JPH0513529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エラストマ製品の製造用の型、特に
タイヤ製造用の型に関する。従来からタイヤを二
つ合わせ型内で成形することが知られ、この場
合、型の各部分は成形されるタイヤのトレツド部
分の半分とサイドウオールの一方を含む鍛造品で
あつた。慣習的に、二つ合わせ型は鋳造トレツド
リングの形態をもつ１つの挿入体を用い、そのト
レツドリング挿入体には成形されるタイヤのトレ
ツドパターンのしるしが設けられていた。トレツ
ドリング挿入体の使用は同一のタイヤ成形型を
種々の異なるトレツドパターンに用いることを可
能にした。しかし、サイドウオールのパターン及
びしるしは、その二つ合わせ型では同一でなけれ
ばならなかつた。

タイヤの外側のサイドウオール上の浮出し文字
の出現に伴なつて、タイヤの外側のサイドウオー
ル型半部用の肉薄の鍛造品により互換性を便宜に
するため、三つ合わせサイドウオールリング方式
の型が開発された。この肉薄の鍛造品は、二つ合
わせ型半部のものと類似の肉厚鍛造品との間にタ
イヤのトレツド部分上に延びるシヨルダ部合わせ
ラインをもつていた。この型の他の半部は二つ合
わせ型の肉厚鍛造品と同一のままであつた。三つ
合わせ型は、二つ合わせ型の場合と同様に、トレ
ツドパターンの変更に便利なトレツドリング挿入
体を収容するために、タイヤの外側サイドウオー
ルに用いられる方の型半部の肉厚鍛造品は、サイ
ドウオールリングの肉薄鍛造品の溝に合ったリブ
付き棚部分をもつていた。

二つ合わせ型の他の変形においては、肉厚鍛造
品のサイドウオールリングの下方部分内にサイド
ウオールリング挿入体を導入する構造をもち、該
サイドウオールリング挿入体はサイドウオールの
デザインの多様性及び変更のために交換すること
ができた。

開発の最終段階は、三つ合わせ型のサイドウオ
ール用の肉薄鍛造品にサイドウオールリングを収
容するために最後の二つの型方式を組み合わせる
ことであつた。

タイヤ製造用型の開発の初期段階においては、
タイヤの各シヨルダ部に型分割ラインを設け、タ
イヤトレツド幅の全体をカバーする中央リングを
トレツドリング挿入体とともに用いる型が開発さ
れた。この中央リング方式は、型からタイヤを取
り出す際に問題を生じた。この概念は今日のタイ
ヤ用としては一般に受け入れ難いものと考えられ
ている。

高温と高圧のタイヤ成形及び加硫に適合させる
ために、肉厚鍛造品を用いてはじめられた上記の
型は、それらの使用面での融通性が増すように
次々に順次の段階を踏んで変更になり、それと同
時に多数の重い部品を具備した複雑かつ取扱いに
くいものとなつた。最初の二つ合わせ型に比較し
型用の部品の数の大幅な増加は、型の加工上の要
求事項を可成り増大し、それによつて価格の増大
を伴なうこととなつた。

本考案は、上述の型の設計の改善過程における
考え方の劇的な変換によつて上記の諸問題点を克
服する型を提供することを目的とする。本考案に
よる型は、トレツド及ぶサイドウオールの設計変
更に対する融通性を提供するとともに、型のサイ
ドウオール部分に対して肉薄かつ軽量の部材を使
用することにより従前の型よりも型部品の数を減
少するものである。この型はそのサイドウオール
部分を製作するのに利用できる材料の選択の幅が
広い点より価格上の広い融通性があるという利点
をもつ。加工数及び取扱い部品数の減少はより簡
単になる鋳造工程とともに、さらにコスト上の利
点を生じる。他の利点は、型の製作に当つての全
般的な所要材料の減少により型が軽量になり、さ
らに型全体のサイズが減少され、ひいては小型プ
レスが使用可能となることである。

本考案による型は、タイヤ用の二つ合わせ型内
に、一対のサイドウオールリング及び内側にトレ
ツドパターンをもつ分割型トレツドリングをも
ち、トレツドリングの各半部は単一個体でかつ型
の外方直径部（外径部）からトレツドパターンの
最内方直径部に延び、サイドウオールリングはト
レツドリングとかみ合うようにぴつたり合つてお
り、そのトレツドリングはそれ自身で型の分割ラ
インを形成している。

本考案はまた、トレツドパターンを内蔵し、そ
の内方直径部（内径部）及び外径部が第１及び第
２のサイドウオールリングによつて定められるタ
イヤ用型を表わしている。サイドウオールリング
の内側面及び外側面は、前記の内径部及び外径部
間に延びる。同リングの内側面は互いに向き合い
かつ各面には同様に互いに向き合つた円形溝が面
上に形成されている。分割型トレツドリングは両
サイドウオールリングの間に配設され、トレツド
リングの各半部は内径部と外径部を有する。トレ
ツドリング半部は単一個体で、かつトレツドリン
グの外径部はサイドウオールリングの外径部と一
致する。トレツドリングの内径部は型トレツドパ
ターンの最内方直径部と一致する。トレツドリン
グの外側面はサイドウオールリングの内側面と合
わされるようにトレツドリング内径部と外径部の
間に延びる。トレツドリングの内側面同志はトレ
ツドリング内径部とトレツドリング外径部の間に
延び、互いに合わされてそれにより型の分割ライ
ンを形成し、かつトレツドリングの内側面に形成
された環状の棚部分は内側面同志が合わされると
き型の整合を促進する。トレツドリング外側面上
の円形リブはサイドウオールリング上の円形溝と
はめ合い、かつリブ上及び溝内に形成された内方
接触面はサイドウオールリングに対してトレツド
リングを整合する。

さらに、この新機軸は新規のタイヤ加硫プレス
用の二つ合わせ型を企画しており、前記の型はそ
れぞれがタイヤサイドウオールリングを成形する
手段をもつとともに加硫プレスの圧力に耐える厚
さを有する両サイドウオールリングと、トレツド
パターンを内蔵し、その半部は単一個体であつて
型の外径部からトレツドパターンの最内方直径部
まで延びる分割型トレツドリングを有し、かつ、
それのみで型の分割ラインを形成するトレツド半
部に一方のサイドウオールリングがかみ合うにぴ
つたりと合わされ、そのトレツド半部の外側面に
沿つて延びている。

本考案の上記利点は、図面を参照しつつ本考案
の一実施例についての以下の詳細説明から、当業
者には容易に明らかになるであろう。

第１図及び第２図において、本考案に係る型式
のタイヤ型１０は、それぞれおす型及びめす型を
構成する一対の型半部１２及び１４から成る。各
型半部はそれぞれおす型及びめす型を構成するサ
イドウオールリング１６及び１８と、同様にそれ
ぞれおす型及びめす型を構成する分割型トレツド
リングの半部２０及び２２からなつている。２つ
の型半部１２及び１４は中央分割ライン「Ａ」に
おいて分離され、型１０は開かれて型内で成形さ
れた製品を解放する。サイドウオールリング１６
及び１８はそれぞれ分割型トレツドリングの半部
２０及び２２と、等間隔に設けられた一連のねじ
立てられたボルト穴２４内に螺合される一連のボ
ルトによつて結合される。サイドウオールリング
１６及び１８はボルト穴２４について述べた位置
と同様な二つの部品間の位置で、不図示のノツク
ピンを用いて分割型トレツドリング半部２０及び
２２と位置決めされる。同様にまた、型半部１２
及び１４は一連のプレス穴２６を用いて加硫プレ
スに取付けられる。

分割型トレツドリング半部２０及び２２は、ト
レツドリングの内側に、成形されるタイヤのトレ
ツドパターンを含む。ライン２８はトレツドリン
グの内径部におけるトレツドパターンの最内方部
分をあらわす。トレツドリングの各半部２０，２
２は、トレツドリングの内径部から型１０の外径
部まで延びる個体部分で示されている。トレツド
リング半部２０及び２２の鋳造は、上述の従来の
型で用いられていたトレツド挿入体の使用を不要
にし、それによつて型１０の構造を簡単化して
る。

一方、トレツドリング半部２０及び２２は、サ
イドウオールリング１６及び１８へのボルト結合
に必要な普通の二つ合わせ型肉厚鍛造品の厚さを
維持するが、トレツドリング挿入体の厚さは省略
されており、それによつて型１０の全体サイズが
減少される。サイズの減少に加えて、トレツドリ
ング挿入体を受入れるために型半部２０と２２の
双方に加工を施すことはもはや不必要となり、か
つ以前には２つの型半部１２及び１４から加工に
よつて切除され棄てられていた材料の無駄も生じ
ない。トレツドリングはそれにタイヤトレツドパ
ターンを付設するための迅速な方法として、鋳造
されることが好適である。また、本考案の範囲内
で、例えば、単純なトレツドパターンをもつ単一
個体のトレツドリングでは、トレツドパターンを
鋳込まずに、表面にトレツドパターンを切り込ん
で形成することもできる。分割型トレツドリング
は、鋳造用アルミニウム、さらに514alloyのよう
なアルミニウム合金を用いて製造することが特に
好適である。

分割型トレツドリングの２つの半部２０及び２
２は、それぞれトレツドリングの最内方直径部か
ら型１０の外径部と一致するその最外方直径部ま
で延びる界面３０及び３２をもつ。界面３０及び
３２は断面図（第２図）における中央分割ライン
「Ａ」と一致する。界面３０，３２はトレツドリ
ングの外径部に棚部分３４をもち、該棚部分によ
つて、型１０が閉じられるとき２つの半部２０及
び２２の整合を容易にする。棚部分３４のもつ傾
斜面３６は、型１０が開かれるとき２つの型半部
１２及び１４の迅速な型開きを容易にする。

分割型トレツドリングはその外径部から内径部
に向つて延びる外側面３８及び４０をもち、その
外側面３８及び４０はそれらの最内方端から突出
するリブ４２及び４４によつて中断されている。

リブ４２及び４４は内方接触面４６及び４８を
延設し、それによつてトレツドリングの内径部と
サイドウオールリング１６及び１８の間の荷重支
持面をそれぞれ増大する。リブの内方接触面４６
及び４８と外方の面５０及び５２とはともに棚部
分３４の傾斜面３６と類似の形態に傾斜されて、
ボルト穴２４からボルトを除去する際にトレツド
リング半部２０及び２２の迅速な取外しを可能に
する。外側面５４及び５６によつてリブ４２及び
４４の形状は完成する。内方接触面４６及び４８
は、トレツドリングとサイドウオールリング１６
及び１８間の合わせラインに鋳ばりが起こるのを
防ぐために、サイドウオールリングとの間に締り
ばめを形成するが、一方リブの外方の面５０，５
２とサイドウオールリング１６及び１８との間に
は型１０を加熱したときに相互間で異なる膨張を
補償するすき間が残されている。

サイドウオールリング１６及び１８は、トレツ
ドリング上のリブの合わせ面に対する合わせ面を
サイドウオールリングの溝の内方接触面５８と６
０、同溝の外方の面６２と６４及び同溝の底面６
６と６８に持つており、これらの全ての面はトレ
ツドリングのリブ４２および４４を受けるための
サイドウオールリング１６，１８の溝を形成して
いる。

サイドウオールリング１６及び１８は型の外径
部から型の内径部に延び、上記の溝につらなる内
側面７０及び７２をもつ。サイドウオールリング
１６及び１８は、型の外径部と内径部との間に延
びる外側面７４及び７６を界面にもつ。上記の内
側面７０及び７２はさらに、その中で成形される
タイヤの外郭形状を完成するために必要なサイド
ウオール形状面７８及び８０につらなつている。
タイヤの内方部分は膨張式袋を使用するなど通常
の方法で成形される。

従来技術の二つ合わせ型鍛造品に比べて肉薄の
断面をもつプレート型のサイドウオールリング１
６及び１８は鋳造または鍛造によるよりも板材料
で造ることが好適である。しかし、たとえ鋳造ま
たは鍛造するとしても、この肉薄断面をもつて大
型のリングを製造することが可能であり、かつこ
れら３つの形式のサイドウオールリングはすべて
加工が一層容易になると同時にサイドウオール形
態の変更時の扱いに融通性をもたせることができ
る。板材または鍛造材としては、2618−T61アル
ミニウムの使用が好適であり、鋳造にはalmag35
を用いることが好ましい。

サイドウオールリング１６及び１８がもつ融通
性は設計変更を容易かつ迅速にするが、従来の二
つ合わせ型に関して上述したようにサイドウオー
ルリング挿入体を組入れて使用することは本考案
の範囲を越えるものではない。

特許法の規定に従つて、本考案による装置の構
成原理及び作用について述べ、かつ本考案の好適
実施例を図示しかつ説明を行つた。しかし本考案
は、その趣旨及び範囲から逸脱せずに上述した以
外の形態によつても実施できることが理解される
であろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるタイヤ型の一実施例の
斜視図で、細部を示すためにその一部が破断さ
れ、第２図は、第１図のタイヤ型の部分断面図で
ある。 １０……タイヤ型、１２，１４……型半部、１
６，１８……サイドウオールリング、２０，２２
……トレツドリング半部、２４……ボルト穴、２
６……プレス穴、２８……ライン、３０，３２…
…界面、３４……棚部分、３６……傾斜面、３
８，４０……トレツドリング外側面、４２，４４
……リブ、４６，４８……トレツドリングのリブ
の内方接触面、５０，４２……リブの外方の面、
５４，５６……リブの外側面、５８，６０……サ
イドウオールリングの溝の内方接触面、６２，６
４……溝の外方の面、６６，６８……溝の底面、
７０，７２……サイドウオールリング内側面、７
４，７６……サイドウオールリング外側面、７
８，８０……サイドウオール形状面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内方にトレツドパターンを有するタイヤ加硫
   用二つ合わせ型であつて、型の内径部及び外径
   部を第１及び第２のサイドウオールリングにお
   き、前記サイドウオールリングの内側面及び外
   側面は前記内径部と外径部間に延び、前記サイ
   ドウオールリングの内側面は互いに対向し、か
   つ各内側面はそれぞれ互いに向き合う円形溝を
   もち、前記サイドウオールリングの間に分割型
   トレツドリングが配設され、該トレツドリング
   の各半部はその内径部と外径部をもち、前記ト
   レツドリング半部は単一個体であつてかつ前記
   トレツドリングの外径部は前記サイドウオール
   リングの外径部と一致し、前記トレツドリング
   の内径部は型トレツドパターンの最内方直径部
   と一致し、前記トレツドリングの外側面は前記
   サイドウオールリングの内側面と合わされるよ
   うに前記トレツドリングの内径部と外径部間に
   延び、前記トレツドリングの内側面は互いに合
   わされてそれらのみにて型の分割ラインを形成
   するように前記トレツドリングの内径部と外径
   部間に延び、前記トレツドリングの外側面には
   前記サイドウオールリングの円形溝と合わされ
   る円形リブが形成され、前記リブ上及び前記溝
   内には前記サイドウオールリングに対し前記ト
   レツドリングを整合させる内方接触面を有する
   タイヤ加硫用二つ合わせ型。 ２ 前記リブ及び溝の内方接触面が型分割ライン
   と垂直に交わる平面に対し傾斜している実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のタイヤ加硫用二
   つ合わせ型。 ３ 前記トレツドリングのリブと前記サイドウオ
   ールリングの溝との間にすき間を設けるよう
   に、前記リブ上に形成された外方の面を有する
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のタイヤ加
   硫用二つ合わせ型。 ４ 前記リブの外方の面が分割ラインに対し90°
   以外の角度を形成するように傾斜している実用
   新案登録請求の範囲第３項記載のタイヤ加硫用
   二つ合わせ型。 ５ 前記サイドウオールリングがアルミニウム板
   で造られた実用新案登録請求の範囲第１項から
   第４項までのいずれか一項記載のタイヤ加硫用
   二つ合わせ型。 ６ 前記トレツドリングが鋳造品である実用新案
   登録請求の範囲第１項から第４項までのいずれ
   か一項記載のタイヤ加硫用二つ合わせ型。 ７ 前記トレツドリングの幅が型トレツド幅を越
   えて延びる実用新案登録請求の範囲第１項から
   第４項までのいずれか一項記載のタイヤ加硫用
   二つ合わせ型。 ８ 前記サイドウオールリングが型のトレツド部
   分内まで延びる部分をもたない実用新案登録請
   求の範囲第１項から第４項までのいずれか一項
   記載のタイヤ加硫用二つ合わせ型。