JPH05135783A - エネルギー供給・利用設備 - Google Patents

エネルギー供給・利用設備

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JPH05135783A
JPH05135783A JP16472191A JP16472191A JPH05135783A JP H05135783 A JPH05135783 A JP H05135783A JP 16472191 A JP16472191 A JP 16472191A JP 16472191 A JP16472191 A JP 16472191A JP H05135783 A JPH05135783 A JP H05135783A
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芳久 竹林
Takashi Fukumura
貴司 福村
Michiya Suzuki
道哉 鈴木
Kimihiko Kori
公彦 郡
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Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力を主として燃料電池より供給するように
構成したエネルギー供給・利用設備にあって、燃料電池
の効率的な運用が図られるようにする。 【構成】 燃料電池1の電力供給能力に余裕があるとき
に、その余剰電力にて水を電気分解する。この電気分解
によって生産された水素をためておき、燃料電池の燃料
として必要時に使用するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエネルギー供給・利用設
備に係わり、特に、電力を主として燃料電池より得るよ
うに構成したエネルギー供給・利用設備に関する。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギーを得る装置として燃料電
池がある。燃料電池は、周知のように水素,一酸化炭
素,炭化水素などのいわゆる燃料を電池の陽極活性物質
とし、酸素を陰極活性物質として燃焼を起電的に行わせ
る形式の電池である。ふつうの火力発電方式では、燃料
を燃焼させて化学エネルギーを熱エネルギーに変換し、
この熱によって蒸気タービン,発電機を動作させて電気
エネルギーの形にする。したがってこの方式では火力発
電でも変換効率はせいぜい35〜40%にしか達しな
い。一方、燃料電池では、化学エネルギーを直接電気エ
ネルギーとして取り出せるので、変換効率もはるかに高
いものとなる。しかも、燃料電池は、石油系の燃料を燃
焼させたときのような有害物質を排出することがなくク
リーンでもあるため、近年特にその需要が高まりつつあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料電池
は、起動させてから安定した所定の発電能力に達するま
でに長時間を要するため、運転効率上、断続的ではなく
連続運転する必要がある。また、低負荷運転も効率が悪
く燃料電池の劣化を招くといった欠点がある。しかしな
がら、その一方、電力需要が少ないときに燃料電池を単
に運転するのは無駄となる。また、燃料電池の作動時に
は冷却水が用いられ、冷却水の出口温度は一般に約65
℃と高温である。従来、この冷却排熱はそのまま廃棄さ
れる場合がほとんどであった。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、特には燃料電池の無駄のない効率的な運転を実現す
ることのできるエネルギー供給・利用設備を、さらに
は、燃料電池からの排熱あるいは排気等の有効利用を図
ることによりエネルギーの高効率利用を図ることのでき
るエネルギー供給・利用設備を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
燃料電池を電力消費対象への主たるエネルギー供給源と
して構成されたエネルギー供給・利用設備であって、水
を被分解液とし前記燃料電池からの電力を作用源として
利用する電気分解槽と、該電気分解槽にて発生した水素
を回収・貯留する水素タンクと、該水素タンクに貯留さ
れた水素を前記燃料電池に供給する水素供給ラインと、
を有して成ることを特徴とするものである。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1記載のエ
ネルギー供給・利用設備において、該設備は下水処理装
置を備え、該下水処理装置は、受け入れ処理水を曝気処
理する曝気処理槽と該曝気処理槽の後段に設けられ曝気
処理された処理水を発酵させるメタン発酵槽とを備えて
成り、これら曝気処理槽およびメタン発酵槽には、前記
燃料電池の作動によって生ずる排熱をこれら曝気処理槽
およびメタン発酵槽に供給する排熱供給ラインが前記燃
料電池から延びて設けられ、一方、前記メタン発酵槽か
らは、このメタン発酵槽にて発生したメタンガスを回収
し前記燃料電池の燃料として使用するためのメタンガス
回収ラインが延びていることを特徴とするものである。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項2記載のエ
ネルギー供給・利用設備において、前記メタン発酵槽の
後段には、発酵処理後の汚泥を貯留する汚泥槽が設けら
れ、該汚泥槽には前記燃料電池から供給される電力を駆
動源として作動する汚泥乾燥手段が設けられて成るもの
である。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
の何れかに記載のエネルギー供給・利用設備において、
該設備は植物を人工栽培する植物工場を備え、該植物工
場には前記燃料電池からの電力が供給可能に構成される
とともに、該植物工場および前記燃料電池間には前記燃
料電池の作動によって生ずる排気炭酸ガスを前記植物工
場に供給するための炭酸ガス供給ラインが設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項2ないし4
の何れかに記載のエネルギー供給・利用設備において、
該設備はゴミ焼却処理工場を備え、さらに該ゴミ焼却処
理工場はゴミの焼却処理に伴う熱を動力源とする発電機
を備え、該発電機により発生した電力を前記燃料電池の
発生した電力と共に共用可能に構成し、かつ、該ゴミ焼
却処理工場および前記下水処理装置間にはゴミ焼却処理
工場からの排熱を前記下水処理装置を構成する前記曝気
槽およびメタン発酵槽に供給するための排熱供給ライン
が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】請求項6に係る発明は、請求項4記載のエ
ネルギー供給・利用設備において、該設備はゴミ焼却処
理工場を備え、該ゴミ焼却処理工場および前記植物工場
間にはゴミ焼却処理工場からの排気炭酸ガスを前記植物
工場に供給するための炭酸ガス供給ラインが設けられて
いることを特徴とするものである。
【0011】請求項7に係る発明は、請求項4または6
記載のエネルギー供給・利用設備において、前記植物工
場は、該設備の近接域または周辺域に存在する居住空間
からの排気空気を該植物工場内に取り入れるための室内
空気取入れラインと、該植物工場にて生産された高酸素
濃度空気を前記居住空間に送り出す高酸素濃度空気供給
ラインとを有していることを特徴とするものである。
【0012】請求項8に係る発明は、請求項1ないし7
の何れかに記載のエネルギー供給・利用設備において、
前記燃料電池には、該燃料電池の電力消費対象に電力を
供給できる太陽光発電装置または風力発電装置の少なく
とも一方が並列的に接続されていることを特徴とするも
のである。
【0013】
【作用】請求項1記載のエネルギー供給・利用設備で
は、燃料電池の電力需要が少ないときには余剰電力を電
気分解槽に送り、該燃料電池の燃料である水素を生産す
ることができる。これにより、燃料電池を停止させたり
低負荷運転をさせたりするのを防止でき、かつ燃料の浪
費も防ぐことができる。
【0014】請求項2記載のエネルギー供給・利用設備
では、燃料電池からの排熱を下水処理に利用して処理速
度を高めることができる。また、下水処理時に発生する
炭化水素(メタンガス)を燃料電池の燃料として回収す
ることにより、エネルギーの有効活用が図れる。
【0015】請求項3記載のエネルギー供給・利用設備
では、下水処理により生じた汚泥を乾燥・固化させ、骨
材等として利用できる。
【0016】請求項4記載のエネルギー供給・利用設備
では、燃料電池の夜間運転の余剰電力を植物工場の夜間
照明に利用することにより、燃料電池の負荷低減を防止
し、それとともに燃料電池の発生する電力の有効利用が
図れる。
【0017】請求項5記載のエネルギー供給・利用設備
では、ゴミ処理に伴う熱を利用して該設備の補助電源と
することができ、燃料電池の小型化に寄与するととも
に、ゴミ処理に伴う排熱の有効利用が図れる。
【0018】請求項6記載のエネルギー供給・利用設備
では、ゴミ処理に伴う排気ガスをも設備内で有効に利用
できるものとなる。
【0019】請求項7記載のエネルギー供給・利用設備
では、植物工場を空気清浄化手段として活用できる。
【0020】請求項8記載のエネルギー供給・利用設備
では、補助電源が設けられることにより燃料電池の小型
化が図られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明に係るエネルギー供給・利用
設備の一例を示した概略構成図である。図1において符
号1は燃料電池である。該燃料電池1は、陽極活性物質
として水素または炭化水素を、陰極活性物質として酸素
を用いるものである。本実施例においてこの燃料電池1
は常温で動作する低温型のものとしている。
【0022】この燃料電池1の一方の燃料である酸素は
空気中のものを使用するものとしており、燃料電池1に
は空気取入れライン2が接続されている。また、符号S
1はもう一方の燃料である水素を前記燃料電池1に供給
する水素供給ラインである。この水素供給ラインS1は
水素タンク4より延びており、燃料の水素はこの水素タ
ンク4より前記燃料電池1に供給されるようになってい
る。
【0023】燃料電池1からの電力は送電線E1に出力
される。該送電線E1はインバータ7および電気分解槽
8に向けてそれぞれ送電線E2,E3に分岐されてい
る。また、本実施例においては、発電装置として、前記
燃料電池1の他に太陽光発電装置(太陽電池)9および
風力発電装置10を備えている。これら太陽光発電装置
9および風力発電装置10からの送電線E4,E5は前
記インバータ7に接続されている。インバータ7からは
該インバータ7によって交流電流に変換された電力を所
定の電力消費対象へ送るための送電線E6が延びてい
る。送電線E6からの電力は、主として末端の各種設備
用として利用される。
【0024】前記電気分解槽8は水を電気分解して水素
と酸素を発生させるものである。該電気分解槽8から
は、電気分解により得られた水素を取り出すための水素
供給ラインS2および、酸素を取り出すための酸素ライ
ンO1が延出している。前記水素ライン12は前記水素
タンク4に接続されている。一方、前記酸素ライン01
からの酸素は適宜所要の目的に利用される。
【0025】図中、一点鎖線で囲んで符号20で示すも
のは下水処理装置である。21はこの下水処理装置20
を構成する曝気槽で、処理排水を受け入れるための処理
水受入れラインW1が接続されている。この曝気槽21
からは、ろ過装置22,活性炭吸着装置23,RO膜
(浸透膜)装置24等から構成される水処理ライン系
と、メタン発酵槽26,汚泥処理槽27等から構成され
る汚泥処理ライン系とが構成されている。図中符号W2
〜W5はそれぞれ前記水処理ライン系を構成する送水
管、M1〜M3は前記汚泥処理ライン系を構成する送泥
管である。
【0026】曝気槽21から前記ろ過装置22に延びた
送水管W2には、前記燃料電池1から延びた送排水管W
6が接続されている。また、前記曝気送21およびメタ
ン発酵槽26には、燃料電池1からの冷却排水を導く排
熱供給ラインH1,H2がそれぞれ接続されている。こ
の場合、曝気槽21およびメタン発酵槽26内には図示
しない熱交換器がそれぞれ設けられており、それら各熱
交換器に前記排熱供給ラインH1,H2からの温水が導
かれる構成となっている。
【0027】前記メタン発酵槽26の後段側には前記汚
泥処理槽27とは別に、メタン供給ライン(メタンガス
回収ライン)29を介して改質器30が設けられてい
る。また、該改質器30には前記送水管W5より分岐し
た送水管W7が接続されている。この改質器30からは
該改質器30の作用により発生した水素を前記水素タン
ク4に送るための水素ラインS3が延出している。ま
た、前記送水管W5からは前記送水管W7とは別に送水
管W8がさらに分岐しており、この送水管W8は前記電
気分解槽8に接続されている。
【0028】前記メタン発酵槽26の後段に設けられた
前記汚泥処理槽27には、前記送電線E6からの電力供
給を受けるための電力線E7が延びている。この電力線
E7による電力は、汚泥処理槽27内に設けられたヒー
ター(汚泥乾燥手段)31の動力源に使用される。
【0029】図中符号40は植物を人工栽培する植物工
場である。この植物工場40には、前記送電線E6より
分岐された送電線E8が引き込まれている。また、この
植物工場40には、燃料電池1から延びて、この燃料電
池1が炭化水素を燃料に作動された場合に発生する二酸
化炭素を供給する炭酸ガス供給ラインG1が接続されて
いる。さらに、この植物工場40には、この設備に近接
して、あるいは周辺に存在する住居空間等からの排気空
気を取り入れるための炭酸ガス供給ラインG2が接続さ
れている。また、この植物工場40からは、該工場40
内の植物によって酸素濃度の高められた空気を取り出す
ための高酸素濃度空気供給ラインO2が延出している。
【0030】図中符号50はゴミを焼却処分するゴミ焼
却処理工場である。このゴミ処理工場50にはゴミ焼却
による熱を駆動源とする発電機(図示略)が備えられて
いる。この発電機により生じた電気は送電線E9を介し
前記送電線E6に送られる構成となっている。また、こ
のゴミ処理工場50からは、ゴミ焼却により発生し前記
発電機に利用された余剰排熱を前記下水処理装置20の
前記曝気槽21およびメタン発酵槽26に供給するため
の排熱供給ラインH3が設けられている。さらに、ゴミ
焼却に伴って排出される炭酸ガスを前記植物工場40に
供給する炭酸ガス供給ラインG3が植物工場40に延出
されている。
【0031】次に、一実施例として上記構成となるエネ
ルギー供給・利用設備の作用効果について説明する。こ
の設備では、前記燃料電池1を動作させることにより電
気エネルギーを発生し、その電気エネルギーを前記送電
線E6より各電力消費対象に供給することができる。燃
料電池1の燃料である水素は前記水素供給ラインS1を
介して前記水素タンク4より、また、酸素は空気取入れ
配管2を介して外気より取り入れられる。
【0032】一方、前記太陽光発電装置9および風力発
電装置10から得られる電力も燃料電池1からの電力と
併用することができる。それら太陽光発電装置9,風力
発電装置10による発電量が消費電力に対して充分なと
きには、燃料電池1からの電力の一部あるいは大部分を
送電線E3を介して前記電気分解槽8に送る。電気分解
槽8では上記電力を利用して水が水素と酸素とに電気分
解される。この電気分解によって発生した水素は水素供
給ラインS2により前記水素タンク4に送られ、貯留さ
れる。この水素タンク4内の水素は燃料電池1の燃料と
して使用されることになる。一方の酸素は、酸素供給ラ
インO1を介して酸素を必要とする所要の設備,装置等
に供給することができる。この場合、その酸素の一部
を、例えば前記曝気槽21に送るように構成することも
できる。すなわち、曝気槽21での曝気用空気にこの酸
素を混入して酸素富化空気とすれば、曝気処理を高効率
で行うことができる。
【0033】曝気槽21、詳しくは曝気槽21内に設け
られた熱交換器には、燃料電池1より、該燃料電池1を
冷却して高温(約65℃)となった冷却排水が前記排熱
供給ラインH1を介して供給される。これにより、曝気
槽21に貯留された処理排水に対する曝気処理が効率的
に行われる。
【0034】曝気槽21にて曝気処理された処理排水は
前記水処理ライン系に送液される。この処理排水はろ過
装置22により不純物を除去された後、活性炭吸着装置
23にて脱臭・脱色処理され、その後RO膜装置24に
て最終的な微細なろ過処理をされ、生活用水として使用
される。燃料電池1からの排水も前記送配水管W6を介
して前記ろ過装置22に送液され、最終的に生活用水に
まで清浄化処理される。また、前記RO膜装置24によ
り最終的に処理された水の一部は、前記送水管W8を介
して前記電気分解槽8に供給され、被分解液として使用
される。
【0035】前記曝気槽21から処理水のうち汚泥分は
送泥管M1により前記メタン発酵槽26に送られる。こ
こで、汚泥はメタン発酵処理を受け、発生したメタンは
メタン供給ライン29により前記改質器30に送られ
る。メタン発酵槽26内には、前記曝気槽21と同様
に、燃料電池1からの冷却排水が排熱供給ラインH2を
介して導かれ、この温熱により発酵処理速度が高められ
る。前記改質器30では、回収したメタンガスより水素
を生成(水蒸気改質反応)し、その水素を水素供給ライ
ンS3を介して水素タンク4に送る。
【0036】上記のメタン発酵処理をされた汚泥の一部
は、送泥管M3を介して前記植物工場40に肥料として
供給され、他は送泥管M2を介して汚泥処理槽27に送
られる。汚泥処理槽2において汚泥は、前記ヒーター3
1により乾燥および固形化処理される。ヒーター31は
前記送電線E7より供給される電力により作動する。そ
して、ここで固形化処理された汚泥は例えば骨材などと
して利用される。
【0037】前記植物工場40では特に、前記送電線E
9からの電力を夜間照明に利用する。一方、燃料電池1
からは排気ガスである二酸化炭素が前記炭酸ガス供給ラ
インG1を介して、また、室内空気が炭酸ガス供給ライ
ンG2を介してこの植物工場40に送られる。植物工場
40内の栽培植物は、これら高濃度の二酸化炭素および
豊富な光により光合成が大いに促進される。さらに栽培
植物は、前記下水処理装置20(メタン発酵槽26)か
ら供給される肥料および高効率な高合成により成育が大
幅に促進される。この育成された植物は採取して消費す
ることができる。また、植物の育成に伴いそれら植物が
多量の酸素を生産するため、該植物工場40からは酸素
濃度の高い高酸素濃度空気が得られる。この高酸素濃度
空気は、前記高酸素濃度空気供給ラインO1を介して、
この植物工場40に室内空気を供給(排出)した居住空
間と同じ居住空間に供給される。
【0038】前記ゴミ処理工場50では、ゴミ焼却によ
り発生した熱により発電機を動作させ、その電力を、前
記燃料電池1の電力の供給先に同様に供給できる。ま
た、その余剰排熱は排熱供給ラインH3により、前記曝
気槽21あるいはメタン発酵槽26に供給でき、下水処
理能力を高める。さらに、燃焼による排ガス成分である
二酸化炭素を、前記炭酸ガス供給ラインG3により前記
植物工場40に供給することも可能である。
【0039】このように、上記エネルギー供給・利用設
備によれば、燃料電池1を電力エネルギーの供給源と
し、該燃料電池1に対する電力需要が少ないときでも該
燃料電池1を停止させることなく、その余剰電力を利用
して電気分解槽8により該燃料電池1の燃料である水素
を製造できる。したがって、燃料電池1を連続運転して
も燃料の浪費は極力防止でき、燃料電池1を停止させる
必要がないから、停止による立ち上げ動作を行う必要が
なく、高い運転効率を常時維持することができる。
【0040】特に、本実施例では、燃料電池1に加え、
太陽光発電装置9,風力発電装置10といった補助電源
を設けた構成としたので、その分太陽電池1を小型のも
のとすることができる。
【0041】また、本実施例では下水処理装置20を設
けた構成としたので、上記電気分解によって生ずる酸素
をこの下水処理装置20の特に曝気処理工程に使用する
ことにより、処理効率の向上が図れる。
【0042】また、上記下水処理装置20の特に曝気槽
21およびメタン発酵槽26には燃料電池1の運転によ
り生ずる排熱を導き、それにより下水処理の処理速度を
いっそう向上させることができ、燃料電池1の有効利用
が図られる。一方、この下水処理の結果生じたメタンガ
ス(炭化水素)を燃料電池1の燃料に使用することがで
きるから、燃料の一部が回収されることとなり、いわゆ
るエネルギー利用のクローズドシステム(循環利用シス
テム)が構成されている。
【0043】さらに、植物工場40を設置し、該植物工
場40においては夜間電力を使用して夜間照明を行うよ
うにし、その際、夜間電力としては燃料電池1の電力を
使用できるので、連続運転の適した燃料電池1の効率的
な利用が図れる。また、この植物工場には、燃料電池1
を炭化水素を燃料として運転させたときに排気される炭
酸ガスを取り入れ、それにより植物の育成速度を高める
ように構成したから、燃料電池1のさらなる効率利用が
図られている。また、この植物工場40からは栽培した
植物を採取して食用とでき、かつ室内空気をこの植物工
場40を介して循環させることにより清浄化することが
できる。さらに、上記実施例のように下水処理装置20
を設けた上でこの植物工場40を設ければ、下水処理に
より生じた汚泥を肥料として用いることができ、植物の
効率的育成がさらに向上する。
【0044】また、ゴミ処理工場では、焼却処理による
熱を利用して発電し、その電力を有効利用することがで
きる。さらに、その排熱を燃料電池1からの排熱と同様
に下水処理装置20に利用して、下水処理の効率化を図
ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るエ
ネルギー供給・利用設備によれば、燃料電池を電力エネ
ルギーの供給源とし、該燃料電池に係る電力需要が少な
いときでも該燃料電池を停止させることなく、余剰電力
を利用して電気分解槽により該燃料電池の燃料である水
素を製造できる。したがって、燃料電池を連続運転して
も燃料を浪費することにはならず、燃料電池を停止させ
る必要がないから、停止による立ち上げ動作を行う必要
がなく、高い運転効率を常時維持することができる。
【0046】請求項2記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、燃料電池の排熱を利用するこにより下水処理
の処理速度をいっそう向上させることができ、燃料電池
の有効利用が図られる。一方、この下水処理の結果生じ
た炭化水素(メタンガス)を燃料電池の燃料に使用する
ことができるから、燃料の一部を回収でき、いわゆるエ
ネルギー利用のクローズドシステム(循環利用システ
ム)を構成することができる。さらに、上記電気分解に
よって生じた酸素を下水処理に利用することにより下水
処理のさらなる効率化を実現するといった効果を得られ
る。
【0047】請求項3記載のエネルギー供給・利用設備
によれは゛、さらに汚泥を乾燥・固化して、それを骨材
等として利用するなど汚泥の有効利用が図れる。
【0048】請求項4記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、植物工場の夜間電力として燃料電池の電力を
利用して、連続運転の適した燃料電池の効率的利用が図
れる。また、この植物工場には、燃料電池を炭化水素を
燃料として運転させたときに排気される炭酸ガスを取り
入れ、それにより植物の育成速度を高めるように構成し
たから、燃料電池のさらなる効率利用が図られている。
さらに、植物工場からは栽培した植物を採取して食用と
できる上、室内空気をこの植物工場を介して循環させる
ことにより清浄化することができる。しかも、下水処理
装置を設けた上でこの植物工場を設ければ、下水処理に
より生じた汚泥を栽培植物用の肥料として用いて植物の
育成促進が図れる等、燃料電池を中心としたエネルギー
授受の効率活用を図ることができる。
【0049】請求項5記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、ゴミ処理に伴う熱エネルギーを利用して発電
し、その電力を燃料電池の補助電源として使用できると
ともに、その排熱を燃料電池からの排熱と同様に下水処
理装置に利用し、下水処理の効率化を図ることができ
る。
【0050】請求項6記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、ゴミ処理に伴う排ガスについても有効利用が
図れるものとなる。
【0051】請求項7記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、植物工場における植物育成促進が図れるもの
となる。また、植物工場から高酸素濃度空気を室内に戻
せば室内空気の清浄化を図れるものとなり、この植物工
場を空気清浄手段として利用することも可能となる。
【0052】請求項8記載のエネルギー供給・利用設備
によれば、太陽電池による負荷負担分を小さくできるか
ら太陽電池の小型化を図れる、といった効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるエネルギー供給・利用
設備を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池 4 水素タンク 9 太陽光発電装置 10 風力発電装置 20 下水処理装置 21 曝気槽 26 メタン発酵槽 27 汚泥処理槽 29 メタン供給ライン(メタンガス回収ライン) 31 ヒーター(汚泥乾燥手段) 40 植物工場 50 ゴミ焼却処理工場 S1 水素供給ライン G1 炭酸ガス供給ライン G2 炭酸ガス供給ライン(室内空気取入れライン) H1,H2,H3 排熱供給ライン O2 高酸素濃度空気供給ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 11/04 A 7824−4D F23G 5/44 Z 7815−3K 5/46 A 7815−3K H01M 8/06 R H02J 15/00 Z 9061−5G (72)発明者 郡 公彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池を電力消費対象への主たるエネ
    ルギー供給源として構成されたエネルギー供給・利用設
    備であって、 水を被分解液とし前記燃料電池からの電力を作用源とし
    て利用する電気分解槽と、該電気分解槽にて発生した水
    素を回収・貯留する水素タンクと、該水素タンクに貯留
    された水素を前記燃料電池に供給する水素供給ライン
    と、を有して成ることを特徴とするエネルギー供給・利
    用設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエネルギー供給・利用設
    備において、該設備は下水処理装置を備え、該下水処理
    装置は、受け入れ処理水を曝気処理する曝気処理槽と該
    曝気処理槽の後段に設けられ曝気処理された処理水を発
    酵させるメタン発酵槽とを備えて成り、これら曝気処理
    槽およびメタン発酵槽には、前記燃料電池の作動によっ
    て生ずる排熱をこれら曝気処理槽およびメタン発酵槽に
    供給する排熱供給ラインが前記燃料電池から延びて設け
    られ、一方、前記メタン発酵槽からは、このメタン発酵
    槽にて発生したメタンガスを回収し前記燃料電池の燃料
    として使用するためのメタンガス回収ラインが延びてい
    ることを特徴とするエネルギー供給・利用設備。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエネルギー供給・利用設
    備において、前記メタン発酵槽の後段には、発酵処理後
    の汚泥を貯留する汚泥槽が設けられ、該汚泥槽には前記
    燃料電池から供給される電力を駆動源として作動する汚
    泥乾燥手段が設けられて成るエネルギー供給・利用設
    備。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載のエネ
    ルギー供給・利用設備において、該設備は植物を人工栽
    培する植物工場を備え、該植物工場には前記燃料電池か
    らの電力が供給可能に構成されるとともに、該植物工場
    および前記燃料電池間には前記燃料電池の作動によって
    生ずる排気炭酸ガスを前記植物工場に供給するための炭
    酸ガス供給ラインが設けられていることを特徴とするエ
    ネルギー供給・利用設備。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4の何れかに記載のエネ
    ルギー供給・利用設備において、該設備はゴミ焼却処理
    工場を備え、さらに該ゴミ焼却処理工場はゴミの焼却処
    理に伴う熱を動力源とする発電機を備え、該発電機によ
    り発生した電力を前記燃料電池の発生した電力と共に共
    用可能に構成し、かつ、該ゴミ焼却処理工場および前記
    下水処理装置間にはゴミ焼却処理工場からの排熱を前記
    下水処理装置を構成する前記曝気槽およびメタン発酵槽
    に供給するための排熱供給ラインが設けられていること
    を特徴とするエネルギー供給・利用設備。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のエネルギー供給・利用設
    備において、該設備はゴミ焼却処理工場を備え、該ゴミ
    焼却処理工場および前記植物工場間にはゴミ焼却処理工
    場からの排気炭酸ガスを前記植物工場に供給するための
    炭酸ガス供給ラインが設けられていることを特徴とする
    エネルギー供給・利用設備。
  7. 【請求項7】 請求項4または6記載のエネルギー供給
    ・利用設備において、前記植物工場は、該設備の近接域
    または周辺域に存在する居住空間からの排気空気を該植
    物工場内に取り入れるための室内空気取入れラインと、
    該植物工場にて生産された高酸素濃度空気を前記居住空
    間に送り出す高酸素濃度空気供給ラインとを有している
    ことを特徴とするエネルギー供給・利用設備。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7の何れかに記載のエネ
    ルギー供給・利用設備において、前記燃料電池には、該
    燃料電池の電力消費対象に電力を供給できる太陽光発電
    装置または風力発電装置の少なくとも一方が並列的に接
    続されていることを特徴とするエネルギー供給・利用設
    備。
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