JPH05139042A - 画像記録用積層フイルム - Google Patents

画像記録用積層フイルム

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JPH05139042A
JPH05139042A JP3304655A JP30465591A JPH05139042A JP H05139042 A JPH05139042 A JP H05139042A JP 3304655 A JP3304655 A JP 3304655A JP 30465591 A JP30465591 A JP 30465591A JP H05139042 A JPH05139042 A JP H05139042A
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JP
Japan
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film
molecular orientation
polarizing
polymer film
image
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JP3304655A
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Hiroshi Tsushima
宏 津島
Iwao Sumiyoshi
岩夫 住吉
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 偏光方向が互いに平行位または直行位となる
ように重ねられた2枚の偏光フィルムの間に、少なくと
も1層の分子配向異方性ポリマーフィルムと少なくとも
1層の補強層とが設けられている分子配向異方性積層体
を、上記分子配向異方性ポリマーフィルムが上記偏光方
向に対してほぼ45゜の方向の分子配向異方性を有するよ
うに挟んでなる画像記録用積層フィルム。 【効果】 画像形成工程後も偏光フィルムが劣化しない
ために寸法安定性が良好であり、偏光フィルムを再使用
することが可能なために安価であり、また半導体レーザ
装置により画像形成可能なために画像形成コストが低減
される画像記録用積層フィルムが提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子配向異方性ポリマー
フィルムの積層体を用いる画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】2枚の偏光板の間に特定方向の分子配向
を有する分子配向異方性ポリマーフィルムを挿入するこ
とにより発色させる技術は公知である。発色の原理は分
子配向異方性フィルムの分子配向の大きさに起因して起
こるものであり、その配向を熱または光で完全にもしく
は不完全に低下させることによりその部分が発色されな
いかあるいは異なった色に発色されることになり、画像
が該積層フィルム中に形成される。
【0003】例えば、特開平3-141320号公報にはこのよ
うな発色現象を利用した画像記録用積層フィルムおよび
このような記録フィルムを用いる画像形成方法が記載さ
れている。また、実願平2-079952号公報にはこのような
技術を用いる製版方法が記載されている。
【0004】これらの文献で用いられる画像記録用積層
フィルムは、偏光方向が互いに平行位または直行位とな
るように重ねられた2枚の偏光フィルムの間に上記偏光
方向に対してほぼ45゜の方向の分子配向異方性を有する
分子配向異方性フィルムを挿入することにより作製され
る。得られる画像記録用積層フィルムを画像に応じて部
分的に加熱またはレーザ光照射することにより分子配向
異方性ポリマーフィルムの異方性が画像に応じて選択的
に低減され、画像記録用積層フィルムに画像が形成され
る。
【0005】このように偏光フィルムが積層された状態
で画像形成を行うと、熱または光により、偏光フィルム
の劣化が生じる。また、偏光フィルムは高価なので、2
枚の偏光フィルムを使用するこのような積層体記録材料
は銀塩フィルムより高価である。
【0006】偏光フィルムの劣化防止、および偏光フィ
ルムを再使用することによりコストを低減するために、
まず、分子配向異方性ポリマーフィルムに画像(潜像)形
成を行い、その後に2枚の偏光フィルム間に画像形成さ
れた分子配向異方性ポリマーフィルムを挟むことにより
現像する方法が考えられる。分子配向異方性ポリマーフ
ィルムと偏光フィルムとを独立させることにより偏光フ
ィルムの再使用を可能にすれば、全体としてコストが下
がるためである。しかしながら、一般に、分子配向異方
性ポリマーフィルムは耐熱性に劣るので、画像形成時に
印加される熱により、収縮および破断が生じ易いという
問題がある。
【0007】一方、分子配向異方性ポリマーフィルムに
画像形成する工程では、上述のように、加熱または光照
射により分子配向異方性フィルムの異方性が選択的に低
減され、画像が形成される。一般に、このような画像形
成は熱ヘッドまたはレーザ光照射により行われるが、高
品質の画像を短時間で形成可能なので、レーザ光照射を
用いることが好ましい。
【0008】しかしながら、このような積層フィルムに
用いられる分子配向異方性フィルムは透明でありレーザ
光吸収性が低いので、レーザ光を用いて分子配向異方性
ポリマーフィルムの異方性を低下させるためには、炭酸
ガスレーザ装置のような高出力のレーザ装置が必要とな
る。このようなレーザ装置は大規模、複雑かつ高価なの
で、製造コストが上昇する。
【0009】安価でコンパクトな半導体レーザ装置を用
いることにより製造コストの問題は解決される。しかし
ながら、半導体レーザ装置は低出力で、かつ近赤外部に
発振波長がある為に、近赤外部に大きな吸収のない分子
配向異方性ポリマーフィルムの分子配向異方性が低下し
難い。
【0010】低出力の半導体レーザ装置を用いて画像形
成するためには、近赤外部の吸収(700〜900nm)をもつ物
質を分子配向異方性ポリマーフィルムフィルムに添加す
る方法が考えられる。
【0011】しかしながら、このような物質をポリマー
材料に添加すると、フィルム化工程における熱により近
赤外吸収物質の劣化が生じ得る。さらに、それぞれのレ
ーザ光源の波長に合った色素、顔料を添加した分子配向
異方性ポリマーフィルムを作製する必要が生じるので、
フィルムの種類が増大し、コストアップの原因となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは画像
形成工程後も寸法安定性が良好であり、偏光フィルムを
再使用することが可能なために安価であり、また半導体
レーザ装置により画像形成可能なために画像形成コスト
が低減される画像記録用積層フィルムを提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、偏光方向が互
いに平行位または直行位となるように重ねられた2枚の
偏光フィルムの間に、少なくとも1層の分子配向異方性
ポリマーフィルムと少なくとも1層の補強層とを有する
分子配向異方性積層体を、上記分子配向異方性ポリマー
フィルムが上記偏光方向に対してほぼ45゜の方向の分子
配向異方性を有するように挟んでなる画像記録用積層フ
ィルムを提供し、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0014】本発明に用い得る偏光フィルムは特に限定
されず、耐熱性、耐候性、耐湿性等の製品安定性が出来
るだけ良好で、かつ偏光度の高い市販のものを使用すれ
ばよい。
【0015】分子配向異方性ポリマーフィルムは通常の
高分子フィルムを1.5〜6倍程度一軸延伸または二軸延
伸して結晶面がフィルム面に平行に配向したものを用い
る。高分子フィルムは延伸して異方性を示す一般の高分
子ポリマー、例えば塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ポリビニル
アルコール等を用いることができる。また異方性に変化
する効率を上げるために必要に応じて可塑剤を加えても
よい。
【0016】本発明の補強層に用い得る材料は、使用す
る分子配向異方性ポリマーフィルムの融点を上回る温度
で耐熱性、寸法安定性を有する透明材料であれば特に限
定されず、市販のポリマーフィルム材料および樹脂材料
の中から広く選択することができる。
【0017】例えば、耐熱性および寸法安定性に優れる
ポリマーフィルムを本発明の補強層として用い得る。こ
のようなポリマーフィルム材料としては、分子配向異方
性ポリマーフィルムとして高密度ポリエチレンフィルム
を用いる場合は、例えば、ポリエチレンテレフタレート
のようなポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系
フィルム、セルローストリアセテートのようなアセテー
ト系フィルム、ポリエーテルサルフォンのようなフィル
ムが挙げられる。例えば、このようなポリマーフィルム
をベースフィルムとして分子配向異方性ポリマーフィル
ムに積層することにより補強層が形成される。
【0018】本発明の補強層に用い得る他の材料として
は、アクリル系の光硬化性樹脂、低温硬化性樹脂、ウレ
タン系樹脂のような耐熱性および寸法安定性に優れる樹
脂が挙げられる。例えば、このような硬化性樹脂を分子
配向異方性ポリマーフィルム表面に塗布し硬化させるこ
とにより補強層が形成される。
【0019】これらの補強層は、分子配向異方性積層体
の耐熱性を向上させることが可能であれば必ずしも分子
配向異方性ポリマーフィルムの表面に接して形成する必
要はない。分子配向異方性積層体中に形成される他の
層、例えば、以下に説明するレーザ光吸収層に接して形
成することも可能である。
【0020】また、本発明は、偏光方向が互いに平行位
または直行位となるように重ねられた2枚の偏光フィル
ムの間に、少なくとも1層の分子配向異方性ポリマーフ
ィルムと上記分子配向異方性ポリマーフィルムの片面も
しくは両面上に積層されたレーザ光吸収層とを有する分
子配向異方性積層体を、上記分子配向異方性ポリマーフ
ィルムが上記偏光方向に対してほぼ45゜の方向の分子配
向異方性を有するように挟んでなる画像記録用積層フィ
ルムを提供する。
【0021】レーザ光吸収層は、画像形成工程で用いる
レーザ光の波長に応じた吸収領域を有する色素および顔
料を溶解または分散させた樹脂を、分子配向異方性ポリ
マーフィルムの片面または両面に塗布し、固形化させる
ことにより形成される。
【0022】レーザ光吸収層に用い得る色素、顔料とし
ては、画像形成工程で近赤外半導体レーザ光を用いる場
合には、シアニン系色素、アントラキノン系色素、フタ
ロシアニン系顔料、スクワリニウム系色素、ベンゼンジ
チオールニッケル錯体系色素等が挙げられる。しかしな
がら、可視部に大きな吸収を有する色素や顔料を用いる
とレーザ光吸収層の着色が過剰となり、形成される画像
のコントラストが低下するので、好ましくない。
【0023】得られる積層フィルムを記録材料印刷用版
材または焼付け用フィルムとして用いる場合は、紫外部
の吸収がない色素、顔料を選択する必要がある。したが
って、紫外部の吸収が少ないシアニン系の色素は製版用
積層フィルムに用いる色素として特に適する。
【0024】レーザ光吸収層に用い得る樹脂としては、
溶剤に対して溶解性の高い市販の熱可塑性の樹脂、低温
で硬化するアクリル系およびウレタン系の樹脂や光硬化
性樹脂等が挙げられる。
【0025】これらの色素または顔料分散樹脂を分子配
向異方性ポリマーフィルムに塗布する場合は、単層の分
子配向異方性ポリマーフィルムの場合は片側もしくは両
側にレーザ発振波長の透過率が30〜100%程度の濃度に
なるようにコーター等を使って塗布する。また複層分子
配向異方性ポリマーフィルムを使用する場合は、両側だ
けでなく、分子配向異方性ポリマーフィルムの間に塗布
してもよい。数種類のレーザ光に対応する為に、異なっ
た吸収波長をもつ色素、顔料を混ぜて塗布してもよい
し、分子配向異方性ポリマーフィルムの両側に異なった
色素、顔料の入った樹脂層を塗布してもよい。
【0026】また、上述の、分子配向異方性積層体中に
補強層を有する本発明の画像記録用積層フィルムでは、
上記分子配向異方性積層体が分子配向異方性ポリマーフ
ィルムの片面もしくは両面上に積層されたレーザ光吸収
層をさらに有し得る。
【0027】したがって、例えば、分子配向異方性ポリ
マーフィルムの片面上に補強層を形成し、反対面上にレ
ーザ光吸収層を形成することにより分子配向異方性積層
体を作製することも可能である。
【0028】さらに、上述の補強層に適する樹脂をレー
ザ光吸収層用樹脂として用いることにより補強層として
も機能するレーザ光吸収層を提供することが可能であ
る。または、上述の補強層用樹脂にレーザ光吸収層用色
素ないしは顔料を含有させることにより、補強層にレー
ザ光吸収層としての機能を持たせることも可能である。
その場合は、レーザ光吸収層用色素ないしは顔料を含有
する補強層を分子配向異方性ポリマーフィルムの表面に
接して形成する必要がある。
【0029】分子配向異方性フィルムの表面上に必要に
応じてレーザ光吸収層および補強層を設けることにより
分子配向異方性積層体が形成される。その後、得られる
分子配向異方性積層体は画像に応じて選択的に加熱され
る。選択的な加熱には種々の方法が考えられるが、一般
的にはヒートモードレーザ光あるいは熱ヘッドが用いら
れる。
【0030】レーザ光吸収層のレーザ光照射部分は昇温
する。分子配向異方性フィルムは加熱により分子配向異
方性が低下するので、分子配向異方性積層体の加熱また
は光照射された部分に応じて画像(潜像)が形成される。
異方性の低下は加熱の程度により完全もしくは不完全に
行なわれる。不完全に行った場合には多少の分子配向性
が残り、異なる色の発色の可能性があり、カラー画像を
形成することができる。異方性が完全に低下し等方性に
なった場合には画像部分は基本的には黒ないしは無色透
明となる。
【0031】その後、潜像が形成された分子配向異方性
積層体を2枚の偏光フィルム間に挟むことにより画像が
現像された画像記録用積層フィルムが得られる。
【0032】本発明では、上述の2枚の偏光フィルムの
うちの一方を反射板に換えることにより、より安価な画
像記録用積層フィルムを提供することができる。反射板
を用いる場合には反射板はアルミ蒸着フィルムや、鏡の
ようなものであれば良い。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0034】
【実施例1】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍延伸し、ポリ
カーボネートフィルム(住友化学工業社製、厚さ100μm)
にアクリル系の粘着剤を使って積層することにより分子
配向異方性積層体を作製した。この積層体を黒体上に置
き、半導体レーザ装置(出力600mW)を用いて2cm/秒の速
度で走査露光した。その後、この積層体を直交位偏光フ
ィルムに挟むことにより画像記録を確認した。
【0035】次いで、80℃で1時間放置後の寸法安定性
を評価した。また、直交位偏向フィルムに挟んだまた、
平版材の上に重ね、UV露光して画像焼付実験を行っ
た。結果を表Iに示す。
【0036】
【実施例2】ポリカーボネートフィルムの代わりにポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ100μ
m)を用いること以外は実施例1と同様にして、画像記録
を確認し、熱寸法安定性を評価した。また、直交位偏向
フィルムに挟んだまた、平版材の上に重ね、UV露光して
画像焼付実験を行った。結果を表Iに示す。
【0037】
【実施例3】ポリカーボネートフィルムを接着する代わ
りに光重合性アクリル樹脂組成物(ウレタンアクリレー
トM7000(日本合成化学工業社製)50%、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート50%および開始剤#1173(メルク社製)
1%)を100μmバーコーターで塗布し、紫外線露光して
硬化させること以外は実施例1と同様にして、画像記録
を確認し、熱寸法安定性を評価した。また、直交位偏向
フィルムに挟んだまた、平版材の上に重ね、UV露光して
画像焼付実験を行った。結果を表Iに示す。
【0038】
【比較例1】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍延伸し、その
まま黒体上に置き半導体レーザ装置(出力600mW)を用い
て2cm/秒の速度で走査露光した。その後このフィルム
を直交位偏光フィルムに挟むことにより画像記録を確認
した。結果を表Iに示す。
【0039】
【比較例2】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍延伸し、直交
位の偏光フィルム(カヤポーラー社製 「KPL T-23」)に積
層した。この積層体に半導体レーザ装置(出力600mW)を
用いて黒体上で2cm/秒の速度で走査露光し、画像記録
を確認した。結果を表Iに示す。
【0040】
【実施例4】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍に延伸した
後、その片側に以下の式に示す構造のシアニン系色素
(コダック社製「IR-140」)0.2部、ポリビニルブチラール
樹脂9.8部、メチルエチルケトン90部からなる塗布液を
バーコータで塗布し、80℃で10分間乾燥した。このフィ
ルムに対して半導体レーザ装置光(発振波長810nm、出力
600mW)を用いて2cm/秒の速度で走査露光した後、直交
位偏光フィルムに挟むことにより画像記録を確認し、熱
寸法安定性を評価した。
【0041】ついで、直交位偏光フィルムに挟んだまま
平版材の上に重ねUV露光して画像焼付実験を行った。結
果を表Iに示す。
【0042】
【化1】
【0043】
【実施例5】色素「IR-140」の代わりに以下の式に示す構
造の色素(コダック社製「IR-125」)を用い、レーザ光発振
波長を780nmとすること以外は実施例4と同様にして画
像形成と熱寸法安定性の評価、および画像焼付実験を行
った。結果を表Iに示す。
【0044】
【化2】
【0045】
【実施例6】色素「IR-140」の代わりに以下の式に示す構
造の色素(コダック社製「DDTCI」)を用い、レーザ光発振
波長を780nmにすること以外は実施例4と同様にして画
像形成と熱寸法安定性の評価、および画像焼付実験を行
った。結果を表Iに示す。
【0046】
【化3】
【0047】
【比較例3】色素「IR-140」の代わりに以下の式に示す構
造のアントラキノン系近赤外吸収色素(三井東圧染料社
製「HR-181」)を用い、レーザ光発振波長を780nmにするこ
と以外は実施例4と同様にして画像形成と熱寸法安定性
の評価、および画像焼付実験を行った。結果を表Iに示
す。
【0048】
【比較例4】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍延伸した後、
その片側に、カーボンブラック含有黒色塗料(日本ペイ
ント(株)社製アクリル塗料「オートカラーCS-25」)を厚さ
5μmに塗布した。このフィルムに対して半導体レーザ
装置(発振波長810nm、出力600mW)を用いて2cm/秒の速
度で走査露光した後、異体塗料を剥離し、直交位偏光フ
ィルムに挟むことにより画像記録を確認し、熱寸法安定
性を評価した。
【0049】ついで、直交位偏光フィルムに挟んだまま
平版材の上に重ねUV露光して画像焼付実験を行った。結
果を表Iに示す。
【0050】
【比較例5】高密度ポリエチレン粉末に、ベンゼンジチ
オールニッケル錯体系色素(三井東圧染料(株)社製近赤
外線吸収剤「SIR-159」)を0.02%混合加熱溶融した後、真
空プレス器でフィルム状とした。このフィルムを120℃
で2倍延伸し分子配向異方性ポリマーフィルムを得た。
延伸中に色素のマイグレーションが起きてフィルム中に
色素のムラが生じた。得られたフィルムを半導体レーザ
装置(発振波長780nm、出力600mW)を用いて2cm/秒の速
度で走査露光した後、直交位偏光フィルムに挟むことに
より画像記録を確認し、熱寸法安定性を評価した。
【0051】ついで、直交位偏光フィルムに挟んだま
ま、平版材に重ね、UV露光して画像焼付実験を行った。
結果を表Iに示す。
【0052】
【実施例7】高密度ポリエチレンフィルム(東燃化学社
製「ルピック」、厚さ20μm)を120℃で1.2倍延伸した後、
その片側に以下の式に示す構造のシアニン系色素(コダ
ック社製「IR-140」)0.2部、ポリビニルブチラール樹脂9.
8部、メチルエチルケトン90部からなる塗布液をバーコ
ーターで塗布し、80℃で10分間乾燥した。このフィルム
の色素含有層側にさらにポリカーボネートフィルム(住
友化学工業社製、厚さ100μm)をアクリル系の粘着剤を
使って積層した。この積層体に体して半導体レーザ装置
(発振波長810nm、出力600mW)を用いて2cm/秒の速度で
走査露光した後、直交位偏光フィルムに挟むことにより
画像記録を確認し、熱寸法安定性を評価した。
【0053】ついで、直交位偏光フィルムに挟んだまま
平版材の上に重ね、UV露光して画像焼付実験を行った。
結果を表Iに示す。
【0054】
【化4】
【0055】
【実施例8】ポリカーボネートフィルムの代わりにポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ100μ
m)を用いること以外は実施例8と同様にして、画像記録
と熱寸法安定性の評価および画像焼付実験を行った。結
果を表Iに示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】画像形成工程後も偏光フィルムが劣化し
ないために寸法安定性が良好であり、偏光フィルムを再
使用することが可能なために安価であり、また半導体レ
ーザ装置により画像形成可能なために画像形成コストが
低減される画像記録用積層フィルムが提供された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光方向が互いに平行位または直行位と
    なるように重ねられた2枚の偏光フィルムの間に、少な
    くとも1層の分子配向異方性ポリマーフィルムと少なく
    とも1層の補強層とを有する分子配向異方性積層体を、
    該分子配向異方性ポリマーフィルムが該偏光方向に対し
    てほぼ45゜の方向の分子配向異方性を有するように挟ん
    でなる画像記録用積層フィルム。
  2. 【請求項2】 偏光方向が互いに平行位または直行位と
    なるように重ねられた2枚の偏光フィルムの間に、少な
    くとも1層の分子配向異方性ポリマーフィルムと該分子
    配向異方性ポリマーフィルムの片面もしくは両面上に積
    層されたレーザ光吸収層とを有する分子配向異方性積層
    体を、該分子配向異方性ポリマーフィルムが該偏光方向
    に対してほぼ45゜の方向の分子配向異方性を有するよう
    に挟んでなる画像記録用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 前記分子配向異方性積層体が分子配向異
    方性ポリマーフィルムの片面もしくは両面上に積層され
    たレーザ光吸収層をさらに有する、請求項1記載の画像
    記録用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記2枚の偏光フィルムのうちの一方が
    反射板である、請求項1、2または3のいずれか記載の
    画像記録用積層フィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001026105A1 (de) * 1999-10-01 2001-04-12 Bayer Aktiengesellschaft Verfahren zur digitalen optischen datenspeicherung

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WO2001026105A1 (de) * 1999-10-01 2001-04-12 Bayer Aktiengesellschaft Verfahren zur digitalen optischen datenspeicherung
JP2003511807A (ja) * 1999-10-01 2003-03-25 バイエル アクチェンゲゼルシャフト データをディジタル的及び光学的に記憶する方法
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