JPH05124553A - 自転車用ハブ発電装置 - Google Patents

自転車用ハブ発電装置

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JPH05124553A
JPH05124553A JP28794791A JP28794791A JPH05124553A JP H05124553 A JPH05124553 A JP H05124553A JP 28794791 A JP28794791 A JP 28794791A JP 28794791 A JP28794791 A JP 28794791A JP H05124553 A JPH05124553 A JP H05124553A
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bicycle
coil
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喜久雄 中村
Hironobu Kobayashi
宏延 小林
Ritsuo Nishimura
律夫 西村
Naoto Tomita
直人 冨田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自転車用ハブ発電装置の性能向上をはかるも
ので、具体的には車軸の交換を容易にすると共に、発電
装置の導線の損傷を防止し、またハブ体内部のシール性
能を向上し、さらに摩擦伝動の効率を高めること。 【構成】 自転車のフレームに固定した車軸に対して車
輪のハブ体を回転自在に嵌合し、このハブ体の内部に中
空円筒状の固定筒体を前記車軸に固定して設け、この固
定筒体内に発電コイル体を固定して設けると共に、磁石
と一体的に形成した回転子を前記車軸に回転自在に設
け、ハブ体の回転を増速して回転子に伝達する遊星ロー
ラー伝動装置を有するハブ内蔵式発電装置において、前
記車軸の両側にそれぞれ中空円筒状のナットを螺合し
て、これらナットの外周部にそれぞれ前記ハブ体を支持
する軸受を設け、前記一方のナットの外周部に前記発電
コイルの導線引き出し用の通路を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車用ハブに内蔵す
る発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特願平1−306433号
(特開平3− 号)(図12参照)を出願して、自転車の
フレームに固定した車軸2に対して車輪のハブ体4を回
転自在に嵌合し、このハブ体4の内部に中空円筒状の固
定筒体8を前記車軸2に固定して設け、この固定筒体8
内に発電コイル体20を固定して設けると共に、磁石22a
と一体的に形成した回転子22を前記車軸2に回転自在に
設け、ハブ体4の回転を増速して回転子22に伝達する遊
星伝動装置を有する自転車用ハブ発電装置を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
特願平1−306433号の装置は、発電装置のコイル17から
引き出したリード線21を外部に取り出すために、車軸2
にキー溝2b(図13参照)を設けていたが、このようにす
ると、車軸2の強度が低下して曲がりやすくなる上に、
加工が複雑になってコストが上昇する。また車軸2は、
車輪の着脱時にハブナット3の締め過ぎ等によって、ね
じ切ったり、ねじ山を潰したり、車軸を曲げたり、折損
したりすることがあるので、このような場合には車軸2
を交換しなければならないが、従来の車軸2には前記し
たようにキー溝2bがあり、このキー溝2bを利用してリー
ド線21を外部に引き出しているので、装置を分解しない
で車軸2を交換することができないという問題点があっ
た。
【0004】また従来の自転車用ハブ発電装置のコイル
17から引き出したリード線21は、車軸2に設けたキー溝
2b内を通って外部に導出されていたため、組立時におけ
るナット3の締め付け時にリード線21を切断したり、あ
るいはリード線21の絶縁被覆がやぶれて電気がリークし
てしまうという問題点があった。
【0005】また従来の自転車の車軸2とハブ体4との
間の軸受部には、例えば図14に示すように玉軸受6の外
側に防水キャップ28を設けているが、この防水キャップ
28だけではシールが不完全でハブの内部に発電機構を内
蔵するような装置に用いた場合には、シール不足による
障害、すなわち発電装置の電圧低下や発電不能などの障
害が予想されるという問題点があった。
【0006】さらに従来の装置においては、ハブ体4の
回転を増速して回転子22に伝達するための遊星ローラー
伝動装置の各遊星ローラー24, 26の外周面は平らに形成
されていた。しかしながらこの構造は、遊星ローラー2
4, 26と接触する太陽ローラー23a, 22bや弾性リング10,
11との接触面積を大きくするから、その結果接触部の
面圧が小さくなって、接触面間における潤滑油の排除が
困難となり、高速走行時にハイドロプレーニング現象を
起こしてスリップするため、発電効率上のロスが大きく
なるという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、自転車のフレームに固定した車
軸に対して車輪のハブ体を回転自在に嵌合し、このハブ
体の内部に中空円筒状の固定筒体を前記車軸に固定して
設け、この固定筒体内に発電コイル体を固定して設ける
と共に、磁石と一体的に形成した回転子を前記車軸に回
転自在に設け、ハブ体の回転を増速して回転子に伝達す
る遊星ローラー伝動装置を有するハブ内蔵式発電装置に
おいて、前記車軸の両側にそれぞれ中空円筒状のナット
を螺合して、これらナットの外周部にそれぞれ前記ハブ
体を支持する軸受を設け、前記一方のナットの外周部に
前記発電コイルの導線引き出し用の通路を設けて自転車
用ハブ発電装置を構成する。
【0008】また前記した導線引き出し用の通路に、電
気絶縁物で被覆した導体を引き通し、この導体の内側端
を前記発電コイル体のコイルの一端と接続すると共に、
このコイルの他端を車体にアースして自転車用ハブ発電
装置を構成する。
【0009】また前記したハブ体の両端を支持する軸受
をシールドベアリングにし、導線引き出し用の通路に電
気絶縁物で被覆した導体を引き通すと共に、シール剤を
充填し、前記ハブ体の片側に嵌合する側蓋体の外周をハ
ブ体に対して圧入して自転車用ハブ発電装置を構成す
る。
【0010】さらに本発明においては、自転車のフレー
ムに固定した車軸に対して車輪のハブ体を回転自在に嵌
合し、このハブ体の内部に中空円筒状の固定筒体を前記
車軸に固定して設け、この固定筒体内に発電コイル体を
固定して設けると共に、磁石と一体的に形成した回転子
を前記車軸に回転自在に設け、ハブ体の回転を増速して
回転子に伝達する遊星ローラー伝動装置を有するハブ内
蔵式発電装置において、前記遊星ローラーの外周面の中
央部に溝を設けて自転車用ハブ発電装置を構成する。
【0011】
【作用】本発明においては、車軸の両側にそれぞれ中空
円筒状のナットを螺合して、これらナットの外周部にそ
れぞれハブ体を支持する軸受を設け、前記一方のナット
の外周部に発電コイルの導線引き出し用の通路を設けた
から、従来の車軸のようにキー溝を設ける必要がなくな
る。したがって本発明によれば、車軸の強度が増大する
上に、加工が簡単になるためコストも低減する。さらに
本発明によれば、ロックナットをゆるめた後、車軸を回
転させることによって、装置を分解することなく車軸を
ぬきとることができ、逆の操作によって車軸を交換する
ことができる。
【0012】また本発明においては、前記した導線引き
出し用の通路に、電気絶縁物で被覆した導体を引き通
し、この導体の内側端を発電コイル体のコイルの一端と
接続すると共に、このコイルの他端を車体にアースした
から、従来のようにリード線を車軸に設けたキー溝を介
して外部に導出する必要がなくなる。このため組立時に
ナットの締め付けによってリード線を切断したり、また
リード線の絶縁被覆をやぶいて電気を漏洩するおそれも
なくなる。
【0013】また本発明においては、前記したハブ体の
両端を支持する軸受をシールドベアリングにし、導線引
き出し用の通路に電気絶縁物で被覆した導体を引き通す
と共に、シール剤を充填し、前記ハブ体の片側に嵌合す
る側蓋体の外周をハブ体に対して圧入したから、ハブ体
内部が密封構造となり、防塵、防水性能が向上して、摩
擦伝動機能を長期間にわたって維持することにより、電
圧の低下や発電不能などの障害を除去することができ
る。
【0014】さらに本発明においては、ハブ体の回転を
増速して回転子に伝達する遊星ローラー伝動装置を有す
るハブ内蔵式発電装置において、前記遊星ローラーの外
周面の中央部に溝を設けたから、遊星ローラー回転時に
おける接触部の排油性を高めると共に、高速回転時にお
けるハイドロプレーニング現象を防止することができ
る。また本発明によれば、遊星ローラーと太陽ローラー
や弾性リングとの接触面積が減少するから、その分面圧
が大きくなって摩擦伝動部のスリップを防止することが
でき、それに伴って発生電圧が安定して、明るさのむら
や、ちらつきを防止することができる。
【0015】
【実施例】以下、図1〜図11について本発明の一実施例
を説明する。図中前記符号と同一の符号は同等のものを
示す。図中1は自転車のフレームの一部である前ホー
ク、2は左右の前ホーク1の端部間にたけ渡してそれぞ
れナット3により固定した車軸である。本実施例におい
ては、車軸2は図12に示す従来装置のように段部2aやキ
ー溝2bを設けず、図2に詳細に示すように、左右両側に
ねじ部2c, 2dを設ける。
【0016】また中空円筒状の固定筒体8の一端(図1
における左側端)に、中空円筒状のナット32(図3参
照)の鍔部32a を埋設すると共に、その円筒部32b を外
方へ突設し、この固定筒体8の他端(図1における右側
端)を開放し、その開放端側の径を拡張して大径部8aを
形成すると共に、その内周の複数個所(本実施例では12
個所、図6,7参照) に凸部8cを円周等分位置に配設す
る。
【0017】ナット32は、図3に示すように、一端に六
角形状の鍔部32a を有すると共に、円筒部32b の他端に
四角形状の角筒部32c を有し、中心部に車軸2のねじ部
2cと螺合するねじ孔32d があり、鍔部32a から円筒部32
b の全長にわたって導線引き出し用の通路となる溝32e
を設け、この溝32e と近接している固定筒体8の端部に
ねじ孔32d と平行に孔8d(図9参照)を設ける。
【0018】そして固定筒体8と一体のナット32を車軸
2のねじ部2cに螺合すると共に、車軸2のねじ部2dにも
鍔付き中空円筒状のナット33を螺合し、ナット32の外周
にシールドボールベアリング34を嵌合すると共に、ナッ
ト33の外周にシールドボールベアリング35を嵌装する。
【0019】そして、前輪のハブ体4を一端(図1にお
ける右側端)を開放した中空円筒状に形成し、その開放
端側は径を拡張して大径部4aを形成し、その開放端に側
蓋体5を圧入したものをシールドボールベアリング34,
35を介して車軸2に回転自在に設ける。
【0020】また図4,5に詳細に示すように、電気絶
縁性のある合成樹脂製の溝付きリング17a の一側(図4
における左側)の鍔の外面に突起17d を突設すると共
に、その180 °離れた個所にも突起17e を突設し、突起
17d と突起17e との間の鍔部に導線引き出し用の切り込
み溝17f を設け、この溝付きリング17a の溝内に導線17
b を巻き付けてコイル17を形成し、ついで円筒の外周を
4分割した位置にそれぞれ帯板状の磁極片18a を配置す
ると共に、これら4本の磁極片18a をそれぞれ小径の円
筒部18b に連結して第1電機子18を一体に形成し、この
第1電機子18の円筒部18b を前記コイル17の中心孔17c
内に挿通し、この中心孔17c より突出した円筒部18b を
外包する円筒部19b と、組み立て時に前記4本の磁極片
18a の中間にそれぞれ位置する4 本の帯板状の磁極片19
a とを連結して第2電機子19を一体に形成し、この第2
電機子19を前述したコイル17と第1電機子18との結合体
に嵌合して図5に示すように発電コイル体20を一体的に
構成する。なお21a は図4に示すようにコイル17から引
き出した導線で、この導線21a は突起17d の中央に設け
た切り込み溝を介して外方へ引き出した後、図5に示す
ように突起17d の円筒部に巻き付け、後から突起17d の
円筒部に嵌合する導電性を有するコイルばね36と電気的
に接続するようにする。
【0021】また21b(図4参照)は、コイル17の導線の
他端を切り込み溝17f から引き出したもので、この導線
21b は図5に示すように、発電コイル体20を組み立てた
際に、溝付きリング17a の外側面と、第2電機子19との
間に介在して、この発電コイル体20を車軸20に嵌装した
ときに、第2電機子19および車軸2を介して自転車の車
体にアースされるようにする。なお37(図1,9参照)
は、発電コイル体20を車軸2に嵌装する際に、第2電機
子19とナット32との間に介挿する導電用のコイルばねで
ある。
【0022】また磁石22a と第2太陽ローラー22b とを
結合して一体的に形成した回転子22を、磁石22a が前記
発電コイル体20の各磁極片18a 、19a と対応するように
車軸2に対し回転自在に設ける。また第1太陽ローラー
23a と円板状の遊星キャリア23を一体的に形成し、この
遊星キャリア23を前記回転子22とハブ体4の側蓋体5と
の間の車軸2に対して回転自在に設け、前記第1太陽ロ
ーラー23a の外周に配設された3個の第1遊星ローラー
24(図6参照)を前記ハブ体4の側蓋体5に軸25により
それぞれ枢支して設ける。また前記第2太陽ローラー22
b の外周に3個の第2遊星ローラー26(図7参照)を前
記遊星キャリア23に軸27によりそれぞれ枢支して設け
る。そして各遊星ローラー24, 26の外周面の中央部に
は、適当な深さの溝24a, 26aを鉢巻き状に設ける。
【0023】また図6,7に示すように、固定筒体8の
大径部8aの内周に設けた凸部8cに内側より係合する複数
個(本実施例では12個) の合成樹脂製の舌片状突起部30
a,31a を同じく合成樹脂製のリング30b, 31bの外周部に
それぞれ接線状に分布して設け、これら2個のリング30
b, 31bをそれぞればね鋼製のリング30c, 31cの外周部に
嵌着して、第1弾性リング30と、第2弾性リング31とを
構成する。
【0024】そして前記した第1弾性リング30の内周面
の直径は、各第1遊星ローラー24が内接する円の直径よ
りやや小さく形成し、この小さい内径の第1弾性リング
30を各第1遊星ローラー24の外側に圧入して、この第1
遊星ローラー24を第1太陽ローラー23a に圧接状態にす
る。同様に前記した第2弾性リング31の内周面の直径
は、各第2遊星ローラー26が内接する円の直径よりやや
小さく形成し、この小さい内径の第2弾性リング31を各
第2遊星ローラー26の外側に圧入して、この第2遊星ロ
ーラー26を第2太陽ローラー22b に圧接状態にする。
【0025】また図9〜11に示すように、細帯状の導体
38を電気絶縁性を有する合成樹脂等の電気絶縁物39で被
覆し、この被覆した導体38を前記ナット32に設けた溝32
e に嵌め込んで、その内側端部38a を上方へ折り曲げる
と共に、電気絶縁物39を切除して前記したコイルばね36
と接触させる。
【0026】また被覆した導体38の外側端部38b は上方
へ立ち上げると共に、被覆39の端部39a をソケット状に
形成し、二点鎖線で示す他の導線40をこのソケット状の
端部39a に差し込むことにより、電気的に接続できるよ
うにする。なお41は座金42と一体に形成した導体ホルダ
ーで、41a はその把持部である。また43は座金42の内側
に添着した座金で、ナット32の角筒部32c と嵌合するも
のであり、44は座金42およびナット33の外側に螺合した
ロックナットである。なおナット32の溝32e と被覆した
導体38の被覆39との間にはシール剤(図示せず)を充填
してシール性能を高めるようにする。
【0027】つぎに上述のように構成した本発明装置の
作用を説明する。この自転車が走行すると、車輪と一体
的に構成されているハブ体4が側蓋体5および軸25と共
に図6の矢印Eの方向に回転する。この場合固定筒体8
は固定されているために、軸25を介して第1遊星ローラ
ー24が矢印Eの方向に公転すると、それに伴って固定筒
体8と嵌合している第1弾性リング30と圧接している各
第1遊星ローラー24は矢印Fの方向に自転する。この第
1遊星ローラー24の矢印E方向の公転と矢印F方向の自
転によって、この第1遊星ローラー24と接触して転動す
る第1太陽ローラー23aは図6の矢印Gの方向に増速さ
れて回転する。本実施例では、固定筒体8の第1弾性リ
ング30の内径が64mmであり、第1太陽ローラー23a の外
径が16mmであるから、第1太陽ローラー23a と一体の遊
星キャリア23の回転は、(64+16) ÷16=5であるか
ら、ハブ体4の回転の5倍に増速される。
【0028】また第1太陽ローラー23a と一体の遊星キ
ャリア23が図6に示すように矢印Hの方向に回転すれ
ば、軸27も矢印Hの方向に回転するため、停止している
第2弾性リング31と圧接している第2遊星ローラー26は
矢印Hの方向に公転すると共に矢印Iの方向に自転す
る。したがって、これと接触して転動する第2太陽ロー
ラー22b は矢印Jの方向に増速されて回転する。本実施
例では、固定筒体8の第2弾性リング31の直径が64mmで
あり、第2太陽ローラー22b の外径が16mmであるから、
第2太陽ローラー22b と一体の回転子22の回転は、(64
+16) ÷16=5であるから、遊星キャリア23の5倍の増
速回転になる。すなわち、第1段目の遊星ローラー列と
第2段目の遊星ローラー列によって、25倍(5×5)の
増速回転が得られる。なお、本実施例では、2列の遊星
ローラー列について述べたが、遊星ローラー列が1列あ
るいは、3列の場合でも本発明を適用することができ
る。
【0029】上述の伝動系において、本発明の実施例で
は、前記固定筒体8の内周の複数個所に凸部8cを配設
すると共に、この凸部8cに内側より係合する複数個の
合成樹脂製の舌片状突起部30a,31aをばね鋼製のリン
グ30c,31cの外周部に接線状に分布して設けて弾性リ
ング30,31を構成したから、固定筒体8と各弾性リング
30,31との伝動は、柔軟な合成樹脂製の舌片状突起部30
a,31aを介して行われることになる。そしてこの舌片
状突起部30a,31aは、半径方向に対する変形および移
動に対しては柔軟で、周方向に対する剛性は高い。した
がってこの装置によれば、固定筒体8と弾性リング30,
31との組み付け寸法精度を高くする必要がないので製造
が容易になる。またこの装置は作動中ガタがなく、騒音
を発生することもなくなる。またこの装置の固定筒体8
と弾性リング30,31との係合は、舌片状突起部30a,31
aを介して行われるから従来装置の固定筒体と弾性リン
グとの接合部に発生したすべりは、舌片状突起部30a,
31aのたわみによって吸収し、また弾性リング30,31の
変形も舌片状突起部30a,31aによって十分吸収するこ
とができるから、これによって伝動効率を向上させるこ
とができる。
【0030】上述のように自転車の走行に伴って、第2
太陽ローラー22b が増速されて高速回転すると、この第
2太陽ローラー22b と一体の磁石22a も高速回転する。
すなわち回転子22が発電コイル体20の磁極片18a, 19a内
で回転するから、コイル17に誘起電圧が発生し、発生し
た電流は導線21a 、コイルばね36、導体38を介して導線
40に流れ、コイル17の他方の導線21b は、第2電機子1
9、第1電機子18、車軸2を介してアースされるか、あ
るいは第2電機子19、コイルばね37、ナット32、車軸2
を介してアースされている。したがってこの装置によれ
ば、導線40と車体との間に接続した負荷に電気を供給す
ることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明においては、車軸2の両側にそれ
ぞれ中空円筒状のナット32, 33を螺合して、これらナッ
ト32, 33の外周部にそれぞれハブ体4を支持する軸受3
4, 35を設け、前記一方のナット32の外周部に発電コイ
ル17の導線引き出し用の通路32e を設けたから、従来の
車軸2のようにキー溝2bを設ける必要がなくなる。した
がって本発明によれば、車軸2の強度が増大する上に、
加工が簡単になるためコストも低減する。さらに本発明
によれば、ロックナット44をゆるめた後、車軸2を回転
させることによって、装置を分解することなく車軸2を
ぬきとることができ、逆の操作によって車軸2を簡単に
新品と交換することができるという効果が得られる。
【0032】また本発明においては、前記した導線引き
出し用の通路32e に、電気絶縁物39で被覆した導体38を
引き通し、この導体38の内側端38a を発電コイル体20の
コイル17の一端と接続すると共に、このコイル17の他端
を車体にアースしたから、従来のようにリード線21を車
軸2に設けたキー溝2bを介して外部に導出する必要がな
くなる。このため組立時にナット3の締め付けによって
リード線21を切断したり、またリード線21の絶縁被覆を
やぶいて電気を漏洩するおそれもなくなる。
【0033】また本発明においては、前記したハブ体4
の両端を支持する軸受34, 35をシールドベアリングに
し、導線引き出し用の通路32e に電気絶縁物39で被覆し
た導体38を引き通すと共に、シール剤を充填し、前記ハ
ブ体4の片側に嵌合する側蓋体5の外周をハブ体4に対
して圧入したから、ハブ体4の内部が密封構造となり、
防塵、防水性能が向上して、摩擦伝動機能を長期間にわ
たって維持することにより、電圧の低下や発電不能など
の障害を除去することができる。
【0034】さらに本発明においては、ハブ体4の回転
を増速して回転子22に伝達する遊星ローラー伝動装置を
有するハブ内蔵式発電装置において、前記遊星ローラー
24,26の外周面の中央部に溝24a, 26aを設けたから、遊
星ローラー24, 26の回転時における接触部の排油性を高
めると共に、高速回転時におけるハイドロプレーニング
現象を防止することができる。また本発明によれば、遊
星ローラー24, 26と太陽ローラー23a, 22bや弾性リング
30, 31との接触面積が減少するから、その分面圧が大き
くなって摩擦伝動部のスリップを防止することができ、
それに伴って発生電圧が安定して、明るさのむらや、ち
らつきを防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の断面図である。
【図2】(a)は、図1の車軸の側面図であり、(b)
は、その端面図である。
【図3】(a)は、固定筒体に埋設するナットの正面図
であり、(b)は、その側断面図であり、(c)は、そ
の背面図である。
【図4】発電コイル体の分解斜視図である。
【図5】発電コイル体の斜視図である。
【図6】図1のA−A線による第1遊星ローラー列の作
用説明用断面図である。
【図7】図1のB−B線による第2遊星ローラー列の作
用説明用断面図である。
【図8】図1の部分詳細図である。
【図9】図1の部分詳細図である。
【図10】図9のC矢視図である。
【図11】図9のD−D線による断面図である。
【図12】従来装置の断面図である。
【図13】(a)は、図12の車軸の側面図であり、
(b)は、その端面図である。
【図14】従来の自転車用車軸部を一部断面で示す側面
図である。
【符号の説明】
1 前ホーク 2 車軸 3 ナット 4 ハブ体 5 側蓋体 6 玉軸受け 7 スポーク 8 固定筒体 9 キー 10 第1弾性リング 11 第2弾性リング 12 スペーサー 13 コーナーリング 14 止め輪 15 座金 16 ばね 17 コイル 18 第1電機子 19 第2電機子 20 発電コイル体 22 回転子 21 リード線 22a 磁石 22b 第2太陽ローラー 23 遊星キャリア 23a 第1太陽ローラー 24 第1遊星ローラー 25 軸 26 第2遊星ローラー 27 軸 28 防水キャップ 30 第1弾性リング 30a 舌片状突起部 30b リング 30c ばね鋼製のリング 31 第2弾性リング 31a 舌片状突起部 31b リング 31c ばね鋼製のリング 32, 33 ナット 34, 35 シールドボールベアリング(シールドベアリン
グ) 36, 37 コイルばね 38 導体 39 電気絶縁物(被覆) 40 導線 41 導体ホルダー 42, 43 座金 44 ロックナット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自転車のフレームに固定した車軸に対し
    て車輪のハブ体を回転自在に嵌合し、このハブ体の内部
    に中空円筒状の固定筒体を前記車軸に固定して設け、こ
    の固定筒体内に発電コイル体を固定して設けると共に、
    磁石と一体的に形成した回転子を前記車軸に回転自在に
    設け、ハブ体の回転を増速して回転子に伝達する遊星ロ
    ーラー伝動装置を有するハブ内蔵式発電装置において、
    前記車軸の両側にそれぞれ中空円筒状のナットを螺合し
    て、これらナットの外周部にそれぞれ前記ハブ体を支持
    する軸受を設け、前記一方のナットの外周部に前記発電
    コイルの導線引き出し用の通路を設けたことを特徴とす
    る自転車用ハブ発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の導線引き出し用の通路
    に、電気絶縁物で被覆した導体を引き通し、この導体の
    内側端を前記発電コイル体のコイルの一端と接続すると
    共に、このコイルの他端を車体にアースしたことを特徴
    とする自転車用ハブ発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のハブ体の両端を支持する
    軸受をシールドベアリングにし、導線引き出し用の通路
    に電気絶縁物で被覆した導体を引き通すと共に、シール
    剤を充填し、前記ハブ体の片側に嵌合する側蓋体の外周
    をハブ体に対して圧入したことを特徴とする自転車用ハ
    ブ発電装置。
  4. 【請求項4】 自転車のフレームに固定した車軸に対し
    て車輪のハブ体を回転自在に嵌合し、このハブ体の内部
    に中空円筒状の固定筒体を前記車軸に固定して設け、こ
    の固定筒体内に発電コイル体を固定して設けると共に、
    磁石と一体的に形成した回転子を前記車軸に回転自在に
    設け、ハブ体の回転を増速して回転子に伝達する遊星ロ
    ーラー伝動装置を有するハブ内蔵式発電装置において、
    前記遊星ローラーの外周面の中央部に溝を設けたことを
    特徴とする自転車用ハブ発電装置。
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