て,その一部をアンテナ素子となし,マイクロ
ストリップアンテナ付筐体を作製した。このようにして
作製したマイクロストリップアンテナ付筐体の性能を表
5に示す。同表から明らかなように,実施例12及び1
3と同様,いずれの場合もダイバーシチの受信専用素子
として十分使用できることが明らかとなった。
【0070】
【表5】
【0071】以上示したように,実施例11乃至14に
示した構成のマイクロストリップアンテナ付筐体によれ
ば,筐体の外部に突出する部分がほとんどないことはも
とより,筐体内部における占有スペースも少なくて済
み,また,アンテナ素子が筐体の外面にあるため損失が
なく,さらにまた,筐体の内面にはアース層があるた
め,他の部品とのシールドを施す必要がなく,従って,
小型軽量で性能の良いアンテナを実現することができ
る。さらに,実施例12乃至14に示した構成のマイク
ロストリップアンテナ付筐体によれば,筐体の比誘電率
を,有機誘電体の種類及び複合誘電体中における無機誘
電体の配合比を変えることにより任意に制御することが
できるため,筐体の薄肉軽量化,アンテナの小面積化及
びアンテナ特性の向上を図ることが可能となる。
【0072】なお,実施例11乃至14においては,筐
体となる平板を加熱圧縮成形法により作製し,その後,
筐体形状に組み立てる場合を例示したが,キャスト成形
法や射出成形法により筐体用の平板を作製し,筐体形状
に組み立ててもよく,また,射出成形法により筐体を一
体成形してもよく,特に成形法について限定するもので
はない。また,筐体の厚さとしても特に限定するもので
はない。また,実施例11〜14において示したマイク
ロストリップアンテナ付筐体の効果は,筐体の形状に影
響されるものではなく,筐体が他の態様の形態であって
もよい。さらにマイクロストリップアンテナを筐体と一
体化する位置は,筐体のどの部分であてもよい。さら
に,本発明においては,アンテナ素子を構成する放射電
極の形状として矩形と円形の場合について例示したが,
放射電極の形状は特に限定されるものではなく,クラン
ク形等であってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく,本発明の比
誘電率が5以上の有機高誘電体を用いて作製した誘電体
板を用いたマイクロストリップアンテナ,比誘電率が5
以上の無機誘電体と高分子材料とを複合成形して得られ
た複合誘電体板をマイクロストリップアンテナは,アン
テナ基板の比誘電率の制御が容易で,成形加工性及び穴
開けや切削等の基板成形後の加工性,メッキの付着性に
も優れている。このため,本発明においては,生産性・
加工性及び経済性に優れたマイクロストリップアンテナ
を提供することが可能となる。
【0074】また,本発明の誘電体板及び複合誘電体板
と,発泡部材あるいはハニカム部材からなる軽量部材と
を組み合わせて構成した軽量誘電体板及び軽量複合誘電
体板を用いてマイクロストリップアンテナを構成するこ
とにより,アンテナのより一層の軽量化を達成すること
が可能となり,特に通信衛星や携帯通信機器等のアンテ
ナ部品として用いる場合には著しい利点となる。
【0075】さらに,マイクロストリップアンテナを,
携帯通信機器を収納する筐体の一部として一体に構成す
ることにより,従来のアンテナ部分の重量,容積等が不
要となり,さらにアンテナ素子の小面積化及び筐体の軽
量小型化を一段と推進することができる。
【0076】本発明の有機高誘電体及び複合誘電体を携
帯通信機器を収納するための筐体構成材料として用いる
ことにより,筐体の比誘電率を,有機高誘電体の種類及
び高分子材料中への無機誘電体の配合比を変えることに
より任意に制御することができ,筐体の薄肉軽量化,ア
ンテナの小面積化及びアンテナ特性の向上を図ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロストリップアンテナの実施例
斜視図。
【図2】誘電特性を測定するための試料の斜視図。
【図3】本発明での複合誘電体板の誘電率の設定に関す
るグラフ。
【図4】本発明での面内誘電率分布を有するアンテナ基
板を例示する構成図。
【図5】軽量部材と組み合わせた場合の実施例図で,
(a)は斜視図,(b)は平面図,(c)は断面図。
【図6】本発明での軽量化されたマイクロストリップア
ンテナのSR形の構成を示す平面図。
【図7】本発明での軽量化されたマイクロストリップア
ンテナのDC形の構成を示す平面図。
【図8】本発明での軽量化されたマイクロストリップア
ンテナのSC形の構成を示す平面図。
【図9】本発明での軽量化されたマイクロストリップア
ンテナのDCC形の構成を示す平面図。
【図10】本発明での軽量化されたマイクロストリップ
アンテナのSCC形の構成を示す平面図。
【図11】本発明での軽量複合誘電体板の比重を示すグ
ラフ。
【図12】実施例1〜10のマイクロストリップアンテ
ナを携帯通信機器の筐体の一部に一体的に組み込んだ例
を示す,(a)は平面図,(b)はそのC矢視図,
(c)は(a)図のD−D線断面図。
【図13】アンテナ一体型筐体の他の実施例を示す図
で,(a)は平面図,(b)はそのE矢視図,(c),
(d)は異なる構成での(a)図のF−F線断面図。
【図14】筐体を折り畳み型としたアンテナ付筐体の実
施例斜視図。
【図15】筐体を引き出し型としたアンテナ付筐体の実
施例斜視図。
【図16】筐体を回転型としたアンテナ付筐体の実施例
斜視図。
【図17】筐体をスライド型としたアンテナ付筐体の実
施例斜視図。
【図18】筐体自体を有機高誘電体あるいは複合誘電体
で構成した実施例図で(a)は平面図,(b)はそのG
矢視図,(c)は(a)図のH−H線断面図。
【図19】従来例の斜視図。
【図20】他の従来例を示す(a)は平面図,(b)は
そのA−A線断面図。
【符号の説明】
11,15…誘電体板 16,22,31,41,52,56,59,63,7
2…放射電極 17,23,32,42…アース電極 18,24,33,74…給電点 19,25,30,40…マイクロストリップアンテナ 20…複合誘電体板 21…軽量部材 35,44,71…筐体の蓋部材 36,45,73…電磁波シールド層 37,46,75…給電線を通すための穴 50,54,57,61…筐体の本体 51…折り畳み部材 53…折り畳み軸 55…引き出し部材 58…回転部材 60…回転軸 62…スライド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹島 幹夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比誘電率が5より大きな一種または複数種
    の高分子材料により,互いに平行な上面と下面を有する
    平板型に形成された誘電体板と, 該誘電体板の上面に形成された所定形状の放射電極と,
    下面に形成されたアース電極とから構成されたことを特
    徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の誘電体板を,該誘電体板の
    外縁部における比誘電率の方が中央部の比誘電率よりも
    大きくなるように,面内比誘電率分布を持たせて構成し
    たことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のいずれかに記載
    の誘電体板と,これと同じ板厚で互いに平行な上面と下
    面を有する平板型の,比重が前記誘電体板のそれより小
    さい軽量部材とを組み合わせて形成された軽量誘電体板
    と, 該軽量誘電体板の上面に形成された所定形状の放射電極
    と,下面に形成されたアース電極とを備えたことを特徴
    とするマイクロストリップアンテナ。
  4. 【請求項4】比誘電率が5より大きな無機誘電体の一種
    または複数種と,高分子材料との複合による設定の比誘
    電率を有する複合材料により,互いに平行な上面と下面
    を有する平板型に形成された複合誘電体板と, 該複合誘電体板の上面に形成された所定形状の放射電極
    と,下面に形成されたアース電極とから構成されたこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  5. 【請求項5】請求項4記載の無機誘電体が,ABO3
    酸化物強誘電体(Aは1価または2価または3価の金
    属,Bはそれぞれに対応する3価または4価または5価
    の金属)であることを特徴とするマイクロストリップア
    ンテナ。
  6. 【請求項6】請求項4記載の無機誘電体が,TiO2であ
    ることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  7. 【請求項7】請求項4記載の高分子材料が,5より大き
    な比誘電率を有する高分子材料の一種または複数種であ
    ることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  8. 【請求項8】請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の
    複合誘電体板を,該複合誘電体板の外縁部における比誘
    電率の方が中央部の比誘電率よりも大きくなるように,
    面内比誘電率分布を持たせて構成したことを特徴とする
    マイクロストリップアンテナ。
  9. 【請求項9】請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の
    複合誘電体板と,これと同じ板厚で互いに平行な上面と
    下面を有する平板型の比重が前記複合誘電体板のそれよ
    り小さい軽量部材とを組み合わせて形成された軽量複合
    誘電体板と, 該軽量複合誘電体板の上面に形成された所定形状の放射
    電極と,下面に形成されたアース電極とを備えたことを
    特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9のいずれかに記載
    のマイクロストリップアンテナを,携帯通信機器を収納
    する筐体の一部として一体的に組み込んだことを特徴と
    するマイクロストリップアンテナ付筐体。
  11. 【請求項11】携帯通信機器を収納する筐体を,比誘電
    率が5より大きな一種または複数種の高分子材料から構
    成し,該筐体の一部外表面に所定形状の放射電極を,内
    表面にアース電極を形成したことを特徴とするマイクロ
    ストリップアンテナ付筐体。
  12. 【請求項12】携帯通信機器を収納する筐体を,比誘電
    率が5より大きな無機誘電体の一種または複数種と,高
    分子材料との複合による設定の比誘電率を有する複合材
    料から構成し,該筐体の一部外表面に所定形状の放射電
    極を,内表面にアース電極を形成したことを特徴とする
    マイクロストリップアンテナ付筐体。
  13. 【請求項13】請求項12記載の無機誘電体が,ABO
    3型酸化物強誘電体(Aは1価または2価または3価の
    金属,Bはそれぞれに対応する3価または4価または5
    価の金属)の一種または複数種であることを特徴とする
    マイクロストリップアンテナ付筐体。
  14. 【請求項14】請求項12記載の無機誘電体が,TiO2
    であることを特徴とするマイクロストリップアンテナ付
    筐体。
  15. 【請求項15】請求項12記載の高分子材料が,5より
    大きな比誘電率を有する高分子材料の一種または複数種
    であることを特徴とするマイクロストリップアンテナ付
    筐体。
JP3120312A 1990-06-04 1991-05-24 マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体 Pending JPH0514044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3120312A JPH0514044A (ja) 1990-06-04 1991-05-24 マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14456990 1990-06-04
JP2-144569 1990-06-04
JP28710090 1990-10-26
JP2-287100 1990-10-26
JP3-99087 1991-04-30
JP9908791 1991-04-30
JP3120312A JPH0514044A (ja) 1990-06-04 1991-05-24 マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0514044A true JPH0514044A (ja) 1993-01-22

Family

ID=27468702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3120312A Pending JPH0514044A (ja) 1990-06-04 1991-05-24 マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0514044A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0543645U (ja) * 1991-11-08 1993-06-11 松下電器産業株式会社 コードレス留守番電話機
JPH06350323A (ja) * 1993-06-08 1994-12-22 Furukawa Electric Co Ltd:The アンテナモジュール
JPH0746024A (ja) * 1993-04-01 1995-02-14 Hughes Aircraft Co 強誘電体材料の誘電率を減じる方法
JPH0750508A (ja) * 1993-08-06 1995-02-21 Fujitsu Ltd アンテナモジュール
JPH11122032A (ja) * 1997-10-11 1999-04-30 Yokowo Co Ltd マイクロストリップアンテナ
JP2002151926A (ja) * 2000-10-02 2002-05-24 Emtac Technology Corp アンテナ
JP2002271119A (ja) * 2001-03-06 2002-09-20 Ngk Insulators Ltd アンテナ
JP2006311372A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Hitachi Ltd 無線icタグ
JP2007324641A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Fujicopian Co Ltd 非接触通信媒体のアンテナの端子部の形成方法および感熱型保護層剥離シート、金属蒸着層転写シート
JP2008512948A (ja) * 2004-09-10 2008-04-24 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 隠蔽式平板状アンテナ
US7589673B2 (en) 2004-04-13 2009-09-15 Sharp Kabushiki Kaisha Antenna and mobile wireless equipment using the same
JP2011181013A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Toshiba Tec Corp リーダライタ
US9490547B2 (en) 2011-07-19 2016-11-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrical steering lens antenna
WO2022163419A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社ヨコオ アンテナ装置
WO2023054114A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 リンテック株式会社 高周波誘電加熱用接着剤

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0543645U (ja) * 1991-11-08 1993-06-11 松下電器産業株式会社 コードレス留守番電話機
JPH0746024A (ja) * 1993-04-01 1995-02-14 Hughes Aircraft Co 強誘電体材料の誘電率を減じる方法
JPH06350323A (ja) * 1993-06-08 1994-12-22 Furukawa Electric Co Ltd:The アンテナモジュール
JPH0750508A (ja) * 1993-08-06 1995-02-21 Fujitsu Ltd アンテナモジュール
JPH11122032A (ja) * 1997-10-11 1999-04-30 Yokowo Co Ltd マイクロストリップアンテナ
JP2002151926A (ja) * 2000-10-02 2002-05-24 Emtac Technology Corp アンテナ
JP2002271119A (ja) * 2001-03-06 2002-09-20 Ngk Insulators Ltd アンテナ
US7589673B2 (en) 2004-04-13 2009-09-15 Sharp Kabushiki Kaisha Antenna and mobile wireless equipment using the same
JP2008512948A (ja) * 2004-09-10 2008-04-24 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 隠蔽式平板状アンテナ
JP2006311372A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Hitachi Ltd 無線icタグ
JP2007324641A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Fujicopian Co Ltd 非接触通信媒体のアンテナの端子部の形成方法および感熱型保護層剥離シート、金属蒸着層転写シート
JP4649598B2 (ja) * 2006-05-30 2011-03-09 フジコピアン株式会社 非接触通信媒体のアンテナの端子部の形成方法および感熱型保護層剥離シート、金属蒸着層転写シート
JP2011181013A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Toshiba Tec Corp リーダライタ
US9490547B2 (en) 2011-07-19 2016-11-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrical steering lens antenna
WO2022163419A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社ヨコオ アンテナ装置
WO2023054114A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 リンテック株式会社 高周波誘電加熱用接着剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0514044A (ja) マイクロストリツプアンテナ及びマイクロストリツプアンテナ付筐体
US7619568B2 (en) Patch antenna including septa for bandwidth control
US9455064B2 (en) Ceramic filled fluoropolymer compositions, methods and applications thereof
JP3535423B2 (ja) レドーム
US20030107025A1 (en) Radio-wave absorber
US11411296B2 (en) Flexible radio frequency assemblies, components thereof and related methods
WO2000079648A1 (en) Tunable dual-band ferroelectric antenna
WO1990007801A1 (en) Temperature compensated stripline structure
JP2005005797A (ja) レドーム
EP3449530B1 (en) Antenna device and electronic device including the same
US20130234912A1 (en) Antenna apparatus
JPWO2010061842A1 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法、高周波用誘電体磁器並びにその製造方法およびそれを用いた高周波回路素子
WO2005062417A1 (ja) アンテナ装置、無線装置および電子機器
US20120194392A1 (en) Antenna and information terminal apparatus
KR101567260B1 (ko) 다층구조의 메타물질 흡수체
WO2011018551A1 (en) Electronic device
TW201740613A (zh) 低輪廓全向型天線
US7009572B1 (en) Tapered slot antenna
KR102110752B1 (ko) Pcb 안테나
JPH11204984A (ja) 周波数選択性電磁波シールド材
Holland Low-profile, modular, ultra-wideband phased arrays
WO2012081956A1 (en) 2.5 ghz dielectric resonator antenna (dra) for wireless communications
JP2004096259A (ja) 多周波マイクロストリップアンテナ
JP5257707B2 (ja) 誘電体アンテナ及び無線通信装置
WO2017157216A1 (zh) 双极化天线