JPH05140365A - 成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料 - Google Patents
成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料Info
- Publication number
- JPH05140365A JPH05140365A JP30919091A JP30919091A JPH05140365A JP H05140365 A JPH05140365 A JP H05140365A JP 30919091 A JP30919091 A JP 30919091A JP 30919091 A JP30919091 A JP 30919091A JP H05140365 A JPH05140365 A JP H05140365A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding material
- nylon
- matrix resin
- alkaline earth
- formaldehyde resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 難燃性、耐熱性及び電気特性に優れていると
共に、可撓性と靱性に優れている成形品を得ることがで
きる成形材料用マトリックス樹脂及びそれを含む成形材
料を提供する。 【構成】 ナイロンがアルカリ土類チオシアン酸塩の共
存下、メラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーと溶
融混練されてなる成形材料用マトリックス樹脂及びこの
成形材料用マトリックス樹脂を含む成形材料である。
共に、可撓性と靱性に優れている成形品を得ることがで
きる成形材料用マトリックス樹脂及びそれを含む成形材
料を提供する。 【構成】 ナイロンがアルカリ土類チオシアン酸塩の共
存下、メラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーと溶
融混練されてなる成形材料用マトリックス樹脂及びこの
成形材料用マトリックス樹脂を含む成形材料である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気部品や機械部品等
を製造するための成形材料用マトリックス樹脂及び該マ
トリックス樹脂を含む成形材料に関する。
を製造するための成形材料用マトリックス樹脂及び該マ
トリックス樹脂を含む成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気部品や機械部品等の成形品を
製造するための成形材料用マトリックス樹脂としてはメ
ラミンホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド
樹脂等に代表される熱硬化性アミノ樹脂が用いられてい
る。これらの熱硬化性アミノ樹脂を用いて得られる成形
品は難燃性、耐熱性及び耐アーク性、耐トラッキング性
等の電気特性等が優れているという特長を有している
が、耐衝撃度、耐インサートクラック性、スナップイン
性等の可撓性や靱性に乏しい欠点がある。そのため、近
年、一部の成形品分野では、成形材料用マトリックス樹
脂として熱硬化性アミノ樹脂に代えて可撓性や靱性に優
れているナイロンやポリブチレンテレフタレート(PB
T)等の熱可塑性樹脂が用いられるようになってきた。
製造するための成形材料用マトリックス樹脂としてはメ
ラミンホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド
樹脂等に代表される熱硬化性アミノ樹脂が用いられてい
る。これらの熱硬化性アミノ樹脂を用いて得られる成形
品は難燃性、耐熱性及び耐アーク性、耐トラッキング性
等の電気特性等が優れているという特長を有している
が、耐衝撃度、耐インサートクラック性、スナップイン
性等の可撓性や靱性に乏しい欠点がある。そのため、近
年、一部の成形品分野では、成形材料用マトリックス樹
脂として熱硬化性アミノ樹脂に代えて可撓性や靱性に優
れているナイロンやポリブチレンテレフタレート(PB
T)等の熱可塑性樹脂が用いられるようになってきた。
【0003】また、一方では前記の熱硬化性アミノ樹脂
自身の可撓性や靱性を改善する試みが様々な角度から行
われている。例えば、ゴム粒子を添加したり、フェノー
ルで変成したりする試みや、グリシジル化合物で変成す
る試み(特開昭63−305117号公報参照)等が行
われている。
自身の可撓性や靱性を改善する試みが様々な角度から行
われている。例えば、ゴム粒子を添加したり、フェノー
ルで変成したりする試みや、グリシジル化合物で変成す
る試み(特開昭63−305117号公報参照)等が行
われている。
【0004】ところが、前述した熱可塑性樹脂を用いて
得られる成形品は難燃性、耐熱性及び電気特性に劣ると
いう問題があり、また、前述した熱硬化性アミノ樹脂自
身の可撓性や靱性を改善する試みにおいては、十分な改
善効果が得られていないのが現状である。
得られる成形品は難燃性、耐熱性及び電気特性に劣ると
いう問題があり、また、前述した熱硬化性アミノ樹脂自
身の可撓性や靱性を改善する試みにおいては、十分な改
善効果が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明は難燃性、耐熱性及び電気特性に優れていると共
に、可撓性と靱性に優れている成形品を得ることができ
る成形材料用マトリックス樹脂及びそれを含む成形材料
を提供することを課題とする。
発明は難燃性、耐熱性及び電気特性に優れていると共
に、可撓性と靱性に優れている成形品を得ることができ
る成形材料用マトリックス樹脂及びそれを含む成形材料
を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はナイロンがアル
カリ土類チオシアン酸塩の共存下、メラミンホルムアル
デヒド樹脂プレポリマーと溶融混練されてなる成形材料
用マトリックス樹脂及びこの成形材料用マトリックス樹
脂を含む成形材料である。
カリ土類チオシアン酸塩の共存下、メラミンホルムアル
デヒド樹脂プレポリマーと溶融混練されてなる成形材料
用マトリックス樹脂及びこの成形材料用マトリックス樹
脂を含む成形材料である。
【0007】本発明で用いられるメラミンホルムアルデ
ヒド樹脂プレポリマーは固形状のものであってもシラッ
プ状のものであってもよい。
ヒド樹脂プレポリマーは固形状のものであってもシラッ
プ状のものであってもよい。
【0008】本発明のメラミンホルムアルデヒド樹脂プ
レポリマーを有効に利用するためには、このプレポリマ
ーとナイロンを溶融混練する際に、プレポリマーがゲル
化(硬化)しないことが好ましい。従って、本発明で用
いるナイロンとしては、その融点又は軟化点が前記のメ
ラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーがゲル化しな
い程度の低い温度域にあることが好ましく、具体的に
は、融点又は軟化点が200℃以下であることが好まし
く、150℃以下であることがより好ましい。なお、前
記の融点はナイロンが結晶性である場合の溶融開始温度
を示し、前記の軟化点はナイロンが非晶性である場合の
溶融開始温度を示している。本発明で用いるナイロンの
具体例としては、特に限定はされないが、例えば3元共
重合ナイロン(6,66,610)、4元共重合ナイロ
ン(6,66,610,12)、タイプ8ナイロン(メ
トキシメチル化ナイロン;メトキシメチル化率20%以
上のもの)等が挙げられる。また、ナイロンは1種のみ
を用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよ
い。
レポリマーを有効に利用するためには、このプレポリマ
ーとナイロンを溶融混練する際に、プレポリマーがゲル
化(硬化)しないことが好ましい。従って、本発明で用
いるナイロンとしては、その融点又は軟化点が前記のメ
ラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーがゲル化しな
い程度の低い温度域にあることが好ましく、具体的に
は、融点又は軟化点が200℃以下であることが好まし
く、150℃以下であることがより好ましい。なお、前
記の融点はナイロンが結晶性である場合の溶融開始温度
を示し、前記の軟化点はナイロンが非晶性である場合の
溶融開始温度を示している。本発明で用いるナイロンの
具体例としては、特に限定はされないが、例えば3元共
重合ナイロン(6,66,610)、4元共重合ナイロ
ン(6,66,610,12)、タイプ8ナイロン(メ
トキシメチル化ナイロン;メトキシメチル化率20%以
上のもの)等が挙げられる。また、ナイロンは1種のみ
を用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよ
い。
【0009】本発明におけるナイロンの配合比率として
は、特に限定はされないが、ナイロンとメラミンホルム
アルデヒド樹脂プレポリマーの合計量に対して20〜5
0重量%の配合比率とすることが好ましい。その理由
は、ナイロンの配合比率が20重量%未満の場合は、得
られる成形品の可撓性及び靱性が不十分になり、また、
前記配合比率が50重量%を越える場合は得られる成形
品の難燃性、耐熱性及び電気特性が不十分になるからで
ある。
は、特に限定はされないが、ナイロンとメラミンホルム
アルデヒド樹脂プレポリマーの合計量に対して20〜5
0重量%の配合比率とすることが好ましい。その理由
は、ナイロンの配合比率が20重量%未満の場合は、得
られる成形品の可撓性及び靱性が不十分になり、また、
前記配合比率が50重量%を越える場合は得られる成形
品の難燃性、耐熱性及び電気特性が不十分になるからで
ある。
【0010】本発明で用いられるアルカリ土類チオシア
ン酸塩は一般式がM(SCN)2 で表される化合物、ま
たは、前記化合物の水和物である。(但しMはMg,C
a,Sr,Ba等のアルカリ土類元素を示す。)そし
て、本発明の成形材料用マトリックス樹脂では、このア
ルカリ土類チオシアン酸塩が添加されていることに特徴
があり、このアルカリ土類チオシアン酸塩の添加は成形
品の可撓性及び靱性を向上させる効果がある。そして、
特に限定するものではないが、アルカリ土類チオシアン
酸塩の中でチオシアン酸カルシウム(水和物を含む)を
用いることが可撓性及び靱性を向上させるのに特に有効
である。
ン酸塩は一般式がM(SCN)2 で表される化合物、ま
たは、前記化合物の水和物である。(但しMはMg,C
a,Sr,Ba等のアルカリ土類元素を示す。)そし
て、本発明の成形材料用マトリックス樹脂では、このア
ルカリ土類チオシアン酸塩が添加されていることに特徴
があり、このアルカリ土類チオシアン酸塩の添加は成形
品の可撓性及び靱性を向上させる効果がある。そして、
特に限定するものではないが、アルカリ土類チオシアン
酸塩の中でチオシアン酸カルシウム(水和物を含む)を
用いることが可撓性及び靱性を向上させるのに特に有効
である。
【0011】そして、前記のアルカリ土類チオシアン酸
塩の添加量としては、特に限定はされないが、ナイロン
量に対して0.1〜10重量%であることが好ましい。
その理由は、アルカリ土類チオシアン酸塩の添加量が
0.1重量%未満の場合は、得られる成形品の可撓性及
び靱性の向上効果が顕著なものとならず、また、アルカ
リ土類チオシアン酸塩の添加量が10重量%を越えて添
加すると得られる成形品の電気特性が不十分になるから
である。
塩の添加量としては、特に限定はされないが、ナイロン
量に対して0.1〜10重量%であることが好ましい。
その理由は、アルカリ土類チオシアン酸塩の添加量が
0.1重量%未満の場合は、得られる成形品の可撓性及
び靱性の向上効果が顕著なものとならず、また、アルカ
リ土類チオシアン酸塩の添加量が10重量%を越えて添
加すると得られる成形品の電気特性が不十分になるから
である。
【0012】本発明に係る成形材料用マトリックス樹脂
を作製するためのナイロンとメラミンホルムアルデヒド
樹脂プレポリマーを溶融混練する方法としては、特に限
定はされないが、例えば、ロール装置、ニーダー装置等
を用いて行えばよい。また、溶融混練の温度については
ナイロンが溶融し、且つ、メラミンホルムアルデヒド樹
脂プレポリマーがゲル化しない温度であればよく、特に
限定はされない。
を作製するためのナイロンとメラミンホルムアルデヒド
樹脂プレポリマーを溶融混練する方法としては、特に限
定はされないが、例えば、ロール装置、ニーダー装置等
を用いて行えばよい。また、溶融混練の温度については
ナイロンが溶融し、且つ、メラミンホルムアルデヒド樹
脂プレポリマーがゲル化しない温度であればよく、特に
限定はされない。
【0013】本発明に係る成形材料は、以上に述べたマ
トリックス樹脂を含むものであることが重要である。こ
の成形材料は前記のマトリックス樹脂に加えて、従来の
成形材料に含まれているようなガラス繊維、パルプ等の
充填材を含んでいてもよく、必要に応じ、ステアリン酸
亜鉛等の離型剤や顔料等をさらに含んでいてもよい。ま
た、充填材としてガラス繊維を含む場合は、アミノシラ
ン系等のカップリング剤を含んでいてもよい。また、本
発明に係る成形材料を用いて成形する時の成形方法とし
ては、特に限定はなく、例えば直圧成形、トランスファ
ー成形等の方法で行えばよい。
トリックス樹脂を含むものであることが重要である。こ
の成形材料は前記のマトリックス樹脂に加えて、従来の
成形材料に含まれているようなガラス繊維、パルプ等の
充填材を含んでいてもよく、必要に応じ、ステアリン酸
亜鉛等の離型剤や顔料等をさらに含んでいてもよい。ま
た、充填材としてガラス繊維を含む場合は、アミノシラ
ン系等のカップリング剤を含んでいてもよい。また、本
発明に係る成形材料を用いて成形する時の成形方法とし
ては、特に限定はなく、例えば直圧成形、トランスファ
ー成形等の方法で行えばよい。
【0014】
【作用】メラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに
対し、ナイロンを溶融混練してなるマトリックス樹脂を
用いている成形品は、メラミンホルムアルデヒド樹脂プ
レポリマー単独のマトリックス樹脂を用いている成形品
よりもナイロンの効果により可撓性と靱性が向上する。
そして、アルカリ土類チオシアン酸塩の共存下でメラミ
ンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに対し、ナイロン
を溶融混練するようにすると、得られる成形品の可撓性
と靱性がさらに向上する。しかも、こうして得られる成
形品はメラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに由
来する優れた難燃性、耐熱性及び電気特性を兼ね備えて
いる。
対し、ナイロンを溶融混練してなるマトリックス樹脂を
用いている成形品は、メラミンホルムアルデヒド樹脂プ
レポリマー単独のマトリックス樹脂を用いている成形品
よりもナイロンの効果により可撓性と靱性が向上する。
そして、アルカリ土類チオシアン酸塩の共存下でメラミ
ンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに対し、ナイロン
を溶融混練するようにすると、得られる成形品の可撓性
と靱性がさらに向上する。しかも、こうして得られる成
形品はメラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに由
来する優れた難燃性、耐熱性及び電気特性を兼ね備えて
いる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。勿
論、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。 (実施例1、2、4、5及び比較例1、3、4)表1に
示す種類及び量のメラミンホルムアルデヒド樹脂プレポ
リマー、ナイロン、アルカリ土類チオシアン酸塩、充填
材、アミノシラン系カップリング剤、離型剤及び酸触媒
を粉体ミキサーに入れ、10分間プレミキシングを行っ
て、配合物を得た。
論、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。 (実施例1、2、4、5及び比較例1、3、4)表1に
示す種類及び量のメラミンホルムアルデヒド樹脂プレポ
リマー、ナイロン、アルカリ土類チオシアン酸塩、充填
材、アミノシラン系カップリング剤、離型剤及び酸触媒
を粉体ミキサーに入れ、10分間プレミキシングを行っ
て、配合物を得た。
【0016】得られた配合物を2軸ロール(30cm
φ)により、110℃で10分間溶融混練した後、得ら
れたシート状の混練物を粉砕して成形材料を得た。得ら
れた成形材料を直圧37tプレス成型機により金型温度
160℃、圧力60kg/cm 3 、成形時間4分の条件
で成形品(テストピース)を得た。
φ)により、110℃で10分間溶融混練した後、得ら
れたシート状の混練物を粉砕して成形材料を得た。得ら
れた成形材料を直圧37tプレス成型機により金型温度
160℃、圧力60kg/cm 3 、成形時間4分の条件
で成形品(テストピース)を得た。
【0017】以上の実施例1、2、4、5及び比較例
1、3、4で得られた成形品(テストピース)につい
て、可撓性及び靱性(引張伸び率、曲げ弾性率、曲げ強
度、シャルピー衝撃値)、電気特性(耐アーク性、耐ト
ラッキング性)、難燃性、ハンダ耐熱性について評価試
験を行った。その結果を表2に示す。 (実施例3)メタノール750g、メラミン180g、
3元共重合ナイロン(6、66、610)(実施例1で
使用したものと同じ種類)150g、ホルマリン(37
%溶液)200g、チオシアン酸カルシウム〔Ca(S
CN)2 ・4H2 O〕1.0g、蒸留水150gよりな
る混合物を水酸化カルシウム溶液でpH9に調整した
後、100℃で3時間オートクレーブ中で反応させた
後、冷却し、これに充填材としてガラス短繊維(L=1
mm,D=10μm)120gを加え真空ニーダーに投
入し、60mmHgに減圧し、200℃の蒸気で加熱す
ることによって溶媒を留去した。得られた固形物にアミ
ノシラン系カップリング剤0.7g、離型剤としてステ
アリン酸亜鉛4g、酸触媒としてクエン酸1.2gを加
え、粉体ミキサーに入れ10分間プレミキシングを行っ
て、配合物を得た。得られた配合物を用いて、前記の実
施例1と同様の方法により、成形品(テストピース)を
得た。得られた成形品(テストピース)について、前記
の実施例1と同様の評価試験を行った。その結果を表2
に示す。なお、この実施例3の配合内容についてもメラ
ミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーを除いて表1に
示す。 (比較例2)成形材料としてガラス短繊維(L=1m
m,D=10μm)を30重量%含有し、ポリブチレン
テレフタレート樹脂をマトリックス樹脂とする成形材料
を用いスクリューインライン型射出成型機によりシリン
ダー温度240℃、金型温度65℃、射出圧力1000
kg/cm2 、成形時間30秒の条件で成形品(テスト
ピース)を得た。
1、3、4で得られた成形品(テストピース)につい
て、可撓性及び靱性(引張伸び率、曲げ弾性率、曲げ強
度、シャルピー衝撃値)、電気特性(耐アーク性、耐ト
ラッキング性)、難燃性、ハンダ耐熱性について評価試
験を行った。その結果を表2に示す。 (実施例3)メタノール750g、メラミン180g、
3元共重合ナイロン(6、66、610)(実施例1で
使用したものと同じ種類)150g、ホルマリン(37
%溶液)200g、チオシアン酸カルシウム〔Ca(S
CN)2 ・4H2 O〕1.0g、蒸留水150gよりな
る混合物を水酸化カルシウム溶液でpH9に調整した
後、100℃で3時間オートクレーブ中で反応させた
後、冷却し、これに充填材としてガラス短繊維(L=1
mm,D=10μm)120gを加え真空ニーダーに投
入し、60mmHgに減圧し、200℃の蒸気で加熱す
ることによって溶媒を留去した。得られた固形物にアミ
ノシラン系カップリング剤0.7g、離型剤としてステ
アリン酸亜鉛4g、酸触媒としてクエン酸1.2gを加
え、粉体ミキサーに入れ10分間プレミキシングを行っ
て、配合物を得た。得られた配合物を用いて、前記の実
施例1と同様の方法により、成形品(テストピース)を
得た。得られた成形品(テストピース)について、前記
の実施例1と同様の評価試験を行った。その結果を表2
に示す。なお、この実施例3の配合内容についてもメラ
ミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーを除いて表1に
示す。 (比較例2)成形材料としてガラス短繊維(L=1m
m,D=10μm)を30重量%含有し、ポリブチレン
テレフタレート樹脂をマトリックス樹脂とする成形材料
を用いスクリューインライン型射出成型機によりシリン
ダー温度240℃、金型温度65℃、射出圧力1000
kg/cm2 、成形時間30秒の条件で成形品(テスト
ピース)を得た。
【0018】上記のようにして得られた成形品(テスト
ピース)について、前記の実施例1と同様の評価試験を
行った。その結果を表2に示す。
ピース)について、前記の実施例1と同様の評価試験を
行った。その結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】なお、前記表1中、※1〜※9の注釈は以
下の通りである。 ※1:固形メラミン樹脂(品番CP9012;松下電工
製) ※2:3元共重合ナイロン(6、66、610) (品番CM−8000;東レ製;軟化点128℃) ※3:4元共重合ナイロン(6、66、610,12) (品番843P48;東レ製;軟化点137℃) ※4:チオシアン酸カルシウム〔Ca(SCN)2 ・4
H2 O〕 ※5:チオシアン酸バリウム〔Ba(SCN)2 ・2H
2 O〕 ※6:チオシアン酸マグネシウム〔Mg(SCN)2 ・
4H2 O〕 ※7:ガラス短繊維(L=1mm,D=10μm) ※8:ステアリン酸亜鉛 ※9:クエン酸
下の通りである。 ※1:固形メラミン樹脂(品番CP9012;松下電工
製) ※2:3元共重合ナイロン(6、66、610) (品番CM−8000;東レ製;軟化点128℃) ※3:4元共重合ナイロン(6、66、610,12) (品番843P48;東レ製;軟化点137℃) ※4:チオシアン酸カルシウム〔Ca(SCN)2 ・4
H2 O〕 ※5:チオシアン酸バリウム〔Ba(SCN)2 ・2H
2 O〕 ※6:チオシアン酸マグネシウム〔Mg(SCN)2 ・
4H2 O〕 ※7:ガラス短繊維(L=1mm,D=10μm) ※8:ステアリン酸亜鉛 ※9:クエン酸
【0021】
【表2】
【0022】なお、前記表2中、※1〜※3の注釈は以
下の通りである。 ※:試験方法はJIS−K6911に準拠した。 ※:試験方法はUL94に準拠した。 ※:ハンダ耐熱性の試験は3×12.7×127mm
のテストピースを400℃のハンダに0.1秒間浸漬し
て試験した。試験後のテストピースの外観に異常がない
ときを○、外観に異常があるときを×とした。
下の通りである。 ※:試験方法はJIS−K6911に準拠した。 ※:試験方法はUL94に準拠した。 ※:ハンダ耐熱性の試験は3×12.7×127mm
のテストピースを400℃のハンダに0.1秒間浸漬し
て試験した。試験後のテストピースの外観に異常がない
ときを○、外観に異常があるときを×とした。
【0023】表2で明らかなように、実施例1〜5で得
られた成形品(テストピース)は従来のメラミン樹脂成
形材料を用いて得られた比較例1の成形品に比べ電気特
性、難燃性、及びハンダ耐熱性については同等である
が、可撓性及び靱性の点で勝っていることが確認され
た。また、実施例1〜5で得られた成形品は熱可塑性樹
脂であるPBTよりなる成形材料を用いて得られた比較
例2の成形品に比べ可撓性及び靱性については、ほぼ同
等であるが、電気特性、難燃性、及びハンダ耐熱性の点
で勝っていることが確認された。また、実施例1と比較
例3、及び実施例4と比較例4を比較して明らかなよう
に、アルカリ土類チオシアン酸塩の共存下でメラミンホ
ルムアルデヒド樹脂プレポリマーに対し、ナイロンを溶
融混練するようにすると、得られる成形品の可撓性及び
靱性がアルカリ土類チオシアン酸塩を用いないものに比
べ向上し、しかも、こうして得られる成形品はメラミン
ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに由来する優れた難
燃性、耐熱性及び電気特性を兼ね備えていることが確認
された。
られた成形品(テストピース)は従来のメラミン樹脂成
形材料を用いて得られた比較例1の成形品に比べ電気特
性、難燃性、及びハンダ耐熱性については同等である
が、可撓性及び靱性の点で勝っていることが確認され
た。また、実施例1〜5で得られた成形品は熱可塑性樹
脂であるPBTよりなる成形材料を用いて得られた比較
例2の成形品に比べ可撓性及び靱性については、ほぼ同
等であるが、電気特性、難燃性、及びハンダ耐熱性の点
で勝っていることが確認された。また、実施例1と比較
例3、及び実施例4と比較例4を比較して明らかなよう
に、アルカリ土類チオシアン酸塩の共存下でメラミンホ
ルムアルデヒド樹脂プレポリマーに対し、ナイロンを溶
融混練するようにすると、得られる成形品の可撓性及び
靱性がアルカリ土類チオシアン酸塩を用いないものに比
べ向上し、しかも、こうして得られる成形品はメラミン
ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーに由来する優れた難
燃性、耐熱性及び電気特性を兼ね備えていることが確認
された。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る成形材料用マトリックス樹
脂は難燃性、耐熱性、及び耐アーク性、耐トラッキング
性に優れているばかりでなく、シャルピー衝撃値に代表
される可撓性及び靱性にも優れている。そのため、この
成形材料用マトリックス樹脂を含む、本発明に係る成形
材料は、電気部品や機械部品を製造するための材料とし
て非常に有用なものである。
脂は難燃性、耐熱性、及び耐アーク性、耐トラッキング
性に優れているばかりでなく、シャルピー衝撃値に代表
される可撓性及び靱性にも優れている。そのため、この
成形材料用マトリックス樹脂を含む、本発明に係る成形
材料は、電気部品や機械部品を製造するための材料とし
て非常に有用なものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 ナイロンがアルカリ土類チオシアン酸塩
の共存下、メラミンホルムアルデヒド樹脂プレポリマー
と溶融混練されてなる成形材料用マトリックス樹脂。 - 【請求項2】 前記のナイロンの融点又は軟化点が15
0℃以下である請求項1記載の成形材料用マトリックス
樹脂。 - 【請求項3】 ナイロンの配合比率がナイロンとメラミ
ンホルムアルデヒド樹脂プレポリマーの合計量に対して
20〜50重量%である請求項1又は2記載の成形材料
用マトリックス樹脂。 - 【請求項4】 アルカリ土類チオシアン酸塩の添加量
が、ナイロン量に対して0.1〜10重量%である請求
項1乃至3いずれか記載の成形材料用マトリックス樹
脂。 - 【請求項5】 アルカリ土類チオシアン酸塩がチオシア
ン酸カルシウムである請求項1乃至4いずれか記載の成
形材料用マトリックス樹脂。 - 【請求項6】 請求項1乃至5いずれか記載の成形材料
用マトリックス樹脂を含む成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30919091A JPH05140365A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30919091A JPH05140365A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140365A true JPH05140365A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=17990015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30919091A Pending JPH05140365A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140365A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233185A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
JP2008233184A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
JP2008233183A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
-
1991
- 1991-11-25 JP JP30919091A patent/JPH05140365A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233185A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
JP2008233184A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
JP2008233183A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Kyocera Mita Corp | トナー |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4188424B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JP5271894B2 (ja) | 難燃性ポリアミド組成物 | |
TWI298736B (ja) | ||
US5874176A (en) | Resin composite containing polyamide matrix and polyolefine grains dispersed therein | |
JP3264773B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2007504304A (ja) | 増加した弾性率を有する構造コンポジット | |
JP2001521564A (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JP3523312B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
JP3013966B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH05140365A (ja) | 成形材料用マトリツクス樹脂及びそれを含む成形材料 | |
JPH11508303A (ja) | 耐火性ポリアミド組成物 | |
AU630018B2 (en) | Automobile mirror stay | |
JP3438992B2 (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP3630387B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
EP0929600B1 (en) | Color stable flame retarded polyamide resin | |
JP6420995B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 | |
JPH1126060A (ja) | ポリアミド樹脂製ヒンジ付コネクター | |
JP3013971B2 (ja) | ポリアミド−ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JPH1143602A (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH06166799A (ja) | 成形材料用マトリックス樹脂及びそれを含む成形材料 | |
JP3181950B2 (ja) | 成形材料の製造方法 | |
JPS5996153A (ja) | 塩化ビニル系樹脂成形材料 | |
JPH06172643A (ja) | 複合樹脂組成物 | |
JPH05117494A (ja) | 成形材料 | |
JPH05117400A (ja) | 成形材料の製造方法 |