JPH05129U - 絆創膏 - Google Patents

絆創膏

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JPH05129U
JPH05129U JP5530691U JP5530691U JPH05129U JP H05129 U JPH05129 U JP H05129U JP 5530691 U JP5530691 U JP 5530691U JP 5530691 U JP5530691 U JP 5530691U JP H05129 U JPH05129 U JP H05129U
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康嗣 森田
好雄 松生
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絆創膏としてすぐれた適性を有し、傷口にや
さしく、かつ製造工程およびコストの点からも有利な絆
創膏を提供することを目的とする。 【構成】 片面に粘着剤層(2) を設けた基材層(1) 上の
粘着剤層(2) 側の面の中央領域に、直接またはクッショ
ン層(4) を介して、塩化ベンザルコニウムなどの薬剤を
含有するコラーゲン薄膜層(3) を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、絆創膏としてすぐれた適性を有し、傷口にやさしく、かつ製造工程 およびコストの点からも有利な絆創膏に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
〈絆創膏〉 織布、不織布、孔あきシートなどの通気性を有する基材層の片面に粘着剤層を 設け、該粘着剤層に薬剤を配合しておくか、あるいは該粘着剤層に薬剤を含ませ た不織布・ガーゼ・綿片を貼着した絆創膏は、単に治療を要する皮膚面に貼るだ けで治療目的が達成できるという手軽さから、広く利用されている。
【0003】 〈コラーゲンの利用〉 コラーゲンは、動物生体中などに存在する高分子量の蛋白質であって、人体に 対する生体適合性を有することが知られている。コラーゲンを絆創膏などに適用 したものとして、次のような文献がある。
【0004】 特公昭55−6061号公報(特開昭47−30738号公報)には、微粉砕 された微結晶コラーゲンを基材上に静電気的に吸引させることにより、該基材上 に微結晶コラーゲンからなる層を固着させた体液吸収または止血用微結晶コラー ゲン積層物が開示されており、該積層物は絆創膏、外科用、包帯、止血用パッド およびマットとして有用であることが示されている。
【0005】 特公昭59−41745号公報(特開昭52−102418号公報)には、特 定量のイオン化性の酸を含有するイオン化性、水不溶性コラーゲン部分塩ででき た止血性接着性繊維から形成された液体保持不織ウエッブからなる止血性および 創傷封鎖特性を持つコラーゲン繊維誘導ウェッブが示されている。
【0006】 特開昭49−22474号公報には、天然ゴムまたは合成ゴムの水溶液もしく は懸濁液の中で膨潤した蛋白質繊維の分散体を作り、これになめし剤等を加え、 水溶液または分散液の凍結温度以上の温度で硬化させ、ついで混合物から余剰水 を分離してスポンヂ状吸収性蛋白繊維マトリックスを得る方法が示されている。 このマトリックスは生物の体内に挿入するために使われるとしている。
【0007】 特開昭60−147487号公報には、コラーゲン加水分解物であるゼラチン と、可塑剤と、ゲル化阻害剤とを含む粘着剤が示されており、この粘着剤は、水 溶性で粘着力が強く絆創膏用粘着剤等に用いられることが記載されている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
従来の典型的な絆創膏、すなわち、基材層の片面に粘着剤層を設け、該粘着剤 層に薬剤を配合しておくか、あるいは該粘着剤層に薬剤を含ませた不織布・ガー ゼ・綿片を貼着した絆創膏は、不織布等の傷面への付着、通気性、接触感、傷の 治りなどの点で、さらに改良を図る余地がある。
【0009】 本考案者らは前述のコラーゲンが上記問題点を解決できる可能性を有するので はないかと考え、コラーゲンの絆創膏への適用につき検討を重ねた。
【0010】 しかしながら、特公昭55−6061号公報に記載の微結晶コラーゲン積層物 は、フィブリル化した微結晶コラーゲンをフロック加工(植毛加工)により基材 上に固着させるものであり、製品コストが極めて高くなる上、フロック加工時の 作業環境も悪く、また皮膚への適用時にフィブリル化物の先端が傷口を刺激した り、傷口に付着して剥落したりするおそれもある。
【0011】 特公昭59−41745号公報に記載のコラーゲン繊維誘導ウェッブは、傷面 との接着適合性により止血を図ることができ、しかも上記傷面以外の部分とは接 着しないという性質を有するが、絆創膏に適用しようとした場合は傷口にくっつ きやすいという不利があり、またコラーゲンの不織布化は極めてコスト高になり 、実用化の支障となる。
【0012】 特開昭49−22474号公報のスポンヂ状吸収性蛋白繊維マトリックスは、 製造工程が複雑である上、コストも極めて高く、また吸収性を第一義としている ため、体内挿入用などの目的には用いることができても、絆創膏の目的には必ず しも適していない。
【0013】 特開昭60−147487号公報の発明は、絆創膏等に用いる粘着剤に関する ものであり、本発明とは目的を異にするものである。
【0014】 本考案は、コラーゲンを利用しながらも、絆創膏としてすぐれた適性を有し、 傷口にやさしく、かつ製造工程およびコストの点からも有利な絆創膏を提供する ことを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本考案の絆創膏は、片面に粘着剤層(2) を設けた基材層(1) 上の粘着剤層(2) 側の面の中央領域に、直接またはクッション層(4) を介して、薬剤を含むコラー ゲン薄膜層(3) を設けた構成を有するものである。
【0016】 以下本考案を詳細に説明する。
【0017】 基材層(1) としては、織布、不織布、孔あきプラスチックスシートをはじめ、 ある程度の通気性を有すると共に、貼付部位の皮膚の動きに追従できる程度の柔 軟性を有するものが用いられる。基材層(1) の形状は、円形、長円形、正方形、 長方形、多角形、長方形の少なくとも一辺が曲線になっているもの、長方形の中 央部分を大きくしてあるものなど任意である。
【0018】 基材層(1) の片面には粘着剤層(2) が設けられる。該粘着剤層(2) における粘 着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ビニ ル系粘着剤をはじめ、従来より絆創膏に使われているような種々の粘着剤が用い られ、人体に悪影響を及ぼさず、しかも皮膚の動きや摩擦によっても剥離するこ とのないような粘着力を有するようにする。
【0019】 基材層(1) 上の粘着剤層(2) 側の面の中央領域には、直接またはクッション層 (4) を介して、薬剤を含むコラーゲン薄膜層(3) が設けられる。なおクッション 層(4) としては、不織布、織布、ガーゼ、綿片、連続気泡性発泡体などが用いら れる。
【0020】 コラーゲン薄膜層(3) 形成用のコラーゲンとしては、種々の動物の結合組織、 骨、軟骨、ジン帯、真皮、ヒ臓、スイ臓、脂肪組織などから得られるコラーゲン が用いられ、入手の容易さなどを考慮すると特に牛皮コラーゲンが重要である。 コラーゲンは適当な処理(加水分解やペプチド鎖間のイオン結合・水素結合の切 断)を行って可溶化したものを用いることが好ましい。
【0021】 コラーゲン薄膜層(3) は、コラーゲンの水溶液をクッション層(4) に塗布する ことによりクッション層(4) の表面側に形成させるのが特に有利である。塗布法 としては、コーティング法、スプレー法、ディッピング法などが採用される。
【0022】 またコラーゲン薄膜層(3) は、コラーゲン水溶液を支持体上に流延して製膜化 した後、支持体から剥離することによっても得られる。この場合は、得られたコ ラーゲン薄膜層(3) を直接またはクッション層(4) を介して粘着剤層(2) の上に 置く。
【0023】 コラーゲン薄膜層(3) およびクッション層(4) の形状は、長方形のほか、円形 、星形、ハート形などとすることもできる。このときの大きさは基材層(1) より やや小さ目の幅とし、基材層(1) からはみ出さないようにする。厚みは適宜に設 定するが、全体を均一の厚みにする場合だけでなく、中心側を厚く周辺側を薄く するなど不均一にすることもできる。
【0024】 上記コラーゲン薄膜層(3) には、殺菌剤、消毒剤、創傷治療剤、ホルモン剤な どの薬剤が含有されるようにする。薬剤のほか、浸透剤、その他の助剤を含有さ せることもできる。
【0025】 薬剤の含有は、好適には、コラーゲン薄膜層(3) 形成時に予めコラーゲン水溶 液中に薬剤を添加しておくことによりなされるが、コラーゲン薄膜層(3) 形成後 に該層に薬剤を含む溶液を浸透させることによっても達成できる。
【0026】 薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) の上には、基材層(1) の粘着剤層(2) の全面を 覆うように剥離性シート(5) が積層される。剥離性シート(5) の大きさは、基材 層(1) と同程度かそれよりも大きくする。剥離性シート(5) は、全体が1枚にな っていてもよいが、剥離操作を容易にするために2枚以上で構成してもよく、ミ シン目を入れてもよい。
【0027】 上記構成を有する本考案の絆創膏は、適当な包装形態で流通に供される。特に 、耐薬剤性、ヒートシール性および酸素遮断性を有する単層または複層のシート で作られた袋に、個別にまたは複数個をひとまとめにして密封包装することが好 ましい。
【0028】
【作用】
本考案の絆創膏を使用するにあたっては、剥離性シート(5) を剥離除去してか ら、薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) が患部に当接するように押し当てて皮膚に貼 着すればよい。
【0029】 薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) は、止血作用、創傷治療作用、止痛作用を有し 、また通気性を有するので、傷口をやさしく保護する。そしてこの薬剤含有コラ ーゲン薄膜層(3) は、ウエッブ状ではなく膜状であるので、絆創膏を剥がすとき にも傷口に接着しない。
【0030】
【実施例】
次に実施例をあげて本考案をさらに説明する。以下「部」、「%」とあるのは 重量基準で表わしたものである
【0031】 実施例1 図1は本考案の絆創膏の一例を示した断面図である。 図2は図1の絆創膏の平面図であり、一部を切り欠き表示してある。
【0032】 基材層(1) としての80g/m2の綿布の片面にアクリル系粘着剤組成物を塗布し て粘着剤層(2) を形成した後、帯状に切断して粘着剤層(2) 付きの基材層(1) を 作製した。
【0033】 クッション層(4) としての厚さ2mm、幅12mmのガーゼの片面側に、濃度 0.4 %のコラーゲン水溶液100部に塩化ベンザルコニウム0.15部を添加した水溶液 をスプレーにより塗布後、乾燥させた。これにより、クッション層(4) 上に薬剤 含有コラーゲン薄膜層(3) が形成したので、これを縦方向に所定間隔に裁断した 。なおコラーゲンとしては、牛皮由来の可溶化コラーゲンを用いた。
【0034】 上記で作製した粘着剤層(2) 付き通気性基材層(1) の中央部に、その粘着剤層 (2) の上から、上記で作製した薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) 付きクッション層 (4) をその薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) 形成側が上になるように載置して貼着 させた。
【0035】 ついでその上から、シリコーンによる剥離性処理を施した2枚の剥離性シート (5) を、その剥離性処理側が粘着剤層(2) およびクッション層(4) 側となりかつ 粘着剤層(2) およびクッション層(4) 全体が覆われるように、しかもクッション 層(4) の上部で2枚の剥離性シート(5) が若干重なるように積層させた。
【0036】 これにより、図1に断面図、図2に平面図を示した絆創膏が得られた。
【0037】 この絆創膏から剥離性シート(5) を剥離除去した後、傷口に貼着したが、市販 の絆創膏に比し、止血性、創傷治療性、痛み止め性は明らかに良好であり、また 傷口へのガーゼの付着も認められなかった。
【0038】 実施例2 図3は本考案の絆創膏の他の一例を示した断面図である。
【0039】 濃度 0.3%のコラーゲン水溶液100部に塩化ベンザルコニウム0.04部を添加 した水溶液をポリエステルフィルムからなる支持体上に流延し、乾燥後、支持体 から剥離し、膜状の薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) を得た。
【0040】 この薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) を不織布からなるクッション層(4) 上に重 ね、他は実施例1と同じ材料を用いて、基材層(1)/粘着剤層(2)/クッション層(4 )/薬剤含有コラーゲン薄膜層(3)/剥離性シート(5) の構成を有する図3の絆創膏 を作製した。
【0041】 この絆創膏から剥離性シート(5) を剥離除去した後、傷口に貼着したが、市販 の絆創膏に比し、止血性、創傷治療性、痛み止め性は明らかに良好であり、また 傷口へのガーゼの付着も認められなかった。
【0042】
【考案の効果】
本考案の絆創膏にあっては、膜状の薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) が患部に当 接するようにしてあるので、好ましい止血作用、創傷治療作用、止痛作用、通気 性を有し、傷口をやさしく保護する。また絆創膏を剥がすときにも傷口に接着し ないので、傷口を広げたり、痛みを感ずることがない。
【0043】 そして本考案の絆創膏の薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) は、薬剤を添加したコ ラーゲン水溶液から容易に形成できるので、従来の絆創膏に比しほとんどコスト アップとならないという製造工程上および経済上の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の絆創膏の一例を示した断面図である。
【図2】図1の絆創膏の平面図であり、一部を切り欠き
表示してある。
【図3】本考案の絆創膏の他の一例を示した断面図であ
る。
【符号の説明】
(1) …基材層、 (2) …粘着剤層、 (3) …薬剤含有コラーゲン薄膜層、 (4) …クッション層、 (5) …剥離性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小西 浩二 奈良県高市郡高取町大字清水谷1085番地 共立薬品工業株式会社内 (72)考案者 太治 司郎 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内 (72)考案者 牧原 俊和 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】片面に粘着剤層(2) を設けた基材層(1) 上
    の粘着剤層(2) 側の面の中央領域に、直接またはクッシ
    ョン層(4) を介して、薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) を
    設けた構成を有する絆創膏。
  2. 【請求項2】薬剤含有コラーゲン薄膜層(3) が、塗布法
    によりクッション層(4) の少なくとも表面側に形成した
    層である請求項1記載の絆創膏。
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Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000062728A1 (fr) * 1999-04-20 2000-10-26 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Emplatre adhesif d'urgence

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