JP2021075829A - 着衣用編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度で突き刺し強度が高い編地でありながら、柔軟性があり、寸法安定性が良く、洗濯後のシワが発生しにくい着衣用編地を提供する。【解決手段】少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットからなる編地であって、表面及び裏面を形成する糸が、破断強度6.5cN/dtex以上、単糸繊度0.5〜7.0dtex、総繊度200〜1000dtexである合成繊維からなり、編地のJIS−L1096B法(定速伸長型法)における破裂強さが4000〜20000Nであることを特徴とする着衣用編地。【選択図】図1

Description

本発明は、高い突き刺し強度を有しながら、柔軟性があり、寸法安定性に優れ、洗濯後のシワ発生が少ない着衣用編地、及びそれを用いた着衣に関する。
高強力繊維を使用して耐切創性を高めた生地は過去に多く提案されている。例えば、ガラスなどから切創事故を防止するためのニット製品として、引張強度25cN/dtex以上の高強力繊維を少なくとも一部に使用した有機繊維からなる糸条を二重編構造に編成した防護カバーが提案されている(特許文献1参照)。この防護カバーは、耐切創性においては優れているが、棒等を生地に垂直に当てたり、押し付けたときの突き抜けを防止する性能は低かった。
また、耐切創性だけでなく柔軟性にも優れる編み手袋も提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の編地では、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、前記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループを有し、該複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースとを備え、前記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の前記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、前記第1渡り部が該ループを跨ぐよう編成されている。この編地は、伸縮を高めるために弾性糸を用いており、かつ渡り部が介在することによって糸にゆとりが生じて柔軟性が高い編地とすることができる。しかし、これらの構造は、編地のループが動きやすい構造となることから、突き刺し性については、弱いものとなってしまう課題があった。また、これらの編地は、洗濯したときに縮みやすく、寸法変化が悪い傾向があり、着衣用途には使い難かった。
従来、突き刺し強度が高い生地を作るには、密度を高めることが容易な織物を複数層重ね合わせて使用されることが多かった。このような方法で高い突き刺し強度を持った織物の例として、経糸に合成繊維フィラメントを用い、緯糸に高強度、高弾性率の機能性繊維とで構成される混紡糸を用いた織物が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この織物を洗濯すると、シワが強く発生して着用時の見栄えが悪くなってしまうため、乾燥後にアイロン掛けが必要になったり、熱に弱い繊維であればアイロンでシワを伸ばすこと自体が難しかったりした。
特開2006−214015号公報 特開2017−226930号公報 特開2015−98656号公報
本発明は、上記のような従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、高密度で突き刺し強度が高い編地でありながら、柔軟性があり、寸法安定性が良く、洗濯後のシワが発生しにくい着衣用編地及びそれを用いた着衣を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、ダブルニットの表面及び裏面の少なくとも一方の面が、ニットとウエルトのみで構成された層で構成された高密度編地にすることによって突き刺し性に優れた編地とすることができることを見出した。また、少なくとも一方の面の組織をニット−ウエルト構造の繰り返し構造による細密充填構造にすることによって高密度の編地となり、高い突き刺し強度を持った編地とすることができることを見出した。さらに、これらの編地は、織柄を形成して編地の持つ膨らみや伸縮性を維持しながらも、洗濯後の寸法安定性及びシワ抑制に優れた編地を提供することができることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、以下の(1)〜(8)の構成を有するものである。
(1)少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットからなる編地であって、表面及び裏面を形成する糸が、破断強度6.5cN/dtex以上、単糸繊度0.5〜7.0dtex、総繊度200〜1000dtexである合成繊維からなり、編地のJIS−L1096B法(定速伸長型法)における破裂強さが4000〜20000Nであることを特徴とする着衣用編地。
(2)少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットにおいて、ニット−ウエルトが一単位として交互に連続する組織が、その面を構成する組織の75%以上を占めていることを特徴とする(1)に記載の着衣用編地。
(3)表面を構成する糸の平均糸長aと裏面を構成する平均糸長bとの糸長比(a/b)が0.60〜0.99であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の着衣用編地。
(4)裏面が破断強度10cN/dtex以上の高強力有機繊維を50重量%以上用いて構成されており、編地の破裂強さが6000〜20000Nであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の着衣用編地。
(5)表面が破断強度6.5cN/dtex以上のポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維で構成されており、JIS L1930 C4N法つり干しにおける5回洗濯後の編地の寸法変化率が±5%以下、洗濯後のシワが3級以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の着衣用編地。
(6)表面と裏面を接続するタック部が、表裏組織を含めた全組織中に1〜25%存在することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の着衣用編地。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の着衣用編地を用いていることを特徴とする着衣。
(8)着衣が、防弾チョッキ、戦闘服、農林水産業もしくは鉄鋼業等の作業着、又はフェンシング用ユニフォームであることを特徴とする(7)に記載の着衣。
本発明によれば、高い突き刺し強度を有し、しかも着用時に動きやすい柔軟性を有し、さらに洗濯後の寸法安定性に優れ、シワが発生しにくい着衣用編地を提供することができる。本発明の編地は、このような特性を有するので、防弾チョッキ、戦闘服、農林水産業もしくは鉄鋼業等の作業着、又はフェンシング用ユニフォームに使用するのに好適であり、特にフェンシング用ユニフォームに好適である。
図1は、実施例1で使用したリバーシブルの編組織図を示す。 図2は、実施例2で使用したリバーシブルの編組織図を示す。 図3は、実施例3で使用したリバーシブルの編組織図を示す。 図4は、比較例1で使用したウエルト天竺の編組織図を示す。 図5は、比較例2で使用したモックロディの編組織図を示す。 図6は、比較例3で使用した平織の織組織図を示す。
本発明の編地は、少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットからなる。ダブルニットには、表側と裏側の針の相対位置関係からリブ編みとインターロック編みがあるが、本発明では、ダイヤル針とシリンダー針の位置がずれているリブゲーティングで編まれることが好ましい。リブゲーティングにすると、より高い針密度で編み立てることができ、より高密度の編地にすることができる。また、厚み方向からみると、表面のループとループの間に裏のループが配置されることになり、直径が細い棒に対する突き刺しに対する抵抗性を強くすることができる。
本発明の編地では、少なくとも表面と裏面を形成して各面の強力に直接寄与する糸は、破断強度が6.5cN/dtex以上、好ましくは7cN/dtex以上の合成繊維を用いる。強度の上限は、現実的には50cN/dtex程度である。かかる合成繊維の例としては、(超)高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンザゾール繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、及びナイロン繊維などが挙げられる。本発明の編地をフェンシングユニフォームや戦闘服等に用いる場合は、強さと同時に軽さや動きやすさが求められる点から超高分子ポリエチレン繊維や高分子量ポリエチレン繊維が好ましい。耐熱性が求められる場合は、パラ系アラミド繊維やPBO繊維を用いることが好ましい。なお、ポリエチレン繊維については、通常のポリエチレンは重量平均分子量2〜30万であるのに対して、本発明でいう高分子量ポリエチレンは重量平均分子量50万以上のものを指し、特に重量平均分子量150万以上のものを超高分子量ポリエチレンとする。これらは単独で使用されることに限定されるものではなく、一種あるいは複数の種類の繊維から選んでもよい。
合成繊維を構成する破断強度6.5cN/dtex以上の糸は、長繊維でも紡績糸でも構わない。長繊維を用いる場合は、生糸であることが好ましい。糸に捲縮等の加工を与えると、糸の見掛け伸度が高くなるので、突き抜け性が低下し易い傾向がある。但し、生糸だと単糸割れが起こり易く編立が難くなる場合は、他の糸でカバーリングしたり、インターレースの交絡処理をしたり、追撚して、糸に収束性を与えて編立することができる。
合成繊維を構成する糸の総繊度は、200〜1000dtexであることが好ましい。より好ましくは250〜900dtexである。総繊度が上記下限未満であると、出来上がった編地が十分な強度を持たせられない懸念がある。上記上限を超えると、編ループが大きくなりすぎて突き刺し性が低下しやすい。合成繊維を構成する糸の単糸繊度は、0.5〜7.0dtexであることが好ましい。より好ましくは1.0〜6.0dtexである。単糸繊度が上記下限未満であると、出来上がった編地が十分な強度を持つことが難しくなりやすく、上記上限を超えると、高い突き刺し性を達成しにくくなりやすい。
本発明の編地の表面を構成する繊維は、6.5cN/dtex以上の破断強度を持つ合成繊維であれば特に限定されないが、ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維を用いることが好ましい。より好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維及び/又はナイロン6繊維及び/又はナイロン66繊維を用いることが好ましい。ポリエステル繊維やナイロン繊維は、染色性に優れており、洗濯後の防シワ性が高く、イージーケア性に優れるためである。
本発明の編地の裏面を構成する繊維は、好ましくは50重量%以上の割合で、6.5cN/dtex以上の破断強度を持つ合成繊維であればよいが、より好ましくは10cN/dtex以上の高強力有機繊維を用いることが好ましい。10cN/dtex以上の高強力有機繊維の具体例としては、例えばパラ系アラミド繊維ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン社製、商品名Kevlar(登録商標))、コポリパラフェニレン−3,4′−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製、商品名テクノーラ)、ポリアリレート繊維(クラレ社製、商品名ベクトラン)、PBO繊維(東洋紡社製、商品名ザイロン)、超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡社製、商品名イザナス)、高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡社製、商品名ツヌーガ)などが挙げられる。また、6.5cN/dtex以上の破断強度を持つ合成繊維は、生産性を高めるために、追撚したり、インターレース処理等で交絡を付与したり、6.5cN/dtex以上の強度を保持する限り、他の糸と合撚、混繊、混紡してもかまわない。
本発明の編地のダブルニットの少なくとも表面と裏面のどちらかを構成するための基本組織は、ニットループとウエルトのみで構成されている。この基本組織には、タックループを含めない方が好ましい。タックループを含めると、タック部がメッシュ調になり緻密になりにくく、また編地表面の凸凹が大きくなり引っ掛かりが起こり易く、突き刺し強度が低下しやすいためである。本発明の編地の表面及び/又は裏面(編地の一方の面を便宜上、表面とし、もう一方の面を裏面と表現するがどちらの面を製品の表面に使ってもよい)を構成する組織は、隣接する2本の編糸が一対で片面の針全てに一個毎のニットループが作られる組織とすることが好ましい。こうすることで、(i)表面のウエルトループがニットループに隠れることができ、また、(ii)表面のニットループの大きさを均一にでき、更に、(iii)一対の糸が細密充填構造をとり、編地密度を高めることができるという利点がある。具体的な例としては、ニット−ウエルトの繰返し構造を持つ組織が片面の基本組織に含まれることが好ましい。
本発明の編地では、少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットにおいて、ニット−ウエルトが一単位として交互に連続する組織が、その面を構成する組織の75%以上を占め、前述の細密充填構造の組織で形成されることが好ましい。75%未満の場合、編地の伸度が高くなって突き刺し強度が低下しやすくなる。フェンシング、防弾チョッキ等の高い突き刺し強度を要求される用途には、このニット−ウエルト単位を含む組織を表裏両面の組織に用いることが好ましい。ニット−ウエルトが一単位として交互に連続する組織の占める割合は、両面を繋ぐためのタックを除いて、片面を構成するニット、ウエルト、タックの個数を数えて、ニットとウエルトの個数割合を計算することによって求めることができる。
本発明の編地のダブルニットにおいて、表面と裏面の接結には、繋ぎ糸を用いるか、表面及びまたは裏面を構成する糸を逆の面にタックで接続することが好ましい。このように表面と裏面を接続することで、表面と裏面の独立性が高まり、編地の柔軟性を高めることができる。より好ましくは繋ぎ糸を用いて表面と裏面を繋ぐ3層組織にすることが好ましい。そうすることで、編地を肉厚にして突き刺しにより強くしたり、せん断方向への柔軟性をさらに高めることができる。
この表面と裏面を接続するためのタック部は、表裏組織を含めた全組織中に1〜25%で存在させることが好ましい。より好ましくは2〜20%である。さらに好ましくは3〜18%である。上記下限未満の割合になると、表と裏の結合力が低下して、使用中に繋ぎが切れて表裏の剥離や糸切れが起こりやすく、商品寿命を低下させやすくなる。上記上限の割合を超えると、表面と裏面の一体感が高くなりすぎて柔軟性が低下して、着用時の運動性を阻害したり、着用快適性が低下しやすくなる。
本発明では突き刺し強度を高めるために縦横の伸度は低く抑えることが必要であるが、前記の接結構造によりせん断特性は柔軟にすることができ、作業性や着用快適性を高めることができる。
例えば本発明の編地の組織の一例を表わす図1では、フィーダー1(F1)が繋ぎ糸となり、表と裏をタックでつないでいる。F1の糸は基本組織中にタック2つを占めている。残りのF2,3,4,5,6,7,8,9で表と裏の組織を作っており、全組織でニットとウエルトが各8個、タックが2個の18個からなっている。このため基本組織中の繋ぎのタックの比率は11%である。また、本発明の編地の組織の他例を表わす図2では、F1,7,13,19の糸が表の組織を形成しながら、繋ぎの役目も担っている。F1,7,13,19で合わせて基本組織中に繋ぎのタックが4個ある。F1〜24で表裏の組織を作っており、ニットが44個、ウエルトが40個、タック4個の88個からなっている。基本組織中に繋ぎのタックの比率は4.5%である。
更に、これらの図1、2を用いて、本発明の編構造を具体的に説明する。図1の表面及び裏面の組織はニットループとウエルトのみからなり、繋ぎ糸で表面と裏面を繋げた3層構造の組織をなす。F2,4,6,8が表糸を形成する。F3とF5、F7とF9が対になって裏面を形成する。F2とF4、F6とF8は対となって、ダイヤルの全針にニットを形成し、F3とF5、F7とF9が対になってシリンダの全針にニットを形成している。詳述すると例えばF2は表面でニットとウエルトが交互に編まれるが、そのウエルト部分に次に編まれるF4のニットが充当されるので、ウエルトは編地の内側に隠れて見かけ上は全針上にニットループが形成される。これにより、見かけ上オールニットの凹凸の少ない表面構造となり、また一対の糸同士が充填細密な構造となり、突き抜け防止性の向上に寄与することができる。
図2の表面及び裏面の組織もニットループとウエルトのみからなり、表面の糸を裏面につないだ2層構造の組織をなす。給糸口F1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23で表面を形成する。給糸口F1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23で裏面を形成するF1とF3、F5とF7、F9とF11、F13とF15、F17とF19、F21とF23は対となって、シリンダーの全針にニットを形成する。例えばF1はニットとウエルトが交互に編まれるが、そのウエルト部分に次に編まれるF3のニットが充当されるために、ウエルトは編地の内側に隠れて見かけ上は全針上にニットループが形成される。これにより、見かけ上オールニットの凹凸の少ない表面構造となり、また一対の糸同士が充填細密な構造となり耐摩耗性の向上に寄与している。この組織ではF1,7,13,19に裏面にタックしており、繋ぎの役目も果たしている。
本発明の編地は、使用する糸に対して比較的ハイゲージな丸編機を用いることにより高密度に編み立てることができる。本発明の編地では、出合いはリブゲージングとしたダブルニット編機が採用される。針床における編針の密度(ゲージ)は、1インチ(2.54cm)あたり12本以上とするのが好ましい。より好ましい編機ゲージは15〜40本/2.54cmである。さらに好ましくは18〜28本/2.54cmである。編機ゲージが上記範囲を超えると、より細い糸を用いる必要があり、突き抜け防止に必要な性能が得られ難くなる。上記範囲より少ないと、ざっくりした密度の粗い編物になり、これも突き抜け防止性が低下しやすくなる。
本発明の編地において、少なくとも裏面は、従来の編地に比べて経緯の伸度を低く抑えるために、100ウエール(W)当りの糸長を制限して編み込むことが好ましい。例えば300〜500dtexの糸を用いた編地の場合、表面及び裏面を構成している全ての糸の平均糸長として、90〜280mm/100Wとするのが好ましい。より好ましくは120〜250mm/100Wである。平均糸長が上記範囲未満では、安定的に生産するのが難しくなり、編み欠点が発生し易くなる。また、上記範囲を超えると、編地の伸度が高くなって本発明の効果が得られにくくなりやすい。なお、総繊度が300dtex未満の場合は、平均糸長を下げる方向で、総繊度が500dtexを超える場合は、平均糸長を上げる方向で適宜調整すればよい。表面を構成する糸の糸長については、裏面の高強力有機繊維の糸長に対して短くするのがよい。表面を構成する糸の平均糸長aと裏面を構成する平均糸長bとの糸長比(a/b)は0.60〜0.99とすることが好ましい。より好ましくは、0.70〜0.97である。さらに好ましくは0.80〜0.95である。糸長比を上記下限未満とすると裏面の密度を高めることが難しくなり、上記上限を超えると表面のループが広がりやすく、突き刺し強度が低下しやすくなる。
本発明では、編地の密度設計も重要である。適度なタテヨコのループ密度に調整することで、上記の編組織とあいまって編地でありながら、ハイゲージのダブル編機で編成して高密度に仕上げられる。本発明の編地では、染色加工上がりのウエール密度は、20〜70個/2.54cmであることが好ましい。より好ましくは25〜65個/2.54cm、さらに好ましくは25〜60個/2.54cmである。ウエール密度が上記範囲より低いと、柔軟性が高くなりすぎてハリ、コシが得られにくくなり、上記範囲より高いと、使う糸が細くする必要があるため生地が薄くなりすぎたり、ヨコ方向のストレッチが小さくなり過ぎて着用感が悪くなりうる。また、本発明の編地では、染色加工上がりのコース密度は、18〜75個/2.54cmであることが好ましい。より好ましくは20〜70個/2.54cm、さらに好ましくは22〜65個/2.54cmである。コース密度が上記範囲より低いと、柔軟性が高くなりすぎてハリ、コシが得られにくくなり、上記範囲より高いと、生地が硬くなり、また通気性が低くなり蒸れ感が高まることで、着用快適性が低下しやすい。
本発明の編地の目付は、150〜1000g/mであることが好ましい。より好ましくは200〜800g/m、さらに好ましくは300〜700g/mである。目付が上記範囲を超えると、編地が重くなりすぎて、着用時の作業性が低下したり、長時間着用すると疲れやすくなる。上記範囲未満であると、編地が薄くなりすぎて突き刺し性が低下しやすくなる。本発明の編地の厚みは、0.2〜10.0mmであることが好ましい。より好ましくは0.3〜8.0mmであり、さらに好ましくは0.4〜4.5mmである。上記範囲より薄い編地では、突き刺し強度が低下しやすくなり、上記範囲を超えると、肉感が付き過ぎて作業性が低下しやすくなる。
本発明の編地を染色加工する場合、使用する合成繊維の耐熱性、耐薬品性や染色性に応じた加工を行う必要がある。例えば、比較的融点が低い高強力有機繊維として、超高分子量ポリエチレンを用いる場合、融点が150℃程度であり、精練や染色、及び乾熱セットでは低温で加工する必要がある。この場合、精練や染色等で発生したシワを熱セットで低減することが難しく、また消費過程での洗濯後の寸法変化を抑えることが難しい場合がある。この場合、本発明では拡布形状で連続染色やバッチ巻きされた状態での湿熱または液熱処理を行うことで解決することができる。具体的にはビーム染色機やジッカー染色機やパッドスチーム法等の拡布形状で加工できる設備を用いることが好ましい。処理条件としては、編物を構成する繊維中で最も融点が低い繊維の融点から−50℃〜−10℃の温度範囲で湿熱又は液熱処理を行うことが好ましい。この温度で熱処理することで、編地の寸法変化を効果的に抑制することができる。
本発明の編地には、所定の撥水加工、吸水加工や各種の機能加工を施すことができる。撥水加工を施す場合には、撥水加工剤として、合成繊維に使用される通常の撥水剤を用いることができるが、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤、炭化水素系撥水剤を用いると繊維表面の平滑性が高まり、耐摩耗性が向上することから特に好ましい。また、仕上げ加工でアクリル系樹脂やポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ系樹脂等を使った硬仕上加工やコーティング、ラミネート加工を行うことで透湿防水性等の機能性を高めてもよい。
本発明の編地は、上述のような構成を有するので、JIS−L1096B法(定速伸長型法)における破裂強さが4000〜20000N、さらには6000〜20000Nを達成することができる。破裂強さが上記下限未満では強度不足となり着用時に突き刺しに対して怪我しやすい。使用する用途により要求される強度は異なるが、フェンシングユニフォームの場合は、本発明の編地の破裂強さの下限を5000N以上、さらには6000N以上とすることが好ましい。
本発明の編地は、突き刺し強度を高めるために縦横の伸度は低く抑えながらも、作業性や運動性を阻害しないようにせん断方向の柔軟性を高く維持できていることが特徴である。編地のせん断特性は、KES(Kawabata’s Evaluation System for Fabrics)で測定することができる。カトーテック社製KES−FB1を用いて、強制荷重10gf/cmにおける一方向のせん断剛性G[gf/cm・degree]と、せん断角0.5°におけるせん断ヒステリシス2HG[gf/cm]、せん断角5°におけるせん断ヒステリシス2HG5[gf/cm]を測定すると、せん断剛性G値が大きいほど、剪断されにくい傾向にあり、2HG、2HG5値が大きいほど、せん断変形における回復時の弾発力が低い傾向がある。本発明の編地は、Gのタテ・ヨコの平均値0.5〜5.5(gf/cm・deg)を達成し、また、2HG5のタテ・ヨコの平均値−4.5〜10.0を達成することができる。この範囲にすることで、高い突き抜け性を保持しながらも、柔軟性を維持して運動性を大きく低下させずに済ますことができる。
本発明の編地は、表面が比較的平坦であり、綺麗な表面を形成しているが、洗濯後のシワが発生しにくい特徴を有する。特に編地の表面にポリエステル及び/又はナイロンの長繊維を用いた場合に顕著であり、5回洗濯後のシワが3級以上とすることができる。特に本発明では4級以上も可能である。また、5回洗濯後の寸法変化率は、縦横ともに±5%以内に収めることができる。シワ及び寸法変化率は、洗濯方法として、JIS−L1930 C4N法に従って洗濯、つり干しを5回行ったものに対して測定した。
本発明の編地は、鋭利なものが着衣を突き抜けて身体に危険を及ぼす可能性のある作業において、その突き抜けによるケガを防ぐことを目的にした着衣に使用するのに好適である。例えば、本発明の編地は、フェンシング等の鋭利な用具を使ったスポーツ用のユニフォームや、防弾チョッキ、戦闘服、農林水産業や鉄鋼業等の作業着等に好適に用いることができる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各性能評価は、以下の方法により行った。
(糸長および糸長比)
平坦な台に編地を張力がかからず、しわが出ないように水平に静置し、任意の編ループに印aを入れて100ウェール(W)目のループにも印bをつける。編地を分解して、張力が掛からないよう印a−bを含んだ糸を抜き出す。次いで、その糸に0.5g/dtexの荷重をかけてぶら下げてa−b間の長さ(mm)を求める。これを基本組織全ての糸についてn=5で測定して、各糸の平均糸長を求める。基本組織において、表を構成する糸、裏面を構成する糸別にグループ分けして、各々のグループの平均糸長を求める。このとき繋ぎ糸(表と裏を繋ぐ目的だけに用いる糸)はどちらのグループにも含めない。
(編地密度)
JIS−L1096 8.6.2の編物の密度に準拠して編地表面のコース密度(個/2.54cm)、ウェール密度(個/2.54cm)を測定した。織物もJIS−L1096の織物の密度に準じて経糸・緯糸の密度を測定した。
(編地の目付)
JIS−L1096 8.3.2A法の標準状態における単位面積当たりの質量に準拠して編地の目付を測定した。
(編地の厚み)
JIS−L1096 8.4A法の厚さに準拠して編地の厚みを測定した。測定条件の一定圧力は23.5kPaで行った。
(破裂強さ)
JIS−L1096 B法の破裂強さに準じて編地の破裂強さを測定した。
(着用したときの上半身の動きやすさ)
生地をフェンシングスーツの上着に縫製した後、20才男性のフェンシング経験者が着用してフェンシングの練習を行ったときの動きやすさ(動きに対する生地の抵抗感)を感覚値として、動きやすい:◎>○>〇△>△>×:動きにくいの順で五段階でアンケート評価を行った。〇△以上を動きやすいものとして判断した。
(せん断特性)
カトーテック社製KES−FB1を用いて、各サンプルの所定領域の10cm幅をクランプし、強制荷重10gf/cmにおける一方向のせん断剛性G[gf/cm・degree]と、せん断角0.5°におけるせん断ヒステリシス2HG[gf/cm]、せん断角5°におけるせん断ヒステリシス2HG5[gf/cm]をタテ方向、ヨコ方向に各々測定する。せん断剛性G、2HG5の各々タテ・ヨコの平均値を小数点第2位でまるめて求めた。
(洗濯後の寸法変化率、シワ)
洗濯方法として、JIS−L1930 C4N法に従って洗濯、つり干しを5回行ったものに対してタテ、ヨコの寸法変化率(%)、シワ(級)を測定した。
(実施例1)
34インチ、20ゲージのダブル丸編機(福原精機製作所製LPJ型)にサポート装置を付けて図1に示す完全組織F1からF9からなるリバーシブル1を製編した。その際、表面を構成する糸として、給糸口F2,F4,F6,F8には350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維(破断強度7.0cN/dtex)に300回/mのS撚に追撚したものを用いた。又、裏面を構成する糸として、F3,F5,F7,F9には、440T400fの超高分子量ポリエチレン繊維(破断強度26cN/dtex)にS撚で4000t/mで追撚した糸を用いた。そして、繋ぎ糸として、F1には167T48fの高強力ポリエステル繊維(破断強度7.5cN/dtex)をS撚に300回/m追撚したものを用いた。表裏面ともニットーウエルトが一単位として交互に連続する組織のみ(100%)で構成されている。各フィーダーの糸長は、F2,4,6,8を256mm/100Wとし、F3,5,7,9の糸長を278mm/100Wとし、F1の糸長を265mm/100Wとした。編地中の超高分子量ポリエチレン繊維の混率は(57.2重量%)であった。
出来上がった生機を開反し、日阪製作所製ビーム染色機を用いて、精練処理を行った後、酢酸0.2g/l pH=4、明成化学 ディスパーN700 0.5g/l、日華化学 ネオクリスタル GC1000 0.5g/l、Fluorescent Yellow HP−8GF(Disperse Yellow 82)0.2%owfの染色処方にて、昇温後125℃×15分の染色を行った。その後、ヒラノテクシード製ピンテンターを用いて110℃×1分の乾熱条件で熱セット行ない、性量調整して最終生地を得た。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同じ編機を用いて図2に示す完全組織F1からF24からなるリバーシブル2の生機を製編した。その際、表面を構成する糸として、給糸口F1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23には実施例1と同じ350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維を用いた。裏面を構成する糸として、F2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24には、440T410fの超高分子量ポリエチレン繊維(破断強度26cN/dtex)に33T12fのポリエチレンテレフタレート繊維を200t/mでシングルカバーリングした糸(合計473T)を用いた。各フィーダーの糸長は、給糸口F3,5,9,11,15,17,21,23を215mm/100Wとし、F1,7,13,19の糸長を288mm/100Wとした。このとき表面を構成する糸の平均糸長は239mm/100Wである。F2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24の糸長を246mm/100Wとした。裏面はニットーウエルトが一単位として交互に連続する組織のみ(100%)で構成されている。表面を構成するF1,7,13,19においては、裏面にタックで繋げる組織を有するため、表面におけるニットーウエルト単位は一つ(ニットとウエルトで個数は2)となり、表を構成する組織はニット2個、ウエルト1個の3個からなる。よって、表面を構成するF1,7,13,19の合計でニットウエルト単位の組織個数は8個になる。また、表面を構成する他のフィーダーF3,5,9,11,15,17,21,23ではそれぞれニット−ウエルト単位が2つで組織4個を構成するため、32個の組織があり、表面全体でニット−ウエルト単位の個数は40個になる。そして、表面の全組織は、F1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23が表面を構成する全組織が44個になるため、表面におけるニット−ウエルトの構成単位が表面に占める割合は40/44×100≒91%である。尚、編地中に占めるカバーリング糸の混率は58.5%で、超高分子量ポリエチレン繊維の混率は54.4重量%であった。実施例1と同様の工程で染色加工を行い仕上げた。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同じ編機を用いて図3に示す完全組織F1からF10からなるリバーシブル3の生機を製編した。その際、表面を構成する糸として、給糸口F2,4,7,9には実施例1と同じ350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維の追撚糸を用いた。裏面を構成する糸として、F3,5,8,10には実施例1と同じ440T400fの超高分子ポリエチレン繊維の追撚糸を用いた。繋ぎ糸としてF1,6には実施例1と同じ167T48fの高強力ポリエステル繊維の追撚糸を用いた。この編地は表裏面ともニットーウエルトが一単位として交互に連続する組織のみ(100%)で構成されている。各フィーダーの糸長は、F2,4,7,9を256mm/100Wとし、F3,5,8,10の糸長を278mm/100Wとし、F1,6の糸長を265mm/100Wとした。編地中に占めるカバーリング糸の混率は54.6%、超高分子量ポリエチレン繊維としての混率は50.8重量%であった。実施例1に準じた工程で染色加工を行い、その後同様の仕上げを行った。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして図1に示す完全組織F1からF9からなるリバーシブル1の生機を製編するが、その際、裏面を構成する糸を超高分子量ポリエチレン繊維の代わりに表糸と同じ350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維追撚糸を用いた。但し、追撚方向は逆向き(Z撚)とした。表裏とも同じ糸を用いた以外は実施例1と同様の構成にした。各フィーダーの糸長は、F2〜9を256mm/100Wとし、F1の糸長を265mm/100Wとした。編地中に占める超高分子量ポリエチレン繊維の混率は0.0重量%である。実施例1に準じた工程で染色加工を行い、その後同様の仕上げを行った。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(比較例1)
30インチ、22ゲージのシングル丸編機(福原精機製作所製3FA型)に図4に示す完全組織F1、2からなるウエルト天竺を製編した。F1には実施例1と同じ350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維の追撚糸を糸長215mm/100Wで編立てた。F2には実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン繊維の追撚糸を用いた。但し、F2の追撚方向は逆向き(Z撚)とした。これの糸長は215mm/100Wとした。実施例1と同様の工程で染色加工を行い仕上げた。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1の編機を用いて、インターロックゲージングにて図5に示す完全組織F1からF6からなるモックロディの生機を製編した。その際、主に表面を構成する糸(F2,5)に通常の衣料用に用いられる167T48fのポリエチレンテレフタレート繊維の生糸(破断強度4.5cN/dtex)2本を300回/mのS撚で合撚したものを用いた。また、主に裏面を構成する糸(F3,6)として、350dtex(T)72フィラメント(f)の高強力ポリエチレンテレフタレート繊維の追撚糸を用いた。但し、表面と裏面の一部を構成して、繋ぎの役目も果たす糸(F1,4)として、実施例1の繋ぎ糸と同じ167T48fの糸を用いた。表面を構成するF1,2,4,5にはニット−ウエルト単位の組織が4個あり、表面は6個の組織で構成されるため、ニットーウエルト単位が占める割合は4/6×100≒67%となる。同様にして、裏面の割合も67%となる。各フィーダーの糸長は、F2,3,5,6を275mm/100Wとし、F1,4の糸長を385mm/100Wに設定した。編地中に占める超高分子量ポリエチレン繊維の混率は0.0重量%である。実施例1に準じた工程で染色加工を行い、その後同様の仕上げを行った。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同じ350T72fの高強力ポリエチレンテレフタレート繊維の追撚糸を経糸に用いて、緯糸に実施例1と同じ440T400fの超高分子ポリエチレン繊維の追撚糸を用いて、トヨタ紡織製エアージェット織機を用いて図6に示す織組織で平織に織り上げた。この生機を一般的な合繊織物の工程条件で整理加工した。染色については、染色温度を125℃を最大として超高分子量ポリエチレン繊維の強度低下を抑えた。この織物は目付250g/m、経密度62本/2.54cm、緯密度56本/2.54cmであった。出来上がった織物の詳細と評価結果を表1に示す。
Figure 2021075829
表1からわかるように、本発明の範囲内の実施例1〜4の編地は、破裂強さ、KESせん断特性に優れるだけでなく、柔軟性を持つため着用時の動きやすさに優れ、洗濯後の寸法変化率やシワが少ない特性を有する。これに対して比較例1,2の編地や比較例3の織物は、上述の実施例1〜4の編地が持つ特性のうち複数の特性について劣っていた。
本発明の編地は、高い突き刺し強度を有しながら、柔軟性があり、寸法安定性に優れ、洗濯後のシワ発生が少ないので、防弾チョッキ、戦闘服、農林水産業もしくは鉄鋼業等の作業着、又はフェンシング用ユニフォームに使用するのに極めて好適である。

Claims (8)

  1. 少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットからなる編地であって、表面及び裏面を形成する糸が、破断強度6.5cN/dtex以上、単糸繊度0.5〜7.0dtex、総繊度200〜1000dtexである合成繊維からなり、編地のJIS−L1096B法(定速伸長型法)における破裂強さが4000〜20000Nであることを特徴とする着衣用編地。
  2. 少なくとも表面と裏面のどちらかがニットループとウエルトのみで構成されたダブルニットにおいて、ニット−ウエルトが一単位として交互に連続する組織が、その面を構成する組織の75%以上を占めていることを特徴とする請求項1に記載の着衣用編地。
  3. 表面を構成する糸の平均糸長aと裏面を構成する平均糸長bとの糸長比(a/b)が0.60〜0.99であることを特徴とする請求項1又は2に記載の着衣用編地。
  4. 裏面が破断強度10cN/dtex以上の高強力有機繊維を50重量%以上用いて構成されており、編地の破裂強さが6000〜20000Nであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着衣用編地。
  5. 表面が破断強度6.5cN/dtex以上のポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維で構成されており、JIS L1930 C4N法つり干しにおける5回洗濯後の編地の寸法変化率が±5%以下、洗濯後のシワが3級以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着衣用編地。
  6. 表面と裏面を接続するタック部が、表裏組織を含めた全組織中に1〜25%存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着衣用編地。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の着衣用編地を用いていることを特徴とする着衣。
  8. 着衣が、防弾チョッキ、戦闘服、農林水産業もしくは鉄鋼業等の作業着、又はフェンシング用ユニフォームであることを特徴とする請求項7に記載の着衣。
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