JPH05132876A - 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ - Google Patents

防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ

Info

Publication number
JPH05132876A
JPH05132876A JP3297038A JP29703891A JPH05132876A JP H05132876 A JPH05132876 A JP H05132876A JP 3297038 A JP3297038 A JP 3297038A JP 29703891 A JP29703891 A JP 29703891A JP H05132876 A JPH05132876 A JP H05132876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastomer
cloth
knitted fabric
woven
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3297038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2686868B2 (ja
Inventor
Fumio Murakami
文男 村上
Susumu Kano
進 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Du Pont Toray Kevlar Co Ltd
Original Assignee
Toray Industries Inc
Du Pont Toray Kevlar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Du Pont Toray Kevlar Co Ltd filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP3297038A priority Critical patent/JP2686868B2/ja
Publication of JPH05132876A publication Critical patent/JPH05132876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2686868B2 publication Critical patent/JP2686868B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】耐切創性や耐摩耗性を向上させた優れた防水性
防護布帛及びそれを使用した実用的な衣服の提供。 【構成】防水性防護布帛は、表面が裏面より高密度に構
成された織編物であって、該表面を構成する糸条はパラ
芳香族ポリアミド繊維が少なくとも50%混入されてお
り、かつ織編物にエラストマーが含有される。またかか
る布帛においてJIS K-6552で測定した引張強力が10kg以
上、引裂強力が5kg以上であり、かつ、JIS L-1096で測
定した平面摩耗強度が500回以上とする。更に、作業衣
及びライダースーツは、かかる布帛を縫製して形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防水性と防護性を兼ね
備えた優れた性能を有する防水性防護布帛および、該布
帛からなる作業衣ならびにライダースーツに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、防水性布帛として平編物や平織物
に弾性樹脂を含浸またはラミネートして、雨具等に用い
られて来た。さらに近年では、たとえば特開昭63-31567
3号などでは、高強力糸を用いた平編地に弾性樹脂を含
浸させた耐摩耗性布帛が提案されるに至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる技術
も、平編物でしかも生地が薄いため、鋭利な突起物によ
る切創性や耐摩耗性が低く、防護衣料としては、適切な
ものであるとは言えなかった。かかる欠点を改善するた
めに、たとえば、厚地の織編物を用いると、防水性を付
与するための樹脂の含浸が極めて困難になり、さらに該
含浸が不均一になり易く、防水性と防護性とを同時に満
足するものが得られない欠点があった。
【0004】本発明は、厚地の織編物でもエラストマー
の含有が容易であり、さらに耐切創性や耐摩耗性を向上
させた防護衣料として極めて優れた防水性防護布帛を提
供せんとするものであり、さらに、本発明は、かかる防
水性防護布帛を使用してなる海洋作業服から陸上作業服
までの各種の作業衣およびオートスポーツ用の服やサイ
クリング用の服などライダースーツとして好適に使用で
きる実用的な衣服を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために、次の構成を採用する、すなわち、本
発明の防水性防護布帛は、表面が裏面より高密度に構成
された織編物であって、該表面を構成する糸条には、パ
ラ系芳香族ポリアミド繊維が少なくとも50%混入されて
おり、かつ該織編物にエラストマーが含有されているこ
とを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の防水性防護布帛は、表面が
裏面より高密度に構成された織編物であって、該表面を
構成する糸条には、パラ系芳香族ポリアミド繊維が少な
くとも50%混入されており、かつ該織編物はエラストマ
ーが含有された布帛であって、JIS K-6552で測定した引
張強力が10kg以上、引裂強力が5kg以上であり、かつ、
JIS L-1096で測定した平面摩耗強度が500回以上である
ことを特徴とするものである。また、さらに、本発明の
作業衣およびライダースーツは、かかる防水性防護布帛
を縫製して形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0007】
【作用】本発明は、防水性と防護性の両方の性質を一つ
の布帛で同時に達成するために、特定の繊維素材を特定
な織編組織構造にして構成された布帛を採用したもので
ある。すなわち、表面を構成する糸条にはパラ系芳香族
ポリアミド繊維が少なくとも50%混入されたものを使用
し、しかも、該表面が裏面より高密度に構成された織編
物を使用する。この構造により、外的応力に対して高い
抗力を有する布帛を提供することができ、これにエラス
トマーを含有させることにより、この抗力を極めて高い
水準まで増大させ得、しかも該抗力にバラツキがなく均
一に付与することができたものである。また、本発明で
は、該織編物にエラストマーを均一に浸透せしめ得るの
で、最外側の織編物表面には、高密度で平滑であること
もあるが、特に好ましくはエラストマーを存在させない
構造にする。そうすることによって、該表面に接着剤を
介して接着されるエラストマー被膜は、強い接着力の下
で貼着させることができ、それだけ優れた防水性を付与
することができるのである。
【0008】すなわち、本発明は、エラストマーを、た
とえば裏面から塗布すると、通常の布帛とは違い、エラ
ストマーからなる樹脂溶液が繊維密度比に対応して大き
く拡散しながら浸透する。したがって、該織編物の表裏
面の繊維密度比ならびに厚さに対応させて、樹脂溶液の
粘度や量を調整することにより、適確に、かつかなり正
確に拡散浸透させることができるものである。たとえ
ば、該織編物の最外側表面を残して、他の部分にエラス
トマーを均一に含浸、含有させることもできる。
【0009】また、たとえばエラストマー樹脂溶液中に
該織編物を浸漬することもでき、この場合も上述の場合
と同様にエラストマーは織物裏面から表面に向けて拡
散、浸透する。ただし、この場合は、浸漬後、該織編物
の表面側、すなわち高密度側の表面の余剰エラストマー
をナイフ状バーなどで、除去しなければ、本発明の効果
は達成されない。この余剰エラストマーは、本発明の目
的を阻害しない範囲であれば多少残存してもさしつかえ
ない。
【0010】かかるエラストマーの含浸、含有方法を完
成させたことにより、該最外側表面に接着剤を介して貼
着される乾式法によるエラストマー被膜は、極めて高い
接着力で該織編物表面に結合させることができる。含浸
させるエラストマーは、湿式製膜法により樹脂層を形成
するが、かかる樹脂被膜は機械的特性が低く、かかる樹
脂被膜が織編物表面に存在すると、その上に強いエラス
トマー被膜を貼着しても、結局、含浸樹脂層の機械的強
度に律速されて剥離し易いものとなる。それに対して、
本発明では、かかる湿式製膜法による樹脂層は、該織編
物表面に存在させないようにしたことにより、本発明の
布帛の平面摩耗強度を著しく高い水準に維持させること
ができたものである。
【0011】本発明でいう織編物とは、織物、編物、お
よび織物と編物との積層体などを含むものである。たと
えば編物について詳しく説明する。表面が高密度な編構
造にし、裏面は低密度な編構造で、しかも穴の開いた構
造とするために、ダイヤル針とシリンダー針とをリブ出
合いとし、たとえば、図1〜図8に示した組織例のよう
な組織からなる8フィーダーで1完全組織とするのが好
ましい。ダイヤルで4コース (図1、図2、図5、図
6) 、シリンダーで2コース (図3、図7) 、両面タッ
クが2コース (図4、図8) とし、編成順序はダイヤル
2コース (1針飛) (図1、図2) 、シリンダー (総
針) 1コース (図3) 、両面タック1コース (図4) 、
ダイヤル2コース (1針飛) (図5、図6) 、シリンダ
ー (総針) 1コース (図7) 、両面タック1コース (図
8) とする。
【0012】かかる組織であれば、高密度面と低密度面
とを構成している糸長の比は、たとえば1.25:1とする
ことができるが、糸の太さを変えると、さらに密度差は
拡大させることができる。同じ糸太さの場合、高密度側
は低密度側の25%増であるが、糸太さの差を2倍にする
と高密度側は 250%増となり容易に密度を変更すること
ができる。また上記した編組織であれば、低密度面に穴
が開く組織となり、糸の太さと併せて任意な密度差を選
択することができる。たとえば同じ糸太さで上記組織と
した場合、高密度面と低密度面の一個の穴の面積は、前
者の0.64mm2、後者は6.50mm2であり、約10倍もの穴の面
積比となる。
【0013】以上に説明した組織は代表的なもので、か
かる組織の変化組織も種々編成できる。たとえば4フィ
ーダーで1完全組織にしても良い。次に織物について簡
単に説明する。織物の場合は多重織物とし、基本組織と
して片面は平組織、他面は、たとえばはちす織あるいは
スポンジ織など構造的に密度差を付与できる重ね組織で
あれば如何なる組織であってもさしつかえない。
【0014】また編地と織物との積層体は、低密度側と
して編物を採用し、高密度側として織物を採用し、これ
らを接着貼合せるか、または、縫製したものを使用する
ことができる。使用する糸素材としては、特に、高密度
表面を構成する糸条の少なくとも50%はパラ系芳香族ポ
リアミド繊維が混入していることが必要である。通常、
高密度表面が、衣料の外側に使用されるため、外的な応
力、摩耗などに対して優れた耐久性を達成するため必要
である。かかる糸条としては、紡績糸であっても、フィ
ラメント糸であってもよい。混率としては、基布全体の
少なくとも50%混入している必要がある。かかる混率
は、防護性を達成するために不可欠のものであり、パラ
系芳香族ポリアミド繊維の混入量が多いほど防護性は向
上する。
【0015】他の糸素材としては、木綿や羊毛などの天
然繊維および合成繊維などを用途によって組み合わせて
使用することもできる。たとえば、高密度表面側はパラ
系芳香族ポリアミド繊維を、低密度裏面側は木綿と合成
繊維との混紡糸使いとするなど種々の糸条を使用するこ
とができる。次に、含浸されるエラストマー材料は、ゴ
ムエラストマーとしては、たとえば天然ゴム、スチレン
ブタジエンゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ヒド
リンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴムなどを使
用することができる。
【0016】有機系エラストマーとしては、たとえば、
ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポ
リエチレン系、ポリスチレン系、エチレン酢酸ビニル共
重合体系、エチレンエチルアクリレート系、エチレンビ
ニルアルコール系、フェノール系、ポリユリア系、ポリ
オレフィン系 (塩素化オレフィン、クロルスルホン化オ
レフィン等) 、ポリエステル系、エポキシ系などの樹脂
を使用することができる。
【0017】無機系エラストマーとしては、たとえばゴ
ム状硫黄、フッ化ケイ素ポリマー、リン系、フッ素系、
ケイ素系 (シクロヘキサン系ポリマー) 、ホスファゼン
系エラストマー (リン、窒素が骨格) などを使用するこ
とができる。高分子ゲル系のエラストマーとしては、た
とえばポリビニルアルコールハイドロゲル、アクリル酸
ナトリウム/アクリルアミド共重合体ゲルなどから選ば
れたものを使用することができる。
【0018】これらのエスラトマーの中でも、柔軟で弾
性率が大きく、しかも寒暖によって性質が大きく変化し
ないエラストマーが好ましく使用される。たとえば、ポ
リウレタンエラストマーが好ましく、さらに該エラスト
マーでも100%モジュラスが10〜50kg/cm2のものが特に
好ましい。本発明においては、かかるエラストマーは、
裏面側の低密度な織編物層よりも、表面側の高密度織編
物層の方に多量に含有されるという特徴ある含有のされ
方をする。布帛全体としては、好ましくは繊維重量に対
して10〜100重量%、好ましくは50〜100重量%の範囲で
含有 (含浸) される。10重量%以下であれば防水性ある
いは耐摩耗性などの性能や、引掛けキズによる伝線など
を生じて好ましくない。また100重量%以上含有されて
も、重くて硬くなるばかりで、衣料としては適さないも
のとなる。
【0019】かかるエラストマーを塗布する方法として
は、ディップ法、塗工法およびその組み合せなどを使用
することができる。いずれの方法でも、エラストマー溶
液を容易に拡散し均一に付与することができる。また、
本発明は、該布帛の高密度側表面に、接着剤を介してエ
ラストマー被膜を接着したものが好ましい。エラストマ
ー被膜として、好ましくは乾式エラストマー被膜を使用
する。かかるエラストマー被膜材料は、上述エラストマ
ーから選ばれたものを使用することができる。たとえ
ば、乾式製膜したポリウレタンエラストマー被膜が好ま
しく使用され、さらに、100%モジュラスが40〜110kg/
cm2 のものが特に好ましく使用される。かかる被膜によ
って、より完全な防水性を達成し、さらには、着色や表
面模様を付与することによって、ファッション性ならび
に商品的価値の高いものを提供することができる。かか
るエラストマー被膜は、耐熱性、柔軟性、軽量化など用
途の目的によって、素材や厚さを選択することができ
る。かかるエラストマー被膜を結合したことによって、
本発明の防水性防護布帛の摩耗強度および引カキ強力を
大幅に改善させることができる。
【0020】かくして得られる本発明の防水性防護布帛
は、10kg以上の引張強力と5kg以上の引裂強力と500回
以上の平面摩耗強度とを合せて有するところにも特徴を
するものである。引張強力と引裂強力との測定法は、JI
S K-6552 (衣料用革試験法) で行ない、また平面摩耗強
度の測定方法は、JIS L-1096 (一般織物試験方法) A−
1法で、研摩布AA50、荷重3.5ポンドの条件下で測
定した。
【0021】本発明は、上記した性能をいずれも満足し
て、はじめて激しい動作や衝撃にも強い抗力を示す優れ
た防護衣料を提供することができたものである。次に、
本発明の作業衣ならびにライダースーツは、上述の防水
性防護布帛を縫製して形成されたものであるから、肘、
膝など特に摩耗され易い部位での耐久性は抜群にすぐれ
ており、また、ライダースーツにあっては転倒時での激
しい摩擦や強大な応力などに対しても充分に耐え得る抗
力を有するものであり、これらの用途には極めて有効で
ある。
【0022】
【実施例】
実施例1 単糸繊度1.5d、長さ51mmであるパラ系芳香族ポリアミ
ド繊維から成る20番手の紡績糸を使用し、図1〜8まで
に示すような組織で、順番に編んで、18ゲージの両面編
地を製造した。DとCの糸重量比は1:1.25で、該編地
の厚さは1.6mmであり、目付は430g/m2である嵩の高い
基布であった。
【0023】次に、ポリウレタンとして、三洋化成工業
株式会社製湿式ウレタンレザー用1液ポリウレタンエラ
ストマーサンプレンLQ−377を用い、ジメチルホル
ムアミド (DMF) 150部、白色顔料10部、助剤、界面
活性剤各2部を混入し、粘度1500CPS に調整した。この
樹脂溶液を上記編地の裏面に塗布して含有させた後、水
中で10分間湿式凝固させ、40℃5分間湯洗し、 120℃循
風乾燥機中で乾燥した。このようにして製造した布帛
は、柔軟であり、断面写真観察すると、基布の表面には
存在しないが、高密度側に多くエラストマーが含浸され
ており、かつ小さな孔 (ミクロポーラス) が開いた層を
形成していた。この布帛の厚さは1.5mmで、目付650g/m
2 であった。該布帛の耐水度 (JIS L-1092A法) は860m
m であり、また透湿度 (JIS Z-0208) は2550g/m2・24Hr
であった。
【0024】また、この布帛の引張強伸度 (JIS K-655
2) はタテ21kgで41%、ヨコ18kgで106%であった。ま
た、引裂強力 (JIS K-6552) はタテ方向12kgでヨコ方向
8kgの性能を示した。また、平面摩耗 (JIS L-1096、研
摩布AA50、荷重3.5ポンド) は610回であり、防護
布帛として有用なものであった。 実施例2 実施例1の防水性防護布帛の繊維密度が高い面に、ポリ
ウレタン系接着剤(大日精化株式会社製セイカボンドC-
75N-3)を40μの厚さに塗布した後、先に製造してお
いた三洋化成工業株式会社製ポリウレタンエラストマー
サンプレンLQ−195から成る60μの乾式製膜した表
皮膜をラミネートし、厚さ1.35mm、目付690g/m2の布帛
を製造した。
【0025】該布帛の耐水度 (JIS L-1092B法) は2kg
以上であった。また引張強伸度(JISK-6552) はタテ21.2
kg、42%、ヨコ18.1kg、 108%で、引裂強力 (JIS K-65
52)はタテ方向11.7kg、ヨコ方向9kgであった。また平
面摩耗 (JIS L-1096、研摩布AA50、荷重3.5ポン
ド) は 655回であり、防水性防護布帛として極めて優れ
たものであった。 実施例3 ポリテトラフルオロエチレンから成る200デニール30フ
ィラメントの糸と単繊維が1.5デニール、51mmのパラ系
芳香族ポリアミド繊維から成る30番手の糸とを引き揃え
て、実施例1と同様 (図1、図2、図5、図6) の組織
でダイヤル側に供給し、両面タック糸 (図4、図8) と
して、パラ系芳香族ポリアミド繊維から成る20番手を用
い、低密度となるシリンダー側には20番手の木綿糸を1
フィーダー (図3) 、他の1フィーダー (図7) はタッ
ク糸と同様の糸を供給し、厚さ1.65mm、目付450g/m2
ある厚地の両面編地を製造した。
【0026】次いで、実施例1で用いたのと同様の湿式
ウレタンエラストマーを同方法で含浸させ乾燥させた
後、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製シリ
コーン系エラストマーをトルエンで20,000CPS の粘度に
調整した後、高密度を有する面にコンマコータを用いて
厚さ 100ミクロンになるように塗工し、 100℃5分乾燥
後、続いて 180℃5分間加硫して防水性防護布帛を製造
した。
【0027】該布帛の耐水度 (JIS L-1092B法) は3kg
以上であり、また300℃の温度である直径6mmの鉄棒を
5秒間該布帛の表面に接触させる耐溶融性テストでも何
の変化もなく耐熱性に優れたものであった。また引張強
力 (JIS K-6552) はタテ19.5kg、ヨコ17.8kgであり、引
裂強力(JISK-6552) はタテ方向11.5kg、ヨコ方向7.5kg
であった。耐平面摩耗性 (JIS L-1096)、研摩布AA5
0、荷重3.5ポンド) は685回と優れたものであった。 比較例1 単糸繊度1.5d、長さ51mmであるパラ系芳香族ポリアミ
ド繊維から成る20番手の紡績糸を使用し、24ゲージの平
編地 (天竺) を製造した。
【0028】次に、実施例1で用いたのと同じエラスト
マーを同様の方法で上述平編地に塗布した。この布帛
は、厚さ0.6mm、目付355g/m2であった。しかし、この
布帛では、エラストマーが不均一に含浸されており、耐
水度 (JIS L-1092A法) は73mmで極めて低いものであっ
た。また、引張強力、引裂強力 (共にJIS K-6552) は、
該布帛の端から糸が抜け、1kg以下となり、実用的な布
帛とは言えないものであった。 比較例2 比較例1で製造した布帛に、同様のエラストマーを約0.
7mm厚さになるように塗工し、凝固乾燥後実施例2で用
いたのと同様のエラストマーを同方法でラミネートし、
厚さ1.35mm、目付613g/m2の布帛を製造した。該布帛の
耐水度は約2kgと向上したが、耐摩耗性 (JIS L-1096、
研摩布AA50、荷重3.5ポンド) は、244回と低いも
のであった。また鋭利なカッタ刃によっても容易に切創
され、防護布帛として不適なものであった。 比較例3 単糸繊度1.5d、長さ51mmであるパラ系芳香族ポリアミ
ド繊維から成る20番手の紡績糸を使用し、18ゲージの両
面編地 (両面スムース) を製造した。該編地の厚さは1.
2mmで、目付は380g/m2 であった。次に実施例1で用い
たのと同様のエラストマーを同方法で付与含有させた。
該布帛の断面写真および表面観察ではエラストマーが不
均一に含有しており、したがって、引裂時はエラストマ
ーが少ない部分の糸が抜け、強力に寄与しなかった。ま
た、裁断縫製時には裁断端がほつれたり、パンチング
(孔開け) 加工後には孔の中が繊維で黄色くなり孔がし
だいにつまってくる所もあった。そして硬さにもバラツ
キがあり、防水性防護布帛として性能的にも満足できる
ものではなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明の防水性防護布帛の特徴は、基布
の低密度面から容易にエラストマーが浸透・拡散するよ
うに工夫した点にあり、そのためにエラストマーを均一
に含浸、含有させることができるという特徴的効果を達
成したものである。したがって、従来にない防水性と防
護性とを同時に満足する布帛を提供することができ、厚
さの割に軽く、柔軟で伸度も大きい利点を有し、防護衣
料はもちろん、各種作業衣、たとえば漁業関係、森林作
業関係、建築土木関係の防護性を有する作業衣として、
あるいは耐摩耗性、耐熱性、伸縮性などの特徴を活かし
て、モーターボート、自転車、オートバイおよび自動車
などのライダースーツやその一部に使用する副素材とし
て好適である。ライダースーツは、パンチングと称して
通風性を改善するための孔を開けるが、本発明の布帛に
よれば、かかる孔部から繊維がほつれることもないとい
う効果も有する。
【0030】また、さらに、漁師が防寒や海水を防水す
るとともに、漁網との摩耗によって破れを防止したり、
あるいはオートバイライダーが雨天での着用時に万が一
転倒しても、人体を保護するライダースーツ用に、また
消防士が火災現場に災害救助現場で、水と熱や外傷から
身を守る防護服として、好適に用いられる防水性防護布
帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図2】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図3】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図4】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図5】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図6】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図7】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【図8】この図は、本発明に使用した8口両面編物の1
組織例を示す。
【符号の説明】
1〜8 フィーダー番号 D ダイヤル側 C シリンダー側
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 A 7199−3B // D06M 101:36

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が裏面より高密度に構成された織編
    物であって、該表面を構成する糸条には、パラ系芳香族
    ポリアミド繊維が少なくとも50%混入されており、かつ
    該織編物にエラストマーが含有されていることを特徴と
    する防水性防護布帛。
  2. 【請求項2】 エラストマーが、繊維重量に対して10〜
    100%含有されている請求項1記載の防水性防護布帛。
  3. 【請求項3】 布帛の表面に、接着剤を介してエラスト
    マー被膜を接着したことを特徴とする請求項1記載の防
    水性防護布帛。
  4. 【請求項4】 表面が裏面より高密度に構成された織編
    物であって、該表面を構成する糸条には、パラ系芳香族
    ポリアミド繊維が少なくとも50%混入されており、かつ
    該織編物はエラストマーが含有された布帛であって、JI
    S K-6552で測定した引張強力が10kg以上、引裂強力が5
    kg以上であり、かつ、JIS L-1096で測定した平面摩耗強
    度が500回以上であることを特徴とする防水性防護布
    帛。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4記載の防水性保
    護布帛を縫製して形成されていることを特徴とする作業
    衣。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項4記載の防水性保
    護布帛を縫製して形成されていることを特徴とするライ
    ダースーツ。
JP3297038A 1991-11-13 1991-11-13 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ Expired - Fee Related JP2686868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3297038A JP2686868B2 (ja) 1991-11-13 1991-11-13 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3297038A JP2686868B2 (ja) 1991-11-13 1991-11-13 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05132876A true JPH05132876A (ja) 1993-05-28
JP2686868B2 JP2686868B2 (ja) 1997-12-08

Family

ID=17841417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3297038A Expired - Fee Related JP2686868B2 (ja) 1991-11-13 1991-11-13 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2686868B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150724A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toray Ind Inc 布帛
JP2012533693A (ja) * 2009-07-17 2012-12-27 フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド 三層ニット生地、それから形成された熱保護部材、およびその構成方法
JP2013530315A (ja) * 2010-04-30 2013-07-25 ドライファイア, エルエルシー 高熱、耐磨耗および水分管理特性をもった衣服のための混合繊維
CN103462240A (zh) * 2013-09-26 2013-12-25 青岛雪达集团有限公司 一种功能性商务内衣及其制作方法
CN106592079A (zh) * 2016-12-26 2017-04-26 常熟市德欧纺织品有限公司 一种防水精梳棉面料
CN107109719A (zh) * 2014-12-23 2017-08-29 法国欧普泰克公司 用于制造防火服装的织物
JP2020501039A (ja) * 2016-11-28 2020-01-16 グランベルグ アーエス 三次元(3d)編み生地、および同生地を製造する方法
CN110747643A (zh) * 2018-07-23 2020-02-04 中国石油化工股份有限公司 一种防水透气的织物及其制备方法和应用
CN112281275A (zh) * 2020-10-16 2021-01-29 高梵(浙江)信息技术有限公司 一种耐磨防皱的羽绒服面料及其制备方法
JP2021075829A (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 東洋紡Stc株式会社 着衣用編地

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516301A (ja) * 1991-07-10 1993-01-26 Kuraray Plast Kk 防水シート

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0516301A (ja) * 1991-07-10 1993-01-26 Kuraray Plast Kk 防水シート

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150724A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toray Ind Inc 布帛
JP2012533693A (ja) * 2009-07-17 2012-12-27 フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド 三層ニット生地、それから形成された熱保護部材、およびその構成方法
JP2013530315A (ja) * 2010-04-30 2013-07-25 ドライファイア, エルエルシー 高熱、耐磨耗および水分管理特性をもった衣服のための混合繊維
CN103462240A (zh) * 2013-09-26 2013-12-25 青岛雪达集团有限公司 一种功能性商务内衣及其制作方法
CN107109719A (zh) * 2014-12-23 2017-08-29 法国欧普泰克公司 用于制造防火服装的织物
JP2020501039A (ja) * 2016-11-28 2020-01-16 グランベルグ アーエス 三次元(3d)編み生地、および同生地を製造する方法
CN106592079A (zh) * 2016-12-26 2017-04-26 常熟市德欧纺织品有限公司 一种防水精梳棉面料
CN110747643A (zh) * 2018-07-23 2020-02-04 中国石油化工股份有限公司 一种防水透气的织物及其制备方法和应用
JP2021075829A (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 東洋紡Stc株式会社 着衣用編地
CN112281275A (zh) * 2020-10-16 2021-01-29 高梵(浙江)信息技术有限公司 一种耐磨防皱的羽绒服面料及其制备方法
CN112281275B (zh) * 2020-10-16 2022-03-08 高梵(浙江)信息技术有限公司 一种耐磨防皱的羽绒服面料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2686868B2 (ja) 1997-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5925441A (en) Breathable shell for outerwear
JP5065448B2 (ja) 電気工事作業に使用する作業用手袋
US5626949A (en) Breathable shell for outerwear
US5112421A (en) Method for the production of a composite sheet for artificial leather
US20070249250A1 (en) Textile Based on a Mixture of Abrasion Resistant Technical Fibers
JP2686868B2 (ja) 防水性防護布帛および作業衣ならびにライダースーツ
CN102754946A (zh) 轻薄型柔性聚合物涂覆的手套和制备方法
PL228340B1 (pl) Produkt warstwowy i produkt tekstylny
JP2012161924A (ja) 積層体布帛
CA2930126C (en) Inner lining fabric
US5256429A (en) Composite sheet for artificial leather
ITVE20080095A1 (it) Struttura tessile multistrato gonfiabile per la realizzazione di capi di abbigliamento protettivi.
JP6539495B2 (ja) 積層体布帛
JP4086401B2 (ja) 防水性手袋およびその製造方法
KR102186366B1 (ko) 방한 및 방수용 장갑 및 그 제조방법
CN207509906U (zh) 拉毛绒布面料
JPH0657601A (ja) 弾性編地および弾性編地加工品
CN207496173U (zh) 立体抗起球绒布面料
US20210267294A1 (en) Garment
JPH08158128A (ja) 衣服用芯地
CN215152757U (zh) 一种粘胶收缩型pu革
JP2002294563A (ja) 繊維構造物
JPH02292036A (ja) 防水シートおよび雨具
CN218551528U (zh) 一种具备挡泥沙和速干性能的复合型鞋帮
JPS5928838Y2 (ja) 防護布

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees