JPH05136391A - 固体イメージセンサ - Google Patents

固体イメージセンサ

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JPH05136391A
JPH05136391A JP4097889A JP9788992A JPH05136391A JP H05136391 A JPH05136391 A JP H05136391A JP 4097889 A JP4097889 A JP 4097889A JP 9788992 A JP9788992 A JP 9788992A JP H05136391 A JPH05136391 A JP H05136391A
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transistor
cell
photosensitive
electrode
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 固体撮像素子のブルーミング、スミアをなく
す構造、方式を提供すること。 【構成】 光信号を電気信号に変換するためのセル選択
用トランジスタ及び感光体からなる感光セルアレイ及び
セルを選択、前記変換された電気信号を読み出すための
周辺回路よりなる固体イメージセンサにおいて、前記セ
ル選択用トランジスタを薄膜トランジスタとし、前記薄
膜トランジスタのドレイン電極23、又はドレインから
の引き出し電極上に感光体薄膜30を設け更に前記感光
体薄膜上に透明電極29を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体撮像素子(固体イメ
ージセンサ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学像の電子変換には、撮像管が
多く用いられてきたが、寿命が短かいことや、小型にな
りにくい点等から、MOS型やCCD型の固体イメージ
センサが登場するようになった。図1は白黒画像をセン
シングする一般的なMOS型イメージセンサの構成を示
している。通常感光セル3は(N×M)のマトリックス
・アレイ状に配置される。感光セル3は電荷読み出し用
トランジスタ1とフォトダイオード2により構成されて
いる。
【0003】MOSトランジスタ1のゲート電極は水平
選択用シフトレジスタ7の出力H1〜HMが接続され、
読み出し水平走査位置を選択する。又MOSトランジス
タ1によりM本の水平走査線の中の選択された1ライン
に対応するセル3の電荷出力はN本の垂直線に伝えられ
ると共にスイッチングトランジスタ4によりビデオシグ
ナルラインVSに転送される。垂直選択用シフトレジス
タ6は一水平走査期間内に出力S1〜SNによりスイッ
チングトランジスタ4を順次ONさせて、垂直ラインV
1〜VNの電荷データをシリアルにビデオシグナルライ
ンVSに出力する。
【0004】図2はこの感光セル3を、モノリシック半
導体で実現した場合の断面図である。N型Si単結晶基
板10中にP型のウエル11を形成、フィールド酸化膜
16、水平走査信号H1〜HMが印加されるゲート電極
15、ソース拡散層12、ドレイン拡散層13及び垂直
ラインV1〜VNをなすAl配線14からなる。N型ド
レイン拡散層13とP型ウエル11がフォトダイオード
を構成する。通常このダイオードには逆バイアスが印加
され、P−N接合の空乏層には一定の電荷が蓄えられ
る。一定期間に光が入射すると、ダイオードの光電流に
より蓄えられた電荷が放電する。従ってゲート電極15
によりトランジスタをONさせた時に、垂直ラインから
の電荷充電量が光電流即ち、光量と比例し、この電荷充
電量を各セル毎にシリアルに読み出すと、光イメージの
電気変換が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方式に
は重大な欠点がある。一つにはブルーミングと呼ばれる
現象であり、強い入射光に対しては、フォトダイオード
に蓄積できる電荷量以上の過剰電荷が発生し隣接セルや
垂直ライン、即ちソース電極12に流れ込み、結果とし
て垂直ライン上に画面上白い異常なラインを形成する。
又他の1つはスミアと呼ばれるものであり、入射光がフ
ォトダイオードのみでなく、バルクの下方の方まで入射
し、バルクの深い所でキャリアを発生させて、結果とし
て画面を白くにじませてしまう。このブルーミングやス
ミアは、構造を複雑にすることや、平面的なパターンに
おけるルールをきびしくすること、又外部のセンスアン
プ周辺を複雑にして逃れる等、むずかしい手段により低
減は可能であるが、基本的に全くなくなることはない。
このことが、固体撮像素子の性能を低下させる大きな要
因となっていた。
【0006】従って本発明の目的は固体撮像素子のブル
ーミング、スミアをなくす構造、方式を提供することに
ある。
【0007】本発明は、ブルーミング、スミアを、感光
セルを薄膜トランジスタと薄膜感光素子で構成すること
により除去するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の固体イメージセ
ンサは、光信号を電気信号に変換するためのセル選択用
トランジスタ及び感光体からなる感光セルアレイ及びセ
ルを選択、前記変換された電気信号を読み出すための周
辺回路よりなる固体イメージセンサにおいて、前記セル
選択用トランジスタを薄膜トランジスタとし、前記薄膜
トランジスタのドレイン電極、又はドレインからの引き
出し電極上に感光体薄膜を設け更に前記感光体薄膜上に
透明電極を形成することを特徴とする。
【0009】
【実施例】(実施例1)図3は本発明の感光セル19を
表わしたものである。セル選択用のトランジスタは薄膜
トランジスタ(TFT)17により、又感光素子として
はバルク上の薄膜感光膜18を用いる。
【0010】図4は本発明の構造例を感光セル1単位に
ついて示したものである。Si単結晶基板20上に酸化
膜21を形成した後薄膜トランジスタを形成する半導体
薄膜を形成しパターニングを行ない、ソース・ドレイン
・チャネル部22、23、24となる薄膜アイランドを
形成する。ゲート絶縁膜を形成後薄膜トランジスタのゲ
ート電極26を形成、その後層間絶縁膜25を形成しソ
ース・ドレイン部22、33とのコンタクトホールを開
孔後Al配線層27、28をつけて、パターニングし垂
直ライン27とセル下部電極28を形成する。その後全
面に感光薄膜30をつけて、その上に上部電極となる透
明導電膜層29を形成する。TFTの薄膜半導体材料と
しては、Cd−Se等の化合物半導体、アモルファスや
多結晶、あるいはアニールにより結晶成長させた単結晶
シリコン薄膜がよい。又感光性の薄膜としてはZn−S
e、Cd−Te、Se−As−Te、Si等のアモルフ
ァス膜や、Siの多結晶膜がよい。
【0011】感光薄膜30は上下の電極材料により、単
なる感光抵抗素子となったり、又はP−N接合となった
りするが、いずれにしても光を感知して、光電流を発生
せしめ、又暗所にてはインピーダンスが非常に高くなる
性質があればよい。
【0012】(実施例2)図5は本発明の他の構造例で
あり、図4の構造におけるTFTのドレイン側23から
Al電極28で引き出して、下部電極28を構成するも
のに対し、図5ではドレインの半導体膜52をそのまま
下部電極52となすものである。
【0013】本発明の利点としてまず、基板が絶縁物で
あることにより入射した余分の光は下部に透過し、単結
晶シリコンのようにキャリアを発生させることはない。
又感光体は薄膜素子として基板上部に存在するので飽和
光量を越えても、垂直ライン側へ又は隣接セルへ影響す
ることは全くない。即ち従来、半導体のバルク部分で発
生する余剰のキャリアにより起因するブルーミングやス
ミアは、トランジスタを薄膜化して絶縁物の上に形成し
更に感光部も薄膜化して積層することにより防止できる
ことになる。
【0014】本発明の構成例として、感光セル部は薄膜
素子により形成されているが、イメージセンサの周辺と
して必要な部分、即ち図1に示すシフトレジスタ6、7
や、スイッチングトランジスタ4はスピードが要求され
薄膜素子で構成することはむずかしいことがある。この
時感光セルのアレイ部を本発明の通り薄膜素子により構
成し、周辺部を単結晶基板内に従来通り作り込むことが
有利である。
【0015】(実施例3)図6はこの方式を具体的に示
す1例であり、薄膜素子とバルク素子を同一基板上に、
共通のプロセスで形成する。図6(イ)では、まず単結
晶基板62に、フィールド酸化膜域63を形成した後に
薄膜トランジスタを形成するための多結晶シリコン層6
4を形成、その後熱酸化によりゲート絶縁膜65を形成
する。(ロ)では多結晶シリコン層よりなるゲート電極
66、67を形成その後、ゲート電極をマスクに不純物
イオンを打ち込むと、薄膜トランジスタのソース・ドレ
イン電極68、70、バルクトランジスタのソース・ド
レイン電極71、72を形成する。(ハ)においては層
間絶縁膜となるCVDによる酸化膜77をデポジットし
てからコンタクトホールを開孔後Al電極73、74、
75、76を形成する。薄膜トランジスタ78は感光セ
ルの選択用トランジスタとして用い、バルク・トランジ
スタ79は周辺回路用に用いる。
【0016】こうして薄膜トランジスタとバルクトラン
ジスタが同一プロセスにて作成可能となる。こうすると
従来ブルーミングやスミアを防止するために構造的に複
雑であり、従って製造プロセスが複雑であったが、本発
明の方式ではシンプルな構造で高性能な感光特性のイメ
ージセンサが実現できる。又従来周辺回路はN−MOS
トランジスタにより構成されており、高速転送のために
かなりの消費電力であり発熱による特性シフトが大きな
問題であった。しかし本発明の方式ではプロセス、構造
が簡単になることにより、周辺回路をC−MOS化して
高速かつ低電力のシフトレジスタ等を作り込め、従っ
て、発熱による特性シフトが解決できる。図7は本発明
によるTFTの特性を示す。図7Aは図6の方式で作成
した通常のバルクシリコンのMOSトランジスタ、Bは
同様のTFTであり両者共にNチャンネルの特性であ
る。TFTの方は移動度が1〜2桁低下するが、感光セ
ルアレイの動作に必要なスピードは確保できる。
【0017】
【発明の効果】本発明は前述のように、イメージセンサ
を構成する感光セル部の選択用トランジスタを薄膜トラ
ンジスタとすると共に感光膜も薄膜化することにより、
ブルーミングが30〜40dB又スミアも20dBは低
下させることが可能となると共に薄膜化した感光膜の実
効面積が向上し、飽和光量が6dB増加、又光吸収率が
アモルファス化して単結晶シリコンより高くなることに
より感光特性が10〜20dB向上し、結果として光セ
ンシングのダイナミックレンジが従来より30〜40d
B改善される。又同時に周辺回路のCMOS化を行なう
ことにより2/3インチセンサの400H×300Vに
おいて従来500mWであったものが80mWと大幅に
低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のイメージセンサを示す図。
【図2】 従来のイメージセンサの構造を示す図。
【図3】 本発明の感光セル部を示す図。
【図4】 本発明のセルの構造例を示す図。
【図5】 本発明のセルの構造例を示す図。
【図6】 本発明の他の構造例であり、薄膜トランジス
タとバルクシリコントランジスタを同一プロセスにて構
成する際の製造工程例を示す図。
【図7】 図6の工程におけるトランジスタの特性を示
す図。
【符号の説明】
6、7 シフトレジスタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 固体イメージセンサ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体イメージセンサ
(固体撮像素子)に関し、特に、薄膜技術を用いた固体
イメージセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学像の電子変換には、撮像管が
多く用いられてきたが、寿命が短いことや、小型になり
にくい点等から、MOS型やCCD型の固体イメージセ
ンサが登場するようになった。図1は白黒画像をセンシ
ングする一般的なMOS型イメージセンサの構成を示し
ている。通常感光セル3は(N×M)のマトリックス・
アレイ状に配列される。感光セル3は電荷読み出し用ト
ランジスタ1とフォトダイオード2により構成されてい
る。
【0003】MOSトランジスタ1のゲート電極は水平
選択用シフトレジスタ7の出力H1〜HMが接続され、
読み出し水平走査位置を選択する。又MOSトランジス
タ1によりM本の水平走査線の中の選択された1ライン
に対応するセル3の電荷出力はN本の垂直線に伝えられ
ると共にスイッチングトランジスタ4によりビデオシグ
ナルラインVSに転送される。垂直選択用シフトレジス
タ6は一水平走査期間内に出力S1〜SNによりスイッ
チングトランジスタ4を順次ONさせて、垂直ラインV
1〜VNの電荷データをシリアルにビデオシグナルライ
ンVSに出力する。
【0004】図2はこの感光セル3を、モノリシック半
導体で実現した場合の断面図である。N型Si単結晶基
板10中に形成されたP型のウェル11、フィールド酸
化膜16、水平走査信号H1〜HMが印加されるゲート
電極15、ソース拡散層12、ドレイン拡散層13及び
垂直ラインV1〜VNをなすAl配線14からなる。N
型ドレイン拡散層13とP型ウェル11がフォトダイオ
ードを構成する。通常このダイオードには逆バイアスが
印加され、P−N接合の空乏層には一定の電荷が蓄えら
れる。一定期間に光が入射すると、ダイオードの光電流
により蓄えられた電荷が放電する。従ってゲート電極1
5によりトランジスタをONさせた時に、垂直ラインか
らの電荷充電量が光電流即ち、光量と比例し、この電荷
充電量を各セル毎にシリアルに読み出すと、光イメージ
の電気変換が可能となる。
【0005】ところが、この方式には重大な欠点があ
る。一つにはブルーミングと呼ばれる現象であり、強い
入射光に対しては、フォトダイオードに蓄積できる電荷
量以上の過剰電荷が発生し隣接セルや垂直ライン、即ち
ソース電極12に流れ込み、結果として垂直ライン上に
画面上白い異常なラインを形成する。又他の1つはスミ
アと呼ばれるものであり、入射光がフォトダイオードの
みでなく、バルクの下方の方まで入射し、バルクの深い
所でキャリアを発生させて、結果として画面を白くにじ
ませてしまう。このブルーミングやスミアは、構造を複
雑にすることや、平面的なパターンにおけるルールをき
びしくすること、又外部のセンスアンプ周辺を複雑にし
て逃れる等、むずかしい手段により低減は可能である
が、基本的には全くなくなることはない。このことが、
固体撮像素子の性能を低下させる大きな要因となってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するものとして特開昭56−138969号に開示の
光電変換装置が知られている。この光電変換装置は、薄
膜技術を利用し、ガラス等の絶縁基板上に透明電極,光
受容体層,上部電極をセル毎に孤立的に積層した光電変
換部と、その隣接領域においてその基板上にゲート電
極,ゲート絶縁膜,チャネル部としての半導体薄膜,ソ
ース及びドレイン電極を形成した逆スタガ構造の薄膜ト
ランジスタとを有するものである。感光セルが薄膜光受
容体層と転送用(選択用)の薄膜トランジスタとで構成
されているため、ブルーミングやスミヤを除去可能な構
造となっている。しかしながら、特開昭56−1389
69号の光電変換装置にあっては次のような問題点が存
在する。
【0007】光電変換部としての薄膜光受容体層と薄
膜トランジスタとは基板に対して平面的にそれぞれ孤立
した占有面積を占めるため、スペース効率(集積度)が
低い。ラインセンサ(セルの1次元配列)では集積度は
余り問題とならないが、エリアセンサ(セルの2次元配
列)では薄膜トランジスタや配線の領域が非感光領域と
して邪魔をし、解像度の向上を図ることができない。
【0008】薄膜トランジスタは逆スタガ構造であ
り、製造プロセス上、自己整合化(セルフアライン)が
困難であるため、ゲート・ソース間やゲート・ドレイン
間の静電容量Cgs,Cgdを構造的に小さくするとが困難
であり、且つそのバラツキも大きい。従って、トランジ
スタ動作の高速化に限界があり、光電変換装置の動作が
遅い。また一般に、静電容量Cgs,Cgdが存在すると、
不可避的に転送用トランジスタに加えられた選択パルス
は静電容量Cgs,Cgdを介してスパイク状の雑音として
出力ラインに重畳される。このスパイク状の雑音は低域
フィルタやセル選択ごとの周期で積分する積分回路を以
て抑圧可能であるが、しかし静電容量Cgs,Cgdが大き
いため、大きなスパイク状の雑音が出力ラインに重畳し
てしまう。このため、ダイナミックレンジの大きなプリ
アンプが必要となるので、実用的な光電変換装置を得る
こが困難である。更に、静電容量Cgs,Cgdのバラツキ
があると、上記スパイク状の雑音がセル毎によってバラ
ツキを持ち、このような雑音バラツキはもはや低域フィ
ルタや積分回路でも抑圧不可能である。この種の雑音は
同一のデバイスを使用する限り恒久的に観測されること
から一般に固定パターン雑音と呼ばれている。従って、
この光電変換装置における静電容量Cgs,Cgdのバラツ
キは大きいので、固定パターン雑音が大きい。
【0009】また一方、薄膜技術を用いた固体イメージ
センサとしては、特開昭57−114292号に開示の
薄膜撮像素子も知られている。この薄膜撮像素子は、基
板上に薄膜構造の光電変換部を積層形成し、更にその光
電変換部の上側にスイッチング用の薄膜トランジスタを
積層形成したボトム型の薄膜撮像素子や、基板上にスイ
ッチング用の薄膜トランジスタを積層形成し、更にその
薄膜トランジスタの上側に薄膜構造の光電変換部を積層
形成したトップ型の薄膜撮像素子である。このような薄
膜トランジスタと薄膜構造の光電変換部の縦積み構造に
よれば、集積度を高めることができるので、エリアセン
サとして解像度の改善に寄与する。しかしながら、特開
昭57−114292号の薄膜撮像素子にあっては次の
ような問題点が存在する。
【0010】選択用の薄膜トランジスタと薄膜構造の
光電変換部を完全な縦積み構造としたことにより、集積
度は大幅に改善されるものの、薄膜トランジスタはスタ
ガ構造であるため、製造プロセス上、自己整合化(セル
フアライン)が困難であり、電極間の寄生容量が大き
く、且つそのバラツキが出てしまう。これは上記と同
様の問題を引き起こす。
【0011】薄膜トランジスタと薄膜構造の光電変換
部の電極とは重なり合っているため、その電極が薄膜ト
ランジスタのチャネル部たる半導体層に対しバックゲー
トとして働いてしまう。この致命的な問題は光電変換素
子の端子電圧によって薄膜トランジスタの遮断抵抗を下
げ、光電変換素子の信号対雑音比やダイナミックレンジ
を低下させてしまう。
【0012】そこで、本発明は、薄膜トランジスタと薄
膜の光電変換部の構造を採用するに際し、動作速度の高
速化,固定パターン雑音の低減等による信号対雑音比の
改善と共に、バックゲート効果を起こさない薄膜トラン
ジスタと薄膜光電変換部の重ね合わせ構造をも可能とす
る固体イメージセンサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る固体イメー
ジセンサは、少なくとも表面が絶縁物である基板と、そ
の基板上に孤立して設けられた島状の半導体薄膜と、そ
の半導体薄膜においてチャネル領域を挟んで形成された
ソース領域及びドレイン領域と、上記半導体薄膜の該チ
ャネル領域の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲー
ト電極と、そのゲート電極上に設けられた層間絶縁膜の
開口部を介して上記半導体薄膜のソース領域及びドレイ
ン領域に導電接続するソース電極及びドレイン電極とを
有するセル選択用薄膜トランジスタを備え、そのセル選
択用薄膜トランジスタに対応して該ソース電極及び該ド
レイン電極と同時に形成された導電膜を光電変換部たる
感光性薄膜の一方の電極とすることを特徴とする。
【0014】
【作用】このように感光性薄膜の光電変換部と選択用の
薄膜トランジスタの採用においては、次のような作用を
発揮する。
【0015】選択用の薄膜トランジスタの構造は、スタ
ガ構造でも逆スタガ構造でもなく、またコプレーナ構造
でもない。島状の半導体薄膜を形成後、ゲート絶縁膜の
上にゲート電極を形成し、このゲート電極をマスクとし
てイオン打ち込みにより自己整合的に半導体薄膜にチャ
ネル領域,ソース領域及びドレイン領域を形成すること
が可能な構造となっている。このため、ゲート・ソース
間の静電容量Cgs,ゲート・ドレイン間の静電容量Cgd
を構造的に小さくすることができ、またそれらの静電容
量のバラツキを僅少にすることが可能である。従ってト
ランジスタの動作速度を高めることができるので、光電
変換装置の高速化が達成される。更に、出力ラインに重
畳するスパイク状の雑音の強度は低いのでダイナミック
レンジの大きなプリアンプを必要としない。更にまた、
静電容量のバラツキが低減されるので、固定パターン雑
音を抑制でき、歩留りの改善を図ることができる。加え
て、感光性薄膜の電極をゲート電極の上に覆うように形
成した場合であっても、チャネル領域はゲート電極自体
がシールド体として機能しているので、バックゲート効
果を生じることがない。換言すれば、バックゲート効果
を起こさずに、選択用の薄膜トランジスタと感光性薄膜
の光電変換部との積み重ね構造を採用することを可能と
し、信号対雑音比やダイナミックレンジを損なわずに集
積度(解像度)を高めることができる。更に加えて、開
口率を向上させることができるので、感度も高めること
ができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図3は本発明に係る一実施例の感光セルを1
単位だけ示す図である。感光セル19はセル選択用の薄
膜トランジスタ(TFT)17と感光素子としてのバル
ク上の薄膜感光膜18とから構成されている。図4は同
実施例の構造例を感光セル1単位について示した断面図
である。Si単結晶基板20上には絶縁物たる酸化膜2
1が形成されている。この酸化膜21の上には半導体薄
膜が形成され、パターニングによりソース領域22,ド
レイン領域23,チャネル領域24となる孤立島状の薄
膜アイランド32が形成されている。この薄膜アイラン
ド32のチャネル領域24の上にはゲート絶縁膜31を
介してゲート電極26が形成されている。なお、ソース
領域22,ドレイン領域23,チャネル領域24はゲー
ト電極26をマスクとしてイオン打ち込みにより自己整
合的(セルフアライン)で形成することができる。ゲー
ト電極26の上には層間絶縁膜25が形成されている。
層間絶縁膜25に開口されたコンタクトホールを介して
Al配線のソース電極27,ドレイン電極28が薄膜ア
イランド32のソース領域22,ドレイン領域23に導
電接触している。なお、このソース電極27からは垂直
ラインが延長形成されている。
【0017】薄膜トランジスタ17に対応した光変換部
の下部電極33は、本例においては薄膜トランジスタ1
7の脇の層間絶縁膜25の上に形成されている。この下
部電極33はソース電極27,ドレイン電極28と同時
に形成されたAl配線でドレイン電極28と接続されて
いる。この下部電極33の上には感光薄膜30が全面形
成されており、薄膜トランジスタ17の上をも覆ってい
る。またこの感光薄膜30の上には上部電極たる透明導
電膜層29が全面形成されている。ここで、薄膜トラン
ジスタ17の薄膜半導体材料としては、Cd−Se等の
化合物半導体、アモルファスや多結晶、あるいはアニー
ルにより結晶成長させた単結晶薄膜がよい。また感光性
の薄膜としてはZn−Se、Cd−Te、Se−As−
Te、Si等のアモルファス膜や、Siの多結晶膜がよ
い。感光薄膜30は上下の電極材料により、単なる感光
抵抗素子となったり、又はP−N接合となったりする
が、いずれにしても光を感知して、光電流を発生せし
め、また暗所にてはインピーダンスが非常に高くなる性
質があればよい。
【0018】このように固体イメージセンサはセル選択
用の薄膜トランジスタと感光薄膜の光電変換部とを以て
構成されているので、一般的に次のような利点を有して
いる。即ち、基板が絶縁物であることにより入射した余
分の光は下部に透過し、単結晶シリコンにようにキャリ
アを発生させることはない。また感光体は薄膜素子とし
て基板上部に存在するので、飽和光量を越えても、垂直
ライン側へ又は隣接セルへ影響することは全くない。即
ち従来、半導体のバルク部分で発生する余剰のキャリア
により起因するブルーミングやスミアは、トランジスタ
を薄膜化して絶縁物の上に形成し更に感光部も薄膜化し
て積層することにより防止できることになる。
【0019】本例においては上述の一般的な利点のみな
らず以下のような固体イメージセンサとしての特有な利
益をもたす。
【0020】即ち、薄膜トランジスタ17は、酸化膜2
1の上に孤立して設けられた薄膜半導体のアイランド3
2において区分形成されたチャネル領域24,ソース領
域22,及びドレイン領域23と、そのチャネル領域2
4上にゲート絶縁膜31を介して形成されたゲート電極
26を有する構造であり、スタガ構造でも逆スタガ構造
でもなく、またコプレーナ構造でもない。このため、前
述したように薄膜トランジスタ17は自己整合的に形成
するに適した構造となっている。このような構造を採用
すると、第1に、ゲート・ソース間の静電容量Cgs,ゲ
ート・ドレイン間の静電容量Cgdを構造的に僅少にする
ことができる。この結果、トランジスタ動作の高速化に
より固体イメージセンサの高速化を図ることができると
共に、選択パルスの印加毎に出力ライン(垂直ライン)
に不可避的に重畳されるスパイク状の雑音レベルを抑制
することが可能であり、ダイナミックレンジの大きなプ
リアンプを必要とせず、実用性に富む固体イメージセン
サを提供することができる。また第2の利益としては、
セル毎のゲート・ソース間静電容量Cgs,ゲート・ドレ
イン間静電容量Cgdのバラツキを僅少にすることが可能
である。これは固体イメージセンサにとって重要な固定
パターン雑音を抑制することができ、延いては歩留りの
改善を図ることができる。第3の利益としては、光電変
換部たる感光薄膜30の一方の電極33は実施例の如く
下部電極としてトランジスタの脇領域に敷設しても良い
し、またゲート電極26の上に層間絶縁膜25を介して
積み重ね形成しても良い。特にエリアセンサとして構成
する場合において光電変換部の電極配置の自由度を高め
ることができる。ここで、下部電極33をゲート電極2
6の上に層間絶縁膜25を介して積み重ね形成した場合
のバックゲート効果について考察するに、チャネル領域
24とその光電変換部の下部電極との間には必ずゲート
電極26が介在する構造となる。この際、そのゲート電
極26はチャネル領域24に対してシールド体として機
能することになるので、バックゲート効果を生じること
がない。換言すれば、バックゲート効果を起こさずに、
選択用の薄膜トランジスタ17と感光性薄膜30の光電
変換部との積み重ね構造を採用することを可能とする構
造になっている。従って、信号対雑音比やダイナミック
レンジを損なわずに集積度(解像度)を高めることは勿
論のこと、開口率を向上させることができるので、感度
をも高めることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、固体イ
メージセンサにおける選択用のトランジスタを薄膜トラ
ンジスタとし、感光部も薄膜化させた構造において、少
なくとも表面が絶縁物である基板との上に孤立して設け
られた島状の半導体薄膜と、その半導体薄膜においてチ
ャネル領域を挟んで形成されたソース領域及びドレイン
領域と、その半導体薄膜のチャネル領域の上にゲート絶
縁膜を介して形成されたゲート電極と、そのゲート電極
上に設けられた層間絶縁膜の開口部を介してソース領域
及びドレイン領域に導電接続するソース電極及びドレイ
ン電極とを有する特殊構造の薄膜トランジスタを採用し
た点に特徴を有するものである。従って、次のような効
果を奏する。
【0022】選択用の薄膜トランジスタの構造は、ス
タガ構造でも逆スタガ構造でもなく、またコプレーナ構
造でもない。島状の半導体薄膜を形成後、ゲート絶縁膜
の上にゲート電極を形成し、このゲート電極をマスクと
してイオン打ち込みにより自己整合的に半導体薄膜にチ
ャネル領域,ソース領域及びドレイン領域を形成するこ
とが可能な構造となっている。このため、ゲート・ソー
ス間の静電容量Cgs,ゲート・ドレイン間の静電容量C
gdを構造的に小さくすることができ、またそれらの静電
容量のバラツキを僅少にすることが可能である。電極間
静電容量の僅少化が可能であることは、トランジスタの
動作速度を高めることができ、光電変換装置の高速化が
達成されると共に、ダイナミックレンジの大きなプリア
ンプの使用を排除できる。また静電容量のバラツキが少
ないことは、固定パターン雑音を抑制でき、歩留りの改
善を図ることができる。
【0023】 感光性薄膜の電極配置は薄膜トランジ
タの隣接領域や薄膜トランジタの上に置くことが可能で
あるが、感光性薄膜の電極をゲート電極の上に覆うよう
に形成した場合であっても、チャネル領域はゲート電極
によってシールドされた状態にあるので、バックゲート
効果を生じることがない。換言すれば、バックゲート効
果を起こさずに、選択用の薄膜トランジスタと感光性薄
膜の光電変換部との積み重ね構造を採用することを可能
とし、信号対雑音比やダイナミックレンジを損なわずに
集積度(解像度)を高めることができる。更に加えて、
開口率を向上させることができるので、感度をも高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のイメージセンサの回路構成を示す回路図
【図2】従来のイメージセンサのセル構造を示す断面図
【図3】本発明に係る一実施例の感光セルを1単位だけ
示す図
【図4】同実施例の構造例を感光セル1単位について示
した断面図
【符号の説明】 17・・・セル選択用薄膜トランジスタ(TFT) 18,30・・・薄膜感光膜 19・・・感光セル 20・・・Si単結晶基板 21・・・酸化膜 22・・・ソース領域 23・・・ドレイン領域 24・・・チャネル領域 25・・・層間絶縁膜 26・・・ゲート電極 27・・・ソース電極 28・・・ドレイン電極 29・・・透明電極 31・・・ゲート絶縁膜 32・・・孤立島状の薄膜半導体アイランド 33・・・下部電極
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光信号を電気信号に変換するためのセル
    選択用トランジスタ及び感光体からなる感光セルアレイ
    及びセルを選択、前記変換された電気信号を読み出すた
    めの周辺回路よりなる固体イメージセンサにおいて、前
    記セル選択用トランジスタを薄膜トランジスタとし、前
    記薄膜トランジスタのドレイン電極、又はドレインから
    の引き出し電極上に感光体薄膜を設け更に前記感光体薄
    膜上に透明電極を形成することを特徴とする固体イメー
    ジセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7760416B2 (en) 2007-04-17 2010-07-20 Seiko Epson Corporation Electrophoresis display device and electronic apparatus

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS503781A (ja) * 1973-05-15 1975-01-16
JPS56138361A (en) * 1980-03-31 1981-10-28 Canon Inc Photoelectric converter

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