JPH0513468U - 自動消火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 一般住宅用として、低コスト、手頃な大き
さ、自由に選べる消火能力などから最適の自動消火装置
を提供する。 【構成】 消火液送り出し装置を有し、配管と噴射ノズ
ルを屋内に固定接続し、火災検知器で作動する自動消火
装置において、消火液を収容する容器１と、消火液を送
り出すモ−タポンプ１４，１３と、モ−タポンプの駆動
・停止を制御する制御回路１５とを一体にパッケ−ジ化
した。装置の主要部分を本体としてパッケ−ジ化してい
るので、工事費が小くてすむ。消火液容器は圧力型では
ないので、大きさを設計的に自由に選べる。強化液を用
いるので、消火力が大きい。一般スプリンクラ−のよう
な消火水の出しっぱなしで、水による損失が大きくなる
のを、制限することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、消火装置や消火設備についてである。特に屋内消火用であり、一般 住宅用の消火装置を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、屋内用自動消火装置としては、大きな建物用としては、スプリンクラ− 設備がある。また一般住宅用の小さなものとしては、簡易自動消火装置、さらに 水道を利用した簡易なスプリンクラ−装置がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

本考案は、一般住宅用簡易スプリンクラ−設備を目指したものである。従来技 術の中で、大きな建物用のスプリンクラ−設備は、個々の装置を集めて、建物に 対し設備工事を行うものであり、大掛かりな工事と費用を要し、一般住宅用には 向かない。さらに大半の装置では、実際の火災の際に大量の水を放出するため、 火は消えるものの焼損以上に水濡れによる損失を生じる。水道を利用した簡易な スプリンクラ−装置も水濡れによる損失が大きい。さらにこの装置を家庭の水道 に接続して施工するには、水道局の承認手続きと工事の工夫が必要であり、面倒 である。 また、簡易自動消火装置は、いわば、小型消火器を自動的に作動させるもので あって、消火薬剤を充填した蓄圧式又は加圧式である。このため、消火能力が不 十分であること、数年毎の薬剤の詰め替えを必要とすること、圧力容器の寿命が 定められていること等の欠点を持つ。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案では、問題点を解決するために、消火液を収容する容器と、消火液を送 り出すモ−タポンプと、モ−タポンプの駆動・停止を制御する制御回路を一体に パッケ−ジ化し、これを一般住宅の適当な場所に設置し、また、配管・噴射ノズ ル、火災検知器等を必要な屋内箇所に設置したものである

【０００５】

【作用】

本考案のものは、設備の主要部分をパッケ−ジ化したので、設備工事の手間、 費用が大幅に縮小できる。パッケ−ジ化した本体は、そう大きくならないから、 一般住宅の床下、屋外等に場所をとらずに設置できる。 消火作動は、火災検知器の火災検知の信号を受けて、モ−タポンプが作動し、 消火液を送り出すことによって始まる。 また、作動を終わらせるために、消火終了の検知器を設けておき、その電気信号 でモ−タポンプの作動を停止させることができる。 また、消火液の量はパッケ−ジの容器の大きさによって定まるので、これを全部 送りだしてしまうと、消火液の放出は停止する。いつまでも水の放出しっぱなし になることはない。 消火液としては、一般には、水に燃焼抑制作用のある塩類等を添加した強化液を 用いる。水を用いる一般のスプリンクラ−より、流量当りの消火能力が大きいこ とと、消火後の再燃焼抑制能力が大きい。 また、消火液容器の容積の決定は、簡易自動消火装置の場合よりは、消火能力を 大きく定める事が十分可能である。圧力型容器とする必要がないからである。

【０００６】

【実施例】

図１、２は、 本考案の実施例である。 図１は、本考案のパッケ−ジ化された自動消火装置の一例で、そのシステム全 体図である。 １は、消火液が収容される容器、２は制御回路を収納し、容器１と一体化された 本体部、３は消火液が通過するための配管で、住宅の屋内に設置される。その配 管の先端に噴射ノズル４が取りつけられる。５は発生した火災を検知し、電気信 号を送る検知器のセンサ−で、６はそのセンサ−と装置本体部の制御回路を結ぶ 信号線を示す。

【０００７】 以上の通り、容器１、制御回路を一体にパッケ−ジした装置の本体部２は、一 般住宅の床下、屋外通路等に置き、噴射ノズル４、火災検知器センサ５は、防火 すべき部屋の天井に配置し、配管３、信号線６で装置本体部２と連結される。７ は電源入力線で、商用電源にコンセント差込み等で接続する。 ８は住宅の適当な場所に設けられた手動起動スイッチで、火災検知器センサ５ より先に住人が火災発生を発見した場合に、このスイッチにより本装置を作動さ せることができる。９は警報ブザ−で、住宅の住人に火災発生と本装置の作動を 知らせるもので、全住人に警報を知らせる最適場所に設置される。１０は通報用 出力端子で、消防機関等への通報電話や通報システムに結線することにより、火 災発生を通報することができる。

【０００８】 図２は、図１の装置本体部２の縦断面図を示す。 １が容器で、消火液１１を収容する。消火液１１は、容器１の上部に装着された キャップ１２を外して容器に注入することができる。１３はポンプ、１４はポン プ１３を駆動するモ−タで、商用電源により作動する。 ポンプ１３は、容器１内の消火液槽の底部より液を吸い上げて加圧し、配管３、 屋内に設けられたその他の配管を通し、噴射ノズル４に圧送する。 １５は装置本体部２の上部に設けられた制御回路で、電力は電源入力線７を 商用電源に接続して供給される。

【０００９】 信号線６の先端に取り付けられた火災検知器のセンサ４は常に監視の状態にな っており、火災発生の電気信号を制御回路１５におくる。その信号により制御回 路は、各機能作動の指示即ちモ−タ１４の起動、警報器ブザ−９、通報１０を起 動させる。 本体部２は、容器１、モ−タポンプ１３、１４、制御回路１５を内装して一体を 成しているが、本装置本体部の移動を容易にするための取っ手部を設けたり、警 報ブザ−９を内臓することも考えられる。 さらに、簡易自動装置と異なる点は、蓄圧式又は加圧式でない事である。即ち、 消火液を蓄えておく容器１は加圧状態で保持しているわけでなく、装置の作動状 態でも、消火液はモ−タポンプ１３、１４に吸い込まれるものであるから、圧力 容器としての設計上の制限を受けず、プラスチック材料又は薄肉の金属容器の使 用が可能であること、大きさについても加圧容器としての設計上の制限を受けな い。 強化液の消火能力と一般住宅の消火面積、室数に見合った消火液量を保持する容 積とすることができる。

【００１０】 消火液としては、消火能力が大きく、また再燃焼抑制能力の大きい強化液を用 いるが、噴射ノズルを変えることで、泡消火液を用いることもできる。当然、水 のみの使用も可能である。 消火対象面積が広いわりに、噴射ノズルの数が増やせない場合は、可動ノズル方 式を用いるのも効果的である。 本装置は、モ−タポンプを用いているので、センサで消火を確認できれば、モ− タポンプを停止させることができる。水損を制限することが可能である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の効果をまとめると次の通りである。 設備の主要部分である消火液用容器１、加圧送り出し用のモ−タポンプ１３、１ ４、電気制御用制御回路１５をパッケ−ジ化したこと、一体にまとめたことによ り、設置工事の手間、費用が大幅に縮小できる。また、パッケ−ジ化した本体部 ２は、容器の大きさにもよるが、あまり大きくせずにまとまるから、一般住宅の 床下、屋外等に設置できるから、場所もとらない。一般住宅用としてコスト、大 きさ、消火能力からいって最適の装置といえる。

【００１２】 一般的にスプリンクラ−設備は大型のものも、簡易型も消火の場合は水が出 しっ放しになり、火災による損失と合わせて、水濡れによる損失も大きいもので あるが、本考案の場合は、電気的なモ−タ駆動であるから、消火終了の検知器を 接続すれば、自動停止させることができて、放水による損失を制限することがで きる。最悪の場合でも容器内の消火液量以上の放水はない。消火液としては単な る水でなく、消火能力が大きく、再燃焼抑制能力のある強化液を使用するから、 その意味でも放水による損失を制限することができる。さらに、簡易なスプリン クラ−装置を設けるのに、水道に接続するための水道局の承認手続きを要するが 、本考案では不要である。

【００１３】 次に、簡易自動消火装置が蓄圧式又は加圧式であって、いずれも消火容器等 が圧力容器のため設計強度上の制限があるため、消火能力に限界があるのに対し 、本考案では容器を圧力容器とする必要はなく、パッケ−ジ型といっても、容器 の大きさを自由に選択することができる。一般住宅の大きさ、消火したい場所の 大きさ、室数に合わせて自由に選ぶことができる。消火能力を自由に選べる。 メンテナンス面から言うと電気作動部のみの点検ですむ。簡易自動消火装置のよ うな薬剤の専門業者による詰め替えも不要である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動消火装置の実施例で、システ
ム全体図である。

【図２】図１の装置本体部の縦断面図である。

【図３】従来の大型スプリンクラ−設備の構成図。

【図４】従来の簡易自動装置（消火器型）の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 容器（消火液を収容している。） ２ 装置の本体部 ３ 配管 ４ 噴射ノズル ５ 火災検知器のセンサ １３ ポンプ １４ モ−タ １５ 制御回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 消火液送り出し装置を有し、配管と噴射ノズルを屋内に
   固定接続し、火災検知器で作動する自動消火装置におい
   て、消火液を収容する容器と、消火液を送り出すモ−タ
   ポンプと、モ−タポンプの駆動・停止を制御する制御回
   路とを一体にパッケ−ジ化したことを特徴とする自動制
   御装置。