JP2006028590A - 金属チタンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性を向上させることができ、高純度の金属チタンを製造することができる金属チタンの製造方法を提供する。
【解決手段】 溶融マグネシウムおよび溶融塩化マグネシウムが充填されている還元容器に四塩化チタンを供給すると、その四塩化チタンが溶融マグネシウムで還元され、金属チタンが生成される。引き続いて四塩化チタンを供給すると、その四塩化チタンが、生成された金属チタンと反応することにより、二塩化チタンが生成される。続いて、生成された二塩化チタンを溶融マグネシウムで還元することにより、粒状の金属チタンが生成される。

Description

本発明は、金属チタンの製造方法に係り、特に低級チタン塩化物を生成する工程を経由して金属チタンを製造する技術に関する。
金属チタンの製造方法として、従来から四塩化チタンを金属マグネシウムで還元することによりスポンジチタンを得るクロール法が一般的に利用されている。しかし、クロール法はバッチ処理であるため、金属チタンの製造コストの低減を図ることが困難であった。
さらに、クロール法で生成される金属チタンは、スポンジ状であることから、反応容器に付着しやすいため、反応容器から取り出すのが困難であった。
また、これにより、反応容器を構成する材料により金属チタンが汚染されてしまうという問題があった。このようにクロール法には、多くの課題が残されている。
そこで、製造コストの観点から、スポンジチタンの製造工程で発生する安価なチタンスクラップを利用することが提案されている。チタンスクラップには、チタンインゴットから製品までの加工の際に発生するものがあり、研削屑や、切削屑、チップ等の形態がある。
また、これらに加えて、スポンジチタンの低グレード部分や、その他のチタンリサイクル材がある。チタン材は近年需要が伸びてきており、これに伴ってチタンスクラップの発生量も増加する傾向にあることから、資源リサイクリングの観点からも、これらチタンスクラップを有効利用することが期待されている。
しかしながら、上記チタンスクラップの一部は、真空アーク溶解や電子ビーム溶解で再溶解することによってリサイクルされているが、高純度の金属チタンが得られないため、その利用状況は十分とはいえなかった。
そこで、たとえば特許文献1および特許文献2に開示されているように、出発原料としてチタンスクラップを用い、低級チタン塩化物を生成する工程を経由することにより金属チタン粒を製造する技術が提案されている。
そのうち特許文献1に記載の技術では、反応容器が仕切板等で第1反応室および第2反応室に分けられ、第1反応室および第2反応室のそれぞれにマグネシウムの溶融塩として溶融塩化マグネシウムが充填されている。
この技術では、チタンスクラップと四塩化チタンとを第1反応室に供給することにより、低級チタン塩化物として二塩化チタンを生成し、この二塩化チタンを仕切板からオーバーフローさせて第2反応室に供給する。
そして、第2反応室において、溶融マグネシウムを供給して、その二塩化チタンを還元することにより粒状の金属チタンを製造し、製造された金属チタンを連続的に系外に取り出している。
また、特許文献2に記載の技術では、上記のように生成された二塩化チタンを溶融塩化マグネシウムに溶解または懸濁させた後、そこに溶融マグネシウムを供給して、溶解または懸濁された二塩化チタンを還元することにより、粒状の金属チタンを連続的に製造し、製造された金属チタンを連続的に系外に取り出している。
これら技術では、出発原料として安価なチタンスクラップを用いることにより製造コストを低減するとともに、金属チタン粒を生成することにより反応容器への金属チタンの付着、ひいては金属チタンの汚染を防止することが図られている。
米国特許2839385号(コラム4、図2) 米国特許6210461号(要約、図3)
しかしながら、このような技術では、原料であるチタンスクラップが反応前に大気に曝され、その表面が酸化され活性状態でないため、チタンスクラップと四塩化チタンとの反応速度が小さく、その結果、生産性が低いという問題があった。
また、これにより、反応性を高めるためにチタンスクラップを粉砕する等の工程が必要であった。さらに、製造される金属チタンには、チタンスクラップに含まれていた不純物が残留している。
加えて、金属チタンは、上記のように反応速度が小さく反応時間が長いため、反応容器の壁の材料により汚染されやすい。これら理由により、上記技術により得られる金属チタンは、品質特性が厳しく要求される製品に対応することができなかった。
したがって、本発明は、製造コストを低減することができるのはもちろんのこと、製造工程を増やすことなく生産性を向上させることができ、かつ高純度の金属チタンを製造することができる金属チタンの製造方法を提供することを目的にしている。
本発明の金属チタンの製造方法は、溶融還元性金属と溶融塩とを第1の容器に供給し、次いで、この第1の容器に四塩化チタンを供給して金属チタンを生成した後、さらに四塩化チタンを第1の容器に供給し、この四塩化チタンと前記金属チタンとを反応させて低級チタン塩化物を生成し、次いで、この低級チタン塩化物を溶融還元性金属と反応させることにより金属チタンを生成することを特徴としている。
本発明の金属チタンの製造方法では、四塩化チタンを供給することにより、供給された四塩化チタンが溶融還元性金属に還元されて金属チタンが第1の容器内で生成される。そして、生成された金属チタンが引き続いて第1の容器内に供給された四塩化チタンと反応することにより、低級チタン塩化物が生成される。次いで、生成された低級チタン塩化物を溶融還元性金属で還元することにより、粒状の金属チタンが生成される。
このような本発明の金属チタンの製造方法によれば、低級チタン塩化物の原料である金属チタンは第1の容器内で生成されるので、金属チタンの表面は大気によって酸化されずに活性状態にあることから、従来のように金属チタンとしてチタンスクラップを用いる手法と比較して、低級チタン塩化物の生成速度が大きくなるので、生産性を向上させることができる。
また、従来のようなチタンスクラップを粉砕する等の工程が別途必要ないので、製造コストを低減することができる。また、第1の容器内で生成された金属チタンをそのまま四塩化チタンと反応させているので、従来のような原料であるチタンスクラップに含まれていた不純物が混入することがない。
さらに、上記のように反応速度が大きくなり、反応時間を短縮することができるので、第1の容器の壁の材料(たとえば、鉄、ニッケル、クロム)により汚染されることが少なくなる。したがって、高純度の金属チタンを製造することができ、ターゲット用の高純度チタンを製造することができる。
上記四塩化チタンは、溶融塩中に供給するのが好ましい。たとえば、第1の容器の下部に溶融塩を配置するとともに、この溶融塩の上側に溶融還元性金属を配置し、四塩化チタンを溶融塩中に供給する。
上記のように四塩化チタンを溶融還元性金属で還元して生成された金属チタンは粒状であり、浴に浮遊しているものもあるが、互いに合体してスポンジ状となり、第1の容器の底部に沈積するものもある。
このため、四塩化チタンを供給して金属チタンを生成した後、溶融塩中に不活性ガスを供給して溶融塩を撹拌するのが好適である。溶融塩を撹拌することにより、金属チタンを溶融塩中に分散させることができ、四塩化チタンと均一に接触させることができる。上記不活性ガスとしては、たとえばアルゴンガスが挙げられる。
上記態様では、不活性ガスを供給して溶融塩を攪拌することにより、第1の容器の底部に沈積したスポンジ状の金属チタンが溶融塩層全体に分散され第1の容器と接触する時間が短縮されるため、第1の容器から金属チタンへの鉄や、ニッケル、クロム等による汚染を防止することができる。
上記溶融塩は、たとえば、溶融塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、および塩化カルシウムのうちの1種あるいは2種以上から構成される。
低級チタン塩化物を溶融還元性金属と反応させるのには、種々の手法を用いることができる。たとえば、第1の容器内で生成された低級チタン塩化物を含む溶融塩を、溶融還元性金属が充填された第2の容器に供給する。あるいは、低級チタン塩化物と溶融塩とを分離し、分離された低級チタン塩化物に溶融還元性金属を供給する。
上記のように低級チタン塩化物と溶融還元性金属と反応させることにより製造された金属チタンは、電子ビーム溶解することにより、チタンインゴットを製造することができる。
また、低級チタン塩化物は、たとえば二塩化チタンである。溶融還元性金属は、たとえば溶融マグネシウムである。
本発明の金属チタンの製造方法によれば、低級チタン塩化物の原料となる金属チタンは第1の容器内で生成されるので、金属チタンの表面は大気によって酸化されずに活性状態にある。
よって、従来のようにチタンスクラップや低級スポンジチタンを原料に用いる方法に比べて低級チタン塩化物の生産性を向上させることができる。
また、従来のようなチタンスクラップを粉砕する等の工程が別途必要ないので、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態で用いる四塩化チタンは、クロール法で使用できる程度の純度を有すれば良く、その純度は、3N〜4N程度であればよい。ただし、ターゲット用の金属チタンを製造する場合には、製品に要求される特性に応じて、より高純度の四塩化チタンを使用するのが好ましい。
本実施形態で用いる溶融マグネシウム(溶融還元性金属)も四塩化チタンと同様、クロール法で使用される程度の純度を有すればよく、その純度は、3N〜4N程度であればよい。ターゲット用の金属チタンを製造する場合には、要求特性に応じて更に高純度の溶融マグネシウムを使用するのが好ましい。
第1の還元容器として、たとえばクロール法で通常使用されるステンレス鋼製の容器を用いることができる。高純度チタンの製造を目的にする場合には、ニッケルやクロム等の含有濃度の低い炭素鋼を内張りしたクラッド製の還元容器を用いることが好ましい。
次に、還元容器に溶融マグネシウムを供給する。溶融マグネシウムの供給量は、製造予定の中間生成物である金属チタンを製造するために必要な量に調整すれば良い。
溶融マグネシウムの温度は、700〜900℃程度に保持しておくことが好ましい。これは、反応温度が高すぎた場合、溶融マグネシウムの蒸発ロスが大きく、また反応温度が低すぎた場合、マグネシウムが凝固する虞があるため実用的ではないからである。
続いて、所定量の溶融マグネシウムが保持されている還元容器に、溶融塩化マグネシウム(溶融塩)を供給し、溶融塩化マグネシウム層および溶融マグネシウム層を形成する。この場合、溶融マグネシウム層は、溶融塩化マグネシウム層面に浮遊する。
ここで、溶融塩化マグネシウムは、溶融マグネシウムを供給する前に、還元容器に供給しておくことが好ましい。この場合、溶融マグネシウムが還元容器と接触する面積が小さくなり、還元容器壁からの不純物の拡散量が減るので純度の高い金属チタンを製造するには好適である。
次いで、還元容器に供給する四塩化チタンは、ガスあるいは液体で供給することができる。
また、四塩化チタンは、溶融塩化マグネシウム層中に供給することが好ましい。たとえば、還元容器内の溶融塩化マグネシウム層中に浸漬するような位置にパイプを設け、そのパイプから四塩化チタンを供給してもよい。
あるいは、還元容器の側壁位置にノズルを設け、そのノズルから四塩化チタンを供給してもよい。ノズルを設ける場合、それを溶融マグネシウム層のなかに設けると、ノズルが閉塞する虞が大きいので、溶融塩化マグネシウム層のなかに設けるのが好ましい。
上記のように還元容器への四塩化チタンの供給を開始すると、供給された四塩化チタンは溶融塩化マグネシウム層内をガス状態で上昇する。溶融塩化マグネシウム層を上昇した四塩化チタンガスは、溶融マグネシウムと接触反応することにより還元されて金属チタンが生成される。
このように生成された金属チタンは、浮遊する場合もあるが、還元反応の継続に伴い、互いに合体して溶融塩化マグネシウム層内を沈降し、容器の底部に堆積することにより、スポンジ状となる。
還元容器内の溶融マグネシウムは、還元反応の継続に伴い、その量は減少していき、溶融マグネシウム層は消失する。溶融マグネシウム層が消失したときに四塩化チタンの供給を終了できるように、四塩化チタンの供給量をあらかじめ見積もっておくことが好ましい。
生成する金属チタンの量は、還元容器内に形成された溶融塩化マグネシウム層の容積の10〜25%程度に抑制しておくことが好ましい。これは、生成された金属チタンがスポンジ状であることから、金属チタンを過剰に生成した場合、還元容器から金属チタンへの鉄や、ニッケル、クロム等による汚染が進行してしまうからである。
金属チタンの純度が厳しく要求されない場合には、溶融塩化マグネシウム層の容積の25%より多くの量の金属チタンを製造することも可能である。また、還元反応では塩化マグネシウムが副生されるが、副生された塩化マグネシウムは、溶融塩化マグネシウム層と合体して増量するので、必要に応じて、溶融塩化マグネシウムのみを容器底部から系外に排出することが好ましい。
上記のように四塩化チタンを供給した後、溶融塩化マグネシウム層のなかに、不活性ガスとして、たとえばアルゴンガスを供給し、その層全体を攪拌するのが好適である。
このように塩化マグネシウム層を攪拌することにより、容器の底部に沈積した金属チタンが溶融塩化マグネシウム層全体に分散され、その金属チタンが還元容器と接触する機会が減少する。このため、還元容器から金属チタンへの鉄や、ニッケル、クロム等による汚染防止に有効である。
そして、さらに四塩化チタンを溶融塩化マグネシウム層の底部に供給すると、その四塩化チタンは、溶融塩化マグネシウム層で分散されている金属チタンと効率よく接触して反応することにより、二塩化チタン(低級チタン塩化物)が生成される。
四塩化チタンと金属チタンとの反応は、従来、スクラップチタンや低級グレードのスポンジチタンを用いる方法が知られているが、これらの金属チタンに比べて、本発明で生成した金属チタンは、大気に接していないので生成チタンの表面が酸化されておらず活性であり、従来の方法に比べて四塩化チタンとの反応速度が大きいという特徴を有する。
なお、金属チタンと四塩化チタンとの反応温度は、750℃〜850℃に維持しておくことが好ましい。これは、反応温度が750℃以下の場合には反応速度が十分でなく、一方、850℃以上の場合には、溶融塩化マグネシウムの蒸発ロスが大きくなるからである。
続いて、還元容器に溶融マグネシウムを供給すると、溶融塩化マグネシウム中の二塩化チタンが、供給された溶融マグネシウムにより還元されることにより、粒状の金属チタンが均一に生成される。
この場合、溶融マグネシウムは、溶融塩化マグネシウム中に供給するのが好ましい。また、溶融マグネシウムは、所定量を一度に供給してもよいが、この場合には多量の反応熱が発生することがあるため、還元容器内の温度上昇を考慮して徐々に供給することが好ましい。
二塩化チタンの還元反応が終了した後、溶融塩化マグネシウム層へのアルゴンガスの供給を停止し、その層全体を静置させる。これにより、上記還元反応で生成された金属チタンを、還元容器の底部に沈積させることができる。
最後に、還元容器から溶融塩化マグネシウムを全量排出した後、生成された金属チタンに高温の真空分離処理を施し金属チタンを得ることができる。
こうして得られた金属チタンを電子ビーム溶解することにより、純度の高い金属チタンインゴットを製造することができる。
本発明の金属チタンの製造方法では、二塩化チタンの生成原料である金属チタンは還元容器内で生成するので金属チタンの表面は大気によって酸化されずに活性状態にあることから、従来のように金属チタンとしてチタンスクラップを用いる手法と比較して、二塩化チタンの生成速度が大きくなり生産性を向上させることができる。また、従来のようなチタンスクラップを粉砕する等の工程が別途必要ないので、製造コストを低減することができる。
また、還元容器内で生成された金属チタンをそのまま四塩化チタンと反応させているので、従来のような原料であるチタンスクラップに含まれている不純物が混入することがない。さらに、上記のように反応速度が大きいため反応時間を短縮することができるので、還元容器の壁の材料により汚染される虞もが少なくなる。
したがって、純度の高い金属チタンを製造することができ、ターゲット用の高純度チタンを製造することもできる。
さらに、四塩化チタンを供給して金属チタンを生成した後、アルゴンガスを供給して溶融塩化マグネシウム層を攪拌することにより、還元容器の底部に沈積したスポンジ状の金属チタンが溶融塩化マグネシウム層全体に分散されるので、その金属チタンが還元容器と接触する機会が減少する。これにより、還元容器から金属チタンへの鉄や、ニッケル、クロム等による汚染を防止することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、溶融塩として、溶融塩化マグネシウムを用いるようにしたが、これに加えて、塩化ナトリウムあるいは塩化カルシウムを用いるようにしてもよい。また、溶融塩として、これらのうちの1種あるいは2種以上から構成されたものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、還元容器に四塩化チタンを供給することにより二塩化チタン生成した後、その還元容器における二塩化チタンを含む溶融塩化マグネシウムに溶融マグネシウムを供給したが、これに限定されるものではない。
たとえば、溶融マグネシウムが充填された還元容器(第2の容器)を別途用意し、上記実施形態の還元容器内で生成された二塩化チタンを含んだ溶融塩化マグネシウムを、その別途用意された還元容器に供給してもよい。
あるいは、二塩化チタンを含む溶融塩が充填されている還元容器から溶融塩化マグネシウムを分離し、次いで、還元容器内に残っている二塩化チタンに溶融マグネシウムを供給してもよい。
(実施例)
まず、溶融マグネシウムと溶融塩化マグネシウムとを還元容器に供給した。次に、溶融塩化マグネシウム層中に四塩化チタンを供給することにより、溶融塩化マグネシウム層の15%に相当する容積のスポンジ状の金属チタンを生成した。
次いで、溶融塩化マグネシウム層全体を攪拌することにより、生成された金属チタンを分散した。続いて、溶融塩化マグネシウム層中に四塩化チタンガスをさらに供給することにより、分散された金属チタンと四塩化チタンとを反応させ、二塩化チタンを生成した。
次に、溶融マグネシウムを供給することにより、二塩化チタンを還元して粒状の金属チタンを生成した。この還元反応で副生された溶融塩化マグネシウムを排出した後、真空分離工程を施すことにより、金属チタン内に残留していた塩化マグネシウムや金属マグネシウムを分離除去した。このようにして得られた金属チタンの生産速度を表1に示す。また、この金属チタン中の鉄、ニッケル、クロム、および酸素の濃度を分析した結果を表2に示す。
(比較例)
まず、還元容器内にスポンジチタンを配置した後、そこに溶融塩化マグネシウムを供給することにより、スポンジチタンを溶融塩化マグネシウムに浸漬した。次いで、溶融塩化マグネシウム層に浸漬されたスポンジチタン近傍に四塩化チタンを供給することにより、二塩化チタンを生成した。
続いて、溶融塩化マグネシウム層全体を攪拌することにより、溶融塩化マグネシウム層中に二塩化チタンを均一に分散した。次いで、溶融塩化マグネシウム層中に溶融マグネシウムを供給することにより、粒状の金属チタンを生成した。
この還元反応で副生された溶融塩化マグネシウムを排出した後、真空分離工程を施すことにより、余分な塩化マグネシウムと金属マグネシウムを分離除去し、金属チタンを得た。
このような従来の手法で得られた金属チタンの生産速度を表1に示す。また、この金属チタン中の鉄、ニッケル、クロム、および酸素の濃度を分析した結果を表2に示す。
本実施例における金属チタンの生産速度は、比較例1と比べて、3〜5倍であった。したがって、本発明の金属チタンの製造方法は、従来の方法に比べて、高生産性を有する製造方法であることが示された。
また、本実施例で得られた金属チタンは、表1に示すように、比較例で得られたものと比較して、鉄、ニッケル、クロム、および酸素の濃度が低かった。したがって、本発明の金属チタンの製造方法では、従来の方法に比べて、高純度の金属チタンを得ることができることが示された。
さらに、本実施例で得られた金属チタンを電子ビーム溶解することにより、高純度のチタンインゴットを製造することができる。
Figure 2006028590
Figure 2006028590
本発明は、高純度の金属チタンを効率よく製造することができる。

Claims (9)

  1. 溶融還元性金属と溶融塩とを第1の容器に供給し、次いで、この第1の容器に四塩化チタンを供給して金属チタンを生成した後、さらに四塩化チタンを前記第1の容器に供給し、この四塩化チタンと前記金属チタンとを反応させて低級チタン塩化物を生成し、次いで、この溶融塩中の低級チタン塩化物を溶融還元性金属と反応させることにより金属チタンを生成することを特徴とする金属チタンの製造方法。
  2. 前記第1の容器の下部に前記低級チタン塩化物を含む溶融塩を配置するとともに、この溶融塩の上側に前記溶融還元性金属を配置し、前記四塩化チタンを前記溶融塩中に供給することを特徴とする請求項1に記載の金属チタンの製造方法。
  3. 前記四塩化チタンを供給して前記金属チタンを生成した後、前記低級チタン塩化物を含む溶融塩中に不活性ガスを供給して溶融塩を撹拌することにより、前記金属チタンを前記溶融塩中に分散させ、次いで、四塩化チタンを前記第1の容器に供給し、この四塩化チタンと前記金属チタンとを反応させて前記低級チタン塩化物を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の金属チタンの製造方法。
  4. 前記溶融塩は、溶融塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、および塩化カルシウムのうちの1種あるいは2種以上から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
  5. 前記第1の容器内で生成された前記低級チタン塩化物を含む溶融塩を、溶融還元性金属が充填された第2の容器に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
  6. 前記低級チタン塩化物と前記溶融塩とを分離し、分離された低級チタン塩化物に溶融還元性金属を供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
  7. 前記低級チタン塩化物と前記溶融還元性金属と反応させることにより製造された金属チタンを電子ビーム溶解することにより、チタンインゴットを製造することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
  8. 前記低級チタン塩化物は、二塩化チタンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
  9. 前記溶融還元性金属は、溶融マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属チタンの製造方法。
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