JPH0513625B2 - - Google Patents

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JPH0513625B2
JPH0513625B2 JP59024652A JP2465284A JPH0513625B2 JP H0513625 B2 JPH0513625 B2 JP H0513625B2 JP 59024652 A JP59024652 A JP 59024652A JP 2465284 A JP2465284 A JP 2465284A JP H0513625 B2 JPH0513625 B2 JP H0513625B2
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JP
Japan
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acetic acid
gel
fermentation
tank
tower
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JP59024652A
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Junichi Oosuge
Kazuo Umemoto
Akihiko Mori
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Kewpie Jyozo Co Ltd
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Kewpie Jyozo Co Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は食酢の製造方法に係り、更に詳しく
は、固定化酢酸菌を利用した食酢の新規製造方法
に関するものである。 食酢の製造方法において、近年、固定化酢酸菌
を利用した方法が開発され、酢酸の安定した連続
発酵を高流量で行なうことを可能にして注目され
ている。具体的には、酢酸発酵用原料液と固定化
酢酸菌、例えば酢酸菌を固定したゲル、とを塔型
発酵槽に充填し、通気しながら酢酸発酵させて食
酢を製造するという方法が一般的に知られてい
る。このような方法によれば、酢酸菌はゲルに固
定されているので酢酸発酵用原料液を高流量で連
続的に供給しても酢酸菌が流出することはなく、
それ故従来よりも非常に多い流量での連続発酵が
可能となり、また、発酵終了時には単にゲルを槽
内に残すようにするだけで発酵液のみを外部に取
り出すことができ、それ故引き続いて新しい酢酸
発酵用原料液を供給すれば極めて短時間内で発酵
を再開することができる。その上、ゲルに固定さ
れていた酢酸菌は発酵中に増殖するために発酵槽
内のゲルは酢酸菌密度の高いものであり、それ故
再開した酢酸発酵はかなり速い速度で進行する
等、従来の固定化酢酸菌を利用しない食酢の製造
方法に比べて酢酸発酵を能率よく行なうことがで
きる。 よつて、上記したような固定化酢酸菌として酢
酸菌を固定したゲルを利用する食酢の製造方法に
おいて、塔型発酵槽内での酢酸発酵を更に一層効
果的に行ないうるならば産業上その益するところ
は大きいといえる。 本発明は上記の点に解決を与えることを目的と
する。即ち、酢酸菌を固定したゲルを用いて塔型
発酵槽内で通気しながら酢酸発酵させて食酢を製
造するに際して従来より一段と能率よく酢酸発酵
をしえ、生酸速度を高めうる食酢の製造方法を提
供することを目的とする。 本発明者らは上記の目的に即して研究を重ねる
過程において、酢酸菌を固定したゲルを利用した
従来の食酢の製造方法においては、酢酸発酵を好
気条件の下で行なわせるのに通常、通気用気体を
発酵槽の底部に接続して設けた気体供給路(逆止
弁を通常介在させてある)を通して供給するか、
あるいは発酵槽の底部に設けた多孔体を通して供
給するだけであつて生じた気泡はそれが槽内にお
いて自然上昇するままにさせておいたことに着目
した。本発明者らはこの槽内での気泡の動向によ
りゲルと原料液との接触が一層促されるならば酢
酸発酵は従来より一段と能率よく行ないえるので
はないかと思考するに至り、更に研究を重ねた結
果、槽内にその上下方向に複数の通路を形成する
隔離体を設け、その少なくとも一つの通路内を気
泡が上昇するようにするならば気泡の上昇に伴な
い槽内のゲルと原料液とに一定の流れが生じ、そ
の結果両者の接触が一層促されて酢酸発酵が従来
より一段と能率よく行なえることを見い出した。 本発明は上記のような知見に基いて完成された
ものであつて、酢酸発酵用原料液と酢酸菌を固定
したゲルとを塔型発酵槽に充填し、通気しながら
酢酸発酵させて食酢を製造する方法において、上
記塔型発酵槽内にその上下方向に複数の通路を形
成する隔離体を設け、その少なくとも一つの通路
内を気泡が上昇するように通気を行なうことを特
徴とする食酢の製造方法を提供するものである。 本発明はまた、酢酸発酵用原料液と酢酸菌を固
定したゲルとを塔型発酵槽に充填し、通気しなが
ら酢酸発酵させて食酢を製造する方法において、
上記塔型発酵槽の内部にその上下方向に複数の通
路を形成する隔離体を、またその発酵槽の底部に
多孔体をそれぞれ設け、通気用気体をこの多孔体
を通して供給し、生じた気泡が上記通路の少なく
とも一つの内部を上昇するように通気を行なうこ
とを特徴とする食酢の製造方法を提供するもので
ある。 以下、本発明を詳しく説明する。 本発明の方法で用いる酢酸発酵用原料液とは、
酢酸発酵のために用いる少なくともアルコール分
を含んだ原料液を意味する。一般的には、アルコ
ール濃度が3〜12%程度および酢酸濃度が1〜10
%程度の水溶液を用いればよい。酢酸濃度がこの
程度であると雑菌による汚染を防ぐことができて
好ましい。具体的には、このような原料液とし
て、アルコール、アルコール含有液(ワイン、
酒、ビール等)、米や麦芽などの糖化液、酢酸含
有液(酢酸、食酢、アルコール酢等)およびその
他の原料、例えば果汁、糖、酒粕汁、各種水溶性
栄養物質(ポリペプトン、酵母エキス等)等を所
望に応じて適宜使用して調製した水溶液が好まし
く用いられる。 本発明において酢酸菌を固定したゲルとは、酢
酸菌を包括して固定化したゲルであつて、一定形
状に成型されているものを意味する。このゲルは
当分野において従来より用いられているものと特
に異ならず、公知のゲル包括法によりカラギーナ
ン、寒天、フアーセレラン等を用い、酢酸菌を包
含させ最終的に通常2〜5mm径の粒状に成型して
調製したもの、あるいはこのものを更に酢酸発酵
用原料液中もしくは酢酸菌の専用栄養培地中30〜
38℃で40〜80時間程度のインキユベーシヨンに付
したもの等を用いればよい。 本発明の食酢の製造方法によれば、上記したよ
うな酢酸発酵用原料液と酢酸菌を固定したゲルと
による酢酸発酵は、酢酸菌を固定したゲルを利用
した従来の食酢の製造方法におけるのと同様に塔
型発酵槽内で通気しながら行なう。ここにおい
て、酢酸発酵とは、酢酸発酵用原料液中に含まれ
ているアルコールを酢酸菌の作用によつて酸化し
て酢酸を生じさせる発酵現象をいう。また、塔型
発酵槽とは、外形が水平方向より鉛直方向に長
い、いわゆる縦長の形状をした発酵槽をいい、そ
の大きさの点に関しては特に限定的ではなく、通
常内径が50mm〜1m程度で高さが内径の10〜20倍
(液深では6〜10倍)程度のものが一般的である。
更にまた、通気とは、少なくとも酸素を含む気
体、一般的には純酸素ガスあるいは空気等を液中
に存在させることを意味する。 上記したように本発明の食酢の製造方法によれ
ば、塔型発酵槽内で通気しながら酢酸発酵を行な
うのであるが、その通気の方法において、槽外部
より通気用気体を槽内に供給する方法の点に関し
ては、当分野における従来法の通気の方法と特に
異なるものではない。即ち、従来法によれば、通
気は一般的に、発酵槽の底部に接続して設けた気
体供給路(逆止弁を通常介在させてある)を通し
て通気用気体を槽内に供給するか、あるいは発酵
槽の底部に設けた多孔体を通して槽内に供給する
ことによつて行う。ここにおいて、多孔体とは、
孔の大きさが通常0.04〜2mm、好ましくは0.1mm
〜0.3mm程度である孔を多数個、通常約10個以上、
有する例えば多孔板、多孔球あるいは孔付き環状
管等の物体をいう。具体的には、平均孔径が0.1
〜0.3mm程度であるガラスフイルター、0.04〜0.2
mm程度であるセラミツクフイルター、0.06〜0.2
mm程度である焼結ステンレスフイルター、平均孔
径が0.1〜1mm程度であるプラスチツク製多孔板、
あるいは平均孔径が1〜2mm程度である孔付き環
状管等を挙げることができる。 従来の通気方法によれば、通気は、通気用気体
を上記したように槽外部より槽内に供給するだけ
に止まるものであるが、即ち、生じた気泡はそれ
が槽内において自然上昇するままにさせておくと
いう方法であるが、本発明の食酢の製造方法によ
れば、槽内にその上下方向に複数の通路を形成す
る隔離体を設け、その少なくとも一つの通路内を
気泡が上昇するように通気を行なうことを特徴と
するものである。槽内の気泡に上記のように一定
の動向を与えることにより槽内のゲルと原料液と
に一定の流れ(上下流)を生じさせることができ
る。この流れの発生により、ゲル(酢酸菌)と原
料液(アルコール)並びに酸素との充分な接触が
なされて酢酸発酵が促進されることが期待でき
る。 このように、本発明の方法によれば、塔型発酵
槽の内部にその上下方向に複数の通路を形成する
隔離体を設けるのであるが、本発明の方法におい
て用いる隔離体としては、それが形成する複数の
通路の少なくとも一つの通路内を気泡が上昇する
ように通気を行なつた際通気した通路内を気泡の
上昇に伴つて液(原料液)がゲルと共に上昇し、
上昇した液がゲルと共に通気を行なつていない通
路を通つて下降することによつて液とゲルとに上
下方向の循環流を生じさせうるものである限りそ
の大きさ、形状、塔内の位置等に関して特に限定
されるものではない。このような隔離体の大きさ
としては、一般的には、高さが発酵槽の高さ1/3
〜3/4程度のものでよい。また、隔離体の形状と
しては、一般的には、板状、円筒状等を挙げるこ
とができる。代表的には円筒状のドラフトチユー
ブが用いられる。ドラフトチユーブを用いる場
合、その内径は発酵槽の内径の1/3〜2/3程度とす
ればよい。更に、隔離体の設定の方法、即ち隔離
体の固定の方法(手段)、等に関しては、特に限
定的ではなく、隔離体による上記のような作用が
損われない限り任意である。 次に、本発明の食酢の製造方法において用いる
塔型発酵槽の内部に代表的な隔離体としてドラフ
トチユーブを設けた場合の好ましい具体例を第1
図でもつて示す。この第1図においては、当分野
の食酢の製造方法において用いられている典型的
な塔型発酵槽の内部にドラフトチユーブを設け、
その底部に多孔板をその孔の大部分がドラフトチ
ユーブのほぼ真下にくるように設けた場合が示さ
れている。図中、1は塔型発酵槽、2は消泡槽、
3はドラフトチユーブ、4は多孔板、5は気体流
入口、6は液面、7はエアーポンプ、8は発酵液
取出口、9はゲル流出防止網、10は酢酸発酵用
原料液流入口、11は電磁弁、12は通気用気体
供給配管、13は圧力弁、14は気泡、15は酢
酸菌を固定したゲルおよび16は発酵液をそれぞ
れ示す。尚、図中ドラフトチユーブの固定手段は
省略してある。塔型発酵槽内にこのようにドラフ
トチユーブを設けると多孔板を通して供給した気
体の気泡がドラフトチユーブ内を上昇し、その上
昇に伴ない原料液に上昇流が生じ、この上昇流に
沿つてゲルが浮上するようになる。次いで、ドラ
フトチユーブを出た気泡はそのまま自然上昇する
一方、原料液とゲルとはそれらの重量に応じてド
ラフトチユーブの外側と槽壁との間を通つて降下
するようになる。こうして槽内のゲルと原料液と
に一定の流れが生じるようになる。 上記の第1図で示した塔型発酵槽系において、
ドラフトチユーブに代えて他の代表的な隔離体と
して平板を設けた場合の好ましい具体例を第2図
でもつて示す。この系は、第1図で示した系にお
いてドラフトチユーブ3および多孔板4に代えて
それぞれ平板3′およびガラスフイルター(半円
状物)4′を用い、そのフイルターの位置を平板
により形成された二つの上下方向の通路の一方の
ほぼ真下に位置するように配置した他はすべて同
じものである。この系においても槽内にゲルと原
料液とに一定の流れが生じるようになる。 本発明の食酢の製造方法によれば、上記したよ
うに塔型発酵槽内に隔離体を設け、槽内に供給し
た気体の気泡がこの隔離体により形成された複数
の通路の少なくとも一つの通路内を上昇するよう
に通気させながら酢酸発酵を行なわせ、発酵液を
食酢として取り出すのである。その際槽内におけ
る通気の方法の点を除いては、本発明の食酢の製
造方法は当分野において従来塔型発酵槽を用いて
行なつていた食酢の製造方法とすべて同様にして
行えばよい。即ち、酢酸発酵用原料液および固定
化したゲルの充填方法、それらの充填量(充填
比)、槽外部から槽内への通気用気体の供給方法、
その供給量、等に関してはすべて従来法に準じて
行えばよい。 次に、上記したような本発明の食酢の製造方法
を実際に実施する一般的な態様を上記において例
示した第1図に従つて説明する。 別途調製しておいた酢酸発酵用原料液と酢酸菌
を固定したゲルとを充填比が通常、前者対後者が
100対5〜50の割合になる量でもつて塔型発酵槽
1内に酢酸発酵用原料液流入口10から共に充填
し、次いで電磁弁11を有する通気用気体供給配
管12を通して酸素を含む気体を常法に準じて供
給し、エアーポンプ7を介して気体流入口5に送
る。こうして槽外より槽内に供給された気体は多
孔板4(孔の大部分がドラフトチユーブ3のほぼ
真下に位置するように配置してある)を通つて気
泡14とされ、その大部分はドラフトチユーブ3
内を上昇しながら発酵液(原料液)16に上昇流
を生じさせかつゲル15を浮上させ、それ自身は
液面6まで上昇したのち圧力弁13を有する消泡
槽2で大部分回収されて再び通気用気体供給管1
2に送られ再使用に供される(一部は圧力弁13
から排気される)一方、ドラフトチユーブの上端
に達した発酵液16とゲル15とはそれらの重量
に応じてドラフトチユーブの外側と槽壁との間
(下降通路)を通つてそのまま降下させられる。
このようにして槽内の発酵液16とゲル15とに
一定の流れ(循環流)を生じさせて酢酸発酵を行
ない、発酵終了後にはゲル流出防止網9を備えた
発酵液取出口8より発酵液を食酢として取り出
す。尚、上記の実施態様において、酢酸菌を固定
したゲルとして、更に酢酸発酵用原料液中もしく
は酢酸菌の専用栄養培地中でインキユベーシヨン
に付したものを用いる場合には、このインキユベ
ーシヨンをまず上記塔型発酵槽1内で行なつたの
ちそのまま直ちに上記の食酢の製造方法を継続し
て実施してもよい。この場合ゲルのインキユベー
シヨン用の別の特別な装置を必要とせず、また、
インキユベーシヨン後培養液とゲルとを特に分離
する必要もない等の利点がある。 このような本発明の食酢の製造方法は回分式に
もあるいは連続式にも操作することができる。特
に後者の場合は、原料液を連続的に槽内に供給し
つつ他方槽外に連続的に取り出した一定酸度の発
酵液を更に別の塔型発酵槽に導いてそこで本発明
の方法に準じて更に酢酸発酵に付して一段と酸度
の高いものとするというよくに、より高酸度のも
のを得るのに極めて適しているといえる。よつ
て、本発明の食酢の製造方法は、本発明の方法の
反復操作をもその範囲とするものである。 以下の試験例は、本発明の食酢の製造方法に従
い塔型発酵槽内に隔離体としてドラフトチユーブ
を設け、気泡がこのドラフトチユーブ内を上昇す
るように通気をして行なう酢酸発酵の効果を示す
ものである。尚、本発明において、アルコール濃
度は容量/容量%で表わしているが、その他の%
はすべて重量/容量%を意味する。 試験例 I 酢酸発酵用原料液の調製: 常法に準じてグルコース、ポリペプトンおよび
酵母エキスを各0.2%含み、エタノール濃度が4
%で酢酸濃度が1.5%の水溶液を調製した。 酢酸菌を固定したゲルの調製: 酢酸菌として微工研酢酸菌2号菌を用い、この
スラントより1白金耳を栄養培地(グルコース、
ポリペプトンおよび酵母エキス各1%を含有し、
エタノール濃度2%および酢酸濃度1%の蒸留
水)100mlに接種し、常法に準じて30℃にて45時
間培養したものに、予め加圧殺菌しておいた4%
カラギーナン水溶液300mlを35℃で添加混合し、
次いでこの混合液を内径1mmのノズルを有する注
射器から2%KCl水溶液中に滴下して球状ゲル
(平均3mm径)を調製した。 ゲルのインキユベーシヨン法: 第1図に示したような塔型発酵槽系を用い、上
記のようにして調製した球状ゲル360mlを上記栄
養培地と同一組成の培地1760mlと共に槽内に充填
し、インキユベーシヨンに付した(液深61cm)。
このインキユベーシヨンおよび用いた塔型発酵槽
系の操作条件は下記の通りであつた。 (イ) インキユベーシヨンの操作条件 通気:純酸素ガス1.5/分 (圧力弁は開放にしておく) 栄養培地:1760ml/時 (培養液は取出口より連続的に系外に取出
す) 培養時間:72時間 培養温度:30℃ (ロ) 塔型発酵槽系の操作条件 (塔型発酵槽) 内 径:67mm 外 径:75mm 高 さ:100cm (塩化ビニル製ドラフトチユーブ) 内 径:40mm 外 径:44mm 高 さ:50cm (多孔板) ガラスフイルター:平均孔径0.2mm (孔の大部分がドラフトチユーブのほぼ真下
に位置するように配置) 尚、温度調節は、槽外部に取り付けたジヤケツ
ト(図中省略)中に30℃の温水を連続的に通して
行なつた。 インキユベーシヨン後のゲルはゲル内生菌数が
1.0×109細胞数/ゲル1mlのものであつた。 酢酸発酵法: 上記のようにインキユベーシヨンに付したゲル
を用い、更にガラスフイルターを、ガラスフイル
ター、他の多孔体あるいは単孔体のいずれかに代
えた他は上記インキユベーシヨンにおいて用いた
塔型発酵槽系をそのまま用い、別途調製しておい
た酢酸発酵用原料液を528ml/時の割合で、かつ
純酸素ガスを1.5/分の割合で槽内に供給して
連続的に酢酸発酵を行ない、本発明の食酢の製造
方法を4つの試験区で実施した。各試験区で用い
た多孔体あるいは単孔体は下表に示す通りのもの
であつた。 対照として、各試験区においてドラフトチユー
ブを取り除いた他は同様に酢酸発酵を行ない、従
来の食酢の製造方法を4つの対照区で実施した。 上記各区における100時間連続発酵後の生酸速
度を調べた結果を下記の表にまとめて示す。
【表】
【表】 以下、本発明を実施例でもつて更に詳しく説明
する。 実施例 1 I 酢酸発酵用原料液の調製: 常法に準じて酒粕汁50%、変性アルコール(エ
タノール含量95%)3.5%およびアルコール酢
(酢酸含量10%)20%含み、エタノール濃度が3.5
%で酢酸濃度が2.0%の水溶液を調製した。 酢酸菌を固定したゲルの調製: 上記試験例において用いた酢酸菌をアセトバク
ター・アセチIFO3283号菌株に代えた他はすべて
同様にして球状ゲル(平均3mm径)を調製した。 ゲルのインキユベーシヨン法: 上記試験例で用いた塔型発酵槽系(平均孔径
0.2mmのガラスフイルターがその孔の大部分がド
ラフトチユーブのほぼ真下に位置するように配置
されている)を用い、上記のようにして調製した
球状ゲル360mlを上記の酢酸発酵用原料液と同一
組成の栄養培地1760mlと共に槽内に充填し、イン
キユベーシヨンに付した。このインキユベーシヨ
ンの操作条件は下記の通りであつた。 インキユベーシヨンの操作条件 通気:純酸素ガスと空気との等容量混合気体 (圧力弁は開放にしておく)1.2/分 培養培地:1100ml/時 (栄養液は取出口より連続的に系外に取出す) 培養時間:72時間 培養温度:30℃ インキユベーシヨン後のゲルはゲル内生菌数が
1.0×109細胞数/ゲル1mlのものであつた。 酢酸発酵法: 上記のようにインキユベーシヨンに付したゲル
を用い、更に上記インキユベーシヨンにおいて用
いた塔型発酵槽系をそのまま用い、別途調製して
おいた酢酸発酵用原料液を528ml/時の割合で、
かつインキユベーシヨンにおいて用いたのと同一
組成の混合気体を1.2/分の割合で槽内に供給
して連続的に酢酸発酵を行なつた。この際取出口
より連続的に取出している発酵液は、酢酸発酵開
始60時間経過後その半量(264ml/時)を除菌し
て酢酸発酵用原料液(264ml/時)に加えて系に
循環させ、残量は製品とした。 酢酸発酵開始100時間後に得られた食酢は酢酸
濃度が4.7%でエタノール濃度が0.1%の製品であ
つた。尚、生酸速度は4.0g//時で、槽内のゲ
ルはゲル内生菌数が7.7×108細胞数/ゲル1mlで
あつた。また、この系において酢酸発酵は30日間
安定であつた。 実施例 2 I 酢酸発酵用原料液の調製: 常法に準じて、リンゴ果汁のアルコール発酵液
(エタノール含量5.3%)50%、酵母エキス0.1%、
変性アルコール(エタノール含量95%)2.5%お
よびアルコール酢(酢酸含量10%)10%を含み、
エタノール濃度が5.0%で酢酸濃度が1.0%の水溶
液を調製した。 酢酸菌を固定したゲルの調製: 上記試験例において用いた酢酸菌を微工研酢酸
菌1号菌に代えた他はすべて同様にして球状ゲル
を調製した。 ゲルのインキユベーシヨン法: 上記試験例で用いた塔型発酵槽(平均孔径0.2
mmのガラスフイルターがその孔の大部分がドラフ
トチユーブのほぼ真下に位置するように配置され
ている)と同じものを3基直列に連結した槽系を
用い、上記のようにして調製した球状ゲル360ml
を上記酢酸発酵用原料液と同一組成の栄養培地
1720mlと共にそれぞれの槽内にこの割合で充填し
た後インキユベーシヨンを開始した。このインキ
ユベーシヨンの操作条件は下記の通りであつた。 インキユベーシヨンの操作条件 通気:純酸素ガス1.2/分 (圧力弁は開放しておく) 栄養培地:1100ml/時 (二基目の培養培地は第一基から取出したもの
で更に三基目の培養培地は第二基から取出した
もの) 培養時間:72時間 培養温度:30℃ インキユベーシヨン後のゲルは、ゲル内生菌数
がいずれの槽内のものもほぼ1.2×109細胞数/ゲ
ル1mlのものであつた。 酢酸発酵法: 上記のようにインキユベーシヨンに付したゲル
を用い、更に上記インキユベーシヨンにおいて用
いた塔型発酵槽系をそのまま用い、別途調製して
おいた酢酸発酵用原料液を第一基目の槽にのみ
516ml/時の割合で供給し、かつ純酸素ガスを1.2
/分の割合で3槽すべてにそれぞれ供給して連
続発酵を開始した。この際通気用気体の純酸素ガ
スは圧力弁を閉じた密閉系の下で消費された酸素
量を補つて再使用に供した。また、第一基槽の発
酵液は第一基槽と第二基槽の連続配管の途中に設
けた除菌装置で除菌したのち第二基槽の原料液と
し、更に第二基槽の発酵液は同様にして設けてあ
る除菌装置を通して除菌後第三基槽の原料液とす
るようにして連続的に酢酸発酵を行なつた。 酢酸発酵開始後6日目(120時間後)に第三基
槽より得られた食酢は酢酸濃度が5.66%でエタノ
ール濃度が0.2%の製品で風味、香気とも極めて
良好な製品であつた。尚、生酸速度は4.6g//
時で、槽内のゲルはゲル内生菌数が6×108細胞
数/ゲル1mlであつた。また、この系において酢
酸発酵は30日間安定であつた。 実施例 3 上記実施例1において、隔離体としてドラフト
チユーブに代えて平板(高さは50cm、巾は塔型発
酵槽の内径(67mm)と同じ)を用い、また、多孔
体としてガラスフイルター(半円状、平均孔径
0.2mm)を使用し、そのフイルターの位置を平板
により形成された二つの上下方向の通路の一方の
ほぼ真下に位置するように配置した他は上記実施
例1と同じ条件の下で酢酸発酵を行なつた。尚、
この際用いた塔型発酵槽系は第2図において示し
たものである。 酢酸発酵開始100時間後に得られた食酢は、酢
酸濃度、エタノール濃度および生酸速度の点で上
記実施例1の場合に得られた値に比べて特に差の
認め難いものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の食酢の製造方
法を実施した塔型発酵槽の隔離体としてドラフト
チユーブおよび平板をそれぞれ用いた場合の例を
いずれも正面からの断面でもつて示す説明図であ
る。 図中の記号はそれぞれ下記の意味を有する。 1……塔型発酵槽、2……消泡槽、3……ドラ
フトチユーブ、3′……平板、4……多孔板(ガ
ラスフイルター)、4′……ガラスフイルター(半
円状物)、5……気体流入口、6……液面、7…
…エアーポンプ、8……発酵液取出口、9……ゲ
ル流出防止網、10……酢酸発酵用原料液流入
口、11……電磁弁、12……通気用気体供給
管、13……圧力弁、14……気泡、15……酢
酸菌を固定したゲル、16……発酵液。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酢酸発酵用原料液と酢酸菌を固定したゲルと
    を塔型発酵槽に充填し、通気しながら酢酸発酵さ
    せて食酢を製造する方法において、上記塔型発酵
    槽内にその上下方向に複数の通路を形成する隔離
    体を設け、その少なくとも一つの通路内を気泡が
    上昇するように通気を行なうことを特徴とする食
    酢の製造方法。 2 酢酸発酵用原料液と酢酸菌を固定したゲルと
    を塔型発酵槽に充填し、通気しながら酢酸発酵さ
    せて食酢を製造する方法において、上記塔型発酵
    槽の内部にその上下方向に複数の通路を形成する
    隔離体を、またその発酵槽の底部に多孔体をそれ
    ぞれ設け、通気用気体をこの多孔体を通して供給
    し、生じた気泡が上記通路の少なくとも一つの内
    部を上昇するように通気を行なうことを特徴とす
    る食酢の製造方法。
JP59024652A 1984-02-13 1984-02-13 食酢の製造方法 Granted JPS60168377A (ja)

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JPS6261580A (ja) * 1985-09-10 1987-03-18 Shigemi Mori バイオリアクタ−による食酢の製造方法並びに食酢の製造装置
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