JP2012132966A - 会話音漏洩防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】丈の低いパーティションに囲まれた領域の外における十分なマスキング効果を確保しつつ、その領域の中に居る者に与える違和感を軽減する。
【解決手段】ブース90の周囲には、パーティション91F,91R,91B,91Lが立てられている。パーティション91F,91R,91B,91Lにはスピーカ1−1−m及び1−2−mが各々の間に間隔を空けて4つずつ配置されている。これらのスピーカ1−1−m及び1−2−mのうちスピーカ1−1−mは制御部1のアンプ部7−1−mと接続されている。スピーカ1−2−mは、制御部1におけるアンプ部7−2−mと接続されている。制御部1は、スピーカ1−1−mには音信号M(k)を供給し、スピーカ1−2−mには音信号M(k)の位相とは逆相の音信号−M(k)を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスキング効果を利用して会話の秘匿性を確保する技術に関する。
マスキング効果を利用して会話の秘匿性を確保するための技術が各種提案されている。マスキング効果は、2種類の音を同じ空間内に伝搬させた場合に、空間内の聴者において、一方の音(ターゲット音)の聴き取りが、他方の音(マスカ音)の存在によって、妨害を受ける現象である。例えば、特許文献1には、パーティションを挟んで隣り合う2つのスペース間の会話の漏れ聴こえをマスキング効果を利用して防ぐ技術の開示がある。同文献に開示された技術では、2つのスペースを隔てるパーティションの上部に指向性スピーカを固定し、天井におけるスピーカと対応する位置に反射角度の調整が可能な反射部材を固定する。この技術では、パーティションを挟んで隣り合う2つのスペースのうち一方で話者が会話を行う場合には、反射部材の反射方向を他方のスペースの側に傾けた上で指向性スピーカからマスカ音を放音させる。この技術によると、会話を行う話者の側にマスカ音が聴こえて会話が行い難くなる、という事態の発生が防止される。
特開平06−175666号公報
ところで、四方をパーティションに囲まれたブースのように、マスキング効果を外部のほぼ全方位に亙って発生させる必要のある領域においては、周囲のパーティションに複数個のスピーカを配置して各々からマスカ音を放音させる場合がある。特許文献1の技術は、天井への反射部材の固定とその反射角度の調整が必要となるため、このように複数個のスピーカを利用する場合の適用は難しい。そこで、この場合、複数個のスピーカを各々の放音面を外側に向けてパーティションに固定することにより、領域内に伝搬されるマスカ音のレベルをある程度は低減させることができる。しかし、この技術的手段では、領域の周囲の各スピーカから放音するマスカ音に含まれる音波の波長の長さの如何によっては、各スピーカから放音されたマスカ音が領域内における話者の居る位置においてほぼ同相で加算されて音圧レベルが局所的に大きくなり、話者に不快感を与えるという問題がある。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、パーティションに囲まれた領域の外における十分なマスキング効果を確保しつつ、その領域内に居る話者に与える違和感を軽減することを目的とする。
本発明は、複数個の放音手段と、ある領域内において発生する会話音をその領域外において聴き取り難くする音の信号であるマスカ音信号を前記複数個の放音手段の各々を介して放音させる手段であって、前記複数個の放音手段のうちの一部の放音手段に前記マスカ音信号を供給し、残った他の放音手段に前記一部の放音手段に供給されるマスカ音信号の位相とは逆相の逆相マスカ音信号を供給する制御手段とを具備する会話音漏洩防止装置を提供する。
この発明によると、複数個の放音手段のうち一部の放音手段とその他の放音手段とから互いに逆相となるマスカ音が放音される。複数個の放音手段のうち一部の放音手段とその他の放音手段から互いに逆相となるマスカ音が放音された場合、マスカ音に如何なる波長の音波が含まれていたとしても、領域内における音圧レベルが局所的に高まることはない。よって、本発明によると、領域外におけるマスキング効果を確保しつつ、領域内の話者に与える不快感を軽減することができる。
本発明の第1実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。 同会話音漏洩防止装置の効果を確認する検証の内容を説明するための図である。 同検証の結果を示す図である。 本発明の第1実施形態である会話漏洩防止装置の効果を確認する検証の内容を説明するための図である。 同検証の結果を示す図である。 同検証の結果を示す図である。 本発明の第2実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。 同会話音漏洩防止装置の効果を確認する検証の内容を説明するための図である。 同検証の結果を示す図である。 同検証の結果を示す図である。 同検証の結果を示す図である。 同検証の結果を示す図である。 本発明の第3実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。 本発明の第5実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。 同会話音漏洩防止装置の効果を確認する検証の結果を示す図である。 本発明の第6実施形態である会話音漏洩防止装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である会話音漏洩防止装置10の構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10は、パーティション91F,91R,91B,91Lにより囲まれたブース90内の中央に居る話者S1及びS2間の会話音をターゲット音Tとし、このターゲット音Tをブース90外の聴者Uに聴こえ難くするマスカ音Mをブース90外に向けて放音する。
図1において、会話音漏洩防止装置10は、制御部1とスピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)とを有する。制御部1は、マスカ音記憶部11、CPU12、RAM14、ROM15、D/A変換部16−1,16−2、及びアンプ部7−1−m(m=1〜8),7−2−m(m=1〜8)を有する。この制御部1の役割については後述する。
スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)は、マスカ音Mを放音する放音手段としての役割を果たす装置である。スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)における各スピーカ1−1−mは制御部1内のアンプ部7−1−mと接続されている。また、各スピーカ1−2−mは制御部1内のアンプ部7−2−mと接続されている。そして、これらのスピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)は、アンプ部7−1−mの出力信号の供給先のスピーカ1−1−mとアンプ部7−2−mの出力信号の供給先のスピーカ1−2−mとを交互に並べて、パーティション91F,91R,91B及び91Lに4つずつ配置されている。スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)の放音面はブース90の外側に向けられている。
パーティション91F,91R,91B及び91L1の上端と天井(図示略)との間には隙間D1が空いている。スピーカ1−2−m及び1−2−mから放音された音の多くは、パーティション91F,91R,91B及び91L1の外側の空間へと伝搬されるが、各スピーカ1−2−m及び1−2−mから放音された各音の一部は、隙間D1の側に回り込み、この隙間D1からパーティション91F,91R,91B及び91L1に囲まれたブース90内に伝搬される。
次に、制御部1の役割について説明する。制御部1は、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)のうち一部のスピーカ1−1−m(m=1〜8)にマスカ音Mの信号であるマスカ音信号M(k)(kは時間を示すインデックス)を供給し、残ったスピーカ1−2−m(m=1〜8)にマスカ音信号M(k)とは逆相のマスカ音信号−M(k)を供給する。
より詳細に説明すると、制御部1内におけるマスカ音記憶部11は、マスカ音データMDを記憶している。マスカ音データMDは、マイクロホン(不図示)等を用いて収録した音声の音サンプル列に次のような処理を施すことにより生成されたデータである。まず、音声の音サンプルをメモリに書込み、メモリ内の音サンプルを所定時間長のフレームに区切る。次に、それらのフレームを書込み時と逆方向に読み出し、この逆方向に読み出した一連のフレームをマスカ音データMDとする。以上のようにして生成されたマスカ音データMDが示す音は、音声(人の声)と同じではないながらもそれと似通った音響的特徴を有する。このような音響的特徴を持った音は、音声と同じ空間に放音した場合に高いマスキング効果を発生させることができる。
CPU12は、RAM14をワークエリアとして利用しつつ、ROM15に記憶されたマスカ音信号生成プログラムを実行する。マスカ音信号生成プログラムは、マスカ音発生部31、分配部32、及び位相反転部33の各機能をCPU12に実現させるプログラムである。マスカ音発生部31は、マスカ音記憶部11内のマスカ音データMDにおける音サンプルを同記憶部11から取得し、これらの音サンプルをマスカ音信号M(k)として分配部32に出力する処理を繰り返す。
分配部32は、マスカ音発生部31の出力信号M(k)を2系統のチャネルのマスカ音信号M(k)に分岐させて出力する。位相反転部33は、分配部32から出力された2チャネルの音信号M(k)のうち一方のチャネルの音信号M(k)の位相を反転させ、位相を反転させた音信号−M(k)を出力する。位相反転部33の出力信号−M(k)はD/A変換部16−2に入力される。また、分配部32から出力されたもう一方のチャネルの音信号M(k)は、位相反転部33による位相の反転を経ることなくそのままD/A変換部16−1に入力される。D/A変換部16−1は、分配部32から出力された音信号M(k)をアナログ波形信号に変換し、アンプ部7−1−m(m=1〜8)に出力する。D/A変換部16−1から出力されたアナログ波形信号は、アンプ部7−1−m(m=1〜8)による増幅を経た後、スピーカ1−1−m(m=1〜8)に供給され、スピーカ1−1−m(m=1〜8)からマスカ音Mとして放音される。D/A変換部16−2は、位相反転部33から出力された音信号−M(k)をアナログ波形信号に変換し、アンプ部7−2−m(m=1〜8)に出力する。D/A変換部16−2から出力されたアナログ波形信号は、アンプ部7−2−m(m=1〜8)による増幅を経た後、スピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給され、スピーカ1−2−m(m=1〜8)からマスカ音Mとして放音される。
以上が、本実施形態における会話音漏洩防止装置10の構成の詳細である。本実施形態によると、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)に囲まれた領域であるブース90の外側におけるマスキング効果を確保しつつ、そのブース90内の話者S1及びS2に与える不快感を軽減することができる。このような効果が発生する理由は、次の通りである。背景技術の項において述べたように、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から放音するマスカ音Mの全てを仮に同相とした場合、以下に示す2つの条件a1及びb1が満たされていると、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から放音されたマスカ音Mがブース90内のある位置Rにおいて凡そ同相で加算されてその位置Rの音圧レベルが局所的に大きくなり、位置Rに居る話者S1及びS2に不快感を与えることになる。
条件a1.マスカ音Mの波長λが、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)の各々から位置Rまでの各距離同士の差の最大値DIFFMAXより長いこと(なお、パーティション90内の中央領域では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)の各々から当該中央領域までの距離の差がほぼ零になり、マスカ音Mの波長を問わずに、音圧レベルが局所的に大きくなる。)
条件b1.スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)が設けられたパーティション91F,91R,91B及び91L1の上端と各スピーカ1−1−m及び1−2−mとの間の距離が、各スピーカ1−1−m及び1−2−mから放音された音の波長より十分に小さく、各スピーカ1−1−m及び1−2−mから放音された音が隙間D1の側に回折してブース90内に回り込むのに十分に小さな距離であること
これに対し、本実施形態では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)のうち一部のスピーカ1−1−m(m=1〜8)と残りの他のスピーカ1−2−m(m=1〜8)にマスカ音信号Mと逆相マスカ音信号−Mがそれぞれ供給され、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から互いに逆位相のマスカ音Mが放音される。このため、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から放音された音の一部が隙間D1からブース90内に回り込んだとしても、それらの音のうちスピーカ1−1−m(m=1〜8)から放音されたものとスピーカ1−2−m(m=1〜8)から放音されたものがブース90内において互いに打ち消し合う。よって、本実施形態では、条件a1及びb1の如何に拘わらず、ブース90内において音圧レベルが局所的に高まる現象が発生しなくなる。
また、本実施形態では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)におけるマスカ音信号Mの供給先の各スピーカ1−1−mとマスカ音信号−Mの供給先の各スピーカ1−2−mがブース90の周囲に1つずつ交互に配置されている。このため、ブース90内における音圧レベルが偏ることなくほぼ均一化され、ブース90内における音圧レベルの局所的な高まりをより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)の幾何学的な配置関係から、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から放音された音が互いに打ち消し合うような位置はブース90外には存在しないため、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)から同相のマスカ音Mを放音させた場合と同等のマスキング効果をブース90外において発生させることができる。
本願発明者は、以上説明した本実施形態の効果を確認するため、以下に示す2つの検証を行った。第1の検証では、発明者は、パーティションに囲まれた領域の内外を代表する測定点を1点ずつ選択した。その上で、領域の周囲の全てのスピーカに音信号M(k)を供給した場合と半数ずつのスピーカに音信号M(k)及び−M(k)をそれぞれ供給した場合との間の音圧レベルの差を測定点毎に計算した。より具体的には、発明者は、図2に示すように、領域50を取り囲んだ4枚のパーティション51F、51R、51B、及び51Lにおけるパーティション51Fにスピーカ5−1−1,5−2−1,5−1−2,及び5−2−2を配置し、パーティション51Rにスピーカ5−1−3,5−2−3,5−1−4,及び5−2−4を配置した。また、パーティション51Bにスピーカ5−1−5,5−2−5,5−1−6,及び5−2−6を配置し、パーティション51Lにスピーカ5−1−7,5−2−7,5−1−8,及び5−2−8を配置した。さらに、パーティション51Fの横幅WF、パーティション51Rの横幅WR、パーティション51Bの横幅WB、パーティション51Lの横幅WL、パーティション51F,51R,51B,及び51Lの上端と天井との間の隙間D、パーティション51Fにおけるスピーカの配置間隔IF、パーティション51Rにおけるスピーカの配置間隔IR、パーティション51Bにおけるスピーカの配置間隔IB、パーティション51Lにおけるスピーカの配置間隔IL、並びにパーティション51F,51R,51B,及び51Lの上端からその下方に設けられている各スピーカまでの間の距離DPを以下の表1のようにした。その上で、領域50内の床面の中心における床面よりも1100mmだけ上方の点を第1の測定点P11とし、パーティション51B及び測定点P11間と同じ距離だけパーティション51Bからその外側に離れた点を第2の測定点P12とした。
Figure 2012132966
そして、スピーカ5−1−m(m=1〜8)及び5−2−m(m=1〜8)の全てに音信号M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、同相加算音圧レベルという)とスピーカ5−1−m(m=1〜8)及び5−2−m(m=1〜8)に音信号M(k)及び音信号−M(k)を各々供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、逆相加算音圧レベルという)とを求め、同相加算音圧レベルに対する逆相加算音圧レベルの差(dB値)を計算した。図3は、測定点P11及びP12の各々における周波数毎の音圧レベル差を示す図である。
図3のグラフでは、測定点P12における125Hzの音圧レベル差は−15dBになっている。これに対し、測定点P11における125Hzの音圧レベル差は測定点P12のものよりも更に9dB低い−24dBになっている。また、測定点P12における250Hzの音圧レベル差は−6dBになっている。これに対し、測定点P11における250Hzの音圧レベル差は測定点P12のものよりも更に16dB低い−22dBになっている。また、測定点P12における500Hzの音圧レベル差は−4dBとなっている。これに対し、測定点P11における500Hzの音圧レベル差は測定点P12のものよりも更に12dB低い−16dBになっている。以上のことから、領域50内おける同相加算音圧レベルに対する逆相加算音圧レベルの差の値は、領域50外における同相加算音圧レベルに対する逆相加算音圧レベルの差の値に比較して、特に低音域で顕著に低下している(差の絶対値が大きくなっている)ことが分かる。このことから、マスカ音を逆相再生することにより、領域50内の音圧レベルの局所的な増大を防止できることが分かる。
第2の検証では、発明者は、領域を囲むパーティションの配置、パーティション上におけるスピーカの配置、及び領域の内外の測定点の位置を第1の検証のものから変更した上で、領域を囲むスピーカの全てに音信号M(k)を供給した場合と半数ずつのスピーカに音信号M(k)及び音信号−M(k)を各々供給した場合との間の音圧レベルの差を求めた。より具体的には、発明者は、図4に示すように、領域60を螺旋状に取り囲んだ5枚のパーティション61L’、61F、61R、61B、及び61Lにおけるパーティション61Rにスピーカ6−1−1,6−2−1,6−1−2,及び6−2−2を配置した。また、パーティション61Bにスピーカ6−1−3,6−2−3,6−1−4,及び6−2−4を配置し、パーティション61Lにスピーカ6−1−5,6−2−5,6−1−6,及び6−2−6を配置した。さらに、パーティション61L’の横幅WL’,パーティション61Fの横幅WF,パーティション61Rの横幅WR,パーティション61Bの横幅WB,パーティション61の横幅WL、パーティション61L’61F,61R,61B,及び61Lの上端と天井との間の隙間D、パーティション61Rにおけるスピーカの配置間隔IR、パーティション61Bにおけるスピーカの配置間隔IB、パーティション61Lにおけるスピーカの配置間隔IL、並びにパーティション61R,61B,61Lの上端からその下方に設けられているスピーカまでの間の距離DPを以下の表2のようにした。その上で、領域60内の床面の中心点Cからパーティション61B側に660mm離れた位置における床面よりも1100mmだけ上方の点を第1の測定点P21とした。また、測定点P21からパーティション61Bの外に向かって3700mm離れた点を第2の測定点P22とした。
Figure 2012132966
そして、スピーカ6−1−n(n=1〜6)及び6−2−n(n=1〜6)の全てに音信号M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、同相加算音圧レベルという)とスピーカ6−1−n(n=1〜6)及び6−2−n(n=1〜6)に音信号M(k)及び−M(k)を各々供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、逆相加算音圧レベルという)とを計算した。図5は、測定点P22における同相加算音圧レベル及び逆相加算音圧レベルとNC(Noise Criteria)曲線とを重ねて示した図である。ここで、NC曲線は、広帯域スペクトルをもつ室内騒音を評価するための曲線群である。図6は、測定点P21における同相加算音圧レベル及び逆相加算音圧レベルとNC曲線とを重ねて示した図である。
図5のグラフでは、測定点P22における125Hzの同相加算音圧レベルと測定点P22における125Hzの逆相加算音圧レベルはともにNC25を僅かに下回る程度であり、両者の間にはほとんど差がない。また、測定点P22における250Hzの同相加算音圧レベルはNC35を僅かに上回る程度(46dB)であるのに対し、測定点P22における250Hzの逆相加算音圧レベルはNC30を僅かに上回る程度(43dB)であり、両者の間にもそれほどの差は無い。
図6のグラフでは、測定点P21における125Hzの同相加算音圧レベルはNC30程度(49dB)となっている。これに対し、測定点P21における125Hzの逆相加算音圧レベルはNC20を下回る程度(40dB)にまで低下している。また、測定点P22における250Hzの同相加算音圧レベルはNC45〜50の真中程度(56dB)となっている。これに対し、測定点P22における250Hzの逆相加算音圧レベルはNC35を僅かに下回る程度(45dB)にまで低下している。以上のことから、領域60外の測定点22では、同相加算音圧レベルと逆相加算音圧レベルとの間に顕著な音圧レベル差は生じないが、領域60内の測定点21では、125Hzから250Hzの低音域において逆相加算音圧レベルを顕著に低下させることができることが分かる。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態である会話音漏洩防止装置10Aの構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10Aは、第1実施形態における会話音漏洩防止装置10の制御部1内に、マスカ音記憶部19とマスカ音発生部34を追加したものである。マスカ音記憶部19にはマスカ音データMD’が記憶されている。マスカ音データMD’は、環境音(例えば、小川のせせらぎ音)の音サンプル列である。マスカ音発生部34は、マスカ音記憶部19内のマスカ音データMD’における音サンプルを同記憶部19から取得し、これらの音サンプルをマスカ音信号M’(k)として加算部20−1及び20−2に出力する処理を繰り返す。加算部20−1では、信号M(k)と信号M’(k)が加算され、その加算信号M(k)+M’(k)がD/A変換部16−1に入力される。加算部20−2では、信号−M(k)と信号M’(k)が加算され、その加算信号−M(k)+M’(k)がD/A変換部16−2に入力される。
以上が、本実施形態における会話音漏洩防止装置10Aの構成の詳細である。本実施形態では、音声と似通った音響的特徴を有する音の音信号をマスカ音信号M(k)とし、環境音の音信号をマスカ音信号M’(k)とする。そして、これら2種類の音信号M(k)及びM’(k)のうち低周波成分を比較的多く含む音信号M(k)については、スピーカ1−1−m及び1−2−mから互いに逆相のマスカ音Mとして放音させる。また、低周波成分をほとんど含まない音信号M’(k)については、スピーカ1−1−m及び1−2−mから同相のマスカ音Mとして放音させる。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本願発明者は、本実施形態の効果を確認するため、以下に示す第3の検証を行った。
第3の検証では、発明者は、第2の検証のものと同様の配置のパーティションにより囲まれた領域の内外から測定点を3点ずつ選んだ。その上で、領域の周囲の全てのスピーカに音信号M(k)+M’(k)を供給した場合と半数ずつのスピーカに音信号M(k)+M’(k)及び−M(k)+M’(k)をそれぞれ供給した場合との間の音圧レベルの差を計算した。より具体的には、発明者は、図8に示すように、領域60内を取り囲むパーティション61L’,61F,61R,61B,及び61Lのレイアウトと寸法を第2の検証のもの(表2)と同様にし、領域60内の床面の中心点における床面よりも1100mmだけ上方の点を第1の測定点P31とした。また、測定点P31からパーティション61Bの側に660mm離れた点を第2の測定点P32とし、測定点P31からパーティション61Bの反対側に340mm離れた点を第3の測定点P33とした。また、測定点P32からパーティション61Bの外に向かって3700mm離れた点を第4の測定点P34とした。そして、測定点P34からパーティション61Bと平行な方向におよそ300mm離れた点を第5の測定点P35とし、測定点P35からパーティション61Bと平行な方向におよそ300mm離れた点を第6の測定点P36とした。
そして、スピーカ6−1−n(n=1〜6)及び6−2−n(n=1〜6)の全てに音信号M(k)+M’(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、同相加算音圧レベルという)とスピーカ6−1−n(n=1〜6)及び6−2−n(n=1〜6)に音信号M(k)+M’(k)及び−M(k)+M’(k)を各々供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、逆相加算音圧レベルという)とを計算した。図9は、測定点P34,P35,P36の各同相加算音圧レベルとNC曲線とを重ねて示した図である。図10は、測定点P34,P35,P36の各逆相加算音圧レベルとNC曲線とを重ねて示した図である。図11は、測定点P31,P32,P33の各同相加算音圧レベルとNC曲線とを重ねて示した図である。図12は、測定点P31,P32,P33の各逆相加算音圧レベルとNC曲線とを重ねて示した図である。
図9のグラフでは、測定点P34,P35,P36における125Hzの同相加算音圧レベルはNC25程度(測定点P34,P35,P36のいずれも46dB)となっており、測定点P34,P35,P36における250Hzの同相加算音圧レベルはNC35〜40の範囲内(測定点P34:46dB,測定点P35:49dB,測定点P36:47dB)にある。これに対し、図10のグラフでは、測定点P34,P35,P36の125Hzにおける逆相加算音圧レベルはNC20〜25の範囲内(測定点P34:44dB,測定点P35:43dB,測定点P36:44dB)にあり、測定点P34,P35,P36の250Hzにおける逆相加算音圧レベルはNC30〜35の範囲内(測定点P34:43dB,測定点P35:42dB,測定点P36:42dB)にある。図9及び図10のグラフを比較すると、領域60外では、同相加算音圧レベルと逆相加算音圧レベルの間にそれほど大きな差がないことが分かる。
図11のグラフでは、測定点P31,P32,P33における125Hzの同相加算音圧レベルはNC25〜30の範囲内(測定点P31:48dB,測定点P32:49dB,測定点P33:46dB)にあり、測定点P31,P32,P33における250Hzの同相加算音圧レベルはNC40〜50の範囲内(測定点P31:59dB,測定点P32:58dB,測定点P33:53dB)にある。これに対し、図12のグラフでは、測定点P31,P32,P33における125Hzの逆相加算音圧レベルはNC20以下の範囲内(測定点P31:41dB,測定点P32:40dB,測定点P33:41dB)にあり、測定点P31,P32,P33における250Hzの逆相加算音圧レベルはNC35以下の範囲内(測定点P31:45dB,測定点P32:44dB,測定点P33:45dB)にある。図11及び図12のグラフを比較すると、領域60内では、特に124Hzから250Hzの低音域において、同相加算音圧レベルと逆相加算音圧レベルの間の差が領域60外のそれに比べて大きいことが分かる。
以上のことから、ある領域の周囲の複数個のスピーカに供給する信号が環境音の音信号M’(k)を含むものであったとしても、一部のスピーカから放音するマスカ音を逆相再生することにより、その領域内の音圧レベルの局所的な増大を防止できることが裏付けられる。
<第3実施形態>
図13は、本発明の第3実施形態である会話音漏洩防止装置10Bの構成を示す図である。この会話音漏洩防止装置10Bは、第1実施形態の会話音漏洩防止装置10(図1)における位相反転部33をAPF(All Pass Filter)35により置き換えたものである。このAPF35は、分配部32から出力された音信号M(k)における低域の位相だけを逆相とした音信号−M(k)を出力する。より具体的には、本実施形態では、次式に示す伝達関数Hを有する一次のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタによりAPF35を構成する。
H=(b0+b1z)/(a0+a1z)…(1)
式(1)におけるb0は次式(2)により与えられる。式(1)におけるb1は次式(3)により与えられる。式(1)におけるa0は次式(3)により与えられる。式(1)におけるa1は次式(4)により与えられる。式(1)におけるzは次式(5)により与えられる。
b0=(2πf0−2/T)…(2)
b1=(2πf0+2/T)…(3)
a0=−b1…(4)
a1=−b0…(5)
z=exp(−j2πfT)…(6)
式(6)におけるexpは、eを底とするべき乗を計算する指数関数である。式(2),(3)におけるf0は、遮断周波数である。式(2),(3),(6)におけるTは、次式(7)により与えられる。
T=1/fs…(7)
式(7)におけるfsは、サンプリング周波数である。
以上が、本実施形態における会話音漏洩防止装置10Bの構成の詳細である。本実施形態では、マスカ音発生部31の発生するマスカ音信号M(k)のうち回折しやすい周波数帯域の周波数成分の位相だけをAPF35により回転させる。これにより、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)に囲まれた領域内における局所的な音圧の上昇を確実に防ぐことができる。
<第4実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態である会話音漏洩防止装置10Cの構成を示す図である。図14に示すように、本実施形態では、ブース90の周囲には、隣り合うパーティション92−1−i同士の交差角度が鈍角になるように組まれた7枚のパーティション92−1−i(i=1〜3),92−2−i(i=1〜3),及び92−3がある。これらのうちの各パーティション92−1−iにはスピーカ2−1−iが固定されている。また、各パーティション92−2−iにはスピーカ2−2−iが固定されている。各スピーカ2−1−iは、制御部1におけるアンプ部8−1−iと接続されている。各スピーカ2−2−iは、制御部1におけるアンプ部8−2−iと接続されている。本実施形態では、マスカ音信号M(k)がアンプ部8−1−iからスピーカ2−1−iへ供給され、マスカ音信号−M(k)がアンプ部8−2−iからスピーカ2−2−iへ供給される。この結果、パーティション92−1−i上における隣接するスピーカ2−2−i及び2−2−iからは互いに逆相のマスカ音が放音される。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第5実施形態>
図15は、本発明の第5実施形態である会話音漏洩防止装置10Dの構成を示す図である。本実施形態は、本発明を、周囲をパーティションにより囲まれていない領域内における会話音の漏洩の防止に適用したものである。本実施形態の例では、話者S3及びS4がパーティションにより囲まれておらず、話者S3及びS4が略直線状のカウンター80を挟んで対峙している。カウンター80からその延在方向と直交する方向(図15の例では話者S3の居る方向)に距離DAだけ離れた位置にはカウンター80と平行に並んだ6つのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)がある。スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)の放音面はカウンター80のある方向と逆の方向に向けられている。また、スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)は隣り合うもの同士(スピーカ3−1−1とスピーカ3−2−1,スピーカ3−2−1とスピーカ3−1−2,スピーカ3−1−2とスピーカ3−2−2,スピーカ3−2−2とスピーカ3−1−3,スピーカ3−1−3とスピーカ3−2−3)が同じ距離DBだけ離間している。ここで、上述した距離DAは、これらのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)から話者S3及びS4間の会話音の聞き取りを妨げる対象となる聴者Uまでの距離DCよりも短くなっている。
スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)のうちの各スピーカ3−1−iは、制御部1におけるアンプ部9−1−iと接続されている。各スピーカ3−2−iは、制御部1におけるアンプ部9−2−iと接続されている。本実施形態では、マスカ音信号M(k)がアンプ部9−1−iからスピーカ3−1−iへ供給され、マスカ音信号−M(k)がアンプ部9−2−iからスピーカ3−2−iへ供給される。この結果、本実施形態では、スピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)のうち各スピーカ3−1−iと各々の隣にある各スピーカ3−2−iとから互いに逆相のマスカ音が放音される。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本願発明者は、本実施形態の効果を確認するため、以下に示す第4の検証を行った。
第4の検証では、図15におけるカウンター80とスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)との間の距離DAを500mmとし、スピーカ3−1−1及び3−2−1間、スピーカ3−2−1及び3−1−2間、スピーカ3−1−2及び3−2−2間、スピーカ3−2−2及び3−1−3間、スピーカ3−1−3及び3−2−3間の距離DBを1000mmとした。その上で、スピーカ3−1−1及び3−2−1間の中点からカウンター80の側に500mm離れた位置(図15における話者S3の位置に相当)を第1の測定点P41とし、スピーカ3−1−1及び3−2−1間の中点からカウンター80と反対側に2000m離れた位置(図15における聴者Uの位置に相当)を第2の測定点P42とした。そして、全てのスピーカ3−1−i(i=1〜3)及び3−2−i(i=1〜3)に音信号M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、同相加算音圧レベルという)と、それらの半々ずつに音信号M(k)及び−M(k)を供給した場合の音圧レベル(以下、便宜上、逆相加算音圧レベルという)とを求め、同相加算音圧レベルに対する逆相加算音圧レベルの差(dB値)を計算した。図16は、測定点P41及びP42の各々における周波数毎の音圧レベル差を示す図である。
図16のグラフでは、測定点P42における125Hzの音圧レベル差は−7dBになっている。これに対し、測定点P41における125Hzの音圧レベル差は測定点P42のものよりも更に5dB低い−12dBになっている。また、測定点P42における250Hzの音圧レベル差は0dBになっている。これに対し、測定点P41における250Hzの音圧レベル差は測定点P41のものよりも更に11dB低い−11dBになっている。また、測定点P42における500Hzの音圧レベル差は−5dBとなっている。これに対し、測定点P41における500Hzの音圧レベル差は測定点P42のものよりも更に9dB低い−14dBになっている。このことから、特に250Hzから1000Hzの周波数帯域において、カウンター80の座席近傍の音圧レベルを大きく低下させることができる、ということが裏付けられる。
<第6実施形態>
図17は、本発明の第6実施形態である会話音漏洩防止装置10Eの構成を示す図である。上記第1実施形態では、マスカ音信号Mの供給先となるスピーカとその逆相のマスカ音信号−Mの供給先となるスピーカが話者の居る領域の周囲に1個ずつ交互に並べて配置されていた。これに対し、本実施形態では、マスカ音信号Mの供給先となるスピーカとその逆相のマスカ音信号−Mの供給先となるスピーカを話者の居る領域の周囲に複数個(図17の例では2個)ずつ交互に並べて配置する。より具体的に説明すると、本実施形態では、スピーカ1−1−m(m=1〜8)及び1−2−m(m=1〜8)がパーティション91F,91R,91B,及び91Lの各々に4つずつ配置されている。そして、パーティション91Fにおけるスピーカ1−1−1及び1−1−2にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Fにおけるスピーカ1−2−1及び1−2−2にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Rにおけるスピーカ1−1−3及び1−1−4にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Rにおけるスピーカ1−2−3及び1−2−4にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Bにおけるスピーカ1−1−5及び1−1−6にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Bにおけるスピーカ1−2−5及び1−2−6にマスカ音信号−M(k)を供給する。また、パーティション91Lにおけるスピーカ1−1−7及び1−1−8にマスカ音信号M(k)を供給し、パーティション91Lにおけるスピーカ1−2−7及び1−2−8にマスカ音信号−M(k)を供給する。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、この発明の第1乃至第6実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1実施形態では、マスカ音発生部31により発生したマスカ音信号M(k)を分配部32により2チャネルに分配し、この2チャネルの音信号M(k)のうち一方の位相を信号反転部33により反転させた上で、スピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給した。しかし、スピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給する音信号の位相を反転させる手段はこれに限らない。例えば、スピーカ1−2−m(m=1〜8)におけるケーブルの正極及び負極の端子接続をスピーカ1−1−m(m=1〜8)におけるケーブルの正極及び負極の端子接続と逆にしてもよい。また、正相再生用と逆相再生用の2チャネル分のマスカ音データMDをマスカ音記憶部11内に予め記憶しておき、正相再生用のマスカ音データMDの音信号を同部11から読み出してスピーカ1−1−m(m=1〜8)に供給し、逆相再生用のマスカ音データMDの音信号を同部12から読み出してスピーカ1−2−m(m=1〜8)に供給するようにしてもよい。
(2)上記第1乃至第6実施形態では、ブース90の周囲のパーティション91F,91R,91B,91L,92−1−i(i=1〜3)及び92−2−i(i=1〜3)は、全体として矩形をなすように組まれていた。しかし、ブース90の内外の隔てるパーティションは湾曲していてもよく、これらのパーティションを全体として円または楕円をなすように組んでもよい。また、パーティションを円や楕円以外の形状を成すように組んでもよい。
(3)上記第1乃至第4実施形態及び第6実施形態では、ブース90の4方を囲むパーティション91F,91R,91B,91Lのすべてにスピーカ1−1−m,1−2−mが設けられていた。しかし、一部のパーティション91F,91R,91B,91L(例えば、パーティション91F及び91R)にのみスピーカ1−1−m,1−2−mを設けてもよい。また、パーティション91F,91R,91B,91Lの上部でなく、その下部にスピーカ1−1−m,1−2−mを設けてもよい。また、パーティション91F,91R,91B,91L1にスピーカの代わりにアクチュエータを取り付け、このアクチュエータによりマスカ音Mを放音してもよい。
1,2,5,6…スピーカ、7,8,9…アンプ部、10,10A,10B,10C,10D,10E…会話音漏洩防止装置、11,19…マスカ音記憶部、12…CPU、14…RAM、15…ROM、16…D/A変換部、31,34…マスカ音発生部、32…分配部、33…位相反転部、90…ブース、91,92…パーティション。

Claims (4)

  1. 複数個の放音手段と、
    ある領域内において発生する会話音をその領域外において聴き取り難くする音の信号であるマスカ音信号を前記複数個の放音手段の各々を介して放音させる手段であって、前記複数個の放音手段のうちの一部の放音手段に前記マスカ音信号を供給し、残った他の放音手段に前記一部の放音手段に供給されるマスカ音信号の位相とは逆相の逆相マスカ音信号を供給する制御手段と
    を具備することを特徴とする会話音漏洩防止装置。
  2. 前記マスカ音信号の供給先となる放音手段と前記逆相マスカ音信号の供給先となる放音手段が前記領域の周囲に1個または複数個ずつ交互に並べて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の会話音漏洩防止装置。
  3. 前記制御手段は、前記マスカ音信号と異なる種類のマスカ音信号を位相を反転させることなく前記複数個の放音手段に供給する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の会話音漏洩防止装置。
  4. 前記制御手段は、前記マスカ音信号における低域の周波数成分の位相を反転させるフィルタを有し、このフィルタの出力信号を前記逆相マスカ音信号とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載の会話音漏洩防止装置。
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