JPH05136409A - シリコンmos型電界効果トランジスタ - Google Patents

シリコンmos型電界効果トランジスタ

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JPH05136409A
JPH05136409A JP31173791A JP31173791A JPH05136409A JP H05136409 A JPH05136409 A JP H05136409A JP 31173791 A JP31173791 A JP 31173791A JP 31173791 A JP31173791 A JP 31173791A JP H05136409 A JPH05136409 A JP H05136409A
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mosfet
potential barrier
substrate
source
drain
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Mitsuchika Saito
光親 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極低温動作型MOSFETの動作速度の飛躍
的向上を図り、ゲート長が0.1μm程度以下の微細M
OSFETについても低温の利点を効果的に引き出す。 【構成】 本発明では等価的に真正半導体と見なされる
シリコンを基板として使用するためpn接合は形成され
ず、空間電荷層に付随する電位障壁は形成されないが、
該障壁に代えてソース・ドレイン領域4,4′における
バンドギャップナローイング効果に起因する電位障壁7
が、適当な極低温かつ適当な低電源電圧において、MO
SFETのオフ状態を実現する。該効果に起因する電位
障壁だけでは上記オフ状態を保てない場合には、チャネ
ル下基板中にソース・ドレインとは逆の伝導型高濃度不
純物領域2を埋め込む。これによりキャリアに対するポ
テンシャルの山8が、前記電位障壁7に加えて形成さ
れ、より高い温度あるいは電源電圧でも前記オフ状態の
実現が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ULSI回路装置等の
シリコンLSIに応用されるシリコンMOS型電界効果
トランジスタ(MOSFET)に関し、極低温動作時の
動作速度の向上を図る極低温動作型MOSFETに関す
る。
【0002】
【技術背景】従来の低温動作型MOSFETの概略を説
明する。MOSFETにおいては、その動作速度に関わ
る要因の一つにサブスレッショルド領域(スレッショル
ド電圧V t以下の動作領域)の特性がある。サブスレシ
ョッルド領域においては、ドレイン電流Idとゲート電
圧Vgの関係は次式のように表される。 Id∝10-Vg/S ここで、Sはサブスレッショルドスイングと呼ばれ、こ
の領域の特性を端的に表す量である。上式では、慣例に
従って、Sの単位はV/decとした。この式から分る
ように、Sが小さい程IdはVgに対して急激に変化す
る。従って、同じチャネルリーク電流(Vg=0Vのと
きのId)の仕様に対してSが小さい程、Vtを低く設定
することができ、Vtが低い分だけ電流駆動能力が向上
し、その結果動作速度が向上する。さて、詳述は省略す
るが、Sは動作温度(絶対温度)に比例する。従って、
動作温度が低いほどVtを低く設定でき、その分動作温
度が向上する。Vtが低いことは、低温動作型MOSF
ETの高速性の主な要因の一つである。そして、概して
言えば、低いVtは基板不純物濃度を低くすることによ
り得られる。このようなことから、低温動作型MOSF
ETでは、通常、室温動作型MOSFETに比べて基板
不純物濃度は低く設定される。
【0003】しかし、低温動作型MOSFETにおいて
も、室温動作型の場合と同様、いわゆる短チャネル効果
を抑制しなければならず、このために基板不純物濃度を
高くする必要がある。そして、この短チャネル効果を抑
制するために必要な基板不純物濃度は素子の微細化に伴
って高くなる。結局、概して言えば、低温動作型MOS
FETの基板不純物濃度は、同じ寸法の室温動作型のそ
れに比べて低く設定できるものの、素子の微細化に伴っ
て高くしなければならない。以上が従来技術の概略であ
るが、詳しくは、例えば、文献 J.Y.Sum et.al.,“Subm
icrometer-Channel CM0S for Low-Temperature Operati
on, ”IEEETrans.Electron Devices,vol ED-34,pp.19-2
7,Jan.1987. に述べられている。
【0004】しかし、上記従来技術においては、以下に
述べる問題点が解決されない。 (1)基板不純物濃度の増加は、反転層にかかる垂直電
界の増大を引き起す。これにより、反転層中のキャリア
移動度とキャリア飽和速度が低下する。上記移動度およ
び飽和速度の低下は、デバイス微細化による動作速度の
向上を抑えるように働くことになる。 (2)また基板不純物濃度の増大は、ソース・基板接合
並びにドレイン・基板接合の接合容量Cjの増大をもた
らす。このCjの増大も、デバイス微細化による動作速
度の向上を抑える。 (3)更に基板不純物濃度の増加は、不可避的なVt
増加をもたらす。この結果、ゲート長Lがある限界値L
min以下になると例えばSiエピタキシャル成長のような
高度なチャネル不純物プロファイル制御技術を使用して
も、もはや動作温度に見合ったVtを持つMOSFET
を作成することが不可能になる。ここで、「動作温度に
見合ったVt」とは、与えられた動作温度においてチャ
ネルリーク電流の仕様を満たす最低のVtのことを指
し、高速動作を目的とするMOSFETでは一般にチャ
ネル不純物プロファイル制御技術を用いてこのVtを実
現している。上記Lminの値は、例えば、文献 M.Aoki
et.al.,“0.1 μm CMOS Devices Using Low-Impurity-C
hannel Transistors(LICT),”in IEDM Tech.Dig.,pp.93
9-941,1990. によれば、T=77Kかつ動作温度に見合
ったVtを0.15Vとしたとき、0.1μm程度と見
積られる。したがって、従来技術では、動作温度が77
Kの場合、Lが0.1μm程度以下になると低温の利点
を引き出す効果が減少する。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、基板不純物濃度の増大
に起因する上記(1)〜(3)の不都合、すなわち、反
転層にかかる垂直電界の増加、ソース・基板接合並びに
ドレイン・基板接合の接合容量の増大及び不可避的なV
tの増加を解消することで、従来の極低温動作MOSF
ETより高速の動作を実現し、さらにゲート長L=0.
1μm程度以下の微細MOSFETに対しても低温の利
点を効果的に引き出すことができる極低温動作型シリコ
ンMOSFETを提供することにある。
【0006】
【発明の概要】本発明のシリコンMOSFETは極低温
動作型であり、通常、例えば液体窒素温度77K程度も
しくはそれ以下の極低温で使用される。従来の極低温動
作型シリコンMOSFETではソース・ドレインとは逆
の伝導型のシリコンを基板として使用する。したがっ
て、ソース・ドレインと基板の境界にpn接合が形成さ
れる。MOSFETのオフ状態はこのpn接合に付随す
る空間電荷層によって形成される電位障壁により実現さ
れる。そして、いわゆる短チャネル効果を抑制するため
に、微細化すなわちゲート長Lの縮小に伴ってその基板
不純物濃度を高くする。このことが上記(1)〜(3)
等の不都合をもたらす。これに対し、本発明の極低温動
作型シリコンMOSFETでは等価的に真正半導体と見
なされるシリコンを基板として使用する。したがって、
pn接合は形成されず、空間電荷層もそれに付随する電
位障壁も形成されない。ここでは、該電位障壁の代わり
に、ソース・ドレイン領域におけるバンドギャップナロ
ーイング効果に起因する電位障壁がMOSFETのオフ
状態を実現する。この電位障壁の高さは、文献(後記)
より、約90meVと見積もられる。これは、適当な極
低温かつ適当に低い電源電圧においては、MOSFET
のオフ状態を実現するのに十分な値である。温度あるい
は電源電圧が上記条件を満たさない場合には、前記バン
ドギャップナローイング効果に起因する電位障壁だけで
はMOSFETをオフ状態に保つことができなくなる。
このような場合には、チャネル下の基板中にソース・ド
レインとは逆の伝導型の高濃度不純物領域を埋め込む。
この高濃度不純物領域には内蔵電位が発生し、これに対
応する電界はキャリアをソース方向へ押し戻す作用をす
る。換言すると、キャリアに対するポテンシャルの山
が、前記バンドギャップナローイング効果に起因する電
位障壁に加えて形成される。その結果、より高い温度あ
るいはより高い電源電圧でもMOSFETのオフ状態を
実現することができるようになる。
【0007】上記構成の本発明の極低温動作型シリコン
MOSFETでは、従来型に比べて、シリコン表面反転
層すなわち伝導チャネルにかかる垂直電界が小さい。こ
のため、キャリア移動度とキャリア飽和速度が大きく、
したがって電流駆動能力が高い。また、従来型において
形成されるような空間電荷層を挟んでなるソース/基板
間、およびドレイン/基板間のキャパシタは形成されな
い。このため、ソース/基板間、およびドレイン/基板
間の容量は大幅に低減される。さらに、従来型において
起こるような微細化に伴う不可避的なVtの増大は起こ
らない。このため、従来型に比べて、より微細でより高
性能なMOSFETを作成することができる。
【0008】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1(a)〜
(d),図2(a),(b)及び図3(a)〜(d)に
より説明する。なお、本発明の極低温動作型シリコンM
OSFETでは、ゲート長Lの値は、0.1μm以下と
することができるが、以下に述べる実施例では、L=
0.2μmのnチャネルMOSFETを作成する場合を
説明する。なお、本発明における基板としては、不純物
濃度が実質的に真性半導体とみなせる程度に低いものが
使用される。
【0009】図1(a)は第1実施例におけるシリコン
MOSFETの断面を模式的に表したものである。ここ
で、同図(a)の基板1として、例えば1×1014cm
3以下のほう素(B)がドーピングされたp型Si
(100)ウエハが使用される。 上記MOSFETの
作成プロセスを簡単に説明する。まず、図2(a)に示
すように、基板1の表面に埋込p領域2を形成する。こ
の埋込p領域2を形成するためには、例えばフォトリソ
グラフィー技術、イオン注入技術とラピッドサーマルア
ニール(RTA)技術等を使用する。埋込p領域2の不
純物濃度は、例えば5×1018cm-3程度とする。次に
低温Siエピタキシャル成長技術を用いて、基板1と同
じ、すなわち1×1014cm- 3以下のボロン(B)がド
ーピングされたSi層を0.2μm成長させる。この結
果、図2(b)に示すような、p領域が基板1に埋め込
まれた構造が形成される。
【0010】次に素子間分離を施す。この素子間分離は
埋込p領域2の不純物の拡散がほとんど起こらないよ
う、高温長時間の熱処理を含まない技術によって形成す
る。このような技術としては、例えばトレンチアイソレ
ーション、すなわちトレンチを基板面に形成しておき、
このトレンチに酸化シリコン(SiO2)等を埋め込む方
法がある。この後、通常のポリシリコンゲートMOSF
ET作成プロセスによってMOSFETを作成するが、
ここでも上記の素子間分離の場合と同様、埋込p領域2
の不純物の拡散がほとんど起こらないようなプロセスが
採用される。そして、最終的には、図1(a)の断面図
に示すような構造が形成される。なお、同図(a)では
素子間分離のための手段の図示は省略されている。
【0011】図1(b)〜(d)は、同図(a)におけ
るα−α′とβ−β′に沿うエネルギーバンド構造を模
式的に示す図である。なお、比較のために図3(a)に
従来技術によるMOSFETの断面構造を、図3(b)
〜(d)に同図(a)におけるα−α′とβ−β′に沿
うエネルギーバンド構造の模式図を示す。なお、図1
(b),(d)および図3(b),(d)に示すエネル
ギー準位はすべての電極の印加電圧が0の場合(すなわ
ち、熱平衡状態)におけるものであり、図1(c)及び
図3(c)はドレイン電圧(ソース電極に対して正の電
圧)が印加された場合のα−α′のエネルギーバンド構
造を示す図である。
【0012】以下、図1(a)に示す本実施例のMOS
FETの動作を、図3(a)に示す従来技術のMOSF
ETと対比しながら説明する。最初に、オフ状態につい
て述べるが、そのためにまずVg=Vd=0Vの場合につ
いて図1(b)と図3(b)を参照しながら説明する。
従来技術MOSFETでは基板1′が6×1017cm-3
程度の不純物濃度のp型であるため、ソース4,ドレイ
ン4′及びゲート3の下の部分に空間電荷領域5が形成
される。したがって、α−α′に沿うエネルギーバンド
構造は図3(b)のようになる。すなわち、キャリア
(電子)に対して約1eVのポテンシャルバリア6が形
成され、このポテンシャルバリア6がソース4・ドレイ
ン4′間のリーク電流を防いでいる。一方、本実施例の
MOSFETでは、基板1は実質的に真性半導体である
ため空間電荷領域は形成されないが、それにもかかわら
ず図1(b)に示すポテンシャルバリアが形成される。
このポテンシャルバリアは2つの部分、7と8から成
る。これらのうち、バリア7はソース領域(n+拡散
層)4において、その不純物濃度が高いために起こるバ
ンドギャップナローイング効果に起因するものであり、
その高さは、例えば、 N.Lifshitz,"Dependence of th
e Work-Function Difference Between the Polysilicon
Gate and Silicon Substrate on the Doping Level in
Polysilicon,"IEEE Trans.Electron Devices,vol ED-3
2,pp.617-621,Mar.1985. に示されているデータを参照
すれば、約90meVと見積もられる。ポテンシャルバ
リアの他方のバリア8は埋込p領域2がもつビルトイン
ポテンシャルに起因するポテンシャルである。
【0013】次に、Vd>0の場合について図1(c)
と図3(c)を参照しながら説明する。図3(c)と図
1(c)は、それぞれ、従来技術MOSFETと本実施
例MOSFETについて、ドレインに電源電圧(例えば
2V)が印加された場合のα−α′に沿うエネルギーバ
ンド構造の模式図である。従来構造では、よく知られて
いるように、ドレイン電圧の印加によってドレイン側の
空間電荷領域がソース方向に延びるが、ポテンシャルバ
リア6はほとんど変化しない。これは、ドレイン側の空
間電荷領域とソース側の空間電荷領域とがぶつかること
がないように基板不純物濃度を高く設定してあるためで
ある。一方、本発明のMOSFETでは、ポテンシャル
の形は埋込p領域の持つ内蔵電位に対応する電界とドレ
インからの電界の合成によって決まり、図1(c)のよ
うになる。ソース近傍ではドレインの影響は弱く、ポテ
ンシャルバリア8の高さは低くなるものの、全体として
のバリア、即ち7と8とを合わせたバリアはオフ状態を
保つのに十分である。ここで、動作温度はその熱エネル
ギーがバリア7の高さ(約90meV)に比べて十分低
いような温度である。なお、従来技術MOSFETにお
いてもn+層のバンドキャップナローイング効果に起因
するポテンシャルバリアが存在するが、これは空乏層に
起因するポテンシャルバリア6に比べて無視できるた
め、通常、動作解析上考慮されていない。以上が、本実
施例と従来技術とにおける、ソース4・ドレイン4′方
向のエネルギーバンド構造の違いとオフ状態を得る機構
の違いである。
【0014】次に、ゲート−基板方向のエネルギーバン
ド構造の違いを説明する。図1(d)と図3(d)は、
g=0Vの場合の本実施例MOSFETと従来技術M
OSFETとの図1(a),図3(a)におけるβ−
β′に沿うエネルギーバンド構造をそれぞれ示す図であ
る。従来技術MOSFETでは、ゲート酸化膜下に空乏
層が存在(図3(a)参照)し、これにより同図(d)
に示す強いバンドの曲り9が形成される。このため、基
板1′表面に2×105V/cm程度の電界がかかる。
一方、本実施例MOSFETでは電位は基板表面から
0.2μmの深さにわたって直線的に約1V変化する。
したがって、基板1′表面の電界は5×104V/cm
程度になる。このゲート−基板方向のエネルギーバンド
構造の違いはゲート電圧Vgと表面電位ψsとの関係にも
大きな差違をもたらす。一般にψsは、 ψs= Vgg/(Cg+Cd) で与えられる。ここでCg,Cdはそれぞれゲート酸化膜
容量と空乏層容量である。したがって、従来技術MOS
FETでは空乏層の厚さが0.05μm程度であるので
g/(Cg+Cd)の値は約0.7になる。これに対
し、本実施例MOSFETでは埋込p領域上の基板が空
乏層に相当し、この値は0.92と計算される。以上の
計算において、ゲート酸化膜厚dは6nmと仮定した。
【0015】オン状態での動作は、後述する移動度μと
飽和速度Vsの増加がある以外、本実施例MOSFET
においても従来技術MOSFETと同じであり、したが
って通常のMOSFET動作を行う。オン状態において
は、ゲートに印加される正の電圧によりソース近傍に強
い電界がかかり、これによるショットキー効果のため、
バンドギャップナローイング効果に起因するポテンシャ
ルバリア7の高さははオン電流を流すに十分な値に下げ
られる。図1(a)〜(d)および図2(a),(b)
に示した第1実施例ではイオン注入技術を利用したが、
これに代わる方法として、例えば、低温シリコン選択エ
ピタキシャル成長技術を用いることができる。この場合
のプロセスを第2実施例として図4(a)〜(d)にし
たがって説明する。図4(a)は、p領域2が埋込み形
成された基板1上にゲート電極3をパターニングした
後、その表面に例えば8nmの酸化膜10を形成した状
態を示す。ここまでは、前述の第1実施例と同じであ
る。次に、反応性イオンエッチング(RIE)法により
異方的にSiO2をエッチングする。その結果、図4
(b)に示すように基板1上のSiO2膜とゲート電極3
上のSiO2膜が除去される。次に、例えばKOHにより
Siを例えば30nmエッチングする。この結果、図4
(c)に示すように基板1とポリシリコンゲート電極3
が部分的にエッチングされる。次に、低温シリコン選択
エピタキシャル成長技術により先にエッチングした部分
を埋め戻す。このとき、Siの成長と同時にAsのドーピ
ングを行う。これにより図4(d)に示すようなソース
・ドレイン拡散層12,12′が形成される。以後は、
第1実施例と同様のプロセスを施す。
【0016】本実施例では、ソース・ドレインのドーパ
ントとしてAsの代わりに例えばテルル(Te)を用いる
ことができる。この場合、より高いポテンシャルバリア
7が形成される。さらに、本実施例のMOSFETでは
tはポテンシャルバリア7の高さに対応して高くな
る。つまり、よりVtの高いMOSFETが形成され
る。したがってこのMOSFETは、あるリーク電流仕
様に対して第1実施例のMOSFETより高い温度での
動作が可能になる。なお、ソース・ドレインのドーパン
トとして例えばAsとTeとを混ぜて用いることによりポ
テンシャルバリア7の高さをある範囲内で自由に設定で
きる。換言すると、ソース4,ドレイン4′のドーパン
トによってVtを制御することが出来る。以上の実施例
では、すべて埋込p領域を使用した場合を説明したが
、動作条件等の仕様によってはこれを省略したMOS
FETを作成することも可能である。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば以下
の効果を奏することができる。 (1)まず、反転層にかかる垂直電界の増大が抑制さ
れ、従って移動度μと飽和速度Vsの低下が抑制され
る。一般に、反転層にかかる垂直電界の起源は二つに分
けられる。一つは反転層の電荷自身によるものであり、
もう一つはそれ以外の電荷によるものである。前者につ
いては従来型MOSFETと本発明は同じであるが、後
者については、従来型MOSFETでは、すでに述べた
ように、2×105V/cm程度(L=0.2μmの場
合)であるのに対し、本発明では5×10 4V/cm程
度(本実施例の場合)である。したがって、両者の合計
すなわち反転層中のキャリアが感じる垂直電界は、従来
型MOSFETでは4.3×105V/cm程度である
のに対し、本発明では例えば2.8×105V/cm程
度になる(ここでVg=2V、ゲート酸化膜厚は6nm
と仮定した)。この垂直電界強度の違いにより、詳細は
動作温度やSiO2/Si界面状態に依存するが、本発明
では従来技術に対して概ね1.5〜2倍の高いμと
s、したがって電流駆動能力が得られる。 (2)次に、ソース・基板接合及びにドレイン・基板接
合の接合容量Cjの増大が抑制される。すなわち、接合
容量Cjは従来技術では概ねゲート容量と同程度である
のに対し、本発明ではゲート容量に比べて無視できる程
小さい。このことによりMOSFETの動作速度は、本
発明では概ね従来の2倍程度とすることができる。以上
の(1)と(2)の効果により、本発明MOSFETで
は従来技術MOSFETに比べて概ね3〜4倍の高速動
作が達成される。 (3)更に、不可避的なVtの増加をなくす効果を得る
ことができる。本発明ではゲート長Lに関係なく基板は
実質的に真性半導体であり、従来技術の場合のようにL
の縮小に伴って基板不純物濃度を高くするものではな
い。したがって、従来技術で起こる不可避的なV tの増
加は全く起こらない。
【0018】(4)加えて、以下の効果をも達成するこ
とができる。 (i)微細化が進むにつれて従来技術ではチャネル領域
に含まれる不純物原子数が減少する。このため不純物原
子数の統計的バラツキが無視できなくなり、USLI中
で使われる多数のMOSFETのVtを高精度で制御す
ることは原理的に不可能になる。本発明MOSFETで
はチャネル領域には不純物原子は実質的に存在ぜず、し
たがってこのような問題は生じない。 (ii)前述したように、本発明MOSFETでは、Cg
/(Cg+Cd)の値が従来技術MOSFETに比べて1
に近い。このため従来技術MOSFETに比べてサブス
レッショルドスイングSが小さい。したがって、同じチ
ャネルリーク電流の仕様に対して、従来技術MOSFE
TよりVtは低く、その分だけ電流駆動能力が高い。こ
の効果は、前述の垂直電界強度が低いことに起因する電
流駆動能力の向上に加えられるものである。 (iii)ドレイン電圧が印加された時、従来技術MOS
FETでは空間電荷領域の空間電荷のために電界がドレ
イン近傍に集中し、そこで強い電界が発生するのに対
し、本発明MOSFETでは空間電荷領域はなく、した
がってドレイン近傍の電界集中は大幅に緩和される。こ
のため、従来技術MOSFETにおいて重要な問題であ
るホットキャリアに起因する劣化が著しく抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すシリコンMOSFE
Tの説明図であり、(a)は断面模式図、(b)〜
(d)は主要な部分のエネルギーバンド構造図である。
【図2】図1のMOSFETの構成要素である埋込p領
域を形成するプロセスを説明する図である。
【図3】従来技術によるシリコンMOSFETの説明図
であり、(a)は断面模式図、(b)〜(d)はその主
要な部分のエネルギーバンド構造図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すシリコンMOSFE
T作成プロセスの説明図((a)〜(d))である。
【符号の説明】
1 実質的に真性半導体とみなされる程低い不純物濃度
のシリコン基板 1′p型シリコン基板 2 埋込p領域 3 ゲート電極 4 ソース電極(n+領域) 4′ドレイン電極(n+領域) 5 空間電荷領域(空乏領域) 6 空間電荷領域5に起因するポテンシャルバリア 7 n+領域4のバンドギャップナローイング効果に起
因するポテンシャルバリア 8 埋込p領域2に起因するポテンシャルの山 9 空間電荷領域5に付随するバンドの曲り 10 酸化シリコン膜 11 酸化シリコン側壁 12 低温選択エピタキシャル成長技術により形成され
たn+領域(ソース・ドレイン電極) 12′低温選択エピタキシャル成長技術により形成され
たn+領域(ゲート電極の一部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低温動作型のシリコンMOS型電界効
    果トランジスタにおいて、 基板の不純物濃度が、実質的に真性半導体とみなせる程
    度に低く、かつソース領域におけるバンドギャップナロ
    ーイング効果により、ソース領域と基板との間にポテン
    シャルバリアを形成してなることを特徴とするシリコン
    MOS型電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 埋込p領域を具備してなることを特徴と
    する請求項1記載のシリコンMOS型電界効果トランジ
    スタ。
  3. 【請求項3】 ポテンシャルバリアを形成するためのバ
    ンドギャップナローイング効果に寄与する不純物を複数
    の元素より構成してなることを特徴とする請求項1また
    は2記載のシリコンMOS型電界効果トランジスタ。
JP31173791A 1991-10-30 1991-10-30 シリコンmos型電界効果トランジスタ Pending JPH05136409A (ja)

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