JPH05129039A - 簡易操作型ターミナル装置およびその製造方法 - Google Patents

簡易操作型ターミナル装置およびその製造方法

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JPH05129039A
JPH05129039A JP31739391A JP31739391A JPH05129039A JP H05129039 A JPH05129039 A JP H05129039A JP 31739391 A JP31739391 A JP 31739391A JP 31739391 A JP31739391 A JP 31739391A JP H05129039 A JPH05129039 A JP H05129039A
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JP
Japan
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lead wire
locking member
contact locking
insertion hole
opening
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JP31739391A
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English (en)
Inventor
Sadao Motoki
貞夫 元木
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Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リード線とターミナル台との接続操作が簡単
で、両者間の電気的な接触状態が常に一定で不用意にリ
ード線が外れたり断線する虞れがなく、しかも低コスト
なターミナル装置とその製造方法を提供する。 【構成】 本ターミナル装置1は、ターミナル台20と
導電性端子板40と圧接係止部材50とコイルばね60
の4個の主要部材から成っている。接続操作に際して、
専用工具103を工具孔22に差し込み右方に倒すよう
にすると、圧接係止部材50がコイルばね60の弾性力
に抗して右方に移動する。すると、圧接係止部材50の
係止開口部55,56がリード線挿通孔26と一致する
ので、リード線101を挿入開口45からリード線挿通
孔26に差し込む。その後、専用工具103を工具孔2
2から引き抜くと、圧接係止部材50が、コイルばね6
0により左方へ移動し、リード線101を導電性端子板
40に圧接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気接続線である多数
のリード線を多数のターミナルにそれぞれ着脱可能に接
続することが必要な電気装置、例えば多点ひずみ測定装
置や多点切換装置(スキャナ)などに使用して好適な簡
易操作型ターミナル装置およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電気接続線であるリード線(以下、単に
「リード線」という)をターミナル装置に接続する場
合、ハンダ付けによって固定的に接続する方法と、小ね
じ部材やねじ付き摘み部材などを利用して着脱可能に接
続する方法とが用いられている。
【0003】このうち、着脱可能式の接続方法では、例
えば一般家庭用の電気製品のアース接続端子などのよう
に、導電性金属から成るターミナル台に予め小ねじ部材
を設けて置き、この小ねじ部材を緩めた状態でリード線
を小ねじ部材の周囲に巻回し、その後、小ねじ部材をド
ライバーなどで回して、リード線をターミナル台に圧着
するような方法(以下、「単純ねじ止め式接続方法」と
いう)がよく知られている。
【0004】また、テレビのアンテナ線の取付けターミ
ナル装置のように、リード線の先端部分に予め「ラグ」
と呼ばれるフォーク状の取付け部品を取付けてラグ付き
リード線となし、導電性金属から成るターミナル台にね
じ込まれているねじ付き摘み部材を緩めてから、ラグを
そのフォーク状部分がねじ付き摘み部材のねじ部分を挟
み込むような状態でねじ付き摘み部材に係接させ、その
後、ねじ付き摘み部材を手指で回して、ラグ付きリード
線をターミナル台に圧着するような方法(以下、「ラグ
利用式接続方法」という)も知られている。
【0005】さらに、通信機器に広く使用されているタ
ーミナル装置のように、ターミナル台に予めリード線挿
通孔を設けて挿通孔付きターミナル台となし、リード線
をリード線挿通孔内に挿通させた後に、ターミナル台に
設けたねじ付き摘み部材(または、小ねじ部材)を回し
て、ねじ付き摘み部材の先端部分でリード線をリード線
挿通孔の内周壁に押圧するようにして、リード線を挿通
孔付きターミナル台に圧着するような方法(以下、「挿
通孔利用式接続方法」という)も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の接続方法を用いたターミナル装置では、いずれの場合
も、ねじ付き摘み部材(または、小ねじ部材)の回転押
圧力によってリード線とターミナル台との接触圧力が決
定されることになるため、微弱電流で作動する精密測定
機器などでは、この回転押圧力のバラつきにより接続部
の電気抵抗値が変化するという現象を生じ、これが測定
精度に悪影響を及ぼすという問題を惹き起す。
【0007】しかも、振動を伴う個所で使用する電気機
器の場合には、機器の振動に伴ってリード線もターミナ
ル台に対して揺れ動くことになるため、単純ねじ止め式
接続方法を用いたケースでは、振動のため、または、ね
じの締付け力の不足のためにリード線がほぐれてターミ
ナル台から外れるという事故を起しがちとなる。
【0008】一方、ラグ利用式接続方法または挿通孔利
用式接続方法を用いたケースでは、振動に伴うリード線
の金属疲労のために、リード線とラグとの間、または、
リード線と挿通孔の縁部との間でリード線が断線し易く
なるという問題をも惹き起すことになる。特に、微弱電
流で作動する精密測定機器の場合には、一般的に細いリ
ード線が用いられるので、この問題を無視することが出
来なくなる。
【0009】さらに、多点ひずみ測定装置や多点切換装
置などのように、機器を使用する度毎に、多数(数百点
に及ぶ場合がある)のリード線をターミナル装置に繰り
返し接続し且つ取り外す必要のある構造の電気機器の場
合には、当然のこととして、その接続作業が煩雑になっ
て作業能率が低下するという問題や、手指によるリード
線の取り扱い頻度が増大することに起因するリード線の
金属疲労の問題などを惹き起すことになる。
【0010】しかも、それだけに留まらず、煩雑さの故
に、前述した測定精度の劣化の問題やリード線の断線事
故の問題などがより多く発生しがちになるという二次的
な問題をも生じさせる虞れが出て来る。
【0011】このような種々の問題を解決するには、そ
れぞれの問題を個別に解決し得る手段を問題の種類毎に
設ければよいが、従来技術を用いてこのように構成する
ことは、ターミナル装置の構造が複雑化し且つコスト的
にも高価になるという別の問題を生じさせることにな
る。
【0012】しかも、たとえこのようなターミナル装置
が実現されたとしても、多数のターミナル装置を必要と
する多点ひずみ測定装置あるいは多点切換装置などに採
用するには、構造的にもコスト的にも不都合なものにな
る。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、リード線とターミナル台との結合ないし接続
動作が簡単で、しかも、リード線とターミナル台との電
気的な接触状態が常に一定となるような、さらには、堅
牢で且つ低コストで実現することの出来る新しい構成の
簡易操作型ターミナル装置およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る簡易操作型
ターミナル装置は、上記の目的を達成させるために、少
なくともターミナル台と導電性端子板と圧接係止部材と
付勢部材との4個の部材を設け、前記ターミナル台は、
前記リード線を挿通させるリード線挿通孔と、このリー
ド線挿通孔の周壁部分を貫通して前記リード線の挿通方
向とほぼ直交する方向に移動する前記圧接係止部材を案
内し得るように穿設された移動案内開口部とを備え、且
つ、電気的絶縁性を有する部材として構成され、前記導
電性端子板は、前記リード線挿通孔の内周壁面の一部を
構成するような状態で前記ターミナル台に結合され、且
つ、前記ターミナル台の移動案内開口部に対応する位置
に、前記圧接係止部材をリード線の挿通方向とほぼ直交
する方向に通過させ得る構造の通過開口部を有する部材
として構成され、前記圧接係止部材は、前記ターミナル
台の移動案内開口部内および前記導電性端子板の通過開
口部内を通過する状態で、初期位置である第一位置と作
用位置である第二位置との間を前記リード線の挿通方向
とほぼ直交する方向に前記ターミナル台および前記導電
性端子板に対して相対往復移動可能であるように、且
つ、前記リード線の挿通方向とほぼ直交する自身の面上
に形成され、自身が第一位置から第二位置に移動したと
きには、前記リード線挿通孔に対して前記リード線の挿
通方向に連通し、自身が第二位置から第一位置に復帰し
ようとするときには、その復帰動作の過程において、前
記導電性端子板の通過開口部の開口縁と自身の開口縁と
の間で前記リード線挿通孔に挿通された前記リード線を
圧接的に挟持し得る構造の係止開口部を有するような部
材として構成され、前記付勢部材は、前記圧接係止部材
を所定の付勢力でその第一位置に移動し得るような部材
として構成されたことを特徴としたものである。
【0015】また、本発明に係る簡易操作型ターミナル
装置の製造方法は、上記の目的を達成させるために、接
続対象物であるリード線を挿通させるリード線挿通孔を
有するターミナル台を絶縁性材の成型加工物として製作
し、前記リード線挿通孔内に取付けられ且つ前記リード
線と圧接的に接続する導電性端子板を、導電性の板材を
プレス工法で加工して製作し、互いに平行に位置する上
下一対の脚部を有し、且つ、前記ターミナル台および前
記導電性端子板に対して、第一位置と第二位置との間で
前記リード線の挿通方向と直交する方向にリード線挿通
孔を貫通する状態で往復移動し得る圧接係止部材を、板
材のプレス工法または成形加工法を用いて製作し、この
圧接係止部材を第一位置の方向に付勢する付勢部材をピ
アノ線の巻回工法または合成樹脂材のばね部材として製
作し、しかも、前記ターミナル台に、少なくとも前記圧
接係止部材の上下一対の脚部を案内し得る構造を有する
一対の摺動案内孔を、成型工法により形成し、前記ター
ミナル台の一対の摺動案内孔に対応する前記導電性端子
板上の位置に、前記圧接係止部材の上下一対の脚部を通
過させ得る構造を有する一対の通過開口部を、プレス工
法により形成し、前記圧接係止部材に、この圧接係止部
材が第二位置に在るときには、リード線挿通孔と前記リ
ード線の挿通方向に連通し、且つ、前記圧接係止部材が
前記付勢部材の付勢力によって第二位置から第一位置に
復帰するときには、前記導電性端子板の一対の通過開口
部の開口縁と自身の開口縁との間で、リード線挿通孔内
に挿入された前記リード線を圧接的に挟持し得る構造を
有する一対の係止開口部を、プレス工法または成型工法
により形成し、さらに、前記ターミナル台と前記導電性
端子板とを導電性端子板の部分的変形作用によって固定
的に結合し、前記付勢部材を取り付けた状態の前記圧接
係止部材を、その一対の脚部を前記導電性端子板の一対
の通過開口部内および前記ターミナル台の一対の摺動案
内孔内を通過させることにより、前記圧接係止部材に前
記導電性端子板付きのターミナル台を一時的に組合わ
せ、このようにして前記ターミナル台に組合わされた前
記圧接係止部材を、自身の部分的変形作用によって前記
ターミナル台に往復移動可能に且つ離脱可能に取付ける
と共に、その変形後の部分を第一位置に移動する際の自
身の移動制限部として利用するように構成したことを特
徴としたものである。
【0016】
【作用】上記のように構成された簡易操作型ターミナル
装置において、リード線をこの簡易操作型ターミナル装
置に接続するときには、例えばドライバー状の専用工具
を使用して圧接係止部材をその自由状態位置から押し込
み位置に移動させて、一対の係止開口部とリード線挿通
孔とが上下方向で連通するようになし、この状態で、リ
ード線をリード線挿通孔内に挿入すると共に圧接係止部
材の一対の係止開口部をも通り抜けさせる。
【0017】その後、専用工具を外すことにより圧接係
止部材を付勢部材の付勢力によって自由状態位置に復帰
させ、この復帰動作の過程において、一対の係止開口部
の開口縁と導電性端子板の一対の通過開口部の開口縁と
の間で、リード線挿通孔内に挿入されたリード線を圧接
的に挟持させ、リード線と導電性端子板とをコイルばね
の一定の付勢力によって電気的に且つ確実に接続させる
ようにする。
【0018】また、接続したリード線を簡易操作型ター
ミナル装置から取外すときには、前述の接続操作を逆に
行うようにする。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る簡易操作型ターミナル装
置を、例えば多点ひずみ測定装置に使用する場合の実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の簡易操作型タ
ーミナル装置に係る第一実施例の基本構成を示す主要断
面図であり、図2〜5は、ターミナル台の詳細構造を示
し、このうち、図2は、その平面図、図3は、左側面
図、図4は、A−A′線断面図、図5は、A−A′線で
破断して示す斜視図である。
【0020】図中、1は横方向に連結された5個の単位
ターミナル装置から成る5連型の簡易操作型ターミナル
装置で、それぞれの単位ターミナル装置は、いずれも同
一構造のものとして構成されている。従って、以後の説
明では、1個の単位ターミナル装置を代表として選び、
これに基づいて説明することにする。
【0021】この5連型の簡易操作型ターミナル装置を
構成する5個の単位ターミナル装置1は、いずれも、タ
ーミナル台20と導電性端子板40と圧接係止部材50
と付勢部材としてのコイルばね60との4部材から構成
されている。
【0022】主体となるターミナル台20は、図2〜図
5に示すように、5個のものが横方向に一体的に連結さ
れた5連のターミナル台として構成されるが、一つ一つ
のターミナル台20は、図4および図5に示すように、
全体的には直方体の部材として、例えば合成樹脂材のよ
うな絶縁材料から成る成型物として構成されている。
【0023】21はこのターミナル台20の左側部分
(図上)に形成された操作空間部で、その左側面と上側
面とが開いた直方体空間として構成されている。22は
操作空間部21の下側面21aに穿設された工具孔で、
例えば小判型の開口を有する変形円筒空間として構成さ
れている。
【0024】23は前述の圧接係止部材50を左右方向
に摺動可能に収容するための圧接係止部材収容部で、操
作空間部21と連通する直方体空間としてターミナル台
20の中央部分に形成され、その上側面23aと下側面
23bとがそれぞれ圧接係止部材50に対する摺動案内
面となるように構成されている。
【0025】24および25は圧接係止部材50の長脚
部52および短脚部53をそれぞれ摺動可能に案内する
上側摺動案内孔および下側摺動案内孔で、いずれも、タ
ーミナル台20の右側面から圧接係止部材収容部23の
右側面に連通する扁平状の直方体空間として互いに平行
に構成されている。
【0026】この場合、上側摺動案内孔24の上側面2
4aは、圧接係止部材収容部23の上側面23aと同一
平面(連続した摺動案内面)になるように、また、下側
摺動案内孔25の下側面25aは、圧接係止部材収容部
23の下側面23bと同一平面(連続した摺動案内面)
になるようにそれぞれ構成されることになる。
【0027】26は、例えばひずみゲージのリード線1
01を上方から挿入し得るように構成されたリード線挿
入孔で、ターミナル台20の右側部分において、その上
面から底面まで貫通する半円形(またはD字形)の開口
(断面形状)を持つ挿入孔として構成されている。な
お、このリード線挿入孔26の開口形状には、必要に応
じて適宜の形状を採用することが出来る。
【0028】そして、このリード線挿入孔26の上部開
口縁には、リード線101が頻繁に接触しても、リード
線101側に簡単に疲労断線が生じないような曲面形状
を有する適宜のテーパー曲面部26aが形成されてい
る。
【0029】27は前述の導電性端子板40を挿入的に
結合するための取付け空間部で、リード線挿入孔26の
左側部分(図上)に沿ってターミナル台20の上面から
底面まで貫通する扁平な直方体空間として形成されてい
る。
【0030】28はターミナル台20の上面に設けられ
た上面段差部で、前述の導電性端子板40がターミナル
台20に結合されたときに、導電性端子板40の短辺部
41をターミナル台20の上面から突出させないための
ものであり、その深さは、導電性端子板40の板厚より
やや大きい寸法に設定されている。
【0031】なお、この上面段差部28は、図示実施例
ではターミナル台20上面の全長に亘って形成されてい
るが、導電性端子板40の大きさに合せた領域だけに設
けるだけでもよい。
【0032】29はターミナル台20の底面の2個所に
設けられた一対の底面段差部で、導電性端子板40がタ
ーミナル台20に結合されたときに、導電性端子板40
の長辺部42に形成され組付後に折曲される係止固定部
48をターミナル台20の下面から突出させないための
ものであり、その深さは、上面段差部28と同様に導電
性端子板40の板厚よりやや大き目の深さに設定されて
いる。
【0033】一方、前述の導電性端子板40は、図6〜
図9に示すように、扁平な断面形状を有する導電性材料
(例えば、黄銅板材)をプレス工法を用いて直角に折り
曲げて作った逆L字型の部材として構成されている。
【0034】この導電性端子板40は、折り曲がり部分
を挟んで短い辺部分(以下、「短辺部」という)41と
長い辺部分(以下、「長辺部」という)42とに分けら
れ、この導電性端子板40がターミナル台20に結合さ
れた状態では、図1に示すように、長辺部42がターミ
ナル台20の取付け空間部27内に挿入されて、長辺部
42の右側面42aがターミナル台20のリード線挿入
孔26の左側内周壁面に相当する平面になるように、ま
た、短辺部41がターミナル台20の上面段差部28内
に入り込むように構成されている。
【0035】この場合、長辺部42の下端部は、ターミ
ナル台20の底面から長く突出するように構成され、し
かも、その先端部分は、下側ハンダ付け部43として構
成されている。
【0036】この下側ハンダ付け部43は、例えば多点
ひずみ測定装置(図示せず)の取付け線102をハンダ
付けするときの個所として利用される。44は導電性端
子板40の短辺部41の先端部分の両側に起立的に設け
られた上側ハンダ付け部で、プレス工法を用いて形成さ
れている。
【0037】45は前述のリード線101をターミナル
台20のリード線挿入孔26に挿入するときの挿入開口
で、導電性端子板40の折り曲がり部分に接する短辺部
41に設けられている。
【0038】この場合、挿入開口45の形状および大き
さは、ターミナル台20のリード線挿入孔26に形成さ
れたテーパー曲面部26aの形状および大きさに合うよ
うに形成され、また、その開口縁には、リード線101
が頻繁に接触しても簡単に疲労断線が生じないようにテ
ーパ面あるいは曲面の面取りが施されている。
【0039】46および47は前述の圧接係止部材50
の長脚部52および短脚部53をそれぞれ緩く通過させ
るために導電性端子板40に設けられた上側通過開口部
および下側通過開口部で、導電性端子板40がターミナ
ル台20に結合された状態では、図1に示すように、上
側通過開口部46がターミナル台20の上側摺動案内孔
24と、また、下側通過開口部47がターミナル台20
の下側摺動案内孔25に対向する位置に位置するように
構成されている。
【0040】また、それぞれの通過開口部46および4
7の開口形状および大きさは、上側摺動案内孔24およ
び下側摺動案内孔25の開口形状・大きさよりも多少大
き目の寸法に設定されている。
【0041】48は導電性端子板40をターミナル台2
0に固定するために設けられた一対の係止固定部で、長
辺部42のほぼ中間の位置にそれぞれ下向きに突出する
ように形成されている。
【0042】この一対の係止固定部48は、製造時に
は、図6の実線で示すように長辺部42と同一平面にな
るように形成され、導電性端子板40がターミナル台2
0に結合されたときには、図6の二点鎖線および図1に
示すように、適宜の方法により短辺部41の伸びる方向
に且つターミナル台20の一対の底面段差部29に入り
込むように直角に折り曲げられるように構成されてい
る。
【0043】すなわち、折り曲げ後の係止固定部48′
の上面と短辺部41の下面とでターミナル台20の底面
段差部29と上面段差部28とを挟み付けることによ
り、導電性端子板40をターミナル台20に固定し得る
ように構成されている。
【0044】すなわち、折り曲げ後の係止固定部48′
の上面と短辺部41の下面とでターミナル台20の底面
段差部29と上面段差部28とを挟み付けることによ
り、導電性端子板40をターミナル台20に固定し得る
ように構成されている。
【0045】一方、圧接係止部材50は、図14に示す
ような状態で導電性端子板40と組合わされる部材とし
て構成されている。すなわち、この圧接係止部材50
は、絶縁材料または導電性材料(例えば、銅材または黄
銅板材)をプレス工法を用いて直角に折り曲げて作った
横向きU字型の部材として構成され、また、中間に形成
された端面部51を介して、上側に位置する長脚部52
と下側に位置する短脚部53とが互いに平行になるよう
に構成されている。
【0046】この場合、長脚部52の断面形状は、導電
性端子板40の上側通過開口部46を通過してターミナ
ル台20の上側摺動案内孔24内に摺動可能に嵌合し得
る形状に、また、短脚部53の断面形状は、下側通過開
口部47を通過してターミナル台20の下側摺動案内孔
25内に摺動可能に嵌合し得る形状にそれぞれ構成され
て、さらに、長脚部52の上面が圧接係止部材収容部2
3の上側面23aと、短脚部53の下面が圧接係止部材
収容部23の下側面23bとそれぞれ摺動可能に接触す
るように構成されている。
【0047】そして、ターミナル台20の一対の摺動案
内孔24・25内および導電性端子板40の一対の通過
開口部46・47内をそれぞれ通過する状態で、初期位
置である第一位置と作用位置である第二位置との間を、
リード線101の挿通方向とほぼ直交する方向に、ター
ミナル台20および導電性端子板40に対して相対往復
移動し得るように構成されている。
【0048】54は圧接係止部材50の左方向(図1
上)への移動量を制限するための抜け止め部で、前述の
長脚部52の先端部分に設けられている。この抜け止め
部54は、製造時には図10および図11に示すように
長脚部52と同一平面になるように形成され、圧接係止
部材50が導電性端子板40を通過してターミナル台2
0に結合された後に、図12の点線および図1に示す抜
け止め部材54′のように、適宜の方法により上方に折
り曲げられるように構成されている。
【0049】すなわち、圧接係止部材50がコイルばね
60の付勢力により左方向に移動する際に、折り曲げ後
の抜け止め部54′がターミナル台20の右側面に当接
した位置(第一位置)で、圧接係止部材50を強制的に
停止させ得るように構成されている。
【0050】55は圧接係止部材50の長脚部52に設
けられた上側係止開口部で、導電性端子板40の上側通
過開口部46との協同挟み込み作用によって、リード線
101の一部分を圧接的に係止し得る開口部として形成
されている。
【0051】56は圧接係止部材50の短脚部53に設
けられた下側係止開口部で、導電性端子板40の下側通
過開口部47との協同挟み込み作用により、リード線1
01の他の一部分を圧接的に係止し得る開口部として形
成されている。
【0052】この2つの係止開口部55・56は、図1
1に示すように、互いに連続したほぼ三角形の領域(以
下、「三角形領域」という)55a・56aと、ほぼ四
角形の領域(以下、「四角形領域」という)55b・5
6bとから成るほぼ五角形(ホームベース形)の開口部
として形成されている。
【0053】この場合、三角形領域55a・56aは、
圧接係止部材50がその第一位置から第二位置に移動し
たときには、リード線挿通孔26に対してリード線10
1の挿通方向に連通し、逆に、圧接係止部材50が第二
位置から第一位置に復帰しようとするときには、その復
帰動作の過程において、導電性端子板40の一対の通過
開口部46・47の開口縁と三角形領域55a・56a
の頂点近傍の開口縁との間で、リード線挿通孔26に挿
通されたリード線101を集約的に且つ圧接的に挟持し
得るように構成されている。
【0054】また、四角形領域55b・56bは、左端
部から中央部にかけての開口領域として形成され、その
領域の大きさは、リード線挿入孔26の直径とほぼ同じ
大きさになるように構成されている。
【0055】しかも、長脚部52上での上側係止開口部
55の形成位置と短脚部53上での下側係止開口部56
の形成位置、および、この2つの係止開口部55・56
とターミナル台20のリード線挿入孔26との関係位
置、並びに、圧接係止部材50の移動量は、それぞれ次
の通りに設定されている。すなわち、 (a) 圧接係止部材50が図1の第一位置に在るとき
には、2つの係止開口部55・56の三角形領域55a
・56aの開口領域が、導電性端子板40の長辺部の右
側面42a(リード線挿入孔26の左側内周壁面に相当
する平面)とほぼ一致するような関係位置に位置するよ
うに設定されている。
【0056】(b) 圧接係止部材50が、その第一位
置から所定量だけ右方に押し込まれた位置(第二位置)
に在るときには、それぞれの係止開口部55・56の左
端部から中央部にかけての開口領域(ほぼ四角形領域)
とターミナル台20のリード線挿入孔26とが上下方向
に連通するような関係位置に設定される。
【0057】換言すれば、圧接係止部材50が第二位置
に移動したときには、導電性端子板40の挿入開口45
を経て挿入されたリード線101が、ターミナル台20
のリード線挿入孔26内において、圧接係止部材50の
上側係止開口部55内および下側係止開口部56内を順
次に通過してそのまま下方に通り抜けられるように構成
されている。
【0058】(c) 圧接係止部材50が、その第二位
置から第一位置に復帰しようとするときには、図15に
示すように、上側係止開口部55の三角形領域55aと
導電性端子板40の上側通過開口部46との間で、ま
た、下側係止開口部56の三角形領域56aと導電性端
子板40の下側通過開口部47との間で、リード線10
1をそれぞれ集約的に且つ圧接的に屈曲挟持し得るよう
に設定されている。
【0059】さて、前述したコイルばね60は、所定の
付勢力を発生し得る適宜の圧縮ばねとして構成され、圧
接係止部材50がターミナル台20および導電性端子板
40と組合わせられるときに、圧接係止部材50の内部
において、その端面部51と導電性端子板40の長辺部
42との間に介在設置されることになる。なお、このコ
イルばね60は、適宜のピアノ線や弾性質の合成樹脂線
により作られることになる。
【0060】次に、このような構成の簡易操作型ターミ
ナル装置1の製造方法について説明する。先ず、各部材
20・40・50・60をそれぞれの工法、すなわち、
ターミナル台20は、合成樹脂材を用いた成型工法で、
逆L字型の導電性端子板40とU字型の圧接係止部材5
0とは、適宜の金属板材を用いたプレス工法で、また、
コイルばね60は、ピアノ線を巻回する工法でそれぞれ
製作する。
【0061】次に、下側ハンダ付け部43を下に向けた
状態で導電性端子板40をターミナル台20の取付け空
間部27内に挿入し、短辺部41をターミナル台20の
上面段差部28内に入り込ませた状態で一対の係止固定
部48をそれぞれ右方向に直角に折り曲げて、折り曲げ
後の係止固定部48′をターミナル台20の底面段差部
29内に位置させるようにする。
【0062】この結果、導電性端子板40は、短辺部4
1と折り曲げ後の係止固定部48′とでターミナル台2
0を挟み付ける状態となって、ターミナル台20に強固
に固定されることになり、また、この状態では、導電性
端子板40の上側通過開口部46と下側通過開口部47
とが、それぞれターミナル台20の上側摺動案内孔24
と下側摺動案内孔25とに連通する前述の対応位置に位
置することになる。
【0063】一方、コイルばね60を、そのばね軸が圧
接係止部材50の長脚部52および短脚部53と平行に
なるような状態で圧接係止部材収容部23内にセット
し、この状態で、圧接係止部材50とコイルばね60と
を導電性端子板40付きのターミナル台20に取り付け
る。
【0064】すなわち、コイルばね60を取付けた圧接
係止部材50を、その長脚部52および短脚部53を先
頭にして操作空間部21から圧接係止部材収容部23内
に位置させ、この状態で、圧接係止部材50の長脚部5
2を導電性端子板40の上側通過開口部46を経てター
ミナル台20の上側摺動案内孔24内に、また、短脚部
53を導電性端子板40の下側通過開口部47を経てタ
ーミナル台20の下側摺動案内孔25内に差し込んで、
圧接係止部材50をターミナル台20と一時的に組合わ
せ、引き続いて、圧接係止部材50の長脚部52の先端
部分を上側摺動案内孔24からターミナル台20の右側
外方に突出させると共に、この状態で、長脚部52の抜
け止め部54を直角に折り曲げて、圧接係止部材50が
ターミナル台20から離脱しないように組合わせる。
【0065】この結果、折り曲げ後の抜け止め部54′
は、圧接係止部材50がその第一位置の方向に移動する
際の移動制限部の役割りをも果すことになり、自由状態
においては、コイルばね60の付勢力によって圧接係止
部材50が第一位置に位置するようになる。なお、この
状態では、圧接係止部材50と導電性端子板40とが図
14に示すような状態に組合わされることになる。
【0066】このような作業を5連型の各ターミナル台
20毎に実施して5連型の簡易操作型ターミナル装置1
を完成させる。以下、この簡易操作型ターミナル装置1
の使用方法について説明する。
【0067】前述のようにして製造した5連型の簡易操
作型ターミナル装置1を、先ず多点ひずみ測定装置(図
示せず)の所定個所に取付け、その後、ターミナル台2
0の底面から突出している導電性端子板40の下側ハン
ダ付け部43に、多点ひずみ測定装置側の取付け線10
2をハンダ付け法で接続する。
【0068】次いで、図1に示すように、ドライバー状
の専用工具103をターミナル台20の上方から操作空
間部21内に差し入れて、その先端部103aを圧接係
止部材50の端面部51と工具孔22との間に差し込
む。そして、この状態において、工具孔22に接した先
端部103aを回転支点として専用工具103を時計方
向に倒すように操作する。
【0069】このような操作が行われると、専用工具1
03の中間部分103bが圧接係止部材50の端面部5
1を右方向(図上)に押圧することになるから、圧接係
止部材50は、圧接係止部材収容部23の上側面23a
および下側面23bと、ターミナル台20の上側摺動案
内孔24の上側面24aおよび下側摺動案内孔25の下
側面25aとを摺動案内面として、右方向に移動するこ
とになる。
【0070】従って、圧接係止部材50の一対の係止開
口部55・56の四角形領域55b・56bがリード線
挿入孔26と上下方向に連通する作用位置(第二位置)
まで移動した時点で、専用工具103の押圧動作を停止
し、この状態で、ひずみゲージのリード線101を導電
性端子板40の挿入開口45からリード線挿入孔26内
に挿入する。
【0071】この場合、圧接係止部材50の2つの係止
開口部55・56とリード線挿入孔26とが上下方向に
連通している関係で、リード線101は、リード線挿入
孔26内において、この2つの係止開口部55・56内
を順次に通過してそのまま下方に向うことになる。
【0072】さて、リード線101がリード線挿入孔2
6内において2つの係止開口部55・56内を通過した
ことを確認したならば、専用工具103を反時計方向に
戻したうえ、工具孔22および操作空間部21から引き
抜くように操作する。このような操作が行われると、圧
接係止部材50は、コイルばね60の付勢力によって第
二位置から第一位置に復帰しようとする。
【0073】しかし、このときには、リード線101が
圧接係止部材50の2つの係止開口部55・56内に介
在しているため、圧接係止部材50の第一位置への復帰
の過程で、2つの係止開口部55・56の三角形領域5
5a・56aが、それぞれの頂点近傍部分にリード線1
01を集約しつつ、リード線101をを導電性端子板4
0の一対の通過開口部46・47内に引き込むように作
用する。
【0074】その結果、リード線101は、図15に示
すように、上側係止開口部55の三角形領域55aと導
電性端子板40の上側通過開口部46との間、および、
下側係止開口部56の三角形領域56aと導電性端子板
40の下側通過開口部47との間の2個所において、両
方の部材50・40により集約的に且つ圧接的に屈曲挟
持されることになり、また、圧接係止部材50は、第一
位置に近い位置(係止状態位置)に復帰することにな
る。すなわち、リード線101と導電性端子板40と
は、コイルばね60の一定の付勢力によって電気的に確
実に接続されることになる。
【0075】しかも、この接続状態では、振動または作
業中の手指の動きなどの外力によりリード線101が上
下または左右に揺れても、リード線101が、リード線
挿入孔26のテーパー曲面部26aまたは導電性端子板
40の挿入開口45の開口縁に形成された曲面の面取り
部分に馴染む状態で接触することになるので、たとえ両
者の接触頻度が高くとも、リード線101側に断線事故
の生じる虞れが極めて少ない状態となる。
【0076】ところで、このようにして接続されたリー
ド線101を簡易操作型ターミナル装置1から取外すに
は、前述した接続操作を逆に実行する。すなわち、専用
工具103の先端部103aを圧接係止部材50の端面
部51と工具孔22との間に差し込み、接続作業の場合
と同様に、専用工具103の中間部分103bで圧接係
止部材50を右方向に移動させ、圧接係止部材50の2
つの係止開口部55・56とリード線挿入孔26とが上
下方向で連通した位置(第二位置)で専用工具103を
停止させ、この状態でリード線101を上方に引き抜
く。
【0077】そして、リード線101を引き抜いた後
は、専用工具103の先端部103aを工具孔22から
抜く操作を行って、コイルばね60の付勢力で圧接係止
部材50をその第二位置から第一位置に復帰させる。
【0078】ところで、図16および図17に示すの
は、本発明の第二実施例である簡易操作型ターミナル装
置で、ドライバー状の専用工具103の代りに、ターミ
ナル台側に設けた摘み操作部材により圧接係止部材50
を押圧操作し得るように構成した場合の実施例である。
【0079】図中、20′は第二実施例の簡易操作型タ
ーミナル装置1′に用いるターミナル台である。このタ
ーミナル台20′には、第一実施例のターミナル台20
が備えているような操作空間部21および工具孔22が
設けられておらず、代って、圧接係止部材収容部23が
ターミナル台20′の左側面に至るまでの収納空間とし
て形成されている。なお、その他の構造については、第
一実施例のターミナル台20と同じに構成されている。
【0080】70はこのターミナル台20′の左側部分
に回転可能に設けられた摘み操作部材で、上端部分に板
状の摘み部71を有し、中間部分にカム部72と上側軸
部73を有し、下端部分に下側軸部74を有する部材と
して構成されている。
【0081】この場合、カム部72は、圧接係止部材5
0の第一位置を設定する短カムと、圧接係止部材50の
第二位置を設定する長カムとが、互いに直交する方向に
形成されたカム部として形成され、且つ、コイルばね6
0の付勢力により常に圧接係止部材50の端面部51と
圧接し得るように構成されている。また、上側軸部73
および下側軸部74は、ターミナル台20′に設けられ
た軸受け孔で回転可能に軸支されるように構成されてい
る。
【0082】この実施例では、先ず、摘み部71をいず
れかの方向に90度回して、図16の位置(第一位置)
に在る摘み操作部材70を、コイルばね60の付勢力に
抗して第二位置に移動させるように操作する。
【0083】そして、摘み操作部材70がその第二位置
まで移動すると、前述したように、圧接係止部材50の
2つの係止開口部55・56とターミナル台20′のリ
ード線挿入孔26とが上下方向に連通するようになるか
ら、この状態においてリード線101をリード線挿入孔
26内に挿入し、その後に、摘み部71を再びいずれか
の方向に90度回転操作する。
【0084】このように操作すると、摘み操作部材70
が、コイルばね60の付勢力によって第二位置から第一
位置に復帰しようとするが、このときには、リード線1
01が圧接係止部材50の上下の係止開口部55・56
内に介在している関係で、リード線101は、前述した
ように圧接係止部材50と導電性端子板40との間で圧
接的に屈曲挟持されることになる。
【0085】すなわち、第一実施例の場合と同様に、リ
ード線101と導電性端子板40とは、コイルばね60
の一定の付勢力によって電気的に且つ確実に接続される
ことになる。
【0086】以上二つの実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で、種々に変形実施することが可能であ
ることを付記する。
【0087】例えば、図示実施例では、合成樹脂製のタ
ーミナル台20と金属板製の導電性端子板40とを組立
ての段階で結合するように構成してあるが、導電性端子
板40に相当する導電性部材を、一体成型法を用いて予
めターミナル台20のリード線挿入孔26に埋設的に設
けることも出来る。
【0088】この場合には、導電性端子板40に相当す
る導電性部材を小さな部材として構成することが可能と
なり、さらに、組立て作業がその分だけ簡素化されるこ
とになる。
【0089】また、本発明は、ひずみ測定装置や多点切
換装置(スキャナ)のターミナル装置として適用し得る
のみならず、他の電子機器にも適用できる。また、新た
に製作する機器のターミナル装置として適用し得るのみ
ならず、従来の、例えば、ひずみ測定装置に既に設けら
れているターミナル装置の上部に重ねて設置するように
構成することもできるし、既設のターミナル装置を取外
してそれに代えて本発明に係るものを設置することもで
きる。
【0090】また、図示実施例では、リード線101を
リード線挿入孔26内の2個所で屈曲挟持するように構
成してあるが、1個所で屈曲挟持するようにしても、ま
た、3個所以上で屈曲挟持するように構成してもよい。
【0091】また、図示実施例では、圧接係止部材50
をプレス工法で製作するように構成しているが、合成樹
脂材または金属材の成型物として製作してもよい。
【0092】また、図示実施例では、圧接係止部材50
を付勢する手段として圧縮性のコイルばね60を使用し
ているが、これの代りに、例えば引っ張り性のコイルば
ねや他形式のばね手段を使用することも出来る。
【0093】また、第一実施例では、ターミナル台20
に操作空間部21と工具孔22とを設け、操作空間部2
1を介してドライバー状の専用工具103の先端部10
3aを工具孔22に差し込み、専用工具103の中間部
分103bで圧接係止部材50を押圧することによりこ
れを移動させるように構成しているが、本発明の簡易操
作型ターミナル装置では、他の手段(例えば、指先な
ど)を用いて圧接係止部材50を移動させるように構成
することも可能であるから、操作空間部21および工具
孔22の存在は本発明の必須条件ではないことを付記す
る。
【0094】また、図示実施例では、5連型の簡易操作
型ターミナル装置について説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではないことも付記する。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、下
記のような種々の優れた効果を奏し得る簡易操作型ター
ミナル装置を提供できる。
【0096】(A) 圧接係止部材を第一位置と第二位
置との間で往復移動させるだけの簡単な操作により、リ
ード線を着脱することが可能になる。
【0097】その結果、従来のこの種装置に比べて操作
性が著しく向上することになり、特に、接続個所が多数
箇所にも及ぶ多点ひずみ測定装置、多点切換装置(スキ
ャナ)などに本発明を適用した場合には、その効果が絶
大なものになる。
【0098】(B) リード線をターミナル装置に接続
したときには、圧接係止部材を第一位置に復帰させる付
勢部材の付勢力を使用して、リード線をターミナル装置
(導電性端子板)に集約的に屈曲挟持させることが可能
になるため、リード線とターミナル装置との接触圧力
を、リード線を確実に保持するのに必要な圧力に設定す
ることが充分に可能になり、更には、リード線のほぐれ
(解れ)現象を防止することも可能になる。
【0099】(C) また、リード線とターミナル装置
との間に生じる接触圧力が常に一定に保たれることにも
なるため、従来のこの種装置に生じ勝ちな、リード線と
ターミナル装置との接触圧力のバラ付きに伴う測定値
(抵抗値)の変動を防止することが可能になる。
【0100】(D) ターミナル台のリード線挿入孔ま
たは導電性端子板の挿入開口の大きさを充分に大きく設
定し得るため、これらの挿入側の開口縁に、リード線の
疲労断線防止のための曲面状の面取り部を形成すること
が容易となって、ターミナル装置としての寿命を大巾に
伸ばすことが可能になる。
【0101】(E) 本発明の簡易操作型ターミナル装
置は、基本的に4個の構成部材で構成することが可能で
あり、しかも、この4個の構成部材を、いずれも多量生
産に適する成形加工法またはプレス加工法で製作するこ
とが可能になるため、従来のこの種装置に比べて生産能
率が著しく高くなり且つコスト的にも有利になるという
効果を奏することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の簡易操作型ターミナル装置に係る第一
実施例の基本構成を示す主要断面図である。
【図2】図1の簡易操作型ターミナル装置に用いる5連
型のターミナル台の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す実施例の左側面図である。
【図4】図2のA−A′線矢視方向断面図である。
【図5】図2のA−A′線で破断して示す斜視図であ
る。
【図6】図2〜図5に示すターミナル台に結合される導
電性端子板の構成を示す斜視図である。
【図7】図6の左側面図である。
【図8】図6の正面図である。
【図9】図6の平面図である。
【図10】図2〜図5に示すターミナル台および図6〜
図9に示す導電性端子板に組合わされる圧接係止部材の
構成を示す斜視図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】図10の正面図である。
【図13】図10の左側面図である。
【図14】図6の導電性端子板と図10の圧接係止部材
との組合わせ状態を説明するための斜視図である。
【図15】図1に示す簡易操作型ターミナル装置におけ
るリード線の芯線の屈曲挟持作用を説明するための作用
説明図である。
【図16】本発明の第二実施例に係る簡易操作型ターミ
ナル装置の部分構成を示す部分断面図である。
【図17】図16の簡易操作型ターミナル装置に用いる
摘み操作部材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・1′ 簡易操作型ターミナル装置 20・20′ ターミナル台 21 操作空間部 22 工具孔 23 圧接係止部材収容部 24 上側摺動案内孔 25 下側摺動案内孔 26 リード線挿入孔 26a テーパー曲面部 27 取付け空間部 28 上面段差部 29 底面段差部 40 導電性端子板 41 短辺部 42 長辺部 43 下側ハンダ付け部 44 上側ハンダ付け部 45 挿入開口 46 上側通過開口部 47 下側通過開口部 48 係止固定部 48′折り曲げ後の係止固定部 50 圧接係止部材 51 端面部 52 長脚部 53 短脚部 54 抜け止め部 54′ 折り曲げ後の抜け止め部 55 上側係止開口部 56 下側係止開口部 55a・56a 三角形領域 55b・56b 四角形領域 60 コイルばね(付勢部材) 70 摘み操作部材 71 摘み部 72 カム部 101 ひずみゲージのリード線 102 多点ひずみ測定装置の取付け線 103 ドライバー状の専用工具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続対象物であるリード線を着脱可能に
    接続するターミナル装置において、 少なくともターミナル台と導電性端子板と圧接係止部材
    と付勢部材との4個の部材を設け、 前記ターミナル台は、前記リード線を挿通させるリード
    線挿通孔と、このリード線挿通孔の周壁部分を貫通して
    リード線の挿通方向とほぼ直交する方向に移動する前記
    圧接係止部材を案内し得るように穿設された移動案内開
    口部とを備え、且つ、電気的絶縁性を有する部材として
    構成され、 前記導電性端子板は、前記リード線挿通孔の内周壁面の
    一部を構成するような状態で前記ターミナル台に結合さ
    れ、且つ、前記ターミナル台の移動案内開口部に対応す
    る位置に、前記圧接係止部材をリード線の挿通方向とほ
    ぼ直交する方向に通過させ得る構造の通過開口部を有す
    る部材として構成され、 前記圧接係止部材は、前記ターミナル台の移動案内開口
    部内および前記導電性端子板の通過開口部内を通過する
    状態で、初期位置である第一位置と作用位置である第二
    位置との間を前記リード線の挿通方向とほぼ直交する方
    向に前記ターミナル台および前記導電性端子板に対して
    相対往復移動可能であるように、且つ、前記リード線の
    挿通方向とほぼ直交する自身の面上に形成され、自身が
    第一位置から第二位置に移動したときには、前記リード
    線挿通孔に対して前記リード線の挿通方向に連通し、自
    身が第二位置から第一位置に復帰しようとするときに
    は、その復帰動作の過程において、前記導電性端子板の
    通過開口部の開口縁と自身の開口縁との間で前記リード
    線挿通孔に挿通された前記リード線を圧接的に挟持し得
    る構造の係止開口部を有するような部材として構成さ
    れ、 前記付勢部材は、前記圧接係止部材を所定の付勢力でそ
    の第一位置に移動し得るような部材として構成されたこ
    とを特徴とする簡易操作型ターミナル装置。
  2. 【請求項2】 前記圧接係止部材の係止開口部は、互い
    に連続したほぼ四角形の領域とほぼ三角形の領域とから
    成る開口部として形成され、圧接係止部材が第二位置か
    ら第一位置に復帰する過程において、前記導電性端子板
    の通過開口部の開口縁と自身の開口縁との間でリード線
    を圧接的に挟持したときには、リード線を前記三角形領
    域の頂点近傍で集約的に圧接し得るように構成したこと
    を特徴とする請求項1に記載された簡易操作型ターミナ
    ル装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性端子板は、前記ターミナル台
    のリード線挿通孔の挿入側開口を覆うような略逆L字形
    状の部材として構成され、且つ、リード線挿通孔の挿入
    側開口を覆う部分に、前記リード線をリード線挿通孔に
    導入し得る挿入開口が形成されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載された簡易操作型ターミナル装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ターミナル台のリード線挿通孔の挿
    入側開口または前記導電性端子板の挿入開口の開口縁
    に、前記リード線と開口縁とが接触した際に、リード線
    側に断線を生じさせ難い形状の面取り部を施したことを
    特徴とする請求項1または3に記載された簡易操作型タ
    ーミナル装置。
  5. 【請求項5】 前記導電性端子板に、前記リード線以外
    の電気接続線を接続するための露出端子部を付設したこ
    とを特徴とする請求項1,3または4に記載された簡易
    操作型ターミナル装置。
  6. 【請求項6】 接続対象物であるリード線を挿通させる
    リード線挿通孔を有するターミナル台を絶縁性材の成型
    加工物として製作し、 前記リード線挿通孔内に取付けられ且つ前記リード線と
    圧接的に接続する導電性端子板を、導電性の板材をプレ
    ス工法で加工して製作し、 互いに平行に位置する上下一対の脚部を有し、且つ、前
    記ターミナル台および前記導電性端子板に対して、第一
    位置と第二位置との間で前記リード線の挿通方向と直交
    する方向にリード線挿通孔を貫通する状態で往復移動し
    得る圧接係止部材を、板材のプレス工法または成形加工
    法を用いて製作し、 この圧接係止部材を第一位置の方向に付勢する付勢部材
    をピアノ線の巻回工法または合成樹脂材のばね部材とし
    て製作し、 しかも、前記ターミナル台に、少なくとも前記圧接係止
    部材の上下一対の脚部を案内し得る構造を有する一対の
    摺動案内孔を、成型工法により形成し、 前記ターミナル台の一対の摺動案内孔に対応する前記導
    電性端子板上の位置に、前記圧接係止部材の上下一対の
    脚部を通過させ得る構造を有する一対の通過開口部を、
    プレス工法により形成し、 前記圧接係止部材に、この圧接係止部材が第二位置に在
    るときには、前記リード線挿通孔と前記リード線の挿通
    方向に連通し、且つ、前記圧接係止部材が付勢部材の付
    勢力によって第二位置から第一位置に復帰するときに
    は、前記導電性端子板の一対の通過開口部の開口縁と自
    身の開口縁との間で、リード線挿通孔内に挿入されたリ
    ード線を圧接的に挟持し得る構造を有する一対の係止開
    口部を、プレス工法または成型工法により形成し、 さらに、前記ターミナル台と前記導電性端子板とを前記
    導電性端子板の部分的変形作用によって固定的に結合
    し、 前記付勢部材を取り付けた状態の前記圧接係止部材を、
    その一対の脚部を前記導電性端子板の一対の通過開口部
    内および前記ターミナル台の一対の摺動案内孔内を通過
    させることにより、前記圧接係止部材に前記導電性端子
    板付きのターミナル台を一時的に組合わせ、 このようにして前記ターミナル台に組合わされた前記圧
    接係止部材を、自身の部分的変形作用によって前記ター
    ミナル台に往復移動可能に且つ離脱可能に取付けると共
    に、その変形後の部分を第一位置に移動する際の自身の
    移動制限部として利用するように構成したことを特徴と
    する簡易操作型ターミナル装置の製造方法。
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