JPH05133530A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JPH05133530A
JPH05133530A JP3295485A JP29548591A JPH05133530A JP H05133530 A JPH05133530 A JP H05133530A JP 3295485 A JP3295485 A JP 3295485A JP 29548591 A JP29548591 A JP 29548591A JP H05133530 A JPH05133530 A JP H05133530A
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JP
Japan
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adsorbent
heating
heating element
zeolite
heating cooker
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Application number
JP3295485A
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English (en)
Inventor
Yasue Yamade
恭枝 山出
Kunio Kimura
邦夫 木村
Yukiyoshi Ono
之良 小野
Hidenobu Wakita
英延 脇田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体,調理室および発熱体と調理室の収納
箱を備えた加熱調理器において、調理器内に存在する臭
気成分を浄化することを目的とする。 【構成】 発熱体1を覆う吸着体2あるいは発熱体1の
近傍に吸着体2を配する構成により、被加熱物を加熱す
ることによって発生する悪臭成分は加熱操作の終了後、
冷却した吸着体2により吸着脱臭され、被加熱物に臭気
が残らない。また吸着体2はその吸着能力の限界に達す
る前に、発熱体1により加熱し、吸着した臭気成分を系
外に排出することにより再生が可能であり、長期間に渡
って加熱調理器3内の悪臭を除去することができる。ま
た、吸着体2中に貴金属触媒を含有させることにより、
発熱体1が発熱中も脱臭を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調理によって発生する臭
気成分の除去機能を有する加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の加熱調理器について説明す
る。一般に加熱調理器は、発熱体,調理室および発熱体
と調理室を収容するための通常金属性の収容箱からな
り、必要により、加熱調理器内にファンを設けている。
この従来の加熱調理器において用いられる発熱体は、ニ
クロム線やカンタル線などの金属線をコイル状にしたも
のや、これらを金属管あるいは石英管やセラミック管等
の管状体に内蔵したものや、さらにそれらの管状体にコ
ージライト,粘土,ガラス,酸化ニッケルまたは酸化鉄
などの遠赤外線高輻射材料を被覆したものや、あるいは
電気抵抗体をセラミック焼結体に内蔵させたセラミック
ヒータなどがある。
【0003】従来の加熱調理器では発熱体で直接、被加
熱物を加熱したり、発熱体にファンから強制的に空気を
送り発生させた温風で被加熱物を加熱したり、発熱体の
後方に反射板を設けて輻射加熱を行うなどの方法により
被加熱物の加熱を行っている。
【0004】加熱調理器内でいろいろな食品を加熱する
ため、食品の臭いが器内に充満し、次に調理する食品に
臭いが移るなどの不快感をひきおこしていた。これらの
悪臭成分は、おもにアンモニア,脂肪酸,不飽和炭化水
素類,メルカプタンなどの含硫黄有機化合物,トリメチ
ルアミンなどの含窒素有機化合物などで、加熱調理器内
で調理する食品に起因するものである。
【0005】加熱調理器では、発熱体が食品を加熱する
とともに、加熱調理器内に残っている食品臭や焦げ臭さ
などの臭気も加熱することになる。一般に、臭気物質は
温度が高いほど、人間の鼻には強く感じるものであり、
また加熱調理器内に一度吸着した臭気成分も加熱される
ことにより、再び気化して加熱調理器内雰囲気に拡散す
るようになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、発熱体が臭気成分の浄化能力を持たない
ため、加熱調理器の使用時は、加熱調理器を使用しない
ときに比べて臭気が強くなるという現象また以前に調理
した食品の残った臭いがするという現象が生じるという
問題点を有していた。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、加熱調理器内の臭気や有害ガスを完全に除去し、長
期間脱臭可能な加熱調理器を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の加熱調理器は、発熱体の表面または近傍に脱
臭機能を有する吸着体を配設した構成、またはその吸着
体が貴金属触媒を含有した構成としたものである。
【0009】
【作用】この構成により、発熱体による加熱時の吸着体
の加熱再生および臭気成分の触媒分解と、非加熱時の吸
着体による臭気成分の吸着とを交互に繰り返すこととな
り、長期間にわたって悪臭を連続的に除去することとな
る。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0011】図4に示すように、加熱調理器3内の上下
2個所に発熱体1が設置されている。この発熱体1は、
図1および図2に示すように、ニクロム線4を内蔵し、
碍子6で両端を封止した石英管5の外周全面を吸着体2
で被覆した発熱体1aおよび/あるいは、図3に示すよ
うに石英管5の外周の下部半面を吸着体2で被覆した発
熱体16がある。発熱体16を加熱調理器3に設置する
ときは、吸着体2を下方に設置させる。
【0012】吸着体2は、珪酸マグネシウム単独,ゼオ
ライト単独,珪酸マグネシウムとゼオライトの混合物,
珪酸マグネシウムもしくはゼオライトに無機質バインダ
ーを添加したもの、または珪酸マグネシウムとゼオライ
トの混合物に無機質バインダーを添加したものである。
【0013】以下に吸着体2の構成材料である珪酸マグ
ネシウム,ゼオライトおよび無機質バインダーについて
説明する。
【0014】珪酸マグネシウムは、オルト珪酸マグネシ
ウム,メタ珪酸マグネシウム,タルク,四珪酸マグネシ
ウムおよび三珪酸マグネシウムなどの酸化マグネシウム
と二酸化珪素と水を種々の割合で結合した組成物であ
る。
【0015】ゼオライトは、別名沸石とも呼ばれる含水
アルミノケイ酸塩の結晶である。この結晶は3次元的な
網目構造を有しており、この構造の中にNa,Caなど
のアルカリ金属やアルカリ土類金属が存在している。こ
れらの金属イオンは他の金属イオンと置換したり、空洞
に他の水や臭気成分を選択的に吸着する機能を有してい
ることが特徴である。ゼオライトは、天然石としても存
在するが人工的に合成することも可能である。本実施例
では、こうした天然石や合成されたゼオライトのどちら
を用いることも可能である。天然石は吸着能力が合成さ
れたものより劣るが、コスト的に安価なので多量に用い
ることが可能なこと、石であるのでカッティングするこ
とにより任意の成型体や粒状に添加剤を加えることなし
に成型できる利点がある。一方、合成品は、天然品に比
較しコストが高いものの、吸着能力に優れるものを選択
して使用が可能なこと、また少量で効果が発揮できるこ
とから、基材に塗布することによって被覆できる。とい
った利点を有する。合成ゼオライトには、その結晶構造
からA,X,Y,L形が知られているが、本実施例では
これらのいずれをも使用することができる。中でもA形
で銅イオン交換したCuイオン交換A型ゼオライトが特
に吸着性能に優れるので望ましい。
【0016】合成ゼオライトを基材表面に被覆する場合
は、20〜80wt%にあることが望ましい。20wt
%以下で無機質バインダーが多い場合は、吸着するゼオ
ライトが少なくなり本来の吸着機能を発揮できない。ま
た80wt%より多く、無機質バインダーが少ない場合
は、塗膜に亀裂がはいり、被覆膜として基材に担持する
ことが困難となる。したがって、ゼオライトを基材表面
に担持する場合は20〜80wt%にあることが望まし
い。
【0017】無機質バインダーはアルミナ,シリカを含
むものであるが、本実施例ではシリカを含むことが望ま
しい。シリカを被覆層に含むことにより、石英管や、ガ
ラス基材への被覆層の密着性を強固にすることができ
る。本実施例のシリカの含有量は被覆層中に10〜40
wt%であることが望ましい。シリカの含有量が40w
t%を超えると触媒被覆層に亀裂が入りやすくなり密着
性低下を招きやすいこと、吸着能を有するゼオライトの
含量が低下することなどより40wt%以下が望まし
い。また10wt%未満ではシリカの充分な密着特性向
上効果が得られない。本実施例のシリカとは、二酸化珪
素であるが、珪酸を代わりに用いてもよい。
【0018】なお、ゼオライトは成型体として、従来の
活性炭などの脱臭剤のように加熱調理器内に設置するこ
とができる。このままでも従来の活性炭などより優れた
脱臭剤として作用し、以下に述べる組成,構成にするこ
とにより、再生可能な脱臭剤として使用できる。
【0019】すなわち、第1の構成は、ゼオライトまた
はゼオライトに無機質バインダーを添加したものに、貴
金属製の触媒を添加させるものである。貴金属触媒はP
t,Pd,Rh,Ru,Irなどの単独またはそれらの
塩として、あるいはそれらを複合的に用いる。こうした
構成にし、熱源の近傍に設置することにより、ゼオライ
トからなる加熱調理器用脱臭剤は、貴金属触媒で浄化す
ることが可能で再生可能となり半永久的に使用可能とな
る。
【0020】次に、第2の構成について説明する。これ
までに知られている脱臭剤は活性炭のように吸着が飽和
に達した場合は廃棄するのが一般的であった。こうした
従来の吸着剤であっても使い捨てをすることなしに再生
可能とすることを提案するものである。すなわち、脱臭
剤を、発熱体1の近傍に位置させることにより、従来
は、使い捨てであった脱臭剤を半永久的に使用させるこ
とが可能となる。
【0021】さらに、吸着体2の吸着特性を改良するた
めに、以下に述べるように添加物を加える。
【0022】すなわち、吸着体2に貴金属触媒とともに
活性アルミナを用いる。活性アルミナは、β−,γ−,
δ−,θ−,η−,ρ−,χ−アルミナ等の準安定アル
ミナを用いる。本実施例の吸着体2に貴金属触媒ととも
に酸化セリウムを含むことが望ましく、酸化セリウム,
酸化バリウム,酸化チタンを含む炭化水素化合物に対す
る触媒酸化分解活性を向上させることができる。
【0023】発熱体1としては、ニクロム線やカンタル
線,タングステン線などの電気抵抗体を、金属管,石英
管もしくはセラミック管(例えば、コージェライト管,
ムライト管,アルミナ管,ジルコニア管,マグネシア
管,カルシア管など)に内蔵したもの、または電気抵抗
体をセラミック内に含有させたセラミックヒータなどを
用いる。なかでも、石英管は耐熱性と耐食性に優れてい
る。
【0024】また、吸着体2は、熱膨脹率が同程度のた
めの塗膜形成後も亀裂の発生が少なく、かつ密着性にも
優れている。吸着体2を発熱体1の表面に形成するとき
は、発熱体1たとえば石英ヒータでは石英管5の表面を
粗面化した後、吸着体2を設けるか、石英管5の表面を
十分に脱脂した後、吸着体2を設けることが望ましい。
この製造方法により、発熱体1と吸着体2との密着性を
向上することができる。発熱体1の表面への吸着体2の
形成方法は、スプレー塗装,ディップ塗装,静電塗装,
ロールコート法,スクリーン印刷法などを用いることが
できる。
【0025】以下、本発明の具体例を説明する。 (実施例1)以下本発明の第1の実施例について説明す
る。
【0026】銅イオン交換ゼオライト1000gとシリ
カ含有率20wt%のコロイダルシリカ1000gとに
水1200gを加え、ボールミルを用いて充分に混合し
て、スラリーAを調製した。このスラリーA外径10m
m,内径9mm,長さ330mmの石英管5の表面の中心部
分の277mmをスプレー法で塗装した後、室温で乾燥
し、続いて500℃で1時間焼成して吸着体2を有する
石英管5とし、これと電気抵抗体としてニクロム線4お
よび碍子6とを用いて発熱体A1を作製した。吸着体2
の被覆量は0.6gであった。
【0027】以上のように本実施例によれば、発熱体A
1の表面に吸着体2を配設することにより、加熱調理器
3の発熱体A1で被加熱物を加熱することによって発生
する悪臭成分は、加熱操作終了後冷却した吸着体2によ
り吸着脱臭され、被加熱物に臭気が残らない。また吸着
体2はその吸着能力の限界に達する前に、発熱体A1
より加熱し、吸着した臭気成分を系外に排出することに
より再生が可能であり、長期間に渡って加熱調理器3内
の悪臭を除去することができる。
【0028】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて説明する。
【0029】第1の実施例で説明したスラリーAの組成
のうち、銅イオン交換ゼオライトのかわりに同量の他の
吸着剤(活性炭,鉄−アスコンビル酸,モレキュラーシ
ーブ5A,珪酸マグネシウム,モルデナイト,Mgイオ
ン交換ゼオライト,Caイオン交換ゼオライトおよびア
ルミナ)を用いてそれぞれの吸着剤を含むスラリーを調
製し、第1の実施例と同様にして表面に吸着体2を有す
る石英管5とし、これと電気抵抗体としてニクロム線4
および碍子6とを用いて発熱体1を作製した。
【0030】上述の各発熱体1についてのメチルメルカ
プタンの吸着特性を下記のようにして調べた。
【0031】250リットルの試験ボックスをメチルメ
ルカプタン20ppmになるように調製し、試験ボック
ス内にファンをいれてメチルメルカプタンを完全に気化
させ、均一に拡散させた。その中に各吸着剤を含む吸着
体2を有する発熱体1を入れ、初期値(20ppm)を
100%として、30分,60分後の臭気残存率を求め
(表1)に示した。
【0032】
【表1】
【0033】(表1)から明らかなように、ゼオライト
と珪酸マグネシウムを含む吸着体2を有する発熱体1が
臭気残存率が最も低く、吸着特性の良いことがわかる。
【0034】また珪酸マグネシウムとしてオルト珪酸マ
グネシウム,メタ珪酸マグネシウム,四珪酸マグネシウ
ムおよび三珪酸マグネシウムを用いたスラリーで形成し
た吸着体2の臭気残存率は、60分後でそれぞれ48
%,47%,49%および49%と良好な値が得られ
た。
【0035】なお本実施例では、ゼオライトと珪酸マグ
ネシウムをそれぞれスラリー中に単独で添加したが、こ
れらを混合して用いてもよい。
【0036】また実施例1,2では発熱体1の表面に吸
着体2を配設したが、吸着体2を成型体として、加熱調
理器3内の発熱体1の近傍に設置してもよい。
【0037】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて説明する。
【0038】第1の実施例で説明したスラリーAにおけ
るスラリーA中の無水珪酸コロイド水溶液を最終固形成
分中の無機質バインダーの量が同じになるように、種々
の無機質バインダーに置き換えたスラリーAを調製し、
第1の実施例と同様に発熱体1を作製した。これらの吸
着体2の膜硬度について調べるために、JISG−33
20の鉛筆硬度試験を行った。結果とそれぞれの発熱体
1について、第2の実施例と同様にして、メチルメルカ
プタンの吸着特性を調べ、30分後の残存率を求めた結
果を(表2)に示した。
【0039】
【表2】
【0040】この(表2)から明らかなように、無機質
バインダーとしてアルミナやベントナイトを用いると被
膜硬度がシリカの無水珪酸コロイド水溶液に比較して低
くなり、Liシリケートや水ガラスを用いると被膜硬度
は向上するものの膜が多孔質とならず、吸着特性がシリ
カの無水珪酸コロイド水溶液に比べ低くなることがわか
る。以上のように、無機質バインダーとしてシリカの無
水珪酸コロイド水溶液を用いることにより、吸着特性を
低下させることなく強固な被膜を形成することができ
る。
【0041】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて説明する。
【0042】第1の実施例のスラリーAを、第1の実施
例の石英管5と同形状のコージェライト管,ムライト
管,アルミナ管,マグネシア管,ジルコニア管およびカ
ルシア管の外周全面に、第1の実施例と同様にして吸着
体2を1g配設した発熱体1を作製し、これらの発熱体
1について熱衝撃試験を行い、吸着体2の密着性を調べ
た。熱衝撃試験は、それぞれの管に内蔵した電気抵抗体
に通電し、発熱体1の中央の表面温度を25℃毎に設定
し、その各温度で10分間保持した後、室温水中に投下
して吸着体2の剥離の有無を調べ、剥離を起こさない最
大温度を耐熱衝撃温度とした。
【0043】耐熱衝撃試験の結果を(表3)に示した。
【0044】
【表3】
【0045】この(表3)より明らかなように、石英管
5に電気抵抗体を内蔵させた発熱体1が最も優れた密着
性(耐熱衝撃性)を得ることができる。
【0046】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて説明する。
【0047】銅イオン交換ゼオライト1000g,シリ
カ含有率20wt%のコロイダルシリカ1000g,水
1200g,塩化白金酸をPtとして6gおよび塩化パ
ラジウムをPdとして3g加え、ボールミルを用いて充
分に混合して、スラリーBを調製した。
【0048】また、銅イオン交換ゼオライト700g,
γ−アルミナ300g,シリカ含有率20wt%のコロ
イダルシリカ1000g,水1200g,塩化白金酸を
Ptとして6gおよび塩化パラジウムをPdとして3g
加え、ボールミルを用いて充分に混合して、スラリーC
を調製した。
【0049】これらのスラリーBおよびCを外径10m
m,内径9mm,長さ330mmの石英管5の表面の中心部
分の277mmをスプレー法で塗装した後、室温で乾燥
し、続いて500℃で1時間焼成して吸着体2を有する
石英管5とし、これと電気抵抗体としてニクロム線4お
よび碍子6とを用いて発熱体B1およびC1を作製した。
吸着体2の被覆量は0.6gであった。
【0050】第1の実施例で形成した発熱体A1と本実
施例で形成した発熱体B1およびC1について、臭気成分
の一種であるメチルメルカプタンの吸着,浄化特性を測
定した。各発熱体A1,B1,C1を内径15mmの石英管
内に置き、これにメチルメルカプタン50ppm含有空
気を流速500ml/minで流通させ、吸着体2の温
度を25℃に1時間保持した後、ニクロム線4に通電す
ることにより、250℃まで加熱した。この試験におい
て30分,60分後の吸着体2の温度を25℃とした時
のメチルメルカプタンの残存率と、90分,120分後
の吸着体2の温度を250℃に加熱したときのメチルメ
ルカプタンの残存率を測定した結果を(表4)に示す。
【0051】
【表4】
【0052】この(表4)より明らかなように、25℃
において、メチルメルカプタン含有空気は、吸着体2に
吸着し、発熱体A1,B1,C1ともに残存率は、60分
後に40%であった。しかし発熱体温度を250℃にす
ると、貴金属触媒を含まない発熱体A1の残存率は40
%よりも増加し、貴金属触媒を含む発熱体B1およびC 1
の残存率はそれぞれ5%および3%にまで低減された。
【0053】以上のように、吸着体2に貴金属触媒を含
むものが優れた吸着,浄化特性を有し、さらに貴金属触
媒とともに活性アルミナを含むものが優れた特性を有す
る。
【0054】これは、発熱体A1においては、発熱体A1
の吸着体2に吸着したメチルメルカプタンが加熱される
ことにより脱離するが、発熱体B1およびC1は貴金属触
媒を含んでいるため、発熱体温度が高くなると、吸着体
2中の貴金属触媒を活性化し、吸着体2に吸着した臭気
成分を触媒作用により酸化分解するためである。
【0055】上述の発熱体C1を加熱調理器3に取り付
け、加熱調理器3のスイッチをいれると庫内の発熱体1
の通電が始まり、発熱体1に近接する吸着体2の中の貴
金属触媒を活性化する。臭気成分は、活性化した貴金属
触媒の化学作用により分解し無臭成分となる。発熱体1
が未通電であるときは、低温で高い吸着能力を有する銅
イオン交換ゼオライトを含む吸着体2により、空気中の
臭気成分は吸着され、除去される。このように、臭気の
吸着と、臭気の酸化分解を交互に繰り返すことにより臭
気を連続的に除去することができる。
【0056】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に本発明は、発熱体の表面または近傍に脱臭機能を有す
る吸着体を配設した構成、またはその吸着体が貴金属触
媒を含有した構成により、加熱調理器内の臭気や有害ガ
スを完全に除去し、長期間脱臭可能な優れた加熱調理器
を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の加熱調理器の発熱体の概念
を示す断面略図
【図2】図1のA−A′断面図
【図3】本発明の一実施例の加熱調理器の他の発熱体の
側面断面図
【図4】同加熱調理器の概略斜視図
【符号の説明】
2 吸着体 4 ニクロム線 5 石英管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 英延 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体の表面または近傍に脱臭機能を有
    する少なくともゼオライトおよび/あるいは珪酸マグネ
    シウムで構成した吸着体を配設した加熱調理器。
  2. 【請求項2】 吸着体は、少なくともゼオライトおよび
    /あるいは珪酸マグネシウムならびに無機質バインダー
    で構成した請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 吸着体は、少なくとも銅イオン交換ゼオ
    ライトと、貴金属触媒と、無機質バインダーとで構成し
    た請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 無機質バインダーはシリカである請求項
    2または3記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】 ゼオライトは、銅イオン交換ゼオライト
    である請求項1または2記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 発熱体は石英管ヒータである請求項1ま
    たは2記載の加熱調理器。
JP3295485A 1991-11-12 1991-11-12 加熱調理器 Pending JPH05133530A (ja)

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