JPH05137222A - ジヨイントプロテクタ返し用金車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線の延線工事に際して、ジョイントプロテ
クタを円滑に金車を通過せしめることにより、電線の損
傷を防ぎ、作業の安全性を高めることである。 【構成】 主金車１０から延線方向と反対方向にプロテ
クタ２０より長い間隔をおいて補助金車１１を設け、主
金車１０と補助金車１１の各支持枠１３、１５に連結杆
１９の両端を回動自在に取付け、上記補助金車１１をセ
ビワイヤロープ２１等の可動金車コードにより昇降自在
に吊下げ、プロテクタ２０が主金車１０を通過する際、
補助金車１１を主金車１０の高さまで引上げるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は延線工事に用いられる
金車に関し、特に送電線のジョイント部分にプロテクタ
を装着した場合に、そのプロテクタを支障なく通過させ
る金車、即ちジョイントプロテクタ返し用金車に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】送電線のジョイント部分のプロテクタは
１〜２ｍ程度の金属製保護管により構成される。

【０００３】一方、延線工事の際、電線は鉄塔の腕金に
吊下げられた金車の両側で弛みを生じる。両側の弛みが
大きくなると（即ち、両側の電線間の角度が小さくなる
と）、上記のプロテクタが円滑に金車を通過することが
困難となり、無理に引張って通過させると、電線とプロ
テクタ端末の曲げ角度が大きくなり、また過大張力が作
用する。このため、プロテクタ及び電線を損傷させるお
それがあり、また通過直後に電線のバウンドか発生し作
業上危険な状態となる。

【０００４】このため、プロテクタを円滑に通過させる
ために従来から行われている方法は、図５に示すよう
に、プロテクタ１が金車２の手前に達すると、一旦延線
を停止して、鉄塔３上の作業者がプロテクタ１の後方の
電線４に吊りロープ５を結び、その吊りロープ５をセビ
ワイヤロープ６の下端滑車７のフック８に掛ける。その
後、地上のウィンチでセビワイヤロープ６を引張り、こ
れによりプロテクタ１の後端をほぼ金車２の高さまで引
上げ、ドラム場及びエンジン場のオペレータと連絡をと
りながら金車２を通過させ、通過後吊りロープ５を外し
て延線を再開する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のプロテ
クタ返し方法は、プロテクタ１が金車２を通過した直後
に一気に下降方向へ走ることがあり、その際に吊りロー
プ５やセビワイヤロープ６が金車２に巻込まれる。これ
を防止するためには、鉄塔上の作業者とドラム場及びエ
ンジン場のオペレータとの緊密な連繋作業により、プロ
テクタ１を徐々に通過させ、通過直後に停止させる作業
が必要となり、相当の熟練を要する。

【０００６】また、電線サイズが大きくなると、吊りロ
ープ５に代えてカムアロングを用いて電線４を引上げる
ことになるが、そうすると、電線４の損傷率が高くなる
問題も生じる。

【０００７】そこで、この発明は上記のごとき問題点を
解消したプロテクタ返し用金車を提供することを課題と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は主金車から延線方向と反対方向にジョ
イントプロテクタより長い間隔をおいて補助金車を設
け、上記主金車の支持枠と補助金車の支持枠に連結枠の
両端を回動自在に取付け、上記主金車の支持枠を固定金
車コードにより吊下げ、上記補助金車の支持枠を可動金
車コードにより昇降自在に吊下げた構成としたものであ
る。

【０００９】

【作用】上記構成のジョイントプロテクタ返し用金車
は、主金車を固定金車コードにより、また補助金車を可
動金車コードによりそれぞれ鉄塔の腕金に取付け、可動
金車コードを地上のウィンチに連結して使用に供され
る。

【００１０】延線中、プロテクタが補助金車と主金車と
の間に達すると延線を一旦停止し、地上のウィンチを駆
動させて補助金車をほぼ主金車の高さまで引上げる。し
かるのちに延線を再開すると、プロテクタが主金車を円
滑に通過する。その後、地上のウィンチを逆転させて補
助金車を元の状態に戻す。

【００１１】

【実施例】実施例のジョイントプロテクタ返し用金車
は、図１に示すように主金車１０と補助金車１１を有す
る。主金車１０は３輪金車１２を支持枠１３により回転
自在に支持したものであり、その支持枠１３の上端に固
定金車コード１４の下端が取付けられる。

【００１２】上記の３輪金車１２は、中央の金車により
メッセンジャワイヤを担持し、両側の金車により２本の
電線の各１本を担持する。

【００１３】補助金車１１は、支持枠１５の内側下部に
２輪金車１６を回転自在に支持すると共に、その２輪金
車１６の間に固定部材１７を取付ける。上記の２輪金車
１６は２本の電線の各１本を担持し、固定部材１７はメ
ッセンジャワイヤを担持する。また上記の２輪金車１６
及び固定部材１７に対向してその上方に所要の間隔をお
いて３個の案内ローラ１８設けられる。

【００１４】上記の補助金車１１は、主金車１０から延
線方向と反対方向に配置され、両方の支持枠１３、１５
の両側面に連結杆１９の両端を軸１９’により回動自在
に取付け、その連結杆１９により両方の支持枠１３、１
５間をプロテクタ２０（図２参照）の長さより長い間隔
をもつように設定している。また補助金車１１の支持枠
１５の上端にセビワイヤロープ２１の下部滑車２２のフ
ック２３を引掛けている。

【００１５】実施例のジョイントプロテクタ返し用金車
は以上のように構成され、次にその使用方法について説
明する。

【００１６】延線工事に際しては、図２に示すように、
主金車１０の固定金車コード１４の上端を鉄塔の腕金２
４に取付けると共に、補助金車１１のセビワイヤロープ
２１の上部滑車２５を同じ腕金２４に取付ける。セビワ
イヤロープ２１の他端は地上のウィンチに巻付けられ
る。補助金車１１はセビワイヤロープ２１を適当に緩め
ることにより、電線２６の弛み角に従って主金車１０よ
りも低い位置になるように設置される。

【００１７】２本の電線２６は、補助金車１１の両側の
案内ローラ１８の下面で案内され、主金車１０に担持さ
れて延線される。

【００１８】延線が進んでプロテクタ２０が図３に示す
ように主金車１０と補助金車１１との間に達したことを
地上からの監視等により確認すると、延線を一旦停止す
る。

【００１９】次に、図４に示すように地上のウィンチを
駆動してセビワイヤロープ２１を引張り、補助金車１１
をほぼ主金車１０の高さまで引上げる。これにより、プ
ロテクタ２０より後方の電線２６は、補助金車１１の２
輪金車１６に担持される。また主金車１０の両側におけ
る電線２６相互間の角度が大きくなる。従って、この状
態から延線を再開するとプロテクタ２０は円滑に主金車
１０を通過する。

【００２０】しかるのち、セビワイヤロープ２１を緩
め、補助金車１１を元の状態に戻すことにより、プロテ
クタ返しを終了する。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、この発明は主金車と連結
杆によって間隔保持された補助金車を用い、その補助金
車をセビワイヤロープにより昇降するようにしたので、
プロテクタが主金車を通過する際、補助金車側を持上げ
ることができる。これにより電線とジョイントプロテク
タ末端の曲げ角が緩和され、電線に対する悪影響をもた
らすこと無く延線を行うことができる。

【００２２】また、プロテクタが主金車を通過する際の
過張力の発生や通過直後の電線のバウンド等の発生が抑
制されるので、電線の損傷を防ぎ、かつ作業の安全性を
高めることができる。

【００２３】更に、補助金車は連結杆により主金車との
間隔が保持されるので、補助金車が主金車側に引き込ま
れることがなく、円滑にプロテクタ返しを行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の斜視図

【図２】同上の使用状態の正面図

【図３】同上の使用状態の正面図

【図４】同上の使用状態の正面図

【図５】従来例の正面図

【符号の説明】

１０ 主金車 １１ 補助金車 １２ ３輪金車 １３ 支持枠 １４ 固定金車コード １５ 支持枠 １６ ２輪金車 １７ 固定部材 １８ 案内ローラ １９ 連結杆 １９’軸 ２０ プロテクタ ２１ セビワイヤロープ ２２ 下部滑車 ２３ フック ２４ 腕金 ２５ 上部滑車 ２６ 電線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主金車から延線方向と反対方向にジョイ
   ントプロテクタより長い間隔をおいて補助金車を設け、
   上記主金車の支持枠と補助金車の支持枠に連結枠の両端
   を回動自在に取付け、上記主金車の支持枠を固定金車コ
   ードにより吊下げ、上記補助金車の支持枠を可動金車コ
   ードにより昇降自在に吊下げてなるジョイントプロテク
   タ返し用金車。