JPH0512577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、微粉炭焚ボイラに使用されるバ−ナ
ノズル、その他の耐熱・耐摩耗性が要求されるノ
ズル類の整流板の改良に関する。

従来の技術 微粉炭焚ボイラにおいて、微粉炭用バ−ナに使
用されるノズルの整流板は、従来、耐摩耗性・耐
熱性を有する材料が使用されていたが、熱衝撃に
より破損する事故が発生している。ところで、耐
摩耗性と耐熱衝撃性の両性質は相反するもので、
例えば、耐摩耗性を向上するとその材料は脆くな
るといつた具合である。このような両性質を満足
させる材料は両方の性質の特性を十分に備えてい
ないという知見に基づいて、本出願人は先に各性
質を別々に備えた二つの材料を適宜組合せること
により、耐摩耗性と耐熱衝撃性との特性を十二分
に発揮向上できるバ−ナノズル等の整流板を提案
した。

この本出願人が先に提案したノズルの整流板
は、耐摩耗性に優れたセラミツク等の材料を微粉
炭の流れの整流域及び摩耗の激しい部分にコーテ
イングし、整流板本体には剛性を有する材料を使
用したものであり、この従来のものについて第６
図ないし第１２図を参照しながら詳細に説明す
る。

第６図及び第７図は一般的な微粉炭焚用バ−ナ
ノズルを示す。これらの図において、１は内部に
整流板２を固定しているバ−ナノズル本体であ
り、該バ−ナノズル本体１の基端側は微粉炭供給
管３の先端側に軸支され、従つて、該バ−ナノズ
ル本体１の先端側は上下に回動可能となつてい
て、微粉炭の流れ方向を制御できる構造となつて
いる。４は支軸である。

第８図及び第９図は、整流板２にセラミツクを
使用した部分を組合せた具体例を示す。２１は整
流板本体で、その基端部両面に段部が形成されて
細い突起部が設けられ、この突起部を覆うように
断面コの字型のセラミツク材２２が該突起部に嵌
装されて、両者がピン２３で固定され、これによ
りセラミツク材２２は整流板本体２１の基端部に
両面取り合わせされている。２４は丸みをつけた
切欠部である。

第１０図は第８図のＸ−Ｘ線断面図を示し、前
記セラミツク材２２と整流板本体２１との間に空
〓４１を設けて長さ方向の熱伸び差を吸収する構
造としている。

第１１図は第８図のＸ−Ｘ線断面を示し、
同様にセラミツク材２２と整流板本体２１との間
に空〓４２を設けて巾方向の熱伸び差を吸収する
構造としている。

第１２図は第８図のＸ−Ｘ線断面を示し、
前記セラミツク材２２の特性を考慮し、熱衝撃に
よる全面的破壊を防止するため分割する必要があ
り、これに伴う継ぎ目の耐摩耗性の低下及び金属
材料（整流板本体２１）との熱伸び差を吸収する
ための形状としたものである。２２ａ，２２ｂ，
２２ｃは分割継ぎ目に設けた〓間、４３は金属材
料２１の上下とセラミツク材２２との間の空〓で
ある。

而して、微粉炭供給管３から送給される微粉炭
がノズルの整流板２に案内されるときには、その
整流板２に微粉炭流が衝突する部分はセラミツク
材２２であり、そのセラミツクで摩耗が防止さ
れ、その微粉炭流の整流が行なわれる。そして、
該セラミツク材２２より下流側は平板状の整流板
本体２１であり、平板内で温度分布がありバ−ナ
の点消火で熱衝撃が発生するが、これは耐熱衝撃
性を有する金属材料を使用していることで破損を
防止してその微粉炭流の整流がバ−ナの方向に案
内される。

考案が解決しようとする問題点 ところで、前述のセラミツク材を用いた整流板
は、耐摩耗性の面で秀れた効果を発揮しているも
のの、セラミツク材２２の断面形状がコの字型の
複雑な形状となつていたために、角部に応力集中
が生じ易く、また、整流板本体２１の熱伸びによ
つて、断面コの字型のセラミツク材２２を押し広
げようとする力が発生することにより、セラミツ
ク材２２に割れが生ずることがあるという問題が
あつあ。

すなわち、金属製の整流板本体２１の熱伸びに
よつて生じる力としては、単純な膨張、熱に
よる変形・歪、熱による酸化若しくは腐食によ
る伸び（体積膨張を伴う）があるが、特にの場
合は金属の体積膨張を伴うために、本質的に従来
の両面取り合わせ構造では長時間使用によりセラ
ミツクス材２２に割れが生じている。

問題点を解決するための手段 そこで、本考案では、微粉炭などの供給管の先
端に軸支するバ−ナ用のノズルにおいて、そのノ
ズルの本体内に金属材料からなる整流板本体を固
定し、該整流板本体の基端部片面に形成した段部
とセラミツクなどの耐摩耗性に優れた材料の片面
に形成した段部とを組み合わて、該材料を整流板
本体の基端部に片面取り合せした構成とすること
によつて問題点を解決している。

作 用 上記の手段によれば、整流板本体にセラミツク
などの耐摩耗性に優れた材料を片面取り合せとし
たために、整流板本体の熱伸びによつて生ずる力
がセラミツクなどの耐摩耗性の優れた材料に強く
作用することはなく、従つて該材料の割れが防止
される。

実施例 以下第１図ないし第５図を参照して、本考案の
一実施例を詳細に説明する。

第１図は本実施例によるノズルの整流板の平
面、第２図は第１図の側面、第３図は第１図の
−線断面、第４図は同じく−線断面、第５
図は同じく−線断面を夫々示している。

これらの図によく示されているように、金属材
料からなる整流板本体３１の基端部片面に形成し
た段部と耐摩耗性に優れた材料例えばセラミツク
材３２の片面に形成した段部とが組み合せされて
固定ボルト３３により固定され、これによりセラ
ミツク材３２が整流板本体３１の基端部に片面取
り合せされている。なお、セラミツク材３２の基
端や側端の部分を保護するために、これら部分と
整流板本体３１との間には若干の〓間が設けてあ
る。

また、整流板本体３１とセラミツク材３２の接
触させる部分にはパツキン３４を介在させてあ
る。そして、固定ボルト３３のナツト３５の部分
は露出しないように、その上にセラミツク製のキ
ヤツプ３６が接着剤によつて固着されている。な
お、本実施例でも、従来と同様に、セラミツク材
３２は分割し、その継ぎ目には若干の〓間が設け
てある。

上述のように構成した整流板は、第６図および
第７図に示したものと同様に、微粉炭焚ボイラに
おいて微粉炭用バ−ナに使用されるものであり、
第３図に示すように矢印３７方向から微粉炭が供
給されて来る。従つて、セラミツク材３２は微粉
炭の流れの上流側のエツジを厚くしてあるととも
に、整流板本体３１の端部、側部を覆うように設
けてあるので、整流板本体３１を確実に保護する
ことができる。

考案の効果 以上述べたように、本考案によるノズルの整流
板は、微粉炭などの供給管の先端に軸支するバ−
ナ用のノズルにおいて、そのノズルの本体内に金
属材料からなる整流板本体を固定し、該整流板本
体の基端部片面に形成した段部とセラミツクなど
の耐摩耗性に優れた材料の片面に形成した段部と
を組み合わて、該材料を整流板本体の基端部に片
面取り合せした構成としたので、整流板本体の耐
熱衝撃性の特性と、セラミツク等の耐摩耗性の特
性を十二分に活用できるため、その耐用期間が延
長しコスト安になる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は微粉炭焚ボイラのバ−ナノズルに装設
する本考案によるノズルの整流板の一例を示す平
面図、第２図は同上整流板の側面図、第３図は第
１図の−線断面図、第４図は第１図の−
線断面図、第５図は第１図の−線断面図、第
６図は微粉炭焚ボイラのバ−ナノズルの縦断面
図、第７図は第６図の−線断面図、第８図は
同上バ−ナノズルに装設された従来のノズルの整
流板の平面図、第９図は第８図の側面図、第１０
図は第８図のＸ−Ｘ線断面図、第１１図は第８図
のＸ−Ｘ線断面図、第１２図は第８図のＸ
−Ｘ線断面図である。 １……バ−ナノズル本体、２……整流板、３１
……整流板本体、３２……セラミツク材、３３…
…固定ボルト、３４……パツキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 微粉炭などの供給管の先端に軸支するバ−ナ用
   のノズルにおいて、そのノズルの本体内に金属材
   料からなる整流板本体を固定し、該整流板本体の
   基端部片面に形成した段部とセラミツクなどの耐
   摩耗性に優れた材料の片面に形成した段部とを組
   み合せて、該材料を整流板本体の基端部に片面取
   り合せしたことを特徴とするノズルの整流板。