JPH05140293A - ポリカーボネートの製造法及び製造装置 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法及び製造装置

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JPH05140293A
JPH05140293A JP33408491A JP33408491A JPH05140293A JP H05140293 A JPH05140293 A JP H05140293A JP 33408491 A JP33408491 A JP 33408491A JP 33408491 A JP33408491 A JP 33408491A JP H05140293 A JPH05140293 A JP H05140293A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エステル交換法により2価ヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルから、高分子量でしかも透明性に優れ
たポリカーボネートを得る。 【構成】 Co及び/又はCrを50%以上含有する金
属材料との接触下、エステル交換法により、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの2価ヒド
ロキシ化合物と、ビスフェニルカーボネートなどの炭酸
ジエステルからポリカーボネートを製造する。反応成分
と前記金属材料とを接触させる方法には、(1) 前記組成
からなる金属材料の存在下で反応させる方法、(2) 少な
くとも反応成分と接触する部位が、前記組成の材質から
なる製造装置内で反応させる方法などが含まれる。エス
テル交換触媒として、(1) 電子供与性アミン化合物から
なる触媒、又は(2) 電子供与性アミン化合物とアルカリ
金属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物とからなる
触媒を用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エステル交換法による
ポリカーボネートの製造法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
カーボネートは、機械特性、光学特性及び耐熱性などに
優れた汎用エンジニアリングサーモプラスチックスであ
り、幅広い用途、例えば射出成形用又は窓ガラスの代替
となるシート用などに用いられる。
【0003】従来より、ポリカーボネートは、界面重縮
合法やエステル交換法等により製造されている。
【0004】界面重縮合法は、一般にポリカーボネート
の製造に広く利用されているが、有毒なホスゲンを使用
する必要があるだけでなく、生成したポリカーボネート
に塩素イオンが残存するため、高温下での成形加工によ
りポリマーが着色する。これらの問題点を解消するため
に、特開昭63−182336号公報には、有毒なホス
ゲンに代えて、ホスゲンのダイマーである液体のトリク
ロロメチルクロロホルメートを用いて、ポリカーボネー
トを製造する方法が開示されている。しかし、2価フェ
ノールとして特殊な9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン類についての記載があるのみであり、
汎用性のある製造法とはいえない。また、アンゲバンテ
・ヘミー( Angew. Chem. )、第99巻、第922頁
(1987)及びドイツ特許DE3440141号明細
書には、有毒なホスゲンに代えてトリホスゲンを用い、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから
ポリカーボネートを得る方法が記載されている。しか
し、この方法においても、反応過程でホスゲンが発生す
る。
【0005】一方、エステル交換反応を用いる例とし
て、米国特許4345062号明細書には、ジフェニル
カーボネートと芳香族ジヒドキシ化合物から、エステル
交換触媒の存在下、加熱減圧下にフェノールを留出させ
ながらプレポリマーを合成し、最終的に高真空下、27
0℃以上に加熱してフェノールを留出させ、高分子量の
ポリカーボネートを得る方法が開示されている。この方
法は、毒性の強いホスゲンが不要であること、残存塩素
イオンの除去工程が必要でないこと、溶融重縮合で反応
できることなどの利点を有する。しかし、ポリカーボネ
ートは他のエンジニアリングプラスチックスと異なり、
分子量が増大するにつれて溶融粘度が極めて大きくな
る。そのため、エステル交換法では一般に高温、例えば
270℃以上の温度で反応させる必要があるものの、未
だ高分子量のポリカーボネートは得られていない。ま
た、高温で反応させるためポリマーが着色しやすい。
【0006】特開昭55−142025号公報には、反
応器の材質としてステンレスを用いた場合、ポリカーボ
ネートが着色することが多く、かつ高分子量のポリマー
が得られにくく、物性、色相共に満足できる製品を製造
することは困難であることが示唆されている。また、米
国特許第4383092号明細書にも、出発原料は異な
るものの反応器の材質に関して同様な記載がある。
【0007】さらに、上記のようなエステル交換法の欠
点を改善するために、種々の触媒が検討されているが、
得られたポリカーボネートの物性及び色相を共に満足し
得るものではない。
【0008】従って本発明の目的は、着色がなくしかも
高分子量のポリカーボネートを工業的に効率よく製造で
きる方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、前記エステル交換法の課
題であるポリマーの高分子量化及び無着色化について鋭
意研究した結果、反応成分を特定の組成からなる金属材
料との接触下に反応させると、高分子量であっても透明
性に優れるポリカーボネートが得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、エステル交換法によ
り、2価ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからポリ
カーボネートを製造する方法において、反応成分を、C
o及び/又はCrを50%以上含有する金属材料との接
触下で反応させるポリカーボネートの製造法を提供す
る。
【0011】また、本発明は、エステル交換法によりポ
リカーボネートを製造する装置であって、少なくとも反
応成分と接触する部位が、Co及び/又はCrを50%
以上含有する材質からなる製造装置を提供する。
【0012】本発明において、2価ヒドロキシ化合物と
しては、広範な化合物が用いられるが、例えば、ビス
(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシ
アリール)アレーン類、ビス(ヒドロキシアリール)シ
クロアルカン類、ジヒドロキシジアリールエーテル類、
ジヒドロキシジアリールスルフィド類、ジヒドロキシジ
アリールスルホキシド類、ジヒドロキシジアリールスル
ホン類等が挙げられる。
【0013】これらのうち、好ましい2価ヒドロキシ化
合物は、下記一般式(I)、(II)、又は(III)
で表される。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 は、同一
又は異なって、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロ
アルキル基、アラルキル基又はアリール基を表し、
1 、X2 、Y1 、Y2 、Y3 、Z1 、Z2 は、同一又
は異なって、それぞれハロゲン原子、アルコキシ基、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリー
ル基を表す。l、m、n、p、q、r、sはそれぞれ0
〜4の整数を表し、tは2〜10の整数を表す)アルキ
ル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、2−エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、ド
デシル基などの直鎖状又は分岐鎖状アルキル基などが含
まれる。好ましいアルキル基は、炭素数1〜8程度の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基である。
【0017】シクロアルキル基には、例えば、シクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チル、シクロオクチル基などが含まれる。
【0018】アラルキル基には、例えば、ベンジル、フ
ェネチル、ベンズヒドリル基などが含まれる。アリール
基には、例えば、フェニル、ナフチル、アンスリル基な
どが含まれる。好ましいアリール基は、フェニル基であ
る。
【0019】ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素又
はヨウ素原子が含まれる。アルコキシ基には、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基
などが含まれる。
【0020】さらに前記アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基及びアラルキル基は、反応条件下で不活
性な1または2以上の置換基を有していてもよい。この
ような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アル
キルチオ基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
【0021】置換基R1 〜R6 は、水素原子、アルキル
基(特に炭素数1〜8のアルキル基)又はアリール基
(特にフェニル基)が好ましく、置換基X1 〜Z2 は、
アルキル基(特に炭素数1〜8のアルキル基)、アリー
ル基(特にフェニル基)又はハロゲン原子が好ましい。
【0022】好ましい2価ヒドロキシ化合物としては、
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、4,4′−ジヒドロキシ−2,2,2−
トリフェニルエタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
sec.ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ターシャリー
ブチルフェニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプ
ロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの2価ヒド
ロキシ化合物は単独で使用できるが、2種以上組み合せ
て共重合ポリカーボネートを製造することも可能であ
る。
【0023】炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェ
ニルカーボネート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)
カーボネート、ビス(2,4,6−ジクロロフェニル)
カーボネート、ビス(2−シアノフェニル)カーボネー
ト、ビス(o−ニトロフェニル)カーボネート、ジトリ
ルカーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチ
ルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート等の
ビスアリールカーボネート;ジシクロヘキシルカーボネ
ート等のジシクロアルキルカーボネート;ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボ
ネート等が挙げられる。これらの炭酸ジエステルのなか
で、好ましくはビスアリールカーボネートであり、特に
ジフェニルカーボネートが繁用される。
【0024】炭酸ジエステルの使用量は、通常、2価ヒ
ドロキシ化合物1モルに対して0.90モル〜1.50
モル、好ましくは0.95〜1.25モル、さらに好ま
しくは1.00〜1.10モル程度である。
【0025】本発明は、反応成分、すなわち2価ヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとを、Co及び/又はCr
を50%以上含有する金属材料との接触下にエステル交
換法により反応させることを特徴とする。
【0026】Co及び/又はCrを50%以上含有する
金属材料には、コバルト単独及びクロム単独の材料のほ
か、コバルト及び/又はクロムを50%以上含有する合
金が含まれる。合金の場合、コバルト及び/又はクロム
の含有量は、好ましくは60%以上、さらに好ましくは
70%以上である。合金中に含まれる他の金属又は非金
属成分としては、例えば、W、Mo、Ti、Zr、M
n、Al、Cu、Fe、Ni、Sn、Zn、Mg、S
i、C、P、S等が挙げられる。
【0027】反応成分と前記金属材料とを接触させる方
法には、例えば、(1) 前記組成からなる金属材料の存在
下で反応させる方法、(2) 少なくとも反応成分と接触す
る部位が、前記組成の金属材質からなる製造装置内で反
応させる方法などが挙げられる。
【0028】前記(1) の方法において、金属材料の形
状、形態は特に限定されない。例えば、前記組成からな
る粉末状、粒状、棒状、板状、柱状、塊状及びリボン状
の金属材料等を使用することができるが、特に粉末状の
ものが繁用される。
【0029】前記(1) の方法において、金属材料の使用
量は、反応原料の総重量に対して1ppm〜1重量%程
度、好ましくは5ppm〜5000ppm、さらに好ま
しくは20ppm〜1000ppm程度である。1pp
m未満の場合には、ポリカーボネートが低分子量でしか
も着色しやすい。また、1重量%を越える場合には、金
属材料の分離工程が煩雑になりやすい。
【0030】この場合、反応容器の材質は特に限定され
ず、炭素鋼製、ステンレス製等の金属製の反応容器のほ
か、ガラス製又はグラスライニング製の反応容器等を使
用することができる。
【0031】前記(2) の方法において用いる製造装置
は、少なくとも反応成分と接触する部位が、Co及び/
又はCrを50%以上含有する材質からなるものであれ
ば、特に限定されない。製造装置の全体が前記材質から
なる場合のほか、製造装置の一部、例えば反応容器の接
液部、攪拌翼、バッフル等が上記材質からなる場合も含
まれる。反応容器のみが前記材質からなる場合であって
も、本発明の効果を十分奏することができる。従って、
例えば、ヘイネス(Heynes)36製、ステライト
(Stelite)21製、ステライト(Stelit
e)31製等の前記材質からなる反応容器内で、2価ヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させてポリカ
ーボネートを製造することができる。また、着色した低
分子量のポリマーが得られる、例えばステンレス製や炭
素鋼製の反応器の内面に、前記材質からなる金属材料の
被膜、例えば、コーティング被膜、メッキ被膜、溶射膜
又はライニング層などを形成してもよい。
【0032】前記構成の本発明の製造装置は、エステル
交換法によるポリカーボネートの製造装置として好適で
ある。この製造装置のみによりポリカーボネートを製造
することもできるが、この製造装置を用いた上さらに前
記(1) 記載の金属材料の存在下で反応させてポリカーボ
ネートを製造することも可能である。
【0033】本発明の製造法においては、通常、エステ
ル交換触媒の存在下で反応が行われる。エステル交換触
媒の代表例として、例えば下記(a) 〜(e) に示す触媒が
挙げられる。
【0034】(a) 金属含有触媒、例えば、水素化ホウ素
リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリ
ウム、水素化ホウ素ルビジウム、水素化ホウ素セシウ
ム、水素化ホウ素ベリリウム、水素化ホウ素マグネシウ
ム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素ストロンチ
ウム、水素化ホウ素バリウム、水素化ホウ素アルミニウ
ム、水素化ホウ素チタニウム、水素化ホウ素スズ、水素
化ホウ素ゲルマニウム等の水素化ホウ素金属化合物;テ
トラフェノキシリチウム、テトラフェノキシナトリウ
ム、テトラフェノキシカリウム、テトラフェノキシルビ
ジウム、テトラフェノキシセシウム等の金属のテトラフ
ェノキシド;チオ硫酸ナトリウム;酸化ベリリウム、酸
化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化スズ(IV)
等の金属酸化物;ジブチルスズオキシド;水酸化ベリリ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化ゲルマニウム等の金
属水酸化物;酢酸ベリリウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシ
ウム、酢酸スズ(IV)、酢酸ゲルマニウム等の金属酢
酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸スズ(I
V)、炭酸ゲルマニウム等の金属炭酸塩;硝酸スズ(I
V)、硝酸ゲルマニウム等の金属硝酸塩;フェニル酢酸
亜鉛、フェニル酢酸鉛、フェニル酢酸スズ等の金属のフ
ェニル酢酸塩;ビスマストリメチルカルボキシレートな
ど。
【0035】(b) 第1級アミン、第2級アミン、第3級
アミン及び窒素含有複素環化合物などの電子供与性含窒
素化合物に属する触媒。このような化合物としては、例
えば、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、N,N
−ジエチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリ
ジン、ピリジン、4−アミノピリジン、2−アミノピリ
ジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
ン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、ピ
コリン、ピリミジン、2−ジメチルアミノイミダゾー
ル、2−メトキシイミダゾール、2−メルカプトイミダ
ゾール、アミノキノリン、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピラゾール、ベ
ンズイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピロリ
ジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジ
ン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.
2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−
ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)
などが挙げられる。
【0036】(c) 上記電子供与性含窒素化合物の炭酸、
酢酸、ギ酸、硝酸、亜硝酸、シュウ酸、フッ化ホウ素
酸、フッ化水素酸等との塩。
【0037】(d) 電子供与性リン化合物に属する触媒、
例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホ
スフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−
ジメトキシフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホス
フィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリブチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト、トリ−o−トリ
ルホスファイトなど。
【0038】(e) ボラン錯体に属する触媒、例えば、ボ
ランと、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、t−ブチルアミン、ジメチルア
ニリン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、モルホリ
ン、ピベラジン、ピロール、テトラヒドロフラン、ジメ
チルスルフィド、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン又はトリフェニルホスファイトとの錯
体など。
【0039】これらのエステル交換触媒は、一種又は二
種以上混合して使用できる。これらのうち、好ましいエ
ステル交換触媒は、(1) 電子供与性含窒素化合物からな
るエステル交換触媒、又は(2) 電子供与性含窒素化合物
とアルカリ金属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物
とからなるエステル交換触媒である。
【0040】アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物、有機酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、チオ硫
酸塩、水素化ホウ素化合物等が含まれる。このような化
合物として、例えば、上記(a) に列挙された化合物のう
ち該当する化合物が挙げられる。
【0041】エステル交換触媒の使用量は、重縮合反応
を損なわない範囲であればよく、例えば、2価ヒドロキ
シ化合物に対して、10-7〜10-1モル、好ましくは1
-5〜10-2程度である。触媒量が、2価ヒドロキシ化
合物に対して10-7モル未満であると、触媒作用が少な
くポリカーボネートの重合速度が遅くなり、また、10
-1モルを越えると、生成するポリカーボネート中に触媒
が残存し、ポリカーボネートの物性低下を招きやすい。
【0042】エステル交換反応は、通常100〜300
℃程度、好ましくは130〜280℃程度の反応温度で
行われる。反応温度が100℃未満であると反応速度が
遅くなり、300℃を越えると副反応が起こりやすくな
る。また、前記反応は溶融重縮合反応に採用される慣用
の方法、例えば、反応初期に100〜250℃、好まし
くは130〜230℃程度で反応させた後、減圧しなが
ら昇温し、最終的には250〜300℃程度で反応させ
ることにより行うことができる。なお、反応終結時の減
圧度は、例えば、0.3Torr以下にするのが好ましい。
【0043】本発明の製造法により得られるポリカーボ
ネートは、高分子量であってしかも着色がなく、機械特
性、電気的特性、耐熱性、透明性及び耐光性に優れてい
るため、電子・電気部品、機械部品、構造材料、フィル
ム、シート及び容器類等に使用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法及び製造装置によれば、特
定の金属材料との接触下で、2価ヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとのエステル交換反応を行うので、高分子
量であっても着色がない無色透明なポリカーボネートを
得ることができる。
【0045】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0046】なお、粘度平均分子量(Mv)は、20℃
におけるポリマーの塩化メチレン溶液の固有粘度[η]
をウベローデ粘度計を用いて測定し、次式に従って計算
した。 [η]=1.11×10-4Mv0.82 また、紫外線吸収スペクトル測定装置により、ポリマー
の10%塩化メチレン溶液の380μmと580μmの
波長領域での吸光度Aを測定し、その吸光度の差(A
380 −A580 )によって色相を評価した。A380 −A
580 の値が大きいほど着色していることを示す。
【0047】実施例1 ヘイネス(Haynes)36(Co:54%、Cr:
18.5%、W:14.5%、Mo:10%、Mn:
1.2%、Fe:0.9%、Si:0.5%、C:0.
4%)製の反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン22.8g(0.1モル)、2−メ
チルイミダゾール0.0164g(2×10-4モル)及
びビスフェニルカーボネート21.9g(0.1023
モル)を入れ、窒素雰囲気下、180℃で1時間撹拌し
た後、徐々に減圧しながら昇温した。最終的に、0.1
Torr、270℃で2時間重縮合反応させ、生成したフェ
ノールを留去させて、無色透明なポリカーボネートを得
た。
【0048】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=32900であり、色相は、A
380 −A580 =0.06であった。
【0049】実施例2 ステライト(Stelite)21(Co:62%、C
r:27%、Mo:5.5%、Ni:3%、Fe:1
%、Mn:0.6%、Si:0.6%、C:0.25
%)製の反応容器を用い、エステル交換触媒として2−
メチルイミダゾールの代わりに4−ジメチルアミノピリ
ジン0.0061g(5×10-5モル)を用いたほか
は、実施例1と同様な方法で反応を行いポリカーボネー
トを得た。
【0050】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=30200であり、色相は、A
380 −A580 =0.07であった。
【0051】実施例3 ステライト(Stelite)31(Co:55%、C
r:25%、Ni:10%、W:8%、Fe:1%、S
i:0.6%、Mn:0.6%、C:0.5%)製の反
応容器を用い、エステル交換触媒として4−ジメチルア
ミノピリジン0.0024g(2×10-5モル)及び酢
酸カリウム0.0002g(2×10-6モル)を用いた
ほかは、実施例1と同様な方法で反応を行いポリカーボ
ネートを得た。
【0052】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=29000であり、色相は、A
380 −A580 =0.09であった。
【0053】実施例4 実施例2の反応容器に代えて、パイレックスガラス製の
反応容器を使用し、原料の仕込み量に対してコバルト粉
末90ppm 及びクロム粉末10ppmを添加する以外は、
実施例2と同様な方法で反応を行った。
【0054】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=29600であり、色相は、A
380 −A580 =0.10であった。
【0055】実施例5 実施例2の反応容器に代えて、パイレックスガラス製の
反応容器を使用し、原料の仕込み量に対してコバルト粉
末10ppm 及びクロム粉末90ppmを添加する以外は、
実施例2と同様な方法で反応を行った。
【0056】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=31600であり、色相は、A
380 −A580 =0.11であった。
【0057】実施例6 実施例2の反応容器に代えて、パイレックスガラス製の
反応容器を使用し、原料の仕込み量に対してコバルト粉
末100ppm を添加する以外は、実施例2と同様な方法
で反応を行った。
【0058】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=28500であり、色相は、A
380 −A580 =0.10であった。
【0059】実施例7 実施例2の反応容器に代えて、パイレックスガラス製の
反応容器を使用し、原料の仕込み量に対してクロム粉末
100ppm を添加する以外は、実施例2と同様な方法で
反応を行った。
【0060】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=29000であり、色相は、A
380 −A580 =0.08であった。
【0061】比較例1 ステンレス(SUS316)(Fe:67%、Cr:1
8%、Ni:12%、Mo:2.5%、C:0.06
%)製の反応容器を用いたほかは、実施例2と同様な方
法で反応を行いポリカーボネートを得た。
【0062】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=18000であり、色相は、A
380 −A580 =0.319であった。
【0063】比較例2 ステンレス(SUS304)(Fe:74%、Cr:1
8%、Ni:8%、C:0.06%)製の反応容器を用
いたほかは、実施例2と同様な方法で反応を行いポリカ
ーボネートを得た。
【0064】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=17000であり、色相は、A38
0 −A580 =0.354であった。
【0065】比較例3 炭素鋼(SS−41)製の反応容器を用いたほかは、実
施例2と同様な方法で反応を行いポリカーボネートを得
た。
【0066】得られたポリカーボネートの粘度平均分子
量(Mv)は、Mv=14300であり、色相は、A
380 −A580 =0.429であった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換法により、2価ヒドロキシ
    化合物と炭酸ジエステルとからポリカーボネートを製造
    する方法において、反応成分を、Co及び/又はCrを
    50%以上含有する金属材料との接触下で反応させるポ
    リカーボネートの製造法。
  2. 【請求項2】 エステル交換法により、2価ヒドロキシ
    化合物と炭酸ジエステルとからポリカーボネートを製造
    する方法において、少なくとも反応成分と接触する部位
    が、Co及び/又はCrを50%以上含有する材質から
    なる製造装置内で反応させる請求項1記載のポリカーボ
    ネートの製造法。
  3. 【請求項3】 (1) 電子供与性アミン化合物からなるエ
    ステル交換触媒、又は(2) 電子供与性アミン化合物とア
    ルカリ金属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物とか
    らなるエステル交換触媒の存在下で反応させる請求項1
    記載のポリカーボネートの製造法。
  4. 【請求項4】 炭酸ジエステルが、ビスアリールカーボ
    ネートである請求項1記載のポリカーボネートの製造
    法。
  5. 【請求項5】 2価ヒドロキシ化合物が、下記一般式
    (I)、(II)又は(III)で表される化合物であ
    る請求項1記載のポリカーボネートの製造法。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 は、同一
    又は異なって、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロ
    アルキル基、アラルキル基又はアリール基を表し、
    1 、X2 、Y1 、Y2 、Y3 、Z1 、Z2 は、同一又
    は異なって、それぞれハロゲン原子、アルコキシ基、ア
    ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリー
    ル基を表す。l、m、n、p、q、r、sはそれぞれ0
    〜4の整数を表し、tは2〜10の整数を表す)
  6. 【請求項6】 エステル交換法によりポリカーボネート
    を製造する装置であって、少なくとも反応成分と接触す
    る部位が、Co及び/又はCrを50%以上含有する材
    質からなる製造装置。
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