JPH05125498A - バルブシ−ト用焼結合金 - Google Patents

バルブシ−ト用焼結合金

Info

Publication number
JPH05125498A
JPH05125498A JP29342291A JP29342291A JPH05125498A JP H05125498 A JPH05125498 A JP H05125498A JP 29342291 A JP29342291 A JP 29342291A JP 29342291 A JP29342291 A JP 29342291A JP H05125498 A JPH05125498 A JP H05125498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
hard particles
amount
sheet
sintered alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29342291A
Other languages
English (en)
Inventor
攝人 ▲だい▼▲ざ▼
Setsuhito Daiza
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29342291A priority Critical patent/JPH05125498A/ja
Publication of JPH05125498A publication Critical patent/JPH05125498A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】燃焼温度が低温となるメタノール燃料を使用す
る内燃機関においても、耐摩耗性に優れ、バルブに対す
る攻撃性の少ないバルブシ−ト用焼結合金を提供するこ
と。 【構成】全体を100%としたとき重量%で第1の硬質
粒子を9〜26%、FeMoまたはMo2 Cからなる第
2の硬質粒子を6〜10%をベイナイト系の基地組織中
に均一に分散させた焼結合金に、Pbを5〜22%溶浸
させて構成したものである。基地組織は、基地組織を1
00%としたとき重量%でC:0.5〜1.5%、C
o:5〜13%を含有し、残部がFeで、Niを含有し
ない組成をもつ。第1の硬質粒子は、第1の硬質粒子を
100%としたとき重量%でCr:2〜10%、Mo2
5〜35%、Si:1〜5%、C:0.08%以下、N
iおよび/またはFe:3%以下を含有し、残部がCo
の組成をもつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバルブシ−ト用焼結合金
に関する。このバルブシ−ト用焼結合金は、燃焼温度が
低温となる内燃機関、例えばアルコール燃料、特にメタ
ノール燃料を燃料として用いる内燃機関に利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、ガソリン燃料用内燃機関は益々高
出力化し、燃焼温度が高温化する傾向にある。そのため
バルブフェースは耐熱性に優れた盛金材で形成し、バル
ブシ−トはより耐熱性、耐摩耗性の高い焼結合金で形成
している。一方、近年、内燃機関ではメタノール燃料が
使用されつつある。メタノール燃料を燃料として用いた
内燃機関では、燃焼温度はガソリン燃料の場合と比較し
て例えば50〜60°C程度低く、排気ガス温度も低
く、このため、バルブシ−ト及びバルブの温度も低いと
いう事情、また、メタノール燃料は腐食物を生成し易い
という事情等がある。従って、メタノール燃料を用いる
内燃機関のバルブシ−ト、バルブとして、ガソリン燃料
用の内燃機関で使用していたバルブシ−ト、バルブと同
一のものを使用すると、バルブシ−ト、バルブが過大摩
耗する傾向にある。この対策として、バルブについて
は、内燃機関の高温化に対応するためにつけた盛金材を
用いないこととするのが有効である。また、バルブシ−
トについては、内燃機関の高温化対応で開発する前の材
料に変更することが考えられる。しかしこの場合にはバ
ルブシ−トの摩耗を減らすことができない。
【0003】また従来より、特開昭62ー10244号
には、燃焼温度が高温となるガソリンエンジン・ディー
ゼルエンジン用バルブシ−ト用焼結合金として、高温で
の耐摩耗性を向上させたものが提案されている。この焼
結合金は、Ni:0.3〜2.9%、Mo:1.7〜
9.8%、Co:8〜22%、C:0.4〜1.2%、
Cr:0.3〜2.3%、Si:0.1〜0.7%、残
部鉄の組成をもつ基地に、Co−Mo−Si系の硬質粒
子を5〜25%均一に分散させたものである。
【0004】ところが、この特開昭62ー10244号
にかかる焼結合金は、燃焼温度が低温となるメタノール
燃料用内燃機関のバルブシ−トとして使用すると、バル
ブシ−トの摩擦面に酸化膜があまり形成されず、従っ
て、バルブシ−トの耐摩耗性が充分でなく、また、相手
材としてのバルブに対する攻撃性も大きい問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、燃焼温度が低温となる燃
料、例えばメタノール燃料の様なアルコール燃料を用い
る内燃機関においても、耐摩耗性に優れ、相手材として
のバルブに対する攻撃性の少ないバルブシ−ト用焼結合
金を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はメタノール燃
料を使用する内燃機関のバルブシ−ト用焼結合金につい
て鋭意研究を重ね、その結果、本発明組成の第1の硬質
粒子、第2の硬質粒子をベイナイト系の基地組織に均一
に分散させたバルブシ−ト用焼結合金において、基地組
成をC:0.5〜1.5%、Co:5〜13%、残部F
eとし、基地においてNiを積極的元素として含まない
こととすれば、メタノール燃料を使用する内燃機関のバ
ルブシ−トの耐摩耗性を高め得、また、相手材としての
バルブに対する攻撃性も少なくできることを知見し、確
認し、本発明を完成させたものである。
【0007】かかる点が得られる理由は、基地にNiを
積極的には含まないため、メタノール燃料を使用する内
燃機関の様に燃焼温度がガソリン燃料の場合に比較して
低温(一般的に800から850°C程度と推定され
る)の場合においても、耐摩耗性が高く表面を保護する
作用を奏するFe系の表面酸化膜がバルブシ−トに生成
され易いこと、また、基地中において耐摩耗性に優れた
ベイナイトが増すこと、によると推察される。
【0008】換言すると、Niは基地の耐食性、耐熱性
の向上に役立つものの、Feよりも酸化されにくい金属
である。そのため、基地にNiが多く含まれていると、
燃焼温度が低温の場合では、表面酸化膜がバルブシ−ト
表面に形成されにくい。この場合、バルブシ−トの硬質
粒子が相手バルブを攻撃し易く、また、バルブシ−ト表
面が摩耗し易くなるといった不具合が生じるものと推察
される。
【0009】即ち、本発明のバルブシ−ト用焼結合金
は、全体を100%としたとき重量%で第1の硬質粒子
を9〜26%、FeMo及びMo2 Cの少なくとも1種
からなる第2の硬質粒子を6〜10%を基地組織中に均
一に分散させた焼結合金に、Pbを5〜22%溶浸させ
て構成したものであり、基地組織は、基地組織を100
%としたとき重量%でC:0.5〜1.5%、Co:5
〜13%、不可避の不純物を含有し、残部がFeの組成
であり、第1の硬質粒子は、第1の硬質粒子を100%
としたとき重量%でCr:2〜10%、Mo25〜35
%、Si:1〜5%、C:0.08%以下、Niおよび
/またはFe:3%以下、不可避の不純物を含有し、残
部がCoの組成をもつことを特徴とするものである。
【0010】本発明合金にかかる基地組織は、一般的
に、ベイナイトとオーステナイトと微細パーライトとの
混合組織であり、その他にマルテンサイトを混合組織と
して含んでいることもある。本発明にかかるバルブシー
ト用焼結合金を用いた内燃機関では、燃焼温度がガソリ
ン燃料よりも低温となる燃料、一般的には、メタノール
燃料等のアルコール燃料が使用される。なお、メタノー
ル燃料はメタノールのみの燃料、メタノールとガソリン
との混合燃料を含む。
【0011】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。第1の
硬質粒子は該硬質粒子のCo系マトリックスに硬質相
(Co−Cr−Mo−Si系)が生成されているもので
ある。第1の硬質粒子の組成の限定理由について説明す
る。
【0012】Cr:第1の硬質粒子のベ−スとなるCo
およびSiと化合して硬質相を形成すると共に、Coお
よびMoと固溶して第1の硬質粒子の基地を形成し、耐
熱性、耐食性を向上させている。含有量が2%未満では
耐熱性の向上が充分でなく、10%を越えても、耐熱性
向上効果はほとんど変わらないが、硬質粒子が硬くなり
過ぎて相手攻撃性が増すので、含有量は2〜10%とし
た。
【0013】Mo:Crと同様に第1の硬質粒子のベ−
スとなるCoおよびSiと化合して硬質相を形成すると
共に、CoおよびCrと固溶して第1の硬質粒子の基地
を形成し耐熱性を向上させている。含有量が25%未満
では、耐熱性の向上が充分でなく、35%を越えると第
1の硬質粒子が硬くなり過ぎて、相手攻撃性が増すので
含有量は25〜35%とした。
【0014】Si:Co、Mo、Crと化合して硬質相
を形成し、耐摩耗性を向上させている。含有量1%未満
では、耐摩耗性向上効果がなく、5%を越えると第1の
硬質粒子が硬くなり過ぎて相手攻撃性を増すので含有量
を1〜5%とした。 C:Cr、Mo、Si、Feと化合して炭化物を形成
し、耐摩耗性を向上させる効果があるが、量が多いと、
第1の硬質粒子が硬くなり過ぎて相手攻撃性が増すので
0.08%以下とした。
【0015】Ni、Fe:主に靱性を向上させる効果が
あるが、高温での強度耐摩耗性を低下させるので3%以
下とした。 Co:耐熱性、耐食性に富む材料であり、第1の硬質粒
子の基地として耐熱性、耐食性の改善に寄与している。
又、一部が焼結時においてバルブシ−トの基地組織に拡
散して第1の硬質粒子と基地組織との接合性を向上さ
せ、第1の硬質粒子の脱落を防止する効果がある。
【0016】以上の組成から形成される第1の硬質粒子
は一般的にビッカース硬さ(Hv)1000未満で相手
攻撃性が低い。この第1の硬質粒子を分散させた理由
は、主として、相手攻撃性をさほど高めることなく該合
金の硬さの低い部分を補うことにある。バルブシ−ト用
焼結合金全体を100%としたとき第1の硬質粒子は、
9〜26%含まれている。第1の硬質粒子が10%未満
ではバルブシ−トの耐摩耗性が低くなり、25%を越え
ると成形性、圧縮性、被削性が低下するとともに、相手
攻撃性が大きくなる。
【0017】第2の硬質粒子について説明する。第2の
硬質粒子はFeMoまたはMo2 Cからなり、ビッカー
ス硬さ(Hv)1400程度である。第2の硬質粒子
は、バルブシ−ト材料に硬さをもたせ、バルブシ−ト材
料の耐摩耗性を確保するために必要である。バルブシ−
ト用焼結合金全体を100%としたとき第2の硬質粒子
は、6〜10%含まれている。6%未満では耐摩耗性へ
の効果がなく、10%を越えると被削性が低下するとと
もに、相手攻撃性が大きくなる。
【0018】以上の2種類の硬質粒子の粒子形状は球状
が好ましい。また2種類の硬質粒子は、いずれも粒子径
が20〜200μmであることが好ましく、特に40〜
150μmであることが好ましい。粒子径が20μm未
満であると、耐摩耗性が低下し、200μmを越えると
成形性、圧縮性が低下し耐摩耗性がやや劣化する。次に
バルブシ−トの基地の組成限定理由について説明する。
【0019】C:Feと固溶して、ベイナイト、オース
テナイト、パーライトを形成し、基地の強度と硬さを向
上させている。基地組織を100%としたときCの含有
量は0.5〜1.5%である。含有量が0.5%未満で
は、基地強化の効果が少なくなく、1.5%を越すと、
グラファイトが析出し、かえって基地がもろくなる。 Co:オーステナイトに固溶して基地を強化し、耐食
性、耐熱性を向上させる効果がある。基地組織を100
%としたときCo含有量は5〜13%である。含有量が
5%未満では耐食性、耐熱性に効果がなく、13%を越
えると、基地が軟化して耐摩耗性が低下する。
【0020】次に含浸材について説明する。Pbはバル
ブとバルブシ−トとの接触部に介在して、潤滑材として
作用し、バルブ及びバルブシ−トの耐摩耗性を向上させ
る。バルブシ−ト用焼結合金全体を100%としたとき
Pbの含浸量は5〜22%である。含浸量が5%未満で
は、潤滑材としての充分の効果が得られず、22%を越
えると、スケルトン状のバルブシ−ト基地が弱化するの
で、摩耗量が多くなる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例と共に説明し、
比較例との対比において本発明の効果を明らかにする。
基地組織用粉末として、Cを2%含有するFe粉末(−
200メッシュ、還元鉄粉)と、Co粉末(−200メ
ッシュ、純度99.9%、アトマイズ粉末)とを用意し
た。また、表1に示す組成の第1の硬質粒子の粉末(−
100メッシュ、アトマイズ粉末)と、表1に示す組成
の第2の硬質粒子の粉末(−100メッシュ、アトマイ
ズ粉末)を用意した。
【0022】
【表1】
【0023】そして、表1に示す組成となる様に基地組
織用粉末を調合する。そして基地組織用粉末と第1の硬
質粒子の粉末と第2の硬質粒子の粉末とを表1に示す添
加割合で調合し、これに潤滑材としてステアリン酸亜鉛
0.8%を混合して混合粉末とした。混合は、V型混合
機により行った。その後、この混合粉末を金型のキャビ
ティ内に充填して、常温において成形圧7t/cm2
圧縮成形してバルブシ−ト粗形状の粉末圧粉体を得た。
【0024】その後、各粉末圧粉体をアンモニア分解ガ
ス雰囲気中で1150℃の温度にて、60分間焼結し、
実施例1〜3、比較例1〜9にかかる焼結体を得た。な
お各焼結体の焼結密度(JIS Z2505−196
6)は6.8g/cm3 である。次にこの焼結体の上面
にPb塊を置いて焼結体とPb塊とを接触させ、その状
態で再度、アンモニア分解ガス雰囲気中で1050℃の
温度にて30分間加熱して、焼結体の空孔中にPbを含
浸させた。Pbの含浸量は表1に示す様な値とした。
【0025】そして、得られたPb含浸後の焼結体を、
図2に示す様な所定寸法をもつエキゾーストバルブシ−
ト形状に機械加工により加工し、以て実施例1〜3、比
較例1〜9にかかるバルブシ−トを得た。なお、比較例
で添加しているFeWの硬質粒子はビッカース硬さ(H
v)1100程度の粒子である。表1において比較例
3、5、6はガソリン燃料用内燃機関で実績のある材料
を示し、比較例7は特開昭62ー10244号公報に示
された材料を示す。
【0026】ここで、実施例1〜3の基地組織は、ベイ
ナイト、オーステナイト、微細パーライトの混合組織で
あった。また比較例1、2、3、4の基地組織は微細パ
ーライト、オーステナイト、ベイナイトの混合組織であ
り、比較例5、6、7の基地組織は微細パーライト、オ
ーステナイトの混合組織であった。比較例は基地中にN
iが含まれるか含まれないかで区分けすることもでき
る。
【0027】(評価)メタノール燃料使用時におけるバ
ルブシートの温度は一般的に200〜300°Cとな
る。そこで、図1に示す様に、ガスバーナ100でバル
ブ200を加熱し、バルブシ−ト300の温度を250
℃とし、摺動数2160cpm、荷重5kgf/cm2
でバルブ200を矢印方向に摺動させ、これによりバル
ブ200とバルブシ−ト300との摩耗試験を行った。
そして、バルブシ−ト当り幅増加量及びバルブのフェー
ス摩耗量を測定した。図2にバルブシ−ト300におけ
るバルブシ−ト当り幅増加量の測定方法を示す。図2に
示す様に、バルブシート300の初期面302と耐久試
験後の摩耗面304との差から、つまり、バルブシ−ト
当り幅増加量は、{バルブシ−ト当り幅増加量=a+b
(mm)}から算出した。また図3にバルブ200のフ
ェース摩耗量の測定方法を示す。図3に示す様に、バル
ブ200の初期面202と耐久試験後の摩耗面204と
の差C(μm)からフェース摩耗量は算出とした。な
お、バルブシ−ト300の相手材としてのバルブ200
は、盛金をはずした一般的な耐熱鋼(具体的には、SU
H35)を使用した。
【0028】シ−ト当り幅増加量及びフェース摩耗量の
測定結果を図5に示す。図5から理解できる様に、実施
例1ではシ−ト当り幅増加量が0.05〜0.075m
m、フェース摩耗量が8〜10μm、実施例2ではシ−
ト当り幅増加量が0.067〜0.08mm、フェース
摩耗量が6〜8μm、実施例3ではシ−ト当り幅増加量
が0.044〜〜0.072mm、フェース摩耗量が9
〜13μmと少ない量であった。従って本発明にかかる
実施例1〜3ではバルブシートの耐摩耗性が良好である
ことがわかる。
【0029】一方、図5に示す様に、比較例1では、シ
−ト当り幅増加量が0.1〜0.155mm、フェース
摩耗量が5〜7μmとシ−トの摩耗量が多く、比較例2
ではシ−ト当り幅増加量が0.02〜0.052mm、
フェース摩耗量が18〜25μmとフェースの摩耗量が
多くなる。又第1の硬質粒子を含まない比較例3では、
シ−ト当り幅増加量が0.2〜0.24mm、フェース
摩耗量が17〜22μmであり、バルブシ−ト、フェー
ス共に摩耗量が多い。また、硬質粒子FeWを加えた比
較例4では、シ−ト当り幅増加量が0.122〜0.1
44mm、フェース摩耗量が26〜35μmとなり、バ
ルブシ−トの摩耗量は少なくなるがフェースの摩耗量が
多くなってしまう。また、図5に示す様に比較例5〜9
ではシ−ト当り幅増加量及びフェース摩耗量が大きい。
【0030】更に、得られた実施例1〜3、比較例1〜
4にかかるバルブシ−トを排気量1500cc、4気筒
のメタノール燃料使用のオットーサイクルエンジンにエ
キゾースト用として装着し、全負荷で180時間の台上
耐久試験を実施し、バルブ200のバルブ沈み量を測定
した。バルブ沈み量は、図4に示す様にバルブ200の
面206の初期における位置と耐久試験後における位置
との差dで算出した。この場合、バルブ200は耐熱鋼
(具体的にはSUH35)を使用した。また用いたメタ
ノール燃料は体積%でメタノールが85%、ガソリンが
15%のものである。
【0031】バルブ沈み量の測定結果を表2に示す。表
2に示す様にバルブ沈み量は実施例1で最も小さく0.
052mmであり、実施例2では0.078mm、実施
例3では0.084mmと少ない量であった。
【0032】
【表2】 一方、比較例1では0.122mm、比較例2では0.
105mm、比較例3では0.194mm、比較例4で
は0.110mmで前記した実施例の場合と比較すると
摩耗量が多い。なお、比較例の中で、最も耐摩耗性、相
手攻撃性のバランスの取れた材料は比較例3である。し
かし比較例3であっても、上記した様にバルブ沈み量が
大きく、メタノール燃料使用時における実機での許容性
を満足することができなかった。
【0033】以上の説明から理解できる様に、実施例1
〜3にかかる焼結合金は、メタノール燃料使用時でも、
優れた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有していることが確
認された。
【0034】
【発明の効果】本発明のバルブシ−ト用焼結合金は、C
およびCoを含有する鉄基地組織中に、所定組成の第1
の硬質粒子と、FeWまたはMo2 Cからなる第2の硬
質粒子を均一に分散させた焼結合金に、Pbを溶浸させ
たことを特徴とするものである。本発明のバルブシ−ト
用焼結合金によれば、メタノール燃料の様なアルコール
燃料を用いる等し内燃機関の燃焼温度が低温となる時で
も、バルブシ−トとしての耐摩耗性が確保され、また相
手材であるバルブに対する攻撃性も低いという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩耗試験を模式的に示した断面図である。
【図2】バルブシートにおけるシ−ト当り幅増加量の測
定方法を示す断面図である。
【図3】バルブにおけるフェース摩耗量の測定方法を示
す断面図である。
【図4】バルブ沈み量の測定方法を示す断面図である。
【図5】シ−ト当り幅増加量とフェース摩耗量との測定
結果を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、200はバルブ、300はバルブシ−トを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体を100%としたとき重量%で第1
    の硬質粒子を9〜26%、FeMo及びMo2 Cの少な
    くとも1種からなる第2の硬質粒子を6〜10%を基地
    組織中に均一に分散させた焼結合金に、Pbを5〜22
    %溶浸させて構成したものであり、 該基地組織は、該基地組織を100%としたとき重量%
    でC:0.5〜1.5%、Co:5〜13%、不可避の
    不純物を含有し、残部がFeの組成であり、 該第1の硬質粒子は、該第1の硬質粒子を100%とし
    たとき重量%でCr:2〜10%、Mo25〜35%、
    Si:1〜5%、C:0.08%以下、Niおよび/ま
    たはFe:3%以下、不可避の不純物を含有し、残部が
    Coの組成をもつことを特徴とするバルブシ−ト用焼結
    合金。
JP29342291A 1991-11-08 1991-11-08 バルブシ−ト用焼結合金 Pending JPH05125498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29342291A JPH05125498A (ja) 1991-11-08 1991-11-08 バルブシ−ト用焼結合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29342291A JPH05125498A (ja) 1991-11-08 1991-11-08 バルブシ−ト用焼結合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05125498A true JPH05125498A (ja) 1993-05-21

Family

ID=17794560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29342291A Pending JPH05125498A (ja) 1991-11-08 1991-11-08 バルブシ−ト用焼結合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05125498A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133046A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 トヨタ自動車株式会社 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法、焼結合金用成形体、および耐摩耗性鉄基焼結合金

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133046A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 トヨタ自動車株式会社 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法、焼結合金用成形体、および耐摩耗性鉄基焼結合金

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3469435B2 (ja) 内燃機関用バルブシート
JP2001050020A (ja) 内燃機関用の弁装置
JPH10226855A (ja) 耐摩耗焼結合金製内燃機関用バルブシート
JPH09242516A (ja) 内燃機関用バルブシート
JPH1171651A (ja) バルブシート用鉄系焼結合金
JP3763782B2 (ja) バルブシート用耐摩耗性鉄基焼結合金材の製造方法
JPH1121659A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金材
JPH05125498A (ja) バルブシ−ト用焼結合金
JPS6033343A (ja) 耐摩耗性焼結合金
JP3226618B2 (ja) バルブシート用鉄基焼結合金
JPH0753900B2 (ja) 耐熱耐摩耗性鉄基焼結合金
JP2716575B2 (ja) 耐摩耗性鉄系焼結合金の製造方法
JPH05171372A (ja) インテークバルブシート用焼結合金
JP2677813B2 (ja) 高温耐摩耗性鉄系焼結合金
JP2833116B2 (ja) バルブシート用焼結合金
JP3068127B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法
JPH0561346B2 (ja)
JP2683444B2 (ja) 内燃機関の動弁機構用焼結合金
JPH08291376A (ja) 鉄基焼結合金バルブシート材と耐熱耐摩耗合金バルブフェース材との組合せ
JPS6167759A (ja) バルブシ−ト用鉄系焼結合金
JPS61179856A (ja) バルブシ−ト用鉄系焼結合金
JP3264092B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法
JP3304805B2 (ja) 耐摩耗性に優れた鉄基焼結合金
JP2643741B2 (ja) 内燃機関用鉛含浸鉄系焼結合金製2層バルブシート
JPS6296659A (ja) バルブシ−ト用鉄系焼結合金