JPH05124841A - ハーメチツクコート光フアイバの製造方法 - Google Patents

ハーメチツクコート光フアイバの製造方法

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JPH05124841A
JPH05124841A JP4088641A JP8864192A JPH05124841A JP H05124841 A JPH05124841 A JP H05124841A JP 4088641 A JP4088641 A JP 4088641A JP 8864192 A JP8864192 A JP 8864192A JP H05124841 A JPH05124841 A JP H05124841A
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reaction vessel
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晴彦 相川
Toshio Danzuka
俊雄 彈塚
Yoichi Ishiguro
洋一 石黒
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハーメチックコート光ファイバの量産製造方
法に関する。 【構成】 プリフォームから線引された裸ファイバに、
反応容器内で化学気相析出法によりハーメチックコート
を施す製造方法において、該反応容器の内壁に副生成物
として付着した気相生成粒子層を、液体により除去する
ことを特徴とする。本発明の特に好ましい実施態様とし
て、カーボンコートの際に付着するカーボン粒子を、液
体を連続的に又は間欠的に流すことにより除去する方法
が挙げられる。本発明により、長尺のハーメチックコー
ト光ファイバを反応管の閉塞等なく製造でき、歩留り、
生産性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハーメチックコート光フ
ァイバの製造方法に関し、特に量産に適した製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバへのハーメチックコートは、
光ファイバへの水及び水素等、外気の侵入を防ぐ手段と
して有効である。コーティング材料としては金属(合金
を含む)、炭素等の無機材料が一般的であり、この中で
も炭素コーティングはその化学的安定性、組織の緻密性
等の面から優れており、そのコーティング方法として
は、原料ガスを化学的に反応させてファイバ表面に析出
させる化学気相析出法(CVD法)が、成膜速度及び膜
質の点で有利であることが知られている。
【0003】従来このような技術として、例えば米国特
許第4,790,625 号明細書あるいは欧州特許第0,308,143
号明細書等に示されているような製造装置がある。この
方法では、反応容器は上からシールガス導入口、原料ガ
ス導入口、排気ガス排出口を有するタイプが代表的で、
紡糸された高温のファイバにはこれら原料ガス導入口と
排出口の間で熱的化学反応によりハーメチックコートが
施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来このような装置で
は、気相中で生成した固体粒子、例えばカーボン粒子が
反応容器の内壁に付着し、長尺にコーティングしようと
すると、それらが徐々に堆積して反応容器を塞いで線引
の継続が不可能になるという問題があった。従ってかか
る問題を解決しなければ、歩留りは向上せず、生産性を
高めることはできない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明者等は、反応容器内の内壁に堆積した固体粒子
層を除去する方法を発明した。すなわち、本発明は光フ
ァイバ用プリフォームを線引炉で溶融、紡糸して裸ファ
イバとした後、該裸ファイバを反応容器内に導入すると
共に、該反応容器内に原料ガスを導入し、該裸ファイバ
上に化学気相析出法により薄膜被覆層を施すハーメチッ
クコート光ファイバの製造方法において、該反応容器の
内壁に副生成物として付着した気相生成粒子層を、液体
を用いて除去することを特徴とするハーメチックコート
光ファイバの製造方法を提供するものである。本発明の
特に好ましい他の実施態様としては、上記反応容器内壁
に沿って長手方向に連続的に又は任意時間間隔をおいて
液体を流すことが挙げられ、また、上記原料ガスが炭素
原子を含む物質である場合は、内壁に付着したカーボン
粒子層を液体を用いて除去することが挙げられる。本発
明において、上記液体に界面活性剤を混入して用いる
と、除去効果がさらに大きくなる。
【0006】図1は本発明の一具体例を示す概略説明図
である。反応容器2本体には、上から上部シールガス導
入管3、原料ガス導入管4(反応容器に対し四方向から
原料ガスを導入する)、廃棄物排出管6、及び下部シー
ルガス導入管5、がそれぞれ取付けられている。反応容
器2には本発明に係る固体層除去用液体13(以下除去
用液体と呼ぶ)を導入する除去用液体導入管7と該除去
用液体13を溜めておく液溜め8が上部に取付けられて
おり、下部には廃液排出管9及び廃液処理装置12が取
付けられている。以上の装置は例えば石英ガラス等で作
成される。除去用液体13は導入管7を通って、連続的
にあるいは任意時間間隔をおいて液溜め8に送られる。
溜まった除去用液体は堰81を越えて反応容器2の内壁
の円周方向に一様に供給され、以下内壁に沿って流され
る。この過程で反応容器の内壁に付着しようとする気相
生成粒子は除去用液体13に取り込まれ、速やかに外部
へ排出される。また、不連続に除去用液体13を供給す
る場合は、一度内壁に付着した粒子層を該液体13によ
って洗い流す態様になる。廃液は廃液排出管9を通っ
て、廃液処理装置12で処理される。ここで再生された
除去用液体を再び使用する、即ち、循環系を形成するこ
とも可能である。また、排気は廃棄物排出管6を通っ
て、排気処理装置11で処理を施した後、外部へ放出さ
れる。この時、これらの廃棄物がファイバに接触しない
ように保護管10を取り付けることが好ましい。20は
ハーメチックコート光ファイバである。また、導入液体
の飛沫がファイバに接触しダメージを与えるのを防ぎ、
かつ定量的に液体を流すために、図2に示すような装置
を用いることも有効な手段の一つである。ここで液体溜
め8の底には、反応管内壁に沿って、直径およそ0.5
〜3mmの液体流出孔82が数個から十数個開けられて
おり、供給された液体はここから流出し、反応管内壁に
一様に流れる。10は光ファイバへの液体の接触を防止
し、かつ液溜めを構成する保護管である。
【0007】
【作用】本発明において除去用液体を不連続に供給する
場合は、比較的粘度の低い液体を使用することが可能で
ある。この場合、一度反応管内壁に付着した粒子層を液
体によって洗い流すといった形態になるため、強固に付
着した層は除去し切れないという点があるが、これらの
層の厚みは高々数mmであるので問題にはならない。ま
た、除去用液体を連続に供給する場合は、定常的な飛散
を防止する意味で比較的粘度の高い除去用液体を使用す
ることが望ましい。このような場合は、反応管内壁は常
に除去用液体によって覆われているので、粒子は付着す
ることができずに排出されるため、効果的である。しか
しながら、このように連続的に供給する場合でも、多少
供給流量は増加するが粘度の低い液体を用いることもも
ちろん可能である。本発明に用いる除去用液体として具
体的には、水等が挙げられる。水は最も扱いやすく、価
格も極めて廉価で、廃液処理も容易である。また水に界
面活性剤、例えば市販の台所用洗剤等を添加すると、固
体粒子との濡れ性が著しく向上し、そのため粒子は液表
面ではじかれることなく、容易にかつ速やかに液体中に
取り込まれ易くなり、かつ容器内壁への濡れ性も良くな
るので、極めて効率的に粒子層を除去できる。この他に
も粘度の低いものでは、例えば市販のフッ素系不活性液
体等が挙げられる。またシリコーン系オイルは幅広い粘
度のものが容易に入手できるので、目的に応じて採用す
ることができる。いずれにしても、除去用液体として
は、なるべく原料ガスと反応性の乏しい液体を選択する
ことが望ましいが、製品の特性上に問題のない範囲で任
意に選択することが可能である。以上説明した本発明の
液体流による除去によれば、反応管内に固体粒子が堆積
することなく、長時間のコーティングが可能となる。
【0008】
【実施例】
<比較例1>原料ガスにC2 4 とCHCl3 とを用
い、CHCl3 のキャリヤーガスとしてはHeを用い
て、石英ファイバ上にカーボンをコーティングした。ま
た上部シールガスにはN2 を、下部シールガスには空気
を使用した。それぞれの設定流量条件は以下のとおりで
ある。 C2 4 : 100cc/min CHCl3 : 140cc/min 上部シールガスN2 : 3.0リットル/min 下部シールガス空気 : 8.0リットル/min また、線引速度は200m/minで行った。除去用液
体を流さずに約5時間、約60kmカーボンコーティン
グを行ったところ、反応管内壁に付着したカーボン粒子
の量は特に下半部に著しく多く、排気を効率的に行えな
い状態に至った。
【0009】<実施例1>比較例と同じ流量条件でカー
ボンコーティングを行なうに当たり、図1に示したよう
な反応装置を用い、除去用液体として、室温での動粘度
約13cSt、沸点約200℃の水素及び塩素を含まな
いフッ素系不活性液体を用いた。10分おきに300c
c/minの流量で1分間流し、これを繰り返した。廃
液は処理装置12内で濾過等の処理を施して再生した
後、再び反応管内に供給した。この条件で約8時間、約
100kmコーティングしても反応容器内には僅かに例
えば粒子が残留しているだけで、更に継続が可能な状態
であった。
【0010】<実施例2>コーティング条件は実施例1
と同様に行った。本実施例では除去用液体として、動粘
度約100cStのシリコーン系のオイルを用い、1c
c/minの流量で連続的に供給した。本実施例による
と、反応管の内壁は常に濡れた状態であるので、固体粒
子は全く管壁には付着せず、約8時間、約100kmコ
ーティングしても反応管は透明なままであった。
【0011】<実施例3>ガスの流量条件は実施例1と
同様で、線引速度500m/minで約4時間、約12
0kmコーティングを行った。本実施例では図2に示す
ような反応装置を用い、除去用液体としては、水1リッ
トルに対し市販の中性液体洗剤約10ccを添加したも
のを用いた。供給流量は定量ポンプ14で毎分20cc
に設定し、連続的に供給した。固体粒子を取り込んだ廃
液は廃液処理装置12中で中和、濾過し、再び除去用液
体として供給した。その結果、実施例2と同様に反応管
内壁へのカーボン粒子の堆積は認められず、カーボンコ
ート光ファイバの機械的特性及び耐水素特性はファイバ
全長にわたって安定したものであった。
【0012】<実施例4>比較例1と同じ流量条件でカ
ーボンコーティングを行い、図3に示したような反応装
置を用いた。これは2重管構造で外管22は内管21よ
りも減圧状態にしておき、ガスの流れを常に内側から外
側へ向くようにしたものである。外管22は廃棄物流路
である。このような装置では、外管内の雰囲気は内管内
(反応領域)へ殆ど影響しないため、外管の雰囲気を比
較的自由に設定できるという利点があるが、内管壁に多
少粒子が堆積することは避けられない。なお、図3にお
いて図1と共通する番号は図1と同じを意味し、61は
廃棄物排出管、62は排気排出管である。除去用液体と
して、動粘度約15cStの化学合成潤滑剤を用い、3
cc/minの流量で連続的に供給した。また外管22
の外側を水冷(図示せず)により約80℃に温調した。
この結果、実施例2と同様に、約8時間、約100km
コーティングしても反応管内に粒子の堆積は認められな
かった。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
り長時間のハーメチックコート連続コーティングが可能
となり、生産性の向上に大いに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を説明するための概略図であ
る。
【図2】本発明の他の実施態様を説明するための概略図
である。
【図3】本発明のさらに他の実施態様を説明するための
概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 反応容器本体 21 反応容器内管 22 反応容器外管 3 上部シールガス導入管 4 原料ガス導入管 5 下部シールガス導入管 6 廃棄物排出管 61 廃棄物排出管 62 排気排出管 7 除去用液体導入管 8 液溜め 81 堰 82 液体流出孔 9 廃液排出管 10 ファイバ保護管 11 排気処理装置 12 廃液処理装置 13 固体粒子堆積物除去用液体 14 定量ポンプ 20 ハーメチックコート光ファイバ 21 反応容器内管 22 反応容器外管 61 廃棄物排出管 62 排気排出管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ用プリフォームを線引炉で溶
    融、紡糸して裸ファイバとした後、該裸ファイバを反応
    容器内に導入すると共に、該反応容器内に原料ガスを導
    入し、該裸ファイバ上に化学気相析出法により薄膜被覆
    層を施すハーメチックコート光ファイバの製造方法にお
    いて、該反応容器の内壁に副生成物として付着した気相
    生成粒子層を、液体を用いて除去することを特徴とする
    ハーメチックコート光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記原料ガスが炭素原子を含む物質であ
    り、内壁に付着したカーボン粒子層を液体を用いて除去
    することを特徴とする請求項1記載のハーメチックコー
    ト光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記反応容器内壁に沿って長手方向に連
    続的に又は任意時間間隔をおいて液体を流すことを特徴
    とする請求項1又は2に記載のハーメチックコート光フ
    ァイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記液体に界面活性剤を混入して用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のハーメチックコート光ファイバの製造方法。
JP4088641A 1991-06-12 1992-04-09 ハーメチツクコート光フアイバの製造方法 Pending JPH05124841A (ja)

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