JP2005133196A - 溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】TiCl4 をMgにより還元するクロール法より、高能率に金属Tiを製造する。
【解決手段】CaCl2 を含みかつCaが溶解した溶融塩を反応容器1内に保持する。反応容器1内の溶融塩中に、Ti原料であるTiCl4 のガスを供給する。溶融塩中において、TiCl4 が溶融塩中の溶解Caにより、反応容器1内の広い領域で還元され、粒子状の金属Tiが効率的に生成される。生成したTi粒は、凝集せずに沈降して容器底部に堆積し、逐次容器外へ排出される。Ti生成に使用された後の、Caが消費された溶融塩を電解槽7へ送り、溶融塩の電気分解によりCaを生成補充した後に、反応容器1へ戻す。溶融塩の循環及びその過程でのCaの濃度操作により、Caを独立して取り出すことなく、またCaを別途補充することもなく、経済的に金属Tiを製造する。
【選択図】図1
【解決手段】CaCl2 を含みかつCaが溶解した溶融塩を反応容器1内に保持する。反応容器1内の溶融塩中に、Ti原料であるTiCl4 のガスを供給する。溶融塩中において、TiCl4 が溶融塩中の溶解Caにより、反応容器1内の広い領域で還元され、粒子状の金属Tiが効率的に生成される。生成したTi粒は、凝集せずに沈降して容器底部に堆積し、逐次容器外へ排出される。Ti生成に使用された後の、Caが消費された溶融塩を電解槽7へ送り、溶融塩の電気分解によりCaを生成補充した後に、反応容器1へ戻す。溶融塩の循環及びその過程でのCaの濃度操作により、Caを独立して取り出すことなく、またCaを別途補充することもなく、経済的に金属Tiを製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、TiCl4 を含む金属塩化物をCaにより還元処理して金属Ti又はTi合金を製造するCa還元によるTi又はTi合金の製造方法に関し、更に詳しくは、CaCl2 を含み且つCaが溶解した溶融塩を還元反応容器に循環させることにより、金属Ti又はTi合金を経済的に製造する溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法に関する。
金属Tiの工業的な製法としては、TiCl4 をMgにより還元するクロール法が一般的である。このクロール法では、還元工程−真空分離工程を経て金属Tiが製造される。還元工程では、反応容器内でTiの原料であるTiCl4 がMgにより還元され、スポンジ状の金属Tiが製造される。真空分離工程では、反応容器内に製造されたスポンジ状の金属Tiから未反応のMg及び副生物であるMgCl2 が除去される。
還元工程について詳しく説明すると、この工程では、反応容器内に溶融Mgを充填し、その液面に上方からTiCl4 の液体を供給する。これにより、溶融Mgの液面近傍でTiCl4 がMgにより還元され、粒子状の金属Tiが生成する。生成した金属Tiは逐次下方へ沈降する。これと同時に、溶融MgCl2 が液面近傍に副生するが、溶融MgCl2 の比重は溶融Mgの比重より大きい。この比重差のため、副生した溶融MgCl2 が下方に沈降し、代わりに溶融Mgが液面に現れる。この比重差置換により、液面に溶融Mgが供給され続け、反応が継続される。
クロール法による金属Tiの製造では、高純度の製品を製造することが可能である。しかし、バッチ式であるために製造コストが嵩み、製品価格が非常に高くなる。製造コストが嵩む原因の一つは、TiCl4 の供給速度を上げることが困難なことである。TiCl4 の供給速度が制限される理由としては次の3つが考えられる。
クロール法での生産性を高めるには、Tiの原料であるTiCl4 の供給速度、即ち溶融Mgの液面への単位面積・単位時間あたりの供給量を増大させるのが有効である。しかし、供給速度を大きくしすぎると、前述した比重差置換の速度が間に合わず、液面にMgCl2 が残ってこれにTiCl4 が供給されるようになるため、TiCl4 の利用効率が下がる。その結果、供給原料が未反応のTiCl4 ガスやTiCl3 などの未反応生成ガス(これらを未反応ガスという)となって反応容器外へ排出される。また、未反応ガスの発生は容器内圧の急激な上昇を伴うために避ける必要がある。これらの理由から、Tiの原料であるTiCl4 の供給速度には限界がある。
TiCl4 の供給速度を大きくすると、液面より上方の容器内面におけるTi析出量が多くなる。還元反応が進むにつれて溶融Mgの液面を断続的に上昇させるため、容器上部内面における析出Tiが、還元反応の後半では溶融Mgに漬かり、液面の有効面積が減少し、反応速度が低下する。これを抑えるために、TiCl4 の供給速度を制限し、容器上部内面におけるTi析出を抑制することが必要となる。容器上部内面におけるTi析出を抑制するための別の対策が特許文献1により提示されているが、十分ではない。
クロール法では又、反応容器内の溶融Mg液の液面近傍だけで反応が行われるため、発熱エリアが狭い。そのため、高速でTiCl4 を供給すると、冷却が間に合わなくなる。これも、TiCl4 の供給速度が制限される大きな理由である。
TiCl4 の供給速度に直接影響する問題ではないが、クロール法では、溶融Mg液の液面近傍でTiが粒子状に生成され、沈降する。しかし、溶融Mgの濡れ性(粘着性)のため、生成されたTi粉が凝集した状態で沈降し、沈降中にも溶融液の温度により焼結して粒成長し、微粉として反応容器外へ回収することが困難である。このため、連続的な製造が困難であり、生産性が阻害されている。Tiが反応容器内にスポンジチタンとしてバッチ方式で製造されるのはまさにこのためである。
クロール法以外のTi製造方法に関しては、TiCl4 の還元剤としてMg以外に例えばCaの使用が可能なことが特許文献2に記載されている。そして、Caによる還元反応を用いたTi製造方法としては、反応容器内にCaCl2 の溶融塩を保持し、その溶融塩中に上方から金属Ca粉末を供給して、溶融塩中にCaを溶け込ませると共に、下方からTiCl4 ガスを供給して、CaCl2 の溶融塩中で溶解CaとTiCl4 を反応させる方法が特許文献3に記載されている。
Caによる還元では、化学式1の反応により、TiCl4 から金属Tiが生成され、それと共にCaCl2 が副生する。CaはMgよりClとの親和力が強く、原理的にはTiCl4 の還元剤に適している。特に、特許文献3に記載された方法では、Caを溶融CaCl2 中に溶解させて使用する。溶融CaCl2 中でのCa還元反応を利用すれば、クロール法のように反応容器内の還元剤の液面にTiCl4 を供給し、液面近傍に反応場が限定される場合と比べて反応場が拡大し、発熱領域も広がり冷却が容易になることから、Tiの原料であるTiCl4 の供給速度を大幅に増大でき、生産性の大幅な向上を期待できる。
しかしながら、特許文献3に記載された方法は、工業的なTi製造法としては成立し得ない。なぜなら、還元剤として金属Caの粉末を使用するからである。即ち、金属Caの粉末は極めて高価であるため、これを購入して使用すると、製造コストは、TiCl4 の供給速度が制限されるクロール法よりも高価となるのである。
更に別のTi製造方法としては、特許文献4に記載されたオルソンの方法がある。これは、TiCl4 を経由せず、TiO2 をCaにより直接還元する酸化物直接還元法の一種である。酸化物直接還元法は高能率であるが、高純度のTiを製造するのには適さない。なぜなら、高純度のTiO2 を使用しなければならないからである。
本発明の目的は、高純度の金属Ti又はTi合金を高能率に、しかも高価な還元剤を使用することなく経済的に製造することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、TiCl4 のCa還元が不可欠であると考え、特許文献3に記載されたようなCaCl2 の溶融塩中に溶解するCaの利用を企画した。この場合、還元反応容器中では、前記した化学式1の反応の進行に伴い、溶融塩中のCaが消費され、これを補うために、特許文献3に記載された方法では、金属Caの粉末を還元反応容器内に供給し続ける必要がある。
本発明者らは、Ca還元によるTi製造方法を工業的に確立するためには、還元反応で消費される溶融塩中のCaを経済的に補充する必要があると考え、その補充手段として、溶融塩を循環させ、その途中で溶融塩中のCaを増量する方法を案出した。即ち、還元反応容器に対して溶融塩を循環させ、還元反応でCaが消費された溶融塩を反応容器から抜き出し、反応容器の外でその溶融塩中にCaを生成させ、そのCaが増えた溶融塩を再び還元反応容器に戻すサイクルにより、Caを独立して取り出す手間を必要とすることなく経済的に金属Tiを製造するのである。なぜなら、Caは固体として独立に抽出する場合、非常な困難を伴う。しかし、溶融塩中にCaを生成するだけであれば比較的容易である。
本発明はかかる考察を基礎として開発されたものであり、Caによる還元反応を用いたTi又はTi合金の製造方法であって、CaCl2 を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4 を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi又はTi合金を生成させる還元工程に対して、前記Ti又はTi合金の生成に使用され前記反応容器から抜き出された溶融塩を電気分解し、前記溶融塩中にCaを生成補充して前記反応容器に戻す循環式の電解工程を組み合わせ、且つ前記電解工程において、陰極に溶融Ca合金からなる合金電極を用いることを特徴としている。
Caによる還元反応を用い且つ溶融塩の循環を用いるTi又はTi合金の製造方法は、その着想から開発、完成に深く関与した4名「小笠原、山口、市橋、金澤」のイニシャルをとり、「OYIK法(オーイック法)」と命名されている。
この方法においては、CaCl2 を含み且つCaが溶解した溶融塩が還元工程、電解工程を循環する。ちなみに、CaCl2 は単独では融点が約780℃であり、その溶融塩には約1.5%のCaが溶解可能である。還元工程では、このような溶融塩中に溶解するCaによる還元反応により、反応容器内に粒状及び/又は粉状のTi又はTi合金(以下これらをTi粒又はTi合金粒と総称する)が生成される。還元反応に伴って反応容器内の溶融塩中の溶解Caが消費され、同時にCaCl2 が副生する。つまり、溶解Ca濃度が低下し、CaCl2 が増加する。
還元反応に伴ってCa濃度が低下した溶融塩は、電解工程で電気分解され、Caを生成補充する。つまり、CaCl2 が分解し、溶解Ca濃度が上昇する。こうしてCa濃度が回復した溶融塩が還元工程に戻され、これが繰り返されることにより、Ti又はTi合金が製造される。ここでCaに関して生じる現象は、基本的に循環過程での溶融塩中の溶解Ca濃度の増減だけであり、Caを単独で抽出したり補充したりする操作を必要としない。従って、高純度の金属Ti又はTi合金が高能率に、しかも高価な還元剤を使用することなく経済的に製造される。
また、CaCl2 を含む溶融塩中でCa還元によるTi粒の生成が行われることから、還元反応場が広がり、同時に発熱領域も広がる。更に、850℃での蒸気圧はMgが50mmHg(6.7kPa)であるのに対し、Caは2mmHg(0.3kPa)と極めて小さい。この蒸気圧の違いのため、容器上部内面へのTi析出量はMgに比べてCaの方が格段に少ない。
かくして、OYIK法(オーイック法)においては、TiCl4 供給速度の大幅増大も可能になる。その上、CaはMgより濡れ性(粘着性)が劣る上に、析出Ti粒子に付着するCaがCaCl2 に溶解するので、生成チタン粒子同士の凝集が少なく、焼結も圧倒的に少ない。このため、生成Tiを粉末状態で反応容器外へ取り出すことができ、連続的なTi製造操作も可能になる。
このようなOYIK法(オーイック法)においては、電解工程での電流効率が経済性に大きな影響を及ぼし、ひいては工業的生産技術確立の成否に影響する。この電解工程で電流効率を低下させる大きな原因の一つが、還元工程から電解工程へ送られる溶融塩中の未反応の溶解Caである。即ち、還元工程では反応容器内の溶融塩中で還元反応が進行することにより、還元剤である溶融塩中の溶解Caが消費されるが、完全に消費されるわけではなく、還元工程から電解工程へ送られる溶融塩中に未反応の溶解Caが含まれるのを避け得ない。
電解工程では、化学式2に示す反応が進行することにより、陰極側でCaが生成し、陽極側でCl2 ガスが発生する。陰極側で生成するCaが陽極側へ移動しないようにすることは、例えば隔膜等の利用により可能であるが、電解工程に送られる溶融塩中に溶解Caが含まれていると、陽極の近傍からCaを排除することは困難である。その結果、このCaが、生成したCl2 と反応してCaCl2 に戻るバックリアクションにより、電流効率が低下する。
即ち、溶融塩中にCaが存在することは、還元工程では不可欠であるが、Caを補充する電解工程では、逆にこれが災いとなるのである。
本発明の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法は、電解工程での陰極に溶融Ca合金からなる合金電極を用いることにより、電解工程に送られる溶融塩中の未反応溶解Caによる悪影響を可及的に排除するものであり、望ましくは、電解槽内の溶融塩、及び前記合金電極を構成する溶融Ca合金と溶融塩との界面を、隔壁により陽極側と反陽極側とに仕切り、反応容器から供給される溶融塩を前記反陽極側へ導入する。
ここで、陽極側の溶融塩は、実質的に溶解Caを含まないものとする。そうすると、陽極の表面でCl2 ガスが発生すると共に、合金電極(陰極)と陽極側の溶融塩との界面でCaが生成する。生成したCaは合金電極に吸収される。また、陽極側の溶融塩は溶解Caを含まないか、含んでも僅かである。このため、電解に伴うバックリアクションは起こらない。
一方、反陽極側の溶融塩は、還元工程から送られてくる溶融塩であり、多くはないものの未反応の溶解Caを含んでいる。合金電極(陰極)と反陽極側の溶融塩との界面では、合金電極(陰極)から反陽極側の溶融塩へCaが放出される。つまり、陽極側のみが電解領域となり、その陽極側では、溶解Caがない状態で溶融塩の電気分解により高効率なCa生成が行われ、生成Caが合金電極(陰極)を介して反陽極側の溶融塩、即ち、還元工程から送られてきた使用済みの溶融塩中に補充されるのである。
かくして、未反応の溶解Caが残存することによる電解工程(Ca補充)での電流効率の低下が防止されつつ、溶解Caの補充が行われる。合金電極の陽極側でCaの吸収が起こり、反陽極側でCaの放出が起こる理由は次のように考えられる。
電解槽内の反陽極側では、反応槽でCaが消費された溶融塩が返送されるため、実質的なCa濃度の低下が生じ、Caが溶解するドライビングフォースになっている。このため、合金電極内のCaは反陽極側に溶出を続ける。一方、電解槽内の陽極側では、電解によりCaが生成し増加する。ここで、合金電極側のCaは前述したとおり減少を続ける。このため、合金電極は陽極側からCaの受け入れ可能な状態を維持し、Caの吸収を継続する。かくして、電解領域である陽極側では、溶解Caがない状態で高効率な電気分解及びこれによるCa生成が行われ、生成Caが合金電極(陰極)を介して反陽極側の溶融塩、即ち、還元工程から送られてきた使用済みの溶融塩中に補充されることになる。
陽極側の溶融塩では、その電気分解に伴って溶融塩が減少する。これを補うためには、溶解Caを含まない溶融塩を新たに補充してもよいし、還元工程から送られてくる溶融塩の一部を循環使用してもよい。還元工程から送られてくる溶融塩の一部を使用する程度であれば、混入する溶解Caは僅かであり、バックリアクションも問題のない程度に抑制することができる。
合金電極を構成するCa合金としてはMg−Ca、Al−Ca、Zn−Caなどが好ましい。なぜなら、これらの融点がMg−Caで500℃以上、Al−Caで600℃以上、Zn−Caで420℃以上と比較的低いからである。この低い融点を確保するために、Ca濃度はMg−Caで45%以下が好ましく、15%以下が特に好ましい。またAl−Caでは20%以下が好ましく、Zn−Caでは40%以下が好ましく、20%以下が特に好ましい。Ca濃度の下限については、反陽極側へのCa供給速度を速くするために、浴中のCa濃度と合金中のCa濃度の差が大きい方が好ましく、この点を考慮すると0.5%以上が好ましい。
Pb−CaやSn−Caの使用も必ずしも不可能ではないが、融点が低すぎる難点がある。
なお、CaCl2 の電気分解に溶融合金電極(陰極)を用いることは米国特許第4992096号明細書に記載されているが、ここにおけるCaCl2 の電気分解はCa還元によるFe/Ndの製造に使用されおり、しかもCaCl2 の循環は行われておらず、この2点で本発明とは明確に相違する技術である。
OYIK法(オーイック法)においては、CaCl2 の融点である780℃以下での溶融塩の操作も可能である。従って、CaCl2 単塩だけでなく、CaCl2 −CaF2 系、CaCl2 −KCl系などの混合溶融塩を使用することが可能である。
溶融塩中へのTiCl4 の供給形態としては、TiCl4 を溶融塩中へガス状態で直接供給するのが、溶融塩中のCaに対するTiCl4 の接触効率が高いことから特に好ましいが、液状での供給も可能であり、更には溶融塩の液面にTiCl4 の液体やガスを供給することも可能である。
そして更に、TiCl4 の供給に関して、TiCl4 のCa還元法では、Mg還元によるクロール法と比べて、次のような興味ある事実が判明した。
Mg還元を用いるクロール法では、溶融Mg液の液面にTiCl4 の液体を供給するが、過去には反応場の拡大を狙って溶融Mg液の液中にTiCl4 のガスを供給することも考えられた。しかし、前述したとおり、Mgの蒸気圧が大きいため、供給ノズルへMg蒸気が侵入し、TiCl4 と反応して供給管を閉塞させてしまう。また、溶融MgCl2 液中にTiCl4 のガスを供給しても、ノズル閉塞の問題は依然として残る。なぜなら、供給管の閉塞頻度は低下するが、TiCl4 のバブリングにより溶融物が攪拌され、供給ノズルに溶融Mgが到達する場合があるからである。そして何よりも、溶融MgCl2 液中にTiCl4 を供給しても、その溶融液中にMgが溶解しないため、Ti析出反応が起こりにくい。
これに対し、TiCl4 のCa還元法では、溶融塩中にTiCl4 のガスを供給する場合に供給ノズルの閉塞が発生しにくい。このため、溶融塩中へのTiCl4 ガスの供給が可能であり、溶融塩中へのTiCl4 ガスの供給も可能である。ノズルが閉塞しにくい理由としては、溶融Caの蒸気圧が小さいことの関与も考えられる。
即ち、TiCl4 のCa還元法であるOYIK法(オーイック法)においては、TiCl4 を溶融塩中へガス状態で直接供給するのが特に好ましいが、実際の操業上もこの供給形態が問題なく可能なのである。また、溶融塩の液面にTiCl4 の液体やガスを供給することも妨げないが、これらの供給形態も問題なく可能である。
溶融塩中に生成したTi粒の取り扱いに関しては、反応容器内で溶融塩から分離することも可能であるが、その場合はバッチ方式となる。生産性を高めるためには、生成Tiが粒子状で得られることを利用して、溶融塩と共に反応容器外へ抜き取り、容器外で溶融塩からのTi粒の分離を行うのがよい。機械的な圧縮による絞り操作などにより、Ti粒を溶融塩から簡単に分離することができる。
還元工程では又、溶融塩中にTiが生成すると同時に、CaCl2 が副生する。このため、反応容器内でのCaCl2 の副生にしたがって容器内の溶融塩を容器外へ抜き出すのが好ましく、Tiの生成に使用された後の段階、即ち溶融塩中に溶解したCaが消費された段階で抜き出すのが特に好ましい。
反応容器外へ抜き出されたCaCl2 の取り扱いについては、前述したとおり、これをCaとCl2 とに電気分解し、電気分解で生成されたCaを反応容器内でのTiの生成反応に使用する。電気分解で生成されたCl2 については、これをTiO2 に反応させてTiCl4 を生成し、これを反応容器内でのTiの生成反応に使用するのが好ましい。
このようなサイクルを構成することにより、購入すれば高価なCaを何度でも還元剤として繰り返し使用することができ、生産コストを引き下げることができる。また、TiCl4 の生成コストを安価に抑えることができる。そして特に注目すべきは、Ca電解製造工程でCaとCaCl2 を厳密に分離する必要がないことによる、Ca製造コストの低減である。
即ち、金属Tiの工業的な生産にCaが使用されてこなかった理由の一つは、CaとCaCl2 の分離が困難なことである。詳しく説明すると、MgはMgCl2 を電解して製造されるが、そのMgはMgCl2 に殆ど溶解しない。このため、生成されたMgは効率よく回収できる。NaもNaClを電解することにより、Mgと同様に効率よく製造できる。一方、CaはCaCl2 の電解により製造されるが、生成されたCaはCaCl2 に溶解するため、Caだけを効率よく製造することが難しく、溶解したCaがバックリアクションでCaCl2 に戻る現象も加わるために、製造効率が悪い。そのため、Caの電解製造では電極を冷却するなどの工夫によりCaの回収率を高めるなどの技術も用いられるが、それでもCaの製造コストは相当に高い。そのため、Ti製造における還元剤として使用されてこなかったわけである。
しかるに、OYIK法(オーイック法)においては、Caが溶解した溶融塩を積極的に使用するので、バックリアクションに注意すれば電解工程でCaに溶融塩が混在していても何ら問題はなく、Caだけを完全分離する必要がない。つまり、電解槽から還元反応容器内へ溶融塩ごとCaを投入すればよい。このため、Caの電解製造コストを低減できる。
OYIK法(オーイック法)においては、溶融塩として基本的に融点が780℃のCaCl2 を用いるが、NaClやKCl、CaF2 との混合溶融塩を使用してもよい。混合溶融塩を使用すれば、融点が下がり、溶融塩の温度を下げることが可能となる。溶融塩の温度を下げることができれば、炉材の耐久性が増すし、液面からのCaや塩の蒸発を抑制できる。溶融塩の温度を下げることによる炉材面での利点は、還元工程及び電解工程を含む全工程で得られる。加えて、電解工程では、溶融塩の温度が低くなることにより、溶解度や対流、拡散が抑制され、前述したCaのバックリアクションも抑制される。還元工程での反応性を重視するならば、還元工程で溶融塩の温度を上げればよい。
Tiの原料に関しては、基本的にTiCl4 を使用するが、TiCl4 と他の金属塩化物とを混合して使用することで、Ti合金を製造することも可能である。TiCl4 も他の金属塩化物も同時にCaにより還元されるため、この方法によってTi合金粒を製造することができるのである。なお、ここにおける金属塩化物はガス状、液状のいずれの状態で使用してもよい。
本発明の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法は、TiCl4 を還元する方法であるので、高純度の金属Ti又はTi合金を製造できる。その還元剤にCaを使用し、特に、CaCl2 を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4 を含む金属塩化物を反応させて溶融CaCl2 液中にTi粒又はTi合金粒を生成させるので、Tiの原料であるTiCl4 の供給速度を増大できる。更にTi粒又はTi合金粒を生成できることにより、連続的な製法を可能にする。そして何よりも、溶融塩を循環させ、その過程で溶融塩中のCa濃度を変化させることにより、Caを単独で取り扱う操作を不要にする。つまり、Caを還元剤として使用するものの、そのCaを常時、溶融塩に溶解した状態で使い、単独で取り扱うことを強制しないのである。しかも、電解工程で問題になる未反応Caの混入による電流効率の低下を合金電極の使用により効果的に抑制できる。これらにより、高純度の金属Ti又はTi合金を能率よく経済的に製造できる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。
第1実施形態では、還元工程を行う反応容器1と、電解工程を行う電解槽7とが使用される。反応容器1は、溶融塩としてCaが比較的多量に溶解したCaリッチの溶融CaCl2 を保持する。CaCl2 は融点が約780℃であり、その溶融塩はその融点以上に加熱されている。
反応容器1では、原料供給管6を用いて容器内の溶融塩中にガス状のTiCl4 が分散して注入されることにより、これが溶融塩中の溶解Caにより還元され、粒子状の金属Tiが生成される。生成されたTi粒は比重差により逐次、反応容器1の底に溜まる。
反応容器1の底に溜まるTi粒は、その底に存在する溶融塩と共に、反応容器1から抜き出され、Ti分離工程に送られる。Ti分離工程では、反応容器1から溶融塩と共に抜き出されたTi粒が溶融塩から分離される。具体的には、そのTi粒を圧縮して溶融塩を絞り取る。Ti分離工程で得られたTi粒は溶解されTiインゴットとされる。
一方、Ti分離工程でTi粒から分離された溶融塩は使用済みの溶融塩であり、Caが消費され、Ca濃度が低下している。この溶融塩は、反応容器1から別途抜き出された使用済みの溶融塩と共に、電解槽7へ送られる。
電解槽7では、溶融塩である溶融CaCl2 が陽極8と陰極9の間で電気分解され、陽極8の側でCl2 ガスが発生し、陰極9の側でCaが生成される。ここで、陰極9は合金電極であり、電解槽7内の溶融塩に挿入される底面開放の耐熱容器10と、耐熱容器10内に収容された溶融Ca合金11と、耐熱容器10の天板部を貫通して溶融Ca合金11に挿入された電極棒12と、電解槽7内の溶融塩を陽極側と反陽極側とに仕切る隔壁13とを具備している。
溶融Ca合金11は、ここでは溶融塩より比重が小さい例えばMg−Ca液などである。耐熱性で且つ絶縁性の隔壁13は、陰極9の真下にあり、電解槽7内の溶融塩を、溶融Ca合金11と溶融塩の界面と共に陽極側と反陽極側に2分割するべく、上端部が溶融Ca合金11に挿入され、下端部が電解槽7の底板部に密着している。
反応容器1から直接或いはTi分離工程を介して電解槽7へ送られてくる溶融塩は、電解槽7内の反陽極側に導入される。陽極側の溶融塩は、実質的に溶解Caを含まない溶融CaCl2 である。その陽極側の溶融塩は、陽極8と陰極9との間で電気分解され、陽極8の側でCl2 ガスを発生し、陰極9の側でCaを生成する。陰極9の側で生成されたCaは溶融Ca合金11に溶け込む。
一方、反陽極側の溶融塩は、反応容器1から導入された使用済みの溶融塩であり、溶解Caが消費されているものの、未反応の溶解Caを含んでいる。この溶融塩には、溶融Ca合金11からCaが溶け出す。これにより、反応容器1から導入された使用済みの溶融塩に溶解Caが補充され、Caリッチとなった溶融塩が還元剤供給管2を通して反応容器1に導入され、Ca還元によるTi粒の生成に循環使用される。
他方、陽極8の表面近傍で発生したCl2 ガスは塩化工程へ送られる。塩化工程では、TiO2 が塩化処理されることにより、Tiの原料であるTiCl4 が生成される。生成されたTiCl4 は反応容器1に導入され、Ca還元によるTi粒の生成に循環使用される。
このように、第1実施形態では、溶融塩(Caが溶解した溶融CaCl2 )が還元工程(反応容器1)、分離工程及び電解工程(電解槽7)を循環し、還元工程(反応容器1)で消費されたCaが電解工程(電解槽7)で補充される操作を繰り返すことにより、還元工程(反応容器1)でTi製造が継続される。つまり、固体Caの補充も取り出しも行うことなく、単に溶融塩中のCa濃度を操作するだけで、Ca還元による高品質なTi粒が連続的に製造されるのである。
しかも、Caの補充ために、未反応の溶解Caを含む使用済みの溶融塩が電解工程に導入されるが、その未反応の溶解Caが、電解槽7内の非電解領域である反陽極側に導入され、電気分解に直接関与しないため、その溶解Caによるバックリアクションが防止される。従って、電解工程での電流効率が上がる。電解槽7内の電解領域である陽極側では、電気分解の進行に伴い溶融CaCl2 が消費される。これを補うために、実質的に溶解Caを含まない溶融CaCl2 を外部から補充する。或いは、その補充とは別に又はその補充と共に使用済みの溶融塩を少量陽極側に導入する。
なお、溶融塩の温度は、いずれの工程でもCaCl2 の融点(約780℃)より高い温度に管理されている。
図2は本発明の第2実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。第2実施形態は、第1実施形態と比べて次の点が相違する。
合金電極(陰極9)に使用される溶融Ca合金11として、溶融塩より比重が大きい例えばPb−Ca液、Sn−Ca液が用いられている。この比重の違いに伴って、溶融Ca合金11は、電解槽7内で溶融塩の下に沈降し、合金電極層を形成する。電極棒12は電解槽7の底板部を貫通して溶融Ca合金11に下方から挿入されている。一方、隔壁13は、溶融Ca合金11上の溶融塩を陽極側と反陽極側に2分割するように、下端部が溶融Ca合金11に達するまで電解槽7内に挿入されている。
還元工程(反応容器1)から送られてくる使用済みの溶融塩は、電解槽7内の反陽極側に導入される。陽極8と合金電極(陰極9)とによる溶融塩の電気分解により、溶融Ca合金11にCaが溶け込み、一方、反陽極側では、合金電極(陰極9)から溶融塩へCaが溶け出すことにより、使用済みの溶融塩に溶解Caが補充され、Caリッチに戻った溶融塩が還元工程(反応容器1)へ導入される。この循環サイクルは、第1実施形態の場合と同じである。
かくして、本実施形態でも、溶融塩の循環及びこれに伴うCa濃度の操作により、Ti粒が効率的、経済的に製造されると共に、電解工程で問題となる未反応Caの混入によるバックリアクション及びこれによる電流効率の低下が防止され、経済性がより一層向上する。なお、本実施形態では、合金電極を構成する溶融Ca合金11が溶融塩の下方に沈降し、溶融塩に挿入される陽極8との接触を自然回避できるため、溶融Ca合金11を隔離する耐熱容器が不要となる。
図3は本発明の第3実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。
第3実施形態では、反応容器1の構造が具体的に示されている。ここで使用される反応容器1は、鉄からなる円筒形状の密閉容器である。反応容器1の天井部には、還元剤であるCaを供給する還元剤供給管2が設けられている。反応容器1の底部は、生成Ti粒の排出を促進するために下方に向かって漸次縮径されたテーパー形状になっており、その下端中心部には、生成されたTi粒を排出するTi排出管3が設けられている。
一方、反応容器1の内側には、熱交換器を内蔵した円筒形状の分離壁4が、直胴部内面との間に所定の隙間をあけて配置されている。反応容器1の上部には、容器内のCaCl2 を側方へ排出する溶融塩排出管5が設けられており、下部には、Tiの原料であるTiCl4 を供給する原料供給管6が、容器内中心部に達するように分離壁4を貫通して設けられている。
操業では、反応容器1内に、溶融塩として、例えばCaが溶解した溶融CaCl2 液が保持される。その液面は、溶融塩排出管5より高く分離壁4の上端より低いレベルに設定される。
そして、この状態で、原料供給管6により、分離壁4より内側の溶融CaCl2 液に、TiCl4 を含む金属塩化物として、TiCl4 のガスが供給される。これにより、分離壁4より内側で、溶融CaCl2 液中のCaによりTiCl4 が還元され、その溶融CaCl2 液中に粒子状の金属Tiが生成される。
溶融CaCl2 液中に供給されたTiCl4 のガスは、多数の気泡となってその溶融CaCl2 液中を上昇し、溶融CaCl2 液との攪拌を促進することにより、反応効率を高める。
反応容器1内の分離壁4より内側の溶融CaCl2 液中に生成されたTi粒は、その液中を沈降して容器内の底部に堆積する。堆積Ti粒は、適宜Ti排出管3から溶融CaCl2 液と共に下方に抜き出され、Ti分離工程に送られる。
分離壁4より内側での還元反応によりCaを消費された溶融CaCl2 は、分離壁4の下方を経由して分離壁4の外側を上昇し、溶融塩排出管5から排出される。排出された溶融CaCl2 液は電解工程へ送られる。
かくして、反応容器1内で金属Tiが連続的に製造される。分離壁4より内側では、Caが溶解した溶融CaCl2 液を用い、その溶融CaCl2 液中のCaにより還元反応を行うため、反応場が分離壁4より内側のほぼ全体に拡がり、TiCl4 の供給速度増大が可能になる。これを含めた種々の理由により、高純度のTi粒が高能率に製造されることは前述したとおりである。
ここで、分離壁4は、使用前のCaを多く含む溶融CaCl2 液と、使用後のCaを殆ど含まない溶融CaCl2 液との混合を阻止して、反応効率を高める。
一方、分離工程では、反応容器1から溶融CaCl2 液と共に抜き出されたTi粒が溶融CaCl2 液から分離される。具体的には、そのTi粒を圧縮して溶融CaCl2 液を絞り取る。分離工程で得られた溶融CaCl2 液は、反応容器1から抜き出された溶融CaCl2 液と共に、電解工程へ送られる。
電解工程では、前述したとおり、反応容器1及び分離工程から導入された溶融CaCl2 液が、合金電極を陰極に用いた電気分解によりCaとCl2 ガスに分離される。Caは還元剤供給管2を通して反応容器1内へ戻される。ここで、CaはCaCl2 から完全分離する必要はない。CaCl2 と共に反応容器1内へ戻されても問題ない。即ち、CaリッチのCaCl2 が電解工程から反応容器1内へ導入される。反応容器1内ではCaが溶解したCaCl2 を使用するからである。この分離操作の容易さにより、Caの電解製造コストが低減される。
電解工程で発生したCl2 ガスは塩化工程へ送られる。塩化工程では、TiO2 が塩化処理されることにより、TiCl4 が製造される。また、炭素粉末を併用することにより、副生する酸素がCO2 の形で排出される。製造されたTiCl4 は、原料供給管6により反応容器1内に導入される。かくして、溶融CaCl2 液の循環により、還元剤であるCa及びCl2 ガスがサイクルされる。即ち、実質的にTiO2 及びCの補給だけで、金属Tiが連続的に製造される。
図4は本発明の第4実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。
第4実施形態では、第3実施形態と比較して原料供給管6の位置が異なる。即ち、第3実施形態では、原料供給管6がTiCl4 を容器内中心部に供給する構成になっているが、第4実施形態では、分離壁4より内側の中心から偏った位置にTiCl4 を供給する構成になっている。
この構成によれば、分離壁4の内側でTiCl4 ガスのガスリフトよる対流が溶融CaCl2 液に生じる。このCaCl2 の対流により、還元効率が上がる。
いずれの実施形態でも、混合溶融塩を用いて溶融塩の温度を下げることができることは前述したとおりである。
1 反応容器
2 還元剤供給管
3 Ti排出管
4 分離壁
5 溶融塩排出管
6 原料供給管
7 電解槽
8 陽極
9 陰極
10 耐熱容器
11 溶融Ca合金
12 電極棒
13 隔壁
2 還元剤供給管
3 Ti排出管
4 分離壁
5 溶融塩排出管
6 原料供給管
7 電解槽
8 陽極
9 陰極
10 耐熱容器
11 溶融Ca合金
12 電極棒
13 隔壁
Claims (5)
- Caによる還元反応を用いたTi又はTi合金の製造方法であって、CaCl2 を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4 を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi又はTi合金を生成させる還元工程に対して、前記Ti又はTi合金の生成に使用され前記反応容器から抜き出された溶融塩を電気分解し、前記溶融塩中にCaを生成補充して前記反応容器に戻す循環式の電解工程を組み合わせ、且つ前記電解工程において、陰極に溶融Ca合金からなる合金電極を用いることを特徴とする溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法。
- 前記電解工程では、電解槽内の溶融塩、及び前記合金電極を構成する溶融Ca合金と前記溶融塩との界面を、隔壁により陽極側と反陽極側とに仕切り、前記反応容器から供給される溶融塩を前記反陽極側へ導入する請求項1に記載の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法。
- 生成されたTi又はTi合金を前記反応容器内又は反応容器外で溶融塩から分離するTi分離工程を含んでおり、Ti又はTi合金の生成に使用された溶融塩を前記反応容器の外に抜き出す排出工程では、溶融塩中に生成されたTi又はTi合金を前記溶融塩と共に反応容器外へ抜き出し、前記Ti分離工程では、反応容器外へ抜き出された溶融塩から前記Ti又はTi合金を分離し、前記電解工程では、前記Ti又はTi合金が分離除去された溶融塩を電気分解する請求項1に記載の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法。
- 前記電解工程で副生するCl2 をTiO2 に反応させてTiCl4 を生成する塩化工程を含んでおり、塩化工程で生成されたTiCl4 を反応容器内でのTi又はTi合金の生成反応に使用する請求項1に記載の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法。
- 前記還元工程では、TiCl4 を含む金属塩化物を溶融塩中に供給する請求項1に記載の溶融塩の循環によるTi又はTi合金の製造方法。
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