JPH05130700A - オーデイオ信号出力装置 - Google Patents

オーデイオ信号出力装置

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JPH05130700A
JPH05130700A JP3289871A JP28987191A JPH05130700A JP H05130700 A JPH05130700 A JP H05130700A JP 3289871 A JP3289871 A JP 3289871A JP 28987191 A JP28987191 A JP 28987191A JP H05130700 A JPH05130700 A JP H05130700A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンピュータからの音声を特定のユーザにの
み聞こえ易く出力し得るオーディオ信号出力装置を提供
することを目的とする。 【構成】 オーディオ信号と背景音信号とを取込み、オ
ーディオ信号を伝達すべきユーザの存在位置にて、オー
ディオ信号/背景音信号の比が最大となるようにフィル
タリング処理を行なう。 【効果】 他の人に騒音による迷惑をかけることなくコ
ンピュータとの対話が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のユーザだけが聞
き取ることのできるオーディオ信号を出力するオーディ
オ信号出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、文字,音声,図形,映像等のマル
チメディアを処理,出力するコンピュータが進歩し、様
々なアプリケーション・プログラムが開発されてきてい
る。従来の数値データから文字を含む言語データ、更に
は、音声やイメージ等のパターンデータが扱えるように
なり、高忠実度の音の再生や高画質な映像の出力が可能
となり、3次元グラフィックスやアニメーションの他、
空間的な音場の再現も計算機パワーの増大により行なえ
るようになってきた。
【0003】これに伴なって、コンピュータのディスプ
レイ上の視覚データの利用が増加し、ユーザの視覚の疲
労度が高まるという問題が増えつつある。そこで昨今で
は、視覚から聴覚への負荷分散を行なえる音声や音響信
号等のオーディオデータの利用に関する期待が高まりつ
つある。つまり、コンピュータとユーザとがオーディオ
データにて対話を行なう技術が普及されつつある。ま
た、自動販売機や銀行の現金自動支払機等においても、
オーディオデータを用いた音声対話によるサービスが普
及されつつある。
【0004】ところが、このようなオーディオデータを
利用する場合には、表示画面を見なくてもコンピュータ
からのメッセージを認識できるという利点がある反面、
そのコンピュータのユーザ以外の人にもオーディオメッ
セージが届いてしまういう欠点がある。つまり、オーデ
ィオデータはユーザにとっては必要な情報であるが、他
の人にとっては単なる騒音となってしまう。
【0005】特に、狭い事務所やオフィス、家庭では現
状の環境騒音だけでも深刻な問題であり、その上更にコ
ンピュータからの合成音によって不快な雑音を増やすこ
とは好ましくない。そこで、特定の人にのみ聞き取りが
可能なオーディオ信号を出力し得るオーディオ信号出力
装置の出現が望まれる。
【0006】このような技術として従来より、騒音に対
して逆位相の信号を能動的に加えることにより、特定位
置での騒音を減少させるものが知られている。しかし、
この騒音防止技術では、騒音が様々な場所に放射伝搬す
るため、コンプレッサ騒音対策や、ダクト騒音対策に有
効範囲が限定されている。
【0007】また、音場の指向性を制御し、特定の方向
にのみ音声を伝播する技術が知られている。しかし、こ
の技術では、音声が伝達される方向を制御するにとどま
っているので、ユーザと同一方向にいる人にも音声が伝
達されてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の騒
音防止技術や音場の指向性制御では、特定の人にのみ音
声やブザー音、音楽等のオーディオ信号を伝達すること
はできず、このオーディオ信号を必要としない第3者に
も伝達されてしまうという欠点がある。このため、例え
ばコンピュータがユーザに機密事項を音声によって伝達
する場合には、この機密事項を第3者に聞かれてしま
い、プライバシー保護やセキュリティ上の問題となって
いた。
【0009】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、コ
ンピュータからのオーディオ信号を特定のユーザにのみ
伝達し得るオーディオ信号出力装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、伝達すべきオーディオ信号を特定のユー
ザにのみ聞き取り易く出力するオーディオ信号出力装置
であって、前記特定ユーザの存在位置を認識する存在位
置認識手段と、前記特定のユーザに聞かせるべきオーデ
ィオ信号、及び他の人に聞かせるべき背景音信号を取込
む入力手段と、前記オーディオ信号、及び背景音信号を
出力する複数のスピーカと、前記各スピーカから出力す
る前記オーディオ信号、及び背景音信号を、所定のフィ
ルタ係数を基に決定する音場制御手段と、前記特定のユ
ーザの存在位置情報を基に、特定のユーザの位置にてオ
ーディオ信号/背景音信号の比を最大とすべく前記フィ
ルタ係数を決定するフィルタ係数最適化手段と、を有す
ることが特徴である。
【0011】また、前記特定のユーザは複数であり、前
記フィルタ係数最適化手段は、各ユーザの位置にてオー
ディオ信号/背景音信号の比を最大とすべく前記フィル
タ係数を決定することを特徴とする。
【0012】更に、前記存在位置認識手段は、前記特定
ユーザの存在位置、及び他の人の存在位置を認識し、前
記フィルタ係数最適化手段は、特定ユーザの位置にてオ
ーディオ信号/背景音信号の比を最大、他の人の位置に
てオーディオ信号/背景音信号の比を最小とすべく前記
フィルタ係数を決定することを特徴とする。
【0013】また、前記特定のユーザ、及び他の人は無
線カードを所持し、前記存在位置認識手段は該無線カー
ドにて特定のユーザ、及び他の人の存在位置を認識する
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】以上説明したように、本発明では、ユーザに伝
達すべきオーディオ信号とユーザ以外の人に聞こえない
ようにするマスキングのための背景音信号をスピーカ列
から出力して音場制御が行なわれる。これにより、特定
のユーザにのみオーディオ信号を明瞭に伝達することが
でき、他の人にはオーディオ信号がマスキングされ、背
景音信号(音楽,自然音)のみが聞こえるようになる。
【0015】即ち、狭いオフィスや部屋の中で音声やオ
ーディオメディアを用いる際に従来より問題となってい
た騒音問題を、快適な音楽等の好みの音に置き換えるこ
とができる。
【0016】また、機密事項の部分だけ、人工的に附加
した背景音信号でマスキングすれば、銀行の現金自動支
払機やクレジットカードの暗唱番号等のプライシーに関
する情報を音によって伝達することが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明が適用されたオーディオ信号出力装
置の第1実施例の構成を示すブロック図である。図示の
ように、このオーディオ信号出力装置は、音響データ入
力部1と、音場制御部2と、位置認識部3と、最適化処
理部4と、複数の出力信号生成部5〜5と、やはり複数
のアンプ6〜6,スピーカ7〜7に大別されて構成され
ている。
【0018】音響データ入力部1は、オーディオ信号や
音楽等のオーディオ信号を取込むものであり、ユーザへ
伝達すべきメッセージを取込むオーディオ入力部1a
と、音楽,小鳥のさえずり,川のせせらぎ等の背景音を
取込む背景音入力部1bから構成される。
【0019】音場制御部2は、特定のユーザの位置にて
オーディオ信号を最大、背景音信号を最小とすべくフィ
ルタリング処理を行なうものであり、最大化処理部2a
と最小化処理部2bから構成される。
【0020】位置認識部3は、音声によるメッセージを
伝達すべきユーザの位置、及びその他の人の存在位置を
認識し、これを最適化処理部4に供給する。
【0021】最適化処理部4は、ユーザやその他の人の
存在位置データに基づいて、前記音場制御部2で最大
化,最小化処理する際のフィルタ係数を求めるものであ
る。
【0022】出力信号生成部5は、音場制御部2におい
てフィルタリング処理されたオーディオ信号,背景音信
号を合成して出力信号を生成し、これらはアンプ6にて
増幅された後、スピーカ7から出力される。
【0023】次に、第1実施例の動作について説明す
る。図2は本発明の動作原理を概念的に示す説明図であ
り、オーディオ信号についてはスピーカとユーザ11の
と間の伝達特性ha が最大となるように設定する。一
方、背景音信号についてはスピーカとユーザ11との間
の伝達特性hb が最小となるように設定する。
【0024】そして、このような指向性の制御は、図3
に示すように、各スピーカ7〜7とユーザ11との間の
伝達特性h1 〜hN を適宜調整して、図2における伝達
特性ha ,hb をそれぞれ最大,最小とすることが可能
である。
【0025】いま、ユーザ11の位置での信号(オーデ
ィオ信号及び背景音信号)xP (n)は、オーディオ信号
a(n) と背景音信号b(n) を音源とし、複数のスピーカ
7〜7を用いれば次の(1)式で示される。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、iはスピーカの番号(i=1〜
N)そして、(1)式におけるa′(n) を最大、b′
(n) を最小とすべく伝達特性ha ,hb を求めれば良
い。
【0028】図1において、まず位置認識部3では、オ
ーディオ信号を伝達すべきユーザの存在位置を認識す
る。この際の認識方法は、例えば床面にフロアマットを
配設し、該フロアマットに加わる荷重によってユーザの
位置を知ることができる。また、カメラを用いてユーザ
を撮影し、これによってユーザの位置を検出したり、赤
外線センサ,無線カード,レーザカード等を用いてユー
ザの存在位置を認識することができる。更に、室内に複
数のマイクロホンを配設し、ユーザが発話した音声の方
向を基にユーザの存在位置を知ることも可能である。
【0029】その後、最適化処理部4では、ユーザの存
在位置データを基に、(1)式に示した伝達特性ha
b の最適値を求める。
【0030】この際、最適値の求め方は、種々の方法が
周知技術として存在するが、近年のシミュレーション技
術と計算機パワーの進歩により、パラメータを逐次変化
させながら設計の問題を探索の問題に置き換え、最適値
を求めることが可能となった。従って、シミュレーショ
ン技術により、伝達特性ha ,hb の最適値を容易に求
めることができる。また、解析的な音場制御の検討も多
くなされており、伝達特性ha ,hb をこのような決定
論的な方法で決めることも可能である。
【0031】一方、音響データ入力部1には、オーディ
オ信号と背景音信号とが供給され、それぞれオーディオ
入力部1a、及び背景音入力部1bに入力される。この
うち、オーディオ信号は、ユーザに積極的に伝達するメ
ッセージであり、実時間の音声,合成音声、及び録音さ
れた音声等が考えられる。また、背景音信号は前述した
ように、音楽,小鳥のさえずり,川のせせらぎ等が望ま
しく、オーディオ信号,背景音信号とはともに、例えば
標本化周波数20[kHz],量子化ビット数16ビット
のディジタル信号を用いることができる。そして、これ
らのオーディオ信号,背景音信号は音場制御部2に出力
される。
【0032】音場制御部2では、最適化処理部4で求め
られた伝達特性ha,hb を基に、入力されたオーディ
オ信号,背景音信号に対して、フィルタリング処理を行
なう。即ち、最大化処理部2aでは伝達特性haを基
に、ユーザの存在位置にてオーディオ信号を最大とすべ
く出力を各スピーカ7毎に求め、また、最小化処理部2
bでは伝達特性hb を基に、ユーザの存在位置にて背景
音信号を最小とすべく出力を各スピーカ7毎に求める。
【0033】なお、このフィルタリング処理は、スピー
カ7の数が多くなるにつれて計算量が増加し、また、イ
ンパルス応答の長さを長くすると、畳み込み演算に長時
間を要するという問題が発生する。しかし、この場合の
計算は量としては多いが単純な式の演算であるので、積
和の計算を並列に実行できるプロセッサや、並列演算ユ
ニットを有するDSPボード等を利用することが望まし
い。
【0034】そして、出力信号生成部5では、音場制御
部2からの各出力信号を合成し、この合成信号はアンプ
6にて増幅された後、スピーカ7から出力される。こう
して各スピーカ7〜7から出力される出力信号は、ユー
ザ11の位置にてオーディオ信号S1 と背景音信号S2
との比S1 /S2 が最大となるので、ユーザはオーディ
オ信号によるメッセージを聞き取ることができるのであ
る。
【0035】このようにして、第1実施例では、メッセ
ージを伝達すべきユーザの存在位置にて、オーディオ信
号が最大、背景音信号が最小となるように各スピーカ7
〜7からの出力信号が調整されるので、ユーザはコンピ
ュータからのメッセージを認識することができる。
【0036】また、背景音として前述した音楽や自然音
を用いれば、他の人が存在する位置では主に心地好い背
景音が聞こえるので、オーディオ信号による不快感を与
えることはない。
【0037】図4は、本発明の第2実施例を説明するた
めの模式図である。この例では、ユーザP1 の存在位
置、及び他の人O1 ,O2 の存在位置を検出し、この存
在位置データに基づいて、伝達特性h1 〜hN を決定す
る。
【0038】いま、ユーザP1 、及び他の人O1 ,O2
の3人にメッセージを伝達させたい場合には、各人
1 ,O1 ,O2 のすべての存在位置にて、オーディオ
信号が最大、背景音信号が最小となるように伝達関数h
1 〜hN を求め、各スピーカ7〜7の出力を調整すれば
良い。ただし、この際にはユーザが1人のときに比べて
制御が難しくなるので、ユーザの受け取るメッセージの
S/N比は一般的に低下する。
【0039】また、これとは反対に、ユーザP1 にのみ
オーディオ信号によるメッセージを伝達し、他の人
1 ,O2 にこのメッセージを聞かせたくない場合に
は、P1 の地点にてオーディオ信号を最大、背景音信号
を最小とし、O1 ,O2 の地点にてオーディオ信号を最
小、背景音信号を最大とすべく伝達特性h1 〜hN を求
めれば良い。
【0040】このようにすれば、ユーザとコンピュータ
との間で機密事項の対話を行なう場合に、他の人に聞か
れることはなく、秘話性が向上する。また、図5に示す
ように、オーディオ信号出力中で、機密事項信号S3
出力する際に、背景音信号にダミー情報S4 を重畳させ
れば、機密事項S3 の部分だけを第三者に聞こえにくく
することができる。
【0041】これは、例えば、銀行等で名前や口座番
号,暗唱番号を音声で出力する場合、この部分(機密事
項)だけ他の人に聞こえにくくすることができる。特
に、文/音声変換や、概念/音声変換等の種々の音声規
則合成システムでは、データの内容にセキュリティの重
要度を附加しておけば、このような処理が可能となる。
【0042】図6は、機密事項のみ他の人に聞こえにく
くする動作を示すフローチャートである。まず、メッセ
ージを伝達すべきユーザの位置が認識されると(ステッ
プST1)、伝達すべきメッセージが与えられ(ステッ
プST2)、このメッセージが機密事項であるか否かが
判定される(ステップST3)。
【0043】そして、機密事項である場合には(ステッ
プST3でYES)、ユーザの位置におけるオーディオ
信号/背景音信号の比を最大とし、他の人に聞こえにく
くする(ステップST4)。また、機密事項である場合
には(ステップST3でNO)、他の人に聞かれても良
いので、通常のメッセージを出力する(ステップST
5)。そして、この操作はメッセージが終了するまで繰
り返される(ステップST6)。
【0044】なお、上記の例では、複数のスピーカ7〜
7とユーザP1 及び他の人O1 ,O2 との間の音場制御
のインパルス応答は固定としたが、時々刻々と変換する
ような適応形の制御方式を導入すれば、より精度の高い
音場制御が可能となる。
【0045】図7は本発明の第3実施例を示す説明図で
あり部屋の周囲には複数個のスピーカ7が配設されてい
る。そして、各スピーカ7はコンピュータで制御可能で
あり、前述したディジタル信号処理により、オーディオ
信号と背景音信号とを出力可能である。
【0046】また、部屋内にいる各ユーザP1 〜P
4 が、ID情報、即ち、ユーザが誰なのかを表す情報及
びマイクロホンが附加された無線カードを所持し、例え
ば、ユーザP1 とP2 とが会話したい場合には、この無
線カードに附加されたマイクロホンにて会話が可能とな
る。即ち、各ユーザP1 ,P2 が所持する無線カードに
て各ユーザP1 ,P2 の存在位置が認識され、例えばユ
ーザP1 がマイクロホンに向かって発話すると、この音
声はコンピュータに取込まれ、ユーザP2 の位置にてオ
ーディオ信号が最大となるように、スピーカ7からオー
ディオ信号、及び背景音信号が出力される。
【0047】従って、ユーザP1 ,P2 の間での会話が
可能となり、また、この会話の内容は他のユーザP3
4 に聞かれることはない。即ち、ハンドフリーの電話
システムを構成することができる。
【0048】また、室内に複数のマイクロホンを配設
し、ユーザP1 〜P4 の発話した音声を各マイクロホン
で検出して発話したユーザを検出することもできる。つ
まり、マイクロホンの指向性により、発話した音声を複
数のマイクロホンで検出すれば、容易に発話したユーザ
の位置を認識することができる。このような音響信号の
ピックアップ法は、例えば「多数センサによる音源位置
と波形の測定:日本音響学会誌47巻4号(1991)
pp.268〜273,永田仁史,安倍正人,城戸健
一」に示されている。
【0049】従って、例えば、ユーザP1 がユーザP2
に対して「○○さん」と呼びかけ、ユーザP2 が「は
い」と返事をすれば、ユーザP1 ,P2 の存在位置が認
識され、あとは各スピーカ7、及びマイクロホンの動作
によってユーザP1 とP2 との間での会話が可能とな
る。また、他のユーザP3 ,P4には背景音が聞こえる
だけであるので秘話性が確保される。
【0050】この方法によれば、無線カードを持たず、
ハンドフリーでユーザ間の会話が行なえる。また、背景
音として快適な音楽等を選択すれば、オフィス工場内等
でも作業や思考の効率を向上させることもできる。
【0051】また、上述の例を更に拡張すれば、同一の
部屋にいなくても、それぞれの部屋で音場制御がされれ
ば、通信ネットワークを介してハンドレスの音声会話が
実現できる。
【0052】また、ユーザの位置検出方法として、複数
のカメラよって撮影された画像を用いることもできる。
この場合には、ユーザの耳の位置をも認識することがで
きるので、音場制御をより高精度に実施することができ
る。
【0053】図8は本発明の第4実施例を示す説明図で
あり、この例では、ユーザの両耳の位置を考慮して音場
制御を行なう。前述した例では、簡単のためユーザの位
置を点で示したが、実際にはユーザの位置は一定の領域
として表現される。また、音場制御は制御位置が点であ
る場合よりも領域である場合の方が制御が困難である。
従って、ユーザの耳の位置が認識できれば、制御位置を
点として取扱うことができるのでより高精度な音場制御
が可能となる。
【0054】図8において、右側のスピーカ7R よりユ
ーザ11の右耳PR 及び左耳PL に対してオーディオ信
号の音圧が最大となるように伝達関数hARR ,hARL
求める。また、背景音信号については、PR ,PL にお
いて音圧が最小となるようにhBRR ,hBRL を求める。
【0055】そして、左側のスピーカ7L についても同
様に、ユーザ11の右耳PR 及び左耳PL に対してオー
ディオ信号の音圧が最大となるようにhALR ,hALL
求め、背景音信号はPR ,PL において音圧が最小とな
るようにhBLR ,hBLL を求める。
【0056】このようにして、耳の位置を考慮すれば、
より高精度な音場制御が可能となり、ユーザ11の位置
が大体判明した時点で耳の位置を画像処理により精度良
く調べるとより効果的である。
【0057】また、ユーザ11の向いている方向から近
似的に耳の位置を推定することも可能である。更に、ユ
ーザ11が予め椅子に座っていたり、身長がわかってい
る場合には、顔の方向,高さに関する情報を積極的に用
いて耳の位置を定めやすいように誘導することもでき
る。また、できるだけS/N比が大きくなるように、キ
ャリブレーションを行なって耳の位置をできるだけ正確
に測定すると効果的である。
【0058】図9は本発明の第5実施例を示す構成図で
ある。この例では、音響信号を出力するスピーカが、オ
ーディオ信号を出力するスピーカ列7A と背景音信号を
出力するスピーカ列7B とに分けて構成されている。こ
のように構成することで、最大化フィルタリングと最小
化フィルタリングのフィルタ係数設計が容易となる。
【0059】即ち、前述した各実施例では、空間的に固
定した各スピーカ7からユーザ位置への伝達特性の設計
に際して、オーディオ信号,背景音信号の両方がすべて
のスピーカ7から出力される構成とされているが、この
例では別々となっている。従って、各スピーカ7A 〜7
A ,7B 〜7B とユーザ11との間の伝達特性hi の設
計が容易となる。
【0060】また、同図において、最大化フィルタリン
グのための伝達特性ha は全スピーカ列7(例えば64
個)の内のスピーカ列7A (例えば32個)を対象とし
て音を出力し、最小化フィルタリングの伝達特性hb
スピーカ列7B (例えば32個)を用いて行なわれる。
【0061】図10は本発明の第6実施例を示す構成図
であり、この例では、最適化フィルタリング処理に、適
応形のアルゴリズムを導入している。即ち、図1に示し
た第1実施例ではユーザの存在位置等から制御条件を決
定し、音場制御部2のフィルタ係数を最適化した。しか
し、このような決定論的なアルゴリズムでは、反射や障
害物の存在,吸音条件,人や物体の移動等による周囲の
音響伝達関数の変化に対応できない。この場合に適応形
のアルゴリズムが有効である。
【0062】図10に示すように、ユーザのターゲット
位置21及び他の人のターゲット位置にそれぞれマイク
ロホンを設置し、各マイクロホンからの音声をスイッチ
SW1にて切換えて、各適応化処理部13,14に供給
する。そして、適応化処理部13ではオーディオ信号を
最大化処理し、適応化処理部14では背景音信号を最小
化処理する。
【0063】図10の例では概略的に示しているが、実
際の応用では、室内やコンピュータ、及びスピーカ、ユ
ーザを含めた音響環境をコンピュータ内にシミュレーシ
ョンすることにより、まず初期の最適化処理を行なった
後、適応化アルゴリズムを用いて複雑な音響環境に対応
可能とする。ただし、この場合には、マイクロホンの位
置と人間の位置とが必ずしも一致しないので、この差を
充分考慮した音場制御が可能となる。
【0064】また、適応化のアルゴリズムは種々提案さ
れているが、例えば「Bernard Widrow,Samuel D.Stearn
s “Adaptive Signal Processing”,Prentice Hall(198
5)」に述べられている。特に、この文献のchap.13 とch
ap.14 に「Adaptive Arraysand Adaptive Beam forming
」に述べられている技術が用いられる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、オー
ディオ信号を伝達すべきユーザの存在位置を認識し、こ
の存在位置にてオーディオ信号が最大となり、背景音信
号が最小となるように各信号の出力を制御している。従
って、コンピュータからのオーディオ信号を特定のユー
ザにのみ伝達することができ、他の人には背景音が聞こ
えるので、他の人に騒音等の迷惑をかけることなく音声
対話が可能となる。
【0066】また、伝達すべきユーザの存在位置ととも
に、他の人の存在位置をも認識し、他の人の存在位置に
てオーディオ信号を最小、背景音信号を最大とすべく制
御すれば、より高精度な制御ができ、コンピュータとユ
ーザとの秘話性が向上する。
【0067】その結果、従来、視覚に偏重しがちであっ
たコンピュータとの対話メディアを聴覚に分散すること
ができるので、コンピュータの操作性が著しく向上する
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたオーディオ信号出力装置の
第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の動作原理を概念的に示す説明図で
ある。
【図3】各スピーカとユーザとの間の伝達特性を示す説
明図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す模式図である。
【図5】機密事項部分にダミー情報を重畳する際のタイ
ムチャート図である。
【図6】第2実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図7】本発明の第3実施例を示す説明図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す説明図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す説明図である。
【図10】本発明の第6実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 音響データ入力部 2 音場制御部 3 位置認識部 4 最適化処理部 5 出力信号生成部 6 アンプ 7 スピーカ 11 ユーザ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝達すべきオーディオ信号を特定のユー
    ザにのみ聞き取り易く出力するオーディオ信号出力装置
    であって、 前記特定ユーザの存在位置を認識する存在位置認識手段
    と、前記特定のユーザに聞かせるべきオーディオ信号、
    及び他の人に聞かせるべき背景音信号を取込む入力手段
    と、前記オーディオ信号、及び背景音信号を出力する複
    数のスピーカと、前記各スピーカから出力する前記オー
    ディオ信号、及び背景音信号を、所定のフィルタ係数を
    基に決定する音場制御手段と、前記特定のユーザの存在
    位置情報を基に、特定のユーザの位置にてオーディオ信
    号/背景音信号の比を最大とすべく前記フィルタ係数を
    決定するフィルタ係数最適化手段と、を有することを特
    徴とするオーディオ信号出力装置。
  2. 【請求項2】 前記特定のユーザは複数であり、前記フ
    ィルタ係数最適化手段は、各ユーザの位置にてオーディ
    オ信号/背景音信号の比を最大とすべく前記フィルタ係
    数を決定する請求項1記載のオーディオ信号出力装置。
  3. 【請求項3】 前記存在位置認識手段は、前記特定ユー
    ザの存在位置、及び他の人の存在位置を認識し、前記フ
    ィルタ係数最適化手段は、特定ユーザの位置にてオーデ
    ィオ信号/背景音信号の比を最大、他の人の位置にてオ
    ーディオ信号/背景音信号の比を最小とすべく前記フィ
    ルタ係数を決定する請求項1、又は2記載のオーディオ
    信号出力装置。
  4. 【請求項4】 前記特定のユーザ、及び他の人は無線カ
    ードを所持し、前記存在位置認識手段は該無線カードに
    て特定のユーザ、及び他の人の存在位置を認識する請求
    項1乃至3記載のオーディオ信号出力装置。
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