JPH0513406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は連続式振動ミルの粉砕筒に関する。

〔従来の技術〕

従来、上記連続式振動ミルの粉砕筒は、例えば
実開昭58−10848号公報所載のように、横置円筒
形の粉砕筒における胴体上部の一端部に被粉砕物
の投入口を設け、かつ粉砕筒における胴体下部の
他端部に砕製品の排出口を設けて構成されてい
る。

上記構成の振動ミルの粉砕筒において、投入口
から投入された被粉砕物は、粉砕筒の垂直面内で
の円振動によりこの粉砕筒内に充填されたロツド
又はボールなどの粉砕媒体相互及び粉砕媒体と粉
砕筒内壁との衝突などによつて粉砕され、排出口
から砕製品として排出される。

一方、粉砕筒内における粉砕性能としては、上
記の衝突作用のほかに、被粉砕物の性状、例えば
水分などにより顕著な影響をうける。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の連続式振動ミルの粉
砕筒によれば、例えばコンクリート用砕砂を製造
する場合、粉砕筒内の被粉砕物の移動距離が大で
あるため、篩目0.15mmを通過する微粉末が20重量
％を越えて発生すると言う課題があり、特に、処
理能力を向上させるため、粉砕筒に加える円運動
を高めると、円運動の加速度の増大に比例して微
粉末の発生量が増大すると言う問題があつた。ま
た、高水分の被粉砕物を粉砕する場合、粉砕筒内
の粉砕媒体及び内壁との強固な付着が発生し、粉
砕性能を著しく低下させ、ついには粉砕筒内を被
粉砕物によつて閉塞させてしまうと言う問題があ
つた。

本考案は、粗骨材や細骨材の製造にさいし、円
振動の増減にかかわらず所望粒径未満の微粉末の
発生を所定量以下になし得るようにし、また、高
水分の被粉砕物を砕製品に粉砕する場合にも充分
な粉砕性能を得ることができる連続式振動ミルの
粉砕筒を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記課題を解決するため、垂直面内
で円振動される横置円筒形の粉砕筒を有する連続
式振動ミルの粉砕筒であつて、前記粉砕筒内に円
筒状の多孔板ライナを胴体との間に所要間隔を存
して嵌挿し、前記胴体には複数の注水ノズルを配
列し、前記間隔部に膜状の水流を形成したことを
特徴とし、また、前記注水ノズルが供給口と吐出
口とを連絡口にて貫通し、供給口と吐出口との位
置が遍倚しているようにしたものである。

〔作用〕

本考案は上記のような構成により次のような作
用を有する。すなわち、粉砕により所望粒径とな
つた被粉砕物は、多孔板ライナを通つて粉砕筒か
ら排出され過度の粉砕作用を受けることがない。
また、上記多孔板ライナを通つて粉砕筒から排出
されるさい間隔部では胴体の内壁には膜状の水流
が流れているので高水分の被粉砕物による砕製品
の付着および閉塞が回避されて、粉砕筒において
充分な粉砕性能を得ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に基
づいて説明する。

図中１０は粉砕筒をしめし、粉砕筒１０を横置
円筒状の胴体１１とその両端を閉鎖する端板１３
からなり、胴体１１の外周には一体に取付けられ
た複数の支持部材１２，１２を介して胴体１１の
両側に発振器１４，１４が連結されており、伝導
軸２９により駆動される。また、支持部材１２，
１２の下部には受台１８との間に弾性体１９をそ
れぞれ挿入し、粉砕筒１０を弾性的に支持してい
る。発振器１４，１４には14G以上の高加速度を
発生する可変の不平衡１６をそれぞれ備え、振動
振幅を可変となし、発振器１４，１４はユニバー
サルジヨイントを介し１台又は２台の電動機手段
と連結されかつタイミングベルト（共に図示を省
略）などにより互いに同期回転され、粉砕筒１０
は垂直面内で円運動される。

粉砕筒１０における胴体１１上部には被粉砕物
を投入する投入口２０が設けられ、また、粉砕筒
１０における胴体１１下部には砕製品の迅速な排
出を図るため、胴体１１の約1/6周の幅を有する
排出口２２が胴体１１のほぼ全長にわたつて設け
られており、この排出口２２は下方に開口された
カバー２３によつて囲まれている。粉砕筒１０に
おける両端板１３の上部には覗窓（図示を省略）
が設けられ、各覗窓は、粉砕筒１０内に装入され
るロツドなどの粉砕媒体を投入する投入口を兼ね
るものである。

一方、粉砕筒１０における胴体１１の内周面に
は、後述するように多孔板ライナを通つた砕製品
による摩耗を防止するため、耐摩耗鋼板からなる
胴体ライナ２３ａが張り付けられており、胴体ラ
イナ２３ａは、周方向及び軸方向へ適宜に離隔し
て張り換え可能に取り付けた複数のセグメントか
らなり、前記投入口２０及び排出口２２と対応す
るセグメントの所要位置には、投入孔２１及び排
出孔２５が設けられている。そして、胴体ライナ
２３ａの内側には、耐摩耗性などに優れた高マン
ガン鋳鋼などからなる開口比の高い円筒状の多孔
板ライナ２４が、胴体ライナ２３ａの内周面との
間に所要間隔、すなわちこの多孔板ライナ２４を
通つた砕製品が胴体ライナ２３ａと多孔板ライナ
２４との間の間隔部２８に滞留することなく排出
口２５から排出され得る間隔を存して同心状に嵌
挿されている。多孔板ライナ２４は、円周方向及
び軸方向へ複数分割（実施例においては円周方向
へ３分割、軸方向へ３分割）された複数のセグメ
ント２４ａからなるものであり、各セグメント２
４ａには、円周方向及び軸方向へ適宜に離隔しか
つ砕製品の所望粒径とほぼ同一幅で円周方向へ切
り欠いた多数のスリツト２７が設けられ、又胴体
ライナ２３ａとの間に所要間隔を得るため４隅付
近の外面に脚部２６が設けられている。そして、
各セグメント２４ａは、それぞれの脚部２６に設
けたボルト孔及びこれと対応させて胴体ライナ２
３ａと胴体１１に設けた孔に挿入したボルトと、
胴体１１から突出したボルトの端部に螺合したナ
ツトとからなる複数の締結具により、円周方向及
び軸方向へ適宜に離隔して胴体１１の内側に取り
外し可能に取り付けられている。

３０は注水ノズルをしめし、胴体１１の表面に
所要の間隔をもつて表面全体にわたり円周方向お
よび長手方向に複数個配列され、各注水ノズル３
０は図示を省略した供給源に接続された給水管３
８と連係されている。注水ノズル３０の構成およ
び動作については第３図をもちいて後述する。

胴体１１および胴体ライナ２３ａには開口が設
けられて、注水ノズル３０が装着され、供給源か
らの清掃水が給水管３８を通つて注水ノズル３０
に供給されるとともに胴体ライナ２３ａと多孔板
ライナ２４との間の間隔部２８に注水されて膜状
の水流が形成され、該間隔部２８のほぼ全表面に
わたり水流が間隔部２８の上部から湾曲して下方
へ流動するようにされている。

第３図において、３０は注水ノズルをしめし、
胴体１１および胴体ライナ２３ａの共通した開口
４０に挿着されている。３３は注水ノズル３０の
供給口、３５は吐出口、３４は連絡口をそれぞれ
しめし、ノズルプレート３２の内側に開口して供
給口３３と吐出口３５とを連絡口３４により貫通
させている。供給口３３と吐出口３５との相互の
開口位置は遍倚されており、砕製品が吐出口３５
から侵入して供給口３３へ移行することを防止
し、注水ノズル３０からは清掃水が確実に供給さ
れるようにしている。ノズルプレート３２は開口
４０に取付けられた台３１にねじ込みにより挿着
され、さらに、ノズルプレート３２の端面は接手
３６の端面と接触され、接手３６内部の通路４１
と供給口３３とが連通されているので給水管３８
からの清掃水は接手３６、ノズルプレート３２を
経て間隔部２８に注水される。

上記構成の連続式振動ミルにおいて、各発振器
を同期作動させて粉砕筒１０を垂直面内において
２０から被粉砕物を投入すると、被粉砕物は、粉
砕筒１０内に装入されたロツドなどの粉砕媒体相
互の激しい衝突や粉砕媒体と多孔板ライナ２４と
の高頻度の衝突などによつてきわめて短時間で粉
砕され、所望粒径まで粉砕された砕製品は、多孔
板ライナ２４のスリツト２７を通つて多孔板ライ
ナ２４と胴体ライナ２３ａとの間隔部２８に排出
されると共に、胴体ライナ２３ａの内周面に沿つ
て移動してその排出孔２５及び胴体１１の排出口
２２を経て機外に落下排出される。

上記間隔部２８では胴体ライナ２４の内壁には
膜状の水流が流れて清掃されているので高水分の
被粉砕物による砕製品の付着および閉塞が回避さ
れて移動できるため粉砕筒１０内において充分な
粉砕性能を得ることができる。

また、注水ノズル３０は砕製品がその移動によ
り吐出口３５から逆に侵入して供給口３３へ移行
して閉塞されることが防止できて、間隔部の清掃
に適した膜状の水流を形成させて清掃水を確実に
供給することができる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、従来技術に比
し、被粉砕物の移動距離を短縮できると共に、所
望粒径となつた被粉砕物が直ちに多孔板ライナを
通つて粉砕筒から排出され、過度の粉砕作用を受
けることがないので、所望粒径未満の微粉末の発
生を所定量以下に低減することができると共に、
円振動の加速度の増大に比例して所望粒径未満の
微粉末の発生量が増加することがない。また、胴
体と多孔板ライナとの間隔部では膜状の水流によ
り高水分の被粉砕物による砕製品の付着および閉
塞が回避されるので、粉砕筒内において充分な粉
砕性能を得ることができる。

さらに、注水ノズルは砕製品により開口が閉塞
されることが防止できて、間隔部の清掃に適した
膜状の水流を形成させて清掃水を確実に供給する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例をしめすもので、第１図
は連続式振動ミルの粉砕筒の側面図、第２図は同
断面図、第３図は同粉砕筒に配列した注水ノズル
の詳細図である。 １０……粉砕筒、１１……胴体、２４……多孔
板ライナ、２８……間隔部、３０……注水ノズ
ル、３３……供給口、３４……連絡口、３５……
吐出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 垂直面内で円振動される横置円筒形の粉砕筒
   を有する連続式振動ミルの粉砕筒であつて、前
   記粉砕筒内に円筒状の多孔板ライナを胴体との
   間に所要間隔を存して嵌挿し、前記胴体には複
   数の注水ノズルを配列し、前記間隔部に膜状の
   水流を形成したことを特徴とする連続式振動ミ
   ルの粉砕筒。 ２ 前記注水ノズルが供給口と吐出口とを連絡口
   にて貫通し、供給口と吐出口との位置が遍倚し
   ていることを特徴とする請求項１記載の連続式
   振動ミルの粉砕筒。