JP2012132966A - 会話音漏洩防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブース90の周囲には、パーティション91F,91R,91B,91Lが立てられている。パーティション91F,91R,91B,91Lにはスピーカ1−1−m及び1−2−mが各々の間に間隔を空けて4つずつ配置されている。これらのスピーカ1−1−m及び1−2−mのうちスピーカ1−1−mは制御部1のアンプ部7−1−mと接続されている。スピーカ1−2−mは、制御部1におけるアンプ部7−2−mと接続されている。制御部1は、スピーカ1−1−mには音信号M(k)を供給し、スピーカ1−2−mには音信号M(k)の位相とは逆相の音信号−M(k)を供給する。
【選択図】図1
Description
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である会話音漏洩防止装置10の構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10は、パーティション91F,91R,91B,91Lにより囲まれたブース90内の中央に居る話者S1及びS2間の会話音をターゲット音Tとし、このターゲット音Tをブース90外の聴者Uに聴こえ難くするマスカ音Mをブース90外に向けて放音する。
条件b1.スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)が設けられたパーティション91F,91R,91B及び91L1の上端と各スピーカ1−1−m及び1−2−mとの間の距離が、各スピーカ1−1−m及び1−2−mから放音された音の波長より十分に小さく、各スピーカ1−1−m及び1−2−mから放音された音が隙間D1の側に回折してブース90内に回り込むのに十分に小さな距離であること
図7は、本発明の第2実施形態である会話音漏洩防止装置10Aの構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10Aは、第1実施形態における会話音漏洩防止装置10の制御部1内に、マスカ音記憶部19とマスカ音発生部34を追加したものである。マスカ音記憶部19にはマスカ音データMD’が記憶されている。マスカ音データMD’は、環境音(例えば、小川のせせらぎ音)の音サンプル列である。マスカ音発生部34は、マスカ音記憶部19内のマスカ音データMD’における音サンプルを同記憶部19から取得し、これらの音サンプルをマスカ音信号M’(k)として加算部20−1及び20−2に出力する処理を繰り返す。加算部20−1では、信号M(k)と信号M’(k)が加算され、その加算信号M(k)+M’(k)がD/A変換部16−1に入力される。加算部20−2では、信号−M(k)と信号M’(k)が加算され、その加算信号−M(k)+M’(k)がD/A変換部16−2に入力される。
第3の検証では、発明者は、第2の検証のものと同様の配置のパーティションにより囲まれた領域の内外から測定点を3点ずつ選んだ。その上で、領域の周囲の全てのスピーカに音信号M(k)+M’(k)を供給した場合と半数ずつのスピーカに音信号M(k)+M’(k)及び−M(k)+M’(k)をそれぞれ供給した場合との間の音圧レベルの差を計算した。より具体的には、発明者は、図8に示すように、領域60内を取り囲むパーティション61L’,61F,61R,61B,及び61Lのレイアウトと寸法を第2の検証のもの(表2)と同様にし、領域60内の床面の中心点における床面よりも1100mmだけ上方の点を第1の測定点P31とした。また、測定点P31からパーティション61Bの側に660mm離れた点を第2の測定点P32とし、測定点P31からパーティション61Bの反対側に340mm離れた点を第3の測定点P33とした。また、測定点P32からパーティション61Bの外に向かって3700mm離れた点を第4の測定点P34とした。そして、測定点P34からパーティション61Bと平行な方向におよそ300mm離れた点を第5の測定点P35とし、測定点P35からパーティション61Bと平行な方向におよそ300mm離れた点を第6の測定点P36とした。
図13は、本発明の第3実施形態である会話音漏洩防止装置10Bの構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10Bは、第1実施形態の会話音漏洩防止装置10(図1)における位相反転部33をAPF(All Pass Filter)35により置き換えたものである。このAPF35は、分配部32から出力された音信号M(k)における低域の位相だけを逆相とした音信号−M(k)を出力する。より具体的には、本実施形態では、次式に示す伝達関数Hを有する一次のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタによりAPF35を構成する。
H=(b0+b1z)/(a0+a1z)…(1)
b0=(2πf0−2/T)…(2)
b1=(2πf0+2/T)…(3)
a0=−b1…(4)
a1=−b0…(5)
z=exp(−j2πfT)…(6)
T=1/fs…(7)
式(7)におけるfsは、サンプリング周波数である。
図14は、本発明の第3実施形態である会話音漏洩防止装置10Cの構成を示す図である。図14に示すように、本実施形態では、ブース90の周囲には、隣り合うパーティション92−1−i同士の交差角度が鈍角になるように組まれた7枚のパーティション92−1−i(i=1〜3),92−2−i(i=1〜3),及び92−3がある。これらのうちの各パーティション92−1−iにはスピーカ2−1−iが固定されている。また、各パーティション92−2−iにはスピーカ2−2−iが固定されている。各スピーカ2−1−iは、制御部1におけるアンプ部8−1−iと接続されている。各スピーカ2−2−iは、制御部1におけるアンプ部8−2−iと接続されている。本実施形態では、マスカ音信号M(k)がアンプ部8−1−iからスピーカ2−1−iへ供給され、マスカ音信号−M(k)がアンプ部8−2−iからスピーカ2−2−iへ供給される。この結果、パーティション92−1−i上における隣接するスピーカ2−2−i及び2−2−iからは互いに逆相のマスカ音が放音される。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図15は、本発明の第5実施形態である会話音漏洩防止装置10Dの構成を示す図である。本実施形態は、本発明を、周囲をパーティションにより囲まれていない領域内における会話音の漏洩の防止に適用したものである。本実施形態の例では、話者S3及びS4がパーティションにより囲まれておらず、話者S3及びS4が略直線状のカウンター80を挟んで対峙している。カウンター80からその延在方向と直交する方向(図15の例では話者S3の居る方向)に距離DAだけ離れた位置にはカウンター80と平行に並んだ6つのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)がある。スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)の放音面はカウンター80のある方向と逆の方向に向けられている。また、スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)は隣り合うもの同士(スピーカ3−1−1とスピーカ3−2−1,スピーカ3−2−1とスピーカ3−1−2,スピーカ3−1−2とスピーカ3−2−2,スピーカ3−2−2とスピーカ3−1−3,スピーカ3−1−3とスピーカ3−2−3)が同じ距離DBだけ離間している。ここで、上述した距離DAは、これらのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)から話者S3及びS4間の会話音の聞き取りを妨げる対象となる聴者Uまでの距離DCよりも短くなっている。
第4の検証では、図15におけるカウンター80とスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)との間の距離DAを500mmとし、スピーカ3−1−1及び3−2−1間、スピーカ3−2−1及び3−1−2間、スピーカ3−1−2及び3−2−2間、スピーカ3−2−2及び3−1−3間、スピーカ3−1−3及び3−2−3間の距離DBを1000mmとした。その上で、スピーカ3−1−1及び3−2−1間の中点からカウンター80の側に500mm離れた位置(図15における話者S3の位置に相当)を第1の測定点P41とし、スピーカ3−1−1及び3−2−1間の中点からカウンター80と反対側に2000m離れた位置(図15における聴者Uの位置に相当)を第2の測定点P42とした。そして、全てのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)に音信号M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、同相加算音圧レベルという)と、それらの半々ずつに音信号M(k)及び−M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、逆相加算音圧レベルという)とを求め、同相加算音圧レベルに対する逆相加算音圧レベルの差(dB値)を計算した。図16は、測定点P41及びP42の各々における周波数毎の音圧レベル差を示す図である。
図17は、本発明の第6実施形態である会話音漏洩防止装置10Eの構成を示す図である。上記第1実施形態では、マスカ音信号Mの供給先となるスピーカとその逆相のマスカ音信号−Mの供給先となるスピーカが話者の居る領域の周囲に1個ずつ交互に並べて配置されていた。これに対し、本実施形態では、マスカ音信号Mの供給先となるスピーカとその逆相のマスカ音信号−Mの供給先となるスピーカを話者の居る領域の周囲に複数個(図17の例では2個)ずつ交互に並べて配置する。より具体的に説明すると、本実施形態では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)がパーティション91F,91R,91B,及び91Lの各々に4つずつ配置されている。そして、パーティション91Fにおけるスピーカ1−1−1及び1−1−2にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Fにおけるスピーカ1−2−1及び1−2−2にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Rにおけるスピーカ1−1−3及び1−1−4にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Rにおけるスピーカ1−2−3及び1−2−4にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Bにおけるスピーカ1−1−5及び1−1−6にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Bにおけるスピーカ1−2−5及び1−2−6にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Lにおけるスピーカ1−1−7及び1−1−8にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Lにおけるスピーカ1−2−7及び1−2−8にマスカ音信号−M(k)を供給する。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(1)上記第1実施形態では、マスカ音発生部31により発生したマスカ音信号M(k)を分配部32により2チャネルに分配し、この2チャネルの音信号M(k)のうち一方の位相を信号反転部33により反転させた上で、スピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給した。しかし、スピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給する音信号の位相を反転させる手段はこれに限らない。例えば、スピーカ1−2−m(m=1〜8)におけるケーブルの正極及び負極の端子接続をスピーカ1−1−m(m=1〜8)におけるケーブルの正極及び負極の端子接続と逆にしてもよい。また、正相再生用と逆相再生用の2チャネル分のマスカ音データMDをマスカ音記憶部11内に予め記憶しておき、正相再生用のマスカ音データMDの音信号を同部11から読み出してスピーカ1−1−m(m=1〜8)に供給し、逆相再生用のマスカ音データMDの音信号を同部12から読み出してスピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給するようにしてもよい。
Claims (4)
- 複数個の放音手段と、
ある領域内において発生する会話音をその領域外において聴き取り難くする音の信号であるマスカ音信号を前記複数個の放音手段の各々を介して放音させる手段であって、前記複数個の放音手段のうちの一部の放音手段に前記マスカ音信号を供給し、残った他の放音手段に前記一部の放音手段に供給されるマスカ音信号の位相とは逆相の逆相マスカ音信号を供給する制御手段と
を具備することを特徴とする会話音漏洩防止装置。 - 前記マスカ音信号の供給先となる放音手段と前記逆相マスカ音信号の供給先となる放音手段が前記領域の周囲に1個または複数個ずつ交互に並べて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の会話音漏洩防止装置。
- 前記制御手段は、前記マスカ音信号と異なる種類のマスカ音信号を位相を反転させることなく前記複数個の放音手段に供給する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の会話音漏洩防止装置。
- 前記制御手段は、前記マスカ音信号における低域の周波数成分の位相を反転させるフィルタを有し、このフィルタの出力信号を前記逆相マスカ音信号とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載の会話音漏洩防止装置。
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