JPH05131599A - ポリエチレン系熱収縮性積層フイルム - Google Patents

ポリエチレン系熱収縮性積層フイルム

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JPH05131599A
JPH05131599A JP3322331A JP32233191A JPH05131599A JP H05131599 A JPH05131599 A JP H05131599A JP 3322331 A JP3322331 A JP 3322331A JP 32233191 A JP32233191 A JP 32233191A JP H05131599 A JPH05131599 A JP H05131599A
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修一 守田
Shigeyoshi Koyabu
重芳 小藪
Tamio Moriyama
民男 森山
Masaaki Tateiwa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装機適性の優れたポリエチレン系熱収縮性
積層フィルムを得る。 【構成】 密度0.910〜0.930g/cm3 、メ
ルトインデックス0.1〜0.8g/10分、全融解熱
量135mJ/mg以上、融点以上の吸熱面積が全吸熱
面積の12%以上である線状低密度ポリエチレン(A)
を主成分とする組成物からなる中間層と、密度0.91
0〜0.930g/cm3 、メルトインデックス0.8
〜5.0g/10分、全融解熱量135〜160mJ/
mg、融点以上の吸熱面積が全吸熱面積の12%以上で
ある線状低密度ポリエチレン(B)を主成分とする組成
物からなる最内層及び最外層を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエチレン系熱収縮性
積層フィルムに関するものであり、より詳しくは特定の
エチレン系共重合体から成る包装機適性が優れた熱収縮
性積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱収縮性フィルムとしては、ポリ
塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン系等の延伸
フィルムなどが知られている。中でもポリエチレン系熱
収縮性フィルムは、ヒートシール性を有し、低価格であ
る等の点から実用されており、特に近年エチレンとα−
オレフィンとの線状低密度共重合体(以下単に線状低密
度ポリエチレンと略す。)を用いたポリエチレン系熱収
縮性フィルムは、その耐衝撃性、ヒートシール強度など
において優れている点で注目され、多くの分野での利用
が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特定の
エチレン−α−オレフィン共重合体を主とする熱収縮性
フィルムを先に提案している(特開昭62−20122
9号公報)。この提案の方法を実施することにより、厚
みムラが小さく、インフレーションで得られるフィルム
と比較して低温収縮性の良好なフィルムを得ることが出
来るようになったが、包装材料として自動包装機(ピロ
ー包装機、半折自動包装機等)に用いる場合、近年包装
機の包装スピードが著しく高速化しているため、従来発
生しなかったヒートシール不良(部分的にシールされな
い)が発生するという問題点がある。自動包装機で包装
する場合はヒートシールはヒートナイフによる溶断シー
ルが一般的であるが、シール不良現象とは収縮工程でシ
ール部の剥離が生じたり、フィルムに大きい張力がかか
る場合(被包装物が嵩高の場合等)に、シール部が糸曳
き状になって美麗にカットされなかったり、シール部に
ピンホールが発生したり、極端な場合には全くシールさ
れないこと等を指している。又、溶断樹脂がヒートナイ
フの刃先やヒートナイフ受け台へ付着する場合にも、前
記と同様のシール不良が発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のシー
ル不良を解消する為に、更に詳細に検討した結果、以下
のことを確認した。即ち、包装スピードが速くなること
により、収縮トンネル内で収縮されるまでの時間も短く
なり、その短い時間内で溶断樹脂の固化が進まない場合
に、溶断樹脂の一部が引き離され、ピンホールが発生し
たり、極端な場合にはシール部の完全な剥離となるこ
と。又、フィルムの腰が弱い(引張弾性率が小さい)場
合には、フィルム走行時にシワが入り易くなるため、溶
断シールしようとする部分でのフィルム折り重なり部が
多くなり、ピンホールの発生等が多くなること。又、フ
ィルムの滑り性が悪く包装機での走行性が不十分な場合
や、被包装物が嵩高の場合に、溶断シール部に、より大
きな張力がかかり、溶断樹脂が固化する前に、そのシー
ル部の一部が引き離されピンホールの発生等が多くなる
こと。更に、溶断樹脂の粘度が低い場合には、溶断樹脂
がヒートナイフの刃先やヒートナイフ受け台へ付着し易
く、シール部にピンホールが発生したり、フィルムがカ
ットされなかったり、極端な場合には全くシールされな
かったりすること。
【0005】本発明者らは、前記の問題点を解消し包装
機適性の良好な熱収縮性フィルムを提供するために、フ
ィルムの積層構成及び各種の原料樹脂について鋭意検討
した結果、中間層に溶断シール時の冷却固化速度を速め
るため、メルトインデックスが低く、且つ全融解熱量が
高く、融点以上の吸熱面積比がある範囲以上であるレジ
ンを使用し、内外層には透明性を損なわないために、中
間層よりもメルトインデックスが高く、且つ中間層と同
様の特性を持つレジンを用いることにより包装機適性の
良好な熱収縮性フィルムが得られることを見いだし、本
発明に到達したものである。
【0006】即ち、本発明は、中間層として密度が0.
910〜0.930g/cm3 、メルトインデックスが
0.1〜0.8g/10分であり、且つ、DSCによる
融解曲線において、190℃にて30分保持後、降温速
度10℃/分で20℃まで降温し、その後、昇温速度1
0℃/分で昇温するとき得られる融解曲線における全融
解熱量が135mJ/mg以上であり、且つメインピー
ク温度(融点)以上の吸熱面積が全吸熱面積の12%以
上である線状低密度ポリエチレン(A)を主成分とする
組成物からなる層を少なくとも1層と、メルトインデッ
クスが0.8〜5.0g/10分であり、且つ、融解曲
線における全融解熱量が135〜160mJ/mgの範
囲にあり、メインピーク温度以上の吸熱面積が全吸熱面
積の12%以上である線状低密度ポリエチレン(B)を
主成分とする組成物からなる層を最内層及び最外層とし
て含む積層フィルムであって、全層に対する中間層の厚
みが60%以上であり、引張弾性率が3000kg/c
2 以上、90℃における面積収縮率が20%以上であ
ることを特徴とする二軸延伸した包装機適性に優れるポ
リエチレン系熱収縮性積層フィルムに関する。
【0007】本発明において少なくとも一層、中間層の
主成分として用いられる線状低密度ポリエチレン(A)
は密度0.910〜0.930g/cm3、メルトイン
デックス0.1〜0.8g/10分の特性値を有するも
のが用いられ、より好ましくは密度0.915〜0.9
25g/cm3 、メルトインデックス0.2〜0.7g
/10分の特性値を有するものが用いられる。密度が
0.910g/cm3 未満では引張弾性率が低くなるた
め好ましくなく、密度が0.930g/cm3 を超える
と低温収縮性が不十分であるため好ましくない。メルト
インデックスが0.1g/10分未満のものは、溶融押
出時のモーター負荷が増大し加工適性が悪くなる点で好
ましくなく、0.8g/10分を超えると溶断シール性
が悪くなるため好ましくない。又、前記の線状低密度ポ
リエチレン(A)はDSCの測定における融解曲線にお
いて全融解熱量が135mJ/mg以上であり、メイン
ピーク温度以上の吸熱面積が全吸熱面積の12%以上で
ある必要がある。この条件を満たさないものは、溶断樹
脂の冷却固化速度が遅く、良好な溶断シール性は得られ
ない。全層に対する中間層の厚みは60%以上であるこ
とが必要である。中間層の厚みが60%未満の場合、優
れた溶断シール性が発揮できない。
【0008】また、最内層及び最外層に主成分として各
々使用される線状低密度ポリエチレン(B)は、メルト
インデックスが0.8〜5.0g/10分であり、且
つ、融解曲線における全融解熱量が135〜160mJ
/mgの範囲であり、メインピーク温度以上の吸熱面積
が全吸熱面積の12%以上であるものが用いられる。メ
ルトインデックスが0.8g/10分未満では、フィル
ム表面の粗面化による透明性の低下がみられるため好ま
しくなく、5.0g/10分を超えるとヒートシール強
度が低下し、延伸加工性にも悪い影響を及ぼすため好ま
しくない。また、全融解熱量が135mJ/mg未満で
は良好な溶断シール性は得られず、160mJ/mgを
超えると透明性の低下がみられ好ましくない。
【0009】上記の線状低密度ポリエチレン(A)及び
(B)は、エチレンとα−オレフィンとの線状共重合体
であり、エチレンと共重合されるα−オレフィンは特に
限定されるものではない。例えば、炭素数が4〜12の
もの、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1,4−メチルペンテン−1、デ
セン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられ
るが、炭素数4〜8のα−オレフィンがより好適に用い
られる。これらのエチレンとα−オレフィンとの線状共
重合体(A)及び(B)は、いわゆるチーグラーナッタ
型触媒を使った低中圧法によって容易に得ることが出
来、これらの製造法については特公昭50−32270
号公報、特開昭49−35345号公報、特開昭55−
78004号公報、特開昭55−86804号公報、特
開昭54−154488号公報などに開示される技術に
よることが出来る。又、前記の各層に用いられる樹脂組
成物はそれぞれ1種または2種以上を混合使用しても良
く、更に本発明の目的に支障を来さない範囲で高圧法ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフ
ィン系樹脂を混合して使用することができる。尚、本発
明の積層フィルムは中間層及び最内層、最外層の他に前
記の各層の厚さの条件を満たす範囲で前記の線状低密度
ポリエチレン樹脂(A)及び(B)以外のポリオレフィ
ン系樹脂から成る中間層を1層または2層以上含んでい
ても良い。このような中間層に用いられるポリオレフィ
ン系樹脂としては前記の線状低密度ポリエチレン樹脂
(A)及び(B)以外の線状低密度ポリエチレン樹脂、
高圧法ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等
のポリオレフィン樹脂が挙げられ、本発明の目的に支障
を来さない範囲で1種または2種以上を適宜選択して用
いることが出来る。
【0010】その他に、希望により滑剤、ブロッキング
防止剤、帯電防止剤、防曇剤などの添加剤がそれぞれの
有効な作用を具備させる目的で適宜使用する事ができ、
特に最内層、最外層の場合有効である。本発明に用いら
れる延伸用原反フィルムの製造及び延伸は公知の方法で
行うことができるが、以下、三層積層管状製膜・延伸の
場合を例にあげ、具体的に説明する。
【0011】まず前記エチレンとα−オレフィンとの線
状低密度ポリエチレン(A)を中間層、エチレンとα−
オレフィンとの線状低密度ポリエチレン(B)を内外層
となるように3台の押出機により溶融混練し、三層環状
ダイより管状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固
化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られた
チューブ状未延伸フィルムを例えば図1で示すようなチ
ューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範
囲、例えば中間層樹脂の融点以下10℃、好ましくは融
点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を
適用して膨脹延伸により同時二軸配向を起こさせる。延
伸倍率は必ずしも縦横同一でなくてもよいが、優れた強
度、収縮率などの物性を得るためには縦横何れの方向に
も2倍以上、好ましくは2.5倍以上、更に好ましくは
3倍以上に延伸するのが好適である。延伸装置から取り
だしたフィルムは希望によりアニーリングすることが出
来、このアニーリングにより保存中の自然収縮を抑制す
ることが出来る。
【0012】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、本実施例中に示した諸測定は以下の方法によっ
た。 1)全融解熱量 8〜10mgの試料を秤量後アルミパンに封入し、示差
走査熱量計(セイコー電子(株)製 型式DSC−10
0)にて30ml/分の窒素気流中で室温から190℃
まで昇温し、この温度で30分間保持し、次いで10℃
/分で室温まで冷却する。この後、昇温速度10℃/分
で得られる融解曲線を用いて、吸熱ピークの面積より融
解熱を算出した。
【0013】2)吸熱面積比 前記の融解曲線よりメインピーク温度(融点)以上の面
積の全吸熱面積に対する割合を%で示した。
【0014】3)各層の厚さ 積層の各層の厚さはフィルムの断面を顕微鏡で観察する
ことにより測定した。
【0015】4)ヘイズ JIS−K6714に準拠した積分球式光線透過率測定
装置を用い、散乱光線透過率の平行光線透過率に対する
割合を%で示した。
【0016】5)面積収縮率 縦横共10cmの正方形に切りとったフィルムを所定温
度のグリセリン浴中に10秒間浸漬し、次式により算出
した。
【0017】
【数1】面積収縮率=100−A×B 但し、A,Bは浸漬後の縦横それぞれの長さ(単位はc
m)を示す。
【0018】6)引張弾性率 フィルムサンプルよりMD(縦方向)、TD(横方向)
にそれぞれ、幅15mm×長さ300mmとなるように
試験片を取り、厚みを測定する。次いで(株)オリエン
テック製万能型引張試験機に試験片をつかみ間隔50m
mで装着し、引張速度40mm/分、記録紙速度500
mm/分、フルスケール2kgの条件で測定し、次式に
より算出した。
【0019】
【数2】 但し、P:フルスケール強度(kg) S:フィルムの断面積(cm2 ) ΔL:図2に示す荷重−変形曲線でのL1からL2まで
の距離(mm) L:試験片のつかみ間隔
【0020】7)溶断シール性 協和電気(株)製半折自動包装機(型式AT−500)
に幅400mmの半折フィルムを供給し、縦23.5c
m、横15.5cm、高さ5.6cmの弁当箱(200
g)を25個/分のスピードで連続的に100個包装し
良品率を測定し、220℃〜250℃のシール温度範囲
における良品率が100%であるものを○とし、100
%未満80%以上のものを△、80%未満のものを×と
した。尚、良品率の基準は、収縮包装後のシール部に糸
曳きがなく、1mm以上のピンホールがないものを良品
とした。又、予備包装の余裕率は縦・横共に13%とし
た。
【0021】実施例1 表1に示すような特性を持つエチレンと、コモノマーと
して4−メチルペンテン−1との共重合体である線状低
密度ポリエチレン樹脂を中間層とし、同様に表1に示す
ような特性を持つエチレンとオクテン−1との共重合体
である線状低密度ポリエチレン樹脂を内外層として3台
の押出機(中間層用、最内層用、最外層用)でそれぞれ
170℃〜240℃にて溶融混練し、表1に示す厚み比
を想定して各押出機からの押出量を設定し、240℃に
保った3層環状ダイスより下向きに共押出した。形成さ
れた3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している
円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側
は水槽を通すことにより冷却して引き取り、直径約75
mm、厚さ320μmの未延伸フィルムを得た。各層の
厚み調整は押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度
を調整することにより行った。このチューブ状未延伸フ
ィルムを図1に示したチューブラー二軸延伸装置に導
き、95〜105℃で縦横それぞれ4倍に延伸し、積層
二軸延伸フィルムを得た。次いでこの延伸フィルムをチ
ューブアニーリング装置にて75℃の熱風で10秒間処
理した後、室温に冷却し、折り畳んで巻取った。延伸中
の安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺
動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察
されなかった。得られた延伸フィルムは表1に示したよ
うな厚み構成を持ち、透明性、低温収縮性に優れ、引張
弾性率が高いものであった。又、半折自動包装機にて弁
当箱の連続実包評価を行ったところ、シール部の不良も
なく、広い温度範囲に於いて良好な包装機適性を有する
ものであった。
【0022】実施例2 表1に示す樹脂構成にて実施例1と同一の方法で熱収縮
性積層フィルムを作製した。得られた延伸フィルムは透
明性、低温収縮性に優れ、引張弾性率が高いものであっ
た。又、実施例1と同様に包装機適性に優れるものであ
った。
【0023】実施例3 表1に示す樹脂構成にて実施例1と同一の方法で熱収縮
性積層フィルムを作製した。内外層に防曇剤としてステ
アリン酸モノグリセライドを5000ppm添加した
が、透明性、低温収縮性に優れ、引張弾性率が高く、包
装機適性に優れたフィルムであった。
【0024】比較例1 表1に示すように中間層にメルトインデックスが2.0
g/10分の線状低密度ポリエチレンを使用し、内外層
には実施例1の内外層に用いたものと同一の線状低密度
ポリエチレン樹脂を使用し、実施例1と同じ条件で押し
出し、冷却して引き取り、直径約75mm、厚さ320
μmの積層未延伸フィルム原反を得た。各層の厚み調整
は押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整す
ることにより行った。このチューブ状未延伸フィルムを
実施例1と同様に図1に示したチューブラー二軸延伸装
置に導き、95〜105℃で縦横それぞれ4倍に延伸
し、積層二軸延伸フィルムを得た。次いでこの延伸フィ
ルムをチューブアニーリング装置にて75℃の熱風で1
0秒間処理した後、室温に冷却し、折り畳んで巻取っ
た。延伸中の安定性は問題なく、得られたフィルムは透
明性、低温収縮性に優れたものであったが、引張弾性率
は小さいものであった。このフィルムを包装機にかけ包
装適性を評価したところ、溶断シールバーへの樹脂付着
や糸曳きは若干は改良されたが、ピンホールが発生し易
く、シール性は不十分であった。
【0025】比較例2,3 比較例2の中間層は融解曲線における全融解熱量が13
2.0mJ/mgであり、135mJ/mg以上でない
線状低密度ポリエチレンを使用し、比較例3の中間層は
融解曲線における融点以上の吸熱面積比が11.0%で
あり、12%以上でない線状低密度ポリエチレンを使用
し、内外層には比較例2、3共に実施例1と同じ線状低
密度ポリエチレンを使用し、実施例1と同様の方法で熱
収縮性積層フィルムを得た。得られた熱収縮性フィルム
は比較例2、3共に透明性、低温熱収縮性に優れたフィ
ルムであったが、引張弾性率は小さいものであった。包
装機による実包テストでは、どちらもシール部にピンホ
ールが発生しやすく、シール性が不十分なものであっ
た。
【0026】比較例4 中間層は実施例1と同じ線状低密度ポリエチレンを使用
し、内外層はメルトインデックスが0.6g/10分で
あり、1.0〜5.0g/10分の範囲にない線状低密
度ポリエチレンを使用し、実施例1と同様な方法で熱収
縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムは、低温収
縮性に優れ、引張弾性率の大きいフィルムであり、包装
機による実包テストでも良好な溶断シール性を示すもの
であったが、透明性に劣るものであった。
【0027】比較例5 中間層は実施例2と同じ線状低密度ポリエチレンを使用
し、内外層は融解曲線における全融解熱量が121mJ
/mgであり、135〜160mJ/mgの範囲にない
線状低密度ポリエチレンを使用し、実施例1と同様な方
法で熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルム
は、透明性、低温収縮性に優れたフィルムであったが、
引張り弾性率がやや劣り包装機による実包テストではヒ
ートナイフへの樹脂付着、ヒートナイフ受け台へのフィ
ルムの粘着などが認められ、シール部に長さ約3mmの
穴があくこともあり、シール性が非常に不安定であっ
た。
【0028】比較例6 中間層は実施例1と同じ線状低密度ポリエチレンを使用
し、内外層は融解曲線における全融解熱量が162.4
mJ/mgであり、160mJ/mg以上の線状低密度
ポリエチレンを使用し、実施例1と同様な方法で熱収縮
性積層フィルムを得た。延伸工程での安定性が悪く、得
られたフィルムは透明性、低温収縮性に劣り、包装機で
の実包テストではシール部にシワが入り易いこともあ
り、若干のピンホールがみられた。
【0029】比較例7 中間層の厚さを全体の厚さの50%の比率にしたことを
除いては、実施例1と同じ線状低密度ポリエチレンを中
間層、内外層共に使用し、実施例1と同様な方法で熱収
縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムは透明性、
低温収縮性に優れたフィルムであったが、シール部に若
干のピンホールがみられ、シール性が不十分なものであ
った。
【0030】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明のポリエチレン系熱収縮性積層フ
ィルムは、各層の原料として特定の条件を満足するもの
を用いて構成しているため、透明性、低温収縮性に優れ
ており、更に溶断シール時の溶断樹脂の冷却固化速度が
速く、且つ、高い引張弾性率が得られる原料を用いてい
るため、包装機適性に優れた収縮フィルムを提供するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたチューブラー二軸延伸装置を説
明するための断面図である。
【図2】実施例において引張弾性率を算出するための、
荷重−変形曲線を説明するための略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 B29L 9:00 4F (72)発明者 立岩 政明 熊本県八代市興国町1番1号 株式会社興 人八代工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系熱収縮性積層フィルムに
    おいて、中間層として密度が0.910〜0.930g
    /cm3 、メルトインデックスが0.1〜0.8g/1
    0分であり、且つ、示差走査熱量計(以下DSCと略
    す)による融解曲線において、190℃にて30分保持
    後、降温速度10℃/分で20℃まで降温し、その後、
    昇温速度10℃/分で昇温するとき得られる融解曲線に
    おける全融解熱量が135mJ/mg以上であり、且つ
    メインピーク温度(融点)以上の吸熱面積が全吸熱面積
    の12%以上である線状低密度ポリエチレン(A)を主
    成分とする組成物からなる層を少なくとも1層と、密度
    が0.910〜0.930g/cm3 、メルトインデッ
    クスが0.8〜5.0g/10分であり、且つ、融解曲
    線における全融解熱量が135〜160mJ/mgの範
    囲にあり、メインピーク温度以上の吸熱面積が全吸熱面
    積の12%以上である線状低密度ポリエチレン(B)を
    主成分とする組成物からなる層を各々最内層及び最外層
    として含むことを特徴とするポリエチレン系熱収縮性積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 全層に対する中間層の厚みが60%以上
    であり、引張弾性率が3000kg/cm2 以上、90
    ℃における面積収縮率が20%以上であることを特徴と
    する二軸延伸した請求項1のポリエチレン系熱収縮性積
    層フィルム。
  3. 【請求項3】 線状低密度ポリエチレン(A)及び
    (B)がエチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとを
    主成分とすることを特徴とする請求項1のポリエチレン
    系熱収縮性積層フィルム。
JP03322331A 1991-11-12 1991-11-12 ポリエチレン系熱収縮性積層フィルム Expired - Lifetime JP3068920B2 (ja)

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