JPH0512573B2 - - Google Patents

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JPH0512573B2
JPH0512573B2 JP12477084A JP12477084A JPH0512573B2 JP H0512573 B2 JPH0512573 B2 JP H0512573B2 JP 12477084 A JP12477084 A JP 12477084A JP 12477084 A JP12477084 A JP 12477084A JP H0512573 B2 JPH0512573 B2 JP H0512573B2
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JP
Japan
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endless carrier
power transmission
hoops
hoop
endless
Prior art date
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JP12477084A
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JPS612945A (ja
Inventor
Susumu Ookawa
Yasunori Nakawaki
Takehiro Tatara
Hideaki Matsui
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPS612945A publication Critical patent/JPS612945A/ja
Publication of JPH0512573B2 publication Critical patent/JPH0512573B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ベルト式無段変速機に用いられる動
力伝達用無端ベルトに関する。
〔従来の技術〕
自動車等車両の変速機として、最近、ベルト式
無段変速機が提案されている。
従来提案されているベルト式無段変速機は、一
方の回転軸と他方の回転軸に、V字形断面の周溝
を有するプーリが設けられており、このプーリに
動力伝達用無端ベルトが掛け渡されている。そし
て、プーリのV字形断面の周溝の幅が変えられる
ことにより、一方の回転軸から他方の回転軸に回
転動力が無段階に変速されて、伝達されるように
なつている。
この種のベルト式無段変速機に使用される動力
伝達用無端ベルトは、無端キヤリアと動力伝達ブ
ロツクとから構成される。無端キヤリアは普通に
は金属製の帯状のフープが複数個積層されて、環
帯状に形成されている。そして、この無端キヤリ
アに複数個の動力伝達ブロツクが数珠繋ぎに互い
に隣接して配設されて、動力伝達用無端ベルトが
形成されている。
詳細には動力伝達ブロツクの無端キヤリアへの
配設は、動力伝達ブロツクに設けられた無端キヤ
リア係合溝が無端キヤリアに係合することにより
おこなわれるようになつており、この動力伝達ブ
ロツクの無端キヤリア係合溝としては、幅方向の
一端が動力伝達ブロツクの側面と摩擦係合するプ
ーリ面側に開口し、他端が動力伝達ブロツク自体
の部位により閉塞して形成されるものがある(例
えば、特開昭57−23820号)。
そして、この無端キヤリア係合溝には無端キヤ
リア係合面が形成されており、無端キヤリア係合
面に無端キヤリアが摩擦係合して動力伝達がおこ
なわれるようになつている。
上述の無端キヤリア係合面は、凸状に湾曲形成
(クラウニング)されており、無端キヤリアが摩
擦係合するとき、凸状に湾曲形成された無端キヤ
リア係合面の一番高い所を求める、いわゆるセン
タリング作用がなされるようになつている。これ
により、無端キヤリアは幅方向に移動するのが防
止され、無端キヤリアを形成する各フープの端面
がプーリ面および無端キヤリア係合溝の他端の閉
塞部位に当接するのを防止している。
しかし、プーリの幅を制御する制御油圧が低圧
時のときには、上述のセンタリング作用が確実に
おこなわれ難く、第9図に示すように、無端キヤ
リア20を構成する各フープ20a,20b,…
20nは、幅方向に移動することがある。
すなわち、制御油圧が低いときには、各フープ
20a,20b,…20n間の接触面間に作用す
る垂直抗力が小さく、各接触面間の摩擦力が小さ
いため、フープ20a,20b,……20nは、
凸状に湾曲形成された無端キヤリア係合面13
b,13bの径の小さい両端方向のいずれかの方
向に移動することがある。この移動作用は、特
に、内層より外層のフープ間の摩擦力または垂直
抗力が小さいため、外層において生じやすい。
フープ20a,20b,……20nが無端キヤ
リア係合溝16の閉塞部位である首部14方向に
移動して首部14と当接する場合には、首部14
の不連続面とフープ20a,20b,……20n
の端面とが摺動接触することになり、フープ20
a,20b,……20nの端面にはいわゆるバリ
やクラツクを生じることがあり、これがため応力
集中を引き起して、フープ20a,20b,……
20nが早期に疲労するという不具合を生じるこ
とがある。
なお、フープ20a,20b,……20nが無
端キヤリア係合溝16,16の開口方向に移動
し、プーリ面2,2と当接し、接触摺動する場合
には、プーリ面2,2が連続面となつていること
から、バリやクラツク等を発生することがなく、
そのため、フープ20a,20b,……20nの
各端面を損傷することが少ない。
また、上述のようなフープ20a,20b,…
…20nの幅方向への移動は、制御油圧の低圧時
以外のときでも生じることがある。例えば、フー
プ20a,20b,……20n間は周速の違い等
により摩擦摺動するため、使用によりこのフープ
20a,20b,……20n間の摩擦係数が減少
し、摩擦力が低下すると、フープ20a,20
b,……20nは幅方向に移動するようになり、
上述のような不具合を生じることがある。
なお、第9図において、後述する本発明の一実
施例の第1図と対応する部分には、同一符号を付
して示してある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
而して、本発明が解決しようとする問題点は、
無端キヤリアを構成するフープがセンタリング作
用されない非センタリング時でも、フープが無端
キヤリア係合溝の閉塞部位方向へ移動しないよう
にして、閉塞部位とフープ端面とが当接するのを
防止することにより、フープの早期疲労を防止
し、耐久性を向上させることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の問題点を解決するために、本発明の動力
伝達用無端ベルトは、上述したこの種の動力伝達
用無端ベルトにおいて、無端キヤリアを形成する
フープは幅方向の両側部の周長が異なつて形成さ
れており、内層部に配設されるフープは周長の長
い側部が無端キヤリア係合溝における開口側に配
置され、外層部に配設されるフープは周長の長い
側部が逆に無端キヤリア係合溝における動力伝達
ブロツク自体の部位により閉塞して形成される他
端側に配置される手段をとる。
〔作用〕
フープの幅方向の両側部の周長が異なつている
と、周長の短い側部の方が周長の長い側部の方よ
り摩擦力または垂直抗力が大きくなるため、幅方
向に移動するときには、摩擦力または垂直抗力の
大きい周長の短い側部方向へ移動する。
したがつて、フープの接触面間の摩擦力が小さ
くフープのセンタリング作用がなされない非セン
タリング状態では、フープが幅方向に移動可能状
態となることから、フープは周長の短い側部方向
へ移動する。このため、外層部に配設されるフー
プは周長の短い側部が無端キヤリア係合溝の開口
側に配置されるため、開口側に移動する。
内層部に配設されるフープは周長の短い側部が
無端キヤリア係合溝の閉塞部位側に配置されるた
め、閉塞部位側への移動作用力を生じるが、一般
に内層部のフープ間の摩擦力は、外層部が非セン
タリング状態のときでも、所定の摩擦力が維持さ
れており、そのため、センタリング作用がなさ
れ、閉塞部位側への移動が阻止される。
かえつて、内層部はセンタリング作用がなされ
ることにより、フープの積層状態が開口側へ傾斜
した状態となる。すなわち、凸状に湾曲形成され
た無端キヤリア係合面に、両側部の周長の異なる
フープが摩擦係合して積層されるときには、フー
プの幅方向の中心位置は無端キヤリア係合面の凸
状の頂点位置より周長の長い側部方向にわずか偏
位した位置でセンタリング状態とされる。それ
は、フープは、無端キヤリア係合面の凸状の頂点
から左右位置におけるフープの接触面の摩擦力の
和が等しい位置でセンタリングがなされるもので
あり、かつ、周長の長い側部方向は周長の短い側
部方向より摩擦力が弱いため、フープはその幅方
向の中心位置が周長の長い側部方向に偏位した位
置で摩擦力の和が等しくなり、センタリングされ
るためである。したがつて、内層部のフープは最
内層のフープから順次積層されるに従つて無端キ
ヤリア係合溝の開口側に偏位した状態でセンタリ
ングされる。
このように、無端キヤリアの非センタリング状
態では、フープは全体的に無端キヤリア係合溝の
開口側に移動する傾向となり、閉塞部位側に移動
することがない。その結果、無端キヤリア係合溝
の閉塞部位にフープの端面が当接し、摺動接触す
ることがない。
次に、フープの接触面間に所定の摩擦力が付与
される通常状態においては、凸状に湾曲形成され
た無端キヤリア係合面の作用により、フープはセ
ンタリングされた積層状態となる。なお、このと
きにおいても、本考案の場合には、フープが無端
キヤリア係合溝の閉塞部位に当接することが効果
的に防止される手段となつている。
すなわち、非センタリング時において、フープ
を無端キヤリア係合溝の開口側に移動させる観点
から、内外層のすべてのフープについて周長の短
い側部を無端キヤリア係合溝の開口側に配置する
ときには、センタリング時では、フープは周長の
長い側部方向に偏位した状態でセンタリングされ
ることから、フープの積層状態は無端キヤリア係
合溝の閉塞部位側に傾斜した状態となる。そのた
め、最外層のフープは閉塞部位に接近した位置と
なり、閉塞部位に接触する恐れが生じる。
しかし、本考案の場合には、内層のフープは周
長の長い側部が無端キヤリア係合溝の開口側に配
置されることから、内層のフープは、開口側に傾
斜した積層状態とされ、すなわち、閉塞部位側か
ら遠ざかる積層状態とされ、その上に、外層のフ
ープが閉塞部位側に傾斜した積層状態とされて
も、最外層のフープの位置は最内層のフープの位
置と略同じ位置とされ、閉塞部位に接近した位置
の配置とはならない。このため、センタリング状
態においても、フープが閉塞部位に接触する恐れ
がない。
〔発明の効果〕
本発明は、上述したようにして、非センタリン
グ時およびセンタリング作用時においても、フー
プは無端キヤリア係合溝の閉塞部位に当接するこ
とが防止されることから、従来のように閉塞部位
と摺動接触してフープの端面にバリやクラツクを
生じることがなく、その結果、フープの早期疲労
を防止することができて、耐久性を向上させるこ
とができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第2図は本発明にかかる動力伝達用無端ベルト
が適用される無段変速機の一例を、模式図とし
て、全体的に示したものである。
この第2図について説明すれば、エンジン等の
駆動源5にはクラツチ6が連結されており、この
クラツチ6には入力プーリ1が連結されている。
入力プーリ1は可動プーリ1aと固定プーリ1b
とから成つている。両プーリ1a,1bにはプー
リ面2,2が形成されている。このプーリ面2,
2はプーリ1aおよび1bの駆動面となつてお
り、プーリ1にV字形断面の周溝を形成してい
る。
入力プーリ1に並べられて出力プーリ3が配設
されている。この出力プーリ3も可動プーリ3a
と固定プーリ3bとから成つている。両プーリ3
a,3bには入力プーリの場合と同様にプーリ面
4,4が形成されている。このプーリ面4,4は
両プーリ3aおよび3bの従動面となつており、
プーリ3にV字形断面の周溝を形成している。
そして、入力プーリ1のプーリ面2,2により
形成されるV字形断面の周溝と、出力プーリ3の
プーリ面4,4により形成されるV字形断面の周
溝との間に動力伝達用無端ベルト10が掛け渡さ
れて、入力プーリ1から出力プーリ3に回転動力
が伝達されるようになつている。
なお、入力プーリ1の可動プーリ1aと、出力
プーリ3の可動プーリ3aはいずれも油圧等の手
段によりそれぞれのV字形断面の周溝の幅が変更
されるようになつている。この周溝の幅が連続的
に変更されることにより、出力プーリ3の回転
は、無段階に変速されて取り出される。
このように、第2図に示す無段変速機は、動力
伝達用無端ベルト10が掛け渡された入力プーリ
1と出力プーリ3との組合せにより構成されるも
のであり、駆動源5からの回転動力はクラツチ6
を介して無段変速機に伝えられて、無段変速機に
より変速されて取り出される。取り出された回転
動力は、減速歯車対8を経て差動機9に伝達さ
れ、差動機9から更に車輪7に伝達され、車両を
駆動する。
第3図は第2図における入力プーリ1と出力プ
ーリ3に動力伝達用無端ベルト10が掛け渡され
た状態を抽出した側面図である。この図から分る
ように、動力伝達ブロツク12は無端キヤリア1
1に数珠繋ぎに互いに隣接して配設されている。
第1図は第3図の−線断面図で、動力伝達
用無端ベルト10の断面構造を示す。動力伝達ブ
ロツク12は全体が金属製で形成されており、動
力伝達ブロツク12の本体部13の両側部13
a,13aは入力プーリ1のプーリ面2,2と摩
擦接触する傾斜面に形成されている。本体部13
の中央部から上方に首部14が突設され、首部1
4の上部には支持部15が一体に形成されてい
る。
首部14の両側の、本体部13と支持部15と
の間には、無端キヤリア係合溝16,16が形成
されている。この無端キヤリア係合溝16,16
が一対の無端キヤリア20,20に係合して、動
力伝達ブロツク12は無端キヤリア20,20に
支持される。無端キヤリア係合溝16,16を形
成する本体部13の上面は、無端キヤリア係合面
13b,13bとなつており、無端キヤリア20
が摩擦係合し、動力伝達がおこなわれるようにな
つている。なお、無端キヤリア係合面13bは、
半径Rで凸状に湾曲形成されている。
無端キヤリア係合溝16,16は、幅方向の一
端はプーリ面2,2に開口しているが、他端は首
部14により閉塞されて形成されている。すなわ
ち、この実施例では、首部14が無端キヤリア係
合溝16の閉塞部位となつている。
無端キヤリア20は、環帯状に形成された複数
個のフープ20a,20b,……20nが積層さ
れて形成されている。普通10枚ないし14枚程度積
層されて形成されている。第1図では図示の都合
上フープの積層枚数が6枚の場合が示されてい
る。なお、一枚のフープの大きさは、一般には厚
さ0.2mm、幅8mm、周長620mm程度である。また、
各フープ20a,20b,……20nは金属材料
で形成されている。最近では樹脂で形成される場
合もある。
第4図は上述の無端キヤリア20を構成するフ
ープ20a,20b,……20nのうち、最内層
のフープ20aを抽出して示したものである。フ
ープ20aは、幅方向の両側部の半径の大きさ
が、左側部の方がΔlだけ大きく形成されており、
これにより、今、左側部の周長をL1、右側部の
周長をL2とすると、L1はL2より長くなつている。
第5図はフープ20aの別の形状例を示すもの
である。すなわち、断面形状でフープ20aの中
央部が半径方向外方に湾曲した形状としたもので
ある。なお、左右両側部の周長L1とL2は、上述
の第4図の場合と同様に、異なつた長さとされて
いる。
無端キヤリア20を構成するその他のフープ2
0b,……20nも、上述した最内層のフープ2
0aと同様に、左右両側部の周長が異なつた長さ
に形成されている。
なお、第4図および第5図に示すフープ20a
は、左右両側部の周長L1とL2の差を明確に示す
ために、誇張して図示されている。実用上の周長
の差は、ミクロン単位である。
上述のように、両側の周長が異なつて形成され
たフープ20a,20b,……20nは、第1図
に示すように、内層20Aに配設されるフープ
は、周長の長い側部(L1)が無端キヤリア係合
溝16の開口側、周長の短い側部(L2)が閉塞
部位である首部14側とされて配置され、外層2
0Bに配設されるフープは、逆に、周長の長い側
部(L1)が無端キヤリア係合面16の首部14
側、周長の短い側部(L2)が開口側とされて配
置されている。すなわち、第1図の図示例では、
内層20Aの3枚が周長の長い側部(L1)が無
端キヤリア係合溝16の開口側に配置され、外層
20Bの3枚のフープが周長の長い側部(L1
が首部14側に配置されている。
なお、第1図に示すフープ20a,20b,…
…20nの積層状態は、内層20Aと外層20B
のフープの配置状態が良く理解できるように、誇
張して図示されている。実際には、内外層20
A,20Bのフープ20a,20b,……20n
は、第6図または第7図に示すように凸状に湾曲
形成された無端キヤリア係合面13b上に、隙間
なく積層されている。
上述のようにフープ20a,20b,……20
nが配設されていることにより、フープ20a,
20b,……20n間に所定の摩擦力が付与さ
れ、センタリング作用が確実におこなわれるとき
には、第6図に示す状態となる。すなわち、内層
20Aの3枚のフープは、無端キヤリア係合面1
3b上から上に行くに従つて無端キヤリア係合溝
16の開口側に傾斜した積層状態となり、その上
の外層20Bの3枚のフープは、逆に首部14側
に傾斜した積層状態となつて、積層される。
センタリング時において、第6図に示すような
状態となるのは、次の理由による。
第8図に示すように、凸状に湾曲形成された無
端キヤリア係合面13bの頂点をPとすれば、無
端キヤリア係合面13b上に密着して積層される
最内層のフープ20aは、P点を境として左右両
側における接触面の摩擦力の和が等しい状態でセ
ンタリング作用がなされる。
そのため、両側部の周長の長さが等しいフープ
の場合(鎖線の場合)には、左右に生じる摩擦力
は等しいことから幅(左右)方向の中央位置でセ
ンタリングされる。しかし、両側部の周長の長さ
が異なる場合には、左右に生じる摩擦力は、周長
の短い側部より周長の長い側部の方が摩擦力が小
さいことから、周長の長い側部方向に偏位した位
置でセンタリングがなされる。第8図の実線で示
すフープ20aは、右側部の周長が長くなつてい
る場合であるので、フープ20aの中央位置Oが
P点より右側に偏位した位置でセンタリングがな
される。
第8図にF1,F2で示すのは、P点の左右両側
における接触面の範囲W1,W2での摩擦力の和を
示すものであり、このF1とF2が等しい状態でセ
ンタリングがなされる。
このようにして、両側部で周長の長さが異なる
場合には、周長の長い側部方向に偏位してセンタ
リング作用がなされる結果、第6図に示すよう
に、内層20Aの3枚のフープは、周長の長い側
部が無端キヤリア係合溝16の開口側に配置され
ることから、開口側に傾斜した積層状態となり、
外層20Bの3枚のフープは周長の長い側部が首
部14側に配置されることから首部14側に傾斜
した積層状態となつて積層される。このように、
内層20Aと外層20Bが逆の傾斜方向の積層状
態となる結果、最内層のフープ20aと最外層の
フープ20nとは略同じ位置となり、首部14の
間隔が確実に保たれ、首部14と接触することが
確実に防止される。
すなわち、後述する非センタリング時におい
て、フープ20a,20b,……20nを無端キ
ヤリア係合溝16の開口側に移動させる観点か
ら、内外層20A,20Bのフープすべてについ
て周長の長い側部を首部14側の配置とする場合
には、第6図に鎖線で示すように、全てのフープ
20a,20b,……20nが首部14側に傾斜
した積層状態となるため、最外層のフープ20n
は首部14に接近した位置となり、首部14と接
触する恐れが生じる。
次に、フープ20a,20b,……20n間に
センタリング作用が維持される所定の摩擦力がな
く、フープ20a,20b,……20nが幅方向
に移動可能な、いわゆる非センタリング状態にお
いては、第7図に示す状態となる。すなわち、外
層20Bのフープは無端キヤリア係合溝16の開
口側に移動した状態となる。
フープ20a,20b,……20nが幅方向へ
移動可能なときには、フープ20a,20b,…
…20nは摩擦力の大きい側部方向に移動する。
そのため、外層20Bに配設されるフープは、大
きい摩擦力を生じる周長の短い側部が無端キヤリ
ア係合溝16の開口側に配置されるため、第7図
に示すように開口側に移動する。
内層20Aに配設されるフープは、逆に周長の
短い側部が首部14側に配置されることから、首
部14側方向への移動作用力を生じるが、一般
に、内層20Aのフープ間には、外層20Aのフ
ープが非センタリング状態となるときでも、所定
の摩擦力が維持されているため、センタリング作
用がなされ、首部14側への移動が阻止される。
かえつて、センタリング作用されることにより、
内層20Aのフープは周長の長い側部が配置され
る無端キヤリア係合溝16の開口側に傾斜した積
層状態となる。このため、非センタリング状態に
おいては、内外層20A,20Bのすべてのフー
プ20a,20b,……20nが開口側に傾斜し
た積層状態となり、首部14側への移動が防止さ
れる。その結果、首部14に当接することがな
い。
なお、フープが幅方向へ移動可能な非センタリ
ング状態においては、フープの両側部の周長を異
ならせることにより、フープが周長の短い側部方
向に移動し、周長の長い側部方向に移動しないこ
とは実験によつても確認されている。
上述したように、内外層20A,20Bのフー
プは、センタリング時および非センタリング時に
おいても、首部14に当接することがないので、
フープ20a,20b,……20nの各端面が首
部14と摺動接触することがなく、従来のように
バリやクラツクを生じることがない。その結果、
フープ20a,20b,……20nの早期疲労を
防止することができて、耐久性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる動力伝達用無端ベルト
の断面構造を示し第3図の−線断面図、第2
図は本発明の動力伝達用無端ベルトが適用される
無段変速機の一例を示す模式図、第3図は第2図
から動力伝達用無端ベルトが掛け渡された状態を
抽出した側面図、第4図はフープの一例を示す断
面図、第5図はフープの他の例を示す断面図、第
6図はセンタリング時におけるフープ積層状態を
示す図、第7図は非センタリング時におけるフー
プ積層状態を示す図、第8図はフープのセンタリ
ング作用の説明図、第9図は従来の動力伝達用無
端ベルトの断面図である。 符号の説明、2……プーリ面、10……動力伝
達用無端ベルト、12……動力伝達ブロツク、1
3b……無端キヤリア係合面、14……首部(動
力伝達ブロツク自体の部位)、16……無端キヤ
リア係合溝、20……無端キヤリア、20A……
内層のフープ、20B………外層のフープ、20
a,20b,……20n……フープ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 帯状の複数個のフープが積層されて形成され
    る無端キヤリアに、動力伝達ブロツクが数珠繋ぎ
    に互いに隣接して配設され、この動力伝達ブロツ
    クの無端キヤリアへの配設は動力伝達ブロツクに
    形成された無端キヤリア係合溝が無端キヤリアに
    係合することによりおこなわれ、動力伝達ブロツ
    クの無端キヤリア係合溝は幅方向の一端が動力伝
    達ブロツクの側面と摩擦係合するプーリ面側に開
    口しているが他端は動力伝達ブロツク自身の部位
    により閉塞して形成されており、無端キヤリア係
    合溝を形成する動力伝達ブロツクの無端キヤリア
    係合面は凸状に湾曲形成されており、この無端キ
    ヤリア係合面に無端キヤリアが摩擦係合して動力
    が伝達される動力伝達用無端ベルトにおいて、 前記無端キヤリアを形成するフープは幅方向の
    両側部の周長が異なつて形成されており、内層部
    に配設されるフープは周長の長い側部が無端キヤ
    リア係合溝における開口側に配置され、外層部に
    配設されるフープは周長の長い側部が逆に無端キ
    ヤリア係合溝における動力伝達ブロツク自体の部
    位により閉塞して形成される他端側に配置されて
    いることを特徴とする動力伝達用無端ベルト。
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