JP3937381B2 - 屋内消火設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内の消火設備に係り、さらに詳しくは、消火タンクを用いた屋内の消火設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種屋内の消火設備の一例として、建物躯体をなす床スラブと天井スラブとの間において、床スラブと床材のなす床高内に消火水を給送するための床内配管を配置し、間仕切壁内に床内配管と接続した壁内配管を立ち上げ、間仕切壁の居住室壁面に取付けたスプリンクラヘッドを壁内配管に接続したものがある。
【0003】
そして、居住室内で火災が生じると、感知部によりこの火災の火又は熱を感知し、この感知信号を警報装置及び加圧送水装置の制御部に送る。制御部では加圧送水ポンプを起動させ、圧送配管の管内圧力が所定圧となるとスプリンクラヘッドの散水口を開放する。これにより散水口から所定の方向に放散し、この消火水が居住室内の発火地点を覆い、消火する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような屋内の消火設備は、火災発生時には消火水を加圧送水ポンプにより床内配管及び壁内配管内に圧送してスプリンクラヘッドから散水するようにしているため、高価なポンプ設備を設置しなければならないので、設備費が増嵩するばかりでなく、メンテナンスも面倒である。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で信頼が高く、設備費も安価な屋内消火設備を得ることを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る屋内消火設備は、消火剤が加圧封入され、建物の床スラブと床材との間に形成された床下空間部に設置された消火タンクと、建物の仕切り壁の下部に設けた開口部に、室内に面して取付けられたミストノズルからなる消火ノズルと、該消火ノズルの底部が接続されると共に、配管を介して前記消火タンクに接続される感熱開放弁と、仕切り壁の上部に設けた開口部に、室内に面して取付けられ、配管を介して該感熱開放弁に接続された感熱器と、該感熱器が設けられる開口部を閉塞し、熱気流が侵入するように形成されたカバーとを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、複数の消火タンクを床下空間部に設置して各消火タンクを配管で接続し、先端側の消火タンクの下流側において前記配管に圧力検出手段を設けると共に、隣接する前記消火タンクの配管に前記圧力検出手段の検出結果に基いて制御される開閉弁を設け、消火剤の放出により消火タンクが空になったときは、前記開閉弁を制御して、次の消火タンクに切り換えて、連続して消火剤を噴出することを特徴とするものである。
【0008】
また、仕切り壁の床面の近傍に設けられたコンセントを備え、前記消火ノズルは、該コンセントの近傍に設置することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る屋内消火設備の説明図である。建物の床スラブ31の上部には、支持材(図示せず)を介して床材32を構成する床下地材及びこれに張られた床板が設けられており、床スラブ31と床材32との間には、床下空間部33が形成されている。
また、天井スラブ34の下部には、必要に応じて天井下地材(図示せず)を介して天井板35が設けられている。
36は床材32と天井スラブ34との間に、例えば石膏ボードの如き面材37を対向して立設した仕切り壁で、両面材37の間には空間部38が形成されており、各仕切り壁37によって室30が形成されている。
【0014】
1は例えば水又は強化液の如き消火剤が封入された蓄圧型又はN2 加圧型の消火タンクで、床スラブ31と床材32との間に形成された床下空間部33に設置されている。
2は剛性を有する樹脂管からなり、床下空間部33に設置され、一端が電動弁3を介して消火タンク1に接続された給水配管、5は剛性を有する樹脂管からなり、仕切り壁36の空間部38内に立設された立上り管で、下端部は合成樹脂製の継手4を介して給水配管2に接続されており、上端部には天井板35の近傍において合成樹脂製の継手6が接続され、この継手6には一部がほぼ水平に室30内に突出する閉鎖型スプリンクラヘッド7が接続されている。なお、上記の給水配管2、立上り管5及び継手4,6は、金属製のものを用いてもよい。
【0015】
図2に上記スプリンクラヘッド7の一例を示す。8はスプリンクラヘッドの本体(以下、本体という)で、感熱部であるグラスバルブ9を仕切り壁36の面材37に設けた開口部39から室30内にほぼ水平に突設させ、立上り管5の継手6に接続されている。12は室30内において本体8を覆うカバーで、以下の説明では、本体8とカバー12を合わせてスプリンクラヘッド7という。
【0016】
11は短片側を天井板35側にして、グラスバルブ9を支持するフレーム10に取付けられた側面ほぼL字状のデフレクタで、放水口から放水された消火水が室30の全域に散水できるような形状になっている。
13は金属材料からなりカバー12を構成する取付部材で、円筒部とフランジ部とからなり、本体8を囲繞してフランジ部が仕切り壁36の面材37に固定されている。
【0017】
14は金属材料からなり取付部材13と共にカバー12を構成する有天円筒状のカバー部材で、取付部材13に嵌合され、両者は、グラスバルブ9の破裂温度より低い温度で溶融する低融点合金(はんだ)により接合されている。なお、カバー部材14は、熱気流等が内部に侵入し易いように網状に形成してもよく、あるいは複数の穴を設けてもよい。15はデフレクタ11とカバー部材14との間に介装されたばねで、カバー部材14を常時外方(取付部材13から離れる方向)に付勢している。
【0018】
16は火災の発生を検知してその信号を後述の住戸盤に出力する火災検知手段で、取付部材13の円筒部の内壁に取付けられたリードスイッチ17と、カバー部材14の外壁にリードスイッチ17と対向して取付けられた永久磁石18とからなり、リードスイッチ17の可動接片は、永久磁石18に吸引されて常時閉成している。
【0019】
再び図1において、19はブザー、ランプ等の警報手段、制御部等を備えた住戸盤で、信号線20によりスプリンクラヘッド7に設けた火災検知手段16のリードスイッチ17に接続されて常時通電しており、また、火災検知手段16によって火災が検知されたときは、電動弁3に開弁信号を送信する。なお、住戸盤19と火災検知手段16を接続する信号線20を、図には天井板35の下面に配線した場合を示したが、天井裏に配線してもよく、あるいは仕切り壁36の空間部38から床下空間部33に配線してもよい。
【0020】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用を説明する。監視時においては電動弁3は閉じられており、給水配管2及び立上り管5はいわゆる空配管となっている。また、スプリンクラヘッド7の火災検知手段16を構成するリードスイッチ17の可動接片は閉じられており、常時住戸盤19から通電されている。なお、給水配管2及び立上り管5内にほぼ無圧状態で消火剤を封入しておいてもよい。
【0021】
火災が発生すると、その火炎あるいは熱気流によってスプリンクラヘッド7の取付部材13及びカバー部材14が加熱され、その熱によって両者を接合する低融点合金が溶融し、カバー部材14がばね15の付勢力によって永久磁石18と共に押出され、落下する。これにより、リードスイッチ17の可動接片が開放され、住戸盤19からリードスイッチ17への通電がOFFされる。住戸盤19は通電がOFFされたことを検知すると、電動弁3に開弁信号を送り、これを開放する。電動弁3が開放されると、消火タンク1内の加圧された消火剤が給水配管2及び立上り管5に圧送される。
【0022】
一方、スプリンクラヘッド7のグラスバルブ9は、火炎あるいは熱気流によってさらに加熱され、所定の温度に達すると破裂してスプリンクラヘッド7の放水口を開放する。これにより、消火タンク1内の消火剤がスプリンクラヘッド7に圧送されて放水口から放出され、デフレクタ11により室30の全域に散布されて消火する。
【0023】
ところで、監視時に外的衝撃等によってスプリンクラヘッド7のカバー部材14が外れたりすると、住戸盤19から火災検知手段16への通電がOFFされるため電動弁3に開弁信号が送られて電動弁3が開弁し、消火剤が給水配管2及び立上り管5に送出される。しかし、火災が発生していないのでスプリンクラヘッド7が動作しないため、スプリンクラヘッド7から放出されて水損を生じることはない。なお、このような場合は、給水配管2及び立上り管5内の消火剤は、給水配管2に設けた排水弁(図示せず)を開放して排出する。
【0024】
上記のように構成した本実施の形態においては、加圧された消火剤が封入された消火タンク1を床下空間部33に設置し、火災発生時にはスプリンクラヘッド7に設けた火災検知手段16により火災を検知して電動弁3を開弁し、消火タンク1内の消火剤をスプリンクラヘッド7から放出するようにしたので、ポンプ設備の如き可動部を必要とせず、簡単な構成で信頼性が高く安価な屋内消火設備を得ることができる。
なお、本実施の形態では、リードスイッチの可動接片を常時閉成しているとしたが、可動接片を常時開放させておき、火災時にカバー部材14が落下した時に、可動接片が閉成することによって、住戸盤19では、住戸盤19からの通電がONし、このONされたことを検知するようにしてもよい。
【0025】
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
図において、3aは給水配管2に消火タンク1に近接して接続され、消火タンク1と給水配管2との接続、後述のガスボンベ21と給水配管2との接続、及びこれらを閉止する3位置を備えた電動弁で、消火タンク1及び給水配管2と、加圧されたN2 ガスの如き不活性ガスが封入され、床下空間部33に設置されたガスボンベ21とが切換接続される。
【0026】
7aは実施の形態1のスプリンクラヘッド7とほぼ同じ構造であるが、火災検知手段16を備えていないスプリンクラヘッドである。
19aは警報手段、制御部、タイマー等を備えた住戸盤、22は給水配管2の電動弁3aの下流側に設けた圧力検出手段である圧力スイッチで、その出力信号は中継器23を介して住戸盤19aに送信される。なお、圧力スイッチ22に代えて、圧力センサを用いてもよい。
【0027】
次に、本実施の形態の作用を説明する。初期状態においては、住戸盤19aからの指令により電動弁3aがガスボンベ21と給水配管2とを接続し、給水配管2及び立上り管5内に不活性ガスが導入される。
【0028】
火災が発生すると、その火炎や熱気流によってスプリンクラヘッド7aのカバー12が加熱されてカバー部材14が落下し、さらに、グラスバルブ9が加熱されて破裂し、放水口を開放する。これにより、立上り管5及び給水配管2内の不活性ガスが放水口から流出し、給水配管2内の圧力が急激に低下する。この圧力の低下により圧力スイッチ22が作動して住戸盤19aに圧力低下信号(つまり、火災信号)を送信する。
【0029】
圧力低下信号を受信した住戸盤19aは、火災発生の警報を出すと共にタイマーを起動させ、ある時間(火災発生を確認できる時間、例えば、1〜2分)経過したときは電動弁3aに開弁信号を送って消火タンク1と給水配管2とを接続する。これにより、消火タンク1内の消火剤が給水配管2から立上り管5に圧送され、スプリンクラヘッド7aから室30の全域に放出されて消火する。なお、火災が発生しないのにもかかわらずなんらかの理由で警報が発せられ、タイマーが発動した場合は、そのタイマーの起動中にタイマーを解除することにより電動弁3aの開弁を阻止することができる。このようなことは、給水配管2内のガス圧が漏洩等によりわずかに減衰して所定値以下になったときに生じる。このときは、手動により電動弁3aをガスボンベ21に接続し直して、配管内を所定圧に維持する。なお、若し電動弁3aが開弁されても、スプリンクラヘッド7aは閉鎖されているので、消火剤が放出されることはない。
【0030】
本実施の形態においては、スプリンクラヘッド7aに火災検知手段16を設けず、床下空間部33の給水配管2に設けた圧力スイッチ22により火災の発生を検知するようにしたので、スプリンクラヘッド7aの構造が簡単になるばかりでなく、スプリンクラヘッド7aと住戸盤19aを接続する信号線を省略することができる。また、監視時に外的衝撃等によってスプリンクラヘッド7aのカバー部材14が落下しても、住戸盤19aに遅延用のタイマーを設けて、タイムアップ後に電動弁3aを開放するようにしているので、消火剤が誤って放出されるのを防止できる。
【0031】
さらに、給水配管2及び立上り管5内の圧力が急激に低下したときは、住戸盤19aによって警報を発すると共に、タイマーを発動させて所定の時間経過後に電動弁3aを開弁するようにしたので、住居者は、この間に本当に火災が発生したのかどうかを確認することができる。なお、このタイマーは、実施の形態1の住戸盤19に設けて、同様の作用を奏するようにしてもよい。
【0032】
[実施の形態3]
図4は本発明の実施の形態3の説明図である。なお、実施の形態1又は2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
7bは開放型スプリンクラヘッドで、図5に示すように、放水口が開放された本体8とこれを覆うカバー12aとからなり、カバー12aは有天円筒部とフランジ部とからなり、フランジ部を仕切り壁36の面材37に釘、ビス等により半固定状態で取付けたものである。
24は各室30の天井スラブ34に直接取付けられた火災感知器で、信号線25により住戸盤19aに接続されている。なお、信号線25は、ほとんど厚みのないテープ状のものを使用し、天井スラブ34に接着して取付けられている。
【0033】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用を説明する。監視時においては、実施の形態1の場合と同様に電動弁3は閉じられており、給水配管2及び立上り管5はいわゆる空配管となっている。なお、給水配管2及び立上り管5の継手6の近傍まで、無圧状態の消火剤を封入してもよい。
【0034】
火災が発生すると、その火炎や熱気流などにより火災感知器24が火災の発生を検知し、住戸盤19aに火災信号を送信する。火災信号を受信した住戸盤19aは、警報を発すると共に、タイマーを発動する。そして、所定の時間(火災発生の有無を確認できる時間、例えば、1〜2分)経過すると、住戸盤19aから中継器23を介して電動弁3に開弁信号を送信し、電動弁3を開弁する。
これにより、消火タンク1内の消火剤が給水配管2、立上り管5を経てスプリンクラヘッド7bに圧送され、放出される。このとき、カバー12aは消火剤の水圧により仕切り壁36から引き外されて落下し、消火剤が室30の全域に放出されて消火する。
【0035】
本実施の形態は、開放型スプリンクラヘッド76を用い、火災の発生は火災感知器24で検知するようにしたので、スプリンクラヘッドの構造が簡単になり、また、電動弁3の開弁により遅滞なく消火剤を放出することができる。
さらに、火災感知器24の誤動作などにより警報を発しても、タイマーの発動中は電動弁3は開放されないので、この間に火災発生の有無を確認し、誤報である場合はタイマーを解除することにより、電動弁3の開弁を防止することができる。
【0036】
本実施の形態においては、消火剤が封入された消火タンク1を床下空間部33に設置するようにしたので、室内をそのまま広く使用でき、また、美観上も好ましく、点検も容易である。
また、立上り管5は仕切り壁36内に設置されるため、室内の間取りを変更する際には、仕切り壁36を移動させ、その後、再度仕切り壁36内に立上り管5を設置すればよいので、天井板35を設けてそこにスプリンクラヘッド7を設置する場合に比べて、移設作業がきわめて容易である。
さらに、給水配管2及び立上り管5を剛性を有する樹脂管で構成したので、錆の発生や腐蝕を防止することができる。
【0037】
上述の各実施の形態に使用するスプリンクラヘッドを構成する本体8、カバー12,12a及び火災検知手段16は、上述の各実施の形態に限定するものではなく、例えば、スプリンクラヘッドの本体にマルチ型スプリンクラヘッドその他の方式のものを用いてもよく、また、カバー12,12a及び火災検知手段16も他の構造又は方式のものを採用してもよい。
【0038】
[実施の形態4]
図6は本発明の実施の形態4の全体構成を示す模式的説明図、図7はその設置状態を示す説明図、図8は図7の要部の詳細図で、本実施の形態は、主として共同住宅に設置する屋内消火設備に関するものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
両図において、1a,1bは浸潤剤系(又は水)の消火剤が封入されたN2 加圧型の消火タンク(図には2本の場合が示してあるが、1本でもよく、あるいは3本以上でもよい)で、床スラブ31と床材32との間に形成された床下空間部33に設置されている。
【0039】
41は各消火タンク1a,1bを接続する接続管で、第1の消火タンク1aの下流側には圧力検出手段である圧力計(又は圧力センサや圧力スイッチ)42が接続されており、また、第1、第2の消火タンク1a,1bの間には開閉弁43が設けられている。そして、圧力計42の出力信号は例えば住戸盤19bに送信され、住戸盤19bはその信号に基いて制御信号を出力し、開閉弁43を制御する。なお、圧力計42の出力信号により開閉弁43を直接制御するようにしてもよい。
【0040】
44は複数の接続口45を有し、接続管41に接続されたヘッダーで、各接続口45には銅パイプからなる配管(以下、銅配管という)46が接続されており、これら銅配管46はそれぞれ各部屋に導かれて仕切り壁36の外側(又は二重の仕切り壁の間)に配設され、その先端部には感熱開放弁47が接続されている。49は一端が感熱開放弁47の接続口48aに接続された銅パイプ又は樹脂パイプ(以下、樹脂管という)で、先端部にはエルボ50が接続されている。
【0041】
36は室30の仕切り壁で、その下部に設けた開口部36aには、室30に面して消火ノズルとしてのコンシールドミストノズル51が取付けられており、上部に設けた開口部36bには室30に面してグラスバルブ感熱器61が取付けられている。
コンシールドミストノズル51は、フランジ53を有し、室30内から仕切り壁36の開口部36a内に挿入され、底部が感熱開放弁47の接続口48bに接続されて、フランジ53がビス等により仕切り壁36に固定された本体52と、本体52内に設けられたデフレクタ54と、室30内に開口する本体52の開口部を閉塞するカバー55とからなっている。
【0042】
また、グラスバルブ感熱器61は、フランジ63を有し、室30内から開口部36b内に挿入されて底部がエルボ50に取付けられ、フランジ63がビス等により仕切り壁36に固定された本体62と、フレーム64及びグラスバルブ66を有し、エルボ50により取付けられ、エルボ50の開口部を図示しない弁体で閉塞する感知ヘッド65と、室30内に開口する本体62の開口部を閉塞するカバー67とからなっている。なお、このカバー67は、火災時に熱気流等が本体62内に侵入し易いように網状に形成してもよく、あるいは複数の穴を設けてもよい。また、エルボ50を省略し、樹脂管49を直接グラスバルブ感熱器61に取付けてもよい。
【0043】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用について説明する。
監視時においては、開閉弁43、感熱開放弁47は閉じられており、接続管41、ヘッダー44、各銅配管46及び樹脂管49内には第1の消火タンク1aからの消火剤が加圧封入されていて、圧力計42は所定の圧力を検知している。感熱開放弁47は樹脂管49内の圧力が所定範囲内にあるときは感熱開放弁47は閉じられており、所定範囲以下になると感熱開放弁47は開放される。
【0044】
火災が発生すると、その火炎や熱気流によってグラスバルブ感熱器61のカバー67が加熱されると共に、これから本体62内に侵入した熱気流等によりグラスバルブ66が加熱され、所定の温度に達すると破裂する。これにより弁が落下し、エルボ50の開口部を開放する。
開口部が開放されると樹脂管49内の消火剤が放出されるため圧力が急激に低下する。この結果、感熱開放弁47が開放され、銅配管46内の消火剤がコンシールドノズル51から噴出してその圧力によってカバー55を吹き飛ばし、引続いて消火タンク1a内の消火剤が霧状に噴出して室30内に消火剤(例えば、ミスト状の潤滑剤)が充満し、消火する。
【0045】
第1の消火タンク1a内の消火剤が放出されて圧力が低下すると、圧力計42がこれを検知して圧力低下信号を住戸盤19bに送信する。これを受けた住戸盤19bは警報を発すると共に、開閉弁43に開弁信号を送ってこれを開放し、引続き第2の消火タンク1bから消火剤を送出する。以下同様にして順次新しい消火タンクに切換えて消火剤を送り出す。
【0046】
上記の説明では、コンシールドミストノズル51を仕切り壁36の下部に設けた場合を示したが、これは、火災によって燃焼する物は一般に床付近にある場合が多いので、これを考慮したためである。しかし、コンシールドミストノズル51の設置場所はこれに限定するものではなく、例えば床面に設けるなど、状況に応じて適宜選択することができる。なお、仕切り壁36に設けたコンセント70の近傍にコンシールドミストノズル51を設置すれば、前面を家具等で塞がれるおそれをなくすことができる。
【0047】
コンセント70は、通常、仕切り壁36の低い位置、つまり床面の近傍に設けられる。このため消火ノズルとしてはミストノズルのような、非常に細かい粒子(水滴)を噴射できるノズルを使用するのが好ましい。このようなノズルを使用すると、室内には、霧状の消火剤が噴射され、その微噴霧を室内に充満させる。従って、火災を冷却効果だけでなく、窒息効果によっても消火するので、消火ノズルは床面近傍に設けられていても火災を確実に消火することができる。
【0048】
上記のように構成した本実施の形態によれば、前述の実施の形態1〜3とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、複数の消火タンクを設置して、消火剤の放出により消火タンクが空になったときは、自動的に次の消火タンクに切換えることにより、連続して大量の消火剤を噴出しうるようにしたので、大きな火災の場合にも十分対処することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る屋内消火設備は、以上のように構成したので、ポンプ設備のような可動部を必要とせず、簡単な構成で信頼性が高く、その上安価な設備を得ることができる。
【0051】
さらに、複数の消火タンクを設置して、消火剤の放出により消火タンクが空になったときは、自動的に次の消火タンクに切換えることにより、連続して大量の消火剤を噴出しうるようにしたので、大きな火災の場合にも十分対処することができる。
【0052】
また、消火ノズルをコンセントの近傍に設けたので、消火ノズルの前方に設けられた開口部が、家具等で塞がれるおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る屋内消火設備の実施の形態1の説明図である。
【図2】 図1のスプリンクラヘッドの一例の説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態2の説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態3の説明図である。
【図5】 図4のスプリンクラヘッドの一例の説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態4の全体構成を示す模式的説明図である。
【図7】 図6の設置状態を示す説明図である。
【図8】 図7の要部の拡大図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 消火タンク、2 給水配管、3,3a 電動弁、5 立上り管、7,7a 閉鎖型スプリンクラヘッド、7b 開放型スプリンクラヘッド、12,12a,55,67 カバー、16 火災感知手段、19,19a,19b 住戸盤、21 ガスボンベ、22,42 圧力検出手段、24 火災感知器、30 室、33 床下空間部、36 仕切り壁、43 開閉弁、44 ヘッダー、46 銅配管、47 感熱開放弁、49 樹脂管、50 エルボ、51 コンシールドミストノズル、61 グラスバルブ感熱器。
Claims (3)
- 消火剤が加圧封入され、建物の床スラブと床材との間に形成された床下空間部に設置された消火タンクと、
建物の仕切り壁の下部に設けた開口部に、室内に面して取付けられたミストノズルからなる消火ノズルと、
該消火ノズルの底部が接続されると共に、配管を介して前記消火タンクに接続される感熱開放弁と、
前記仕切り壁の上部に設けた開口部に、室内に面して取付けられ、配管を介して該感熱開放弁に接続された感熱器と、
該感熱器が設けられる開口部を閉塞し、熱気流が侵入するように形成されたカバーとを備えたことを特徴とする屋内消火設備。 - 複数の消火タンクを床下空間部に設置して各消火タンクを配管で接続し、先端側の消火タンクの下流側において前記配管に圧力検出手段を設けると共に、隣接する前記消火タンクの配管に前記圧力検出手段の検出結果に基いて制御される開閉弁を設け、消火剤の放出により消火タンクが空になったときは、前記開閉弁を制御して、次の消火タンクに切り換えて、連続して消火剤を噴出することを特徴とする請求項1記載の屋内消火設備。
- 前記仕切り壁の床面の近傍に設けられたコンセントを備え、前記消火ノズルは、該コンセントの近傍に設置することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の屋内消火設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000080152A JP3937381B2 (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | 屋内消火設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000080152A JP3937381B2 (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | 屋内消火設備 |
Publications (2)
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