JPH05129865A - 分配器の設計方法 - Google Patents

分配器の設計方法

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JPH05129865A
JPH05129865A JP31546491A JP31546491A JPH05129865A JP H05129865 A JPH05129865 A JP H05129865A JP 31546491 A JP31546491 A JP 31546491A JP 31546491 A JP31546491 A JP 31546491A JP H05129865 A JPH05129865 A JP H05129865A
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JP
Japan
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resistance
distribution
terminals
impedance
distribution transformer
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JP31546491A
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English (en)
Inventor
Tomohiko Kanie
知彦 蟹江
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AICHI ELECTRONICS
Aichi Electric Co Ltd
Original Assignee
AICHI ELECTRONICS
Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分配器における端子間結合損失を大きくする
こと。 【構成】 端子間の結合損失を所定値以上とするように
吸収抵抗のレジスタンスを決定する方法において、分配
トランスTの端子間OUT1,OUT2 の使用帯域におけるイン
ピーダンスZr を求め、そのインピーダンスのレジスタ
ンスRr と等しい値を有する等価抵抗と、分配端子間に
挿入される吸収抵抗RA との並列接続回路のレジスタン
スが、分配端子から負荷側を見たレジスタンスRの略2
倍に等しくなるように、吸収抵抗のレジスタンスを決定
すること。分配トランスの端子間の使用帯域におけるイ
ンピーダンスZr のレジスタンスRr が、分配端子から
負荷側を見たレジスタンスRの略2倍に等しくなるよう
に、フェライトコアの材質、形状を決定すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CATVシステム等に
使用される高周波信号を分配する分配器の設計方法に関
する。特に、端子間の結合損失を大きくするための設計
方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、図10に示す等価回路のように使用
される分配トランスTが知られている。この分配トラン
スTは、ファライトコアにコイルL1 、L2 が捲回され
ている。そして、それぞれのコイルL2 、L3 の一方の
端子OUT1、OUT2が分配端子となり、分配端子OUT1、OUT2
にレジスタンスRの線路が接続される。この回路におい
て、分配端子OUT1、OUT2間の結合損失を最大とするため
に、即ち、分配端子OUT1、OUT2間をアイソレートするた
めに、分配端子OUT1、OUT2間に吸収抵抗RA が挿入され
ている。吸収抵抗RA のレジスタンスは線路のレジスタ
ンスRの2倍に設定されている。この時、分配端子OUT
1、OUT2間の結合損失は理論的には無限大、即ち、完全
に絶縁分離されることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が現
実に分配器の端子間結合損失特性を測定してみた結果、
上記のようにレジスタンスが決定された吸収抵抗RA の
挿入された分配器でも、スペースケーブルネット等のよ
うな2000MHz 程度の高周波帯域で使用すると、必ずしも
分配端子間の良好な絶縁分離が行われていないことを初
めて見い出した。又、極端な場合には、吸収抵抗RA が
なくとも、上述した値に設計された吸収抵抗RA を挿入
した場合と、同程度の端子間結合損失が得られることも
初めて見い出された。
【0004】このような結果となる理由について、発明
者は色々に考察した結果、次のことを考え出すに至っ
た。 (1)分配トランスはフェライトコアにコイルを捲回して
使用していることから、ファライトコアの高周波帯域に
おける電力損失が問題となる。 (2)従って、分配トランスのインピーダンスのレジスタ
ンスが高周波帯域では無視できない程大きい。 (3)これには、フェライトコアの複素透磁率の実数成分
と虚数成分の周波数特性が関係している。
【0005】以上の結論が正しいことは発明者の実験に
より確かめられた。以上の結論から、本発明者は、分配
トランスにおいて分配端子間の結合損失を大きくするた
めの吸収抵抗のレジスタンスの設計においては、従来の
方法は高周波帯域においては不十分であり、使用帯域に
おける分配トランスの複素インピーダンスを求め、その
レジスタンスを考慮して吸収抵抗のレジスタンス又は、
フェライトコアの材質、形状を設計すべきものであるこ
とを着想するに至り本発明を完成させた。
【0006】本発明の目的は、高周波帯域において、分
配器における分配端子間結合損失を大きくすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、電力を分配する分配トランスと、分配
トランスの分配端子間に挿入された吸収抵抗とを有する
分配器において、端子間の結合損失を所定値以上とする
ように吸収抵抗のレジスタンスを決定する方法におい
て、分配トランスの端子間の使用帯域におけるインピー
ダンスを求め、そのインピーダンスのレジスタンスと等
しい値を有する等価抵抗と、分配端子間に挿入される吸
収抵抗との並列接続回路のレジスタンスが、分配端子か
ら負荷側を見たレジスタンスの略2倍に等しくなるよう
に、吸収抵抗のレジスタンスを決定することを特徴とす
る。又、他の発明は、分配トランスの端子間の使用帯域
におけるインピーダンスのレジスタンスが、分配端子か
ら負荷側を見たレジスタンスの略2倍に等しくなるよう
に、フェライトコアの材質、形状を決定することを特徴
とする。
【0008】
【作用】分配トランスの端子間の使用帯域におけるイン
ピーダンスを求めて、そのインピーダンスのレジスタン
スを加味して、吸収抵抗のレジスタンスが決定される。
換言すれば、吸収抵抗を接続した状態で分配端子側から
分配トランスを見たインピーダンスのレジスタンスが1
つの分配端子側から負荷側を見たレジスタンスの2倍に
等しくなるように決定される。又、他の発明では、分配
トランスのインピーダンスのレジスタンスが1つの分配
端子側から負荷側を見たレジスタンスの2倍に等しくな
るように決定される。この条件による吸収抵抗のレジス
タンスを決定することで、分配端子間の絶縁分離が良好
となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、分配トランスTの高周波帯域における
等価回路である。コイルL1 L2 は理想トランスを構成
する理想インダクタであり、漏れ磁束、巻線抵抗、線間
容量はない。これに対して、現実の分配トランスTは高
周波帯域において、漏れインダクタンス、フェライトコ
アのヒステリシス損及び渦電流損、残留損等による漏れ
抵抗を有する。よって、現実の分配トランスTは理想ト
ランスと異なり等価抵抗Rr と等価インダクタXrとを
有した複素インピーダンス素子と考えなければならな
い。これに巻線の浮遊容量Cr を考慮して、分配トラン
スTの等価回路は図1に示すようになる。
【0010】これに、吸収抵抗RA を加えた分配トラン
スの等価回路は図2に示すようになる。今、フェライト
コアの複素透磁率μ(=μ’+ jμ")の周波数特性を見
てみると、図3に示すような特性である。よって、分配
トランスTの等価インピーダンスZr (=Rr + jX
r)に関して、等価インピーダンスの大きさ|Zr |、
等価レジスタンスRr 及び等価リアクタンスXr の周波
数特性は図4に示すようになる。このように、高周波に
なれば、複素透磁率の虚数成分μ”(損失成分)が実数
成分μ’に対して無視出来なくなり、等価レジスタンス
Rr が周波数の増加に伴って増加し、等価リアクタンス
Xr よりも大きくなる。
【0011】従って、分配トランスTの複素インピーダ
ンスZr を考慮して、吸収抵抗RAのレジスタンスを決
定しなければ、分配端子OUT1とOUT2との間の結合損失を
最大にすることはできない。
【0012】分配端子OUT1とOUT2との間の結合損失を最
大にする条件を求めるには、図5に示すように、分配端
子OUT1から信号源電圧Eを印加した時の各枝路電流を 2
I,I1 2 3 4 とおき、理想トランスのコイルL1
、L2 の誘導起電力をeと置く。すると、次の関係式
が成立する。
【0013】
【数1】 I1 =I4 …(1)
【数2】 2I=I1 +I2 …(2)
【数3】 I2 =I4 +I3 …(3)
【数4】 2R・I+Za・I2 +I3・R=E …(4)
【数5】 R・I1 +e+2R・I=E …(5)
【数6】 R・I1−I3・R=e …(6)
【0014】但し、複素インピーダンスZa は、吸収抵
抗RA とキャパシタCr とを含めた全体のインピーダン
スであり、
【数7】 Za =Ra + jXa …(7) である。
【0015】上式(1)〜(6)を用いて、分配端子OU
T2の端子から負荷Rに流出する電流I3 を信号源電圧E
で表すと、次のようになる。
【数8】 I3 =(2R−Za)E/4R(4R+Za) …(8) (8)式からは、Za =2Rの時に、I3 =0になるこ
とが分かる。しかし、Za は複素数であるので、Xa ≠
0の場合には、Za =2Rの関係式は成立しない。よっ
て、Xa ≠0の場合には、I3 =0とすることはできな
い。しかし、|I3 |の極小値は求めることができる。
【0016】即ち、(8)式のZa に(7)式を代入し
て、I3 の絶対値|I3 |を求め、その|I3 |をRa
,Xa で偏微分して、その偏微分値が零となる条件を
求めれば、|I3|を最小とする条件を求めることがで
きる。
【0017】高周波帯域において、Ra ≫Xa が成立す
るならば(この条件は、10MHz 以上で満足される) 、
|I3 |の極小値は、
【数9】 Ra =2R …(9) の時に実現する。即ち、
【数10】 Ra =Rr ・RA /(Rr +RA ) …(10) であるので、
【数11】 Ra =Rr ・RA /(Rr +RA )=2R …(11)
【数12】 RA =2R・Rr /(Rr −2R) …(12) となるように、吸収抵抗RA のレジスタンスを設定すれ
ば、分配端子間の結合損失を最大とすることができる。
【0018】又、分配トランスTのインピーダンスZr
は、
【数13】 Zr =jωμ’L0 +ωμ”L0 …(13) と書ける。但し、
【数14】 L0=0.2tn2logDo/Di …(14) であり、L0 はフェライトコアの空心インダクタンス、
tはフェライトコアの長さ、nは巻数、Do はフェライ
トコアの外径、Di はフェライトコアの内径である。
【0019】このことから、μ’,μ”が既知の時、|
3 |の最小条件を満たすように、L0 を決定すること
ができる。尚、μ’≪μ”(この条件は、10MHz 以上
で満足される) が満足される周波数帯域を仮定すると、
【数15】 ωμ”L0 =2R …(15) となるように、L0 を設計することで、吸収抵抗がなく
とも、結合損失の大きな分配器を作成することができ
る。
【0020】このようにして設計された図6に示す形状
の分配器を実際に製造して、そのインピーダンスZr の
絶対値を測定した。その測定図を図7に示す。この図7
から約350Ωのインピーダンスが得られていることが
理解される。又、この分配器の結合損失の測定結果を図
8に示す。広帯域に渡って良好な結合損失特定が得られ
ているのが理解される。
【0021】尚、上記の分配器に吸収抵抗RA を接続し
た場合には、その抵抗値RA は次のようになる。図7に
示す測定結果から、等価レジスタンスRr の使用帯域に
おける平均値は350Ωである。よって、R=150Ω
であるので、(13)式から、RA =2100Ωに設定
すれば良いことが分かる。
【0022】又、2100ΩのRA を挿入した分配器の
結合損失特性を測定した。その測定結果を図9に示す。
分配トランスだけの結合損失と比べて、1600MHz 以
下でさらに改善されているのが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、分配トランスの端子間の使用
帯域におけるインピーダンスを求め、そのインピーダン
スのレジスタンスと等しい値を有する等価抵抗と、分配
端子間に挿入される吸収抵抗との並列接続回路のレジス
タンスが、分配端子から負荷側を見たレジスタンスの略
2倍に等しくなるように、吸収抵抗のレジスタンスを決
定することを特徴とする。又、他の発明は、分配器のイ
ンピーダンスのレジスタンスが分配端子から負荷側を見
たレジスタンスの略2倍に等しくなるようにフェライト
コアの材質、寸法を決定することを特徴としている。よ
って、この条件による吸収抵抗のレジスタンスを決定す
ることで、分配端子間の絶縁分離が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る分配器の等価
回路を示した回路図。
【図2】同実施例に係る吸収抵抗を含む分配器の等価回
路を示した回路図。
【図3】フェライトコアの複素透磁率の周波数特性を示
した特性図。
【図4】フェライトコアの複素透磁率の周波数特性に起
因する分配器のインピーダンスの周波数特性を示した特
性図。
【図5】結合損失を最大とするための条件の演算を説明
するための等価回路を示した回路図。
【図6】本実施例の設計思想により製造された分配器の
フェライトコアの形状を示す説明図。
【図7】本実施例の設計思想により製造された分配器の
インピーダンスの絶対値の周波数特性を測定した測定
図。
【図8】本実施例の設計思想により製造された分配器の
端子間結合損失の周波数特性を測定した測定図。
【図9】本実施例の設計思想により製造された吸収抵抗
付の分配器の端子間結合損失の周波数特性を測定した測
定図。
【図10】従来の分配器の等価回路を示した回路図。
【符号の説明】
T−分配トランス R−線路抵抗 Zr −分配トランスの複素インピーダンス Rr −分配トランスのインピーダンスのレジスタンス Xr −分配トランスのインピーダンスのリアクタンス IN−入力端子 OUT1,OUT2 −分配端子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力を分配する分配トランスと、前記分
    配トランスの分配端子間に挿入された吸収抵抗とを有す
    る分配器において、前記端子間の結合損失を所定値以上
    とするように前記吸収抵抗のレジスタンスを決定する方
    法において、 前記分配トランスの前記端子間の使用帯域におけるイン
    ピーダンスを求め、 求められたインピーダンスのレジスタンスと等しい値を
    有する等価抵抗と前記分配端子間に挿入される前記吸収
    抵抗との並列接続回路のレジスタンスが、前記分配端子
    から負荷側を見たレジスタンスの略2倍に等しくなるよ
    うに、前記吸収抵抗のレジスタンスを決定することを特
    徴とする分配器の設計方法。
  2. 【請求項2】 電力を分配する分配トランスを有する分
    配器において、前記端子間の結合損失を所定値以上とす
    る設計方法において、 前記分配トランスの前記端子間の使用帯域におけるイン
    ピーダンスのレジスタンスが、前記分配端子から負荷側
    を見たレジスタンスの略2倍に等しくなるように、フェ
    ライトコアの材質、寸法を決定することを特徴とする分
    配器の設計方法。
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