JPH05138425A - ボールエンドミル - Google Patents

ボールエンドミル

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JPH05138425A
JPH05138425A JP30639491A JP30639491A JPH05138425A JP H05138425 A JPH05138425 A JP H05138425A JP 30639491 A JP30639491 A JP 30639491A JP 30639491 A JP30639491 A JP 30639491A JP H05138425 A JPH05138425 A JP H05138425A
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cutting
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勝彦 佐藤
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Kazuo Takasaki
和男 高崎
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1009Ball nose end mills
    • B23C5/1018Ball nose end mills with permanently fixed cutting inserts

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボールエンドミルの切刃内周端部の欠損を防
止し、かつ加工面の面粗度を向上させる。 【構成】 工具本体11のチップ挿入溝12、13に、
超高硬度焼結体と高硬度焼結体とを積層した曲刃チップ
19、20をろう付け接合する。チップ19の内周端は
回転中心P0を越えて所定量eだけ突出させ、チップ2
0の内周端は上記突出量eに相当する量だけ回転中心P
0から離間させる。チップ19の内周側に切欠部29を
形成し、これにより切刃25の内周側に回転中心P0
ら離れるシンニング刃30を形成する。チップ19の突
出量eは0.5mm〜D/5mm(D:切刃外周端の回転直
径)の範囲に設定する。シンニング刃30の内周端P2
とチップ20の内周端P3との距離fは1.5mm以内と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工具本体の回転中心
に達する切刃を備えたボールエンドミルに係り、なかで
も切刃チップとして超高硬度焼結体と高硬度焼結体とを
積層した構成の複合チップが採用されたボールエンドミ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金型などの高硬度材料の加工に使
用する切削工具として、切刃チップの素材に立方晶窒化
硼素(以下、CBNという。)やダイヤモンドなどの超
高硬度焼結体を用いたボールエンドミルが広く使用され
つつある。ここで、このようなボールエンドミルでは、
切刃チップの固定手段としてろう付けによる固定方法が
一般的に採用されているが、超高硬度焼結体自体はろう
付けが困難なため、そのままでは切刃チップの接合強度
が不足するという問題がある。そこで、例えば実開昭6
2−181311号に記載されているように、超高硬度
焼結体の裏側にタングステンカーバイド(WC)などの
超硬合金に代表される高硬度焼結体を積層した複合チッ
プを採用し、この複合チップの上記高硬度焼結体によっ
て構成される部分を工具本体にろう付けすることによっ
て切刃チップの接合強度を確保した構成のボールエンド
ミルが提案されている。
【0003】これを図6及び図7を参照して簡略に説明
すると、図示のボールエンドミル1は、軸線Oの回りに
回転せしめられる工具本体2の先端部にチップ挿入溝3
が形成され、このチップ挿入溝3にCBNなどの超高硬
度焼結体4を超硬合金などの高硬度焼結体5で挟み込ん
でなる複合チップ6が、その超高硬度焼結体4の表面を
上記工具本体2の回転方向(図中矢印A方向)に向かっ
て露出させた状態で装着され、この複合チップ6の工具
先端側を向く端面6aと超高硬度焼結体4の表面との交
差稜線部が切刃7とされて概略構成され、上記高硬度焼
結体5がチップ挿入溝3の壁面にろう付け固着されるこ
とにより、複合チップ6の接合強度が確保されている。
【0004】そして、上述したボールエンドミル1で
は、超高硬度焼結体4を研削加工などによって所定形状
に削り落とすことにより、各切刃7を工具本体2の軸線
Oに沿う方向からの正面視で凸曲線を描くように湾曲さ
せており、しかも各切刃7の内周端7aは正確に回転中
心P0に一致せしめられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のボールエンドミル1では、工具本体2の外周側の切
削速度に比して内周側の切削速度が小さくなるため、切
刃7に加わる切削抵抗が工具本体2の内周側へ向かう程
増加する。特に回転中心P0の近傍では切削速度がほぼ
0となるために切削抵抗が極めて高く、かつその切削作
用も被削材を削るというよりはむしろ押し潰すようにな
る。このため、従来のボールエンドミル1は切刃7の内
周端部で欠損が生じ易くて工具寿命が損なわれがちであ
るとともに、回転中心部の押し潰す作用によって被削材
の加工面が損傷してその面粗度が悪化するおそれが大き
いという欠点があった。また、切刃7の形成にあたって
は、これらを所定形状に湾曲させつつそれぞれの内周端
7aを回転中心P0上で突き合わせねばならないので加
工精度の要求が高くて加工に手間がかかるという欠点も
あった。なお、この点は再研磨時にも同様に生じる欠点
である。この発明は、このような背景の下になされたも
ので、切刃の回転中心部における欠損を防止して工具寿
命を向上させ、かつ加工面の損傷を防止でき、しかも製
造が容易なボールエンドミルを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明のボールエンドミルは、軸線回りに回転せ
しめられる工具本体の先端部にチップ挿入溝が形成さ
れ、このチップ挿入溝に超高硬度焼結体と高硬度焼結体
とを積層してなる複合チップが、その超高硬度焼結体の
表面を上記工具本体の回転方向へ向かって露出させた状
態でろう付け接合され、この複合チップの工具先端側を
向く端面と上記超高硬度焼結体の表面との交差稜線部が
切刃とされてなるボールエンドミルであって、上記複合
チップが、その内周端が上記工具本体の回転中心を越え
て反対側へ突出する主刃チップと、その内周端が上記工
具本体の回転中心から離間する副刃チップとに分けて設
けられ、上記主刃チップの内周端の上記工具本体の回転
中心からの突出量は、上記切刃の外周端の回転直径をD
としたときに、0.5mm〜D/5mmの範囲に設定され、
上記主刃チップの上記切刃が形成される稜線部の内周側
には、当該主刃チップの上記超高硬度焼結体の表面から
陥没して上記工具本体の回転中心から離間する切欠部が
形成され、この切欠部によって上記切刃の内周側に上記
工具本体の回転中心から離間するシンニング刃が形成さ
れ、このシンニング刃の内周端に対する上記副刃チップ
の切刃の内周端の離間量が1.5mm以内に設定されてな
るものである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、主刃チップの切刃の内周側
にシンニング刃が形成されることによって当該主刃チッ
プの切刃が工具本体の回転中心から離間する一方、副刃
チップの切刃の内周端も工具本体の回転中心から離間し
ているので、工具本体の回転中心部における切削抵抗が
切刃の内周端を回転中心と一致させる従来例に比して大
きく減少し、切刃の欠損が防止される。また、切刃の内
周端が被削材を押し潰すような作用もなくなって被削材
の加工面の面粗度が向上する。しかも、切刃を回転中心
と一致させる必要もないので、切刃の形成が容易であ
る。
【0008】さらに、各チップの切刃の内周側が回転中
心を越えて反対側へ突出していないので、切刃に加わる
切削荷重が超高硬度焼結体を高硬度焼結体から引き離す
向きに作用せず、超高硬度焼結体の剥がれが防止され
る。なお、この場合、回転中心部では切刃がないために
切削が行われないことになるが、実際にはボールエンド
ミルの径方向への送りによって未切削部分が回転中心か
らずれることにより、結局切刃で削り取られることにな
るから問題はない。
【0009】ここで、上記構成において主刃チップの内
周端の上記工具本体の回転中心からの突出量を0.5mm
〜D/5mmに設定しているのは次の理由による。すなわ
ち突出量を0.5mm未満に設定するのは当該主刃チップ
をろう付け固着する際の誤差からきわめて困難であり、
D/5mm以上に設定すれば主刃チップで切削する範囲が
過剰に拡大して副刃チップによる切削範囲が狭められ主
刃チップの切削抵抗が過剰に増加するからである。ま
た、シンニング刃の内周端に対する副刃チップの切刃内
周端の離間量を1.5mm以内に設定するのは、離間量が
1.5mmを越えた場合でも、副刃チップによる切削領域
が狭められて各チップが負担する切削抵抗の差が著しく
拡大するからである。
【0010】なお、主刃チップのシンニング刃の外周端
の上記工具本体回転中心からの離間量は、当該主刃チッ
プの切刃外周端の回転直径Dなどに応じて適宜定められ
るが、なるべくは0.1〜1.0mmの範囲に設定するこ
とが望ましい。0.1mmに満たないとシンニング刃を設
けたことによる被削材の押し潰し作用の回避効果を十分
に発揮させることができないおそれがあり、他方、1.
0mmを越えると工具本体の回転中心部における切削作用
が生じない領域が過剰に拡大して加工に支障を来すおそ
れが生じるからである。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して、本発明の一実
施例を説明する。まず、本実施例に係るボールエンドミ
ルの全体構成を図4及び図5を参照して説明する。これ
らの図に示すように、本実施例のボールエンドミル10
は、円柱状をなす工具本体11の先端部にチップ挿入溝
12、13が形成され、これらチップ挿入溝12、13
に4枚の切刃チップ14…が装着されてなるもので、各
チップ挿入溝12、13の前方は工具本体11の先端及
び外周に向かって大きく切り欠かれてチップポケット1
5、16とされている。
【0012】切刃チップ14は、チップ挿入溝12、1
3の後端側に取り付けられる直刃チップ17、18と、
これら直刃チップ17、18の先端側に取り付けられる
曲刃チップ19、20とに分けて設けられている。上記
直刃チップ17、18は、いずれも超硬合金等の単一の
高硬度焼結体を四角形平板状に形成してなるもので、そ
のすくい面と逃げ面との交差稜線部に形成された切刃1
7a、18aをチップ挿入溝12、13から工具本体1
1の外周側へ工具軸線Oと平行にかつ工具軸線Oから互
いに等しい量だけ突出させた状態でチップ挿入溝12、
13に挿入されてろう付けにより固着されている。
【0013】一方、図1、図2及び図5により詳細に示
すように、曲刃チップ19、20はいずれもCBNなど
の超高硬度焼結体21、22と、超硬合金などの高硬度
焼結体23、24とが積層されて構成された複合チップ
であり、それぞれ上記超高硬度焼結体21、22の表面
21a、22aを工具本体11の回転方向(図2中矢印
A方向)に向かって露出させた状態でチップ挿入溝1
2、13に挿入され、さらに上記高硬度焼結体23、2
4がチップ挿入溝12、13にろう付けされることによ
って工具本体11と一体化されている。
【0014】また、各曲刃チップ19、20の工具本体
先端側を向く端面19a、20aと上記超高硬度焼結体
21、22の平坦な表面21a、22aとの交差稜線部
には円弧状に湾曲する切刃25、26が形成されてい
る。これら切刃25、26は工具本体11の軸線方向か
らの正面視(図2)において当該工具本体11の径方向
へ一直線に延びるように配置されるとともに、工具本体
11の軸線Oの回りに一の半球面状の回転軌跡を描くよ
うに配置されている。さらに、図4及び図5に示すよう
に、切刃25、26の外周側には工具本体11の軸線O
に沿って平行に延びる直刃27、28が形成され、これ
ら直刃27、28は上述した直刃チップ17、18の切
刃17a、18aと真直ぐ連なっている。なお、各切刃
25〜28のラジアルレーキ角及びアキシャルレーキ角
はともに0゜ とされている。
【0015】そして、図1〜図3に示すように、各曲刃
チップ19、20のうち、一方の曲刃チップ19の内周
端19bは工具本体11の回転中心P0を越えて反対側
へ所定量e(図1参照)だけ突出せしめられ、これによ
り当該曲刃チップ19が本実施例における主刃チップと
されている。これに対して他方の曲刃チップ20の内周
端20bは回転中心P0から上記曲刃チップ19の突出
量e相当分だけ離間せしめられ、これにより当該曲刃チ
ップ20が本実施例における副刃チップとされている。
【0016】ここで、上記突出量eの値は、切刃27、
28の回転直径D(図4参照)に応じて適宜変更される
が、その適正範囲としては0.5mm〜D/5mmの範囲が
用いられる。突出量eを0.5mmよりも小さくすること
はろう付け時の精度の点で困難が多く、他方、D/5mm
を越えて大きくする場合には、主刃チップとなる曲刃チ
ップ19の切削領域が副刃チップたる曲刃チップ20の
側へ過剰に拡大して当該曲刃チップ20の切刃26によ
る切削領域が工具本体11の外周側へ大きく後退し、こ
れにより曲刃チップ19に加わる切削抵抗のみが著しく
増加してびびり振動の発生や曲刃チップ19、20の寿
命差拡大等の不都合を招くおそれが大きいからである。
ちなみに、図示の例では回転直径D=25mmに対して突
出量eが1.0mmに設定されている。
【0017】曲刃チップ19の切刃25が形成される稜
線部の内周端側には、当該曲刃チップ19の超高硬度焼
結体21の表面21aから陥没する切欠部29が形成さ
れ、この切欠部29によって切刃25の内周側には工具
本体11の回転中心P0から離間するシンニング刃30
が形成されている。切欠部29は、工具本体11の軸線
方向からの正面視(図3)において切刃25に対して一
定のシンニング角θで傾く底面29aと、超高硬度焼結
体21の表面21a側からの側面視(図1)で工具軸線
Oに対して一定のシンニング角φで傾く側壁面29bと
を有してなるもので、曲刃チップ19をチップ挿入溝1
2にろう付け固着した後に形成されている。なお、上記
シンニング角θ及びφは切削条件等に応じて適宜変更さ
れるものであるが、θはなるべくは5゜ 〜25゜ の範
囲、より好ましくは10゜ 〜15゜の範囲、φはなるべ
くは20゜ 〜70゜ の範囲、より好ましくは40゜ 〜4
5゜の範囲が好適に用いられる。ちなみに、図示の例で
はθ=30゜ 、φ=45゜ に設定されている。
【0018】また、シンニング刃30の外周端P1の回
転中心P0からの離間量g(図3参照)は、上記回転直
径Dや切削条件等に応じて適宜変更されるものである
が、なるべくは0.1mm〜1.0mmの範囲に設定するこ
とが望ましい。0.1mmに満たないと切刃25の内周部
における被削材の押し潰し作用を十分に低減させること
ができないおそれがあり、他方、1.0mmを越えると回
転中心P0の近傍における切削作用が生じない領域が過
剰に拡大して加工に支障を来すおそれが生じるからであ
る。また、シンニング刃30の切刃25からの後退量h
については0.05〜1mmの範囲が好適に用いられる。
ちなみに図示の例ではh=0.3mmとされている。
【0019】図1に示すように、曲刃チップ19、20
の先端部には切刃25、26の欠損を防止するための面
取部31、32が形成され、これにより切刃25、26
の内周端同士、正確にはシンニング刃30の内周端P2
と切刃26の内周端P3とが径方向に所定量fだけ離さ
れている。この離間量fも上述した突出量eと同様に回
転直径D等に応じて適宜定められるものであるが、その
適正範囲は1.5mm以内とされる。離間量fが1.5mm
を越えた場合には、上記突出量eに従う限りにおいて、
曲刃チップ20の切刃26の内周端P3と回転中心P0
の距離kが過剰に増加して当該切刃26による切削領域
が工具本体11の外周側へ大きく後退し、これにより曲
刃チップ19に加わる切削抵抗のみが著しく増加してび
びり振動の発生や曲刃チップ19、20の寿命差拡大等
の不都合を招くおそれが大きいからである。ちなみに、
上記距離kは1.3mm〜1.5mmに設定されている。
【0020】なお、上記面取部31、32の開角αは9
0゜ に設定され、しかも開角αは工具本体11の軸線O
に沿う方向に対して左右対称に振り分けられている。ま
た、面取部30によって切り欠かれるシンニング刃30
の内周端P2と工具本体11の回転中心P0との径方向へ
の距離jは0.3〜0.8mmの範囲が好適に用いられ、
図示の例では0.6mmとされている。
【0021】以上のように構成されたボールエンドミル
10においては、主刃チップとされる曲刃チップ19の
切刃25の内周側にシンニング刃30が形成されること
により当該切刃25の内周側が回転中心P0から離間せ
しめられる一方で、副刃チップとされる曲刃チップ20
の切刃26の内周部も回転中心P0から離間しているの
で、工具本体11の回転中心部における切削抵抗が、切
刃内周端を回転中心P0と一致させた場合に比して大き
く減少し、これにより切刃25、26の欠損が防止され
る。また、切刃25、26の内周端部が被削材を押し潰
すような作用もなくなって被削材の加工面の面粗度が向
上する。
【0022】しかも、切刃25、26の形成に際しては
それぞれの内周部を回転中心P0と一致させる必要もな
いので加工が容易である。さらに、切刃25、26のす
くい面とされる超高硬度焼結体21、22の表面21
a、22aを平坦面としているため、凸曲線状に湾曲す
る切刃を形成する従来例に比して切刃25、26の形成
や再研磨をきわめて容易に行うことができる。
【0023】さらに、切刃25の内周側にシンニング刃
30が形成されることによって当該切刃25の内周部が
回転中心P0から離間しているので、超高硬度焼結体2
1の高硬度焼結体23からの剥がれも防止される。すな
わち、仮にシンニング刃30を設けることなく切刃25
の内周端部を回転中心P0を越えて真直ぐ反対側まで延
長した場合には、回転中心P0を越えるオーバーハング
領域で工具本体11の切刃25に対する相対的な回転方
向が反転する。このため、切刃25に加わる切削荷重も
切刃25からチップポケット15へ向かう方向へと作用
し、これにより超高硬度焼結体21を高硬度焼結体23
から引き離す力が発生して容易に切刃欠損を招くことに
なる。この点本実施例ではシンニング刃30によって切
刃25の内周部が回転中心P0から離れているので、切
刃25に加わる切削荷重はすべて超高硬度焼結体21を
高硬度焼結体23へ押し付けるように作用し、このため
超高硬度焼結体21の剥がれも防止されて工具寿命が一
層向上し、かつ損傷した切刃25によって加工面が荒さ
れて面粗度が劣化することもない。
【0024】さらに、本実施例によれば曲刃チップ19
の内周端の回転中心P0からの突出量e、及び、シンニ
ング刃30の内周端P2から曲刃チップ20の切刃26
の内周端P3までの距離fが上述した範囲に設定される
ことにより、曲刃チップ19、20に加わる切削抵抗の
差の不当な拡大が防止されているので、切削抵抗のアン
バランスによるびびり振動の発生が防止されて加工精度
が一層向上するとともに、チップ19、20間の寿命差
が過剰に拡大せず、両チップ19、20を無駄なく使用
できて経済性も高まる。この点、特に本実施例の対象と
するボールエンドミルでは、回転中心P0から外周側へ
離間する程切屑厚さが増加するという特性があるため、
各曲刃チップ19の切削領域が曲刃チップ20の外周側
へ拡大する程切削抵抗のアンバランスも著しくなり、従
って、上記突出量e及び距離fを上述の範囲に規制する
必要性が高い。
【0025】なお、本実施例のボールエンドミルの場
合、工具本体11の回転中心P0に切刃がないために、
かかる部分では切削が行われないことになるが、実際に
は工具本体11の径方向への送りによって未切削部分が
回転中心P0からずれることにより、結局未切削部分が
切刃25、26で削り取られることになるから問題はな
い。
【0026】ここで、切刃25を回転中心P0から離間
させるためには、曲刃チップ19の内周端部19bを曲
刃チップ20と同様に回転中心P0から離間させること
も考えられるが、本実施例ではあえて曲刃チップ19の
内周端部19bを回転中心P0を越えて反対側へ突出さ
せた上でわざわざ切欠部29を形成してシンニング刃3
0を配設し、これにより切刃25を回転中心P0から離
間させている。これは以下の理由によるものである。
【0027】すなわち、曲刃チップ19、20の位置
は、これらをろう付けする際の誤差によって比較的大き
く変化するために、曲刃チップ19の内周端部19bを
回転中心P0から離間させた場合には、シンニング刃3
0の外周端P1の回転中心P0からの離間量gが大きく変
動するおそれがあり、このため、曲刃チップ19のろう
付け作業に慎重を期す必要が生じる。また切刃25を確
実に回転中心P0から離間させるために曲刃チップ19
自体の回転中心P0からの離間量を誤差を見込んで大き
く設定しなければならないが、これでは切刃25が回転
中心P0から著しく離れてしまうことがあり、かかる場
合には回転中心部における未切削領域が著しく拡大す
る。これに対して、本実施例の場合には、切欠部29の
形成時の誤差でシンニング刃30の外周端P1の位置が
変化するだけで曲刃チップ19の内周端の回転中心P0
からの突出量eは切刃25の位置に関係しないから、ろ
う付け誤差によってシンニング刃30の外周端P1の離
間量gが不必要に増大して未切削領域が不当に拡大する
おそれがなく、従ってろう付け作業も容易に行うことが
できてボールエンドミルの製造が一層容易となる。
【0028】図1〜図5に示す例はあくまで本発明の好
適な一実施例を示すものであり、例えば、切欠部29の
形状は球面状に陥没するもの等切刃25を回転中心P0
から離間させ得るものであればあらゆる形状が含まれ
る。また、曲刃チップ19、20における超高硬度焼結
体21、22の厚さ等は必要に応じて適宜変更され得る
ものであり、直刃チップ17、18は必ずしも必要でな
いこと勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
切刃の内周側が工具本体の回転中心から離間しているの
で切刃内周側における切削抵抗が減少し、切刃の欠損が
防止されて工具寿命が向上するとともに切刃の内周端部
が被削材を押し潰すような作用もなくなって被削材の加
工面の面粗度が向上する。
【0030】また、切刃を回転中心と一致させる必要も
ないので切刃の形成が容易である。しかも、特に切刃チ
ップの内周端を回転中心を越えて反対側へ突出させた上
で切欠部を形成してシンニング刃を設けることにより、
切刃を回転中心から離間させているので、ろう付け時の
誤差によって切刃の回転中心からの離間量が不必要に増
大して回転中心部における未切削領域が大きく拡大する
こともなく、このため、ろう付け作業も容易に行うこと
ができてボールエンドミルの製造が一層容易となる。
【0031】加えて、主刃チップの内周端の回転中心か
らの突出量、及び、シンニング刃の内周端から副刃チッ
プの切刃の内周端までの距離が適切な範囲に規制される
ことにより、これらのチップに加わる切削抵抗差の拡大
が防止されているので、切削抵抗のアンバランスによる
びびり振動の発生が防止されて加工精度が一層向上する
とともに、チップ間の寿命差が過剰に拡大せず、両チッ
プを無駄なく使用できて経済性も高まる。
【0032】さらに、切刃の内周端が回転中心を越えて
いないので、切刃に加わる切削荷重が超高硬度焼結体を
高硬度焼結体から引き離す向きに作用せず、超高硬度焼
結体の剥がれが防止され、この点でも工具寿命が向上
し、かつ損傷した切刃によって被削材の加工面が荒され
て加工面の面粗度が劣化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るボールエンドミルの先
端部を、主刃チップの超硬高硬度焼結体の表面側から見
た状態を示す側面図である。
【図2】図1に示すボールエンドミルの軸線方向からの
正面図である。
【図3】図2における主刃チップの内周側を拡大して示
す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るボールエンドミルの全
体構成を示す側面図である。
【図5】図4のV方向からの矢視図である。
【図6】従来のボールエンドミルの側面図である。
【図7】図6のVII方向からの矢視図である。
【符号の説明】
10 ボールエンドミル 11 工具本体 12,13 チップ挿入溝 19 曲刃チップ(主刃チップ) 20 曲刃チップ(副刃チップ) 21,22 超高硬度焼結体 23,24 高硬度焼結体 25,26 切刃 25a,26a 切刃の内周端 29 切欠部 30 シンニング刃 O 工具本体の軸線 P0 回転中心 P1 シンニング刃の外周端 P2 シンニング刃の内周端 P3 副刃チップの切刃の内周端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 和男 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 (72)発明者 小寺 雄一 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転せしめられる工具本体の
    先端部にチップ挿入溝が形成され、このチップ挿入溝の
    少なくとも先端側には超高硬度焼結体と高硬度焼結体と
    を積層してなる複合チップが、その超高硬度焼結体の表
    面を上記工具本体の回転方向へ向かって露出させた状態
    でろう付け接合され、この複合チップの工具先端側を向
    く端面と上記超高硬度焼結体の表面との交差稜線部が切
    刃とされてなるボールエンドミルであって、 上記複合チップは、その内周端が上記工具本体の回転中
    心を越えて反対側へ突出する主刃チップと、その内周端
    が上記工具本体の回転中心から離間する副刃チップとに
    分けて設けられ、 上記主刃チップの内周端の上記工具本体の回転中心から
    の突出量は、上記切刃の外周端の回転直径をDとしたと
    きに、0.5mm〜D/5mmの範囲に設定され、 上記主刃チップの上記切刃が形成される稜線部の内周側
    には、当該主刃チップの上記超高硬度焼結体の表面から
    陥没する切欠部が形成され、この切欠部によって上記切
    刃の内周側に上記工具本体の回転中心から離間するシン
    ニング刃が形成され、 このシンニング刃の内周端に対する上記副刃チップの切
    刃の内周端の離間量が1.5mm以内に設定され、ている
    ことを特徴とするボールエンドミル。
  2. 【請求項2】 上記主刃チップのシンニング刃の外周端
    の上記工具本体回転中心からの離間量が0.1〜1.0
    mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記
    載のボールエンドミル。
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JPH10156616A (ja) * 1996-12-05 1998-06-16 Hitachi Tool Eng Co Ltd スローアウェイ式ラジアスエンドミル
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