JPH05125466A - チタンの製錬装置 - Google Patents

チタンの製錬装置

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JPH05125466A
JPH05125466A JP3244915A JP24491591A JPH05125466A JP H05125466 A JPH05125466 A JP H05125466A JP 3244915 A JP3244915 A JP 3244915A JP 24491591 A JP24491591 A JP 24491591A JP H05125466 A JPH05125466 A JP H05125466A
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arcs
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亮拿 佐藤
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吉之助 荘司
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 頂角が鋭角である逆円錐形状に配置された第
1グループの6つの電極111〜116と、それぞれの
先端部が上記第1グループの電極先端部の下側に位置
し、頂角が鈍角である逆円錐形状に配置された第2グル
ープの6つの電極121〜126とを備えた密閉処理炉
100において、3相交流電源を上記各電極に印加し
て、3種類の複数のアークを発生し、上記酸化チタンを
黒鉛粉末とともに加熱処理するようにした。 【効果】 酸化チタンを極めて高い温度まで昇温でき、
これによって黒鉛粉末による酸化チタンの還元反応がス
ムーズにかつ短時間に行われ、チタンの還元工程を簡略
化して、粗製チタンを製錬することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はチタンの製錬装置に関
し、特に酸化チタンを炭素により還元する方法を用いた
製錬装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、チタンの製錬には、酸化チタ
ン(TiO2 )を一旦塩素化合物に変換し、さらにナト
リウムにより塩素を取るという方法が採用されている。
この方法では先ず酸化チタンから塩化チタンを製造し、
さらに該塩化チタンをナトリウムにより還元するという
多工程で製錬が行われる。各工程について以下に詳しく
述べる。第1の工程において、原料鉱石(天然ルチル,
合成ルチル,高チタンスラグ)とコークスを粉体のまま
流動層反応炉に入れ、下部よりCl2 を吹き込み約10
00K以上の温度で反応させる。
【0003】 TiO2 +2C+2Cl2 =TiCl4 +2CO
【0004】上記化学式で示される反応により蒸発され
るTiCl4 を冷却凝縮させる。
【0005】次に第2の工程としてナトリウムの還元を
行う。すなわち、Naを1000K以上の温度でTiC
4 と反応させると、 TiCl4 +4Na → Ti+4NaCl の反応が発熱的に進行する。このように一段で反応を完
結させることもできるが、第1段階でTiCl4 をTi
Cl2 またはTiCl3 まで、第2段階でTiまで還元
する方式がよいとされている。この方法を図4に示す。
ここで各反応器内はArで正圧に保たれている。まずT
iCl4 をNaとともに第1反応器1に送入し、500
K程度の温度でNaと反応させるとTiCl2 とNaC
lとが生成する。このようにして得られた反応生成物を
溶融状態のまま第2反応器2に移す(図4(a) )。そし
てこれにNaを加えて排気しArを満たし、反応生成物
をその温度を約1300K以下に温度制御装置3により
制御して反応させると、Tiが微粉状に生成し、凝結し
つつスポンジ状に成長する(図4(b) )。これを砕いて
薄い塩酸により浸出,水洗,真空乾燥するとNaCl,
Naが除去されてTiが得られる。
【0006】なお、ここではナトリウムを用いて還元す
る方法について述べたが、代わりにマグネシウムを用い
て還元してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
2つの工程,つまり酸化チタンの塩化化合物への変換工
程と、該塩化化合物からの脱塩工程があり、作業性があ
まりよくないという問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、チタンの還元工程を簡略化で
きるチタンの製錬装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るチタンの
製錬装置は、頂角が鋭角である逆円錐形状を形成するよ
う、かつそれぞれの先端部が同一円周上に等角度間隔で
位置するよう放射状に配置してなる第1グループの6つ
の電極と、頂角が鈍角である逆円錐形状を形成するよ
う、かつそれぞれの先端部が上記第1グループの電極先
端部の下側であってこれらの電極先端部とは円周方向に
約30度ずれた位置に位置するよう等角度間隔で放射状
に配置してなる第2グループの6つの電極と、3相交流
電源とを備え、3相交流を上記各電極に印加して、第1
のグループの電極により下方に向かう第1の複数のアー
クを発生し、上記第1及び第2のグループの電極のうち
の、相互に近接して位置する3つの電極により上記第1
の複数のアークをその横方向から叩きつける第2の複数
のアークを発生し、上記第2のグループの電極により上
記第1及び第2の複数のアークをその回りから包み込む
よう出射する第3の複数のアークを発生し、これらの第
1〜第3のアークにより上記酸化チタンを黒鉛粉末とと
もに加熱処理するようにしたものである。
【0010】この発明は上記チタンの製錬装置におい
て、上記各グループの電極を、その先端部が密閉炉内に
位置するよう該炉の側壁を貫通して配設し、第1グルー
プの電極にパイプ状黒鉛電極を用い、該電極内部を通し
て二酸化チタン及びその還元用の黒鉛粉末を炉内に供給
するようにしたものである。
【0011】またこの発明は上記チタンの製錬装置にお
いて、密閉炉内の坩堝と、密閉炉外の溶融チタンの冷却
装置とをチタン搬出パイプを介して接続し、該搬出パイ
プの出口側開口を開閉する開閉装置を設け、さらに冷却
装置のチタン冷却通路の出口側に、該冷却通路の出口端
位置からその下方の所定位置まで慴動可能でかつ上記出
口端位置では冷却通路の出口を閉塞するプレート部材を
備え、溶融チタンを冷却して所定長さの棒状体に成形す
るようにしたものである。
【0012】またこの発明は上記チタンの製錬装置にお
いて、上記密閉炉の側壁の一部にその一端が開口する集
塵ダクトを備え、該集塵ダクトの他端を、上記密閉炉か
らの排出ガスを処理する処理装置に接続したものであ
る。
【0013】
【作用】この発明においては、第1グループの6つの電
極を、頂角が鋭角である逆円錐形状を形成するようかつ
それぞれの先端部が同一円周上に等角度間隔で位置する
よう放射状に配置し、第2グループの6つの電極を、頂
角が鈍角である逆円錐形状を形成するよう、かつそれぞ
れの先端部が上記第1グループの電極先端部の下側であ
ってこれらの電極先端部とは円周方向に約30度ずれた
位置に位置するよう等角度間隔で放射状に配置し、3相
交流電源を上記各電極に印加して、第1のグループの電
極により下方に向かう第1の複数のアークを発生し、相
互に近接して位置する3つの電極により該第1の複数の
アークをその横方向から叩きつける第2の複数のアーク
を発生し、上記第2のグループの電極により上記第1及
び第2の複数のアークをその回りから包み込むよう出射
する第3の複数のアークを発生し、これらの第1〜第3
のアークにより上記酸化チタンを黒鉛粉末とともに加熱
処理するようにしたから、酸化チタンを極めて高い温度
まで昇温でき、これによって黒鉛粉末による酸化チタン
の還元反応がスムーズにかつ短時間に行われることとな
る。このため簡略化されたチタンの還元工程にて、粗製
チタンを製錬することができる。
【0014】また上記各グループの電極を、その先端部
が密閉炉内に位置するよう該炉の側壁を貫通して配設
し、第1グループの電極にパイプ状黒鉛電極を用い、該
電極内部を通して二酸化チタン及びその還元用の黒鉛粉
末を炉内に供給するようにしたので、二酸化チタンの還
元反応は大気から隔離した状態で行われることとなり、
還元されたチタンの酸化,窒化あるいは炭化を抑えて純
度の高いチタンを精製することができるとともに、二酸
化チタン及び黒鉛粉末は確実に高温プラズマの発生領域
に導かれることとなり、これらの反応物質にマルチアー
クを十分照射することができる。
【0015】またこの発明においては、密閉炉内の坩堝
と、密閉炉外の溶融チタンの冷却装置とをチタン搬出パ
イプを介して接続し、該搬出パイプの出口側開口を開閉
する開閉装置を設け、さらに冷却装置のチタン冷却通路
の出口側に、該冷却通路の出口端位置からその下方の所
定位置まで慴動可能でかつ上記出口端位置では冷却通路
の出口を閉塞するプレート部材を備え、溶融チタンを冷
却して所定長さの棒状体に成形するようにしたので、還
元した金属チタンをインゴット状態にして連続的に取り
出すことができ、金属チタンの密閉炉からの取りだし工
程が簡単になる。
【0016】さらにこの発明においては、上記密閉炉の
側壁の一部にその一端が開口する集塵ダクトを取付け、
該集塵ダクトの他端を、上記密閉炉からの排出ガスを処
理する処理装置に接続したので、還元されずに残った酸
化チタンや黒鉛粉末を集めて上記密閉炉内に還流して、
再度還元処理することができ、また金属チタンの蒸気に
ついては冷却により固化して微粉状の金属チタンとして
回収することもできる。
【0017】
【実施例】以下この発明の実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の一実施例によるチタンの製錬装置
を示す全体構成図である。図において、1は粉末の酸化
チタン10を炭素により還元して製錬する装置で、密閉
炉100及び冷却成形装置150とから構成されてお
り、密閉炉100には、第1グループの6つの電極11
1〜116が、その頂角が鋭角である逆円錐形状を形成
するよう,つまり電極の起立角が70°程度となるよう
かつそれぞれの先端部が同一円周上に等角度間隔で位置
するよう放射状に配置され、また第2グループの6つの
電極121〜126が、その頂角が鈍角である逆円錐形
状を形成するよう,つまり電極の起立角が30°程度と
なるようかつそれぞれの先端部が上記第1グループの電
極先端部の下側であってこれらの電極先端部とは円周方
向に約30度ずれた位置に位置するよう等角度間隔で放
射状に配置されており、上記12個の電極には3相交流
電源2が接続されている。
【0018】図2は上記各電極と3相交流電源装置の各
相出力との接続関係を示し、図3は各電極によるマルチ
アークを示す図である。上記各電極には、図2に示すよ
うに、3相交流出力の各相(U相,V相,W相)を、相
互に近接して位置する3つの電極には異なる相電圧が印
加されるよう接続している。つまり上記12個の電極
は、そのうちの第1のグループの電極111〜116に
より下方に向かう第1の複数のアークAを発生し(図3
(a) )、相互に近接して位置する第1グループの2つの
電極と該2つの電極の間に位置する第2グループの1つ
の電極、例えば113(W相)及び114(U相)と1
22(V相)とにより、また相互に近接して位置する第
2グループの2つの電極と該2つの電極の間に位置する
第1グループの1つの電極、例えば122(V相)及び
123(W相)と114(U相)とにより上記第1の複
数のアークをその横方向から叩きつける第2の複数のア
ークB1 ,B2 をそれぞれ発生し(図3(c) ,(d) )、
上記第2のグループの電極121〜126により上記第
1及び第2の複数のアークA,B1 ,B2 をその回りか
ら包み込むよう出射する第3の複数のアークCを発生し
(図3(b) )、これらの第1〜第3のアークにより上記
酸化チタンを黒鉛粉末とともに加熱処理する構成となっ
ている。
【0019】また、上記第1グループの電極111〜1
16は、筒状形状の黒鉛電極を、その先端部が密閉炉1
00内に位置するよう該炉の側壁を貫通して配設したも
のであり、二酸化チタン及び黒鉛粉末をこれらの電極内
部通路110aを通して処理炉内に導入できるようにな
っている。同様に上記第2グループの電極121〜12
6も、筒状形状の黒鉛電極を、その先端部が密閉炉10
0内に位置するよう該炉の側壁を貫通して配設したもの
である。
【0020】ここで上記密閉炉100は、金属製の円筒
状体の周囲の壁を二重構造の水冷壁とした胴体殻101
aとその内面に貼付けられた耐火キャスター壁101b
とからなる炉胴体部101、外皮鉄板102aとその内
側に貼付けられた耐火キャスター壁102bからなる炉
底部102、円錐台形状の鉄製殻103aとその内側に
貼付けられた耐火キャスター壁103bとからなる炉天
井円錐部103、及び外皮鉄板104aとその内側に貼
付けられた耐火キャスター壁104bからなる炉天井中
央部104から構成されており、各部分はそれぞれのフ
ランジ部をボルト・ナット100aにより締付け固定さ
れている。なお104cは上記炉天井中央部104の中
心部にその一端が開口する、アルゴン等の不活性ガスを
炉内に供給するためのパイプ、131,132はそれぞ
れ上記炉胴体部101の水冷壁内に冷却水を供給及び排
出する給水口及び排水口である。
【0021】上記炉胴体部101の周壁には、上記第2
グループの電極を支持する筒状体120bがこれを貫通
して取付けられており、また上記炉天井円錐部103の
周壁には上記第1グループの電極を支持する筒状体11
0bが取付けられている。
【0022】そして上記密閉炉100の第1及び第2グ
ループの電極先端部の下側には、製錬された溶融状態の
チタンを溜める坩堝134が配設されている。また、上
記密閉炉100の下側には、上記坩堝134に溜められ
た溶融チタンを冷却して所定長さの棒状体(インゴッ
ト)20に成形する冷却成形装置150が配設されてい
る。この装置は、上記密閉炉100の底面壁を貫通して
配設され、上端が上記坩堝の底部に開口する溶融チタン
の搬出用のパイプ160aと、該搬出パイプ160aの
下端開口を開閉する開閉装置160を介して上記搬出パ
イプ160a下端に接続され、溶融チタンを冷却するた
めの冷却通路170aと、さらにその下に取り付けら
れ、該冷却通路170aの出口端位置からその下方の所
定位置まで慴動可能で、かつ上記出口端位置では冷却通
路の出口を閉塞するプレート部材180とで構成されて
いる。
【0023】ここで、162は上記開閉装置のダンパー
部材161を開閉駆動するアクチュエータである。18
1は上記プレート部材180の慴動動作をガイドするガ
イドロッド、182は上記プレート部材180の慴動動
作をガイドするとともに、これを上下に慴動移動させる
ネジ切りロッドで、上記プレート部材180と螺合して
いる。181aは上記冷却装置に取付けられ、上記ガイ
ドロッド181を支持する支持部材、182aは上記冷
却装置170に取付けられ、上記ネジ切りロッドを回転
可能に支持する支持部材、183は上記ガイドロッド及
びネジ切りロッドの下端を支持する底部プレート、18
4は該底部プレートに取付けられ、上記ネジ切りロッド
182を回転駆動するモータである。
【0024】また、上記密閉炉100はその側壁の一部
にその一端が開口する集塵ダクト140を有し、該集塵
ダクトの他端は、上記アーク処理炉からの排出ガスを集
塵処理する集塵装置141に接続されている。
【0025】次に動作について説明する。このチタンの
製錬装置1の電源をオンすると、各電極に3相交流の各
相電圧が印加され、上記3種類のマルチアーク(A,
B,C)が発生する。そして粉末状態の二酸化チタン1
0を黒鉛粉末とともに筒状の第1グループの電極111
〜116を通して処理炉100内に搬入すると、二酸化
チタン10及び黒鉛粉末は上記マルチアークによって加
熱される。この際二酸化チタン10及び黒鉛は以下の化
学式で示す化学反応を起こす。
【0026】 TiO2 +2C → Ti+2CO ・・・ 式のような反応が還元される二酸化チタン10全体に
対して起これば問題はないが、炉内ではエネルギーの多
少にばらつきがあり、また黒鉛と二酸化チタンとの反応
も一様ではなく、過剰に反応するものもあれば反応して
いないものもある。こうしたものは、自ずから以下の化
学式〜で示されるような反応を起こし還元される。
【0027】 TiO2 +C → TiO+CO ・・・ TiO +C → Ti +CO ・・・ TiO2 +CO → TiO+CO2 ・・・ TiO +CO → Ti +CO2 ・・・ TiO2 +3C → TiC+2CO ・・・ TiO +2C → TiC+CO ・・・ TiO2 +2TiC → 3Ti+2CO ・・・ TiO +TiC → 2Ti+CO ・・・
【0028】その結果二酸化チタンは還元されて溶融状
態の金属チタンとなって、坩堝134内に落下する。そ
して該坩堝の底部から搬出パイプ160aを介して冷却
装置170の冷却通路170a内に達する。この時慴動
プレート180は冷却通路170aの出口端位置に位置
しており、冷却通路の出口は閉塞された状態となってい
るため、溶融チタンは上記冷却通路170a内で冷却固
化される。冷却通路170a内で溶融チタンがある程度
の高さ位置まで固化した時、上記慴動プレート180を
下方に移動させてチタンのインゴット20を上記冷却装
置から抜き出す。そして所定量抜き出した時点で、上記
開閉部材のダンパー161を駆動して溶融チタンの冷却
装置内への流入を遮断し、その後さらに上記プレート下
方に移動させて所定長さのチタンのインゴット20を完
全に抜き出す。なおこのようにして抜き出したチタンの
インゴットは図示しない他の搬送装置によりピット内か
ら外部に搬出される。
【0029】上記インゴット20の抜き出し後、上記プ
レート部材180を再び冷却通路170aの出口位置に
戻し、上記ダンパー161を駆動して搬出パイプ160
aの出口を開けて溶融チタンの冷却通路内へ流入させ
る。その後は上記と同様にして次々にチタンのインゴッ
ト20を搬出する。
【0030】また上記処理炉100内部は、アルゴンガ
スの導入により常に正圧に圧力調整されており、このた
め上記チタンの製錬の際、完全に還元されなかった酸化
チタンや黒鉛粉末の残留分は自動的に排気パイプ140
を通して排気ガス処理装置に送られ、それぞれ上記処理
炉内に戻される。
【0031】このように本実施例においては、第1グル
ープの6つの電極111〜116を、頂角が鋭角である
逆円錐形状を形成するようかつそれぞれの先端部が同一
円周上に等角度間隔で位置するよう放射状に配置し、第
2グループの6つの電極121〜126を、頂角が鈍角
である逆円錐形状を形成するよう、かつそれぞれの先端
部が上記第1グループの電極先端部の下側であってこれ
らの電極先端部とは円周方向に約30度ずれた位置に位
置するよう等角度間隔で放射状に配置し、3相交流電源
2を上記各電極に印加して、第1のグループの電極11
1〜116により下方に向かう第1の複数のアークAを
発生し、相互に近接して位置する3つの電極により該第
1の複数のアークをその横方向から叩きつける第2の複
数のアークBを発生し、上記第2のグループの電極によ
り上記第1及び第2の複数のアークをその回りから包み
込むよう出射する第3の複数のアークCを発生し、これ
らの第1〜第3のアークにより上記酸化チタンを黒鉛粉
末とともに加熱処理するようにしたので、酸化チタンを
極めて高い温度まで昇温でき、これによって黒鉛粉末に
よる酸化チタンの還元反応がスムーズにかつ短時間に行
われることとなる。このため簡略化されたチタンの還元
工程にて、粗製チタンを製錬することができる。
【0032】また本実施例においては、上記各グループ
の電極を、その先端部が密閉炉100内に位置するよう
該炉の側壁101,103を貫通して配設し、第1グル
ープの電極111〜116にパイプ状黒鉛電極を用い、
該電極内部を通して二酸化チタン及びその還元用の黒鉛
粉末を炉内に供給するようにしたので、二酸化チタンの
還元反応は大気から隔離した状態で行われることとな
り、還元されたチタンの酸化あるいは窒化を抑えて純度
の高いチタンを精製することができるとともに、二酸化
チタン及び黒鉛粉末は確実にマルチアークの発生領域に
導かれることとなり、これらの反応物質にマルチアーク
を十分照射することができる。
【0033】また本実施例においては、密閉炉内の坩堝
134と、密閉炉外の溶融チタンの冷却装置150とを
チタン搬出パイプ160aを介して接続し、該搬出パイ
プ160aの出口側開口を開閉する開閉装置160を設
け、さらに冷却装置のチタン冷却通路170aの出口側
に、該冷却通路170aの出口位置からその下方の所定
位置まで慴動可能でかつ上記出口位置では冷却通路の出
口を閉塞するプレート部材180を備え、溶融チタンを
冷却して所定長さの棒状体に成形するようにしたので、
還元した金属チタンをインゴット状態にして連続的に取
り出すことができ、金属チタンの密閉炉からの取りだし
工程が簡単になる。
【0034】さらにまた本実施例においては、上記密閉
炉100の側壁の一部にその一端が開口する集塵ダクト
140を取付け、該集塵ダクトの他端を、上記密閉炉か
らの排出ガスを処理する処理装置141に接続したの
で、還元されずに残った酸化チタンや黒鉛粉末を集めて
上記密閉炉100内に還流して、再度還元処理すること
ができ、また金属チタンの蒸気については冷却により固
化して金属チタンを回収することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るチタンの
製錬装置によれば、第1グループの6つの電極を、頂角
が鋭角である逆円錐形状を形成するようかつそれぞれの
先端部が同一円周上に等角度間隔で位置するよう放射状
に配置し、第2グループの6つの電極を、頂角が鈍角で
ある逆円錐形状を形成するよう、かつそれぞれの先端部
が上記第1グループの電極先端部の下側であってこれら
の電極先端部とは円周方向に約30度ずれた位置に位置
するよう等角度間隔で放射状に配置し、3相交流電源を
上記各電極に印加して、第1のグループの電極により下
方に向かう第1の複数のアークを発生し、相互に近接し
て位置する3つの電極により該第1の複数のアークをそ
の横方向から叩きつける第2の複数のアークを発生し、
上記第2のグループの電極により上記第1及び第2の複
数のアークをその回りから包み込むよう出射する第3の
複数のアークを発生し、これらの第1〜第3のアークに
より上記酸化チタンを黒鉛粉末とともに加熱処理するよ
うにしたので、酸化チタンを極めて高い温度まで昇温で
き、これによって黒鉛粉末による酸化チタンの還元反応
がスムーズにかつ短時間に行われることとなる。このた
めチタンの還元工程を簡略化して、粗製チタンを製錬す
ることができる効果がある。
【0036】また、この発明によれば、上記チタン製錬
装置において、上記各グループの電極を、その先端部が
密閉炉内に位置するよう該炉の側壁を貫通して配設し、
第1グループの電極にパイプ状黒鉛電極を用い、該電極
内部を通して二酸化チタン及びその還元用の黒鉛粉末を
炉内に供給するようにしたので、二酸化チタンの還元反
応は大気から隔離した状態で行われることとなり、還元
されたチタンの酸化,窒化あるいは炭化を抑えて純度の
高いチタンを精製することができるととも、二酸化チタ
ン及び黒鉛粉末は確実にマルチアークの発生領域に導か
れることとなり、これらの反応物質にマルチアークを十
分照射することができる効果がある。
【0037】また、この発明によれば上記チタン製錬装
置において、密閉炉内の坩堝と、密閉炉外の溶融チタン
の冷却装置とをチタン搬出パイプを介して接続し、該搬
出パイプの出口側開口を開閉する開閉装置を設け、さら
に冷却装置のチタン冷却通路の出口側に、該冷却通路の
出口端位置からその下方の所定位置まで慴動可能でかつ
上記出口端位置では冷却通路の出口を閉塞するプレート
部材を備え、溶融チタンを冷却して所定長さの棒状体に
成形するようにしたので、還元した金属チタンをインゴ
ット状態にして連続的に取り出すことができ、金属チタ
ンの密閉炉からの取りだし工程が簡単になる効果があ
る。
【0038】また、この発明によれば、上記チタン製錬
装置において、上記密閉炉の側壁の一部にその一端が開
口する集塵ダクトを取付け、該集塵ダクトの他端を、上
記密閉炉からの排出ガスを処理する処理装置に接続した
ので、還元されずに残った酸化チタンや黒鉛粉末を集め
て上記密閉炉内に還流して、再度還元処理することがで
き、また金属チタンの蒸気については冷却により固化し
て金属チタンとして回収することもできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるチタンの製錬装置の全
体構成を示す模式図である。
【図2】図1のチタンの製錬装置の各電極と3相交流電
源装置の各相出力との接続関係を示す図である。
【図3】図1のチタンの製錬装置の各電極によるマルチ
アークを示す図である。
【図4】従来のチタンの製錬方法を説明するための模式
図である。
【符号の説明】
1 チタンの製錬装置 2 3相電源装置 10 酸化チタン 20 インゴット 100 密閉処理炉 111〜116 第1グループの黒鉛電極 121〜126 第2グループの黒鉛電極 110a 電極内部通路 134 坩堝 140 集塵ダクト 141 集塵装置 150 冷却成形装置 160 開閉装置 160a 溶融チタン搬出パイプ 170a 冷却通路 180 プレート部材
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンを炭素により還元してチタン
    の製錬をする装置であって、 頂角が鋭角である逆円錐形状を形成するよう、かつそれ
    ぞれの先端部が同一円周上に等角度間隔で位置するよう
    放射状に配置してなる第1グループの6つの電極と、 頂角が鈍角である逆円錐形状を形成するよう、かつそれ
    ぞれの先端部が上記第1グループの電極先端部の下側で
    あってこれらの電極先端部とは円周方向に約30度ずれ
    た位置に位置するよう等角度間隔で放射状に配置してな
    る第2グループの6つの電極と、 3相交流出力の各相を、相互に近接して位置する3つの
    電極には異なる相電圧が印加されるよう上記12個の電
    極に接続した3相交流電源とを備え、 上記3相交流電源を上記各電極に印加して、第1のグル
    ープの電極により下方に向かう第1の複数のアークを発
    生し、上記第1及び第2のグループの電極のうちの、相
    互に近接して位置する3つの電極により上記第1の複数
    のアークをその横方向から叩きつける第2の複数のアー
    クを発生し、上記第2のグループの電極により上記第1
    及び第2の複数のアークをその回りから包み込むよう出
    射する第3の複数のアークを発生し、これらの第1〜第
    3のアークにより上記酸化チタンを黒鉛粉末とともに加
    熱処理するようにしたことを特徴とするチタンの製錬装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のチタンの製錬装置におい
    て、 上記各グループの電極は、その先端部が密閉炉内に位置
    するよう該炉の側壁を貫通して配設されており、 上記第1グループの電極は筒状形状の黒鉛電極から構成
    され、二酸化チタン及び黒鉛粉末をこれらの電極内部通
    路を通して上記密閉炉内に導入可能となっていることを
    特徴とするチタンの製錬装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のチタンの製錬装置におい
    て、 上記密閉炉の電極先端部の下側に配設され、製錬された
    溶融状態のチタンを溜める坩堝と、 上記密閉炉の底面壁を貫通して配設され、上端が上記坩
    堝の底面部に開口する溶融チタンの搬出用のパイプと、
    該搬出パイプの下端開口を開閉する開閉部材と、その入
    口端部が該開閉部材を介して上記搬出パイプ下端部に接
    続され、溶融チタンを冷却するための冷却通路と、該冷
    却通路の出口端位置からその下方の所定位置まで慴動可
    能で、かつ上記出口端位置では冷却通路の出口を閉塞す
    るプレート部材とを有し、溶融チタンを冷却して所定長
    さの棒状体に成形する冷却成形装置とを備えたことを特
    徴とするチタンの製錬装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のチタンの製錬装置におい
    て、 上記密閉炉はその側壁の一部にその一端が開口する集塵
    ダクトを有し、該集塵ダクトの他端は、上記アーク処理
    炉からの排出ガスを集塵処理する集塵装置に接続されて
    いることを特徴とするアーク処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028590A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Akio Fuwa 金属チタンの製造方法
JP2007505992A (ja) * 2003-09-19 2007-03-15 エスアールアイ インターナショナル 金属ハロゲン化物の還元によって金属組成物を製造するための方法および装置
JP2009518544A (ja) * 2005-12-06 2009-05-07 マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ コーポレイション 金属生成のための熱および電気化学的処理

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